JPH1133832A - アルミニウム合金部品の補修方法 - Google Patents

アルミニウム合金部品の補修方法

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JPH1133832A
JPH1133832A JP21245597A JP21245597A JPH1133832A JP H1133832 A JPH1133832 A JP H1133832A JP 21245597 A JP21245597 A JP 21245597A JP 21245597 A JP21245597 A JP 21245597A JP H1133832 A JPH1133832 A JP H1133832A
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JP
Japan
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aluminum alloy
brazing material
block
concave portion
particles
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JP21245597A
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Inventor
Ryoji Takahashi
良二 高橋
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局所的な歪みや変形を生ずることなく欠陥部
位を補修することのできるアルミニウム合金部品の補修
方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金部品であるケーシング
10の欠陥部位であるクラック11部位を取り除いて凹
部12を形成すると共に、該凹部12にロウ材とアルミ
ニウム合金の粉末又は粒子との混合物20を充填し、真
空炉内で加熱してロウ材を溶融させて前記凹部12を埋
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
部品に生じたクラック等の欠陥を補修する、アルミニウ
ム合金部品の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばジェットエンジンやガスタービン
に付属して設けられる補機類のケーシング等、アルミニ
ウム合金によって形成される部品は、オーバーホールの
際にクラック等の欠陥が発見されると補修が行われる。
【0003】このようなアルミニウム部品の欠陥補修方
法としては、欠陥部にTIG溶接等によって肉盛りを施
すものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金は溶融温度が低く熱伝導性も良いという物性
を有する一方、表面が融点の高いアルミニウム酸化物で
覆われる。このために溶接による肉盛りの際には溶接入
熱を大きくせざるを得ず、その結果、溶接部が大きくな
って広い範囲に熱影響が及び、局所的な歪みを生じて変
形や寸法精度の劣化を来すという問題があった。
【0005】本発明は、上記解決課題に鑑みてなされた
ものであって、局所的な歪みや変形を生ずることなく欠
陥部位を補修することのできるアルミニウム合金部品の
補修方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明に係るアルミニウム合金部品の補修方法は、アルミニ
ウム合金部品の欠陥部位を取り除いて凹部を形成すると
共に、該凹部にロウ材とアルミニウム合金の粉末又は粒
子との混合物を充填し、真空炉内で加熱して前記ロウ材
を溶融させて前記凹部を埋めることを特徴とする。
【0007】また、アルミニウム合金部品の欠陥部位を
取り除いて凹部を形成し、該凹部にアルミニウム合金の
ブロックを挿置すると共に、該ブロックと前記凹部の間
にロウ材を充填し、真空炉内で加熱して前記ロウ材を溶
融させて前記凹部とブロックを接合して前記凹部を埋め
ることを特徴とする。
【0008】更に、アルミニウム合金部品の欠陥部位を
取り除いて凹部を形成し、該凹部にアルミニウム合金の
ブロックを挿置すると共に、該ブロックと前記凹部の間
にロウ材とアルミニウム合金の粉末又は粒子との混合物
を充填し、真空炉内で加熱して前記ロウ材を溶融させて
前記凹部とブロックを接合して前記凹部を埋めることを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1(A)〜(D)
は、本発明に係るアルミニウム合金部品の補修方法の第
一例の工程を示し、図1(A)に示すアルミニウム合金
によって形成された補修対象部品としてのケーシング1
0の欠陥部位としてのクラック11を補修するものであ
る。ケーシング10の組成は、例えば、珪素:4.0〜
8.0重量%,マグネシウム:0.2〜0.6重量%,
銅:0〜1.3重量%,残部がアルミニウムである。
【0010】まず、図1(B)に示すように、クラック
11の周囲をドリルやカッターによる切削又はグライン
ダー等による研削によって、クラック11を完全に除去
して凹部12を形成する。
【0011】次いで、図1(C)に示すように、この凹
部12にアルミニウム用のロウ材とアルミニウム合金の
粉末又は粒子の混合物20を充填する。ロウ材とアルミ
ニウム合金粉末との混合比率は、8:2〜7:3程度と
する。
【0012】アルミニウム合金の粉末又は粒子は、ケー
シング10と同等の組成のものが望ましく、全く同じで
あればより好ましい。その粒径は、40μm〜150μ
m程度が適する。また、アルミニウム用のロウ材は、極
力融点の低いものが望ましい。
【0013】このように凹部12にロウ材とアルミニウ
ム合金の粉末又は粒子の混合物20が充填されたケーシ
ング11を、真空炉中に挿置して真空雰囲気中でロウ材
の融点以上の温度に加熱し、ロウ材を溶融させた後、徐
冷して固化させる。
【0014】これにより、図1(D)に示すように凹部
12が埋められた補修箇所13がケーシング11の他の
部位と一体化して補修が完了する。この状態では、溶融
固化したロウ材中にアルミニウム合金の粉末又は粒子が
散在し、換言すればアルミニウム合金の粉末又は粒子と
凹部12の内壁とをロウ材が結合しているものである。
これにより、凹部12をロウ材のみで充填した場合に比
較して固化時の収縮量が小さくなるために、収縮による
くぼみの発生が防がれる。
【0015】上記補修方法によれば、補修対象部品であ
るケーシング10全体を加熱するものであるために溶接
による補修のように局所的な歪みによって変形や寸法精
度の劣化を来すことがなく、また、クラック等の微小な
欠陥部位を取り除いて形成したある程度の大きさの凹部
にロウ材とアルミニウム合金の粉末又は粒子の混合物を
充填するものであるため、ロウ材が容易に隅々まで行き
渡って気泡等の欠陥が生じ難いものである。更に、固化
時の収縮によるくぼみの発生も抑制される。
【0016】尚、補修部位の内部に気泡等位の欠陥のあ
る虞がある場合、真空炉内に高圧のアルゴンガス等の不
活性ガスを充填して高温等方圧プレス処理を施すことで
改善できる。また、例えば500度Cの温度で例えば4
時間保持する等の拡散処理を行えば、ロウ材と当該ロウ
材に混合したアルミニウム合金の粉末又は粒子とケーシ
ング10(凹部12周囲)とを馴染ませることができ
る。
【0017】次に、図2に工程を示す本発明に係るアル
ミニウム合金部品の補修方法の第二例を説明する。全体
の工程は前述の第一例と同様であり、異なる部分のみを
説明する。また、図中第一例と同じ部位には同符号を付
してある。
【0018】この補修方法は、欠陥部位(クラック1
1)を研削又は切削によって取り除いて形成した凹部1
2内に、アルミニウム合金によって形成されたブロック
30を挿置し、そのブロック30の外面と凹部12の内
面との間にロウ材21を充填して溶融固化させ、ブロッ
ク30を接合一体化させて補修するものである。
【0019】ブロック30は、凹部12に挿置した状態
でその上端がケーシング10の上面より所定量突出する
大きさに設定され、このケーシング10の上面より突出
するブロック30の上面部は、最後に機械加工によって
平坦に仕上げられる。
【0020】この方法は、ブロック30を凹部12内に
ロウ材21によって結合一体化するものであり、大きな
欠陥部位の補修に適用することができ、全体にロウ材を
充填するものに比較して強度の劣化を少なくできる。ま
た、ロウ材12の固化時の収縮によって表面にくぼみが
生ずることがなく、前述の第一例と同様に熱応力による
歪みや変形がない。
【0021】この方法ではブロック30の外面と凹部1
2の内面との隙間(即ちロウ材21の充填間隔)があま
り大きいとロウ材12の固化時の収縮によって当該ロウ
材12部位にくぼみが生じ得るため、最大略1mm程度
が望ましい。ブロック30と凹部12の隙間がこれ以上
に大きい場合には、図3に工程を示すように、前述の第
一例の場合と同様のロウ材とアルミニウム合金の粉末又
は粒子の混合物20をブロック30と凹部12の隙間に
充填して溶融固化させることで、ロウ材の固化時の収縮
を防ぐことができる。
【0022】尚、上記例は凹部12内に一つのブロック
30を挿置して一体化したものであるが、2個以上の複
数のブロックを用いても良いものである。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るアルミ
ニウム合金部品の補修方法によれば、欠陥部位を取り除
いて形成した凹部内にロウ材とアルミニウム合金の粉末
又は粒子との混合物を充填し、真空炉内で加熱してロウ
材を溶融・固化させて凹部を埋めることにより、溶接に
よる補修のように熱応力による局所的な歪みによって変
形や寸法精度の劣化を来すことがなく、ロウ材が容易に
隅々まで行き渡って気泡等の欠陥が生じ難く、固化時の
収縮も抑制される。
【0024】また、凹部にアルミニウム合金のブロック
を挿置すると共にブロックと凹部の間にロウ材を充填し
て凹部とブロックを接合することにより、溶接による補
修のように熱応力による局所的な歪みによって変形や寸
法精度の劣化を来すことがなく、ロウ材の固化時の収縮
がないものである。
【0025】更に、凹部にアルミニウム合金のブロック
を挿置すると共に、ブロックと凹部の間にロウ材とアル
ミニウム合金の粉末又は粒子との混合物を充填して凹部
とブロックを接合ことにより、溶接による補修のように
熱応力による局所的な歪みによって変形や寸法精度の劣
化を来すことがなく、ブロックと凹部の隙間が大きな場
合でもロウ材の固化時の収縮を抑制できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)は本発明の第一例の補修工程を
説明する図である。
【図2】(A)〜(D)は本発明の第二例の補修工程を
説明する図である。
【図3】(A)〜(D)は本発明の第三例の補修工程を
説明する図である。
【符号の説明】
10 ケーシング(アルミニウム合金部品) 11 クラック(欠陥部位) 12 凹部 20 ロウ材とアルミニウム合金の粉末又は粒子の混合
物 21 ロウ材 30 ブロック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金部品の欠陥部位を取り
    除いて凹部を形成すると共に、該凹部にロウ材とアルミ
    ニウム合金の粉末又は粒子との混合物を充填し、真空炉
    内で加熱して前記ロウ材を溶融させて前記凹部を埋める
    ことを特徴とするアルミニウム合金部品の補修方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金部品の欠陥部位を取り
    除いて凹部を形成し、該凹部にアルミニウム合金のブロ
    ックを挿置すると共に、該ブロックと前記凹部の間にロ
    ウ材を充填し、真空炉内で加熱して前記ロウ材を溶融さ
    せて前記凹部とブロックを接合して前記凹部を埋めるこ
    とを特徴とするアルミニウム合金部品の補修方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金部品の欠陥部位を取り
    除いて凹部を形成し、該凹部にアルミニウム合金のブロ
    ックを挿置すると共に、該ブロックと前記凹部の間にロ
    ウ材とアルミニウム合金の粉末又は粒子との混合物を充
    填し、真空炉内で加熱して前記ロウ材を溶融させて前記
    凹部とブロックを接合して前記凹部を埋めることを特徴
    とするアルミニウム合金部品の補修方法。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウム合金の粉末又は粒子
    は、補修対象である上記アルミニウム合金部品と同組成
    であることを特徴とする請求項1又は3に記載のアルミ
    ニウム合金部品の補修方法。
  5. 【請求項5】 上記ブロックは、補修対象である上記ア
    ルミニウム合金部品と同組成であることを特徴とする請
    求項2又は3に記載のアルミニウム合金部品の補修方
    法。
JP21245597A 1997-07-23 1997-07-23 アルミニウム合金部品の補修方法 Pending JPH1133832A (ja)

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