JPH11337465A - ガス吹付式濃縮装置 - Google Patents

ガス吹付式濃縮装置

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JPH11337465A
JPH11337465A JP10141061A JP14106198A JPH11337465A JP H11337465 A JPH11337465 A JP H11337465A JP 10141061 A JP10141061 A JP 10141061A JP 14106198 A JP14106198 A JP 14106198A JP H11337465 A JPH11337465 A JP H11337465A
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needle
solvent
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池 敏 雄 小
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本 勝 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスを吹き付けることにより溶媒を蒸発させ
て溶液を濃縮させる場合に、溶媒として難揮発性溶媒を
用いた溶液でも、比較的短時間で効率良く濃縮できるよ
うにしてランニングコストを低減する。 【解決手段】 サンプル容器(2)に挿入した状態でガ
スを噴射するニードルノズル(5)を備えたガス吹付ユ
ニット(6)と、各サンプル容器(2)を配列するサン
プルラック(4)を一体に傾動させるように取付支持し
た。これにより、サンプル溶液を入れた試験管などのサ
ンプル容器(2)内にニードルノズル(5)の先端を挿
入した状態で、サンプルラック(4)とガス吹付ユニッ
ト(6)を傾動させると、サンプル溶液の液面が水平に
維持されたままサンプル容器(2)が傾いて、サンプル
溶液の液面は、サンプル容器(2)が鉛直に立設されて
いた場合に比して広くなる。したがって、ニードルノズ
ル(5)から吹き付けられるガスとの接触面積が広くな
り、その分、溶媒の蒸発が促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難揮発性物質の溶
液から蒸発によって溶媒を除去し、その溶液濃度を高め
るガス吹付式濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化学物質の合成反応などにおいて、生成
された化学物質を分析する際に、分析精度を向上させる
ため、溶液を濃縮することとしている。この場合に、溶
媒を除去する手段として遠心分離や、加熱蒸発させる方
法が知られている。
【0003】 しかし、遠心分離を行うための遠心分離
装置は、大掛かりで高価であるだけでなく、同時に処理
できるサンプル数が比較的少ないため、処理能率が低い
という欠点がある。また、加熱蒸発させる場合は、生成
された化学物質が変質しない程度の熱に抑えなければな
らないため、やはり処理能率が低く、熱的に不安定な化
学物質には用いることができない。そこで、このような
場合に、化学物質が変質しない程度の温度に維持して、
又は、室温に維持したまま、例えば窒素ガスなどの不活
性ガスやその他の溶媒蒸発促進ガスを吹き付けて溶媒を
蒸発させ、溶液を濃縮するガス吹付式濃縮装置が用いら
れている(実公平3−40344号参照)。
【0004】 ガス吹付式濃縮装置は、溶液を入れるサ
ンプル容器をマトリクス状に配列するサンプルラックの
上方に、高さ調節可能なガス吹付ユニットが支持されて
いる。そして、このガス吹付ユニットは、例えば窒素ガ
スが供給されるチャンバが形成されたマニホールドに、
ニードルノズルが前記サンプルラックに配列されたサン
プル容器に対応して取り付けられて成り、夫々のニード
ルノズルの先端をサンプル容器内に挿入し、溶液の液面
近傍に位置させた状態で、ガスを吹き出すようにしてい
る。
【0005】 このようなガス吹付式濃縮装置によれ
ば、サンプル溶液を入れたサンプル容器をマトリクス状
に多数配列することができるので、同時に処理できるサ
ンプル数が多く、処理能率が高いだけでなく、熱的に不
安定な化学物質についても、室温又は室温に近い温度で
溶媒の蒸発を促進させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サンプ
ル溶液の溶媒が水やDMSOなどの難揮発性溶媒である
場合は、これを蒸発させるために、長時間(5〜6時
間)を要し、その間、窒素ガスを供給し続けなければな
らないので、窒素ガスが大量に必要となり、その発生装
置を連続運転することによりランニングコストが嵩むと
いう問題があった。
【0007】 そこで本発明は、難揮発性溶媒を用いた
溶液でも、比較的短時間で溶媒を蒸発させ、溶液を効率
良く濃縮してランニングコストを低減することを技術的
課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、ガス吹付ユニットに設けられた各ニード
ルノズルを、サンプルラックに配列された各サンプル容
器に挿入して、前記各ニードルノズルから溶媒蒸発促進
ガスを吹き付けることにより前記容器に入ったサンプル
溶液を蒸発させるガス吹付式濃縮装置において、前記ガ
ス吹付ユニットを高さ調節可能に支持するフレームが、
前記サンプルラックに一体的に取り付けられると共に、
前記サンプルラックが、水平に対して傾斜可能に支持さ
れて、前記ガス吹付ユニットと一体に傾動するように配
設されたことを特徴とする。
【0009】 本発明によれば、例えばサンプル溶液を
入れた試験管(サンプル容器)をマトリクス状に配列し
た状態でサンプルラックにセットして、ガス吹付ユニッ
トの高さを調節し、ニードルノズルの先端を液面近傍に
位置させる。このとき試験管は鉛直方向に立設され、サ
ンプル溶液の液面は水平に維持されるので、当該液面は
試験管の深さ方向に対して90°をなす。
【0010】 この状態で、サンプルラックを水平に対
して所定角度傾けると、当該サンプルラックとガス吹付
ユニットが一体に傾動し、サンプル溶液の液面が水平に
維持されたまま、サンプルラックにセットされた試験管
が、その内部に挿入されたニードルノズルと共に傾く。
したがって、サンプル溶液の液面は、試験管をその深さ
方向に対して所定角度傾斜した面で斜めに切断したとき
の断面積に等しく、試験管が鉛直に立設されていた場合
に比して広くなる。例えば、試験管を鉛直方向に対して
45°傾斜させた場合はその面積比が約1.4 倍,60°
傾斜させた場合は約2倍となる。ここで、ガス吹付ユニ
ットのニードルノズルから、溶媒蒸発促進ガスを吹き付
けると、ガスと液面との接触面積が広くなっているの
で、その分、溶媒の蒸発が促進され、効率良く濃縮する
ことができる。
【0011】 また、ガス吹付ユニットに溶媒蒸発促進
ガスを加熱するヒータを設け、ニードルノズルから液面
に吹き付けるガスを、サンプルが変質しない程度の温度
まで加熱すれば、蒸発がより促進される。この場合に、
ガス吹付ユニットに形成された溶媒蒸発促進ガスの流入
口から、各ニードルノズルに連通するチャンバに至る間
に、前記ヒータで加熱される蛇行流路が形成されている
ので、溶媒蒸発促進ガスは、前記蛇行流路を通過するこ
とにより、均一にムラ無く、且つ、効率よく加熱される
こととなる。また、ガスを加熱するだけでなく、サンプ
ルが変質しない程度の温度で試験管を加熱すれば、蒸発
がさらに促進される。
【0012】 さらに、溶媒の蒸発に伴って液面が下が
り、ニードルノズルの先端と液面との距離が離れると、
蒸発効率が低下するので、例えば、ガス吹付ユニットと
螺合される送りネジをモータ駆動により所定回転数で回
転させる昇降駆動装置を設けておけば、溶媒の蒸発に伴
って低くなる液面とニードルノズル先端の距離が一定に
維持されるようにガス吹付ユニットを予め設定された速
度で降下させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係るガス
吹付式濃縮装置を示す全体外観図、図2は使用状態を示
す説明図、図3(a)〜(c)はサンプル容器の他の例
を示す図、図4はガス吹付ユニットの昇降駆動装置を示
す説明図、図5はガス吹付ユニットの内部構造を示す横
断面図、図6(a)〜(c)はサンプル容器を傾けた状
態を示す説明図、図7は本発明に係る他のガス吹付式濃
縮装置を示す断面図、図8はそのサンプル容器の動きを
示す模式図である。
【0014】 図1に示すガス吹付式濃縮装置1は、試
験管(サンプル容器)2,2・・を試験管ホルダ3にマ
トリクス状に配列した状態で支持するサンプルラック4
と、例えば窒素ガス(溶媒蒸発促進ガス)を吹き出すニ
ードルノズル5,5・・が前記試験管2,2・・の配列
位置に対応してマニホールド11に取り付けられたガス
吹付ユニット6と、前記サンプルラック4を水平に対し
て傾動自在に取り付けたベース7とからなる。
【0015】 サンプルラック4には、試験管2,2・
・を6×8のマトリクス状に配列する試験管ホルダ3を
セットするアルミ製ブロックの恒温槽8が形成され、試
験管2,2・・に入れられたサンプル溶液を任意の温度
に加温し得るようになされている。この恒温槽8には、
試験管ホルダ3に立てられた試験管2の他、外形寸法が
同一規格のマイクロチューブ2a(図3(a)参照),
ディープウェルプレート2b(図3(b)参照),マイ
クロウェルプレート2c(図3(c)参照)を選択的に
セットすることができる。この場合に,ディープウェル
プレート2bやマイクロウェルプレート2cは、その全
高が恒温槽8の深さより小さいため、使用に際しては、
夫々の開口面が恒温槽8と面一になるように熱伝動性の
優れた材質で形成されたスペーサ9b,9cを用いるの
が好ましい。
【0016】 また、ガス吹付ユニット6は、前記サン
プルラック4に一体的に取り付けられたフレーム10に
高さ調節可能に支持されて、サンプルラック4の上方に
位置すると共に、図2に示すように、サンプルラック4
を傾動させたときに両者が一体に傾動するように配設さ
れている。フレーム10には、図4に示すように、ガス
吹付ユニット6のマニホールド11を昇降自在に案内す
る一対の案内レール12R,12Lが配設されると共
に、当該ガス吹付ユニット6を任意の速度で昇降させる
昇降駆動装置13が配設されている。
【0017】 この昇降駆動装置13は、マニホールド
11に螺合された送りネジ14と、当該送りネジ14を
予め設定された回転数で正逆回転させるモータ15及び
ギアボックス16を備えている。そして、当該モータ1
5を所定回転数で駆動すれば、試験管2,2・・に入っ
たサンプル溶液を濃縮したときの液面の低下に伴って、
ガス吹付ユニット6を所定の速度で降下させることがで
きる。
【0018】 マニホールド11には、図5に示すよう
に、前記各ニードルノズル5,5・・に連通するチャン
バ17と、窒素ガスの供給管(図示せず)を接続するガ
ス流入口18と、当該ガス流入口18から前記チャンバ
17に至る蛇行流路19が形成され、当該蛇行流路19
の隣接する流路の間には、当該流路を通過する窒素ガス
を所定温度に加温するヒータ20,20・・が埋設され
ている。
【0019】 なお、21はサンプルラック4をベース
7に対して所定角度傾けた状態で固定するための角度調
節ダイアル、22はサンプルラック4を水平状態で停止
させるストッパ、23はガス吹付ユニット6を手動で昇
降させるための高さ調節ダイアルである。
【0020】 以上が本発明の一例構成であって、次に
その作用を説明する。まず、サンプル溶液を入れた試験
管2,2・・を試験管ホルダ3に配列し、これをサンプ
ルラック4に形成された恒温槽8にセットして、ガス吹
付ユニット6の高さを調節し、ニードルノズル5,5・
・の先端を液面近傍に位置させる。このとき試験管2,
2・・は、図6(a)に示すように鉛直方向に立設さ
れ、サンプル溶液の液面は水平に維持されるので、当該
液面は試験管2,2・・の深さ方向に対して90°をな
す。したがって、液面の形状は試験管2の内径を直径と
する円となり、その面積SはS=πr2 となる。
【0021】 この状態で、図2に示すようにサンプル
ラック4を前方へ所定角度傾けると、当該サンプルラッ
ク4とガス吹付ユニット6が一体に傾動し、サンプル溶
液の液面が水平に維持されたまま、サンプルラック4に
セットされた試験管2,2・・が、その内部に挿入され
たニードルノズル5,5・・と共に傾く。したがって、
サンプル溶液の液面は、試験管2をその深さ方向に対し
て所定角度傾斜した面で斜めに切断したときの楕円の断
面積に等しく、試験管が鉛直に立設されていた場合に比
して広くなる。
【0022】 例えば、試験管2を鉛直方向に対して4
5°傾斜させた場合は、図6(b)に示すように、短軸
a=r,長軸b=21/2 rの楕円となるから、その面積
Sは、 S=πab≒1.4 πr2 となり、60°傾斜させた場合は、図6(c)に示すよ
うに、短軸a=r,長軸b=2rの楕円となるから、そ
の面積Sは、 S=πab=2πr2 となる。
【0023】 ここで、ガス吹付ユニット6の各ニード
ルノズル5,5・・から、窒素ガスを吹き付けると、ガ
スと液面との接触面積が広くなっているので、その分、
溶媒の蒸発が促進され、効率良く濃縮することができ
る。このとき、ガス流入口18から流入した窒素ガス
が、ヒータ20,20により加熱される蛇行流路19を
通過すると、サンプルが変質しない程度の温度まで加熱
されてニードルノズル5,5・・から液面に吹き出され
るので、溶媒の蒸発がより促進される。特に、溶媒蒸発
促進ガスとして、窒素ガスやその他の不活性ガスを用い
れば、空気などの酸素を含むガスを用いる場合に比し
て、サンプルが酸化して変質するおそれもない。また、
ヒータ20で加熱される蛇行流路19に窒素ガスを通過
させているので、その窒素ガスを、均一にムラ無く且つ
効率よく加熱することができる。さらに、恒温槽8によ
りサンプルが変質しない程度の温度で、試験管2,2…
内のサンプル溶液を加熱すれば、溶媒の蒸発がさらに促
進される。
【0024】 そして、溶媒の蒸発に伴ってサンプル溶
液の液面が下がり、ニードルノズル5,5・・の先端と
液面との距離が離れると、蒸発効率が低下する。そこ
で、昇降駆動装置13により、ガス吹付ユニット6を予
め設定された速度で降下させ、蒸発により低下する液面
とニードルノズル5,5・・の先端の距離を一定に維持
すれば、液面とニードルノズル5,5・・の距離が離れ
て蒸発効率が低下することもない。なお、サンプルラッ
ク4は前方に傾動させる場合に限らず、後方に傾動させ
る場合や、左右に傾動させるものであってもよい。
【0025】 図7は本発明に係る他のガス吹付式濃縮
装置の断面図を示す。なお、図1〜図5と共通する部分
は同一符号を付して詳細説明を省略する。本例は、サン
プルラック4を傾斜させることによりサンプル溶液の液
面積を大きくするものではなく、鉛直方向を中心として
円運動又は円錐運動をさせることにより遠心力を作用さ
せ、サンプル溶液を試験管2の内周面に沿って回転させ
ることにより、その中央部を凹ませて表面積をより大き
くし、且つ、サンプル溶液の回転による攪拌作用によ
り、蒸発をより促進させるものである。
【0026】 具体的には、ガス吹付ユニット6を昇降
可能に支持するフレーム10がベース7に一体に取り付
けられている。また、試験管2をマトリクス状に配列す
るサンプルラック4の上端側にフランジ4fが形成さ
れ、当該フランジ4fが軟質ゴム,スポンジ,コイルス
プリングなどで形成された弾性支脚31,31…を介し
て前記ベース7に取り付けられている。これにより、サ
ンプルラック4は、その上端側が固定端、下端側が自由
端となる。
【0027】 また、サンプルラック4の底面には、固
定端となる上端側に対して自由端となる下端側を円運動
させることにより、全体を各試験管2の周方向に円錐運
動させる駆動装置32が固定されている。この駆動装置
32は、回転軸33aを下向きにしてサンプルラック4
に取りつけられたモータ33と、その回転軸33aに取
り付けられた偏心荷重(駆動体)34からなる。
【0028】 そして、このモータ33を駆動させて偏
心荷重34を回転させると、サンプルラック4は弾性支
脚31…に支持されたフランジ部4fを支点として、そ
の下端側が回転軸33aを中心にして偏心荷重34に振
り回されて、前記弾性支脚31…で支持された上端側を
固定端とする円錐運動をする。なお、この場合、弾性支
脚31…の弾性係数,モータ33の回転数,偏心荷重3
4の重さは、前記各試験管2がその内部に挿入された前
記ニードルノズル5に接触しない運動半径で円錐運動す
るように選定されている。また、図示は省略するが、そ
の他の構成、例えば、ガス吹付ユニット6の具体的構成
及び昇降駆動装置13などについては、図1〜図5に示
すものと同様である。
【0029】 これによれば、モータ33を駆動させて
偏心荷重34を円運動させることにより、サンプルラッ
ク4にその動力が伝わり、その上端側を支点として各試
験管2がその内部に挿入された前記ニードルノズル5に
接触しない運動半径で試験管2の周方向に円錐運動する
(図8参照)。このとき、試験管2内部のサンプル溶液
は遠心力が作用して、試験管2の内壁に沿って回転し、
中央部が凹んで表面積が大きくなるだけでなく、サンプ
ル溶液が攪拌される。ここで、ニードルノズル5より窒
素ガスなどを吹き付ければ、サンプル溶液の液面の表面
積が大きく、また、サンプル溶液が攪拌されている分、
蒸発効率が良いので、サンプル溶液を短時間で濃縮する
ことができる。
【0030】 なお、サンプルラック4の上端側を弾性
支脚で支持することにより円錐運動させる場合に限ら
ず、サンプルラック4の下端側を弾性支脚で支持するこ
とにより、サンプルラック4の下端側を固定端,上端側
を自由端として円錐運動させる場合であっもよい。ただ
し、ニードルノズル5を挿通している上端側を固定端と
した方が、試験管2その他のサンプル容器2a〜2cと
ニードルノズル5が接触しにくいというメリットがあ
る。
【0031】 また、サンプルラック4を円錐運動させ
るために偏心荷重34を用いる場合に限らず、確動カム
機構やクランク機構などを用いてもよく、さらにまた、
サンプルラック4全体が円運動するように支持されてい
てもよい。
【0032】 なお、上述の説明では、いずれも、溶媒
蒸発促進ガスとして窒素ガスを用いた場合について説明
したが、本発明はこれに限らず、任意のガスを使用し得
る。ただし、サンプルが酸化しやすい物質であったり、
他の化学物質と反応しやすいものである場合には、窒素
ガス,アルゴンガスなどの不活性ガスを用いることが好
ましい。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、サ
ンプルラックを傾斜させることによりサンプル容器が傾
いて、その容器内に入れられたサンプル溶液の液面の面
積が広くなるので、ニードルノズルから吹き出される溶
媒蒸発促進ガスとサンプル溶液との接触面積が広くな
り、その分、短時間で濃縮することができるという大変
優れた効果を奏する。また、溶媒蒸発促進ガスを加熱し
て吹き付ければ、溶媒が蒸発しやすくなり、その分、濃
縮効率を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガス吹付式濃縮装置を示す全体
外観図。
【図2】 使用状態を示す説明図。
【図3】(a)〜(c)はサンプル容器の他の例を示す
図。
【図4】 ガス吹付ユニットの昇降駆動装置を示す説明
図。
【図5】 ガス吹付ユニットの内部構造を示す横断面
図。
【図6】(a)〜(c)はサンプル容器を傾けた状態を
示す説明図。
【図7】 本発明に係る他のガス吹付式濃縮装置を示す
断面図。
【図8】 サンプル容器の動きを示す説明図。
【符号の説明】
1・・・・ガス吹付式濃縮装置 2・・・・試験管
(サンプル容器) 4・・・・サンプルラック 5・・・・ニード
ルノズル 6・・・・ガス吹付ユニット 7・・・・ベース 10・・・・フレーム 11・・・・マニ
ホールド 13・・・・昇降駆動装置 17・・・・チャ
ンバ 18・・・・ガス流入口 19・・・・蛇行
流路 20・・・・ヒータ 32・・・・駆動
装置 33・・・・モータ 34・・・・偏心
荷重(駆動体)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス吹付ユニット(6)に設けられた各
    ニードルノズル(5)を、サンプルラック(4)に配列
    された各サンプル容器(2,2a,2b,2c)に挿入して、
    前記各ニードルノズル(5)から溶媒蒸発促進ガスを吹
    き付けることにより前記容器(2,2a,2b,2c)に入っ
    たサンプル溶液を蒸発させるガス吹付式濃縮装置におい
    て、 前記ガス吹付ユニット(6)を高さ調節可能に支持する
    フレーム(10)が、前記サンプルラック(4)に一体的
    に取り付けられると共に、前記サンプルラック(4)
    が、水平に対して傾斜可能に支持されて、前記ガス吹付
    ユニット(6)と一体に傾動するように配設されたこと
    を特徴とするガス吹付式濃縮装置。
  2. 【請求項2】 ガス吹付ユニット(6)に設けられた各
    ニードルノズル(5)を、サンプルラック(4)に配列
    された各サンプル容器(2,2a,2b,2c)に挿入して、
    前記各ニードルノズル(5)から溶媒蒸発促進ガスを吹
    き付けることにより前記容器(2,2a,2b,2c)に入っ
    たサンプル溶液を蒸発させるガス吹付式濃縮装置におい
    て、 前記サンプルラック(4)は、駆動装置(32)により円
    運動する駆動体(34)の動力が伝達されて、前記各サン
    プル容器(2,2a,2b,2c)が前記ニードルノズル
    (5)に接触しない程度の運動半径で、当該各サンプル
    容器(2,2a,2b,2c)の周方向に円運動可能又は円錐
    運動可能に形成されたことを特徴とするガス吹付式濃縮
    装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動装置(32)は、前記サンプルラ
    ック(4)の底面に回転軸(33a)を下方に向けて固定さ
    れたモータ(33)と、前記回転軸(33a) に取り付けられ
    た駆動体となる偏心荷重(34)からなる請求項2記載の
    ガス吹付式濃縮装置。
  4. 【請求項4】 前記サンプルラック(4)に、サンプル
    容器(2,2a,2b,2c)内のサンプル溶液を所定の温度
    に加温する恒温槽(8)が形成されて成る請求項1乃至
    3記載のガス吹付式濃縮装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス吹付ユニット(6)には、前記
    ニードルノズル(5)に供給する溶媒蒸発促進ガスを加
    熱するヒータ(20)が設けられて成る請求項1乃至4記
    載のガス吹付式濃縮装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス吹付ユニット(6)には、各ニ
    ードルノズル(5)に連通するチャンバ(17)が形成さ
    れ、溶媒蒸発促進ガスの流入口(18)から前記チャンバ
    (17)に至る間に、前記ヒータ(20)で加熱される蛇行
    流路(19)が形成されて成る請求項5記載のガス吹付式
    濃縮装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス吹付ユニット(6)を高さ調節
    可能に支持するフレーム(10)に、前記ニードルノズル
    (5)の先端とサンプル溶液の液面の間隔が一定に維持
    されるようにガス吹付ユニット(6)を所定の速度で降
    下させる昇降駆動装置(13)が配設されて成る請求項1
    乃至6記載のガス吹付式濃縮装置。
JP14106198A 1998-05-22 1998-05-22 ガス吹付式濃縮装置 Expired - Lifetime JP3326108B2 (ja)

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