JP6149770B2 - ガス吹付式液体試料注入装置及びそれに用いられる注入容器 - Google Patents

ガス吹付式液体試料注入装置及びそれに用いられる注入容器 Download PDF

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Description

本発明は、液体試料にガスを吹き付け霧化させながら、該液体試料を注入容器に注入するガス吹付式試料注入装置、及び、それに用いられる注入容器に関する。この注入容器及びガス吹付式液体試料注入装置は、液体クロマトグラフを利用して溶液に含まれる1乃至複数の成分を分離した後に各成分を精製して回収する分取精製装置に好適に用いることができる。
例えば製薬分野などにおいては、液体クロマトグラフを利用した分取精製装置により、ライブラリとして保管するサンプルを収集することなどが行われる。特許文献1に記載の装置では、試料溶液中の目的成分(化合物)を液体クロマトグラフにより時間的に分離し、目的成分毎に異なるトラップカラムに導入して一旦捕集する。その後に各トラップカラムに溶媒を流して該カラム内に捕集していた成分を溶出させ、目的成分を含む溶液を容器に回収する。その後、溶媒を除去し、目的成分を固形物として回収する乾固処理を行う。
乾固処理は、回収した溶液を加熱することにより行われるのが一般的である。しかし、この方法では、目的成分の変質を避けるため、あまり温度を高くすることができず、成分によっては数時間から1日程度の時間が掛かる。この乾固工程が分取精製工程の中で最も時間が掛かるものであるため、全工程の時間を短縮するには、乾固工程の時間を短縮することが重要である。
上記の課題を解決するため、特許文献2〜5では、回収容器に目的成分を含む溶液を滴下しつつ空気や窒素等のガスを吹き付け、該溶液を霧状にすることにより、溶媒の蒸発を促進させる方法を開示している。
特許文献2〜5の方法による乾固工程(以下、これを「ガス吹付式蒸発・乾固工程」と呼ぶ)の一般的な手順を、図8を用いて説明する。図8の分取精製装置は、回収容器53を所定の温度に加熱するための温調ブロック54と、該温調ブロック54に収容された回収容器53内に溶液を導入するための溶液導入管50と、該回収容器53内に導入されたガス及び該回収容器53内で蒸発した溶媒を装置の外部に漏出させないようにして排気するためのシール管55と、を備える。溶液導入管50とシール管55は一体化されており、溶液導入管50は溶液が流れる内管50Aと霧化ガスが流れる外管50Bの二重管構造となっている。回収容器53は、回収容器本体51と、その上部開口に装着される、中心に孔が設けられた蓋部52を備えている。蓋部52の上部には、ドーナツ状のクッション52Aが載置されている。
ガス吹付式蒸発・乾固工程では、溶液導入管50が下降し、蓋部52とクッション52Aの中心の孔を通って回収容器53内に挿入される。これに伴ってシール管55も下降し、その先端がクッション52Aを押圧する。これにより、シール管55の先端がクッション52Aに密着し、回収容器53とシール管55の間が気密にシールされる。その後、溶液が内管50Aに、霧化ガスが外管50Bに、それぞれ送出される。これにより、内管50Aの先端から滴下された溶液が、外管50Bからの霧化ガス流によって剪断され、微小液滴(ミスト)となって回収容器53の内壁に付着する。回収容器53は温調ブロック54によって予め加熱されているため、内壁に付着した微小液滴の溶媒が蒸発して、目的成分(溶質)のみが粉末として残ることになる。回収容器53内に導入された霧化ガス及び該回収容器53内で蒸発した溶媒は、シール管55を通して排出される。
特開2003−149217号公報 国際公開WO2009/044425号 国際公開WO2009/044426号 国際公開WO2009/044427号 国際公開WO2009/044428号
図8に示すような二重管構造を有する従来の分取精製装置は高い乾固性能を備えるものの、内管から滴下される溶液が外管からのガス流により細かく剪断され過ぎて、回収容器の内壁に粉末として残る目的成分も非常に小さい粒子状になることがあった。このような微細な粒子状の粉末が回収容器の内壁に薄く付着すると、粉末を壁面から剥がし、回収容器から取り出すことが容易でなくなる。
本発明が解決しようとする課題は、上記のガス吹付式蒸発・乾固工程のように、液体試料にガスを吹き付け霧化させながら、該液体試料を所定の容器(以下、これを「注入容器」とする)に注入するガス吹付式液体試料注入装置において、該液体試料を適切な粒径に霧化することのできる注入容器及び該注入容器を用いたガス吹付式液体試料注入装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、
霧化ガス用外管と、該霧化ガス用外管の下端よりも下に突出する突出部を有する液体用内管とからなる試料導入管を備える液体試料注入装置に用いられる、前記試料導入管からの液体試料が霧化して供給される注入容器であって、
上部に開口を有する注入容器本体と、
前記開口に装着される蓋部と、
前記蓋部を貫通するように設けられた管であって、前記試料導入管が挿入される、前記液体用内管の外径よりも大きい内径を有する主管路と、該主管路の途中から分岐する副管路とを備える分岐管と、
前記主管路の上端に設けられた、前記霧化ガス用外管の下端と気密に接する構造を有する入口部と、
前記主管路の下端に設けられた、前記液体用内管の外周と気密に接する構造を有する出口部と、
前記副管路の下端から前記主管路の出口部の下方に向かって延びる吹き出し管と
を備えることを特徴とするものである。
本発明に係るガス吹付式液体試料注入装置用の注入容器では、蓋部が分岐管を備えている。液体試料を注入容器に導入する際には、この分岐管の主管路の上端に設けられた入口部に霧化ガス用外管が気密に接する。このとき、分岐管の主管路の下端に設けられた出口部に、液体用内管の突出部が気密に接する。そのため、霧化ガス用外管より供給される霧化ガスは、まず分岐管の主管路に入り、主管路から副管路の方に流れ、副管路の下端に設けられた吹き出し管から吹き出る。
吹き出し管は主管路の出口部の下方に向けられているため、吹き出し管から吹き出された霧化ガスは滴下された液体試料に斜めから当たる。従来の二重管構造では、液体試料と霧化ガスが同軸上に流れるため、液体試料が霧化ガス流に晒される距離が長く、ミストの径が小さくなるのに対し、本発明の分岐管構造では、液体試料に斜めから霧化ガスが当たるため、液体試料が霧化ガス流に晒される距離が短く、ミストの径が大きくなる。このミストの大きさは、実施例で述べるように、主に吹き出し管の先端の位置や向き(より具体的には、吹き出し管の先端から液体試料までの距離)によって決まるため、吹き出し管の先端の位置や向きを適宜変えることにより、液体試料を適切な粒径に霧化することが可能となる。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係るガス吹付式液体試料注入装置は、
注入容器内に液体試料を霧化して供給するための、霧化ガス用外管と、該霧化ガス用外管の下端よりも下に突出する突出部を有する液体用内管とからなる試料導入管と、
前記注入容器に設けられた管であって、前記試料導入管が挿入される、前記液体用内管の外径よりも大きい内径を有する主管路と、該主管路の途中から分岐する副管路とを備える分岐管と、
前記主管路の上端に設けられた、前記霧化ガス用外管の下端と気密に接する構造を有する入口部と、
前記主管路の下端に設けられた、前記液体用内管の外周と気密に接する構造を有する出口部と、
前記副管路の下端から前記主管路の出口部の下方に向かって延びる吹き出し管と
を有することを特徴とする。
このガス吹付式液体試料注入装置は、更に、前記注入容器を加熱する加熱手段を有することが望ましい。これにより、ミスト化された液滴中の溶媒が蒸発し、粉末が注入容器内に残る。本発明に係るガス吹付式液体試料注入装置では、従来よりも径の大きいミストが得られるため、溶媒が蒸発した後に残る粉末の径も大きくなる。上記のように、吹き出し管の先端の位置や向きを適宜変えることにより、例えば液体試料ごとに適切な粒径の粉末を得ることができる。
本発明に係るガス吹付式液体試料注入装置用の注入容器は、蓋部に設けた分岐管と吹き出し管により、滴下される液体試料に対して斜めからガスを吹き当てるようにしたものである。これにより、液体試料がガス流に晒される距離が短くなるため、径の大きいミストが得られる。更に、吹き出し管の先端の位置や向きを適宜変えることにより、例えば液体試料ごとにそれぞれ適切な粒径に霧化することもできる。
本発明の一実施例に係るガス吹付式液体試料注入装置を用いた分取精製装置の要部構成図。 本実施例の液体試料導入装置に使用する注入容器の構成を示す概略縦断面図であり、(a)はその全体図、(b)は注入容器を構成する各部を示す図である。 本実施例のガス吹付式液体試料注入装置の試料導入管(a)と、それに対応する注入容器の分岐管(b)との関係を示す概略縦断面図。 本実施例のガス吹付式液体試料注入装置において、注入容器内に試料導入管を挿入する前の状態を示す概略縦断面図(a)、及び挿入した後の状態を示す概略縦断面図(b)。 本実施例のガス吹付式液体試料注入装置における注入容器の各部の寸法の一例を示す図(a)及び(a)の注入容器を用いて霧化ガスを流したときのレイノルズ数の計算結果を示す表(b)。 変形例のガス吹付式液体試料注入装置において、注入容器内に試料導入管を挿入する前の状態を示す概略縦断面図(a)、及び挿入した後の状態を示す概略縦断面図(b)。 別の変形例のガス吹付式液体試料注入装置において、注入容器内に試料導入管を挿入する前の状態を示す概略縦断面図(a)、及び挿入した後の状態を示す概略縦断面図(b)。 従来の分取精製装置による粉末化工程の説明図。
本発明に係るガス吹付式液体試料注入装置の一実施例を、図1〜図4を参照して説明する。図1は本実施例のガス吹付式液体試料注入装置が適用される分取精製装置の要部構成図である。この分取精製装置では、後述のように、目的成分を含む溶液を分取液体クロマトグラフ(図示せず)が予め分取しておく構成としているが、分取液体クロマトグラフを分取精製装置と直結し、分取液体クロマトグラフが分取した溶液を分取精製装置に直接導入する構成に変更することもできる。
また、図2は、本実施例のガス吹付式液体試料注入装置に使用する注入容器の概略縦断面図であり、図3は、本実施例のガス吹付式液体試料注入装置の試料導入管と、それに対応する注入容器の分岐管の関係を示す概略縦断面図であり、図4は、本実施例のガス吹付式液体試料注入装置において、注入容器内に試料導入管を挿入する前後の状態を示す概略縦断面図である。
図1において、溶液容器1には予め分取された、分取液体クロマトグラフに使用された移動相を主たる溶媒とする、目的成分を含む溶液が収容されている。純水容器2には純水(HO)が、溶出用溶媒容器3にはジクロロメタン(DCM)が、それぞれ収容されている。切替バルブ4はこれら3つの容器1、2、3に収容されている液体のいずれかを選択的に流路5に流すように流路を切り替える。また、流路5上には所定の流量で以て液体を吸引して送出する送液ポンプ6が設けられている。
流路5の出口端は切替バルブ7のaポートに接続されている。この切替バルブ7のbポートには、目的成分を捕集するための吸着剤が充填されたトラップカラム8に至る流路10が、cポートには後述する霧化ガス用の流路22に至る流路11が、それぞれ接続されている。切替バルブ7は流路5に対して流路10又は流路11を択一的に接続する。
トラップカラム8は、カラムラック9により、流路10が接続される入口端を真下に、後述する流路12が接続される出口端を上向きにして略垂直に起立保持される。図1ではトラップカラム8を1本のみ示しているが、図1中に点線で示すように複数のトラップカラム8を並べてカラムラック9に保持することも可能である。
一端がトラップカラム8の出口端に接続された流路12の他端は分取ヘッド16に内蔵された切替バルブ15のaポートに接続され、該切替バルブ15のbポートには流路14が接続され、cポートには廃液口に至る流路13が接続されている。切替バルブ15は流路12に対し、流路13又は流路14を択一的に接続する。
分取ヘッド16は試料導入管17と、その外側に一体に設けられた排気用シール管18を備え、複数のモータなどで構成されるXYZ駆動機構29により上下移動及び水平移動が可能となっている。試料導入管17は流路14に接続された内管40と、流路22に接続された外管41を備える(なお、図1の試料導入管17及び注入容器21は略図であり、具体的な構成は図2〜図4に示している)。後述するように、内管40には、流路14を通して目的成分を含む溶液が送出され、外管41には、流路22を通して霧化ガスが送出される。また、内管40は、外管41の下端より下に突出した突出部40Aを有する。
溶液が注入される注入容器21は、ヒータ25と、サーミスタなどの温度センサ26と、容器ラック24の温調ブロック27内に個別に収容されている。容器ラック24及び温調ブロック27は例えばアルミニウムなどの熱伝導性の良好な材料から形成され、熱が周囲に逃げることを防止するために外側が断熱材で被覆されている(図示せず)。
各注入容器21は温調ブロック27からの熱が伝導し易いように、少なくともその底部が温調ブロック27に接している。より好ましい形態として、注入容器21の側周面も温調ブロック27に接する構成とするとよい。容器ラック24とは別に設けられた温調部28は、温度センサ26により検出されるモニタ温度が目標温度となるようにヒータ25へ供給する加熱電流を調整する。これにより、注入容器21は適宜の一定温度に加温維持される。
分取ヘッド16は、XYZ駆動機構29により容器ラック24に収容された複数の容器の中の、任意の注入容器21上に移動し(図4(a))、下降する。
注入容器21は、注入容器本体19と、その上部開口に装着された蓋部20を備える。図2〜図4に示すように、蓋部20は本発明に特徴的な構造として、試料導入管17が挿入される、内管40の外径φよりも大きい内径φを有する主管路42Aと、該主管路42Aの途中から分岐する副管路42Bとを有する分岐管42を備える。分岐管42の主管路42Aの上端には、試料導入管17を主管路42Aに導く入口部43が設けられている。また、主管路42Aの下端には、内管40の外径φと等しい内径を有する出口部46が設けられている。分岐管42の副管路42Bの下端には、吹き出し管47が、出口部46より下方且つ主管路42Aの中心線Cを向くように設けられている。なお、図2〜図4では、分岐管42、入口部43、出口部46、及び吹き出し管47が別体であるように表しているが、これらは一体に構成されていても良いし、一部が別体に構成されていても良い。
蓋部20は、注入容器21内に導入された霧化ガス及び注入容器21内で蒸発した溶媒を排出するための排気口44と、該蓋部20と排気用シール管18の密着性を高めるためのドーナツ状のクッション45を有する。
外管41の下端部(図3(a)の符号41A)と入口部43の内周部は、共に下方に向かって細くなっている。具体的には、下端部41Aの外周面とその中心軸の為す角をθ、入口部43の内周面とその中心軸の為す角をθとすると、これらは、θ>θとなるように設計されている(図3)。また、下端部41Aの外周の最も細い部分の径をφ、最も太い部分の外径をφ、入口部43の内周の最も細い部分の径をφ、最も太い部分の径をφとすると、これらはφ<φ<φ<φを満たすように寸法が設計されている。
このように下端部41Aと入口部43の寸法及び角度が設計されていることにより、試料導入管17が入口部43の中心に案内されると共に、外管41と入口部43が気密に接する。また、内管40の外径と出口部46の内径が等しいため、これらが気密に接する(図4(b))。
試料導入管17が下降すると、それに伴って排気用シール管18も下降し、蓋部20に設けられたクッション45を押圧する。これにより、排気用シール管18と注入容器21の間が気密にシールされる(図4(b))。この状態で、後述するガス吹付式蒸発・乾固工程が行われる。
なお、分取ヘッド16が移動する代わりに容器ラック24が移動する構成であっても良い。
ガス供給部23は、比例弁23Aやガスボンベ23B等を有し、流路22を通して試料導入管17の外管41に霧化ガスを送出する。
CPU等を含む制御部30は予め設定されたプログラムに従って、切替バルブ4、7、15の切替動作、送液ポンプ6とガス供給部23の動作(流量又は流速)、温調部28の目標温度の設定、XYZ駆動機構29を介した分取ヘッド16の移動などの制御を実行することで、分取精製作業を自動的に遂行する。また、操作部31はその分取精製作業のための条件などを入力設定するためのものである。
次に、図1の分取精製装置によるガス吹付式蒸発・乾固工程の手順を説明する。まず溶液容器1中の溶液に含まれる目的成分をトラップカラム8内の吸着剤に捕集し、該溶液中の溶媒(移動相)を廃棄するために、制御部30は、切替バルブ4により溶液容器1(bポート)と流路5(aポート)を、切替バルブ7により流路5(aポート)と流路10(bポート)を、切替バルブ15により流路12(aポート)と流路13(cポート)をそれぞれ接続し、所定の一定流量で送液を行うように送液ポンプ6を動作させる。送液ポンプ6は溶液容器1中の溶液を吸引して、流路5と流路12を通してトラップカラム8に導入する。すると、トラップカラム8中の吸着剤に溶液中の目的成分が捕集される。目的成分が除去された溶液(移動相)は流路12と流路13を経て廃液口に廃棄される。
溶液容器1中の溶液を所定時間又は所定量、トラップカラム8に供給すると、次に制御部30は、純水容器2(cポート)と流路5(aポート)とを接続するように切替バルブ4を切り替える。すると、送液ポンプ6は純水容器2中の純水を吸引してトラップカラム8に導入する。これにより、先の目的成分の捕集時に吸着剤に付着した塩類などの、不所望で水溶性の物質がトラップカラム8内から除去される。この純水の送給により、その送給開始直前にトラップカラム8内に溜まっていた移動相は水に置換され、水がトラップカラム8内に充満した状態となる。吸着剤に捕集されている目的成分は強い吸着作用により水には殆ど溶出しないため、この時点ではトラップカラム8内に捕集された状態が維持される。
次に、制御部30はXYZ駆動機構29により分取ヘッド16を予め指定された所定の注入容器21の分岐管42の上方まで移動させ、分取ヘッド16を下降させる(図4(b))。それから、制御部30は温調部28に対し目標温度を指示して温調ブロック27の加熱を開始し、注入容器21を加温し始める。目標温度としては、目的成分の溶出用溶媒として用いるジクロロメタンの沸点と同程度又はそれよりも少し高い程度としておけばよく、40〜45℃程度でよい。その後、制御部30は、溶出用溶媒容器3(dポート)と流路5(aポート)とを接続するように切替バルブ4を切り替える。これにより、送液ポンプ6は溶出用溶媒容器3中のジクロロメタンを吸引してトラップカラム8に導入し始める。
トラップカラム8にジクロロメタンが導入されると、トラップカラム8内に存在していた水と殆ど混じることなく、ジクロロメタンと水との界面は徐々に上昇してゆく。即ち、ジクロロメタンは水を押し上げながらトラップカラム8の底部から徐々に溜まってゆく。一方、押し上げられた水はトラップカラム8の上端の出口端から溢れ出し、切替バルブ15を経て流路13から廃液口に至る。一方、ジクロロメタンは強い溶出力を有するため、トラップカラム8に捕集された目的成分は、トラップカラム8に溜まったジクロロメタンに溶け出す。
溶出用溶媒容器3中のジクロロメタンを所定時間又は所定量、トラップカラム8に供給し、トラップカラム8から水が完全に排除されると、切替バルブ15を流路13(cポート)から流路14(bポート)に切り替え、目的成分の分取を開始する。また、制御部30は、ガス供給部23に窒素ガス(又は他の不活性ガス)の供給を開始させる。ガス供給部23から送出される霧化ガスは、流路22と外管41を経て、分岐管42の主管路42Aに導入される。主管路42Aの上端に設けられた入口部43は、外管41の下端部41Aによってシールされていると共に、主管路42Aの下端に設けられた出口部46は、内管40の外周によってシールされているため、主管路42Aに導入された霧化ガスは、副管路42Bの方に流れ、吹き出し管47より吹き出し始める。一方、トラップカラム8から送られてくる溶液、つまり目的成分を含むジクロロメタンは、流路12と流路14を経て、試料導入管17の内管40の下端から滴下される。上記のように、吹き出し管47は主管路42Aの中心線Cを向くように設計されているため、内管40から滴下された溶液に、吹き出し管47から吹き出した霧化ガスが当たり、溶液を剪断してミスト化する。
本実施例の注入容器21では、従来とは異なり、溶液と霧化ガスが同軸上を流れないため、溶液が霧化ガスに晒される距離が短く、ミストの径が大きくなる。また、溶液が剪断される位置E(中心線Cと吹き出し管47の向きを示す直線Dとの交点)と吹き出し管47の先端の間の距離が広がるほど、霧化ガスが拡散してエネルギーを失うため、同様にミストの径が大きくなる。従って、得られるミストの径の大きさは、吹き出し管47の先端から剪断位置Eまでの距離dや、中心線Cと直線Dの為す角θ3を適宜調整することにより、変えることができる。蓋部20は、例えば吹き出し管47の先端の位置及び/又は角度を自由に変えることのできる構造を有していても良いし、吹き出し管47の先端の位置と角度の異なる蓋部20を複数種類用意しておいても良い。これにより、得ようとする粉末の大きさに応じて、或いは、試料の種類に応じて、適切なミストの大きさで上記のガス吹付式蒸発・乾固工程を行うことが可能となる。
注入容器21はヒータ25を熱源とする温調ブロック27からの熱伝導によりジクロロメタンの沸点と同程度に加温されている。そのため、溶液の細かい液滴が注入容器21の内周や内底の壁面に付着すると、液滴中の溶媒(ジクロロメタン)はすぐに蒸発し、目的成分が粉末として残る。こうして粉末状の目的成分は注入容器21の内周や内底の壁面に堆積する。また、注入容器21内に導入された霧化ガスや蒸発した溶媒は、排気用シール管18を通して注入容器21の外部に排出される。
以上の工程が終了すると、分取ヘッド16を上昇させる。続けて別の目的成分の粉末化を行う際には、次の注入容器21がある位置に分取ヘッド16を移動させ、同様の処理を行う。
以上が、図1の分取精製装置を用いた本実施例のガス吹付式蒸発・乾固工程の手順であるが、ガス吹付式蒸発・乾固工程の最中に、試料管17の内管40の先端で溶質が析出し、内管40の外壁を伝って成長していくことがある。これを防ぐために、内管40はテフロン(登録商標)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系の樹脂材料で構成されていることが望ましい。PTFE系の樹脂は濡れ性が低いため、内管40の先端から溶液が表面張力で内管の外壁を上昇しにくくなる。同様の理由で、分岐管42もPTFE系樹脂材料で構成していることが望ましい。
また、吹き出し管47の出口は、幅広の矩形形状にすることが望ましい。これにより、吹き出し管47から吹き出る霧化ガス流は幅広のものとなり、広い範囲に霧化ガス流を吹き付けることができる。
更に、本実施例の構成では、霧化ガスを注入容器19の底面に斜めから当てることができるため、注入容器19の底面に溜まった溶液を撹拌させ、蒸発を促進させるという効果も得ることができる。この際、吹き出し管47の角度や位置、注入容器19の高さ等を適切に設計し、霧化ガスが底面の中心部に当たるようにすれば、底面に溜まった溶液をより効率的に拡散させることができる。図5(a)は、霧化ガスが底面の中心部に当たるように設計した注入容器19の各部の寸法の一例であり、この設計では、霧化ガスが底面の中心から0.2mm離れた部分に斜めから入射される。
また、この図5(a)の注入容器19を用いて、図5(b)の表に示すガス流量、平均流速、動粘度、吹き出し管内径で霧化ガスを流したときのレイノルズ数を計算した。この表に示すように、このときのレイノルズ数Reは2245572であり、臨界レイノルズ数Rec=2320より大きくなった。このように、レイノルズ数Reが臨界レイノルズ数Recよりも大きくなるとき、吹き出し管47から吹き出る霧化ガスは乱流となる。
また、図2〜図5では、突出部40Aが出口部46から突出するように分岐管42の長さが設計されているが、図6(a)及び(b)に示すように、突出部40Aが出口部46内に収まるように分岐管42の長さが設計されても良い。この構造の分岐管42では、内管40が注入容器21内に晒されないため、注入容器21内で飛散した液滴や粉末が内管40に付着することが防止される。また、外管41は注入容器21内に導入されないので、外管41にも液滴や粉末は付着しない。これにより、次の注入容器で異なる液体試料を注入する際に、コンタミネーションが生じることを防止することができる。
なお、上記では分岐管42を長くすることにより突出部40Aが出口部46内に収まるようにしたが、分岐管42の長さはそのままで、突出部40Aを短くすることにより該突出部40Aが出口部46内に収まるようにしても良い。
内管40をPTFE系樹脂材料から形成した場合、蓋部20の出口部46に対して内管40の突出部40Aの抜挿を繰り返すと、内管40の突出部40Aが損耗することがある。そこで、図7に示すように、試料導入管17を分岐管42に挿入したときに内管40の突出部40Aが主管路42A内に収まるように分岐管42と内管40の長さを設計し、分岐管42の出口部46に筒状の袖口部46Aを取付けても良い。試料導入管17を分岐管42に挿入したとき、内管40の突出部40Aの下端が袖口部46Aの上端に近接するように該袖口部46Aの長さが設計されている。このような構成によれば、試料導入管17を分岐管42に挿入したときに突出部40Aが出口部46に接触しないため、該突出部40Aの損耗を防止できる。
上記構成においては、内管40はステンレス製で良いが、上述した理由から袖口部46AはPTFE製にすることが好ましい。また、袖口部46Aの下端が吹き出し管47側に向かって若干傾くように該袖口部46Aを曲げるようにしても良い。このような構成によれば、袖口部46Aの先端における溶液の滞留が少なくなり、注入容器21内に得られる粉末の状態を良くすることができる。
さらに、袖口部46Aを曲げることに代えて、或いは袖口部46Aを曲げることに加えて、袖口部46Aの長さを変えたり、袖口部46Aの先端を斜めに切断したりする等によっても得られる粉末の状態を調整することができる。
以上、本発明に係る注入容器及びガス吹付式液体試料注入装置について実施例を用いて説明したが、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正を行うことができることは当然である。
1…溶液容器
2…純水容器
3…溶出用溶媒容器
4…切替バルブ
5、10、11、12、13、14、22…流路
6…送液ポンプ
7…切替バルブ
8…トラップカラム
9…カラムラック
15…切替バルブ
16…分取ヘッド
17…試料導入管
40…内管
41…外管
41A…下端部
18…排気用シール管
19…注入容器本体
20…蓋部
21…注入容器
23…ガス供給部
23A…比例弁
23B…ガスボンベ
24…容器ラック
25…ヒータ
26…温度センサ
27…温調ブロック
28…温調部
29…XYZ駆動機構
30…制御部
31…操作部
42…分岐管
42A…主管路
42B…副管路
43…入口部
44…排気口
45…クッション
46…出口部
46A…袖口部
47…吹き出し管

Claims (5)

  1. 霧化ガス用外管と、該霧化ガス用外管の下端よりも下に突出する突出部を有する液体用内管とからなる試料導入管を備える液体試料注入装置に用いられる、前記試料導入管からの液体試料が霧化して供給される注入容器であって、
    上部に開口を有する注入容器本体と、
    前記開口に装着される蓋部と、
    前記蓋部を貫通するように設けられた管であって、前記試料導入管が挿入される、前記液体用内管の外径よりも大きい内径を有する主管路と、該主管路の途中から分岐する副管路とを備える分岐管と、
    前記主管路の上端に設けられた、前記霧化ガス用外管の下端と気密に接する構造を有する入口部と、
    前記主管路の下端に設けられた、前記液体用内管の外周と気密に接する構造を有する出口部と、
    前記副管路の下端から前記主管路の出口部の下方に向かって延びる吹き出し管と
    を備えることを特徴とする注入容器。
  2. 前記吹き出し管の先端の位置及び/又は向きが可変であることを特徴とする請求項1に記載の注入容器。
  3. 注入容器内に液体試料を霧化して供給するための、霧化ガス用外管と、該霧化ガス用外管の下端よりも下に突出する突出部を有する液体用内管とからなる試料導入管と、
    前記注入容器に設けられた管であって、前記試料導入管が挿入される、前記液体用内管の外径よりも大きい内径を有する主管路と、該主管路の途中から分岐する副管路とを備える分岐管と、
    前記主管路の上端に設けられた、前記霧化ガス用外管の下端と気密に接する構造を有する入口部と、
    前記主管路の下端に設けられた、前記液体用内管の外周と気密に接する構造を有する出口部と、
    前記副管路の下端から前記主管路の出口部の下方に向かって延びる吹き出し管と
    を有することを特徴とするガス吹付式液体試料注入装置。
  4. 前記吹き出し管の先端の位置及び/又は向きが可変であることを特徴とする請求項3に記載のガス吹付式液体試料注入装置。
  5. 前記注入容器を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のガス吹付式液体試料注入装置。
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