JPH11335399A - 新規モノクローナル抗体 - Google Patents

新規モノクローナル抗体

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JPH11335399A
JPH11335399A JP13812098A JP13812098A JPH11335399A JP H11335399 A JPH11335399 A JP H11335399A JP 13812098 A JP13812098 A JP 13812098A JP 13812098 A JP13812098 A JP 13812098A JP H11335399 A JPH11335399 A JP H11335399A
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JP
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activin
monoclonal antibody
type
cells
antibody
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JP13812098A
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English (en)
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俊一 ▲吉▼川
Shunichi Yoshikawa
Kenji Okazaki
賢二 岡崎
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SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUS
SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUSHO KK
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SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUS
SEIBUTSU BUNSHI KOGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マウスアクチビン受容体の細胞外領域を認識
するモノクローナル抗体を提供する。 【解決手段】 ラット脾細胞とマウスミエローマ細胞Sp
2/0を融合させてクローン化したハイブリドーマ細胞AR1
-1C7、AR1-2A7、および AR2-2H12が産生するモノクロー
ナル抗体、1C7、2A7、および 2H12はマウスアクチビン
受容体の細胞外領域を認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性ペプチド
であるアクチビンに対する受容体を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体および該モノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】アクチビンは、はじめに脳下垂体からの
卵胞刺激ホルモンの放出を促進する活性物質として、卵
胞液中に発見された。したがって、アクチビンは生殖機
能を調節するホルモンの一種であるといえる。一方これ
とは独立に発見された物質である赤芽球分化因子が、ア
クチビンと同じ蛋白質であることが明らかにされた。赤
芽球分化因子は白血病細胞に細胞分化の促進と増殖の抑
制を誘導する活性を指標に、ヒト白血病細胞THP-1培養
細胞の上清から精製された物質である。さらに、アクチ
ビンが造血組織である骨髄や脾臓でも産生されているこ
とから、実際に造血の場で作用する蛋白質因子であると
考えられる。次いで、神経細胞に作用してその生存を維
持する活性を持つ神経栄養因子をスクリーニングする過
程で、新たに同定された蛋白質がアクチビンであること
が明らかになった。したがって、アクチビンは神経細胞
の生存を促進する蛋白質でもある。アクチビンはこれら
の顕著な生理活性以外にも、中胚葉誘導活性を持つこと
が明らかにされている。動物胚発生の組織分化において
根幹となる三胚葉形成は、両生類卵を用いた研究によっ
て広く知られており、このなかでも筋肉、脊索、血液系
などの細胞の起源となる中胚葉の誘導はとりわけ重要な
現象である。アクチビンは予定外胚葉領域の細胞に作用
させることによって、この発生運命を中胚葉の細胞へと
変えることができる。いいかえれば、アクチビンは皮膚
になるべき細胞を筋肉に変えてしまうという強力な生理
作用をもつ物質ということである。
【0003】上記のように、アクチビンは多機能かつ重
要な生理活性物質である。このため、アクチビンは生物
学を含む基礎研究分野において興味を持たれているだけ
でなく、医療分野や畜産分野での利用も期待されてい
る。ところが、アクチビンの作用機構に関して明らかに
されている事実は極めて限られたものである。このこと
が、現在アクチビンの応用を困難なものにしている。一
方、アクチビンの物質的本体はジスルフィド結合によっ
て結ばれた二量体からなる分子量約25000のポリペプチ
ドであることがわかっている。アクチビンの細胞に対す
る作用は、まず、細胞膜上の受容体蛋白質を介して開始
される。アクチビンに対して反応する細胞には I 型ア
クチビン受容体 (分子量約60000) およびII 型アクチビ
ン受容体 (分子量約70000) が発現しており、この両方
が共にアクチビンへの反応に必要であることが知られて
いる。これらの受容体蛋白質は、アクチビンの添加によ
り、細胞膜上で、アクチビン、I 型受容体、II 型受容
体の三者を含む複合体を形成する。次いで、この複合体
形成が、アクチビンによる細胞への刺激を細胞内の情報
伝達系へと伝達するための引き金となる。したがってア
クチビンの生理作用のしくみを明らかにするためには、
これら細胞表面上の受容体に関する知識は必須のもので
ある。
【0004】近年、アクチビン受容体をコードするcDNA
のクロン化がなされ、そのヌクレオチド配列の決定と発
現実験とによって、I 型受容体およびII 型受容体はど
ちらも膜一回貫通型の蛋白質であり、細胞質領域にSer/
Thrキナーゼドメインを持つことが明らかにされた。さ
らに重要なことに、その後相次いで発表されたアクチビ
ン受容体cDNAの解析の結果から、I 型受容体には type
I および type IB の2種類のサブタイプの受容体が存在
し、II 型受容体には type II および type IIB の2種
類のサブタイプの受容体が存在することが知られるよう
になった。これら4種類の受容体蛋白質の各々は別々の
遺伝子によってコードされている。受容体遺伝子の発現
の調節は、組織ごとの特異性などの点で部分的に重複し
たところもあるものの、完全には同じでないと考えられ
ている。したがって、一個一個の細胞の表面上に発現し
ているアクチビン受容体の組み合わせは多数の可能性を
持っている。たとえば、I 型受容体に限って考えても、
type Iとtype IBの両方を持つ細胞、type Iだけを持つ
細胞、type IB だけを持つ細胞、type I もtype IBも持
たない細胞の、大きく分類して4種類の細胞の存在が考
えられる。その上、type Iとtype IBの両方を持つ場合
にはその数量の比率もまた様々な可能性があり得る。同
様の多様性は、II 型受容体のtype IIとtype IIBについ
ても存在すると考えなくてはならない。I 型受容体とII
型受容体の両方の組み合わせを考慮に入れるとその多
様性はさらに大きいものとなる。また、アクチビンの持
つ生理作用は、標的とされる細胞が持つ受容体の種類と
組み合わせによって大きく左右される可能性が高い。し
たがって、ある細胞に対するアクチビンの作用を理解し
活用するためには、その細胞がどのタイプの受容体を発
現しているかを明確に判定することが望まれる。
【0005】従来の生化学的手法では、細胞膜上のアク
チビン受容体は、放射性ヨウ素 (125I) で標識されたア
クチビンと結合する蛋白質として同定される。この方法
では、アクチビンと受容体とを化学的架橋剤を用いて共
有結合で結びつけた後、細胞全体を溶解し、SDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動によって蛋白質を分離展開
し、オートラジオグラフィーによってアクチビンと結合
した受容体蛋白質のバンドを視覚化する。この方法では
分子量によってI 型受容体とII 型受容体とを区別する
ことができるものの、type Iとtype IBを区別すること
はできず、type IIとtype IIBを区別することもできな
いという点で満足のいくものではない。また、細胞膜を
可溶化するために界面活性剤を用いることから、細胞の
構造の多くが破壊されてしまう。さらに、可溶化の際に
多数の細胞に由来するものが混ざりあってしまうため
に、個々の細胞に関する情報を区別して得ることはでき
ない。この点は、検体となる細胞が複数の異なった細胞
種からなる集団の場合には、特に大きな問題点となる。
さらにこの方法は、人体に有害である可能性の高い放射
性物質を用いざるを得ないために、特別な施設や高額の
設備を要するという点で制約が大きい。
【0006】細胞表面上に発現されている蛋白質を同定
するために、特定の抗原分子に選択的に結合する特異性
の高い抗体を用いる方法は、免疫化学法と総称され広く
行われている。その有効性については基礎研究分野や臨
床医学分野などにおいても周知であり、試験試薬や診断
薬として応用されている例も多い。一方、生体にとって
重要な機能を持つ蛋白質は、生物種を越えて相同性が高
いことが知られている。抗体産生のために抗原蛋白質を
免疫される動物が、抗原蛋白質と相同性の高い蛋白質を
自ら細胞表面上に発現している場合には、免疫寛容とし
て知られる生理反応が誘起されるために、特異性と力価
の高い抗体を得ることは一般に容易ではない。また、た
またまある程度の水準の抗体を得ることができた場合で
も再現性を望むことは難しい。こういった諸問題を解決
するための技法として、目的蛋白質に対するモノクロー
ナル抗体の作成と使用が優れたものとしてあげられる。
アクチビン受容体に対するモノクローナル抗体作成への
試みは、以前にも行われているが、そこで得られた抗体
が結合する同受容体の部位は細胞質内領域に存在するこ
とがわかっている。一方、抗体は細胞膜を透過しないか
ら、細胞膜を破壊しない生理的な条件下でアクチビン受
容体を認識し結合できる抗体は、アクチビン受容体の細
胞外領域と特異的に結合するものに限られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】既述したように、アク
チビンは重要な機能を持つ生理活性ペプチドである。ア
クチビンは標的細胞が持つアクチビン受容体蛋白質と結
合することによって作用する。ところが、細胞表面上の
アクチビン受容体蛋白質を、サブタイプを区別して検出
する方法あるいは試薬はこれまでなかった。本発明は、
アクチビン受容体をサブタイプ特異的に認識するモノク
ローナル抗体およびこの抗体を永続的に産生するハイブ
リドーマ細胞株を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したように、アクチ
ビン受容体の個々のサブタイプに対する特異的モノクロ
ーナル抗体を作製することにより、各受容体蛋白質を識
別することが可能になる。アクチビン受容体は現在知ら
れている4つのサブタイプについてすべてcDNA配列が決
定されているので、組換えDNA技術により蛋白質を合成
し、これを免疫原とすることができた。アクチビン受容
体は、TGF-β受容体ファミリーに属するが、ファミリー
に含まれる分子間では細胞内のキナーゼドメインは高度
に保存されている。それに対して、細胞外のリガンド結
合領域は、10個のシステイン残基を除いてはアミノ酸配
列はファミリー内でほとんど保存されていない。そこ
で、アクチビン受容体各サブタイプの細胞外領域のみを
免疫することにより、より効率よくサブタイプ特異的な
抗体を得られることが期待された。これは、生理的条件
下で、細胞表面上のアクチビン受容体を検出するという
目的にも合致している。そこで、マウスのアクチビン受
容体type Iとアクチビン受容体type IIの細胞外領域を
コードするcDNAと、ヒト免疫グロブリンG1のFc領域の遺
伝子を結合したキメラ遺伝子をデザインし、培養細胞で
大量発現させ、培養上清中に分泌された融合蛋白質を免
疫原とした。本来の受容体蛋白質は、膜蛋白質であるた
めに、細胞を可溶化する段階で分解酵素の影響を受けや
すく非常に不安定であったが、分泌型の蛋白質としてFc
領域との融合蛋白質にすることにより、分泌後安定に、
かつプロテインAカラムを用いることにより簡便に、回
収・精製することが可能となった。実際にアクチビン受
容体type I, type IIの融合蛋白質を精製後、免疫原と
してラットに投与してモノクローナル抗体を作製したと
ころ、複数個の特異的モノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマ株を得ることができた。即ち、後述する様に、ア
クチビンI型受容体を認識するモノクローナル抗体1C7
および2A7をそれぞれ産生するハイブリドーマAR1-1C7お
よびAR1-2A7、アクチビンII型受容体を認識するモノ
クローナル抗体2H12を産生するハイブリドーマAR2-2H12
を得た。これらの抗体を、例えばパパインやペプシンの
様な酵素で消化すると、アクチビン受容体認識能を保持
した、これら抗体の断片を得ることができる。更に、上
記モノクローナル抗体およびその断片を化学的に修飾す
ることもできる。例えば、ビオチン等のハプテン類、ペ
ルオキシダーゼ等の酵素類、フルオレッセイン等の蛍光
分子を結合させ、種々の検出に便ならしめることができ
る。上に述べた本発明に係るモノクローナル抗体の断
片、および化学的修飾体は本発明の一部をなすものであ
り、これらは常法により製造することができる。
【0009】
【実施例】実施例1 免疫原蛋白質の調製 マウスアクチビン受容体type I (mActRI)のcDNA(GenBan
k L15436)を鋳型とし、配列表の配列番号1と配列番号2
に示した2つのオリゴDNAをプライマーとしてPCR反応を
おこなった。PCR反応産物を、2つの制限酵素XhoI (米国
New England BioLabs社)及びBamHI (米国New England B
ioLabs社)により二重消化し、mActRIの細胞外領域(ECR)
をコードする(制限酵素サイトを含めて377 bpの)cDNAを
えた。このcDNAを免疫グロブリンFc領域との融合蛋白質
として発現させるためのベクターは、ヒトCD4のECRとヒ
ト免疫グロブリンG1(hIgG1)のFc領域の融合蛋白質をコ
ードする動物細胞用発現ベクター(MO90, Zettlmeissl e
t al. (1990) DNA and Cell Biology 9. 347-353)を利
用して作製した。CD4の部分を削除するために、MO90をX
hoI及びBamHIにより二重消化した後、精製・回収した。
先のmActRI(ECR)のDNAフラグメントを、MO90のDNAフラ
グメントに、TaKaRa DNA Ligation Kit ver.2(宝酒造)
を用いて挿入し、融合蛋白質mActRI(ECR)-hIgG1Fcを発
現するプラスミド(pActRIFc)を作製した。この融合蛋白
質に含まれるActRIのECRのアミノ酸配列は、配列番号5
に示したものとなる。尚、pActRIFcを含有する大腸菌
は、後述する様に、工業技術院生命工学技術研究所に寄
託されている。同様の手法を用い、マウスアクチビン受
容体type II (mActRII)のcDNA(GenBank M65287)を鋳型
とし、配列表の配列番号3と配列番号4に示した2つのオ
リゴDNAをプライマーとしてPCR反応をおこなった。PCR
反応産物を、2つの制限酵素XhoI及びBamHIにより二重消
化し、mActRIIの細胞外領域(ECR)をコードする(制限酵
素サイトを含めて413 bpの)cDNAをえた。mActRIの場合
と同様に、このDNAフラグメントを、MO90のXhoI, BamHI
二重消化産物に挿入し、融合蛋白質mActRII(ECR)-hIgG1
Fcを発現するプラスミド(pActRIIFc)を作製した。この
融合蛋白質に含まれるActRIIのECRのアミノ酸配列は、
配列番号6に示したものとなる。pActRIIFcを含有する大
腸菌は、後述する様に、工業技術院生命工学技術研究所
に寄託されている。上記2つのプラスミドを、リン酸カ
ルシウム-DNA共沈殿法により、ヒト腎臓由来の培養細胞
293細胞(ATCCカタログNo.CRL−15173)
に導入した。10%ウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イ
ーグル培地中で培養し、培地中に分泌された融合蛋白質
をプロテインAカラム(HiTrap ProteinA, スウェーデンP
harmacia社)で精製した。1Lの培養上清から、mActRI(EC
R)-hIgG1Fc, mActRII(ECR)-hIgG1Fcあわせて5.5 mg回収
された。還元条件のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動で、mActRI(ECR)-hIgG1Fcは見かけの分子量50 kDa、m
ActRII(ECR)-hIgG1Fcは64 kDaの単一なバンドとして検
出された。この2種類の融合蛋白質の混合物を、0.5 mg
ずつ4回、ラット皮下にフロイント完全アジュバンドと
のエマルジョンとして免疫した。
【0010】実施例2 ハイブリドーマの作製とスクリー
ニング 免疫したラットから1x109の脾細胞を調製し、1x108のマ
ウスミエローマ細胞(Sp2/0)(ATCCカタログNo.C
RL−1581)と、ポリエチレングリコールを用いた
常法により細胞融合させた。ウエル当たり1x106ずつ10
枚の96ウエルプレートにまきこみ、10%ウシ胎児血清を
含むイスコフ改変ダルベッコ培地中で培養した。細胞融
合後6日目の培養上清を用いてELISAによりスクリーニン
グをおこなった。hIgG1Fcに対する抗体による擬陽性を
除くために、ハイブリドーマ培養上清を0.5 mg/ml hIgG
(米国Cappel社)中でプレインキュベイションした後、免
疫に用いた融合蛋白質mActRI(ECR)-hIgG1Fc, mActRII(E
CR)-hIgG1Fcの混合物を0.5 μg/ウエルで結合させたELI
SAプレートを用いて、常法に従いアッセイした。2次抗
体は西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヒツジ抗ラ
ットIg抗体(英国Amersham社)を、発色剤はABTS(2, 2'-a
zinobis(3-ethylbenzthiazoline-sulfonic acid), 米国
BioRad社)を用いて、35の陽性ウエルを得た。このうち
3つ(1C7, 2A7, 2H12)についてクローニングを行って、
抗体産生ハイブリドーマ株として確立した。これらのハ
イブリドーマ株は、前記大腸菌と同様、茨城県つくば市
東1丁目1番3号、工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託されている。寄託日および寄託番号は以下の通り
である。 寄託株 寄託日 寄託番号 ハイブリドーマAR1-1C7 平成10年5月7日 FERM P-16794 ハイブリドーマAR1-2A7 同 上 FERM P-16795 ハイブリドーマAR2-2H12 同 上 FERM P-16796 エシエリシア・コリpActRIFc 同 上 FERM P-16792 エシエリシア・コリpActRIIFc 同 上 FERM P-16793
【0011】試験例1 免疫細胞染色 mActRIまたはmActRIIの発現ベクターを293細胞にリン酸
カルシウム-DNA共沈法により導入し、24時間後、4%パラ
フォルムアルデヒド中で固定した。ハイブリドーマ培養
上清(抗体濃度約1 μg/ml)を1次抗体、HRP標識抗ラッ
トIg抗体を2次抗体として、免疫組織化学的染色をおこ
ない、発色基質としてTrueBlue(3, 3',5, 5'-tetrameth
ylbenzidine, 米国KPL社)を用いて発色させた。1C7を1
次抗体として用いた場合、mActRIを導入した細胞で染色
が観察され、mActRIIを導入した細胞では染色は見られ
なかった。2A7を1次抗体として用いた場合は1C7と同様
に、mActRIを導入した細胞でのみ染色が見られた。2H12
を1次抗体として用いた場合は1C7, 2A7とは逆に、mAct
RIを導入した細胞では染色は見られなかったが、mActRI
Iを導入した細胞で染色が観察された(図1)。これら
の結果により、1C7及び2A7はmActRIを特異的に認識する
モノクローナル抗体であることが確認された。また、2H
12はmActRIIを特異的に認識するモノクローナル抗体で
あることが確認された。
【0012】試験例2 ウェスタンブロッティング mActRIまたはmActRIIの発現ベクターを293細胞にリン酸
カルシウム-DNA共沈法により導入し、24時間後、回収し
SDSサンプルバッファー中で可溶化した。常法による非
還元条件のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動後、ポ
リビニリデンフルオライド(PVDF)膜に転写した。ハイ
ブリドーマ培養上清を1次抗体、HRP標識抗ラットIg抗体
を2次抗体として、イムノブロッティングをおこない、
化学発光基質(SuperSignal Substrate, 米国Pierce社)
を用いて検出した。1C7を1次抗体として用いた場合、mA
ctRIを導入した細胞でのみ単一バンドが検出された。見
かけの分子量は62 kDaだった。2A7を1次抗体として用い
た場合も1C7と同様に、mActRIを導入した細胞でのみ、
見かけの分子量62 kDaの単一バンドが検出された。2H12
を1次抗体として用いた場合は、1C7, 2A7の場合とは逆
に、mActRIIを導入した細胞でのみシグナルが検出され
た。バンドは2本で、見かけの分子量は78 kDaと65 kDa
だった。(図2)
【0013】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGCCTCGAGA CCATGGTCGA TGGAGTAATG ATCCT
【0014】配列番号:2 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CCCGGATCCT CCAGGTGGAA ATTCTGTGTT C
【0015】配列番号:3 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGCCTCGAGA CCATGGGAGC TGC
TGCAAAG TTGGCGTTCG
【0016】配列番号:4 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CCCGGATCCG GTGGCTTCGG TGTAACAGGA TTTGAAGTGG GCT
【0017】 配列番号:5 配列の長さ:123 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名: Mus musculus (ハツカネズミ) 系統名: Swiss-Webster/NIH 配列: Met Val Asp Gly Val Met Ile Leu Pro Val Leu Met Met Met Ala 5 10 15 Phe Pro Ser Pro Ser Val Glu Asp Glu Lys Pro Lys Val Asn Gln 20 25 30 Lys Leu Tyr Met Cys Val Cys Glu Gly Leu Ser Cys Gly Asn Glu 35 40 45 Asp His Cys Glu Gly Gln Gln Cys Phe Ser Ser Leu Ser Ile Tyr 50 55 60 Asp Gly Phe His Val Tyr Gln Lys Gly Cys Phe Gln Val Tyr Glu 65 70 75 Gln Gly Lys Met Thr Cys Lys Thr Pro Pro Ser Pro Gly Gln Ala 80 85 90 Val Glu Cys Cys Gln Gly Asp Trp Cys Asn Arg Asn Ile Thr Ala 95 100 105 Gln Leu Pro Thr Lys Gly Lys Ser Phe Pro Gly Thr Gln Asn Phe 110 115 120 His Leu Glu
【0018】 配列番号:6 配列の長さ:132 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名: Mus musculus (ハツカネズミ) 系統名: Swiss-Webster/NIH 配列: Met Gly Ala Ala Ala Lys Leu Ala Phe Ala Val Phe Leu Ile Ser 5 10 15 Cys Ser Ser Gly Ala Ile Leu Gly Arg Ser Glu Thr Gln Glu Cys 20 25 30 Leu Phe Phe Asn Ala Asn Trp Glu Arg Asp Arg Thr Asn Gln Thr 35 40 45 Gly Val Glu Pro Cys Tyr Gly Asp Lys Asp Lys Arg Arg His Cys 50 55 60 Phe Ala Thr Trp Lys Asn Ile Ser Gly Ser Ile Glu Ile Val Lys 65 70 75 Gln Gly Cys Trp Leu Asp Asp Ile Asn Cys Tyr Asp Arg Thr Asp 80 85 90 Cys Ile Glu Lys Lys Asp Ser Pro Glu Val Tyr Phe Cys Cys Cys 95 100 105 Glu Gly Asn Met Cys Asn Glu Lys Phe Ser Tyr Phe Pro Glu Met 110 115 120 Glu Val Thr Gln Pro Thr Ser Asn Pro Val Thr Pro 125 130
【図面の簡単な説明】
【図1】 アクチビン受容体に対するモノクローナル抗
体(1C7、2A7、および2H12)を用いた免疫組織学的染色
の結果を示す図面代用写真である。図において黒く見え
るのが陽性細胞である。
【図2】 アクチビン受容体に対するモノクローナル抗
体(1C7、2A7、および2H12)を用いたウエスタンブロッ
ティングの結果を示す図面代用写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】アクチビンは、はじめに脳下垂体からの
卵胞刺激ホルモンの放出を促進する活性物質として、卵
胞液中に発見された。したがって、アクチビンは生殖機
能を調節するホルモンの一種であるといえる。一方これ
とは独立に発見された物質である赤芽球分化因子が、ア
クチビンと同じ蛋白質であることが明らかにされた。赤
芽球分化因子は白血病細胞に細胞分化の促進と増殖の抑
制を誘導する活性を指標に、ヒト白血病細胞THP-1細胞
の上清から精製された物質である。さらに、アクチビン
が造血組織である骨髄や脾臓でも産生されていることか
ら、実際に造血の場で作用する蛋白質因子であると考え
られる。次いで、神経細胞に作用してその生存を維持す
る活性を持つ神経栄養因子をスクリーニングする過程
で、新たに同定された蛋白質がアクチビンであることが
明らかになった。したがって、アクチビンは神経細胞の
生存を促進する蛋白質でもある。アクチビンはこれらの
顕著な生理活性以外にも、中胚葉誘導活性を持つことが
明らかにされている。動物胚発生の組織分化において根
幹となる三胚葉形成は、両生類卵を用いた研究によって
広く知られており、このなかでも筋肉、脊索、血液系な
どの細胞の起源となる中胚葉の誘導はとりわけ重要な現
象である。アクチビンは予定外胚葉領域の細胞に作用さ
せることによって、この発生運命を中胚葉の細胞へと変
えることができる。いいかえれば、アクチビンは皮膚に
なるべき細胞を筋肉に変えてしまうという強力な生理作
用をもつ物質ということである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【実施例】実施例1 免疫原蛋白質の調製 マウスアクチビン受容体type I (mActRI)のcDNA(GenBan
k L15436)を鋳型とし、配列表の配列番号1と配列番号2
に示した2つのオリゴDNAをプライマーとしてPCR反応を
おこなった。PCR反応産物を、2つの制限酵素XhoI (米国
New England BioLabs社)及びBamHI (米国New England B
ioLabs社)により二重消化し、mActRIの細胞外領域(ECR)
をコードする(制限酵素サイトを含めて377 bpの)cDNAを
えた。このcDNAを免疫グロブリンFc領域との融合蛋白質
として発現させるためのベクターは、ヒトCD4のECRとヒ
ト免疫グロブリンG1(hIgG1)のFc領域の融合蛋白質をコ
ードする動物細胞用発現ベクター(MO90, Zettlmeissl e
t al. (1990) DNA and Cell Biology 9. 347-353)を利
用して作製した。CD4の部分を削除するために、MO90をX
hoI及びBamHIにより二重消化した後、精製・回収した。
先のmActRI(ECR)のDNAフラグメントを、MO90のDNAフラ
グメントに、TaKaRa DNA Ligation Kit ver.2(宝酒造)
を用いて挿入し、融合蛋白質mActRI(ECR)-hIgG1Fcを発
現するプラスミド(pActRIFc)を作製した。この融合蛋白
質に含まれるActRIのECRのアミノ酸配列は、配列番号5
に示したものとなる。尚、pActRIFcを含有する大腸菌
は、後述する様に、工業技術院生命工学技術研究所に寄
託されている。同様の手法を用い、マウスアクチビン受
容体type II (mActRII)のcDNA(GenBank M65287)を鋳型
とし、配列表の配列番号3と配列番号4に示した2つのオ
リゴDNAをプライマーとしてPCR反応をおこなった。PCR
反応産物を、2つの制限酵素XhoI及びBamHIにより二重消
化し、mActRIIの細胞外領域(ECR)をコードする(制限酵
素サイトを含めて413 bpの)cDNAをえた。mActRIの場合
と同様に、このDNAフラグメントを、MO90のXhoI, BamHI
二重消化産物に挿入し、融合蛋白質mActRII(ECR)-hIgG1
Fcを発現するプラスミド(pActRIIFc)を作製した。この
融合蛋白質に含まれるActRIIのECRのアミノ酸配列は、
配列番号6に示したものとなる。pActRIIFcを含有する大
腸菌は、後述する様に、工業技術院生命工学技術研究所
に寄託されている。上記2つのプラスミドを、リン酸カ
ルシウム-DNA共沈殿法により、ヒト腎臓由来の培養細胞
293細胞(ATCCカタログNo.CRL−1573)に
導入した。10%ウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イー
グル培地中で培養し、培地中に分泌された融合蛋白質を
プロテインAカラム(HiTrap ProteinA, スウェーデンPha
rmacia社)で精製した。1Lの培養上清から、mActRI(ECR)
-hIgG1Fc, mActRII(ECR)-hIgG1Fcあわせて5.5 mg回収さ
れた。還元条件のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
で、mActRI(ECR)-hIgG1Fcは見かけの分子量50 kDa、mAc
tRII(ECR)-hIgG1Fcは64 kDaの単一なバンドとして検出
された。この2種類の融合蛋白質の混合物を、0.5 mgず
つ4回、ラット皮下にフロイント完全アジュバンドとの
エマルジョンとして免疫した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスアクチビン受容体type Iの細胞外
    領域を特異的に認識するモノクローナル抗体1C7、その
    断片、またはそれらの化学的修飾体。
  2. 【請求項2】 マウスアクチビン受容体type Iの細胞外
    領域を特異的に認識するモノクローナル抗体2A7、その
    断片、またはそれらの化学的修飾体。
  3. 【請求項3】 マウスアクチビン受容体type IIの細胞
    外領域を特異的に認識するモノクローナル抗体2H12、そ
    の断片、またはそれらの化学的修飾体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抗体1C7を産生する、
    ラット脾細胞とマウスミエローマ細胞Sp2/0を融合させ
    てクローン化したハイブリドーマ細胞AR1-1C7。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の抗体2A7を産生する、
    ラット脾細胞とマウスミエローマ細胞Sp2/0を融合させ
    てクローン化したハイブリドーマ細胞AR1-2A7。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の抗体2H12を産生する、
    ラット脾細胞とマウスミエローマ細胞Sp2/0を融合させ
    てクローン化したハイブリドーマ細胞AR2-2H12。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014502260A (ja) * 2010-11-08 2014-01-30 アクセルロン ファーマ, インコーポレイテッド Actriia結合剤およびその使用
WO2014030683A1 (ja) * 2012-08-21 2014-02-27 国立大学法人九州大学 貧血患者の貧血の要因を検出するためのバイオマーカー

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JPWO2014030683A1 (ja) * 2012-08-21 2016-07-28 国立大学法人九州大学 貧血患者の貧血の要因を検出するためのバイオマーカー

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