JPH1133581A - 有機廃水の処理方法 - Google Patents

有機廃水の処理方法

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JPH1133581A
JPH1133581A JP19727497A JP19727497A JPH1133581A JP H1133581 A JPH1133581 A JP H1133581A JP 19727497 A JP19727497 A JP 19727497A JP 19727497 A JP19727497 A JP 19727497A JP H1133581 A JPH1133581 A JP H1133581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理水中の有機汚濁物質や懸濁物質の除
去、および溶存ダイオキシン等有機塩素化合物の分解除
去を効率よく行い、さらに発生する汚泥中のダイオキシ
ン等有機塩素化合物を分解除去し、処理系内の該化合物
を高い除去率で分解除去する方法を提供する。 【解決手段】 被処理水1を、生物処理工程2を主体と
する前段処理より処理し、前段処理から発生する汚泥
6,7に対し、オゾン12等による汚泥処理11を行
い、その上澄水8を被処理水1流入部に返送し、さら
に、前記前段処理の処理水に対し、汚泥処理工程11か
らの排オゾン15と過酸化水素または紫外線とを組み合
わせた後段処理5を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシン等有機
塩素化合物を含有する有機廃水の処理に関するものであ
り、特に浸出水や工業廃水処理に用いることができる有
機廃水の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浸出水など有機廃水の主な処理方
法としては、有機物除去を主体とした処理法を用いてい
る。主な処理法としては、BOD、窒素の除去を目的と
した生物処理、色度、COD及びSSなどの除去を目的
とした凝集沈殿処理、SSなど濁質の除去を目的とした
砂ろ過処理等がある。さらに、高度処理法としては、活
性炭処理を用いることがある。しかし、上記処理法のい
ずれも、有機廃水中の微量ダイオキシン等有機塩素化合
物を分解除去する効果が少なく、放流水中にダイオキシ
ン等有機塩素化合物が残留する場合が多い。さらにダイ
オキシン等有機塩素化合物が水にはほとんど不溶であ
り、各処理工程でダイオキシン等有機塩素化合物が減少
しても、そのほとんどが処理工程から発生する汚泥中に
含まれており、脱水処理後、ケーキ中のダイオキシン等
有機塩素化合物含率が高く、系内全体のダイオキシン等
有機塩素化合物分解除去効果があまりないと考えられて
いる。最近のダイオキシン等有機塩素化合物分解処理技
術としては、被処理水に溶存しているダイオキシン等有
機塩素化合物を紫外線照射による脱塩素化反応及びオゾ
ン注入による酸化反応で分解除去することが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、懸濁物質や色
度成分、有機物濃度の高い有機廃水に対し、紫外線照射
やオゾン注入を導入した時、紫外線透過率が低く、反応
効率の低下に加え、注入オゾンの大部分が溶解性ダイオ
キシン以外の有機物分解除去に消費されると考えられ
る。さらに汚泥中に蓄積されたダイオキシン等有機塩素
化合物の分解処理を水処理工程と組み合わせた処理がほ
とんどなく、水処理工程でダイオキシン等有機塩素化合
物を除去しても、汚泥中に高濃度のダイオキシン等有機
塩素化合物が蓄積される場合が多い。
【0004】本発明は上記の問題点を解決するもので、
被処理水に対し、生物処理を主体とする前段処理工程と
汚泥処理工程において、被処理水中の有機汚濁物質や懸
濁物質の除去、さらに後段処理において、被処理水中の
溶存ダイオキシン等有機塩素化合物の分解除去を効率よ
く行い、前段処理工程から発生する汚泥中のダイオキシ
ン等有機塩素化合物を分解除去し、処理系内のダイオキ
シン等有機塩素化合物を高い除去率で分解除去する方法
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の構成
により解決することができる。 (1)有機廃水の処理方法であって、被処理水を、生物
処理を主体とする前段処理より処理し、前記前段処理か
ら発生する汚泥に対し、オゾンまたはオゾンと過酸化水
素による汚泥処理を行い、その上澄水を被処理水流入部
に返送することを特徴とするダイオキシン等有機塩素化
合物を含有する有機廃水の処理方法。 (2)前記前段処理の処理水に対し、前記汚泥処理から
の排オゾンを用い、過酸化水素または紫外線とを組み合
わせた後段処理を行うことを特徴とする前記(1)のダ
イオキシン等有機塩素化合物を含有する有機廃水の処理
方法。
【0006】本発明によれば、被処理水に対し、生物処
理を主体とする前段処理を行えば、被処理水中の不溶性
懸濁物質及び有機物のほとんどを除去分離することがで
き、水にほとんど不溶であるダイオキシン等有機塩素化
合物がSS及び有機物濃度の低下と共に低減できる。上
記のような前段処理工程を得た処理水は、有機物及びS
Sとも高度に除去できたため、水中に溶存しているダイ
オキシン等有機塩素化合物濃度がきわめて微量となり、
後段処理であるダイオキシン等有機塩素化合物分解処理
工程において、汚泥処理からの排オゾンと少ない紫外線
照射量または過酸化水素添加量で高効率にダイオキシン
等有機塩素化合物を分解除去することができる。
【0007】一方、前段処理工程から発生する汚泥に含
まれている高濃度のダイオキシン等有機塩素化合物に対
して、汚泥処理工程において、オゾンまたはオゾンと過
酸化水素の注入で生成するヒドロキシラジカルによって
汚泥中のダイオキシンを分解除去するとともに汚泥中有
機物の一部も分解され、汚泥容積の減少も達成できる。
汚泥処理後の上澄水を前段処理の流入部に返送すること
によって、汚泥から溶出した一部の有機物及び溶存ダイ
オキシン等有機塩素化合物については、有機物が前段の
処理工程で除去でき、溶存ダイオキシン等有機塩素化合
物が後段のダイオキシン等有機塩素化合物分解処理工程
で分解除去できることから、放流水中のダイオキシン等
有機塩素化合物残留がなく、また、系外へ排出する汚泥
中ダイオキシン等有機塩素化合物もかなり低減され、流
入ダイオキシン等有機塩素化合物に対し、処理系内にお
いて高い除去率で分解除去することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施態様の一例を
示す図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明によ
る処理法の一例をフローシートで示したものである。図
1に示す如く、被処理水1を生物処理工程2によって生
物学的除去可能な有機物、SS等を除去するとともに、
被処理水中ダイオキシン等有機塩素化合物の一部も除去
し、生物処理工程2より発生する汚泥6を汚泥分解処理
工程(単に汚泥処理工程ともいう)11に送り、汚泥中
ダイオキシンの分解除去及び汚泥の減容を行う。生物処
理工程2の処理水はさらに凝集沈殿処理工程3によって
色度、有機汚濁物及びSSの除去を行うとともに、残留
ダイオキシン等有機塩素化合物の除去を行う。凝集沈殿
工程3からの汚泥7は生物処理工程2の汚泥6と同様に
汚泥分解処理工程11に送り、汚泥中ダイオキシン等有
機塩素化合物の分解除去及び汚泥の減容を行う。
【0009】凝集沈殿処理水はさらに砂ろ過処理工程4
によって残留SS及びSS性のダイオキシン等有機塩素
化合物を除去する。なお、砂ろ過逆洗排水14は凝集沈
澱処理工程3に返送し、SS等の分離除去を行う。容存
ダイオキシン等有機塩素化合物濃度がかなり低減された
砂ろ過処理水をダイオキシン分解工程5において汚泥分
解処理工程11からの排オゾン15を導入し、溶存ダイ
オキシン等有機塩素化合物の完全分解除去を行った処理
水を放流水10として系外へ排出する。
【0010】汚泥分解処理工程11においては、生物処
理汚泥6及び凝集沈処理汚泥7の混合汚泥に対し、過酸
化水素13の添加と同時に、底部からオゾンガス12の
注入により汚泥中のダイオキシン等有機塩素化合物が酸
化力の強いヒドロキシラジカルによって有機物の分解ま
たは溶出とともに溶存化し、その一部が酸化分解され
る。汚泥中ダイオキシン等有機塩素化合物濃度が低減さ
れたものは排出汚泥9として系外へ排出する。また、汚
泥分解処理した後の上澄水8は被処理水1の流入部に返
送される。
【0011】上記の処理フロー中、前段処理とした、生
物処理工程2、凝集沈殿処理工程3、砂ろ過処理工程4
は被処理水に対する有機物及びSS除去の一例であり、
被処理水の性状によって、凝集沈殿処理工程3を先に設
けてもよい、また、組み合わせとして、生物処理+ろ過
処理、生物処理+凝集沈殿ろ過処理、などが挙げられ
る。生物処理法として、接触酸化法、回転円板法、生物
学的硝化脱窒処理法などの何れもよい、凝集処理及びろ
過処理としては、凝集膜ろ過、凝集沈殿と砂ろ過のいず
れもよい。
【0012】
【実施例】上記図1のフローシートで示す方法にて、ダ
イオキシン等有機塩素化合物を含有する有機廃水の処理
を行った。この方法にて得られた各処理工程の水質を第
1表に、汚泥分解処理前後の水質を第2表に示す。な
お、ダイオキシン等有機塩素化合物分解の処理条件及び
汚泥分解処理の条件を第3表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1に示す如く、被処理水が色度600
度、COD200mg/リットル、BOD150mg/リッ
トル、SS30mg/リットルであるのに対し、生物処
理後の処理水が色度300度、COD80mg/リット
ル、BOD10mg/リットル、SS15mg/リット
ルと有機汚濁物の大部分が除去できた。これと同様に総
ダイオキシンも被処理水の1900pg/リットルから
約500pg/リットルに低減できた。さらに凝沈処
理、砂ろ過処理を得た処理水は、色度80度、COD3
5mg/リットル、BOD、SSともに 1mg/リット
ル以下となった。
【0015】その結果、総ダイオキシンも150pg/
リットル、ダイオキシンTEQで2.5pg/リットル
となり、ダイオキシン分解工程において、汚泥処理から
の排オゾン10mg/リットル、紫外線照射量0.25
W・hr/リットル、反応時間わずか2.5分で処理水の
ダイオキシンが検出限界以下となり、また、色度、CO
Dの除去効果も得られ、色度5度、COD10mg/リ
ットルに低下した。なお、TEQとは、2,3,7,8
−TCDD(四塩化クロロダイペンゾパラダイオキシ
ン)毒性等価換算濃度を示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2に示す如く、分解処理前の汚泥がSS
7000mg/リットル、総ダイオキシン35000p
g/リットル、ダイオキシンTEQ450pg/リット
ルであるのに対し、オゾン注入率100mg/リット
ル、H22添加量50mg/リットル、滞留時間約60
分の条件で、分解処理後の汚泥がSS5000mg/リ
ットル、総ダイオキシン10000pg/リットル、ダ
イオキシンTEQ120pg/リットルに低下した。こ
の結果、SSのダイオキシンが分解処理前の5.0ng
/gから1.3ng/gに低下した。一方、汚泥のろ液
は分解処理前、色度100度、COD200mg/リッ
トル、BOD80mg/リットル、総ダイオキシン30
0pg/リットル、ダイオキシンTEQ5.0pg/リ
ットルであったのに対し、分解処理後のろ液は色度50
0度、COD600mg/リットル、BOD300mg
/リットルとなり、分解処理にともない、有機物の分解
溶出が認められた。
【0018】この結果、ろ液中の総ダイオキシンとダイ
オキシンTEQが分解処理前より高くなり、それぞれ、
3500pg/リットルと50pg/リットルとなっ
た。しかし、これらを被処理水の前段処理工程に返送す
れば、有機物及びダイオキシンが確実に各処理工程にて
除去できる。このようにして、流入ダイオキシン中、汚
泥分解処理工程での総ダイオキシンの約70%以上は分
解除去出来こととなり、溶存ダイオキシンの分解除去量
を合わせると系内の除去率は少なくとも70%以上とな
る。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】実施例に示す如く、本発明によれば、ダ
イオキシン等有機塩素化合物を含有する有機性排水に対
し、生物処理を主体とする前段処理で、不溶性懸濁物質
及び有機物の一部を除去分離することにより、水にほと
んど不溶である被処理水中のダイオキシン等有機塩素化
合物濃度の除去もできる。上記のような処理工程を経た
処理水は、有機物及びSSとも高度に除去できたため、
水中に溶存しているダイオキシン等有機塩素化合物濃度
がきわめて微量となり、後段のダイオキシン分解処理工
程において、汚泥処理からの排オゾンを利用し、紫外線
照射量または過酸化水素添加量で高効率にダイオキシン
等有機塩素化合物を分解除去することができ、放流水中
のダイオキシン等有機塩素化合物をほぼ検出限界以下に
することができる。
【0021】一方、前段処理工程から発生する汚泥に含
まれている高濃度のダイオキシン等有機塩素化合物に対
して、汚泥処理工程において、オゾンまたはオゾンと過
酸化水素の注入で生成するヒドロキシラジカルによって
汚泥中のダイオキシン等有機塩素化合物を分解除去する
とともに汚泥中有機物の一部も溶出分解され、汚泥容積
の減少も達成できる。汚泥処理後の上澄水を前段処理の
流入部に返送することによって、汚泥から溶出した一部
の有機物及び溶存ダイオキシン等有機塩素化合物につい
ては、有機物が前段の処理工程で除去でき、溶存ダイオ
キシン等有機塩素化合物が後段のダイオキシン分解処理
工程で分解除去できることから、放流水中のダイオキシ
ン等有機塩素化合物残留がなく、また、系外へ排出する
汚泥中ダイオキシン等有機塩素化合物濃度もかなり低減
され、流入ダイオキシン等有機塩素化合物に対し、処理
系内において高い除去率で分解除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による処理法の一例を示したフローシー
ト図である。
【符号の説明】
1 被処理水 2 生物処理工程 3 凝集沈殿処理工程 4 砂ろ過処理工程 5 ダイオキシン分解処理工程 6 生物処理汚泥 7 凝集沈殿処理汚泥 8 汚泥分解処理上澄水 9 排出汚泥 10 放流水 11 汚泥分解処理工程 12 オゾンガス 13 過酸化水素 14 逆洗排水 15 排オゾン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 503 C02F 9/00 503C 504 504A 11/06 ZAB 11/06 ZABA (72)発明者 中川 創太 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機廃水の処理方法であって、被処理水
    を、生物処理を主体とする前段処理より処理し、前記前
    段処理から発生する汚泥に対し、オゾンまたはオゾンと
    過酸化水素による汚泥処理を行い、その上澄水を被処理
    水流入部に返送することを特徴とするダイオキシン等有
    機塩素化合物を含有する有機廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記前段処理の処理水に対し、前記汚泥
    処理からの排オゾンと過酸化水素または紫外線とを組み
    合わせた後段処理を行うことを特徴とする請求項1記載
    のダイオキシン等有機塩素化合物を含有する有機廃水の
    処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000202476A (ja) * 1999-01-18 2000-07-25 Ebara Corp 内分泌撹乱物質または発ガン性物質を含有する有機汚水の処理方法
JP2002219492A (ja) * 2001-01-30 2002-08-06 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 排水中のダイオキシン類除去方法
CN103130389A (zh) * 2013-03-04 2013-06-05 同济大学 紫外线和双氧水联合去除污泥中内分泌干扰物的方法

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JP2002219492A (ja) * 2001-01-30 2002-08-06 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 排水中のダイオキシン類除去方法
CN103130389A (zh) * 2013-03-04 2013-06-05 同济大学 紫外线和双氧水联合去除污泥中内分泌干扰物的方法

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