JPH11334497A - バッテリー上がり防止装置及び方法 - Google Patents

バッテリー上がり防止装置及び方法

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JPH11334497A
JPH11334497A JP10140766A JP14076698A JPH11334497A JP H11334497 A JPH11334497 A JP H11334497A JP 10140766 A JP10140766 A JP 10140766A JP 14076698 A JP14076698 A JP 14076698A JP H11334497 A JPH11334497 A JP H11334497A
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JP
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load
battery
load current
value
voltage
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JP10140766A
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Mamoru Sawai
守 澤井
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止後におけるバッテリーの残容量
如何に関わらず、確実にバッテリー上がりを防止するこ
とが可能なバッテリー上がり防止装置及び方法を提供す
ること。 【解決手段】 CPU4にはバッテリー5のバッテリー
電圧を検出するバッテリー電圧検知手段3が接続されて
おり、CPU4は、このバッテリー電圧検知手段3によ
り検出されたバッテリー電圧を必要に応じて読み込み、
その値がしきい値生成手段15により生成された、放電
終止電圧値に所定の値αを加算した値(しきい値)以下
であると判断されたとき、即ち、エンジンを始動するの
に最低限必要な容量しか残っていないと判断されたと
き、CPU4は電源線開閉手段22を電源供給停止手段
17にてOFF制御し、その管理下にある負荷21への
給電を停止するよう制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に設けられ
た負荷装置(電装品)へバッテリー電源を供給するため
の技術に係り、特に車両等の駐車時におけるバッテリー
上がりを未然に回避するためのバッテリー上がり防止装
置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に搭載されたエンジン
(発電機)をOFFした後の状態、即ち、エンジンを停
止し、イグニッションキーを、キーシリンダに差し込ん
だままの状態(ACCまたはOFFポジション)或いは
イグニッションキーをキーシリンダより引き抜いた状態
(OFFポジション)において、バッテリー負荷装置
(電装品)であるランプ類の消し忘れや車載AV機器等
の連続使用による発生し得るバッテリー上がりを未然に
防止する為の方法として、例えば、エンジン停止後一定
時間が経過すると、自動的に全負荷装置(電装品)への
バッテリー電源の供給を停止(遮断)することにより、
バッテリー上がりを未然に回避するという方法がとられ
ていた。
【0003】図14はこのような従来のバッテリー上が
り防止装置の一例を示すブロック図である。図14にお
いて、複数の負荷装置及びこれら複数の負荷装置の電源
をON/OFFするための複数のスイッチから構成され
る負荷21には、電源線開閉手段22を介して、バッテ
リー5よりバッテリー電源が供給される。負荷21は、
例えば、負荷装置であるラジオ1とその電源をON/O
FFするためのスイッチSW1,及びヘッドランプ2と
その電源をON/OFFするためのスイッチSW2によ
って構成され、電源線開閉手段22はRLY(リレー)
1,及びRLY(リレー)2によって構成される。
【0004】また、RLY1,及びRLY2は、CPU
6によってその開閉動作の制御(ON/OFF制御)が
為され、CPU6は、スイッチSW1,SW2,及びI
GN−SW(イグニッションスイッチ)の状態に応じ
て、RLY1,及びRLY2の動作制御を為すように構
成されている。尚、上記構成においては、説明の簡略化
のため、負荷装置としてラジオ1,及びヘッドランプ2
の2つのみを挙げているが、車両によって装備(搭載)
される負荷装置の数が増減(変化)するのは勿論であ
り、図14はその構成の一例にすぎない。
【0005】以上の構成において、エンジン停止前,ま
たはエンジン停止後であって一定時間が経過する以前に
おいて、ユーザーによってスイッチSW1がONされる
と、CPU6はスイッチSW1がONとなったことを検
知し、例えばRLY1をON制御することで、ラジオ1
にバッテリー電源を供給する。これにより、ラジオ1に
負荷電流iaが流れ、ラジオ1が動作を開始する。
【0006】同様に、エンジン停止前,またはエンジン
停止後であって一定時間が経過する以前において、ユー
ザーによってスイッチSW2がONされると、CPU6
はスイッチSW2がONとなったことを検知し、例えば
RLY2をON制御することで、ヘッドランプ2にバッ
テリー電源を供給し、これにより、ヘッドランプ2に負
荷電流ibが流れ、ヘッドランプ2が動作を開始(点
灯)する。
【0007】次に、図15のフローチャートを参照しな
がら上記従来のバッテリー上がり防止装置(CPU6)
における動作についてさらに説明する。尚、図15は従
来のバッテリー上がり防止装置の動作の一例を示すフロ
ーチャートである。車両等に搭載されたエンジンが停止
(イグニッションキーをキーシリンダに差し込んだ状態
でイグニッションキーがACCまたはOFFポジション
にある状態)されると(ステップS1)、CPU6の内
部に設けられた図示しないタイマー装置がスタートする
(ステップS2)。
【0008】CPU6は、タイマー装置がタイムアップ
(所定の時間が経過)するまでウェイトし、タイムアッ
プ(タイマー時間が経過)すると、CPU6の管理下に
ある全てのリレー(RLY)をOFF制御する(ステッ
プS3,S4)。これにより、エンジン停止後、所定の
時間が経過すると、車両等に設けられた負荷装置(電装
品)へのバッテリー電源の供給が自動的に全て停止(遮
断)され、エンジン停止後におけるバッテリー負荷装置
(電装品)であるランプ類の消し忘れや、ラジオ(車載
AV機器等)の連続使用によるバッテリー上がりが防止
される。
【0009】ところで、上記従来例では、バッテリー負
荷装置(電装品)として、ラジオ1,及びヘッドランプ
2の2つのみを挙げたが、既述したように、実際の車両
等には多数のバッテリー負荷装置(電装品)が装備され
ているのが普通である。このため、例えばエンジン停止
後、これら電装品の複数が稼働状態(バッテリー電源が
供給された状態)となった場合や、単数であっても消費
電力の大きい電装品が稼働状態となった場合等には、予
想に反して(結果として予め設定されているタイマー時
間が不適切なものとなってしまい)バッテリー容量を消
費してしまい、バッテリー上がりという問題(不具合)
が発生する可能性がある。
【0010】また、エンジン停止後に適正な数または消
費電力(予め設定されているタイマー時間が適切である
場合)の電装品が稼働状態となっている場合でも、例え
ば、夜間、エアコンやAV機器を稼働させた状態で、長
時間、雨中走行をした後等のような場合であって、エン
ジン停止時におけるバッテリー容量が減少していた場合
等には、予想に反して(結果として予め設定されている
タイマー時間が不適切なものとなってしまい)タイマー
時間経過以前にバッテリー容量を消費してしまい、バッ
テリー上がりという問題(不具合)が発生する可能性が
ある。
【0011】さらには、エンジン停止後所定の時間が経
過すると、無条件にて(バッテリー容量が所定レベル以
上残っている状態であっても)車両等に設けられた負荷
装置(電装品)へのバッテリー電源の供給が停止(遮
断)され、もうしばらくランプを点灯しておきたい場合
や、ラジオを聴いていたい場合であってもそれを行うこ
とができず、快適性が損なわれるという問題(欠点)が
発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、上
記従来のバッテリー上がり防止装置によると、エンジン
停止後におけるバッテリーの残容量や、エンジン停止後
に使用(稼働)される負荷装置(電装品)の総負荷容量
を考慮して、電装品へのバッテリー電源の供給停止(遮
断)を行うことができないため、エンジン停止後におけ
るバッテリーの残容量によっては、設定されたタイマー
時間以前にバッテリー上がりが発生してしまうという問
題があった。
【0013】また、バッテリーの残容量が十分あるにも
関わらず、設定されたタイマー時間以降は電装品を使用
することができず、もうしばらくランプを点灯しておき
たい場合や、ラジオを聴いていたい場合でも強制的にそ
の使用が制限されてしまうことで、快適性が損なわれて
しまうという問題(欠点)があった。
【0014】本発明は、上記問題に鑑みて為されたもの
で、エンジン停止後におけるバッテリーの残容量が予想
外の値となってしまった場合や、エンジン停止後に使用
される負荷装置(電装品)の総負荷容量が予想外の値と
なってしまった場合であっても、バッテリー上がりの発
生を的確(効率的)に防止することが可能で、且つ快適
なカーライフを実現し得るバッテリー上がり防止装置及
び方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明により為された請求項1に記載のバッテリー
上がり防止装置は、図1の本発明であるバッテリー上が
り防止装置の基本構成を示すブロック図から明らかなよ
うに、車両に搭載された複数の負荷装置から成る負荷2
1に対し、バッテリー上がりの発生しない範囲におい
て、電源線開閉手段22を介し、各々電源を供給する前
記車両に搭載されたバッテリー上がり防止装置であっ
て、エンジンが停止したことを検出するエンジン停止検
出手段19と、前記エンジン停止検出手段19によりエ
ンジンの停止が検出されることにより、動作中の負荷装
置を検知する動作負荷装置検知手段18と、前記動作負
荷装置検知手段18により検知された各負荷装置21
a,21b,…を流れる各負荷電流値の総量を求める総
負荷電流値算出手段12と、前記バッテリーの電圧値を
検知するバッテリー電圧検知手段3と、前記負荷電流値
の総量から放電終止電圧を求める放電終止電圧検出手段
14と、前記放電終止電圧に所定の値を加算することに
より、しきい値を生成するしきい値生成手段15と、前
記しきい値と前記バッテリー電圧値とを比較する電圧比
較手段16と、前記電圧比較手段16により、前記バッ
テリー電圧値が前記しきい値以下となったことが検出さ
れると、前記電源線開閉手段22を制御し、前記負荷装
置21a,21b,…全てに対して電源の供給を停止す
る電源供給停止手段17と、を備えて構成されることを
特徴とするものである。
【0016】上記請求項1に記載の発明によれば、負荷
装置へのバッテリー電源の供給は、バッテリー上がりの
直前まで行われるようにしたことを特徴とする。尚、エ
ンジン停止検出手段19によるエンジン停止の検出は、
エンジン停止検出手段19内のキーポジション検出手段
20によるキーポジション(停止の場合、OFFまたは
ACCポジション)の検出結果に基づいて行うようにし
ても良い。
【0017】また、本発明により為された請求項2に記
載のバッテリー上がり防止装置は、請求項1に記載のバ
ッテリー上がり防止装置において、前記総負荷電流値算
出手段が、前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給
されたときに、前記負荷装置各々に流れる負荷電流値を
予め記憶した負荷電流記憶手段と、前記動作負荷装置検
知手段により検知された動作中負荷装置を流れる各負荷
電流値を、前記負荷電流記憶手段より取得する負荷電流
値取得手段と、を備え、前記負荷電流値取得手段により
取得された各負荷電流値の総和をとることにより、前記
各負荷電流値の総量を求めるようにしたことを特徴とす
るものである。
【0018】上記請求項2に記載の発明によれば、負荷
装置毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブル
として持つようにしたことを特徴とする。また、本発明
により為された請求項3に記載のバッテリー上がり防止
装置は、請求項1または2に記載のバッテリー上がり防
止装置において、前記エンジン停止検出手段が、イグニ
ッションスイッチがOFFまたはACCの何れのポジシ
ョンにあるかを検出するキーポジション検出手段を備
え、前記電源供給停止手段は、前記キーポジション検出
手段により検出されたキーポジションョンがOFFポジ
ションであった場合には、イグニッションスイッチがA
CCポジション時に使用可能であってOFFポジション
時には使用不能な負荷装置に対し、前記電源線開閉手段
を制御してバッテリー電源の供給を停止し、前記動作負
荷装置検知手段は、前記キーポジション検出手段により
検出されたキーポジションョンがOFFポジションであ
った場合には、イグニッションスイッチがACCポジシ
ョン時に使用可能であってOFFポジション時には使用
不能な負荷装置を、非動作の負荷装置であると検知する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0019】上記請求項3に記載の発明によれば、キー
ポジションョンがOFFポジションである場合には、イ
グニッションスイッチがACCポジション時にのみ使用
可能な負荷装置は、最初から動作していないものとして
扱う(ソフトウェア的に)ようにしたことを特徴とす
る。
【0020】また、本発明により為された請求項4に記
載のバッテリー上がり防止装置は、請求項1または2に
記載のバッテリー上がり防止装置において、前記エンジ
ン停止検出手段が、イグニッションスイッチがOFFま
たはACCの何れのポジションにあるかを検出するキー
ポジション検出手段を備え、前記負荷電流記憶手段は、
前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給されたとき
に各負荷装置それぞれを流れる負荷電流値を示した負荷
電流値情報と、前記キーポジションによって、どの負荷
装置が動作するかを示した各負荷装置のポジション情報
と、を予め記憶し、前記負荷電流値取得手段は、前記キ
ーポジション検出手段により検出されたキーポジション
ョンがOFFポジションであった場合、前記動作負荷装
置検知手段の検知結果に関わらず、前記各負荷装置のポ
ジション情報からACCポジション時に使用可能でOF
Fポジション時には使用不能であると判別された負荷装
置は動作中負荷装置ではないと判断し、当該負荷装置に
おける負荷電流値を前記負荷電流記憶手段より取得しな
いことを特徴として構成されたものである。
【0021】上記請求項4に記載の発明によれば、キー
ポジションョンがOFFポジションであって、イグニッ
ションスイッチがACCポジション時にのみ使用可能な
負荷装置にはバッテリー電源の供給が行われていないに
も関わらず、前記動作負荷装置検知手段にて、前記負荷
装置が動作中であると検知された場合に、前記総負荷電
流値算出手段にて動作していないものとして判断するよ
うにしたことを特徴とする。
【0022】また、本発明により為された請求項5に記
載のバッテリー上がり防止装置は、請求項1乃至4に記
載のバッテリー上がり防止装置において、前記放電終止
電圧検出手段が、前記複数の負荷装置の組み合わせによ
って計算される、全ての負荷電流値の総量と、それらに
対応した放電終止電圧値を記憶する放電終止電圧値記憶
手段と、前記総負荷電流値算出手段により求められた負
荷電流値の総量に対応する放電終止電圧値を前記放電終
止電圧値記憶手段より読み出す放電終止電圧値読み出し
手段と、により構成されることを特徴とするものであ
る。
【0023】上記請求項5に記載の発明によれば、前記
複数の負荷装置の組み合わせによって計算される全ての
負荷電流値の総量と、それらに対応した放電終止電圧値
を記憶した情報を内部データテーブルとして持つように
したことを特徴とする。また、本発明により為された請
求項6に記載のバッテリー上がり防止装置は、請求項1
乃至4に記載のバッテリー上がり防止装置において、前
記放電終止電圧検出手段が、バッテリーの解放端電圧を
OPEN ,バッテリーの規格容量に依存する比例定数を
a,前記負荷電流値の総量をIとしたとき、放電終止電
圧VENDを、次式、 VEND = −a・I + VOPEN ・・・・・ (式1) により求めるように構成されたことを特徴とするもので
ある。
【0024】上記請求項6に記載の発明によれば、放電
終止電圧VEND を、(式1)の簡単な演算を行うことに
より算出するようにしたことを特徴とする。また、本発
明により為された請求項7に記載のバッテリー上がり防
止装置は、請求項1乃至6に記載のバッテリー上がり防
止装置において、前記しきい値生成手段により生成され
たしきい値は、前記エンジンを始動するのに最低限必要
なセルモーターに供給すべきエネルギー量に相当する電
圧値を、前記放電終止電圧に加算した値に設定されるこ
とを特徴とするものである。
【0025】上記請求項7に記載の発明によれば、しき
い値として、前記エンジンを始動するのに最低限必要な
セルモーターに供給すべきエネルギー量に相当する電圧
値を、前記放電終止電圧に加算した値に設定したことを
特徴とする。また、本発明により為された請求項8に記
載のバッテリー上がり防止装置は、請求項1乃至7に記
載のバッテリー上がり防止装置において、前記負荷が、
前記負荷装置それぞれをON/OFFするためのスイッ
チ手段と、前記スイッチ手段のON/OFFの状態情報
を出力する状態情報出力手段と、を備え、前記動作負荷
装置検知手段は、前記状態情報出力手段より供給される
前記スイッチ手段のON/OFFの状態情報から、動作
中の負荷装置を検知することを特徴として構成されたも
のである。
【0026】上記請求項8に記載の発明によれば、負荷
装置それぞれをON/OFFするためのスイッチ手段の
ON/OFFの状態情報を出力する状態情報出力手段を
新たに設けたことを特徴とする。また、本発明により為
された請求項9に記載のバッテリー上がり防止装置は、
請求項8に記載のバッテリー上がり防止装置において、
前記負荷装置それぞれをON/OFFするためのスイッ
チ手段のON/OFFの状態情報を出力する状態情報出
力手段は、当該負荷装置に対応する前記電源線開閉手段
が開の状態では、当該負荷装置に対応するスイッチ手段
がOFF状態であるとして状態情報の出力を行うことを
特徴として構成されたものである。
【0027】上記請求項9に記載の発明によれば、状態
情報出力手段は、当該負荷装置に対応する前記電源線開
閉手段が開の状態である場合、前記負荷装置に対応する
スイッチ手段が無条件でOFF状態であるとして、前記
動作負荷装置検知手段に通知するようにしたことを特徴
とする。
【0028】また、本発明により為された請求項10に
記載のバッテリー上がり防止方法は、メイン動力源が停
止した際、車両に搭載された複数の負荷装置に対し、バ
ッテリー上がりの発生しない範囲にて電源を供給するバ
ッテリー上がり防止方法において、前記複数の負荷装置
にバッテリー電源が供給された際に前記負荷装置それぞ
れに流れる負荷電流値を記憶した負荷電流記憶手段よ
り、通電状態にある負荷装置の負荷電流値を読み出して
加算し、その総和である総負荷電流値を求め、前記バッ
テリー電圧値が、前記総負荷電流値に応じて決定される
所定の電圧値以下となった場合、前記負荷装置全てに対
して電源の供給を停止する、ことを特徴とするものであ
る。
【0029】上記請求項10に記載の発明によれば、負
荷装置毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブ
ルとして持つようにしたことを特徴とする。また、本発
明により為された請求項11に記載のバッテリー上がり
防止方法は、車両に搭載された複数の負荷装置から成る
負荷に対し、バッテリー上がりの発生しない範囲におい
て、電源線開閉手段を介して各々電源を供給するバッテ
リー上がり防止方法であって、エンジンが停止したこと
を検出するエンジン停止検出手段によってエンジンの停
止が検出されると、前記バッテリーから電源の供給され
ている動作中負荷装置を検出し、前記検出された動作中
負荷装置それぞれを流れる負荷電流値を取得し、取得さ
れた各負荷電流値から、動作中負荷装置それぞれを流れ
る負荷電流値の総量を求め、前記バッテリーが前記各負
荷装置にバッテリー電源を供給している状態におけるバ
ッテリーの電圧値を検知し、前記負荷電流値の総量から
放電終止電圧を求め、前記放電終止電圧に所定の値を加
算したしきい値と、前記バッテリー電圧値とを比較し、
前記バッテリー電圧値が前記しきい値以下となったこと
が検出されると、前記電源線開閉手段を開状態にして、
前記負荷装置全てに対してバッテリー電源の供給を停止
する、ことを特徴とするものである。
【0030】上記請求項11に記載の発明によれば、負
荷装置へのバッテリー電源の供給を、バッテリー上がり
の直前まで行われるようにしたので、例えばバッテリー
残存容量に関係なく駐車を開始してからある一定時間経
過したときにバッテリー電源の供給を停止してしまうよ
うな場合と比較して、ユーザは前記バッテリー電源を最
大限利用することができることを特徴とする。
【0031】また、本発明により為された請求項12に
記載のバッテリー上がり防止方法は、請求項11に記載
のバッテリー上がり防止方法において、前記動作中負荷
装置を流れる各負荷電流値の取得が、前記複数の負荷装
置にバッテリー電源が供給された際前記各負荷装置に流
れる負荷電流値を記憶した負荷電流値記憶手段より、前
記複数の負荷装置のうちの通電状態にある負荷装置に対
応する負荷電流値を読み出すことによって行われ、前記
負荷電流値の総量は、前記負荷電流値記憶手段より読み
出された、通電状態にある負荷装置を流れる負荷電流値
を、全て加算することにより求められる、ことを特徴と
するものである。
【0032】上記請求項12に記載の発明によれば、負
荷装置毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブ
ルとして持つようにしたので、各負荷装置を流れる負荷
電流または、全負荷装置を流れる総負荷電流を測定する
必要が無いことを特徴とする。
【0033】また、本発明により為された請求項13に
記載のバッテリー上がり防止方法は、請求項11または
12に記載のバッテリー上がり防止方法において、前記
エンジン停止検出手段は、イグニッションスイッチがO
FFまたはACCの何れのキーポジションにあるかを検
出する機能を有し、前記キーポジションがOFFポジシ
ョンにあることが検出された場合には、前記イグニッシ
ョンスイッチがACCポジション時に使用可能であっ
て、OFFポジション時には使用不能な負荷装置に対
し、前記電源線開閉手段を制御して、バッテリー電源の
供給を停止することを特徴とするものである。
【0034】上記請求項13に記載の発明によれば、キ
ーポジションョンがOFFポジションであると検出され
た場合には、イグニッションスイッチがACCポジショ
ン時にのみ使用可能な負荷装置は、最初から動作してい
ないものとして扱う(ソフトウェア的に)ようにしたこ
とを特徴とする。
【0035】また、本発明により為された請求項14に
記載のバッテリー上がり防止方法は、請求項12に記載
のバッテリー上がり防止方法において、前記エンジン停
止検出手段は、イグニッションスイッチがOFFまたは
ACCの何れのキーポジションにあるかを検出する機能
を有し、前記キーポジションがOFFポジションにある
ことが検出された場合、前記負荷電流記憶手段に予め記
憶された、キーポジションによってどの負荷装置が動作
可能であるかを示した各負荷装置のポジション情報に基
づいて、ACCポジション時に使用可能でOFFポジシ
ョン時には使用不能であると判別された負荷装置を動作
中負荷装置から除外することを特徴とするものである。
【0036】上記請求項14に記載の発明によれば、キ
ーポジションョンがOFFポジションであって、イグニ
ッションスイッチがACCポジション時にのみ使用可能
な負荷装置には、バッテリー電源の供給が行われないに
も関わらず、前記負荷装置が動作中であると判別された
場合であっても、前記総負荷電流値算出手段にて動作し
ていないものとして判断するようにしたことを特徴とす
る。
【0037】また、本発明により為された請求項15に
記載のバッテリー上がり防止方法は、請求項11乃至1
4に記載のバッテリー上がり防止方法において、前記放
電終止電圧VEND は、バッテリーの解放端電圧をVOPEN
,バッテリーの規格容量に依存する比例定数をa,前
記負荷電流値の総量をIとしたとき、次式、 VEND = −a・I + VOPEN ・・・・・ (式1) により求められることを特徴とするものである。
【0038】上記請求項15に記載の発明によれば、放
電終止電圧VEND を、(式1)の簡単な演算を行うこと
により算出するようにしたことを特徴とする。また、本
発明により為された請求項16に記載のバッテリー上が
り防止方法は、請求項11乃至15に記載のバッテリー
上がり防止方法において、前記しきい値が、前記エンジ
ンを始動するのに最低限必要な、セルモーターに供給す
べきエネルギー量に相当する電圧値を、前記放電終止電
圧に加算して設定されることを特徴とするものである。
【0039】上記請求項16に記載の発明によれば、し
きい値として、前記エンジンを始動するのに最低限必要
なセルモーターに供給すべきエネルギー量に相当する電
圧値を、前記放電終止電圧に加算した値に設定したの
で、バッテリの残存容量がエンジンを再作動させること
ができなくなるまで低下する前に、バッテリ電源の消費
を抑えることを可能としたことを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図面を参照して詳細に説明を行う。図2は本発
明におけるバッテリー上がり防止装置の第1の実施の形
態を示すブロック図である。
【0041】図2において、複数の負荷装置及びこれら
複数の負荷装置の電源をON/OFFするための複数の
スイッチから構成される負荷21には、電源線開閉手段
22を介して、バッテリー5より電源が供給される。負
荷21は、例えば、負荷装置であるラジオ1とその電源
をON/OFFするためのスイッチSW1,及びヘッド
ランプ2とその電源をON/OFFするためのスイッチ
SW2によって構成され、電源線開閉手段22はリレー
(RLY)1,及びリレー(RLY)2によって構成さ
れる。
【0042】また、RLY1,及びRLY2は、CPU
4によってその開閉動作の制御(ON/OFF制御)が
為され、CPU4は、スイッチSW1,SW2,及びI
GN−SW(イグニッションスイッチ)の状態から、例
えばプログラムに従って、RLY1,及びRLY2の動
作制御を為すように構成されている。尚、従来例の場合
と同様、上記構成においては説明の簡単のため、負荷装
置としてラジオ1,及びヘッドランプ2の2つのみを挙
げているが、負荷装置の数は、それらが装備される車両
によって異なる(増減する)のは勿論であり、図2はそ
の構成の一例にすぎない。また、ラジオ1の電源をON
/OFFするスイッチ(例えばSW1)は、ラジオ1単
体に設けられているスイッチ(手元スイッチ)であっ
て、ON/OFFの状態をスイッチ信号等によって、C
PU4に通知するように構成されているものであっても
良い。
【0043】さらに、バッテリー電圧検知手段3はバッ
テリー5の電圧を検出し、必要に応じてCPU4に通知
し、CPU4はイグニッションスイッチIGN−SWの
キーポジションを必要に応じて読み取るようになってい
る。以上の構成において、エンジン停止前,またはエン
ジン停止後で、後述するバッテリー上がり防止処理がC
PU4によって実施される以前(定常時)において、ユ
ーザーによってスイッチSW1がONされると、スイッ
チSW1の状態を監視する動作負荷装置検知手段18
は、スイッチSW1がONとなったことを検知し、その
旨、電源供給停止手段17へ通知する。通知を受けた電
源供給停止手段17は、例えばRLY1をON制御する
ことで、ラジオ1にバッテリー電源を供給する。これに
より、ラジオ1に負荷電流iaが流れ、ラジオ1が動作
を開始する。尚、電源供給停止手段17及び前記動作負
荷装置検知手段18は、共にCPU4の1機能(処理ス
テップ)を構成するものである。
【0044】同様に、エンジン停止前,またはエンジン
停止後で、後述するバッテリー上がり防止処理がCPU
4によって実施される以前(定常時)において、ユーザ
ーによってスイッチSW2がONされると、CPU4を
構成し、スイッチSW2の状態を監視する動作負荷装置
検知手段18は、スイッチSW2がONとなったことを
検知し、その旨、電源供給停止手段17へ通知する。通
知を受けた電源供給停止手段17は、例えばRLY2を
ON制御することで、ヘッドランプ2にバッテリー電源
を供給し、これにより、ヘッドランプ2に負荷電流ib
が流れ、ヘッドランプ2が動作を開始(点灯)する。
【0045】次に、図2のブロック図,図3のフローチ
ャート,並びに図4乃至図6の各データテーブルを参照
しながら上記本発明のバッテリー上がり防止装置(CP
U4)におけるバッテリー上がり防止処理動作について
さらに説明する。尚、図3は本発明のバッテリー上がり
防止装置の第1の実施の形態における動作の一例を示す
フローチャートである。また、図4は各負荷装置におけ
る負荷電流値を示す負荷電流データテーブルであり、図
5は各スイッチ(負荷装置)のON/OFFの状態にお
ける総負荷電流値を示す総負荷電流データテーブルであ
り、図6は総負荷電流値における放電終止電圧VEND
示す放電終止電圧データテーブルである。
【0046】図3のフローチャートに示すように、CP
U4は、車両等に搭載されたエンジンが停止したこと
が、IGN−SWの状態からエンジン停止検出手段19
によって検出されると(ステップT1)、動作負荷装置
検知手段18により検知された各スイッチ(SW1およ
びSW2)の状態に基づいて、現在通電(動作)中の、
即ち、バッテリー5よりバッテリー電源が供給されいる
負荷装置(電装品)を検出する(ステップT2)。そし
て、検出された負荷装置それぞれに該当する負荷電流量
(例えば、負荷装置の稼働時に於ける定格電流値)を、
CPU4の総負荷電流値算出手段12を構成する負荷電
流記憶手段11に記憶されている図4に示す如くの負荷
電流データテーブルから、現在稼働中(動作中)の負荷
装置の負荷電流量を、同じく総負荷電流値算出手段12
を構成する負荷電流値取得手段13にて読み取って加算
することにより、または各スイッチ(SW1およびSW
2)のON/OFFの状態に基づいて、CPU4の総負
荷電流値算出手段12を構成する負荷電流記憶手段11
に記憶されている図5に示す如くの総負荷電流データテ
ーブルから、同じく総負荷電流値算出手段12を構成す
る負荷電流値取得手段13にて読み取ることにより、総
負荷電流値を求める(ステップT3,T4)。
【0047】尚、本実施の形態において、負荷電流デー
タテーブルには2つの負荷装置(ラジオ及びヘッドラン
プ)に関するデータ(負荷電流量)についてのみ記載さ
れているが、実際の車両に搭載される場合には、例え
ば、当該車両に搭載され得る全ての負荷装置(電装品)
に関するデータ(負荷電流量)全てをデータテーブルと
して持つようにすると良い(以下同様)。
【0048】このように、負荷装置毎の負荷電流量(図
4のデータテーブル)または各スイッチのON/OFF
の状態に対する総負荷電流値の対応関係(図5のデータ
テーブル)を示した情報を内部データテーブルとして持
つことにより、各負荷装置を流れる負荷電流または全負
荷装置を流れる総負荷電流を測定するための回路が不要
となり、コスト削減が図れるという効果が得られる。
【0049】さらにCPU4は、求められた総負荷電流
値から、CPU4を構成する放電終止電圧検出手段14
により、該放電終止電圧検出手段14に設けられた図示
しない記憶手段に記憶されている、図6に示す如くの放
電終止電圧データテーブルから放電終止電圧を求めると
共に、放電終止電圧データテーブルから求められた当該
放電終止電圧値に所定の値αを加算した値(以下、しき
い値という)をしきい値生成手段15にて求める(ステ
ップT5,T6)。尚、αの値としては、例えばセルモ
ーターを回してエンジンを始動するのに最低限必要な、
セルモーターに供給すべきエネルギー(バッテリー容
量)に相当する電圧値が設定される。
【0050】一方、CPU4は、バッテリー電圧検知手
段3により検出されたバッテリー5のバッテリー電圧を
読み出し(ステップT7)、しきい値生成手段15によ
り求められたしきい値と、バッテリー電圧検知手段3か
ら読み取ったバッテリー5のバッテリー電圧値と、の比
較を電圧比較手段16にて行う(ステップT8)。
【0051】ステップT8における比較の結果、バッテ
リー電圧値が放電終止電圧値より高電圧であると判断さ
れた場合、即ち、エンジン停止後に稼働している各負荷
装置によって消費されたエネルギー量(バッテリー容
量)をバッテリー5のバッテリー容量から差し引いた値
(バッテリー残容量)が、エンジンを始動するのに十分
な容量を残していると判断された場合、CPU4は継続
して各負荷装置に対して通電(給電)を行い、所定の時
間が経過するのを待って(ステップT9)、再度、電圧
検知手段3により検出されたバッテリー5のバッテリー
電圧を読み出し(ステップT7)、しきい値生成手段1
5により求められたしきい値と、バッテリー電圧検知手
段3から新しく読み取ったバッテリー5のバッテリー電
圧値と、の比較を電圧比較手段16にて行う(ステップ
T8)。
【0052】ステップT8における比較の結果、バッテ
リー電圧値が放電終止電圧値に所定の値αを加算したし
きい値以下であると判断された場合、即ち、エンジン停
止後に稼働している各負荷装置によって消費されたエネ
ルギー量(バッテリー容量)をバッテリー5のバッテリ
ー容量から差し引いた値(バッテリー残容量)が、エン
ジンを始動するのに最低限必要な容量しか残っていない
と判断された場合、CPU4を構成する電源供給停止手
段17は全てのリレー(RLY)をOFF制御して、そ
の管理下にある全負荷装置への通電(給電)を停止する
よう制御を行う(ステップT10)。
【0053】これにより、エンジン停止後、バッテリー
5の残容量が、エンジンを始動するのに最低限必要な容
量まで減少すると、CPU4の制御により、車両等に設
けられた負荷装置(電装品)へのバッテリー電源の供給
が自動的に全て停止(遮断)され、エンジン停止後にお
けるバッテリー負荷装置(電装品)であるランプ類の消
し忘れや、ラジオ(車載AV機器等)の連続使用等にる
バッテリー上がりの発生が防止される。
【0054】尚、前記電源供給停止手段17,動作負荷
装置検知手段18,総負荷電流値算出手段12,負荷電
流値取得手段13,放電終止電圧検出手段14,しきい
値生成手段15,電圧比較手段16,及びエンジン停止
検出手段19は、共にCPU4の1機能(処理ステッ
プ)を構成するものである。
【0055】ところで、本実施の形態では、図3のステ
ップT5にて放電終止電圧VEND を求める際、総負荷電
流値に基づいて、放電終止電圧データテーブルから放電
終止電圧VEND を読み出すことで求めているが、総負荷
電流と放電終止電圧との関係を示す、以下の近似式、 VEND = −a・I + VOPEN ・・・・・ (式1) VEND :放電終止電圧 VOPEN :バッテリーの解放端電圧 a :比例定数(バッテリーの規格容量に依存) I :総負荷電流 を用いて、総負荷電流VEND を演算により求めることが
可能である。以下、図7乃至図9を参照し、前記近似式
から放電終止電圧を演算により求める方法について説明
を行う。
【0056】充電することにより再使用が可能な二次電
池(バッテリー)は、その性能維持のため、所定の閉回
路電圧にて放電を打ち切る必要がある。これは、バッテ
リーを無条件に放電(過放電)させた場合、その電極の
活物質が元の状態に戻りにくくなるためであり、これを
繰り返すとバッテリーの規格容量が低下したり、寿命が
短くなる。
【0057】図7に示す如くに、バッテリー放電中の電
圧は、ある値から急に降下して0Vとなり、使用に耐え
なくなる。この電圧が急に下降し始める少し手前の電圧
を放電終止電圧と呼び、バッテリー電圧がこの放電終止
電圧以下となったら使用(放電)を中止し、充電を行う
ようにすればバッテリーの過剰な劣化を防止することが
でき、本来のバッテリー寿命を有効に使いきることがで
きる。尚、図7はバッテリーの一般的な放電特性(電流
値一定)を示したグラフである。
【0058】図8は各放電電流における放電時間とバッ
テリー電圧及び放電終止電圧VENDとの関係を示したグ
ラフである。図8は、図7において放電電流をI1,I
2,……,In(nは自然数、以下同様)と変化させた
場合における各放電電流毎の放電特性を示したものであ
る。この、各放電電流における各放電特性グラフにおい
て、バッテリー電圧VBAT が急に下降し始める少し手前
(点k1,k2,……,knの少し先)の電圧を、放電
終止電圧としてグラフ上にプロットし、各放電特性グラ
フ毎にプロットされた点(放電終止電圧)を結ぶと、図
8に示す如くに、ほぼ1本の直線l上に乗ることがわか
る。
【0059】この直線lを、横軸を放電電流,縦軸を放
電終止電圧としたグラフ平面上に再配置したものが図9
のバッテリーの放電電流と放電終止電圧との相関関係を
示したグラフである。図9から放電電流と放電終止電圧
END とは相関関係があることが読みとれ、この直線l
から、前述の(式1)に示した近似式を導くことができ
る。
【0060】したがって、図3のフローチャートにおけ
るステップT5の処理において、ステップT4の処理で
求まった総負荷電流値から、図6のデータテーブルを検
索して放電終止電圧VEND を求める代わりに、前記総負
荷電流値を(式1)に代入して演算することにより、放
電終止電圧VEND を求めることができる。
【0061】また、逆に、図6における総負過電流I
n,I2,I1に対する放電終止電圧VEND それぞれを
(式1)より求めることによって、放電終止電圧データ
テーブルを得る(作成する)ようにしても良い。次に、
本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細
に説明を行う。
【0062】図10は本発明におけるバッテリー上がり
防止装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
図10において、図2と同一の部分には同一の符号を付
し、説明は省略する。以下、図10と図2とにおける構
成上の違いについて説明する。
【0063】図10と図2とにおける構成上の違いは、
負荷21内に新たに状態情報出力手段24が設けられ点
にある。これにより、負荷装置であるラジオ1とその電
源をON/OFFするためのスイッチSW1,及びヘッ
ドランプ2とその電源をON/OFFするためのスイッ
チSW2のスイッチ信号(スイッチの状態)は、一旦状
態情報出力手段24に供給され、状態情報出力手段24
から、状態情報出力信号、即ち、ユーザーによりON/
OFFされた単なるスイッチのON/OFFの状態を通
知する情報ではなく、負荷装置に実際に通電されている
か否か(動作しているか否か)を通知する情報として、
動作負荷装置検知手段18に供給されるようになってい
る。
【0064】また、エンジン停止検出手段19内に、イ
グニッションスイッチIGN−SW信号からキーポジシ
ョンを検出するキーポジション検出手段20(図1参
照)が新たに設けられ、検出されたキーポジション情報
が、総負荷電流値算出手段12を構成する負荷電流値取
得手段13及び電源供給停止手段17にそれぞれ通知さ
れるようになっている。
【0065】電源供給停止手段17は、キーポジション
検出手段20より、キーポジション情報としてOFFポ
ジションが通知されると、例えば、ACCポジション時
に使用可能でOFFポジション時には使用不能な負荷装
置に対応する電源線開閉手段22が常に開となるように
制御する。さらに、負荷電流値取得手段13は、キーポ
ジション検出手段20より、キーポジション情報として
OFFポジションが通知されると、例えば、ACCポジ
ション時に使用可能でOFFポジション時には使用不能
な負荷装置に対応する負荷電流値を負荷電流記憶手段よ
り読み出さない(後述)ように動作する。
【0066】次に、図10のブロック図,図11のフロ
ーチャート,並びに図4乃至図6の各データテーブルを
参照しながら上記本発明のバッテリー上がり防止装置
(CPU4)におけるバッテリー上がり防止処理動作に
ついて説明する。尚、図11は本発明のバッテリー上が
り防止装置の第2の実施の形態における動作の一例を示
すフローチャートである。
【0067】図11のフローチャートに示すように、C
PU4は、車両等に搭載されたエンジンが停止したこと
が、エンジン停止検出手段19によって、IGN−SW
の状態から検出されると(ステップU1)、エンジン停
止検出手段19内に設けられたキーポジション検出手段
20により、キーポジション情報の判別を行う(ステッ
プU2)。ステップU2にて、キーポジション情報がO
FFポジションであると判別された場合、CPU4は、
電源供給停止手段17によってACCポジション時に使
用可能でOFFポジション時には使用不能な負荷装置
(図10ではラジオ1)に対応する電源線開閉手段22
(図10ではRLY1)が常に開となるように制御する
(ステップU3)。キーポジション情報がACCポジシ
ョンであると判別された場合には、そのままステップU
4の処理へ進む。
【0068】次に、CPU4は、状態情報出力手段24
より動作負荷装置検知手段18に供給された状態情報出
力信号に基づき、動作負荷装置検知手段18にて検知さ
れた各スイッチ(図10ではSW1およびSW2)の状
態によって、現在通電(動作)中の、即ち、バッテリー
5よりバッテリー電源が供給されいる負荷装置(電装
品)の検出を行う(ステップU4)。尚、キーポジショ
ンがOFFポジションの場合には、ステップU3にて、
ACCポジション時に使用可能でOFFポジション時に
は使用不能な負荷装置(図10ではラジオ1)に対して
電力の供給が為されないため、状態情報出力信号に、A
CCポジション時に使用可能でOFFポジション時には
使用不能な負荷装置が含まれることはなく、従って、ス
テップU4において、ACCポジション時に使用可能で
OFFポジション時には使用不能な負荷装置が検出され
ることはない。
【0069】そして、検出された負荷装置それぞれに該
当する負荷電流量(例えば、負荷装置の稼働時に於ける
定格電流値)を、CPU4の総負荷電流値算出手段12
を構成する負荷電流記憶手段23に記憶されている図4
に示す如くの負荷電流データテーブルから、現在稼働中
(動作中)の負荷装置の負荷電流量を、同じく総負荷電
流値算出手段12を構成する負荷電流値取得手段13に
て読み取って加算することにより、または各スイッチ
(SW1およびSW2)のON/OFFの状態に基づい
て、CPU4の総負荷電流値算出手段12を構成する負
荷電流記憶手段23に記憶されている図5に示す如くの
総負荷電流データテーブルから、同じく総負荷電流値算
出手段12を構成する負荷電流値取得手段13にて読み
取ることにより、総負荷電流値を求める(ステップU
5,U6)。
【0070】尚、本実施の形態において、負荷電流デー
タテーブルには2つの負荷装置(ラジオ及びヘッドラン
プ)に関するデータ(負荷電流量)についてのみ記載さ
れているが、実際の車両に搭載される場合には、例え
ば、当該車両に搭載され得る全ての負荷装置(電装品)
に関するデータ(負荷電流量)全てをデータテーブルと
して持つようにすると良い(以下同様)。
【0071】このように、負荷装置毎の負荷電流量(図
4のデータテーブル)または各スイッチのON/OFF
の状態に対する総負荷電流値の対応関係(図5のデータ
テーブル)を示した情報を内部データテーブルとして持
つことにより、各負荷装置を流れる負荷電流または全負
荷装置を流れる総負荷電流を測定するための回路が不要
となり、コスト削減が図れるという効果が得られる。
【0072】さらにCPU4は、求められた総負荷電流
値から、CPU4を構成する放電終止電圧検出手段14
により、該放電終止電圧検出手段14に設けられた図示
しない記憶手段に記憶されている、図6に示す如くの放
電終止電圧データテーブルから放電終止電圧を求めると
共に、放電終止電圧データテーブルから求められた当該
放電終止電圧値に所定の値αを加算した値(以下、しき
い値という)をしきい値生成手段15にて求める(ステ
ップU7,U8)。尚、αの値としては、例えばセルモ
ーターを回してエンジンを始動するのに最低限必要な、
セルモーターに供給すべきエネルギー(バッテリー容
量)に相当する電圧値が設定される。
【0073】一方、CPU4は、バッテリー電圧検知手
段3により検出されたバッテリー5のバッテリー電圧を
読み出し(ステップU9)、しきい値生成手段15によ
り求められたしきい値と、バッテリー電圧検知手段3か
ら読み取ったバッテリー5のバッテリー電圧値との比較
を電圧比較手段16にて行う(ステップU10)。
【0074】ステップU10における比較の結果、バッ
テリー電圧値が放電終止電圧値より高電圧であると判断
された場合、即ち、エンジン停止後に稼働している各負
荷装置によって消費されたエネルギー量(バッテリー容
量)をバッテリー5のバッテリー容量から差し引いた値
(バッテリー残容量)が、エンジンを始動するのに十分
な容量を残していると判断された場合、CPU4は継続
して各負荷装置に対して通電(給電)を行い、所定の時
間が経過するのを待って(ステップU11)、再度、電
圧検知手段3により検出されたバッテリー5のバッテリ
ー電圧を読み出し(ステップU9)、しきい値生成手段
15により求められたしきい値と、バッテリー電圧検知
手段3から新しく読み取ったバッテリー5のバッテリー
電圧値と、の比較を電圧比較手段16にて行う(ステッ
プU10)。
【0075】ステップU10における比較の結果、バッ
テリー電圧値が放電終止電圧値に所定の値αを加算した
しきい値以下であると判断された場合、即ち、エンジン
停止後に稼働している各負荷装置によって消費されたエ
ネルギー量(バッテリー容量)をバッテリー5のバッテ
リー容量から差し引いた値(バッテリー残容量)が、エ
ンジンを始動するのに最低限必要な容量しか残っていな
いと判断された場合、CPU4を構成する電源供給停止
手段17は全てのリレー(RLY)をOFF制御して、
その管理下にある全負荷装置への通電(給電)を停止す
るよう制御を行う(ステップU12)。
【0076】これにより、エンジン停止後、バッテリー
5の残容量が、エンジンを始動するのに最低限必要な容
量まで減少すると、CPU4の制御により、車両等に設
けられた負荷装置(電装品)へのバッテリー電源の供給
が自動的に全て停止(遮断)され、エンジン停止後にお
けるバッテリー負荷装置(電装品)であるランプ類の消
し忘れや、ラジオ(車載AV機器等)の連続使用等にる
バッテリー上がりの発生が防止される。
【0077】尚、前記電源供給停止手段17,動作負荷
装置検知手段18,総負荷電流値算出手段12,負荷電
流値取得手段13,放電終止電圧検出手段14,しきい
値生成手段15,電圧比較手段16,エンジン停止検出
手段19,及びキーポジション検出手段20は、共にC
PU4の1機能(処理ステップ)を構成するものであ
る。
【0078】ところで、本発明の第2の実施の形態で
は、図11のステップU7にて放電終止電圧VEND を求
める際、総負荷電流値に基づいて、放電終止電圧データ
テーブルから放電終止電圧VEND を読み出すことで求め
ているが、既述の本発明の第1の実施の形態と同様、総
負荷電流と放電終止電圧との関係を示す近似式(前記式
1)を用いて求めるようにしてもよい。
【0079】次に、本発明の第3の実施の形態について
図面を参照して説明を行う。本発明におけるバッテリー
上がり防止装置の構成は、図10の本発明の第2の実施
の形態を示すブロック図の構成と同様であるので、説明
は省略する。以下、本発明の第3の実施の形態の動作に
ついて、図10のブロック図,図12のフローチャー
ト,並びに図13のデータテーブルを参照しながら本発
明のバッテリー上がり防止装置(CPU4)におけるバ
ッテリー上がり防止処理動作について説明する。尚、図
12は本発明のバッテリー上がり防止装置の第3の実施
の形態における動作の一例を示すフローチャートであ
る。
【0080】図12のフローチャートに示すように、C
PU4は、車両等に搭載されたエンジンが停止したこと
が、エンジン停止検出手段19によって、IGN−SW
の状態から検出されると(ステップV1)、状態情報出
力手段24より動作負荷装置検知手段18に供給された
状態情報出力信号に基づき、動作負荷装置検知手段18
にて検知された各スイッチ(図10ではSW1およびS
W2)の状態によって、現在スイッチがON状態(動
作)中の、即ち、バッテリー5よりバッテリー電源が供
給されている負荷装置(電装品)の検出を行う(ステッ
プV2)。
【0081】そして、検出された負荷装置それぞれに該
当するOFFフラグ及びACCフラグを、CPU4の総
負荷電流値算出手段12を構成する負荷電流記憶手段2
3に記憶されている図13に示す如くのフラグ付き負荷
電流データテーブルから読み出した後(ステップV
3)、エンジン停止検出手段19内に設けられたキーポ
ジション検出手段20により、キーポジション情報の判
別を行う(ステップV4)。
【0082】ステップV4にて、キーポジション情報が
OFFポジションであると判別された場合、CPU4
は、前記動作負荷装置検知手段18にて検出された負荷
装置(電装品)のうち、OFFフラグが“1”の負荷装
置における負荷電流値を、前記負荷電流記憶手段23に
記憶されている図13に示す如くのフラグ付き負荷電流
データテーブルから、総負荷電流値算出手段12を構成
する負荷電流値取得手段13にて読み取って加算するこ
とにより、総負荷電流値を求める(ステップV5,V
7)。
【0083】一方、ステップV4にて、キーポジション
情報がACCポジションであると判別された場合、CP
U4は、前記動作負荷装置検知手段18にて検出された
負荷装置(電装品)のうち、ACCフラグが“1”の負
荷装置における負荷電流値を、前記負荷電流記憶手段2
3に記憶されている図13に示す如くのフラグ付き負荷
電流データテーブルから、同じく総負荷電流値算出手段
12を構成する負荷電流値取得手段13にて読み取って
加算することにより、総負荷電流値を求める(ステップ
V6,V7)。
【0084】尚、本実施の形態においても、負荷電流デ
ータテーブルには2つの負荷装置(ラジオ及びヘッドラ
ンプ)に関するデータ(負荷電流量)についてのみ記載
されているが、実際の車両に搭載される場合には、例え
ば、当該車両に搭載され得る全ての負荷装置(電装品)
に関するデータ(負荷電流量)全てをデータテーブルと
して持つようにすると良い。このように、負荷装置毎の
負荷電流量(図13のフラグ付き負荷電流データテーブ
ル)を内部データテーブルとして持つことにより、各負
荷装置を流れる負荷電流または全負荷装置を流れる総負
荷電流を測定するための回路が不要となり、コスト削減
が図れるという効果が得られる。
【0085】次に、CPU4は、求められた総負荷電流
値から、CPU4を構成する放電終止電圧検出手段14
により、該放電終止電圧検出手段14に設けられた図示
しない記憶手段に記憶されている、図6に示す如くの放
電終止電圧データテーブルから放電終止電圧を求めると
共に、放電終止電圧データテーブルから求められた当該
放電終止電圧値に所定の値αを加算した値(以下、しき
い値という)をしきい値生成手段15にて求める(ステ
ップV8,V9)。尚、αの値としては、例えばセルモ
ーターを回してエンジンを始動するのに最低限必要な、
セルモーターに供給すべきエネルギー(バッテリー容
量)に相当する電圧値が設定される。
【0086】また、CPU4は、バッテリー電圧検知手
段3により検出されたバッテリー5のバッテリー電圧を
読み出し(ステップV10)、しきい値生成手段15に
より求められたしきい値と、バッテリー電圧検知手段3
から読み取ったバッテリー5のバッテリー電圧値と、の
比較を電圧比較手段16にて行う(ステップV11)。
【0087】ステップV11における比較の結果、バッ
テリー電圧値が放電終止電圧値より高電圧であると判断
された場合、即ち、エンジン停止後に稼働している各負
荷装置によって消費されたエネルギー量(バッテリー容
量)をバッテリー5のバッテリー容量から差し引いた値
(バッテリー残容量)が、エンジンを始動するのに十分
な容量を残していると判断された場合、CPU4は継続
して各負荷装置に対して通電(給電)を行い、所定の時
間が経過するのを待って(ステップV12)、再度、電
圧検知回路3により検出されたバッテリー5のバッテリ
ー電圧を読み出し(ステップV10)、しきい値生成手
段15により求められたしきい値と、バッテリー電圧検
知手段3から新しく読み取ったバッテリー5のバッテリ
ー電圧値と、の比較を電圧比較手段16にて行う(ステ
ップV11)。
【0088】ステップV11における比較の結果、バッ
テリー電圧値が放電終止電圧値に所定の値αを加算した
しきい値以下であると判断された場合、即ち、エンジン
停止後に稼働している各負荷装置によって消費されたエ
ネルギー量(バッテリー容量)をバッテリー5のバッテ
リー容量から差し引いた値(バッテリー残容量)が、エ
ンジンを始動するのに最低限必要な容量しか残っていな
いと判断された場合、CPU4を構成する電源供給停止
手段17は全てのリレー(RLY)をOFF制御して、
その管理下にある全負荷装置への通電(給電)を停止す
るよう制御を行う(ステップV13)。
【0089】これにより、エンジン停止後、バッテリー
5の残容量が、エンジンを始動するのに最低限必要な容
量まで減少すると、CPU4の制御により、車両等に設
けられた負荷装置(電装品)へのバッテリー電源の供給
が自動的に全て停止(遮断)され、エンジン停止後にお
けるバッテリー負荷装置(電装品)であるランプ類の消
し忘れや、ラジオ(車載AV機器等)の連続使用等によ
るバッテリー上がりの発生が防止される。
【0090】尚、前記電源供給停止手段17,動作負荷
装置検知手段18,総負荷電流値算出手段12,負荷電
流値取得手段13,放電終止電圧検出手段14,しきい
値生成手段15,電圧比較手段16,エンジン停止検出
手段19,及びキーポジション検出手段20は、共にC
PU4の1機能(処理ステップ)を構成するものであ
る。
【0091】ところで、本発明の第3の実施の形態で
は、図11のステップU7にて放電終止電圧VEND を求
める際、総負荷電流値に基づいて、放電終止電圧データ
テーブルから放電終止電圧VEND を読み出すことで求め
ているが、既述の本発明の第1の実施の形態と同様、総
負荷電流と放電終止電圧との関係を示す近似式(前記式
1)を用いて求めるようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】以上述べたように、上記請求項1に記載
の発明によれば、負荷装置へのバッテリー電源の供給
は、バッテリー上がりの直前まで行われるようになる。
この結果、例えばバッテリー残存容量に関係なく駐車を
開始してからある一定時間経過したときにバッテリー電
源の供給を停止してしまうような場合と比較して、ユー
ザは前記バッテリー電源を最大限利用することができ、
且つライトの消し忘れ等に因るバッテリー上がりを確実
に防止することができる。
【0093】請求項2に記載の発明によれば、負荷装置
毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブルとし
て持つようにしたので、各負荷装置を流れる負荷電流ま
たは全負荷装置を流れる総負荷電流を測定するための回
路が不要となり、コスト削減を図ることができる。
【0094】請求項3に記載の発明によれば、キーポジ
ションョンがOFFポジションである場合には、イグニ
ッションスイッチがACCポジション時にのみ使用可能
な負荷装置は、最初から動作していないものとして扱う
(ソフトウェア的に)ようにしたので、回路(ハードウ
ェア)構成を簡便なものとできる。
【0095】請求項4に記載の発明によれば、キーポジ
ションョンがOFFポジションであって、イグニッショ
ンスイッチがACCポジション時にのみ使用可能な負荷
装置にはバッテリー電源の供給が行われていないにも関
わらず、前記動作負荷装置検知手段にて、前記負荷装置
が動作中であると検知された場合であっても、前記総負
荷電流値算出手段にて動作していないものとして判断す
るようにしたので、回路(ハードウェア)構成を簡便な
ものとできると共に、より確実に動作中負荷装置の判別
が可能となる。
【0096】請求項5に記載の発明によれば、前記複数
の負荷装置の組み合わせによって計算される、全ての負
荷電流値の総量と、それらに対応した放電終止電圧値を
記憶した情報を内部データテーブルとして持つようにし
たので、CPUの負荷を減らすと共に、CPUによるソ
フトウェア処理(演算処理)をより高速に行うことがで
きる。
【0097】請求項6に記載の発明によれば、放電終止
電圧VEND を、簡単な演算を行うことにより算出できる
ため、時間が経過するに従って急激に電圧値が減少する
といったバッテリの特性を反映した放電終止電圧VEND
を容易に、且つ正確に算出することができる。
【0098】請求項7に記載の発明によれば、しきい値
として、前記エンジンを始動するのに最低限必要なセル
モーターに供給すべきエネルギー量に相当する電圧値
を、前記放電終止電圧に加算した値に設定したので、バ
ッテリの残存容量がエンジンを再作動させることができ
なくなるまで低下する前に、バッテリ電源の消費を抑え
ることができる。
【0099】請求項8に記載の発明によれば、負荷装置
それぞれをON/OFFするためのスイッチ手段のON
/OFFの状態情報を出力する状態情報出力手段を新た
に設けたので、単に、スイッチのON/OFFの状態で
なく、該スイッチのON/OFFに対応し、実際に負荷
装置に電源の供給が行われているか否かが前記動作負荷
装置検知手段に通知され、装置の誤動作(放電終止電圧
END の算出誤り等)を減少させることができる。
【0100】請求項9に記載の発明によれば、状態情報
出力手段は、当該負荷装置に対応する前記電源線開閉手
段が開の状態である場合、前記負荷装置に対応するスイ
ッチ手段が無条件でOFF状態であるとして、前記動作
負荷装置検知手段に通知するようにしたので、装置の誤
動作(放電終止電圧VEND の算出誤り等)を、さらに減
少させることができる。
【0101】請求項10に記載の発明によれば、負荷装
置毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブルと
して持つようにしたので、各負荷装置を流れる負荷電流
または全負荷装置を流れる総負荷電流を測定する必要が
無く、コスト削減を図りつつ、駐車時のバッテリ上がり
の原因の大半である、ヘッドライト等の負荷のスイッチ
の切り忘れによる駐車時のバッテリ上がりの問題を一括
して解決するバッテリー上がり防止方法を提供すること
ができる。
【0102】請求項11に記載の発明によれば、負荷装
置へのバッテリー電源の供給を、バッテリー上がりの直
前まで行われるようにしたので、例えばバッテリー残存
容量に関係なく駐車を開始してからある一定時間経過し
たときにバッテリー電源の供給を停止してしまうような
場合と比較して、ユーザは前記バッテリー電源を最大限
利用することができ、且つライトの消し忘れ等に因るバ
ッテリー上がりを確実に防止することが可能なバッテリ
ー上がり防止方法を提供することができる。
【0103】請求項12に記載の発明によれば、負荷装
置毎の負荷電流量を示した情報を内部データテーブルと
して持つようにしたので、各負荷装置を流れる負荷電流
または全負荷装置を流れる総負荷電流を測定する必要が
無く、ハード/ソフト両者においてコストの削減を図る
ことができる。
【0104】請求項13に記載の発明によれば、キーポ
ジションョンがOFFポジションであると検出された場
合には、イグニッションスイッチがACCポジション時
にのみ使用可能な負荷装置は、最初から動作していない
ものとして扱う(ソフトウェア的に)ようにしたので、
回路(ハードウェア)構成及びソフトウェアによる制御
を簡便なものとできる。
【0105】請求項14に記載の発明によれば、キーポ
ジションョンがOFFポジションであって、イグニッシ
ョンスイッチがACCポジション時にのみ使用可能な負
荷装置には、バッテリー電源の供給が行われないにも関
わらず、前記負荷装置が動作中であると判別された場合
であっても、前記総負荷電流値算出手段にて動作してい
ないものとして判断するようにしたので、回路(ハード
ウェア)構成を簡便なものとできると共に、より確実に
動作中負荷装置を判別する方法を提供することができ
る。
【0106】請求項15に記載の発明によれば、放電終
止電圧VEND を、簡単な演算を行うことにより算出する
ようにしたので、時間が経過するに従って急激に電圧値
が減少するといったバッテリの特性を反映した放電終止
電圧VEND を容易に、且つ正確に算出する方法を提供す
ることができる。
【0107】請求項16に記載の発明によれば、しきい
値として、前記エンジンを始動するのに最低限必要なセ
ルモーターに供給すべきエネルギー量に相当する電圧値
を、前記放電終止電圧に加算した値に設定したので、バ
ッテリの残存容量がエンジンを再作動させることができ
なくなるまで低下する前に、バッテリ電源の消費を抑え
ることが可能なバッテリー上がり防止方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリー上がり防止装置の基本構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるバッテリー上がり防止装置の第
1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明のバッテリー上がり防止装置の第1の実
施の形態における動作の一例を示すフローチャートであ
る。
【図4】各負荷装置における負荷電流値を示す負荷電流
データテーブルである。
【図5】各スイッチ(負荷装置)のON/OFFの状態
における総負荷電流値を示す総負荷電流データテーブル
である。
【図6】総負荷電流値における放電終止電圧VEND を示
す放電終止電圧データテーブルである。
【図7】バッテリーの一般的な放電特性(電流値一定)
を示したグラフである。
【図8】各放電電流における放電時間とバッテリー電圧
及び放電終止電圧VEND との関係を示したグラフであ
る。
【図9】バッテリーの放電電流と放電終止電圧との相関
関係を示したグラフである。
【図10】本発明におけるバッテリー上がり防止装置の
第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】本発明のバッテリー上がり防止装置の第2の
実施の形態における動作の一例を示すフローチャートで
ある。
【図12】本発明のバッテリー上がり防止装置の第3の
実施の形態における動作の一例を示すフローチャートで
ある。
【図13】各負荷装置における負荷電流値を示すフラグ
付き負荷電流データテーブルである。
【図14】従来のバッテリー上がり防止装置の一例を示
すブロック図である。
【図15】従来におけるバッテリー上がり防止装置の動
作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 バッテリー電圧検知手段 4 CPU 5 バッテリー 12 総負荷電流値算出手段 14 放電終止電圧検出手段 15 しきい値生成手段 16 電圧比較手段 17 電源供給停止手段 18 動作負荷装置検知手段 19 エンジン停止検出手段 21 負荷 21a,21b,… 負荷装置 22 電源線開閉手段 IGN−SW イグニッションスイッチ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載された複数の負荷装置から成る
    負荷に対し、バッテリー上がりの発生しない範囲におい
    て、電源線開閉手段を介し、各々電源を供給する前記車
    両に搭載されたバッテリー上がり防止装置であって、 エンジンが停止したことを検出するエンジン停止検出手
    段と、 前記エンジン停止検出手段によりエンジンの停止が検出
    されることにより、動作中の負荷装置を検知する動作負
    荷装置検知手段と、 前記動作負荷装置検知手段により検知された各負荷装置
    を流れる各負荷電流値の総量を求める総負荷電流値算出
    手段と、 前記バッテリーの電圧値を検知するバッテリー電圧検知
    手段と、 前記負荷電流値の総量から放電終止電圧を求める放電終
    止電圧検出手段と、 前記放電終止電圧に所定の値を加算することによりしき
    い値を生成するしきい値生成手段と、 前記しきい値と前記バッテリー電圧値とを比較する電圧
    比較手段と、 前記電圧比較手段により、前記バッテリー電圧値が前記
    しきい値以下となったことが検出されると、前記電源線
    開閉手段を制御し、前記負荷装置全てに対して電源の供
    給を停止する電源供給停止手段と、 を備えたことを特徴とするバッテリー上がり防止装置。
  2. 【請求項2】前記総負荷電流値算出手段は、 前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給されたとき
    に、前記負荷装置各々に流れる負荷電流値を予め記憶し
    た負荷電流記憶手段と、 前記動作負荷装置検知手段により検知された動作中負荷
    装置を流れる各負荷電流値を、前記負荷電流記憶手段よ
    り取得する負荷電流値取得手段と、 を備え、 前記負荷電流値取得手段により取得された各負荷電流値
    の総和をとることにより、前記各負荷電流値の総量を求
    めることを特徴とする請求項1に記載のバッテリー上が
    り防止装置。
  3. 【請求項3】前記エンジン停止検出手段は、 イグニッションスイッチがOFFまたはACCの何れの
    ポジションにあるかを検出するキーポジション検出手段
    を備え、 前記電源供給停止手段は、 前記キーポジション検出手段により検出されたキーポジ
    ションョンがOFFポジションであった場合には、イグ
    ニッションスイッチがACCポジション時に使用可能で
    あってOFFポジション時には使用不能な負荷装置に対
    し、前記電源線開閉手段を制御してバッテリー電源の供
    給を停止し、 前記動作負荷装置検知手段は、 前記キーポジション検出手段により検出されたキーポジ
    ションョンがOFFポジションであった場合には、イグ
    ニッションスイッチがACCポジション時に使用可能で
    あってOFFポジション時には使用不能な負荷装置を、
    非動作の負荷装置であると検知する、 ことを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリー
    上がり防止装置。
  4. 【請求項4】前記エンジン停止検出手段は、 イグニッションスイッチがOFFまたはACCの何れの
    ポジションにあるかを検出するキーポジション検出手段
    を備え、 前記負荷電流記憶手段は、 前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給されたとき
    に各負荷装置それぞれを流れる負荷電流値を示した負荷
    電流値情報と、 前記キーポジションによって、どの負荷装置が動作する
    かを示した各負荷装置のポジション情報と、 を予め記憶し、 前記負荷電流値取得手段は、 前記キーポジション検出手段により検出されたキーポジ
    ションョンがOFFポジションであった場合、前記動作
    負荷装置検知手段の検知結果に関わらず、前記各負荷装
    置のポジション情報からACCポジション時に使用可能
    でOFFポジション時には使用不能であると判別された
    負荷装置は動作中負荷装置ではないと判断し、当該負荷
    装置における負荷電流値を、前記負荷電流記憶手段より
    取得しない、 ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリー上がり防
    止装置。
  5. 【請求項5】前記放電終止電圧検出手段は、 前記複数の負荷装置の組み合わせによって計算される、
    全ての負荷電流値の総量と、それらに対応した放電終止
    電圧値を記憶する放電終止電圧値記憶手段と、 前記総負荷電流値算出手段により求められた負荷電流値
    の総量に対応する放電終止電圧値を、前記放電終止電圧
    値記憶手段より読み出す放電終止電圧値読み出し手段
    と、 により構成されることを特徴とする請求項1乃至4に記
    載のバッテリー上がり防止装置。
  6. 【請求項6】前記放電終止電圧検出手段は、 バッテリーの解放端電圧をVOPEN ,バッテリーの規格
    容量に依存する比例定数をa,前記負荷電流値の総量を
    Iとしたとき、前記放電終止電圧VEND を、次式、 VEND = −a・I + VOPEN ・・・・・ (式1) により求めることを特徴とする請求項1乃至4に記載の
    バッテリー上がり防止装置。
  7. 【請求項7】前記しきい値生成手段により生成されたし
    きい値は、前記エンジンを始動するのに最低限必要なセ
    ルモーターに供給すべきエネルギー量に相当する電圧値
    を、前記放電終止電圧に加算した値に設定されることを
    特徴とする請求項1乃至6に記載のバッテリー上がり防
    止装置。
  8. 【請求項8】前記負荷は、 前記負荷装置それぞれをON/OFFするためのスイッ
    チ手段と、 前記スイッチ手段のON/OFFの状態情報を出力する
    状態情報出力手段と、 を備え、 前記動作負荷装置検知手段は、 前記状態情報出力手段より供給される前記スイッチ手段
    のON/OFFの状態情報から、動作中の負荷装置を検
    知することを特徴とする請求項1乃至7に記載のバッテ
    リー上がり防止装置。
  9. 【請求項9】前記負荷装置それぞれをON/OFFする
    ためのスイッチ手段のON/OFFの状態情報を出力す
    る状態情報出力手段は、 当該負荷装置に対応する前記電源線開閉手段が開の状態
    では、当該負荷装置に対応するスイッチ手段がOFF状
    態であるとして状態情報の出力を行うことを特徴とする
    請求項8に記載のバッテリー上がり防止装置。
  10. 【請求項10】メイン動力源が停止した際、車両に搭載
    された複数の負荷装置に対し、バッテリー上がりの発生
    しない範囲にて電源を供給するバッテリー上がり防止方
    法において、 前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給された際に
    前記負荷装置それぞれに流れる負荷電流値を記憶した負
    荷電流記憶手段より、通電状態にある負荷装置の負荷電
    流値を読み出して加算し、その総和である総負荷電流値
    を求め、 前記バッテリー電圧値が、前記総負荷電流値に応じて決
    定される所定の電圧値以下となった場合、前記負荷装置
    全てに対して電源の供給を停止する、 ことを特徴とするバッテリー上がり防止方法。
  11. 【請求項11】車両に搭載された複数の負荷装置から成
    る負荷に対し、バッテリー上がりの発生しない範囲にお
    いて、電源線開閉手段を介して各々電源を供給するバッ
    テリー上がり防止方法であって、 エンジンが停止したことを検出するエンジン停止検出手
    段によってエンジンの停止が検出されると、前記バッテ
    リーから電源の供給されている動作中負荷装置を検出
    し、 前記検出された動作中負荷装置それぞれを流れる負荷電
    流値を取得し、 取得された各負荷電流値から、動作中負荷装置それぞれ
    を流れる負荷電流値の総量を求め、 前記バッテリーが前記各負荷装置にバッテリー電源を供
    給している状態におけるバッテリーの電圧値を検知し、 前記負荷電流値の総量から放電終止電圧を求め、 前記放電終止電圧に所定の値を加算したしきい値と、前
    記バッテリー電圧値とを比較し、 前記バッテリー電圧値が前記しきい値以下となったこと
    が検出されると、前記電源線開閉手段を開状態にして、
    前記負荷装置全てに対してバッテリー電源の供給を停止
    する、 ことを特徴とするバッテリー上がり防止方法。
  12. 【請求項12】前記動作中負荷装置を流れる各負荷電流
    値の取得は、 前記複数の負荷装置にバッテリー電源が供給された際前
    記各負荷装置に流れる負荷電流値を記憶した負荷電流値
    記憶手段より、前記複数の負荷装置のうちの通電状態に
    ある負荷装置に対応する負荷電流値を読み出すことによ
    って行われ、 前記負荷電流値の総量は、 前記負荷電流値記憶手段より読み出された、通電状態に
    ある負荷装置を流れる負荷電流値を、全て加算すること
    により求められる、 ことを特徴とする請求項11に記載のバッテリー上がり
    防止方法。
  13. 【請求項13】前記エンジン停止検出手段は、イグニッ
    ションスイッチがOFFまたはACCの何れのキーポジ
    ションにあるかを検出する機能を有し、 前記キーポジションがOFFポジションにあることが検
    出された場合には、前記イグニッションスイッチがAC
    Cポジション時に使用可能であって、OFFポジション
    時には使用不能な負荷装置に対し、前記電源線開閉手段
    を制御して、バッテリー電源の供給を停止することを特
    徴とする請求項11または12に記載のバッテリー上が
    り防止方法。
  14. 【請求項14】前記エンジン停止検出手段は、イグニッ
    ションスイッチがOFFまたはACCの何れのキーポジ
    ションにあるかを検出する機能を有し、 前記キーポジションがOFFポジションにあることが検
    出され場合、前記負荷電流記憶手段に予め記憶された、
    キーポジションによってどの負荷装置が動作可能である
    かを示した各負荷装置のポジション情報に基づいて、A
    CCポジション時に使用可能でOFFポジション時には
    使用不能であると判別された負荷装置を動作中負荷装置
    から除外することを特徴とする請求項12に記載のバッ
    テリー上がり防止方法。
  15. 【請求項15】前記放電終止電圧VEND は、 バッテリーの解放端電圧をVOPEN ,バッテリーの規格
    容量に依存する比例定数をa,前記負荷電流値の総量を
    Iとしたとき、次式、 VEND = −a・I + VOPEN ・・・・・ (式1) により求められることを特徴とする請求項11乃至14
    に記載のバッテリー上がり防止方法。
  16. 【請求項16】前記しきい値は、前記エンジンを始動す
    るのに最低限必要な、セルモーターに供給すべきエネル
    ギー量に相当する電圧値を、前記放電終止電圧に加算し
    て設定されることを特徴とする請求項11乃至15に記
    載のバッテリー上がり防止方法。
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