JPH11335785A - 高強度低熱膨張合金およびその製造方法 - Google Patents
高強度低熱膨張合金およびその製造方法Info
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- JPH11335785A JPH11335785A JP14442398A JP14442398A JPH11335785A JP H11335785 A JPH11335785 A JP H11335785A JP 14442398 A JP14442398 A JP 14442398A JP 14442398 A JP14442398 A JP 14442398A JP H11335785 A JPH11335785 A JP H11335785A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 通常のACSR線の芯線である鋼線と同様に
150kgf/mm2 以上の強度を有し、30〜240℃の線
膨張係数が9.0×10-6/℃以下であり、捻回特性が
16回以上の高強度低熱膨張合金およびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、残部はFeおよび不可避不純物からな
る組織で、少なくともオーステナイト相、金属間化合物
および加工誘起マルテンサイト相からなる組織を有する
こと。
150kgf/mm2 以上の強度を有し、30〜240℃の線
膨張係数が9.0×10-6/℃以下であり、捻回特性が
16回以上の高強度低熱膨張合金およびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、残部はFeおよび不可避不純物からな
る組織で、少なくともオーステナイト相、金属間化合物
および加工誘起マルテンサイト相からなる組織を有する
こと。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度低熱膨張合
金およびその製造方法、詳細には低弛度耐熱送電線用芯
線などに使用することができる高強度低熱膨張合金およ
びその製造方法に関する。
金およびその製造方法、詳細には低弛度耐熱送電線用芯
線などに使用することができる高強度低熱膨張合金およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、架空送電線には鋼芯アルミニ
ウム撚線(ACSR線)が使用されているが、近年の電
力需要の増大のために、同一サイズのACSR線と比較
して電線の送電容量を2倍以上とすることが可能な低弛
度耐熱送電線が、一部実用化されている。この低弛度耐
熱送電線は、線膨張係数が鋼線の1/3以下である高強
度低熱膨張合金線を芯線に用いて架線後の通電時におけ
る熱膨張による電線の垂れ下がり、つまり弛度を抑え、
外層線には、高温での使用に耐え得る耐熱アルミニウム
合金を用いることで増容量化を可能としたものである。
このような用途に対し、強度や捻回特性を改善する目的
で特公昭56─45990号公報、特公昭57─179
42号公報などに種々のFe─Ni系合金が提案されて
いる。これらの高強度低熱膨張合金は、C、Cr、Mo
などを強化用元素として添加したものであり、引張強さ
は100〜130kgf/mm2 程度であった。
ウム撚線(ACSR線)が使用されているが、近年の電
力需要の増大のために、同一サイズのACSR線と比較
して電線の送電容量を2倍以上とすることが可能な低弛
度耐熱送電線が、一部実用化されている。この低弛度耐
熱送電線は、線膨張係数が鋼線の1/3以下である高強
度低熱膨張合金線を芯線に用いて架線後の通電時におけ
る熱膨張による電線の垂れ下がり、つまり弛度を抑え、
外層線には、高温での使用に耐え得る耐熱アルミニウム
合金を用いることで増容量化を可能としたものである。
このような用途に対し、強度や捻回特性を改善する目的
で特公昭56─45990号公報、特公昭57─179
42号公報などに種々のFe─Ni系合金が提案されて
いる。これらの高強度低熱膨張合金は、C、Cr、Mo
などを強化用元素として添加したものであり、引張強さ
は100〜130kgf/mm2 程度であった。
【0003】一方、ACSR線の芯線として用いられる
鋼線の引張強さは、150kgf/mm2以上であるので、同
一サイズの高強度低熱膨張合金線を芯線に用いた低弛度
耐熱送電線は、芯線の引張強さが低いために通常のAC
SR線を用いた電線より引張強さが小さくなる。そのた
め、高強度低熱膨張合金を芯線に用いた低弛度耐熱送電
線を使用する場合、電線の最大使用張力より小さくする
と弛度特性が悪化するため、低弛度特性を発揮すること
ができなくなる。
鋼線の引張強さは、150kgf/mm2以上であるので、同
一サイズの高強度低熱膨張合金線を芯線に用いた低弛度
耐熱送電線は、芯線の引張強さが低いために通常のAC
SR線を用いた電線より引張強さが小さくなる。そのた
め、高強度低熱膨張合金を芯線に用いた低弛度耐熱送電
線を使用する場合、電線の最大使用張力より小さくする
と弛度特性が悪化するため、低弛度特性を発揮すること
ができなくなる。
【0004】そのため、近年、熱膨張係数(線膨張係
数)が低く、かつ、鋼線なみの強度を有する高強度低熱
膨張合金線が要求されており、そのための種々の試みが
なされてきている。例えば、特開平3─115543号
公報では、合金の強化元素としてC及びMoに着目し、
これらの含有率を上げ、また合金中のNi含有率を調節
することにより、高強度低熱膨張合金において、線膨張
係数を増大させず、強度を上げる旨が開示されている。
しかし、この合金においては、30〜230℃の平均熱
膨張係数を3.2×10-6/℃以下にすることができる
が、強度は125kgf/mm2 程度である上に、靱性が低下
し、所望の捻回特性(通常、線径の100倍の試験片の
一端を固定し、他端を捩じる捻回試験で破断にいたるま
での回数により評価する)が得られないことが予想され
た。
数)が低く、かつ、鋼線なみの強度を有する高強度低熱
膨張合金線が要求されており、そのための種々の試みが
なされてきている。例えば、特開平3─115543号
公報では、合金の強化元素としてC及びMoに着目し、
これらの含有率を上げ、また合金中のNi含有率を調節
することにより、高強度低熱膨張合金において、線膨張
係数を増大させず、強度を上げる旨が開示されている。
しかし、この合金においては、30〜230℃の平均熱
膨張係数を3.2×10-6/℃以下にすることができる
が、強度は125kgf/mm2 程度である上に、靱性が低下
し、所望の捻回特性(通常、線径の100倍の試験片の
一端を固定し、他端を捩じる捻回試験で破断にいたるま
での回数により評価する)が得られないことが予想され
た。
【0005】このように、添加元素の過度の添加のみに
よって高強度化を図ろうとすると、低弛度耐熱送電線の
靱性が劣化し、前述の捻回特性を満足させることができ
なくなるという問題があった。
よって高強度化を図ろうとすると、低弛度耐熱送電線の
靱性が劣化し、前述の捻回特性を満足させることができ
なくなるという問題があった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のF
e─Ni系高強度低熱膨張合金線よりも高い強度、つま
り、通常のACSR線の鋼線なみの強度である150kg
f/mm2 以上の引張強さを有し、かつ、捻回特性が優れ、
さらに低い線膨張係数を有する高強度低熱膨張合金及び
その製造方法を提供することを課題としている。
e─Ni系高強度低熱膨張合金線よりも高い強度、つま
り、通常のACSR線の鋼線なみの強度である150kg
f/mm2 以上の引張強さを有し、かつ、捻回特性が優れ、
さらに低い線膨張係数を有する高強度低熱膨張合金及び
その製造方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者達は、低弛度耐熱送電線用芯線などに使用
する高強度低熱膨張合金を開発すべく従来の低熱膨張合
金の線膨張係数、引張強さ、捻回特性などを調査、研究
していたところ、Fe−Ni−Co系合金にTiとAl
を適量添加し、時効処理によりNiの金属化合物を析出
硬化させるとFe−Ni−Co系合金の強度が著しく向
上することを見出した。さらに、Ni、Co、Al、T
i等の元素を適量添加し冷間加工等でひずみを加えるこ
とによって、母相であるオーステナイト相の一部がマル
テンサイト相に変態(加工誘起変態)することを見出し
た。そしてこの加工誘起変態を利用することでさらに強
度を向上させるとともに良好な捻回特性を得られること
などの知見を得て本発明をなしたものである。
め、本発明者達は、低弛度耐熱送電線用芯線などに使用
する高強度低熱膨張合金を開発すべく従来の低熱膨張合
金の線膨張係数、引張強さ、捻回特性などを調査、研究
していたところ、Fe−Ni−Co系合金にTiとAl
を適量添加し、時効処理によりNiの金属化合物を析出
硬化させるとFe−Ni−Co系合金の強度が著しく向
上することを見出した。さらに、Ni、Co、Al、T
i等の元素を適量添加し冷間加工等でひずみを加えるこ
とによって、母相であるオーステナイト相の一部がマル
テンサイト相に変態(加工誘起変態)することを見出し
た。そしてこの加工誘起変態を利用することでさらに強
度を向上させるとともに良好な捻回特性を得られること
などの知見を得て本発明をなしたものである。
【0008】すなわち、本発明の高強度低熱膨張合金に
おいては、Ni:30〜45%、Co:6〜20%、A
l:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜5.0%、好ま
しくは、AlとTiの関係が1.5%≦(Al+Ti)
≦5.0%またはAlとTiの関係が1.5%≦(Al
+Ti)≦5.0%で、かつNiとCoとAlとTiの
関係が15%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23
%であり、さらに必要に応じてMo、W、V、B、S
i、Mn、Cr、CuおよびMgの1種または2種以上
を合計で5.0%以下を含み、残部はFeおよび不可避
不純物からなる組成で、少なくともオーステナイト相、
金属間化合物および加工誘起マルテンサイト相からなる
組織を有するものとすることである。
おいては、Ni:30〜45%、Co:6〜20%、A
l:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜5.0%、好ま
しくは、AlとTiの関係が1.5%≦(Al+Ti)
≦5.0%またはAlとTiの関係が1.5%≦(Al
+Ti)≦5.0%で、かつNiとCoとAlとTiの
関係が15%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23
%であり、さらに必要に応じてMo、W、V、B、S
i、Mn、Cr、CuおよびMgの1種または2種以上
を合計で5.0%以下を含み、残部はFeおよび不可避
不純物からなる組成で、少なくともオーステナイト相、
金属間化合物および加工誘起マルテンサイト相からなる
組織を有するものとすることである。
【0009】また、本発明の高強度低熱膨張合金の製造
方法においては、Ni:30〜45%、Co:6〜20
%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜5.0
%、残部Feを主成分とする上記合金を630〜750
℃などの温度で4〜50時間程度加熱する時効処理をし
た後、加工率50〜95%程度の冷間加工によりマルテ
ンサイトを生成させることである。
方法においては、Ni:30〜45%、Co:6〜20
%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜5.0
%、残部Feを主成分とする上記合金を630〜750
℃などの温度で4〜50時間程度加熱する時効処理をし
た後、加工率50〜95%程度の冷間加工によりマルテ
ンサイトを生成させることである。
【0010】
【作用】次に、本発明において、成分組成を上記のよう
に限定した理由を説明する。 Ni:30〜45% Niは、Co、残部のFeとともに線膨張係数を小さく
するために必要であるとともに、AlとTiと金属間化
合物を析出して強度を高くし、さらに、線膨張係数の変
移点(キュリー点とほぼ同じ)を高くするために含有さ
せる元素で、その含有量が30%より少ないと、Niが
AlとTiと金属間化合物を形成し、線膨張係数を低く
するために必要な量が不足して合金のキュリー点が低下
し線膨張係数が大きくなってしまう。また、含有量が4
5%を超えると線膨張係数が著しく大きくなるととも
に、オーステナイト相が安定化し、冷間加工による加工
誘起マルテンサイト相が生成し難くなり、その結果とし
て強度が高くならないので、その含有量を30〜45%
とする。
に限定した理由を説明する。 Ni:30〜45% Niは、Co、残部のFeとともに線膨張係数を小さく
するために必要であるとともに、AlとTiと金属間化
合物を析出して強度を高くし、さらに、線膨張係数の変
移点(キュリー点とほぼ同じ)を高くするために含有さ
せる元素で、その含有量が30%より少ないと、Niが
AlとTiと金属間化合物を形成し、線膨張係数を低く
するために必要な量が不足して合金のキュリー点が低下
し線膨張係数が大きくなってしまう。また、含有量が4
5%を超えると線膨張係数が著しく大きくなるととも
に、オーステナイト相が安定化し、冷間加工による加工
誘起マルテンサイト相が生成し難くなり、その結果とし
て強度が高くならないので、その含有量を30〜45%
とする。
【0011】Co:6〜20% Coは、Ni、残部のFeとともに線膨張係数を小さく
するために必要であるとともに、Niとともに線膨張係
数の変移点を高くするために含有させる元素で、その含
有量が6%より少ないと線膨張係数が高くなってしま
う。また、20%を超えるとかえって線膨張係数が大き
くなるので、その含有量を6〜20%とする。
するために必要であるとともに、Niとともに線膨張係
数の変移点を高くするために含有させる元素で、その含
有量が6%より少ないと線膨張係数が高くなってしま
う。また、20%を超えるとかえって線膨張係数が大き
くなるので、その含有量を6〜20%とする。
【0012】Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%、1.5%≦(Al+Ti)≦5.0% Tiは、Niと金属間化合物を形成し析出硬化させ、強
度を高くするために含有させる元素で、この効果を得る
ためには0.1%以上含有させる必要があるが、5.0
%より多くなると強度は高くなるが線膨張係数が高くな
るので、その含有量を0.1〜5.0%とする。好まし
くは、2.0〜3.5%である。Alは、Tiと同様に
Niと金属間化合物を形成させる元素であり、Tiと一
緒に含有させることにより時効時間の短縮がはかれる。
この効果を得るためには0.1%以上含有させる必要が
あるが、5.0%より多くなると強度は高くなるが線膨
張係数が高くなるので、その含有量を0.1〜5.0%
とする。好ましくは0.3〜1.0%である。またAl
とTiの合計量が1.5%未満の場合は強度が十分では
ない。またAlとTiの合計量が5.0%を超えると、
強度は十分大きくなるが線膨張係数が高くなるので、そ
の合計含有量を1.5〜5.0%とする。
5.0%、1.5%≦(Al+Ti)≦5.0% Tiは、Niと金属間化合物を形成し析出硬化させ、強
度を高くするために含有させる元素で、この効果を得る
ためには0.1%以上含有させる必要があるが、5.0
%より多くなると強度は高くなるが線膨張係数が高くな
るので、その含有量を0.1〜5.0%とする。好まし
くは、2.0〜3.5%である。Alは、Tiと同様に
Niと金属間化合物を形成させる元素であり、Tiと一
緒に含有させることにより時効時間の短縮がはかれる。
この効果を得るためには0.1%以上含有させる必要が
あるが、5.0%より多くなると強度は高くなるが線膨
張係数が高くなるので、その含有量を0.1〜5.0%
とする。好ましくは0.3〜1.0%である。またAl
とTiの合計量が1.5%未満の場合は強度が十分では
ない。またAlとTiの合計量が5.0%を超えると、
強度は十分大きくなるが線膨張係数が高くなるので、そ
の合計含有量を1.5〜5.0%とする。
【0013】Mo、W、V、B、Si、Mn、Cr、C
uおよびMgの1種または2種以上を合計で5.0%以
下 上記の組成にこれらの元素の1種または2種以上を合計
で5.0%以下含有させてもよい。但し2.0%を超え
ると線膨張係数が増加しはじめ5.0%以上含有させる
と本発明の良好な線膨張係数が得られない。
uおよびMgの1種または2種以上を合計で5.0%以
下 上記の組成にこれらの元素の1種または2種以上を合計
で5.0%以下含有させてもよい。但し2.0%を超え
ると線膨張係数が増加しはじめ5.0%以上含有させる
と本発明の良好な線膨張係数が得られない。
【0014】N、O NおよびOは、合金中で介在物を生成し、捻回値のばら
つきの原因となるので、少ないほど好ましいが、0.0
1%より少ないけれはばらつきの原因とならないので、
0.01%以下であることが好ましい。 C Cは、合金中のTi、Al等と炭化物を形成し、有効な
TiおよびAl量を減じ、またMd点を下げるので、
0.1%以下、より好ましくは0.02%以下とする。
つきの原因となるので、少ないほど好ましいが、0.0
1%より少ないけれはばらつきの原因とならないので、
0.01%以下であることが好ましい。 C Cは、合金中のTi、Al等と炭化物を形成し、有効な
TiおよびAl量を減じ、またMd点を下げるので、
0.1%以下、より好ましくは0.02%以下とする。
【0015】次に、本発明の高強度低熱膨張合金の時効
処理によって生じる金属間化合物と冷間加工によって生
じる加工誘起マルテンサイト相について説明する。時効
処理は、AlおよびTiがNiと金属間化合物を析出さ
せて強度を高くするために行うものである。その温度
は、低過ぎれば金属間化合物の析出量が少なく、また高
過ぎれば過時効となって強度が高くならないので、その
範囲を600〜800℃とする。好ましくは650〜7
50℃である。また加熱時間は、4〜50時間程度で十
分である。
処理によって生じる金属間化合物と冷間加工によって生
じる加工誘起マルテンサイト相について説明する。時効
処理は、AlおよびTiがNiと金属間化合物を析出さ
せて強度を高くするために行うものである。その温度
は、低過ぎれば金属間化合物の析出量が少なく、また高
過ぎれば過時効となって強度が高くならないので、その
範囲を600〜800℃とする。好ましくは650〜7
50℃である。また加熱時間は、4〜50時間程度で十
分である。
【0016】また、本発明の高強度低熱膨張合金の製造
方法において加工誘起変態によって生ずるマルテンサイ
ト相は、強度を高くするために生成させるもので、Ni
含有量が少ないほど、また冷間加工率が大きいほどマル
テンサイト量が多くなる。このマルテンサイト量は、少
ないと強度が低く、多いと強度が高くなるが、捻回値が
低くなるので、10〜70%が好ましい。冷間加工率
は、合金の成分組成に影響されるので、一般には表現で
きないが、おおむね例えば50〜95%が適切である。
方法において加工誘起変態によって生ずるマルテンサイ
ト相は、強度を高くするために生成させるもので、Ni
含有量が少ないほど、また冷間加工率が大きいほどマル
テンサイト量が多くなる。このマルテンサイト量は、少
ないと強度が低く、多いと強度が高くなるが、捻回値が
低くなるので、10〜70%が好ましい。冷間加工率
は、合金の成分組成に影響されるので、一般には表現で
きないが、おおむね例えば50〜95%が適切である。
【0017】時効処理によりNiとAlおよびTiが金
属間化合物を形成し析出することによりマトリックスか
ら減少するNi量を規制する必要がある。請求項3に示
される組成の式はその減少分を補正するものであり、1
5%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23%の式に
おいて23%を超えるとMd点が室温以上に上昇せず、
時効析出後の冷間加工において強度を得るためのマルテ
ンサイトが十分生成しない。また15%以下の場合は線
膨張係数が増大する。したがって、本発明は時効処理後
のマトリックスの組成においてMd点が室温以上に上昇
するように合金組成を定め、時効処理後の冷間加工によ
り加工誘起マルテンサイト相を発生させることを特徴と
することにある。所定の寸法を得る等の目的で時効処理
前に冷間加工を施すことは可能であるが、本発明のマル
テンサイト生成には寄与しない。
属間化合物を形成し析出することによりマトリックスか
ら減少するNi量を規制する必要がある。請求項3に示
される組成の式はその減少分を補正するものであり、1
5%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23%の式に
おいて23%を超えるとMd点が室温以上に上昇せず、
時効析出後の冷間加工において強度を得るためのマルテ
ンサイトが十分生成しない。また15%以下の場合は線
膨張係数が増大する。したがって、本発明は時効処理後
のマトリックスの組成においてMd点が室温以上に上昇
するように合金組成を定め、時効処理後の冷間加工によ
り加工誘起マルテンサイト相を発生させることを特徴と
することにある。所定の寸法を得る等の目的で時効処理
前に冷間加工を施すことは可能であるが、本発明のマル
テンサイト生成には寄与しない。
【0018】本発明の高強度低熱膨張合金は、Niを3
0〜45%として、30〜240℃の平均線膨張係数を
低くするのに必要な量より多くし、AlおよびTiとN
iとの金属間化合物を析出させて析出硬化させているの
で、平均線膨張係数を低くするとともに、強度を高くす
ることができる。また冷間加工することによって加工誘
起マルテンサイト相を生成させて強度を高くしているの
で、上記のAlおよびTiとNiとの金属間化合物を析
出させたことにより強度を高くすることと合わせて通常
のACSR線の芯線と同様な150kgf/mm2 以上の強度
を得ることができる。さらに、本発明の高強度低熱膨張
合金は、NiがAlおよびTiと金属間化合物を形成し
消費されるので、マトリックス中のNiが少なくなり、
Md点を室温以上にすることができる。また、本発明の
高強度低熱膨張合金は、強度を高くするために生成した
加工誘起マルテンサイト相が、550℃以上のオーステ
ナイトへの逆変態温度を有しているので、送電線の最高
加熱温度の240℃より高く、また亜鉛めっき時におい
て加熱される温度より高いので、製造及び使用中に強度
が低下することもない。
0〜45%として、30〜240℃の平均線膨張係数を
低くするのに必要な量より多くし、AlおよびTiとN
iとの金属間化合物を析出させて析出硬化させているの
で、平均線膨張係数を低くするとともに、強度を高くす
ることができる。また冷間加工することによって加工誘
起マルテンサイト相を生成させて強度を高くしているの
で、上記のAlおよびTiとNiとの金属間化合物を析
出させたことにより強度を高くすることと合わせて通常
のACSR線の芯線と同様な150kgf/mm2 以上の強度
を得ることができる。さらに、本発明の高強度低熱膨張
合金は、NiがAlおよびTiと金属間化合物を形成し
消費されるので、マトリックス中のNiが少なくなり、
Md点を室温以上にすることができる。また、本発明の
高強度低熱膨張合金は、強度を高くするために生成した
加工誘起マルテンサイト相が、550℃以上のオーステ
ナイトへの逆変態温度を有しているので、送電線の最高
加熱温度の240℃より高く、また亜鉛めっき時におい
て加熱される温度より高いので、製造及び使用中に強度
が低下することもない。
【0019】
【実施例】下記表1の本発明例および比較例に示す成分
組成の合金を溶製し、鋳造して鋳塊とした。この鋳塊を
1150℃に2時間加熱した後、熱間鍛造により12m
mの丸棒を作製した。その後、冷間鍛造により直径10
mmにし、さらに冷間引抜きによる伸線加工により直径
7.3mmとした。その後1000℃で30分間保持し
た後、水冷することにより溶体化処理を行い、次に皮剥
ぎを行った。その後、700℃で8時間の時効処理を行
った。これらの試料を用いて冷間引抜による伸線加工を
行い下記表2に示す直径4.1mmと直径2.3mmの
線材を作製した。また、時効処理温度については、図1
に示すように本発明例1と8の組成の合金を用いて60
0〜800℃の温度範囲で8時間の時効処理を行い硬さ
を測定した。
組成の合金を溶製し、鋳造して鋳塊とした。この鋳塊を
1150℃に2時間加熱した後、熱間鍛造により12m
mの丸棒を作製した。その後、冷間鍛造により直径10
mmにし、さらに冷間引抜きによる伸線加工により直径
7.3mmとした。その後1000℃で30分間保持し
た後、水冷することにより溶体化処理を行い、次に皮剥
ぎを行った。その後、700℃で8時間の時効処理を行
った。これらの試料を用いて冷間引抜による伸線加工を
行い下記表2に示す直径4.1mmと直径2.3mmの
線材を作製した。また、時効処理温度については、図1
に示すように本発明例1と8の組成の合金を用いて60
0〜800℃の温度範囲で8時間の時効処理を行い硬さ
を測定した。
【0020】これらの合金線を用いて熱膨張試験、引張
試験、捻回試験およびマルテンサイト量の測定を行っ
た。その結果を下記表2に示す。この熱膨張試験では、
熱示差式熱膨張率測定計により30℃〜240℃までの
平均線膨張係数を測定した。さらに、引張試験は3回行
い平均値を算出した。また、捻回試験は3回行い、破断
までの捻回値を測定した。また、マルテンサイト量の測
定は、オーステナイトとの比を求めたもので、線材の横
断面のX線回折を行い求めた。
試験、捻回試験およびマルテンサイト量の測定を行っ
た。その結果を下記表2に示す。この熱膨張試験では、
熱示差式熱膨張率測定計により30℃〜240℃までの
平均線膨張係数を測定した。さらに、引張試験は3回行
い平均値を算出した。また、捻回試験は3回行い、破断
までの捻回値を測定した。また、マルテンサイト量の測
定は、オーステナイトとの比を求めたもので、線材の横
断面のX線回折を行い求めた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】これらの結果より、本発明例のものは、い
ずれも170kgf/mm2 の引張強さを有する。また捻回試
験においても16回以上の捻回値である。線膨張係数に
ついては従来合金線と比較すると2倍以上となっている
が、鋼線の線膨張係数である11.5〜13.0×10
-6/℃と比べると低くなっている。これに対して、Ni
の含有量が本発明の範囲より低い比較例10では線膨張
係数が11.5×10-6/℃より大きくなっており、C
oの含有量が本発明の範囲より低めの比較例11では引
張強さが134kgf/mm2 、捻回値が6〜11回で、本発
明例のものより低くなっている。
ずれも170kgf/mm2 の引張強さを有する。また捻回試
験においても16回以上の捻回値である。線膨張係数に
ついては従来合金線と比較すると2倍以上となっている
が、鋼線の線膨張係数である11.5〜13.0×10
-6/℃と比べると低くなっている。これに対して、Ni
の含有量が本発明の範囲より低い比較例10では線膨張
係数が11.5×10-6/℃より大きくなっており、C
oの含有量が本発明の範囲より低めの比較例11では引
張強さが134kgf/mm2 、捻回値が6〜11回で、本発
明例のものより低くなっている。
【0024】さらに、AlとTiの関係が本発明の請求
項2に記載の範囲(1.5%≦(Al+Ti)≦5.0
%)から外れる比較例14、15および16のうち比較
例14と15では線膨張係数が11.5×10-6/℃よ
り大きくなっており、比較例16では引張強さが47 k
gf/mm2 という低い値である。また、Ni、Co、Al
およびTiの関係が、本発明の請求項3に記載の範囲
(15%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23%)
よりも外れる比較例10、12、13および16のうち
比較例12ではオーステナイト相が安定になり過ぎて線
径7.5mmから線径2.3mmへの高い加工率の冷間
加工を行っても加工誘起マルテンサイト変態は発生せ
ず、引張強さが143 kgf/mm2と本発明のものより低く
なっている。
項2に記載の範囲(1.5%≦(Al+Ti)≦5.0
%)から外れる比較例14、15および16のうち比較
例14と15では線膨張係数が11.5×10-6/℃よ
り大きくなっており、比較例16では引張強さが47 k
gf/mm2 という低い値である。また、Ni、Co、Al
およびTiの関係が、本発明の請求項3に記載の範囲
(15%≦Ni−Co−2×(Al+Ti)≦23%)
よりも外れる比較例10、12、13および16のうち
比較例12ではオーステナイト相が安定になり過ぎて線
径7.5mmから線径2.3mmへの高い加工率の冷間
加工を行っても加工誘起マルテンサイト変態は発生せ
ず、引張強さが143 kgf/mm2と本発明のものより低く
なっている。
【0025】
【発明の効果】本発明の高強度低熱膨張合金は、上記構
成にしたことにより、170 kgf/mm2以上の強度を有
し、線膨張係数が9×10-6/℃以下であり、16回以
上の捻回値を有している。また、本発明の製造方法は、
上記構成にしたことにより、通常の時効処理と冷間加工
により、上記高強度低熱膨張合金線を製造することがで
きるという優れた効果を奏する。
成にしたことにより、170 kgf/mm2以上の強度を有
し、線膨張係数が9×10-6/℃以下であり、16回以
上の捻回値を有している。また、本発明の製造方法は、
上記構成にしたことにより、通常の時効処理と冷間加工
により、上記高強度低熱膨張合金線を製造することがで
きるという優れた効果を奏する。
【図1】本発明の高強度低熱膨張合金の溶体化処理後の
時効処理温度と硬さの関係を示すグラフである。
時効処理温度と硬さの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 太一郎 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 宮崎 健史 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、残部はFeおよび不可避不純物からな
る組成で、少なくともオーステナイト相、金属間化合物
および加工誘起マルテンサイト相からなる組織を有する
ことを特徴とする高強度低熱膨張合金。 - 【請求項2】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、さらにAlとTiの関係が1.5%≦
(Al+Ti)≦5.0%からなり、残部はFeおよび
不可避不純物からなる組成で、少なくともオーステナイ
ト相、金属間化合物および加工誘起マルテンサイト相か
らなる組織を有することを特徴とする高強度低熱膨張合
金。 - 【請求項3】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、かつAlとTiの関係が1.5%≦
(Al+Ti)≦5.0%からなり、さらにNiとCo
とAlとTiの関係が15%≦Ni−Co−2×(Al
+Ti)≦23%、残部はFeおよび不可避不純物から
なる組成で、少なくともオーステナイト相、金属間化合
物および加工誘起マルテンサイト相からなる組織を有す
ることを特徴とする高強度低熱膨張合金。 - 【請求項4】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、かつAlとTiの関係が1.5%≦
(Al+Ti)≦5.0%からなり、さらにNiとCo
とAlとTiの関係が15%≦Ni−Co−2×(Al
+Ti)≦23%からなり、さらにMo、W、V、B、
Si、Mn、Cr、CuおよびMgの1種または2種以
上を合計で5.0%以下含み、残部はFeおよび不可避
不純物からなる組成で、少なくともオーステナイト相、
金属間化合物および加工誘起マルテンサイト相からなる
組織を有することを特徴とする高強度低熱膨張合金。 - 【請求項5】 重量%で、Ni:30〜45%、Co:
6〜20%、Al:0.1〜5.0%、Ti:0.1〜
5.0%を含み、残部はFeを主成分とする合金を時効
処理した後冷間加工することによりマルテンサイトを生
成させることを特徴とする高強度低熱膨張合金の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14442398A JPH11335785A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | 高強度低熱膨張合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14442398A JPH11335785A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | 高強度低熱膨張合金およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335785A true JPH11335785A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15361851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14442398A Pending JPH11335785A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | 高強度低熱膨張合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335785A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2855185A1 (fr) * | 2003-05-21 | 2004-11-26 | Usinor | Fil metallique en alliage fe-ni ayant une grande resistance mecanique et un faible coefficient de dilatation thermique, pour cables haute tension, et procede de fabrication |
CN103556005A (zh) * | 2013-11-21 | 2014-02-05 | 重庆材料研究院有限公司 | 高温FeNiCo磁致伸缩合金及制备方法 |
CN109530697A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-03-29 | 钢铁研究总院 | 一种高强度低密度低膨胀铁镍合金及其制备方法 |
-
1998
- 1998-05-26 JP JP14442398A patent/JPH11335785A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2855185A1 (fr) * | 2003-05-21 | 2004-11-26 | Usinor | Fil metallique en alliage fe-ni ayant une grande resistance mecanique et un faible coefficient de dilatation thermique, pour cables haute tension, et procede de fabrication |
WO2004104234A1 (fr) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | Ugitech | Fil metallique en alliage fe-ni ayant une grande resistance mecanique et un faible coefficient de dilatation thermique, pour cables haute tension, et procede de fabrication |
CN103556005A (zh) * | 2013-11-21 | 2014-02-05 | 重庆材料研究院有限公司 | 高温FeNiCo磁致伸缩合金及制备方法 |
CN109530697A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-03-29 | 钢铁研究总院 | 一种高强度低密度低膨胀铁镍合金及其制备方法 |
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Effective date: 20041101 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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