JPH11335603A - 記録用インク - Google Patents

記録用インク

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JPH11335603A
JPH11335603A JP14365798A JP14365798A JPH11335603A JP H11335603 A JPH11335603 A JP H11335603A JP 14365798 A JP14365798 A JP 14365798A JP 14365798 A JP14365798 A JP 14365798A JP H11335603 A JPH11335603 A JP H11335603A
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JP
Japan
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ink
carbon black
weight
recording
radical generator
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Withdrawn
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JP14365798A
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English (en)
Inventor
Kenichi Tabata
賢一 田畑
Noboru Ueda
昇 上田
Yoshikazu Saito
美和 斎藤
Takamasa Ueda
隆正 上田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11335603A publication Critical patent/JPH11335603A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系媒体中におけるカーボンブラックの分散
安定性を向上させ、カーボンブラックを色材に用いた記
録用インクの保存安定性を改善すると共に、記録用イン
クをインク記録装置に用いた場合に、インクがノズルに
目詰まりするのを防止し、インクが安定して吐出され
て、画像の乱れや濃度ムラ等の発生が少ない良好な画像
が安定して得られるようにする。 【解決手段】 カーボンブラックからなる色材が水系媒
体中に分散されてなる記録用インクにおいて、色材とし
て、パーオキシドポリマーからなるラジカル発生剤の分
解によって発生した官能基が表面に化学結合されたカー
ボンブラックを用いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーボンブラッ
クからなる色材を水系媒体中に分散させた記録用インク
に係り、特に、カーボンブラックを改質して、水系媒体
中におけるカーボンブラックの分散安定性を向上させ、
記録用インクの保存安定性や吐出安定性等を向上させ
て、この記録用インクにより良好な記録が安定して行え
るようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ等のイン
ク記録装置に使用されるインクとしては、油性のインク
の他に、取扱いの容易性や安全性等の面から水性のイン
クが広く用いられていた。
【0003】ここで、水性のインクとしては、一般に色
材に水溶性の染料を用い、この水溶性の染料を水系媒体
中に溶解させたものが広く使用されていた。
【0004】しかし、このような水性のインクは耐水性
が悪く、普通紙等の記録媒体に供給して画像を形成した
場合、ブリーディングやフェザリングと呼ばれるインク
のにじみが生じ、また水との接触によってインクが流れ
るという問題があった。
【0005】このため、近年においては、インクにおけ
る色材にカーボンブラック等の顔料を用い、このカーボ
ンブラック等の顔料を水系媒体中に分散させたインクを
使用することが検討されるようになった。
【0006】しかし、このようにカーボンブラックを水
系媒体中に分散させた場合、カーボンブラックの水系媒
体中における分散安定性が充分ではなく、このようなイ
ンクをインクジェットプリンタ等のインク記録装置に使
用すると、このインク中におけるカーボンブラックが次
第に凝集し、これによりインクがインク記録装置のノズ
ルに目詰まりして、インクの吐出安定性が悪くなり、形
成される画像が乱れたり、形成される画像の濃度にバラ
ツキが生じたりして、良好な記録を安定して行うことが
できないという問題があった。
【0007】このため、従来においては、上記のように
カーボンブラックを分散させたインク中にトリエチレン
グリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのア
ルキルエーテル誘導体や、グリセリルモノアセテート等
の多価アルコールのエステル誘導体等の分散剤を添加さ
せて、インク中におけるカーボンブラックの分散安定性
を向上させることが試みられた。
【0008】しかし、インク中におけるカーボンブラッ
クの分散安定性を向上させるため、上記のような分散剤
を多く添加すると、この分散剤によってインク記録装置
のノズルにインクが目詰まりし易くなり、インクの吐出
安定性が逆に悪化するという問題があり、また分散剤の
添加によりインク中における色材の濃度が低下して、形
成された画像の濃度が低下するという問題もあった。
【0009】また、近年においては、特開平5−230
410号公報に示されるように、カーボンブラックを用
いたインクにおける保存安定性を向上させるため、アク
リルアミド誘導体をグラフト重合させて表面処理したカ
ーボンブラックを用いるようにしたものや、特開平5−
339516号公報及び特開平6−25572号公報に
示されるように、カーボンブラックを用いたインクの保
存安定性や分散性を向上させるために、ビニル基を有す
るモノマーをカーボンブラックにグラフト重合させたも
のを用いることが提案されている。
【0010】しかし、これらの公報に示されるように、
カーボンブラックの表面にアクリルアミド誘導体やビニ
ル基を有するモノマーを重合させたカーボンブラックを
使用した場合においても、インクがインク記録装置のノ
ズルに目詰まりし易くなり、安定したインクの吐出が行
えなくなるという問題が存在した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、インクジ
ェットプリンタ等のインク記録装置に用いられる記録用
インクにおいて、色材としてカーボンブラックを使用す
る場合における上記のような問題を解決することを課題
とするものである。
【0012】すなわち、この発明においては、カーボン
ブラックを改質し、このカーボンブラックを色材に用い
た記録用インク中において、カーボンブラックが適切に
分散された状態で維持され、インクの保存安定性に優れ
ると共に、このような記録用インクをインクジェットプ
リンタ等のインク記録装置に用いた場合に、このインク
がインク記録装置のノズルに目詰まりするのが防止され
て、インクが安定して吐出されるようになり、画像の乱
れや濃度ムラ等の発生も少ない良好な画像が安定して得
られるようにすることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る記録用イ
ンクにおいては、上記のような課題を解決するため、カ
ーボンブラックからなる色材が水系媒体中に分散されて
なる記録用インクにおいて、パーオキシドポリマーから
なるラジカル発生剤の分解によって発生した官能基が表
面に化学結合されたカーボンブラックを用いるようにし
たのである。
【0014】ここで、上記のパーオキシドポリマーから
なるラジカル発生剤としては、例えば、請求項2に示す
ような下記の構造式(1)に示すようなパーオキシドポ
リマーを用いることができる。
【0015】
【化3】
【0016】なお、構造式(1)中における(P)は、
構造式(a),(b),(c)から選択される基であ
り、Arはアリール基、mは1〜6の整数である。
【0017】
【化4】
【0018】ここで、上記の構造式(1)に示すパーオ
キシドポリマーが分解すると、下記の化5に示すような
官能基が発生し、この官能基がカーボンブラックの表面
に結合される。
【0019】
【化5】
【0020】ここで、この発明における記録用インクの
ように、上記のパーオキシドポリマーからなるラジカル
発生剤の分解によって発生した官能基が表面に結合され
たカーボンブラックを色材として使用すると、上記の官
能基によりカーボンブラック相互が水系媒体中において
凝集するのが抑制されて、カーボンブラックが記録用イ
ンク中において充分に分散された状態で維持されるよう
になり、この記録用インクの保存安定性が向上する。
【0021】そして、この発明における記録用インクを
インクジェットプリンタ等のインク記録装置に使用した
場合、この記録用インクがインク記録装置のノズルに目
詰まりするのが抑制され、インクが安定して吐出される
ようになり、画像の乱れや濃度ムラ等の発生が少ない良
好な画像が安定して得られるようになる。
【0022】なお、上記のような官能基が表面に結合さ
れたカーボンブラックを色材に用いた場合に、カーボン
ブラック相互が水系媒体中において凝集するのが抑制さ
れる理由については明確ではないが、上記の官能基が親
水性を有し、この官能基によりカーボンブラックが水系
媒体中に安定して分散されるようになるためであると考
えられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
記録用インクについて具体的に説明する。
【0024】ここで、この発明における記録用インクに
おいて、色材に用いるカーボンブラックとしては、ファ
ーネスブラック,アセチレンブラック,チャネルブラッ
ク等の公知のカーボンブラックを使用することができ、
ファーネスブラックとしては、例えば、Cabot社製
ののReagal250R,415R,330R、三菱
化学社製の#45L、Degussa社製のPrint
ex−35等を、アセチレンブラックとしては、例え
ば、電気化学工業社製のDenkenblack等を、
チャネルブラックとしては、例えば、Columbia
n Carbon社製のNeospectraII等を用
いることができる。
【0025】そして、このようなカーボンブラックの表
面に官能基を結合させるパーオキシドポリマーからなる
ラジカル発生剤としては、例えば、3,3’−ビスクロ
ロメチルベンゾイルパオキシドに、スチレン,テトラヒ
ドロフラン,ε−カプロラクトン等を反応させて得たも
のを用いることができる。
【0026】そして、この実施形態における記録用イン
クにおいて、上記のような官能基が表面に結合されたカ
ーボンブラックからなる色材を分散させる水系媒体とし
ては水や水溶性有機溶剤を用いるようにし、水溶性有機
溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−フロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等の炭素数が1〜5の脂肪族アルコール等を用いる
ことができる。
【0027】また、この記録用インクにおいては、上記
の水系媒体中に上記のカーボンブラックからなる色材の
他に、インクの特性を向上させるため、粘度調整剤、表
面張力調整剤、pH調整剤、保湿剤、キレート剤、浸透
剤、防カビ剤、速乾剤、安定剤、定着剤等を加えること
が好ましい。
【0028】ここで、粘度調整剤は、インクの粘度を調
整してインクの吐出性を向上させると共に、普通紙等の
記録媒体へのインクの浸透性を調整するために用いら
れ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類を用いるこ
とができ、特に、ポリエチレングリコールを用いること
が好ましい。そして、このような粘度調整剤をインクに
添加させるにあたっては、その添加量が0〜10重量
%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは1〜
5重量%の範囲になるようにする。
【0029】また、表面張力調整剤は、インクの表面張
力を整えてインクの吐出性を向上させると共に、記録媒
体へのインクの浸透性を調整するために用いられ、例え
ば、ノニオン系の界面活性剤や、シリコン系,フッ素
系,アセチレン系等の各種の界面活性剤や、アニオン
系,カチオン系の界面活性剤等を用いることができ、好
ましくはノニオン系の界面活性剤を用いるようにする。
そして、この表面張力調整剤をインクに添加させるにあ
たっては、その添加量が0.1〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%、より好ましくは0.2〜1重量%の
範囲になるようにする。
【0030】また、pH調整剤は、インクのpHを適切
な状態に保ち、pHの変化によってカーボンブラックの
分散安定性が低下するのを抑制するために用いられ、例
えば、NaHCO3 ,Na2 4 7 ,Na2 CO3
KHCO3 ,K2 CO3 ,NaOH,CH3 COON
a,N(CH2 CH2 OH)3 等を用いることができ、
特に、NaHCO3 を用いることが好ましい。そして、
このようなpH調整剤をインクに添加させるにあたって
は、その添加量が0.1〜1重量%、好ましくは0.1
〜0.5重量%、より好ましくは0.2〜0.5重量%
の範囲になるようにする。
【0031】また、保湿剤は、水系媒体の主成分である
水の蒸発によってインクの濃度や粘度等が変化して、イ
ンクの吐出安定性が低下するのを防止するために用いら
れ、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−
2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール200、ジプロピレングリコー
ル、2,2’−チオジエタノール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール等のアルキレングリコール類;1,2−ジ
メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−
ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、2−メトキシエタノ
ール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキ
シ)エタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−
メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロ
パノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類等を用いることができ、特に、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、グリセリン等を用いるこ
とが好ましい。そして、このような保湿剤をインクに添
加させるにあたっては、その添加量が1〜10重量%、
好ましくは3〜10重量%、より好ましくは5〜8重量
%の範囲になるようにする。
【0032】また、キレート剤は、インク中に存在する
金属イオンを捕捉し、金属イオンによってカーボンブラ
ックの分散安定性が失われるのを防止するために用いら
れるものであり、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム、エチレンジアミン四酢酸、ニトリル三酢酸ナト
リウム、ヒドロオキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナ
トリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウ
ラミル二酢酸ナトリウム等を用いることができる。そし
て、このようなキレート剤をインクに添加させるにあた
っては、その添加量が0.1〜1重量%、好ましくは
0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.2〜0.5
重量%の範囲になるようにする。
【0033】また、浸透剤は、インクの記録媒体への浸
透性を高めるために用いられるものであり、例えば、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類等を用いることができる。そし
て、このような浸透剤をインクに添加させるにあたって
は、その添加量が1〜10重量%、好ましくは3〜10
重量%、より好ましくは4〜8重量%の範囲になるよう
にする。
【0034】また、防カビ剤は、インク中においてカビ
等が発生するのを防止するために用いられるものであ
り、例えば、チアベンゾール(メルク社製),メルガー
ル(ヘキスト社製)等のイミダゾール系のものや、プロ
キセル(ゼネカ社製)、アモルデン(大和化学工業社
製)等のイソチアゾリン系のものや、プレベントールシ
リーズ(バイエル社製)、ソヂウムオマジン、ジオキシ
ン、ジヒドロ酢酸ナトリウム、水ガラス等を用いること
ができる。そして、このような防カビ剤をインクに添加
させるにあたっては、その添加量が0.01〜0.5重
量%、好ましくは0.05〜0.4重量%、より好まし
くは0.1〜0.4重量%の範囲になるようにする。
【0035】また、速乾剤は、インクが記録媒体に付着
した後、インクが速やかに乾いたり浸透したりして、他
の記録媒体にインクが付着して汚れるのを防止するため
に用いられるものであり、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール等の低級アルコール類等が用いられ
る。
【0036】また、安定剤は、水系媒体中においてカー
ボンブラックの分散安定性が低下するのを防止するため
に用いられるものであり、例えば、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ルコールアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン,スルホラン,ジ
メチルサルフォキサイド,ε−カプロラクタム等の環状
アミド化合物;スクシンイミド等のイミド化合物;ホル
ムアミド、ソルビット、1,3−ビス(β−ヒドロキシ
エチル)ウレア等が用いられ、好ましくはトリエタノー
ルアミンを用いるようにする。そして、このような安定
剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が
0.1〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、
より好ましくは0.2〜0.5重量%の範囲になるよう
にする。
【0037】また、定着剤は、インクの記録媒体への定
着性を向上させるものであり、例えば、水溶性のポリエ
ステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、ポリイミド
類、ポリアクリル類、ポリビニルアルコール類等が用い
られ、好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類
を用いるようにする。そして、このような定着剤をイン
クに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜1
5重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは
4〜8重量%の範囲になるようにする。
【0038】
【実施例】以下、この発明に係る記録用インクの具体的
な実施例について説明すると共に、この発明の実施例に
係る記録用インクにおいては、水系媒体中においてカー
ボンブラックからなる色材が安定して分散されるように
なり、インクの保存安定性やインクの吐出安定性等が向
上し、画像乱れや濃度むら等のない良好な画像が安定し
て得られることを比較例を挙げて明らかにする。
【0039】(実施例1)この実施例においては、カー
ボンブラックとして、市販の粒径が34nmのファーネ
スブラック(Cabot社製:Reagal250R)
を用いるようにした。
【0040】一方、ラジカル発生剤としては、3,3’
−ビスクロロメチルベンゾイルパオキシド0.1モル
(57.9g)と過塩素酸銀0.2モル(41.4g)
とから合成したベンジリウムパークロレートに、スチレ
ン0.05モル(5.2g)を作用させて得たパーオキ
シドポリマーを用いるようにした。
【0041】そして、還流冷却管を付けた200mlの
三つ口フラスコ内に、上記のカーボンブラックを3g、
上記のラジカル発生剤を10g、溶剤のトルエンを20
0mlの割合で投入し、これを窒素雰囲気中において加
熱し、徐々に液温を上昇させて50℃で48時間反応さ
せた後、これを濾過し、メタノールを溶媒に用いたソッ
クスレー抽出により未反応物と副生成物を除去して、上
記のラジカル発生剤の分解によって発生した官能基が表
面に結合されたカーボンブラックを得た。
【0042】次いで、このように官能基が表面に結合さ
れたカーボンブラックを5重量部、グリセリンを19重
量部、蒸留水を75重量部、トリエタノールアミンを1
重量部の割合にしてこれらを室温で3時間混合撹拌した
後、ホモジナイザーにより粒径を整え、10μmのメン
ブレンフィルタで濾過してインクを調製した。
【0043】(実施例2)この実施例においては、カー
ボンブラックとして、上記の実施例1の場合と同じファ
ーネスブラックを用いるようにした。
【0044】一方、ラジカル発生剤を得るにあたって
は、上記の実施例1において使用したスチレンに代えて
テトラヒドロフランを用いるようにし、それ以外につい
ては、上記の実施例1の場合と同様にしてパーオキシド
ポリマーを得た。
【0045】そして、このようにして得たパーオキシド
ポリマーからなるラジカル発生剤を用い、上記の実施例
1の場合と同様にして、このラジカル発生剤の分解によ
る官能基が表面に結合されたカーボンブラックを得ると
共に、このように官能基が表面に結合されたカーボンブ
ラックを用い、上記の実施例1の場合と同様にしてイン
クを調製した。
【0046】(実施例3)この実施例においても、カー
ボンブラックとして、上記の実施例1の場合と同じファ
ーネスブラックを用いるようにした。
【0047】一方、ラジカル発生剤を得るにあたって
は、上記の実施例1において使用したスチレンに代えて
ε−カプロラクトンを用いるようにし、それ以外につい
ては、上記の実施例1の場合と同様にしてパーオキシド
ポリマーを得た。
【0048】次いで、上記のカーボンブラックの表面に
上記のラジカル発生剤の分解により発生した官能基を結
合させるにあたっては、上記のようにして得たパーオキ
シドポリマーを用いると共に溶剤にプロパノールを用
い、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして、このラジカル発生剤の分解による官能基が表面
に結合されたカーボンブラックを得た。
【0049】そして、このように官能基が表面に結合さ
れたカーボンブラックを用い、上記の実施例1の場合と
同様にしてインクを調製した。
【0050】(実施例4)この実施例においては、上記
の実施例1の場合と同様にして、上記のパーオキシドポ
リマーからなるラジカル発生剤の分解による官能基を上
記のカーボンブラックの表面に結合させた。
【0051】その後、さらにラジカル発生剤として、下
記の化6に示す4,4’−アゾビス−4−シアノペンタ
ン酸を用い、還流冷却管を付けた200mlの三つ口フ
ラスコ内に、上記のように官能基が表面に結合されたカ
ーボンブラックを3g、ラジカル発生剤4,4’−アゾ
ビス−4−シアノペンタン酸を0.001モル、蒸留水
を50mlの割合で投入した。次いで、これを窒素雰囲
気中において加熱し、徐々に液温を上昇させて還流しな
がら撹拌し、8時間毎に上記のラジカル発生剤の水溶液
を滴下ロートにより0.001モルずつ2度にわたって
滴下させた後、さらに24時間反応させ、その後、これ
を濾過し、メタノールを溶媒に用いたソックスレー抽出
により未反応物と副生成物を除去して、ラジカル発生剤
4,4’−アゾビス−4−シアノペンタン酸の分解によ
って発生した官能基をカーボンブラックの表面に結合さ
せた。
【0052】
【化6】
【0053】そして、上記のように2種類のラジカル発
生剤による官能基が表面に結合されたカーボンブラック
を用い、上記の実施例1の場合と同様にしてインクを調
製した。
【0054】(比較例1)この比較例においては、カー
ボンブラックとして、上記の実施例1の場合と同じファ
ーネスブラック(Cabot社製:Reagal250
R)を用い、このカーボンブラックの表面に官能基を結
合させずに、このカーボンブラックをそのまま用いるよ
うにした。
【0055】そして、このカーボンブラックを5重量
部、グリセリンを19重量部、蒸留水を75重量部、ト
リエタノールアミンを1重量部の割合にし、上記の実施
例1の場合と同様にしてインクを調製した。
【0056】(比較例2)この比較例においては、カー
ボンブラックとして、上記の実施例1の場合と同じファ
ーネスブラックを使用し、このカーボンブラックに紫外
線を照射させて、カーボンブラックの表面を表面処理し
た後、このように表面処理されたカーボンブラックを1
5重量部、アクリルアミドを8重量部、蒸留水を73重
量部の割合で混合させ、窒素ガスをこの溶液中に吹き込
みながら65℃で撹拌して1時間重合させた。
【0057】その後、遠心分離器により分離させてホモ
ポリマーを充分に除去し、熱水で洗浄した後、これを乾
燥させて、表面にアクリルアミドがグラフト重合された
カーボンブラックを得た。
【0058】そして、このように表面処理されたカーボ
ンブラックを3重量部、グリセリンを10重量部、1−
プロパノールを4重量部、蒸留水を83重量部の割合に
し、上記の実施例1の場合と同様にしてインクを調製し
た。
【0059】次に、上記の実施例1〜4及び比較例1,
2において作製した各カーボンブラック及び記録用イン
クについて、それぞれ分散安定性、保存安定性、温度変
化安定性、印字品位、濃度ムラ及び吐出安定性の評価を
行い、その結果を下記の表1に示した。
【0060】ここで、分散安定性については、実施例1
〜4及び比較例1,2において作製した各カーボンブラ
ックを分散させた10重量%の分散水溶液を、それぞれ
10mlの遠心沈降管に入れ、市販の遠心分離器(BE
CKMAN社製:Avanti J25)を用いて12
000rpmで1時間遠心分離を行い、その後、その上
澄み液について600nmにおける吸光度を測定し、予
め求めておいた検量線に基づき、上澄み液中におけるカ
ーボンブラックの濃度を求め、その濃度が0.01重量
%以上の場合を○、0.05重量%以上で0.01重量
%未満の場合を△、0.005重量%未満の場合を×で
示した。
【0061】また、保存安定性については、実施例1〜
4及び比較例1,2において作製した各カーボンブラッ
クを分散させた10重量%の分散水溶液を、それぞれ1
0mlの遠心沈降管に入れ、この遠心沈降管を40℃の
温度下において3ヶ月間放置し、その後は、上記の分散
安定性を測定する場合と同様に、その分散水溶液を10
mlの遠心沈降管に入れて遠心分離を行い、上澄み液中
におけるカーボンブラックの濃度を求め、その濃度が
0.01重量%以上の場合を○、0.05重量%以上で
0.01重量%未満の場合を△、0.005重量%未満
の場合を×で示した。
【0062】また、温度変化安定性については、実施例
1〜4及び比較例1,2において作製した各カーボンブ
ラックを分散させた10重量%の分散水溶液を、それぞ
れ10mlのサンプル管に入れ、このサンプル管を−1
0℃の温度下で1時間放置させた後、すぐに50℃の温
度下において1時間放置し、これを1サイクルとして、
1日に5回のサイクルを行い、このような操作を3日間
続けた後、この試験を行う前と試験を行った後とにおい
てシアーレートを比較し、インクのチキソ性の有無や物
性の安定性を調べ、試験後においても変化がなかった場
合を○、変化があった場合を×で示した。
【0063】また、印字品位については、実施例1〜4
及び比較例1,2の各インクを用い、普通紙上に幅が3
ドットの直線を印字し、直線におけるガタツキ具合を示
すTEP(Tangential Edge Prof
ile)をドットアナライザーDA−5000S(王子
計測機器社製)を用いて調べ、TEPが60μm未満の
場合を○、TEPが60μm以上の場合を×で示した。
なお、TEPは、直線のガタツキを本来あるべき直線か
らの変位量として求め、その標準偏差値を示している。
【0064】また、濃度ムラについては、実施例1〜4
及び比較例1,2の各インクを用いて普通紙に印字を行
い、ベタの印字部分における画像濃度(ID)をサクラ
濃度計PDA65(コニカ社製)により測定し、印字さ
れた部分における画像濃度の濃度差を求め、その濃度差
が0.15未満の場合を○、0.15以上の場合を×で
示した。
【0065】また、インクの吐出安定性については、実
施例1〜4及び比較例1,2の各インクを用いてそれぞ
れ10時間連続して印字を行った後、インク記録装置の
電源を切って14時間放置し、これを1サイクルとし
て、5サイクル繰り返した後、線幅が150μmの直線
を印字し、この直線上における画像濃度をマイクロデン
シトメータ(コニカ社製:PDM5)を用いて測定し、
画像濃度が0.3未満になる点をインク吐出の欠落部分
とし、この欠落部分の距離を調べ、その距離が10μm
未満の場合を○、その距離が10μm以上の場合を×で
示した。
【0066】
【表1】
【0067】この結果から明らかなように、実施例1〜
4に示すように、パーオキシドポリマーからなるラジカ
ル発生剤の分解によって発生した官能基をカーボンブラ
ックの表面に結合させると、このカーボンブラックの水
系媒体中における分散安定性や保存安定性や温度変化安
定性が上記の比較例1,2におけるカーボンブラックに
比べて向上し、また実施例4に示すように、パーオキシ
ドポリマーからなるラジカル発生剤の分解によって発生
した官能基の他に、4,4’−アゾビス−4−シアノペ
ンタン酸の分解によって発生した官能基をカーボンブラ
ックの表面に結合させると、カーボンブラックの水系媒
体中における分散安定性や保存安定性がさらに向上し
た。
【0068】そして、上記のようなカーボンブラックを
用いた実施例1〜4の各インクをインク記録装置に用い
た場合、比較例1,2のインクを用いた場合に比べて、
インクがインク記録装置のノズルに目詰まりするのが抑
制され、インクが安定して吐出されるようになり、印字
品位が優れると共に、濃度ムラの発生も少ない良好な記
録が行えるようになった。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
記録用インクにおいては、ラジカル発生剤としてパーオ
キシドポリマーを用い、このパーオキシドポリマーの分
解によって発生した官能基が表面に化学結合されたカー
ボンブラックを色材として使用するようにしたため、こ
の色材を水系媒体中に分散させた場合に、この色材が水
系媒体中において安定して分散され、カーボンブラック
相互がインク中において凝集するのが抑制され、この記
録用インクの保存特性が向上した。
【0070】また、この発明における記録用インクをイ
ンクジェットプリンタ等のインク記録装置に使用した場
合、この記録用インクがインク記録装置のノズルに目詰
まりするのが抑制され、インクが安定して吐出されるよ
うになり、画像の乱れや濃度ムラ等の発生も少ない良好
な画像が安定して得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 美和 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 上田 隆正 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックからなる色材が水系媒
    体中に分散されてなる記録用インクにおいて、上記の色
    材として、パーオキシドポリマーからなるラジカル発生
    剤の分解によって発生した官能基が表面に化学結合され
    たカーボンブラックを用いたことを特徴とする記録用イ
    ンク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した記録用インクにおい
    て、上記のラジカル発生剤が下記の構造式(1)に示さ
    れるパーオキシドポリマーからなることを特徴とする記
    録用インク。 【化1】 なお、構造式(1)中における(P)は、構造式
    (a),(b),(c)から選択される基であり、Ar
    はアリール基、mは1〜6の整数である。 【化2】
JP14365798A 1998-05-26 1998-05-26 記録用インク Withdrawn JPH11335603A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6646028B2 (en) 2000-12-07 2003-11-11 Cid Centro De Investigacion Y Desarrollo Tecnologico, S.A. De C.V. Rubber and carbon black

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