JP2024045998A - 車両電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のユーザが共同購入した移動体について、公平性を考慮した利用を可能とする。【解決手段】車両電源システムは車両電源制御装置を有し、車両電源制御装置は、第2低圧電源の内部抵抗を測定して劣化状態にあるか否かを推定する。車両電源制御装置は、第2低圧電源に充電する場合の第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより推定を行う第1推定処理と、第2低圧電源からの放電電力に基づいて推定を行う第2推定処理と、を実行可能であり、車両電源システムの高圧電源部がオン状態であり、高圧電源部から第1電源系統に電力を供給している状態であり、かつ、車両の状態が所定条件を満たす場合には第2推定処理を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両電源システムに関する。
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて予防安全に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。また、予防安全に貢献する技術の一つとして、自動運転に関する研究開発への注力が行われている。
自動運転など交通の安全性確保のために機能する機能部を搭載した車両においては、この種の機能部に対する電源供給を安定させることが重要である。このため、車両の電源の状態を精度良く監視するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、車両が搭載する電池の充電状態を推定することにより、電池の劣化状態を判定する技術が開示されている。
特開2019-152551号公報
車両に搭載された電池の状態を推定する技術は、車両の状態の影響を受けやすい。例えば、特許文献1に記載された技術では、電池の温度が閾値より低いことを条件として、充電状態を推定する。このように、車両の状態によっては電池の状態を精度よく推定あるいは判定することが難しいという課題があった。このため、電池の状態に問題がないことを確認できない事態が発生し得るため、交通の安全性確保のための機能部を車両に実装する際の課題となっていた。
本願は上記課題の解決のため、自動運転など交通の安全性確保のために機能する機能部を搭載した車両において、車両の状態による影響を受けにくい手法により、機能部に電力供給する電源の状態を推定することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
上記目的を達成するための一態様は、第1低圧電源及び第1電力負荷を有する第1電源系統と、第2低圧電源及び第2電力負荷を有し、前記第1電源系統と接続する第2電源系統と、前記第1電源系統、又は、前記第2電源系統の定格電圧よりも高い電圧を出力可能な高圧電源部と、を車両に搭載して構成される車両電源システムであって、前記第2電源系統は、前記第2低圧電源から前記第1電源系統に電力供給可能に前記第1電源系統に接続する状態と、前記第2低圧電源と前記第1電源系統とを遮断した状態と、を切り替え可能な切替装置と、前記切替装置を制御する車両電源制御装置と、を有し、前記車両電源制御装置は、前記第2低圧電源の内部抵抗を測定して劣化状態にあるか否かを推定する推定処理を実行し、前記推定処理の推定結果に基づいて、前記第2低圧電源が劣化状態にあるか否かを示す信号を出力可能であり、前記推定処理として、前記第2低圧電源に充電する場合の前記第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより推定を行う第1推定処理と、前記第2低圧電源からの放電電力に基づいて推定を行う第2推定処理と、を実行可能であり、前記車両電源システムの前記高圧電源部がオン状態であり、前記高圧電源部から前記第1電源系統に電力を供給している状態であり、かつ、前記車両の状態が所定条件を満たす場合には前記第2推定処理を実行する、車両電源システムである。
上記構成によれば、第1電力負荷と第2電力負荷に電力供給可能な第2低圧電源の劣化状態を、車両の状態による影響を受けにくい方法により、高精度で推定できる。
実施形態の車両電源システムの概略構成図。 車両電源システムにおける推定処理の説明図。 車両電源システムにおける推定処理の説明図。 車両電源システムの動作を示すフローチャート。 車両電源システムの動作を示すフローチャート。 状態検知動作の実行タイミングの例を示す説明図。
以下、本発明の車両電源システムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
[1.車両電源システムの構成]
[1-1.車両電源システムの全体構成]
図1は、車両電源システム1の概略構成図である。図1において実線は電力線を示し、破線は信号線を示す。
本実施形態における車両Vの車両電源システム1は、主電源系統10と、主電源系統10と接続するバックアップ電源系統20と、高圧電源系統30と、降圧装置40と、を備える。高圧電源系統30は、降圧装置40を介して主電源系統10及びバックアップ電源系統20と接続している。降圧装置40は、高圧電源系統30を流れる電力を降圧して、主電源系統10及び/またはバックアップ電源系統20に出力する。降圧装置40は、例えば、DC/DCコンバータである。
本実施形態では、一例として、車両Vが、走行用の動力源として回転電機MGを備える電動車両である場合を説明する。回転電機MGは、例えば3相モータであり、不図示のインバータユニットにより供給される電力により駆動力を発生し、車両Vを走行させる。車両Vは、後述する回転電機MGを備える駆動ユニット321を備える。車両Vは、駆動ユニット321に駆動用の電力を供給する高圧電源31を搭載する。駆動ユニット321は、高圧電源31が出力する高圧の電力の供給を受ける負荷であり、後述する高圧負荷32に含まれる。
なお、車両Vは、内燃機関を搭載する車両であってもよい。内燃機関は、車両Vを駆動する動力源として機能してもよい。或いは、内燃機関は、不図示の発電機を駆動する動力源として機能し、後述する高圧電源31を充電してもよい。すなわち、車両Vは、内燃機関を備えていない電動車両であってもよいし、内燃機関と車両駆動用の回転電機MGとを備えるハイブリッド車両であってもよいし、内燃機関により駆動される車両であってもよい。車両Vは、例えば、自律運転、或いは、自動運転が可能な車両である。車両Vが、内燃機関を搭載する場合、高圧電源31から電力の供給を受ける高圧負荷32は、例えばスターターモータを含む。
[1-2.主電源系統の構成]
主電源系統10は、メイン低圧電源11と、通常負荷12と、を有する。
メイン低圧電源11は、高圧電源31よりも低電圧の電源である。メイン低圧電源11は、例えば12[V]の直流電流を出力する。メイン低圧電源11は、例えば、充電および放電が可能な二次電池である。具体的には、メイン低圧電源11としては、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、金属水素化物バッテリ、或いはその他のバッテリが挙げられる。
メイン低圧電源11は、接続線L11に設けられている。接続線L11は、一端部が接続線L10に形成された接点C11に接続され、他端部が車両電源システム1の基準電位を有するグランドラインに接続されている。メイン低圧電源11は、正極側が接続線L11の接点C11側に接続しており、負極側が接続線L11のグランドライン側に接続される。
接続線L10の一端部には、通常負荷12が接続される。通常負荷12(図中、EL)は、車両Vが搭載する電力負荷である。通常負荷12は単一の機器であってもよいし、複数の機器を含んでもよい。本実施形態において、通常負荷12は、車両Vの走行に関する機能を担う機能部である。通常負荷12は、例えば、車両Vの走行操作、停車操作、又は、運転制御に関する機能を担う負荷を含む。通常負荷12は、高圧負荷32よりも低い電圧により動作するので、高圧負荷32との対比により低圧負荷と呼ぶことができる。また、通常負荷12は、車両Vにおいて、いわゆる補機と呼ばれる機器を含んでもよい。
具体的には、通常負荷12は、車両Vの運転制御を実行可能なECU50(Electronic Control Unit)を含む。図1に示すECU50は、一つのECUで構成されてもよいし、複数のECUを含んでもよい。例えば、通常負荷12は、車両Vが備える複数のECUの一部を含んでもよい。また、通常負荷12は、車両Vが搭載する制御ユニットであって、ECU50とは異なる不図示の制御ユニットを含んでもよい。
また、通常負荷12は、自動ブレーキ装置等の車両Vの制動に用いられる補機負荷を含んでもよい。通常負荷12は、自動ステアリング装置等の車両Vの操舵に用いられる補機負荷を含んでもよい。通常負荷12は、LiDAR(Light Detection And Ranging)等の車両Vの外界情報の取得に用いられる補機負荷を含んでもよい。通常負荷12は、ワイパー装置、パワーウインドウ装置、メーターパネル等の計器類を含んでもよい。
[1-3.バックアップ電源系統の構成]
バックアップ電源系統20は、バックアップ電源ユニット21と、緊急時重要負荷22と、を有する。
バックアップ電源ユニット21は、バックアップ低圧電源23と、切替装置24と、切替装置24を制御するバックアップ電源制御装置25と、を備える。
バックアップ電源ユニット21は、第1外部接続端子T211、第2外部接続端子T212、及びグランド端子T213を備える。第1外部接続端子T211には、接続線L10の他端部が接続される。グランド端子T213は、グランドラインに接続される。
緊急時重要負荷22(図中、EL)は、車両Vが搭載する電力負荷である。緊急時重要負荷22は、単一の機器であってもよいし、複数の機器を含んでもよい。緊急時重要負荷22は、高圧負荷32よりも低い電圧により動作するので、高圧負荷32との対比により低圧負荷と呼ぶことができる。
緊急時重要負荷22は、接続線L21によって、バックアップ電源ユニット21の第2外部接続端子T212に接続される。
切替装置24は、第1端子T241、第2端子T242、及び第3端子T243を備える。第1端子T241は、接続線L211によって、バックアップ電源ユニット21の第1外部接続端子T211に接続されている。第2端子T242は、接続線L212によって、バックアップ電源ユニット21の第2外部接続端子T212に接続されている。
切替装置24は、第1端子T241と第2端子T242とを接する接続線L241を備える。接続線L241には、第1スイッチSW1が設けられている。本実施形態では、第1スイッチSW1は、ノーマリーオープン型(N.O.型)の接点を有するスイッチである。すなわち、第1スイッチSW1は、第1スイッチSW1に操作信号が加わっていない場合にオフ状態に維持され、接続線L241を遮断状態に維持する接点である。第1スイッチSW1は、操作信号が印加されることによりオン状態に切り替わって、第1端子T241と第2端子T242とを接続する。
例えば、第1スイッチSW1が、電磁力により開閉する電磁スイッチで構成される場合、第1スイッチSW1は、操作電流による電磁力が発生していない場合にオフ状態に維持され、接続線L241を遮断状態に維持する。
第1スイッチSW1は、電磁接触器、電磁開閉器、リレー等の電磁スイッチであってもよいし、半導体スイッチ素子であってもよいし、スイッチ機能を有するDC/DCコンバータ等の回路であってもよい。
切替装置24は、接続線L241と第3端子T243とを接続する接続線L242を備える。接続線L242は、接続線L241の第1スイッチSW1と第2端子T242との間に形成された接点C241で一端部が接続線L241に接続し、他端部が第3端子T243に接続する。
接続線L242には、第2スイッチSW2が設けられている。第2スイッチSW2は、オン状態において接続線L242を接続し、オフ状態において接続線L242を遮断する。
第2スイッチSW2は、電磁接触器、電磁開閉器、リレー等の電磁スイッチであってもよいし、半導体スイッチ素子であってもよいし、スイッチ機能を有するDC/DCコンバータ等の回路であってもよい。本実施形態において、第2スイッチSW2は、DC/DCコンバータである。このため、後述するように、第2スイッチSW2は、オン状態において接続線L242から接点C241に出力される電圧を昇降圧可能となっている。つまり、本実施形態の第2スイッチSW2は、接続線L242を接続および遮断する機能と、接続線L242から接点C241に出力する電圧を変換する機能とを有する。
切替装置24は、接続線L241と並列に接続する接続線L243を備える。接続線L243の一端部は、接続線L241の第1端子T241と第1スイッチSW1との間に形成された接点C242に接続する。接続線L243の他端部は、接続線L241の接点C241と第2端子T242との間に形成された接点C243に接続する。接続線L243には、第3スイッチSW3が設けられる。
本実施形態では、第3スイッチSW3は、ノーマリークローズ型(N.C.型)の接点を有するスイッチである。すなわち、第3スイッチSW3は、第3スイッチSW3に操作信号が加わっていない場合にオン状態に維持される接点である。第3スイッチSW3は、操作信号が印加されることによりオフ状態に切り替わって、接続線L243を接続状態にする。
例えば、第3スイッチSW3が、電磁力により開閉する電磁スイッチで構成される場合、第3スイッチSW3は、操作電流による電磁力が発生していない場合にオン状態に維持され、接続線L243を接続状態に維持する。
第3スイッチSW3は、電磁接触器、電磁開閉器、リレー等の電磁スイッチであってもよいし、半導体スイッチ素子であってもよいし、スイッチ機能を有するDC/DCコンバータ等の回路であってもよい。
本実施形態では、第1スイッチSW1と第3スイッチSW3とは、スイッチモジュール241としてモジュール化されている。スイッチモジュール241の具体的な構成は制限されず、例えば、スイッチモジュール241は、1つの半導体デバイスであってもよいし、複数のデバイスを含む回路であってもよい。
切替装置24は、接続線L241とグランドラインとを接続する接続線L244を備える。接続線L244の一端部は接続線L241の第1スイッチSW1と接点C241との間に形成された接点C244に接続する。接続線L244の他端部はグランドラインに接続する。接続線L244には、キャパシタCPが設けられている。
バックアップ低圧電源23は、高圧電源31よりも低電圧の電源である。バックアップ低圧電源23は、例えば12[V]の直流電流を出力する。バックアップ低圧電源23は、例えば、充電および放電が可能な二次電池である。具体的には、バックアップ低圧電源23としては、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、金属水素化物バッテリ、或いはその他のバッテリが挙げられる。
バックアップ低圧電源23は、接続線L213に設けられている。接続線L213の一端部は切替装置24の第3端子T243に接続される。接続線L213の他端部はグランドラインに接続されている。バックアップ低圧電源23は、正極側が切替装置24の第3端子T243側、負極側がグランドライン側となるように接続線L213に設けられている。
第2スイッチSW2がオン状態のとき、バックアップ低圧電源23は、接続線L213から切替装置24の接続線L242を通ってバックアップ電源系統20に電力を供給する。バックアップ低圧電源23から出力される電力は、第2スイッチSW2で所望の電圧に昇圧または降圧されて、バックアップ電源系統20に供給される。第2スイッチSW2がオフ状態のとき、切替装置24の接続線L242が遮断状態となるので、バックアップ低圧電源23からバックアップ電源系統20に電力は供給されない。
上述のように、バックアップ電源系統20には、第1端子T241と第2端子T242との間に、ノーマリーオープン型の接点を有する第1スイッチSW1と、ノーマリークローズ型の接点を有する第3スイッチSW3とが、並列に接続されている。
第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3の少なくとも一方がオン状態である場合、バックアップ電源系統20は主電源系統10と接続される。この状態では、第1外部接続端子T211を通じて、バックアップ低圧電源23から主電源系統10に電力を供給することが可能となり、メイン低圧電源11から緊急時重要負荷22に電力を供給することもできる。
一方、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3の双方がオフ状態である場合、バックアップ電源系統20と主電源系統10との接続が遮断される。
バックアップ電源制御装置25(図中、BMS)は、バックアップ電源制御装置25は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、及び第3スイッチSW3と信号線で接続されている。バックアップ電源制御装置25は、ECU50の制御に従って、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、及び、第3スイッチSW3の切り替えを制御する。バックアップ電源制御装置25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備え、プロセッサによってプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアとの協働によりバックアップ電源系統20を制御する。この場合、バックアップ電源制御装置25は、プログラムやデータを記憶する記憶部を備えてもよく、記憶部は、例えばROM(Read Only Memory)である。バックアップ電源制御装置25は、プログラムされたハードウェアにより構成されてもよい。
バックアップ電源制御装置25は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、及び第3スイッチSW3のそれぞれに対し、信号線を通じて操作信号を出力する。バックアップ電源制御装置25は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、及び第3スイッチSW3のそれぞれに対し、操作信号を出力する状態と操作信号を出力しない状態とを切り替えることができる。
第1スイッチSW1は、ノーマリーオープン型のスイッチである。バックアップ電源制御装置25は、第1スイッチSW1に操作信号を出力することによって第1スイッチSW1をオフ状態からオン状態に切り替えさせる。第3スイッチSW3は、ノーマリークローズ型のスイッチである。バックアップ電源制御装置25は、第3スイッチSW3に操作信号を出力することにより、第3スイッチSW3をオン状態からオフ状態に切り替えさせる。
バックアップ電源制御装置25は、第2スイッチSW2に操作信号を出力することによって、第2スイッチSW2にオン状態とオフ状態とを切り替えさせる。また、バックアップ電源制御装置25は、第2スイッチSW2に操作信号を出力することによって、第2スイッチSW2における昇圧または降圧を制御する。すなわち、バックアップ電源制御装置25は第2スイッチSW2の出力電圧を制御する。
バックアップ電源制御装置25は、例えば、高圧電源部36またはバックアップ低圧電源23から電力の供給を受けて動作する。
バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11、及び、バックアップ低圧電源23を管理する機能を有する。車両電源システム1において、メイン低圧電源11には不図示の充放電管理装置が装着されてもよい。この場合、バックアップ電源制御装置25は、充放電管理装置から情報を取得することにより、メイン低圧電源11に対する管理機能を実行してもよい。同様に、バックアップ低圧電源23に不図示の充放電管理装置が装着されてもよく、バックアップ電源制御装置25は、充放電管理装置から情報を取得することにより、バックアップ低圧電源23に対する管理機能を実行してもよい。
本実施形態では、バックアップ電源制御装置25がメイン低圧電源11及びバックアップ低圧電源23に直接接続される構成を説明する。
バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11の残容量を取得する。バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11の満充電容量(FCC:Full Charge Capacity)を有していてもよく、この場合、バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11の実際の残容量(RM:Remaining Capacity)と満充電容量とに基づいて、メイン低圧電源11の充電状態(SOC:State Of Charge)を算出してもよい。バックアップ電源制御装置25は、例えば、バックアップ低圧電源23の両端電圧を検出することによって、メイン低圧電源11の残容量を算出してもよい。また、バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11に入出力する電流をカウントすることによって、メイン低圧電源11の残容量を算出してもよい。バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11の残容量を算出する処理に上述した充放電管理装置を利用してもよい。
バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する機能、バックアップ低圧電源23の温度を検出する機能、及び、バックアップ低圧電源23の残容量を算出する機能を有する。残容量は、バックアップ低圧電源23の実際の残容量(RM)であってもよいし、充電状態(SOC)であってもよい。バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の満充電容量(FCC)を有していてもよく、この場合、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の実際の残容量と満充電容量とに基づいて、充電状態を算出してもよい。
バックアップ電源制御装置25は、例えば、バックアップ低圧電源23の両端電圧を検出することによって、バックアップ低圧電源23の残容量を算出する。また、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23に入出力する電流をカウントすることによって、バックアップ低圧電源23の残容量を算出してもよい。バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の残容量を算出する処理に上述した充放電管理装置を利用してもよい。また、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23に設置された温度検出デバイスまたは上述した充放電管理装置から、バックアップ低圧電源23の温度を取得する。
バックアップ電源制御装置25がバックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する処理を、推定処理と呼ぶ。バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定または検出する手法としては、公知の様々な方法を利用できる。本実施形態では、バックアップ電源制御装置25が推定処理として、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23への充電時に測定を行うことにより劣化状態を推定する第1推定処理、及び、バックアップ低圧電源23の放電時に測定を行うことにより劣化状態を推定する第2推定処理を実行する例を挙げる。
第1推定処理及び第2推定処理は、例えば、バックアップ低圧電源23の内部抵抗値を測定し、測定した内部抵抗値に基づきバックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する方法である。第1推定処理は、バックアップ低圧電源23の内部抵抗値と、その他の1または複数の情報とを組み合わせて劣化状態を補正する処理であってもよい。その他の情報としては、バックアップ低圧電源23についての残容量、充電状態、温度、累積使用時間、過去に測定された内部抵抗値、過去に内部抵抗値が測定されてからの使用時間等が挙げられるが、これ以外の情報を用いてもよい。
第1推定処理では、バックアップ電源制御装置25が、バックアップ低圧電源23が充電されている間に、バックアップ低圧電源23の内部抵抗を測定する。第2推定処理では、バックアップ電源制御装置25が、バックアップ低圧電源23が放電している間に、バックアップ低圧電源23の放電電力によりバックアップ低圧電源23の内部抵抗を測定する。バックアップ電源制御装置25は、充放電可能第1推定処理と、第2推定処理のどちらを実行するかを、バックアップ電源制御装置25の判断により、或いはECU50の指示に従って、選択する。
上記構成において、メイン低圧電源11は第1低圧電源の一例に対応し、通常負荷12は第1電力負荷の一例に対応し、主電源系統10は第1電源系統の一例に対応する。バックアップ低圧電源23は第2低圧電源の一例に対応し、緊急時重要負荷22は第2電力負荷の一例に対応し、バックアップ電源系統20は第2電源系統の一例に対応する。バックアップ電源制御装置25は車両電源制御装置の一例に対応する。メイン低圧電源11及びバックアップ低圧電源23は、上述のように充放電可能なバッテリである。
本実施形態において、緊急時重要負荷22は、車両Vの走行に関する機能を担う機能部であり、例えば、車両Vの走行操作、停車操作、又は、運転制御に関する機能を担う負荷を含む。緊急時重要負荷22は、車両Vの走行中において緊急時に対応するための機能を担う負荷を含む。具体的には、緊急時重要負荷22は、車両Vの走行に関するミニマル・リスク・マヌーバー(MRM:Minimal Risk Maneuver)の実行に関する機能を担う負荷を含む。例えば、MRMは、駆動源の駆動力が喪失した場合でも車両Vを安全に道路の路肩に移動させて停車させるための必要最低限の走行操作、停車操作、運転制御の少なくともいずれかに該当する操作または制御を含む。
緊急時重要負荷22は、車両Vの運転制御を実行可能な前述のECU50の一部または全部を含んでもよい。緊急時重要負荷22は、車両Vが搭載する制御ユニットであって、ECU50とは異なる不図示の制御ユニットを含んでもよい。
緊急時重要負荷22に含まれる負荷の一部は、主電源系統10の通常負荷12に含まれる負荷と重複していてもよい。すなわち、通常負荷12の一部が緊急時重要負荷22にもなっていてもよく、この負荷は主電源系統10及びバックアップ電源系統20の両方に属することになる。この構成によれば、緊急時重要負荷22を冗長化することができる。換言すると、主電源系統10の通常負荷12と重複する緊急時重要負荷22は、主電源系統10に供給される電力によって動作可能であり、バックアップ電源系統20に供給される電力によっても動作可能である。このため、主電源系統10の通常負荷12と重複する緊急時重要負荷22は、主電源系統10の異常が発生しても動作可能であり、バックアップ電源系統20に異常が発生しても動作を実行できる。
また、バックアップ電源系統20は、切替装置24が第1スイッチSW1または第3スイッチSW3をオンにしている場合、バックアップ低圧電源23から主電源系統10に電力供給可能に、主電源系統10に接続される。このため、バックアップ低圧電源23の電力によって通常負荷12を動作させることが可能である。
[1-4.高圧電源系統の構成]
高圧電源系統30は、高圧電源31と、高圧負荷32と、を有する。
高圧電源31は、メイン低圧電源11及びバックアップ低圧電源23よりも高電圧の電力を供給する電源である。高圧電源31は、接続線L31に接続している。接続線L31の一端部はグランドラインに接続しており、高圧電源31は、負極側が接続線L31のグランドライン側に接続される。
高圧負荷32は、通常負荷12及び緊急時重要負荷22よりも高い電圧で動作する電力負荷であり、高圧電源31から供給される電力により動作する。本実施形態では、高圧負荷32は、車両Vを駆動する駆動ユニット321と、車両Vの車室内の空気調和を行う空調装置322(図中、A/C)と、を含む。
駆動ユニット321は、回転電機MGと、回転電機MGを制御するパワー制御ユニットPCUと、を備える。パワー制御ユニットPCUは、不図示のDC/DCコンバータ、及び、不図示のインバータ等を備える。
駆動ユニット321は、接続線L31の他端部に接続されている。駆動ユニット321は、高圧電源31から供給される直流の電力を、パワー制御ユニットPCUによって三相交流の電力に変換して、回転電機MGに供給する。これにより、回転電機MGは、高圧電源31の電力によって車両Vを駆動する動力を発生させる。
空調装置322は、接続線L31の高圧電源31と駆動ユニット321との間に形成された接点C31で接続線L31に接続する接続線L32に接続されている。空調装置322は、高圧電源31の電力によって動作する。
降圧装置40は、接続線L40に設けられている。接続線L40の一端部は接点C32に接続し、他端部が接点C12に接続している。接点C32は、接続線L31の高圧電源31と接点C31との間に形成された接点である。接点C12は、接続線L10の接点C11と、接続線L10の他端部との間に形成された接点である。ここで、接続線L10の他端部とは、バックアップ電源系統20の第1外部接続端子T211に相当する。
このように、高圧電源系統30は、降圧装置40を介して、主電源系統10及びバックアップ電源系統20と接続している。
降圧装置40は、高圧電源系統30を流れる電力を降圧する。降圧装置40は、例えば、DC/DCコンバータである。降圧装置40は、高圧電源系統30が出力する電圧を降圧させて、主電源系統10及びバックアップ電源系統20に供給する。
降圧装置40は、接続状態と遮断状態とを切り替え可能である。降圧装置40が接続状態のとき、高圧電源系統30は、接続線L40及び降圧装置40を介して、主電源系統10及びバックアップ電源系統20に接続される。降圧装置40が遮断状態のとき、高圧電源系統30は、主電源系統10及びバックアップ電源系統20と遮断される。
高圧電源31は、車両Vが搭載する発電装置であってもよいし、車両Vが搭載する電池であってもよい。電池としては、例えば、充電および放電が可能な二次電池が挙げられる。具体的には、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、金属水素化物バッテリ、或いはその他のバッテリを高圧電源31として用いることができる。この場合、高圧電源31は、例えば、200[V]の直流電流を出力する。
高圧電源31が二次電池を備える場合、高圧電源31は、二次電池に電力を供給する発電装置を含んでもよい。また、高圧電源31が発電装置のみにより構成されてもよい。発電装置としては、例えば、回転電機MGを用いてもよい。例えば、車両Vの制動時に回転電機MGを回生ブレーキとして機能させ、回転電機MGで発電される回生電力を高圧電源31として利用できる。また、車両Vが内燃機関を有する車両である場合、車両Vは、内燃機関の動力により駆動されるジェネレータを備える。このジェネレータを高圧電源31として利用してもよい。ジェネレータは、発電した交流電流を不図示の昇圧回路や整流回路を介して出力する。また、ジェネレータが出力する交流電流が、直接または不図示の昇圧回路や整流回路を介して、降圧装置40に供給される構成であってもよい。
高圧電源31及び降圧装置40は、高圧電源部36を構成する。高圧電源部36は、バックアップ電源系統20の定格電圧よりも高い電圧を出力可能である。また、高圧電源部36は、メイン低圧電源11の定格電圧よりも高い電圧を出力可能であってもよい。
高圧電源部36は、例えば、二次電池で構成される高圧電源31と降圧装置40により構成される。高圧電源31が内燃機関により駆動されるジェネレータで構成される場合、ジェネレータに接続される不図示の昇圧回路や整流回路を、降圧装置40を代替する構成部としてもよい。すなわち、高圧電源部36が、ジェネレータ及びその周辺回路で構成されてもよい。
高圧電源部36は、通常動作モード、及び、高電圧モードを実行可能であってもよい。この場合、高圧電源部36は、ECU50の制御に従って通常動作モードと高電圧モードとを切り替える。通常動作モードは、通常負荷12及び緊急時重要負荷22への電力供給を目的とする動作モードである。通常動作モードにおける高圧電源部36の出力電圧は、通常負荷12及び緊急時重要負荷22の定格入力電圧の範囲に含まれる電圧である。例えば、メイン低圧電源11及びバックアップ低圧電源23の定格出力電圧が12[V]である車両Vにおいて、高圧電源部36は、通常動作モードにおいて12[V]~15[V]の範囲の電圧を出力する。
高電圧モードは、高圧電源部36が供給する電力によりバックアップ低圧電源23を充電することを目的とする動作モードである。高電圧モードにおける高圧電源部36の出力電圧は、バックアップ低圧電源23に対する充電が可能であり、好ましくは、バックアップ低圧電源23の高圧充電が可能な電圧である。
通常動作モードにおいても、高圧電源部36の出力電圧がバックアップ低圧電源23の出力電圧よりも高い場合、高圧電源部36の電力によりバックアップ低圧電源23が充電される。高圧充電とは、通常動作モードにおいてバックアップ低圧電源23が充電される場合に比べて短時間で、バックアップ低圧電源23の充電状態を上昇させる動作をいう。つまり、高圧充電は高圧電源部36が高電圧モードで動作することにより、バックアップ低圧電源23を速やかに充電する動作をいう。高電圧モードで、高圧電源部36は、例えば、通常動作モードの2倍、3倍、或いはそれを超える電圧を出力する。
車両電源システム1は、高圧電源部36が出力する電力によって、バックアップ低圧電源23と同様にメイン低圧電源11を充電してもよい。この場合、高圧電源部36が出力する電圧がメイン低圧電源11の出力電圧よりも高ければ、メイン低圧電源11への充電が行われる。車両電源システム1は、高圧電源31が高圧充電に対応する電池を備える場合に、高圧電源部36を高電圧モードで動作させることにより、バックアップ低圧電源23とともにメイン低圧電源11に高圧充電を行ってもよい。
車両電源システム1は、ECU50を備える。ECU50は、上述したように複数のECUを含んでもよいし、単一のデバイスであってもよい。ECU50は、車両制御装置の一例に対応する。
ECU50は、通常負荷12、緊急時重要負荷22、バックアップ電源制御装置25、及び、高圧負荷32に信号線により接続される。ECU50が接続される機器は上記の各部に制限されない。ECU50は、車両Vが搭載する各機器のうち図1に示されていない機器に接続されてもよい。
ECU50は、例えば、CPU等のプロセッサを備え、プロセッサによってプログラムを実行することにより、ソフトウェアとハードウェアとの協働により車両電源システム1の各部を制御する。この場合、ECU50は、プログラムやデータを記憶する記憶部を備えてもよく、記憶部は、例えばROMである。また、ECU50は、プログラムされたハードウェアにより構成されてもよい。
ECU50には、操作部55が接続される。操作部55は、車両Vのユーザにより操作されるスイッチ等を含む。例えば、操作部55は、ユーザが車両Vの起動および停止を指示するために操作するSSSW(Start Stop SWitch)56を含む。また、操作部55は、ユーザが車両Vの自律運転の実行を指示するスイッチ等を含む。操作部55は、不図示のリモコン装置と無線接続し、リモコン装置による操作を検出する無線通信装置であってもよい。ここで、車両Vのユーザとは、例えば車両Vの運転者であるが、運転者以外の人であって車両Vを使用する人を含んでもよい。
車両Vの停止状態において、車両電源システム1はオフ状態となる。車両電源システム1のオフ状態では、高圧電源31から供給される電力によって、ECU50が動作可能な状態を維持する。この状態は、いわゆるスリープ状態あるいは低消費電力状態と呼ばれる状態であってもよい。スリープ状態あるいは低消費電力状態で、ECU50は、例えば、ECU50の一部のコンポーネントへの電力供給が停止した状態であってもよい。また、スリープ状態あるいは低消費電力状態において、ECU50の動作クロック数や、ECU50が操作部55の状態あるいは各種センサーの状態を検出するサンプリング周波数が、車両Vの動作中よりも長い周期に設定されてもよい。
車両電源システム1のオフ状態では、通常負荷12及び緊急時重要負荷22に、電力が供給される。これは、車両電源システム1のオフ状態で緊急時重要負荷22や通常負荷12を動作させるためである。例えば、緊急時重要負荷22に含まれるセンサー、或いは、緊急時重要負荷22に接続されるセンサーの検出値を、ECU50により監視する場合が挙げられる。また、例えば、緊急時重要負荷22に含まれるカメラによって駐車中の車両Vの周囲を監視する機能を実行する場合が挙げられる。このような場合、緊急時重要負荷22を動作させるため、高圧電源部36から緊急時重要負荷22に電力が供給される。通常負荷12にも同様に、高圧電源部36から電力が供給される。これらの電力は、いわゆる暗電流と呼ばれる。上述のように第3スイッチSW3はノーマリークローズ型であるため、バックアップ電源制御装置25が停止している状態であっても、第3スイッチSW3を介して、緊急時重要負荷22へ主電源系統10から電力を供給できる。
車両電源システム1において、車両Vの起動状態では、高圧電源31から主電源系統10の各部へ電力が供給される。さらに、主電源系統10及び緊急時重要負荷22に対して、高圧電源部36から電力が供給される。車両Vの停止状態では、上述のように高圧電源部36から暗電流が緊急時重要負荷22へ流れる。
ところで、主電源系統10において短絡や地絡が発生した場合、車両電源システム1の保護のため、高圧電源部36から緊急時重要負荷22への電力供給が停止することがある。例えば、車両電源システム1を構成する回路には複数の箇所に不図示のヒューズが設けられる。地絡や短絡が発生すると、接続線L31、L32、L40等に設けられるヒューズが切れ、高圧電源部36から緊急時重要負荷22への電力供給が停止する。また、保護機能により降圧装置40が出力を遮断されることもあり得る。
このような場合であっても緊急時重要負荷22に対する電力供給が途絶しないように、車両電源システム1は、バックアップ低圧電源23から緊急時重要負荷22への電力供給を行うことができる。この機能は、車両Vの自律運転を実行中におけるミニマル・リスク・マヌーバーを実現する。具体的には、第2スイッチSW2がオンに切り替わることにより、バックアップ低圧電源23が接続線L212に接続され、バックアップ低圧電源23から緊急時重要負荷22への電力供給が開始される。或いは、車両Vの起動中に緊急時重要負荷22が動作している間は、バックアップ電源制御装置25によって第2スイッチSW2が状態になっており、降圧装置40からバックアップ電源系統20への電力供給が途絶する事態に備える構成であってもよい。この場合、第2スイッチSW2から降圧装置40に向かう方向に電流が流れないように、降圧装置40の出力電圧に対応して第2スイッチSW2の出力電圧が調整されていればよい。
ECU50は、ミニマル・リスク・マヌーバーを実現するため、バックアップ低圧電源23による緊急時重要負荷22への電力供給が可能であることを、車両Vが自律運転を実行するための条件とする。
車両Vが自律運転を実行している動作状態を、自律運転モードと呼ぶ。自律運転モードにおいて、車両Vは、自律運転モードにおいて、少なくとも運転者による操舵操作を免除して走行する。すなわち、自律運転モードでは、自律運転制御部220は、少なくとも車線維持制御部221及びステアリング制御部222を利用してユーザによる操舵を必要とせず車両Vを走行させる。自律運転モードにおいて、自律運転制御部220は、部分的な自律運転を実行する。部分的な自律運転とは、自律運転制御部220が有する自律運転に関する機能のうち一部を実行することであり、例えば、車線維持制御部221及びステアリング制御部222による操舵を行う一方、ブレーキ制御部223及び走行制御部224による自律運転機能を実行することを含んでもよいし、含まなくてもよい。
ECU50は、操作部55の操作、或いは、予め設定された車両Vの動作状態をトリガーとして、車両Vの自律運転を実行する。つまり、車両Vの自律運転モードを開始させる。この場合、ECU50は、自律運転制御部220を制御して、自律運転を開始させる。また、ECU50は、車両Vが自律運転を実行中に、操作部55の操作、或いは、予め設定された車両Vの動作状態をトリガーとして、車両Vの自律運転を停止する。この場合、ECU50は、自律運転制御部220を制御して、自律運転モードを終了して自律運転を停止させ、通常走行モードに移行する。通常走行モードは車両Vの走行のためにユーザによる操舵を必要とする動作モードである。
ECU50は、バックアップ電源制御装置25を介して、バックアップ低圧電源23の劣化状態の推定を行う。バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の劣化状態に基づいて信号の出力を行う。
バックアップ電源制御装置25が信号出力を行うとは、バックアップ電源制御装置25が、車両Vの自律運転を許可することを示す信号や、車両Vの自律運転を禁止することを示す信号を出力することをいう。これらの信号の出力は、ECU50または他の制御装置が実行してもよいが、本実施形態ではバックアップ電源制御装置25が実行する例を説明する。
バックアップ電源制御装置25は、ECU50が車両Vの自律運転を開始する際に、推定処理を実行し、バックアップ低圧電源23の状態が、ミニマル・リスク・マヌーバーの実現のために十分であるか否かの判定等を行う。この判定を含む各処理において、バックアップ電源制御装置25は、後述するように各種の閾値を参照する。これらの閾値は、予めECU50またはバックアップ電源制御装置25が保持または記憶している。
バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の劣化状態が適切でないと判定した場合に、車両Vの自律運転を禁止することを示す信号を出力する。この信号は、例えば、禁止信号と呼ぶことができる。ECU50は、バックアップ電源制御装置25から禁止信号が入力された場合、自律運転を開始しない。また、ECU50は、車両Vの自律運転を実行中にバックアップ電源制御装置25から禁止信号が入力された場合、自律運転を終了する。
バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の供給可能電力が十分であると判定した場合や、供給可能電力が十分ではないが充電により回復可能な場合に、車両Vの自律運転を許可することを示す信号、または、車両Vの自律運転の継続を許可することを示す信号を出力する。これらの信号は、例えば、許可信号と呼ぶことができる。
ECU50は、車両Vの自律運転を開始する場合、バックアップ電源制御装置25から許可信号が入力されていることを条件として、車両Vの自律運転を開始する。また、ECU50は、車両Vの自律運転を実行中にバックアップ電源制御装置25から許可信号が入力された場合、自律運転を継続する。ECU50は、車両Vの自律運転を実行中に所定時間毎にバックアップ電源制御装置25から許可信号が入力されるか否かを判定し、許可信号が入力されない状態が所定時間以上継続した場合に、自律運転を終了する。
[2.車両電源システムの動作]
車両電源システム1の動作について説明する。
図2及び図3は、車両電源システム1における推定処理の説明図である。図2は第1推定処理を示し、図3は第2推定処理を示す。図2及び図3には、車両電源システム1を構成する要部の接続状態を模式化して示している。
図2に示す状態では、切替装置24がオンになっていて、バックアップ電源系統20が高圧電源部36に接続されている。詳細には、バックアップ電源制御装置25が、切替装置24の第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3の少なくともいずれかをオンにしている状態である。特に、電流容量が大きい第1スイッチSW1がオンになっていることが適切である。また、第2スイッチSW2がオンになっており、バックアップ低圧電源23が切替装置24に接続されている。この状態では、高圧電源部36が出力する電力が緊急時重要負荷22に供給されている。また、メイン低圧電源11及びバックアップ低圧電源23が、高圧電源部36が供給する電力により充電されている。
第1推定処理では、バックアップ電源制御装置25が、バックアップ低圧電源23が高圧電源部36により充電されている状態におけるバックアップ低圧電源23の内部抵抗値を測定または取得する。バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の内部抵抗値に基づいて、バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する。
図3に示す状態では、切替装置24がオフになっていて、バックアップ電源系統20と高圧電源部36とが遮断されている。詳細には、バックアップ電源制御装置25が、切替装置24の第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3の両方をオフにしている状態である。この状態では、高圧電源部36から緊急時重要負荷22やバックアップ低圧電源23への電力供給が行われない。このため、図3に示す状態で緊急時重要負荷22が電力を消費する場合、バックアップ低圧電源23から緊急時重要負荷22へ電力が供給される。
第2推定処理では、バックアップ電源制御装置25が、バックアップ低圧電源23が放電している状態におけるバックアップ低圧電源23の内部抵抗値を測定または取得する。バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の内部抵抗値に基づいて、バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する。
第1推定処理は、車両Vの状態や環境の影響により精度が低下するという特徴がある。例えば、バックアップ低圧電源23の温度が低いと、バックアップ低圧電源23の内部抵抗値が増大することに対応して、高い電圧でバックアップ低圧電源23に充電する必要が生じる。バックアップ低圧電源23の温度が極端に低い場合には、バックアップ低圧電源23の充電電圧が、バックアップ低圧電源23が許容する電圧の上限に達するほどに高くなるので、内部抵抗値の検出精度が低下する可能性がある。
また、例えば、メイン低圧電源11の残容量がバックアップ低圧電源23の残容量に比べて小さい場合、高圧電源部36が供給する電力がメイン低圧電源11の充電に多く利用されてしまい、バックアップ低圧電源23への充電が進行しにくい。その結果、充電中におけるバックアップ低圧電源23の内部抵抗値の検出が精度よく行われない可能性がある。
さらに、バックアップ低圧電源23は、充電により温度が上昇する傾向がある。バックアップ低圧電源23を保護するためには、バックアップ低圧電源23の温度が所定の温度より高いときには充電を行わないことが望ましい。
このように、車両Vの状態等によっては、第1推定処理の精度が低下する場合や、第1推定処理を行うべきでない場合がある。このような場合、車両電源システム1は、第2推定処理を行うことによって、バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定する。
図4及び図5は、車両電源システム1の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、図4及び図5の動作は、バックアップ電源制御装置25により実行される。
図4には、バックアップ電源制御装置25がバックアップ低圧電源23の劣化状態を推定することを含む状態検知動作を示す。
バックアップ電源制御装置25は、所定のタイミングで推定処理を実行する(ステップS11)。ステップS11については図5を参照して後述する。
バックアップ電源制御装置25は、推定処理で得られたバックアップ低圧電源23の劣化状態の推定値が第1閾値以下であるか否かを判定する(ステップS12)。バックアップ低圧電源23の劣化状態の推定値は、推定結果といえる。推定値が第1閾値以下であることは、バックアップ低圧電源23の劣化状態が適切な範囲よりも低いことであり、バックアップ低圧電源23の劣化が進行しているといえる。
劣化状態の推定値が第1閾値以下であると判定した場合(ステップS12;YES)、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23が劣化状態にあることを示す信号をECU50に出力する(ステップS13)。ステップS13で、バックアップ電源制御装置25は、自律運転を許可しないことを示す信号を、ECU50に出力してもよい。
劣化状態の推定値が第1閾値以下でないと判定した場合(ステップS12;NO)、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23が劣化状態でないことを示す信号をECU50に出力する(ステップS14)。ステップS14で、バックアップ電源制御装置25は、自律運転を許可することを示す信号を、ECU50に出力してもよい。
図5に、図4のステップS11を詳細に示す。以下に説明する動作において、第1温度閾値は第1温度に相当し、第2温度閾値は第2温度に相当する。
バックアップ電源制御装置25は、高圧電源部36が電力を出力している状態であるか否かを判定する(ステップS21)。高圧電源部36が電力を出力している状態とは、車両Vが起動している状態である。高圧電源部36が電力を出力していない状態であると判定した場合(ステップS21;NO)、バックアップ電源制御装置25は、図4及び図5の動作を終了する。
高圧電源部36が電力を出力している状態であると判定した場合(ステップS21;YES)、バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11が充電中であるか否かを判定する(ステップS22)。メイン低圧電源11が充電中であると判定した場合(ステップS22;YES)、バックアップ電源制御装置25は、第2推定処理を選択して実行する(ステップS23)。メイン低圧電源11の充電中に第1推定処理を実行すると、バックアップ低圧電源23への充電電流が十分でないために内部抵抗値の測定精度に影響が生じる可能性がある。このため、第2推定処理を実行することが適切である。
ステップS23で、バックアップ電源制御装置25は、切替装置24の第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3をオフに切り替え、緊急時重要負荷22を動作させ、緊急時重要負荷22の動作中におけるバックアップ低圧電源23の内部抵抗値の測定を行う。ステップS23において緊急時重要負荷22を動作させる制御を、ECU50が行ってもよい。内部抵抗値が得られた後、バックアップ電源制御装置25は図4の動作に戻る。
メイン低圧電源11が充電中でないと判定した場合(ステップS22;NO)、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の温度TBを取得する(ステップS24)。バックアップ電源制御装置25は、温度TBが第1温度閾値以下であるか否かを判定する(ステップS25)。温度TBが第1温度閾値以下であると判定した場合(ステップS25;YES)、バックアップ電源制御装置25はステップS23に移行して、第2推定処理を実行する。第1温度閾値は、充電による内部抵抗値の測定に適しない極端な低温を示す閾値であり、例えば、-15[℃]である。
温度TBが第1温度閾値以下でないと判定した場合(ステップS25;NO)、バックアップ電源制御装置25は、温度TBが第2温度閾値以上であるか否かを判定する(ステップS26)。温度TBが第2温度閾値以上であると判定した場合(ステップS26;YES)、バックアップ電源制御装置25はステップS23に移行して、第2推定処理を実行する。第2温度閾値は、充電に適しないほどの高温を示す閾値であり、例えば、40[℃]である。
温度TBが第2温度閾値以上でないと判定した場合(ステップS26;NO)、バックアップ電源制御装置25は、メイン低圧電源11の残容量(ここではRMAとする)と、バックアップ低圧電源の残容量(ここではRMBとする)を取得する(ステップS27)。バックアップ電源制御装置25は、残容量RMAが残容量RMBよりも小さいか否かを判定する(ステップS28)。残容量RMA、RMBは、残容量から求められる充電状態SOCであってもよい。
残容量RMAが残容量RMBよりも小さいと判定した場合(ステップS28;YES)、バックアップ電源制御装置25はステップS23に移行して、第2推定処理を実行する。メイン低圧電源11の残容量は、例えば、車両Vが比較的長期間、使用されていない場合に、低下することがある。メイン低圧電源11の残容量がバックアップ低圧電源23の残容量より小さい状態で第1推定処理を行うと、バックアップ低圧電源23を充電するために十分な電力がバックアップ低圧電源23に供給されない可能性があるため、第2推定処理を行うことが好適である。
残容量RMAが残容量RMBよりも小さくないと判定した場合(ステップS28;NO)、バックアップ電源制御装置25は、ステップS29に移行し、第1推定処理を実行する(ステップS29)。ステップS29で、バックアップ電源制御装置25は、切替装置24の第1スイッチSW1をオンに切り替えて、高圧電源部36からバックアップ低圧電源23へ充電中のバックアップ低圧電源23の内部抵抗値の測定を行う。内部抵抗値が得られた後、バックアップ電源制御装置25は図4の動作に戻る。
図6は、状態検知動作の実行タイミングの例を示す説明図であり、横軸は時間の経過を示す。図6(a)は車両Vの動作状態を示し、図6(b)は高圧電源部36の状態を示し、図6(c)はバックアップ電源系統20の状態を示す。
時刻T1は、車両Vの停止状態において、車両Vのユーザが、車両Vの起動に先だって行う操作を検知するタイミングである。この操作は、例えば、車両Vのドアロックの解除、車両Vに対するリモコンの操作等である。
高圧電源部36は車両Vの停止状態において電力の供給を停止している。時刻T1で、ECU50の制御によって高圧電源部36は先行作動を行う。先行作動とは、通常負荷12または緊急時重要負荷22が動作を開始する前に、高圧電源部36が先行して起動し、電力供給を行うことをいう。高圧電源部36の先行作動は、例えば、ECU50またはバックアップ電源制御装置25の制御により実行される。
続いて、時刻T2で、車両電源システム1は、SSSW56の操作が行われたことを検知すると、車両Vをイグニッションオンの状態に移行させる。内燃機関を有しない車両Vにおいては、時刻T2で車両VがReady状態に移行する。Ready状態は車両Vが走行可能な状態である。車両Vは、イグニッションオンまたはReady状態において、ユーザの操作に応じて走行する。時刻T2で、車両電源システム1は、高圧電源部36による各部への電力供給を実行する。
イグニッションオンまたはReady状態において、ユーザがSSSW56を操作したことを検知すると、車両電源システム1は、車両Vを停止させる。ここで、車両電源システム1は、高圧電源部36に作動延長を実行させる。作動延長は、車両Vが停止した後に、高圧電源部36による電源供給を所定時間継続させることをいう。作動延長を行う時間は予め定められており、車両電源システム1は、時刻T4で作動延長を終了して高圧電源部36を停止させる。
車両電源システム1による状態検知動作は、例えば、時刻T1と時刻T2との間、及び/または、時刻T3と時刻T4との間に実行される。時刻T2以後では通常負荷12や緊急時重要負荷22へ供給される電流が多いことから、バックアップ低圧電源23を充電する電流を十分に確保できない可能性がある。これに対し、時刻T1と時刻T2との間に状態検知動作を行う場合、十分な充電電流を確保できるので、高精度でバックアップ低圧電源23の劣化状態を推定できる。また、車両Vを走行させる前に状態検知動作を実行することにより、自律運転が開始される前に、バックアップ低圧電源23の劣化状態を推定し、必要に応じてユーザに情報を提供できるという利点がある。
また、例えば、時刻T1から時刻T2までの時間が短い場合、状態検知動作が完了する前にイグニッションオンまたはReady状態に移行する可能性がある。この点では、時刻T3と時刻T4との間に充電検知動作を行うことに利点がある。時刻T3と時刻T4との間に状態検知動作を実行した場合、車両電源システム1は、次に車両Vを起動させるときの状態検知動作を省略してもよい。例えば、車両電源システム1は、ECU50によりタイマーのカウントを実行することにより、状態検知動作を実行してから所定時間は状態検知動作を省略可能な制御を行ってもよい。この場合、車両電源システム1は、状態検知動作により得られたバックアップ低圧電源23の劣化状態の推定または判定結果を、次に車両Vが起動するまで保持していてもよい。
[3.他の実施形態]
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
例えば、バックアップ電源制御装置25がバックアップ低圧電源23の供給可能電力を推定する方法は、上述した方法に制限されない。例えば、バックアップ低圧電源23に、バックアップ低圧電源23への充放電を管理および制御する電源制御装置が取り付けられている場合、電源制御装置によって供給可能電力を常時、或いは所定時間毎に推定してもよい。この場合、バックアップ電源制御装置25は、バックアップ低圧電源23の電源制御装置から供給可能電力の推定値を取得してもよい。
図1の構成は一例であり、例えば、降圧装置40が高圧電源31と一体に構成され、降圧装置40により昇圧または高圧された電力が高圧負荷32に供給される構成であってよい。また、図5に示したタイミングチャートは一動作例に過ぎず、車両電源システム1の動作は適宜に変更可能である。
[4.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)第1低圧電源及び第1電力負荷を有する第1電源系統と、第2低圧電源及び第2電力負荷を有し、前記第1電源系統と接続する第2電源系統と、前記第1電源系統、又は、前記第2電源系統の定格電圧よりも高い電圧を出力可能な高圧電源部と、を車両に搭載して構成される車両電源システムであって、前記第2電源系統は、前記第2低圧電源から前記第1電源系統に電力供給可能に前記第1電源系統に接続する状態と、前記第2低圧電源と前記第1電源系統とを遮断した状態と、を切り替え可能な切替装置と、前記切替装置を制御する車両電源制御装置と、を有し、前記車両電源制御装置は、前記第2低圧電源の内部抵抗を測定して劣化状態にあるか否かを推定する推定処理を実行し、前記推定処理の推定結果に基づいて、前記第2低圧電源が劣化状態にあるか否かを示す信号を出力可能であり、前記推定処理として、前記第2低圧電源に充電する場合の前記第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより推定を行う第1推定処理と、前記第2低圧電源からの放電電力に基づいて推定を行う第2推定処理と、を実行可能であり、前記車両電源システムの前記高圧電源部がオン状態であり、前記高圧電源部から前記第1電源系統に電力を供給している状態であり、かつ、前記車両の状態が所定条件を満たす場合には前記第2推定処理を実行する、車両電源システム。
構成1によれば、第2低圧電源により第2電力負荷に電力を供給し、切替装置により第2電源系統と第1電源系統とを接続することによって第2低圧電源から第1電力負荷に電力供給可能な構成において、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。これにより、車両の状態による影響を受けにくい方法によって、第2低圧電源の劣化状態を推定できるので、第2低圧電源の状態を確認する機会を多く確保できる。例えば、第2低圧電源の状態が確認できないため第1電力負荷や第2電力負荷を動作させられない状態を回避できる。
(構成2)前記所定条件は、前記第2低圧電源の温度が第1温度以下であることを含む、構成1に記載の車両電源システム。
構成2によれば、第2低圧電源の温度が低いことが要因で、第2低圧電源に充電する場合の内部抵抗を利用する推定が難しい場合であっても、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。
(構成3)前記所定条件は、前記第2低圧電源の温度が第2温度以上であることを含む、構成1または構成2に記載の車両電源システム。
構成3によれば、第2低圧電源の温度が高いことが要因で、第2低圧電源に充電することが適切でない場合であっても、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。
(構成4)前記第1低圧電源及び前記第2低圧電源は充放電可能なバッテリにより構成され、前記所定条件は、前記第1低圧電源のバッテリの残容量が、前記第2低圧電源のバッテリの残容量よりも小さいことを含む、構成1から構成3のいずれかに記載の車両電源システム。
構成4によれば、第1低圧電源に充電が行われることが要因で、第2低圧電源に充電する場合の内部抵抗を利用する推定が難しい場合であっても、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。
(構成5)前記車両電源制御装置は、前記第2推定処理を実行する場合、前記切替装置を遮断した状態で、前記第2低圧電源が放電する放電電力に基づいて前記第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより、前記第2低圧電源が劣化状態にあるか否かを推定する、構成1から構成4のいずれかに記載の車両電源システム。
構成5によれば、第2低圧電源を第1電源系統から遮断して、第2低圧電源の放電電力に基づき、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。これにより、車両電源システムにおける他の回路の電力消費などの影響を受けにくい方法で、第2低圧電源の劣化状態を高精度で推定できる。
1…車両電源システム、10…電源系統、11…メイン低圧電源、12…通常負荷、20…バックアップ電源系統、21…バックアップ電源ユニット、22…緊急時重要負荷、23…バックアップ低圧電源、24…切替装置、25…バックアップ電源制御装置、30…高圧電源系統、31…高圧電源、32…高圧負荷、36…高圧電源部、40…降圧装置、50…ECU、55…操作部、56…SSSW、241…スイッチモジュール、321…駆動ユニット、322…空調装置、CP…キャパシタ、MG…回転電機、PCU…パワー制御ユニット、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、V…車両。

Claims (5)

  1. 第1低圧電源及び第1電力負荷を有する第1電源系統と、
    第2低圧電源及び第2電力負荷を有し、前記第1電源系統と接続する第2電源系統と、
    前記第1電源系統、又は、前記第2電源系統の定格電圧よりも高い電圧を出力可能な高圧電源部と、を車両に搭載して構成される車両電源システムであって、
    前記第2電源系統は、
    前記第2低圧電源から前記第1電源系統に電力供給可能に前記第1電源系統に接続する状態と、前記第2低圧電源と前記第1電源系統とを遮断した状態と、を切り替え可能な切替装置と、
    前記切替装置を制御する車両電源制御装置と、を有し、
    前記車両電源制御装置は、
    前記第2低圧電源の内部抵抗を測定して劣化状態にあるか否かを推定する推定処理を実行し、前記推定処理の推定結果に基づいて、前記第2低圧電源が劣化状態にあるか否かを示す信号を出力可能であり、
    前記推定処理として、前記第2低圧電源に充電する場合の前記第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより推定を行う第1推定処理と、前記第2低圧電源からの放電電力に基づいて推定を行う第2推定処理と、を実行可能であり、
    前記車両電源システムの前記高圧電源部がオン状態であり、前記高圧電源部から前記第1電源系統に電力を供給している状態であり、かつ、前記車両の状態が所定条件を満たす場合には前記第2推定処理を実行する、車両電源システム。
  2. 前記所定条件は、前記第2低圧電源の温度が第1温度以下であることを含む、請求項1に記載の車両電源システム。
  3. 前記所定条件は、前記第2低圧電源の温度が第2温度以上であることを含む、請求項1に記載の車両電源システム。
  4. 前記第1低圧電源及び前記第2低圧電源は充放電可能なバッテリにより構成され、
    前記所定条件は、前記第1低圧電源のバッテリの残容量が、前記第2低圧電源のバッテリの残容量よりも小さいことを含む、請求項1に記載の車両電源システム。
  5. 前記車両電源制御装置は、前記第2推定処理を実行する場合、前記切替装置を遮断した状態で、前記第2低圧電源が放電する放電電力に基づいて前記第2低圧電源の内部抵抗を測定することにより、前記第2低圧電源が劣化状態にあるか否かを推定する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両電源システム。
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