JP4737865B2 - 溶液濃縮装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、溶液から蒸発によって溶媒を除去し、その溶液濃度を高めるガス吹き付け式溶液濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学物質の合成反応、廃棄物中の有害物質の分析などにおいて、分析精度を向上させるため、溶液を濃縮する。この場合に、溶媒を除去する手段として遠心分離方法や、加熱蒸発方法が知られている。しかし、遠心分離を行うための遠心分離装置は、大掛かりで高価であるだけでなく、同時に処理できるサンプル数が比較的少ないため、処理能率が低いという欠点がある。また、加熱蒸発させる場合は、溶液が変質しない程度の熱に抑えなければならないため、やはり処理能力が低く、熱的に不安定な化学物質には用いることができない。そこで、このような場合に、化学物質が変質しない程度の温度に維持して、又は、室温に維持したまま、例えば窒素ガスなどの不活性ガスやその他の溶媒蒸発促進ガスを吹き付けて溶媒を蒸発させ、溶液を濃縮するガス吹き付け式濃縮装置が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなガス吹き付け式濃縮装置は、特に溶媒が難揮発性の場合には、濃縮に時間がかかると同時に大量の不活性ガスが必要となる問題がある。これを解決する試みとして、特開平11−337465号公報では、容器を傾斜させて吹き付けガスと接触する溶液の表面積を増やしたり、容器を動かして濃縮速度を高める方法が提案されているが、装置のコストアップや、容器を傾けているために溶液がこぼれる可能性が高い等の問題がある。
また、従来のガス吹き付け式濃縮装置は、サンプル容器をマトリックス状に配列した状態で濃縮作業をするため、マトリックスの中央部分にある容器の濃縮状態を確認できないという問題や、濃縮装置にセットされている容器のうち1本だけを濃縮作業中に交換できないという問題があった。
更に、濃縮装置にセットされているサンプル数が変わった場合、また複数本のサンプルをセットしている状態での濃縮作業において、途中で濃縮が完了したサンプルが発生した場合、装置全体に供給されている蒸発促進用の不活性ガスの流量が変わらないため、濃縮中の容器へ吹き付けるガスの量が増加し、小型の容器の場合、溶液が吹きこぼれるという問題もあった。
【0004】
そこで本発明は、例えば難揮発性溶媒を用いた溶液でも短時間で効率よく濃縮してランニングコストを下げるとともに、各容器の濃縮状態を個別に確認することを可能とし、濃縮作業中での各容器の入替えを可能する自動濃縮装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の溶液濃縮装置は、サンプル容器を複数個備え、それぞれの前記サンプル容器に対してそれぞれノズルを設け、前記ノズルを用いて窒素ガス等の不活性ガスを前記サンプル容器内に吹き付けることにより、前記サンプル容器内の溶媒を蒸発させて前記サンプル容器内の溶液を濃縮する濃縮装置において、前記サンプル容器内の溶液の液面を検出して濃縮完了を検出する液面センサを前記サンプル容器毎に設け、前記ノズルからのガスの供給、停止を行う電磁弁を前記ノズル毎に設け、濃縮作業中の前記サンプル容器の数に比例した流量の窒素ガスを供給する質量流量制御装置を設け、前記液面センサの検出により、前記サンプル容器内に溶液があるときだけ、前記電磁弁を開とし、前記ノズルにノズルキャップを取り付け、前記ノズルを、前記ノズルキャップの円筒外面から直径位置よりオフセットした位置で、水平方向より下向きで、前記ノズルキャップの内壁に前記不活性ガスを吹き付けるように配置し、前記ノズルキャップの上部中央には、溶媒回収用のチューブを接続していることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の溶液濃縮装置において、前記サンプル容器の上端の開口部を開放状態とするとともに前記サンプル容器の前記開口部近傍に前記ノズルを配置することで前記ノズルから噴出するガスに前記サンプル容器外の雰囲気ガスを随伴させ、前記ノズルから噴出するガスによって前記サンプル容器内の溶液に旋回流を生じせしめたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の溶液濃縮装置において、それぞれの前記ノズルを独立に移動可能な構成とするとともに、それぞれの前記サンプル容器を独立に着脱可能な構成としたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の溶液濃縮装置において、前記サンプル容器を保持するホルダ部に溶液加熱用ヒータを内蔵したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶液濃縮装置において、濃縮作業が完了した前記サンプル容器ごとに、濃縮完了を作業者に知らせる第1の出力手段と、セットされている何れかの前記サンプル容器の濃縮作業が完了した際に前記作業者に知らせる第2の出力手段を有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による溶液濃縮装置は、サンプル容器内の溶液の液面を検出して濃縮完了を検出する液面センサをサンプル容器毎に設け、ノズルからのガスの供給、停止を行う電磁弁をノズル毎に設け、濃縮作業中のサンプル容器の数に比例した流量の窒素ガスを供給する質量流量制御装置を設け、液面センサの検出により、サンプル容器内に溶液があるときだけ、電磁弁を開とし、ノズルにノズルキャップを取り付け、ノズルを、ノズルキャップの円筒外面から直径位置よりオフセットした位置で、水平方向より下向きで、ノズルキャップの内壁に不活性ガスを吹き付けるように配置し、ノズルキャップの上部中央には、溶媒回収用のチューブを接続しているものである。本実施の形態によれば、濃縮作業中の溶液には、常に一定量の不活性ガスを吹き付けることができ、複数本のサンプルをセットしている状態での濃縮作業において、途中で濃縮が完了したサンプルが発生した場合、装置全体に供給されている蒸発促進用の不活性ガスの流量が変わらないため、濃縮中の容器へ吹き付けるガスの量が増加し、小型の容器の場合、溶液が吹きこぼれるという問題が発生しない。また、本実施の形態によれば、溶液があるときだけ、電磁弁を開として濃縮作業をできるため、空のサンプル容器や、濃縮の完了したサンプル容器、またサンプル容器をセットしていない部分は、装置を起動しても電磁弁が開いてガスが吹き出すことはない。また、ノズルキャップの内部には、下向きのガスの旋回流が生じ、この旋回流が溶液表面に作用し、溶液にも旋回流を生じせしめ、蒸発速度を速めるとともに、蒸発した溶媒の回収を行うことができる。
【0007】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による溶液濃縮装置において、サンプル容器の上端の開口部を開放状態とするとともにサンプル容器の開口部近傍にノズルを配置することでノズルから噴出するガスにサンプル容器外の雰囲気ガスを随伴させ、ノズルから噴出するガスによってサンプル容器内の溶液に旋回流を生じせしめたものである。本実施の形態によれば、サンプル容器外の雰囲気ガスを随伴させることにより大量のガスを溶液表面に吹き付け、また溶液に旋回流を起こすことで溶媒の蒸発速度を速めることができる。
【0008】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による溶液濃縮装置において、それぞれのサンプル容器に対してそれぞれノズルを設け、それぞれのノズルを独立に移動可能な構成とするとともに、それぞれのサンプル容器を独立に着脱可能な構成としたものである。本実施の形態によれば、濃縮作業の完了したサンプル容器を、他のサンプル容器の濃縮作業を阻害することなく取り外し、また新たなサンプル容器を取り付けることができる。
【0009】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による溶液濃縮装置において、サンプル容器を保持するホルダ部に溶液加熱用ヒータを内蔵したものである。本実施の形態によれば、サンプル容器の外部から溶液を加熱することにより蒸発速度を高めることができる。
【0010】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態による溶液濃縮装置において、濃縮作業が完了したサンプル容器ごとに、濃縮完了を作業者に知らせる第1の出力手段と、セットされている何れかのサンプル容器の濃縮作業が完了した際に作業者に知らせる第2の出力手段を有するものである。本実施の形態によれば、濃縮が完了したサンプル容器の位置を例えばLEDにより示すとともに、例えばブザー音にて作業終了のサンプル容器が存在することを作業者に知らせることができる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例による溶液装置について説明する。
図1は本実施例による溶液濃縮装置の側面図であり、図2は同溶液濃縮装置の正面図である。この溶液濃縮装置は、例えば焼却場で発生する燃焼排ガス中のダイオキシンを化学分析する場合に、分析の前処理に用いられるものである。サンプリングした排ガスから溶媒抽出したダイオキシンは、非常に微量であるため、この微量の物質を分析装置にて分析可能な濃度まで濃縮する必要がある。溶液濃縮装置は、この濃縮処理を行うのに用いられる。
【0012】
図に示すように、複数のサンプル容器1は、それぞれホルダ2に鉛直にセットされ、このホルダ2は本体フレーム5に取り付けられている。それぞれのサンプル容器1は、本体フレーム5の前面側に横一列に配置されている。ここでサンプル容器1は、例えば外径6〜30mm、長さ30〜230mmの範囲にある試験管であり、上端開口部を封止することなく濃縮作業が行われる。ホルダ2は、溶液加熱用ヒータを内蔵し、サンプル容器1を加温することができる。窒素等の不活性ガスを吹き付けるノズル3aは、ノズル取付ブラケット3bで保持され、このノズル取付ブラケット3bは、ヒンジ3dで本体フレーム5に回転自在に取り付けられている。またノズル取付ブラケット3bは、調整ボルト3cを備え、この調整ボルト3cの一端は本体フレーム5に当接している。それぞれのサンプル容器1毎に設けられるノズル3aは、それぞれ独立して動作可能なように、それぞれ別個のノズル取付ブラケット3b及びヒンジ3dで本体フレーム5に取り付けられている。ホルダ2及びノズル取付ブラケット3bは、本体フレーム5の前面(作業)側に延出するように設けられている。ノズル3aは、サンプル容器1の開口部の近傍であって開口部上方に配置される。またサンプル容器1は、ヒンジ3dによって本体フレーム5に対して前面側に引き出せるように、本体フレーム5の装置正面に垂直な面内で回転自在に取り付けられている。従って、サンプル容器1の出し入れにノズル3aが障害にならない位置までノズル3aを回転移動することができる。本実施例のノズル3aの回転可能角度は、80度であるが、サンプル容器の外径、長さにより設定値を変更可能に構成することが好ましい。ノズル3aのサンプル容器1に対する角度は、調整ボルト3cにより調整が可能な構成となっている。従って調整ボルト3cを調整することにより、溶液に旋回流を生じせしめるような位置にノズル3aを配置することができる。ノズル3aに吹き付けガスを供給するチューブ4は、ノズル3aの角度調整やサンプル容器1の入替え作業を容易化するために、ループ部を途中に構成して手動で調整可能なニードルバルブ6に接続されている。なお、ノズル3aとニードルバルブ6との距離がチューブ4の曲げ半径に対して十分にあって、ノズル3aを移動させる際の抵抗にならない場合は、ループ部を構成することなく接続してもよい。また逆に、ノズル3aとニードルバルブ6との距離がチューブ4の曲げ半径に対して十分にとれない場合は、ループ部の巻き数を2重、または3重とすることで、ノズル3a移動時の抵抗を軽減できる。ニードルバルブ6の上流側には、ガスの供給をON、OFFする電磁弁7がそれぞれ設けられ、更に各電磁弁7は、ヘッダー8を介して最終的に流量を電気信号にて制御することができるマスフローコントローラ(質量流量制御装置)9に接続されている。チューブ10は、本濃縮装置全体に窒素等の不活性ガスを供給する。ここで、ガスを供給するチューブ10や電磁弁7類は、テフロン、SUS等の腐食性の高い材質が用いられ、ガス中への不純物のコンタミネーションを無くすことが必要である。
【0013】
それぞれのサンプル容器1は、本体フレーム5に対して前面側から、個別にそれぞれのノズル3aを移動させてサンプル容器1の入替えができるように1列に配置されている。なお、サンプル容器1の配列は、必ずしも本体フレーム5から等距離に設けなくても、作業側となる前面側からそれぞれのサンプル容器1の着脱を行えるように配置されていれば、例えばジグザグ状に配列されていてもよい。従って、作業側となる前面側からそれぞれのサンプル容器1の着脱を行えるように配置されていれば、二列や三列に配列されたものであってもよい。またここで一列とは、必ずしも直線状でなくてもよく、本体フレーム5の外周に沿って配列された場合を含む。本実施例では、それぞれのノズル3aは、本体フレーム5の面に対して垂直な面内を回転自在に個別に動くようになっているが、図4の実施例に示すようにノズル取付ブラケット3bを直線ガイド3eに取り付けて、ノズル3aがサンプル容器1の入替えの障害にならない位置まで移動させることも可能である。このことにより他のサンプル容器1の濃縮作業を阻害することなく濃縮の完了したサンプル容器1の入替え作業を容易に行うことができる。なお図4において上記実施例と同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0014】
サンプル容器1の下部には、サンプル容器1内の溶液の液面を検出する液面センサ11が取り付けられている。この液面センサ11は、一方のセンサヘッドより投光し、他方のセンサヘッドで受光するタイプの光電センサを用いることができる。サンプル容器1が存在しない場合とサンプル容器1が存在しても溶液が液面センサ11のレベルより下にある場合は、溶液が入っていて液面センサ11からの光が溶液を通って受光している場合よりも、光量が光の屈折理論により少なくなることを利用して液面を検出する。溶液の液面が所要の位置に達したとき、液面センサ11からの信号は、図3に示すように制御装置12を介して電磁弁7に送られて、電磁弁7を閉めて吹き付けガスの供給を遮断し濃縮を完了する。液面センサ11からの信号で直接、電磁弁7を駆動しないのは、溶液表面にガスを吹き付けながら濃縮しているので、常に液面は、波打っており、一瞬のセンサ信号で電磁弁7を閉めると所定の液面位置よりも高いところで濃縮作業が停止してしまうからである。所定の濃縮を達成するためには、液面センサ11からの信号を制御装置12にてモニターし、一定時間連続して液面センサ11が液面検出信号を出力したときに電磁弁7を閉めるように制御する。この設定時間については、設定時間変更手段を設けることで、溶液の粘性、屈折率、サンプル容器1の外径等により適宜設定変更できる構成とすることが好ましい。また、液面センサ11は、装置正面から肉眼にて液面を監視することを阻害することのない位置に取り付けてある。また、液面センサ11は、必要な濃縮度に応じて検出位置を変えられるように、サンプル容器1に対して昇降自在に取り付け可能な構成となっている。更に、液面検出センサ11は、先に説明したように感度調整により溶液があるときだけ、電磁弁7を開として濃縮作業をできるような機能を有する。すなわち、空のサンプル容器1や、濃縮の完了したサンプル容器1、またサンプル容器1をセットしていない部分は、装置を起動しても電磁弁7が開いてガスが吹き出すことはない。濃縮が完了した場合、サンプル容器1ごとに第1の出力手段(LED)13にて該当するサンプル容器1を特定するとともに、第2の出力手段としてのブザー音にて作業者に知らせる機能を有する。
【0015】
次に、図3のマスフローコントローラ9の動作について説明する。
まず、配管経路長の差によるノズル3aごとの流量差は、予めニードルバルブ6によって調整しておく。濃縮装置にセットされたサンプル容器1に入っている溶液の量は、必ずしも一定ではないため、濃縮完了のタイミングは、サンプル容器1ごとに異なる。従って、マスフローコントローラ9がない場合、一部のサンプル容器1で濃縮が完了すると、他のノズル3aからの窒素ガスの吹き出し量が増える。従って、サンプル容器1の開口部に対して、液面が比較的この開口部近傍にある場合やサンプル容器1が短いまたは小さい場合、窒素ガスの吹き出し量の増加により、溶液の吹きこぼれが発生する。そこでこのマスフローコントローラ9は、液面センサ11と接続されている制御装置12に電気的に接続されており、常に、現時点での濃縮作業中のサンプル容器1の数に比例した流量の窒素ガスを、ヘッダー8に供給するように制御装置12により制御される。これにより、濃縮作業中の溶液には、常に一定量の窒素ガスが吹き付けられる。
加温可能なホルダ2は、サンプル容器1の外側より溶液を加温し蒸発速度を速める働きがある。ホルダ2の設定温度は、溶液の性質によって可変にできるように構成されている。また、熱的に不安定なサンプルの場合でも、温度の設定値を室温にしておけば、溶媒が蒸発することにより蒸発潜熱が奪われ液温が室温以下に低下し、蒸発速度が極端に遅くなる現象を防止することができる。
【0016】
図5は、ノズル3aとサンプル容器1の位置関係を示したものである。本実施例では、ノズル3aは、溶液に旋回流を生じせしめるために、サンプル容器1の開口部の上方にあって、鉛直方向から5〜10度傾斜させてサンプル容器1の内壁近傍の溶液表面に直接、蒸発促進ガスを吹き付けている。
【0017】
図6は、ノズル3aにノズルキャップ3fを取り付けて、蒸発した溶媒の回収機能を持たせた例である。ノズル3aは、ノズルキャップ3fの円筒外面から直径位置よりオフセットした位置で、水平方向より下向き15度で、ノズルキャップ3fの内壁に蒸発促進ガスを吹き付けるようになっている。このとき、ノズルキャップ3fの内部には、下向きのガスの旋回流が生じ、この旋回流が溶液表面に作用し、溶液にも旋回流を生じせしめ、蒸発速度を速める。ノズルキャップ3fの上部中央には、溶媒回収用のチューブ14が接続されておりこのチューブ14の他端は、ポンプ、ブロア等の吸引装置に接続されている。
【0018】
図7は、ノズル3aの他の実施例を示す。サンプル容器1が内径に比べて全長が長い場合、特にサンプル容器1の開口部から液面までの距離が長い場合に、図5のようにノズル3aを、サンプル容器1の上部に固定した配置では、溶液に十分な旋回流が発生しない。本実施例では、ノズル3aがサンプル容器1の内部に入り込むようになっており、ガスは、鉛直方向から45度下向きでサンプル容器1のセンターよりオフセットした位置に吹き付けられる。
【0019】
図8は、ノズル3aにノズルキャップ3fを取り付けて、蒸発した溶媒の回収機能を持たせた図6の他の実施形態である。ノズル3aをノズルキャップ3fの上面の内壁近傍に下向きに取り付けてある。ノズルキャップ3fの円筒面には、蒸発した溶媒の回収用のチューブ14が接続されている。ノズルキャップ3fの内径は、使用するサンプル容器1の外径よりも2〜3mm大きく、ノズルキャップ3fの全体は、鉛直にセットされているサンプル容器1に対して、鉛直方向より5〜10度傾斜しており溶液表面に直接ノズル3aからの吹き出した蒸発促進ガスが当るようになっている。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ノズルから吹き出す蒸発促進ガスにより溶液に旋回流を生じせしめることにより溶媒の蒸発速度を高め、液面センサにより吹き付けガスの供給、停止を自動化することで濃縮作業の効率を飛躍的に向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による溶液濃縮装置の断面図
【図2】 本発明の一実施例による溶液濃縮装置の正面図
【図3】 本実施例で用いることができる溶液濃縮装置の構成図
【図4】 本発明の他の実施形態を示す要部断面図
【図5】 本発明の他の実施形態を示す要部断面図
【図6】 本発明の他の実施形態を示す要部断面図
【図7】 本発明の他の実施形態を示す要部断面図
【図8】 本発明の他の実施形態を示す要部断面図
【符号の説明】
1 サンプル容器
2 ホルダ
3a ノズル
3b ノズル取付ブラケット
3c 調整ボルト
3d ヒンジ
3e 直線ガイド
3f ノズルキャップ
4 チューブ
5 本体フレーム
6 手動ニードルバルブ
7 電磁弁
8 ヘッダー
9 マスフローコントローラ
10 チューブ
11 液面センサ
12 制御装置
13 LED
14 回収チューブ

Claims (5)

  1. サンプル容器を複数個備え、それぞれの前記サンプル容器に対してそれぞれノズルを設け、前記ノズルを用いて窒素ガス等の不活性ガスを前記サンプル容器内に吹き付けることにより、前記サンプル容器内の溶媒を蒸発させて前記サンプル容器内の溶液を濃縮する濃縮装置において、前記サンプル容器内の溶液の液面を検出して濃縮完了を検出する液面センサを前記サンプル容器毎に設け、前記ノズルからのガスの供給、停止を行う電磁弁を前記ノズル毎に設け、濃縮作業中の前記サンプル容器の数に比例した流量の窒素ガスを供給する質量流量制御装置を設け、前記液面センサの検出により、前記サンプル容器内に溶液があるときだけ、前記電磁弁を開とし、前記ノズルにノズルキャップを取り付け、前記ノズルを、前記ノズルキャップの円筒外面から直径位置よりオフセットした位置で、水平方向より下向きで、前記ノズルキャップの内壁に前記不活性ガスを吹き付けるように配置し、前記ノズルキャップの上部中央には、溶媒回収用のチューブを接続していることを特徴とする溶液濃縮装置。
  2. 前記サンプル容器の上端の開口部を開放状態とするとともに前記サンプル容器の前記開口部近傍に前記ノズルを配置することで前記ノズルから噴出するガスに前記サンプル容器外の雰囲気ガスを随伴させ、前記ノズルから噴出するガスによって前記サンプル容器内の溶液に旋回流を生じせしめたことを特徴とする請求項1に記載の溶液濃縮装置。
  3. それぞれの前記ノズルを独立に移動可能な構成とするとともに、それぞれの前記サンプル容器を独立に着脱可能な構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶液濃縮装置。
  4. 前記サンプル容器を保持するホルダ部に溶液加熱用ヒータを内蔵したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の溶液濃縮装置。
  5. 濃縮作業が完了した前記サンプル容器ごとに、濃縮完了を作業者に知らせる第1の出力手段と、セットされている何れかの前記サンプル容器の濃縮作業が完了した際に前記作業者に知らせる第2の出力手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶液濃縮装置。
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