JPH11333537A - スラリー輸送用鋼管及びその製造方法 - Google Patents

スラリー輸送用鋼管及びその製造方法

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JPH11333537A
JPH11333537A JP10145305A JP14530598A JPH11333537A JP H11333537 A JPH11333537 A JP H11333537A JP 10145305 A JP10145305 A JP 10145305A JP 14530598 A JP14530598 A JP 14530598A JP H11333537 A JPH11333537 A JP H11333537A
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JP
Japan
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pipe
steel pipe
slurry
steel
tube
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JP10145305A
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English (en)
Inventor
Yoichi Matsubara
洋一 松原
Masatsugu Fujita
正継 藤田
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送するスラリーに対する耐摩耗性を向上さ
せ、使用寿命の長いスラリー輸送用鋼管を提供する。 【解決手段】 直管状又は曲管部を有する形状の鋼管2
の管端部に、熱間据込み増肉加工によって管体と一体化
したフランジ3を形成し、これによって溶接接合を不要
として溶接時の熱影響に起因した軟化部の発生を無く
し、更に、管全長に亘って内面焼入れを施すことで、内
面全体の耐摩耗性を向上させたスラリー輸送用鋼管1
A、1Bを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート打ち
の際にコンクリートポンプ車からコンクリートスラリー
を輸送するため、或いは、粉鉱(原鉱、精鉱、尾鉱)や
アッシュ等のスラリーを輸送するため等に用いる配管
材、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリートスラリー等のよう
に、硬い粒子を含んだスラリーを輸送するための配管材
としては、スラリーによる摩耗を防止するため内面に焼
入れを施した鋼管が用いられている。そして、この鋼管
を用いて所定の配管を行うために、内面焼入れを施した
直管状の鋼管や、曲管部を有する鋼管の端部に、内面に
焼入れを施したネック付フランジを溶接接合して使用す
ることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、内面に焼入
れを施した鋼管やネック付フランジを用いているにも関
わらず、その鋼管にネック付フランジを溶接した際の熱
影響部が軟化しており、この部分にスラリーによる摩耗
が早く生じ、寿命が短くなるという問題があった。特
に、曲り管の場合には、最大摩耗部が曲り部の出側に生
じるケースもあり、曲り終端部に溶接接合の熱影響によ
る軟化部が存在するため、その部分が急激に摩耗し、本
来摩耗しやすい曲り管の寿命が更に短縮されるという問
題があった。また、溶接接合を行うには熟練を必要と
し、且つ溶接接合部の強度等の品質を厳重に管理しなけ
ればならないと言った問題もあった。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、スラリーに対する耐摩耗性に優れたフランジ付の
スラリー輸送用鋼管を提供すること、並びにそのスラリ
ー輸送用鋼管を低コストで製造可能な製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のスラリー輸送用
鋼管は、ネック付フランジを溶接接合することによって
生じる問題点を解決するため、鋼管のフランジを形成す
べき部分に熱間据込み増肉加工を施して、管体と一体化
したフランジを造成し、且つフランジ付管端部を含む管
の全長に亘って、管内面に焼入れを施したものである。
本発明のスラリー輸送用鋼管は、溶接接合を行っていな
いため、従来ネック付フランジを溶接した際に生じたよ
うな軟化部が存在せず、このため管全長に亘って耐摩耗
性に優れていて寿命が長い。更に、従来行っていたネッ
ク付フランジを製造し且つそれを溶接接合するという作
業の代わりに、熱間据込み増肉加工によってフランジを
造成するので、コストダウンを図ることができ、しかも
溶接接合部が存在しないので、強度等の品質が安定し、
品質管理が容易となる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のスラリー輸送用鋼管は、
直管状の又は曲管部を有する形状の鋼管の管端部に、該
部の管体の熱間据込み増肉加工を経て造成された、管体
と一体化したフランジが設けられているフランジ付鋼管
の、フランジ付管端部を含む管の全長に亘って、管内面
に焼入れが施されていることを特徴とするものである。
以下、詳細に説明する。
【0007】本発明のスラリー輸送用鋼管に使用する鋼
管材質としては、特に制限するものではないが、炭素
鋼、1〜3%クロム鋼等を挙げることができる。特に、
クロム鋼は焼入れ効果が大きく、スラリーに対する耐摩
耗性を向上させる利点が得られるので好ましい。
【0008】本発明のスラリー輸送用鋼管の形状は、直
管状、曲管状のいずれでもよく、例えば、図1(a)、
(b)に示すものを例示できる。すわなち、図1(a)
に示すスラリー輸送用鋼管1Aは、直管状の鋼管2の管
端部に、管体と一体化して形成したフランジ3を備えた
もので、鋼管2の内面には全長に亘って焼入れが施され
ている。図1(b)に示すスラリー用輸送鋼管1Bは、
曲管部2aとその両端の直管部2bを備えた鋼管の両端
に、管体と一体化して形成したフランジ3を備えたもの
で、鋼管の内面には全長に亘って焼入れが施されてい
る。ここで、曲管部2aの曲げ角度θは、図面では90
°としているが、本発明は、図示した90°に限らず、
適宜変更可能であり、また、その両端の直管部2bの長
さも適宜変更可能である。
【0009】本発明において管端部に形成するフランジ
は、図1(a)、(b)に示すフランジ3のように、ヴ
ィクトリックジョイント用の、管外面からの高さの低い
且つ管軸方向に長い形状のものでもよいし、通常のボル
ト接合を行うための円板状のものでもよい。焼入れは、
管内面の耐摩耗性を向上させるために行うものであり、
従って、少なくとも管内面に焼が入っておればよく、鋼
管の外面側には焼が入っていても、入っていなくてもよ
い。なお、鋼管の外面には焼が入らないように構成する
方が、管外面側の靱性を高くでき、好ましい。
【0010】次に、本発明のスラリー輸送用鋼管の製造
方法を、直管状のスラリー輸送用鋼管〔図1(a)参
照〕を製造する場合と、曲り管状のスラリー輸送用鋼管
〔図1(b)参照〕を製造する場合に分けて説明する。
【0011】直管状のスラリー輸送用鋼管の製造方法
は、直管状の鋼管に、その管端部又は切断予定の管端予
定部に対する熱間据込み増肉加工と、管端予定部を増肉
させた場合に行う該部に対する切断加工と、増肉部をフ
ランジに仕上げる精整加工と、管端部を含む管の全長に
亘る管内面焼入れ加工とを施すことを特徴とする。な
お、これらの各加工は記載した順序に行う必要はなく、
適宜入れ換えてもよい。
【0012】本発明を更に具体的に説明すると、本発明
の一実施形態では、図2(a)に示す直管状の鋼管2の
管端部に熱間据込み増肉加工を施して、図2(b)に示
すように、増肉部3aを形成し(この状態の鋼管を符号
2Aで示す)、次いで、その増肉部3aに切削、研削等
の精整加工を施して、図2(c)に示すようにフランジ
3に仕上げ、両端にフランジ3を備えた鋼管2B(内面
の焼入れの有無、方法等については後述する)とする方
法を採ることができる。なお、鋼管2Aの管端部に形成
している増肉部3aは、図2(b)に実線で示すように
管端面まで続くように形成したものに限らず、管端面ま
で増肉加工することが困難な場合(例えば、増肉加工時
に管端面近傍を把持しているため増肉できないとか、加
熱が困難である等の場合)などには、管端に図2(b)
に二点鎖線で示すような増肉しない領域(マージン領
域)2eが残るように形成したものでもよい。このよう
なマージン領域2eが残っていても、増肉部3aをフラ
ンジ3に精整加工する際に、切断除去できるので、何ら
支障はない。本発明の他の実施形態では、図3(a)に
示すように、最終製品であるスラリー輸送用鋼管を複数
本、形成しうる長さの鋼管2を用意し、その鋼管2の両
端及びその鋼管2を切断した時に管端となる位置即ち管
端予定部に熱間据込み増肉加工を施して、両端には、図
2(b)に示す増肉部2aと同様な増肉部を形成し、管
端予定部には、図3(b)に示すように、管端に形成す
べき増肉部の2倍以上の長さの増肉部3bを形成し(こ
の状態の鋼管を符号2Cで示す)、その増肉部3bをほ
ぼ中央の切断予定位置5−5で切断して、図3(c)に
示すように、両端に増肉部3aを備えた鋼管2Aとし、
その鋼管2Aの増肉部3aをフランジに精整加工して、
図2(c)に示す鋼管2Bとする方法を採ることができ
る。
【0013】ここで、熱間据込み増肉加工で形成した増
肉部3aは、増肉が鋼管の内外面に生じたものでもよい
が、図示したように、増肉が主として外面側に生じたも
のとすることが好ましい。もし、内面側にもかなりの増
肉が生じていると、スラリーの流れに対する抵抗となる
ので、機械加工等によって除去する必要が生じるが、図
示した形状の増肉部3aを採用すると、内面側の加工が
不要となり、精整加工を簡単化できる。本発明の製造方
法に使用する増肉加工前の鋼管2は、予め内面に焼入れ
加工を施したものとする必要はない。
【0014】管端部又は管端予定部に対する熱間据込み
増肉加工は、移動式、一発式のいずれでも実施できる。
ここで、移動式の熱間据込み増肉加工とは、鋼管の増肉
加工すべき領域内の管軸方向に狭い小区間を加熱して増
肉させる動作を連続的或いは逐次に管軸方向に移動しな
がら行う方法である。具体的には、図4に示すように、
鋼管2の一端を固定装置11で支持し、反対端を管軸方
向に移動可能な押し治具12で支持し、その押し治具1
2を加圧装置(図示せず)で矢印A方向に押して鋼管2
に管軸方向の圧縮力を付与し、この状態で、鋼管2の管
軸方向の狭い小区間を誘導コイル13で塑性変形容易な
温度(例えば、赤熱状態)に加熱して加熱部14を形成
し、その加熱部14に増肉を生じさせると共にその誘導
コイル13を鋼管4に対して矢印Bで示すように管軸方
向に相対的に且つ連続的に移動させることで鋼管2を連
続的に増肉させて行き、これと並行して誘導コイル13
から移動方向の後ろ側に冷却水等の冷却媒体15を吹き
付けて増肉後の部分を冷却、固化させることにより、鋼
管2の管軸方向の所望領域を所望厚さに増肉させる方法
(連続移動式という)、及び、誘導コイル13の移動を
連続的ではなく、逐次(間欠的)に行い、誘導コイル1
3を停止させた状態で鋼管2の管軸方向の狭い小区間を
加熱して増肉させ、次いで、その誘導コイル13を隣接
位置に移動させ、先に増肉した領域が冷却、固化した
後、隣接位置を加熱して増肉させるという動作を繰り返
すことで、鋼管2の管軸方向の所望領域を所望厚さに増
肉させる方法(逐次移動式という)である。一方、一発
式の熱間据込み増肉加工とは、鋼管の増肉加工を施すべ
き領域全体を同時に塑性変形容易な温度(例えば、赤熱
状態)に加熱し、その後、その鋼管に対して管軸方向の
圧縮力を作用させて加熱した領域を一度に増肉させる方
法である。
【0015】移動式の熱間据込み増肉加工を行う場合、
図4に示すように、鋼管2の内外面を拘束しないで増肉
させた場合、形成された増肉部3cには、増肉が鋼管2
の内外面にほぼ同様に生じる。従って、この場合には、
図5に示すように、増肉加工終了後、増肉部3cを再度
加熱し、その鋼管2内に拡径型具、例えばテーパ中子1
8を挿通して拡径させる。これにより、主として外面側
に増肉した増肉部3aを形成できる。なお、この時の増
肉部3cの加熱は、誘導コイル13を用いないで他の手
段を用いてもよいが、図5に示すように誘導コイル13
をテーパ中子18に先行して同方向に移動させ、テーパ
中子18が通過する直前の部分を誘導加熱する構成とす
ることが、別個の加熱手段を必要としないので好まし
い。本明細書においては、増肉部3cを拡径して主とし
て外面側に増肉した増肉部3aを形成する工程も、熱間
据込み増肉加工工程の一部とする。
【0016】移動式の熱間据込み増肉加工を行う際に図
6に示すように、鋼管2の増肉加工によって形成される
増肉部の内側に位置するように、予め内径規制型具、例
えば中子19を挿入しておき、その状態で移動式の増肉
加工を施すことも可能であり、この構成とすることによ
り、増肉が主として外面側に生じ、これによって主とし
て外面側に増肉した増肉部3aを一工程で形成できる。
なお、この中子19には増肉加工後に鋼管2から容易に
引き抜くことができるよう、小さい勾配をつけておくと
か、縮径可能な機構を設けておくことが好ましい。
【0017】また、図7に示すように、鋼管2内に、鋼
管2の外面に配置している誘導コイル13と同期して同
方向に移動するように内径規制型具、例えば中子20を
挿入しておき、その中子20で常に、誘導コイル13に
よって加熱され、増肉している部分の内面を規制する構
成とすることも可能であり、これによっても主として外
面側に増肉した増肉部3aを一工程で形成できる。移動
式の中子を用い、且つ連続移動式で増肉加工を行う場合
には、図8に示すように、中子20の後端に鋼管内面に
冷却媒体22を吹き付ける冷却装置23を取り付けてお
き、増肉直後の部分に内面側から冷却媒体22を吹き付
けて、冷却、固化させる構成としてもよい。この構成と
すると、管内面に対する焼入れを同時に行うこともでき
る。
【0018】一発式の熱間据込み増肉加工を行う場合に
おいて、増肉を管端部に対して実施する場合には、図9
に示すように、鋼管2の内面を規制する内径規制型具2
5aと外径規制型具25bを兼ね備えた構造の型具25
を使用することが好ましい。その場合には、鋼管2の増
肉加工すべき管端部を、誘導加熱、ガス加熱等の適当な
方法で塑性変形容易な温度に加熱し、その管端部を図9
(a)に示すように、定位置に固定された型具25内に
さし込み、反対端を押し治具12で矢印A方向に押し込
んで行く。これにより、加熱されていた管端部が、型具
25で規制される形状に増肉し、一度の増肉加工によ
り、主として外面側に増肉した増肉部3aを形成でき
る。このように、鋼管2の内外面を同時に規制する型具
25を用いて増肉加工を行う場合には最終的に形成する
フランジに近い形状の増肉部を形成でき、その後のフラ
ンジに仕上げる精整加工が簡単となる利点が得られる。
また、この場合には、塑性変形量を大きくすることが可
能であり、図示したようなヴィクトリックジョイント用
のフランジを形成する場合に限らず、型具25の形状を
通常の円板状のフランジに対応した形状に変更しておく
ことにより、その種のフランジを形成することもでき
る。なお、その場合には管端部を大きく外径方向に変形
させることが必要となるので、増肉加工に先立って、管
端部をフレア加工しておくことが好ましい。
【0019】鋼管の中間部分に対して一発式の熱間据込
み増肉加工を行う場合においても、鋼管の内外面をそれ
ぞれ、内径規制型具及び外径規制型具によって拘束して
おくことが好ましい。ただし、この場合には内径規制型
具及び外径規制型具が独立した構造のものとなる。ま
た、一発式の熱間据込み増肉加工は、内径規制型具及び
外径規制型具のいずれか一方のみを使用して行うことも
可能である。例えば、図6に示すような中子19を鋼管
2内の所定位置に配置し、その状態で鋼管の増肉加工す
べき領域全体を塑性変形容易な温度に加熱し、押し治具
12で鋼管2を管軸方向に押し込むことで、加熱された
領域を主として外面側に増肉させて増肉部を形成でき
る。ただし、この場合には、外面側に外径規制治具が無
いので外面側の形状が不安定となる恐れがあり、フラン
ジに仕上げるための精整加工における切削量が多くなる
場合がある。また、外径規制型具を用いる代わりに、図
10に示すように、鋼管2の外面を規制する外径規制型
具27を用いた状態で一発増肉を行い、主として内面側
に増肉した増肉部3dを形成し、次いで、その増肉部3
dを加熱した状態で、図5で説明した場合と同様にテー
パ中子を通して拡径させ、主として外面側に増肉した増
肉部を形成できる。
【0020】本発明方法は、更に、管端部を含む管の全
長に亘る管内面焼入れ加工を行う工程を含んでいる。こ
の管内面焼入れ加工は、図2(b)、図3(b)に示す
ようにフランジ精整加工前の増肉部3a又は3bを有す
る鋼管2A、2Cに対して行っても良いし、図2(c)
に示すように、フランジ3を形成した後の鋼管2Bに対
して行っても良い。これらの鋼管2A、2B、2Cに対
して管内面焼入れ加工を行う方法には公知の方法を適宜
使用可能であり、例えば、鋼管全体を焼入れを行うため
の所望温度に昇温させ、その後、鋼管内に冷却媒体を通
して内面を急冷する方法、鋼管の管軸方向の狭い小区間
を、図4に示す誘導コイル13のように管外に配置した
誘導コイルで、或いは管内に配置した誘導コイルで加熱
しながらその誘導コイルを鋼管の管軸方向に相対的に移
動させ、同時に加熱した直後の部分の管内面に冷却媒体
を吹き付けて急冷する方法等を挙げることができる。
【0021】また、管内面焼入れ加工は、増肉部3a、
3b等を形成した工程以後の鋼管2A、2B、2Cに対
して行う場合に限らず、場合によっては、管内面焼入れ
加工と増肉部3aを形成する熱間据込み増肉加工とを、
一連の操作で実施することも可能である。例えば、図8
に示すように、冷却媒体22を吹き付ける冷却装置23
を備えた中子20を外面側の誘導コイル13と同期して
連続的に移動させる機構を備えた装置を用いて増肉加工
を行う場合、誘導コイル13及び中子20を増肉加工を
施す領域のみならず、鋼管2の全長に亘って連続的に移
動させ、誘導コイル13及び中子20が増肉すべき領域
を通過中は、鋼管に圧縮力を作用させることで増肉を生
じさせながら焼入れを行い、その他の領域では誘導コイ
ル13の通電及び冷却媒体の噴射は継続するが、鋼管2
への圧縮力を解除することで、増肉は生じさせず、焼入
れのみを行う。かくして、誘導コイル13及び中子20
を鋼管20の全長に亘って移動させることで、鋼管2の
管軸方向の必要な領域に増肉加工を行うと共に、鋼管の
全長に亘って内面焼入れ処理を行うことができる。
【0022】また、図5で説明したように、鋼管2内に
テーパ中子18を通して、内面側の増肉を外面側に変形
させる工程を行う場合、同時に管内面への焼入れを行う
こともできる。すなわち、テーパ中子18の後ろ側に冷
却媒体を管内面に吹き付ける冷却装置を設けておき、誘
導コイル13とテーパ中子18とを、誘導コイル13が
先行する形で同期して同方向に鋼管2の全長に亘って移
動させ、誘導コイル13で加熱した直後の領域をテーパ
中子18で内面規制し、次いで、その内面に冷却媒体を
吹き付けて急冷する。これにより、管の内面側に増肉し
ている増肉部3cを、主として管外面側に増肉した増肉
部3aに変形させると共に鋼管全長に亘って内面焼入れ
を行うことができる。なお、この場合、誘導コイル13
を管内面側に配置する構成とすることもでき、その構成
とすることで内面焼入れの品質を向上させることができ
る。
【0023】次に、曲管状のスラリー輸送用鋼管の製造
方法は、直管状の鋼管に、その管端部又は切断予定の管
端予定部に対する熱間据込み増肉加工と、管端予定部を
増肉させた場合に行う該部に対する切断加工と、増肉部
をフランジに仕上げる精整加工と、管端部の直管状のま
まに残すべき区間に対する管内面順次焼入れ加工及び非
管端部の曲管状に形成すべき区間に対する管内面順次焼
入れ加工を兼ねた順次熱間曲げ加工を一連操作で行う加
工とを施すことを特徴とする。なお、この方法において
も、これらの各加工は記載した順序に行う必要はなく、
適宜順番を入れ換えてよい。
【0024】本発明を更に具体的に説明すると、曲管状
のスラリー輸送用鋼管の製造に当たっては、まず、直管
状のスラリー輸送用鋼管の製造の場合と同様に、直管状
の鋼管に熱間据込み増肉加工を施して、図2(b)、図
3(b)に示す形態の鋼管2A、2Cを製造する。次い
で、これらの鋼管2A、2Cに対して、切断加工(鋼管
2Cに対して)、フランジ精整加工を施して、図2
(c)に示す形態の鋼管2Bを製造した後、その鋼管2
Bに対して、管端部の直管状のままに残すべき区間に対
する管内面順次焼入れ加工及び非管端部の曲管状に形成
すべき区間に対する管内面順次焼入れ加工を兼ねた順次
熱間曲げ加工を一連操作で行うか、或いは、鋼管2A、
2Cに対して直接、管端部の直管状のままに残すべき区
間に対する管内面順次焼入れ加工及び非管端部の曲管状
に形成すべき区間に対する管内面順次焼入れ加工を兼ね
た順次熱間曲げ加工を一連操作で行う。なお、この一連
操作を行う対象の鋼管には、管内面の焼入れを行ってお
く必要はない。以下、この一連操作を、図11〜図13
を参照して、且つ鋼管2Bに対して行う場合を例にとっ
て、具体的に説明する。
【0025】図11〜図13において、31は、旋回中
心Oを中心に旋回可能に設けられた旋回アーム、32は
その旋回アーム31の先端に設けられ、鋼管2Bの一端
を支持するクランプ、33は、鋼管2Bの反対端を支持
して管軸方向に移動可能な押し治具であり、図示しない
加圧装置によって矢印Aで示すように、鋼管2Bの管軸
方向に鋼管2Bを移動させることが可能な構成となって
いる。35は鋼管2Bの内側に挿入され、鋼管2Bの管
軸方向の狭い小区間を塑性変形容易な温度(例えば赤熱
状態)に加熱する誘導コイル、36はその誘導コイル3
5から鋼管内面に吹き付けられる冷却水等の冷却媒体、
37は誘導コイル35を支持した支持軸である。この支
持軸37には、誘導コイル35を矢印Dで示すように鋼
管2Bの進行方向とは逆方向に移動させるための移動機
構(図示せず)が連結されている。なお、旋回アーム3
1の旋回中心Oを通り、鋼管2Bの軸線に直角な直線O
Pは、曲げ基準軸線であり、通常、この曲げ基準軸線O
P上で曲げ変形が行われる。
【0026】図11〜図13に示す装置を用いた管内面
順次焼入れ及び順次曲げ加工は次のように行われる。ま
ず、図11に示すように、直管状の鋼管2Bの先端を旋
回アーム31のクランプ32に支持させ、後端を押し治
具33に支持させ、その鋼管2Bの先端内側に誘導コイ
ル35を位置させる。この時、鋼管2B先端側の管端部
の直管状のままに残すべき区間が、曲げ基準軸線OPよ
りも前進した位置となるように、鋼管2Bの取り付け位
置を定めておく。この状態で誘導コイル35による加熱
を開始すると共に、冷却媒体36を噴射しながら、その
誘導コイル35を矢印D方向に移動させてゆく。これに
より、鋼管2Bの狭い小区間が加熱されながら順次移動
し、次いで冷却媒体36で急冷されることにより、鋼管
2Bの管端部の直管状のままに残すべき区間の内面が順
次焼入れされてゆく。
【0027】そして、誘導コイル35が二点鎖線35a
で示すように曲げ基準軸線OP上に到達すると、加熱及
び冷却媒体26の噴射は継続した状態で誘導コイル35
の移動を停止し、その位置に保持する。同時に押し治具
33が矢印A方向の移動を開始し、鋼管2Bを前進させ
る。これにより、旋回アーム31に旋回力が生じ、逆に
鋼管2Bに対しては曲げモーメントが作用することとな
り、誘導コイル35で加熱されている小区間が曲げ変形
し、且つ曲げ変形した直後の部分が冷却媒体で急冷さ
れ、固化すると共に管内面の焼入れが行われる。かくし
て、この動作を継続することで、図12に示すように、
鋼管2Bが前進しながら曲げ加工が順次行われ、同時に
管内面の焼入れが行われる。
【0028】そして、図13に示すように、所定角度θ
(図面では90°)の曲げが行われ(若しくは、スプリ
ングバックを考慮して、最終的に要求される曲げ角度θ
より少し多めの曲げが行われ)、鋼管2Bの曲げ終了部
が曲げ基準軸線OP上に到達すると、押し治具33が停
止し、鋼管2Bを停止させる。同時に、誘導コイル35
が加熱及び冷却媒体36の噴射を継続した状態で、再び
矢印D方向の移動を開始し、曲げ終了部に続く区間、す
なわち管端部の直管状のままに残すべき区間を移動し、
その内面の焼入れを行う。誘導コイル35が鋼管2Bの
端部を通りすぎ、鋼管端部まで焼入れが行われると、加
工を終了する。以上のようにして、鋼管2Bに対して、
管端部の直管状のままに残すべき区間に対する管内面順
次焼入れ加工及び非管端部の曲管状に形成すべき区間に
対する管内面順次焼入れ加工を兼ねた順次熱間曲げ加工
が一連操作で行われる。そして、焼入れ兼曲げ加工動作
の終了により、最終製品〔図1(b)に示すスラリー輸
送用鋼管1B〕が得られる。
【0029】なお、以上に説明した曲げ加工動作では、
図11において誘導コイル35が曲げ基準軸線OP上に
停止した時に、鋼管2Bの前進が開始して曲げ加工が開
始されているが、この代わりに誘導コイル35が曲げ基
準軸線OPに接近した時点で鋼管2Bの前進が開始して
曲げ加工を開始し、誘導コイル35が曲げ基準軸線OP
上に到達するとその位置に停止させて曲げを継続する構
成としてもよい。この構成とすると、曲げ始めの部分で
は、曲げ半径が無限大から徐々に減少して旋回アーム3
1の長さで定まる所定の曲げ半径となるような曲げが行
われる。また、曲げ終了部においても同様であり、曲げ
終了部が曲げ基準軸線OPに接近した時点で誘導コイル
13を移動を開始させることにより、曲げ終わりの部分
でも、曲げ半径を所定の半径から徐々に増加させるよう
な曲げが行われる。更に、上記の説明では、定位置の旋
回中心Oを中心として旋回可能な旋回アーム31を用い
て鋼管に曲げモーメントを付与し、曲げ加工を行う構成
であるが、鋼管に曲げモーメントを付与する手段はこの
旋回アーム31に限らず、適宜変更可能である。例え
ば、旋回しながら所定の軌跡を移動する構成の旋回アー
ムを用いることも可能であり、その場合にはその軌跡の
選定により、所望の曲げ半径での曲げを行うことができ
る。
【0030】図11〜図13に示す実施形態では、管内
面順次焼入れ及び順次曲げ加工の一連操作を、両端にフ
ランジ3を形成した後の鋼管2Bに対して行っている
が、この一連操作を、両端に増肉部3aを形成した鋼管
2A〔図2(b)参照〕に対して行うことも可能であ
り、その場合には、焼入れ兼曲げ加工動作の終了後に、
両端の増肉部3aをフランジに仕上げる精整加工を行う
ことで、最終製品が得られる。また、両端に増肉部3a
を形成した鋼管2Aに対して管内面順次焼入れ及び順次
曲げ加工を行う場合には、鋼管2Aとして両端に、旋回
アームや押し治具のクランプで把持しうる長さのマージ
ン部2eを形成したものを用いることが好ましい。マー
ジン部2eをクランプで把持して加工を行う構成とする
と、焼入れ開始及び終了位置をクランプで把持した部分
から少し離れた位置とすることができ、焼入れ開始及び
終了をやりやすいと言った利点が得られる。
【0031】ここで、フランジに仕上げる前の状態の鋼
管2Aに対して焼入れ兼曲げ加工動作を行う場合と、フ
ランジに仕上げた状態の鋼管2Bに対して焼入れ兼曲げ
加工動作を行う場合にはそれぞれ長短があり、いずれの
方法を採用するかは製品の使用目的等に応じて適宜選択
すればよい。例えば、フランジ3に仕上げた後の鋼管2
Bに対して焼入れ兼曲げ加工動作を行う場合では、フラ
ンジ3に仕上げる精整加工が直管状で且つ焼入れ前に行
われるため、精整加工が容易であるが、曲げ加工後にお
ける両端のフランジ3、3同志のなす角度の精度は、曲
げ加工による曲がり精度に依存することとなり、高精度
とするのに注力を要する。一方、フランジに仕上げる前
の鋼管2Aに対して焼入れ兼曲げ加工動作を行う場合で
は、フランジに仕上げる精整加工を曲り管に対して且つ
焼入れ後に行うこととなるため、精整加工に工数がかか
るが、両端のフランジ同志のなす角度の精度を必要に応
じて高くすることができる。熱間曲げ加工を行う際の寸
法精度は、0.1〜1%程度なら、容易に管理でき、コ
ンクリートスラリーの輸送配管の精度要請はそれほど高
くないので、本発明方法で製造した曲り管をコンクリー
トスラリーの輸送に使用する場合には、フランジを仕上
げた後の鋼管2Bに対して曲げ加工を施す方法を採用す
ることが好ましい。
【0032】更に、管内面順次焼入れ及び順次曲げ加工
の一連操作を、図3(b)に示すように、最終製品であ
るスラリー輸送用鋼管を複数本、形成しうる長さで且つ
管端予定部に長い増肉部3bを形成した鋼管2Cに対し
て行うことも可能である。この場合には、この鋼管2C
の先端の増肉部(図示せず)を旋回アームのクランプで
つかんで、その増肉部から隣接した増肉部3bまでの区
間について、管内面順次焼入れ及び順次曲げ加工の一連
操作を行い、次いで、旋回アームを元の位置に戻して、
次に曲げ加工を行うべき区間の直ぐ前に位置する増肉部
3bを旋回アームのクランプでつかみ直し、次の区間に
ついて、管内面順次焼入れ及び順次曲げ加工の一連操作
を行うという動作を複数区間分繰り返すことで、長い鋼
管2Cの長手方向の複数の区間(隣接した増肉部3bで
はさまれた区間)に対して管内面順次焼入れ及び順次曲
げ加工を逐次行うことができる。そして、この管内面順
次焼入れ及び順次曲げ加工を終了した後、増肉部3b等
を切断して複数の鋼管に切り離し、且つ各管端の増肉部
をフランジに仕上げる精整加工を行うことで、最終製品
が得られる。
【0033】なお、長い鋼管2Cの長手方向の複数の区
間に対して逐次に、管内面順次焼入れ及び順次曲げ加工
の一連操作を行う場合には、クランプ仕替え時に焼入れ
が途切れることとなり、管端予定部に形成している増肉
部3bの全長に亘って均一な焼入れを行うことができな
い場合がある。これに対処するには、増肉部3bの長さ
を長くして中間部に切断マージンを設け、その切断マー
ジンの位置で焼入れが途切れるようにし、その切断マー
ジンを切断、除去するようにすればよい。また、切断マ
ージンを設ける場合には、その部分は増肉させておかな
くてもよい。更に、長い鋼管2Cの長手方向の複数の区
間に対して逐次に曲げ加工を行う場合には、鋼管2Cの
複数の区間を同一面内で曲げ加工すると、例えば90°
の曲げを4回繰り返した時、鋼管の先端が曲げ加工前の
直管部にぶつかって曲げ加工を行えなくなる。そこで、
これを避けるため、一つの区間に対する曲げ加工を終わ
った後、次の曲げ加工のために増肉部3bを旋回アーム
のクランプでつかむ際に、鋼管2Cを、直管部の中心軸
線の回りに少し、例えば、90°回転させ、先に水平面
内で曲げ加工した区間を垂直面内に位置させるようにし
て、鋼管2Cの増肉部3bをクランプでつかみ、次の増
肉加工を行うことが好ましい。
【0034】上記したように、本発明では、増肉加工し
た後の鋼管2A、2B、2C等に対して管内面順次焼入
れ及び順次曲げ加工を行っている。この焼入れ加工等を
行うに際し、対象となる鋼管に、増肉加工等によって焼
きが入っている場合がある。その場合、焼入れ加工等の
ための再加熱で割れることがある。このような割れの恐
れがある場合には、焼入れ加工等に先立って鋼管に適当
な熱処理を施しておくことが好ましい。また、焼入れ加
工等の対象となる鋼管を製造する工程において焼きが入
らないように考慮することも望ましく、例えば、図5に
示すように、増肉部3cを再度加熱し、その鋼管2内に
テーパ中子18を挿通して拡径させる工程を行った場合
に、加熱した領域を急冷しないようにすることが好まし
い。
【0035】更に、以上の説明では、増肉加工を施した
後の鋼管を曲げ加工装置にセットして、管内面順次焼入
れ及び順次曲げ加工の一連操作を行うものとしている
が、本発明はこれに限らず、増肉加工と、管内面順次焼
入れ及び順次曲げ加工の一連操作とを連続的に実施する
構成としてもよい。例えば、図11に示すような曲げ加
工装置に増肉前の鋼管をセットし、旋回アームを旋回さ
せない状態で、まず、鋼管に圧縮力を加えた状態で鋼管
の端部近傍(旋回アームのクランプで把持した部分の近
傍)に、移動中の誘導コイル35で鋼管の小区間を順次
加熱して増肉させると共にその後ろを冷却媒体で急冷す
るという増肉加工を施し、所定長さの増肉及び管内面焼
入れを行い、引き続いて旋回アームを旋回させることで
管内面順次焼入れ及び順次曲げ加工の一連操作を行い、
引き続いて曲げ終了部分を適当なクランプで把持して固
定し、これに続く部分に、前記と同様な増肉加工を施す
という操作を行う構成としてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上に説明した本発明のスラリー輸送用
鋼管は、溶接接合部を有しておらず、管体と一体化した
フランジを備え、且つフランジ付管端部を含む管の全長
に亘って、管内面に焼入れを施したものであるので、従
来、ネック付フランジを溶接した際に生じたような軟化
部が存在せず、このため管全長に亘って耐摩耗性に優れ
ており、スラリー輸送用配管に使用した際の寿命を長く
することができるという効果を有している。また、従来
のネック付フランジを溶接接合したものに比べてコスト
ダウンを図ることができると共に強度特性等の品質が安
定し、品質管理が容易となるという効果も有している。
【0037】また、本発明のスラリー輸送用鋼管の製造
方法の一つは、直管状の鋼管に、その管端部又は切断予
定の管端予定部に対する熱間据込み増肉加工と、管端予
定部を増肉させた場合に行う該部に対する切断加工と、
増肉部をフランジに仕上げる精整加工と、管端部を含む
管の全長に亘る管内面焼入れ加工とを施すというもので
あるので、上記した本発明の且つ直管状のスラリー輸送
用鋼管を製造することができ、しかもこれらの各工程は
手動操作に頼らず、容易に機械化できるので、一定品質
のスラリー輸送用鋼管を低コストで製造できるという効
果を有している。
【0038】ここで、熱間据込み増肉加工と、管端部を
含む管の全長に亘る管内面焼入れ加工とを一連の操作で
施す構成とすると、工程数を削減でき、一層低コストと
できる。
【0039】また、本発明のスラリー輸送用鋼管の製造
方法の他の一つは、直管状の鋼管に、その管端部又は切
断予定の管端予定部に対する熱間据込み増肉加工と、管
端予定部を増肉させた場合に行う該部に対する切断加工
と、増肉部をフランジに仕上げる精整加工と、管端部の
直管状のままに残すべき区間に対する管内面順次焼入れ
加工及び非管端部の曲管状に形成すべき区間に対する管
内面順次焼入れ加工を兼ねた順次熱間曲げ加工を一連操
作で行う加工とを施すというものであるので、上記した
本発明の且つ曲管状のスラリー輸送用鋼管を製造するこ
とができ、しかもこれらの各工程は手動操作に頼らず、
容易に機械化できるので、一定品質のスラリー輸送用鋼
管を低コストで製造できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ、本発明のスラリー
輸送用鋼管の実施例を示す概略断面図
【図2】(a)、(b)、(c)は図1(a)に示すス
ラリー輸送用鋼管の製造手順の1例を説明する概略断面
【図3】(a)、(b)、(c)は図1(a)に示すス
ラリー輸送用鋼管の製造手順の他の例を説明する概略断
面図
【図4】鋼管に対して連続式の増肉加工を施す方法の1
例を示す概略断面図
【図5】図4に示す増肉工程で形成した増肉部を拡径さ
せる状態を示す概略断面図
【図6】鋼管に対して連続式の増肉加工を施す方法の他
の例を示す概略断面図
【図7】鋼管に対して連続式の増肉加工を施す方法の更
に他の例を示す概略断面図
【図8】鋼管に対して連続式の増肉加工を施す方法の更
に他の例を示す概略断面図
【図9】(a)、(b)はそれぞれ、鋼管に対して一発
式の増肉加工を施す方法の1例の手順を示す概略断面図
【図10】鋼管に対して一発式の増肉加工を施す方法の
他の例を示す概略断面図
【図11】フランジ付鋼管に対して曲げ加工及び内面焼
入れを施す方法の1例を説明するもので、処理開始前の
状態を示す概略断面図
【図12】図11に示すものと同じ方法における、曲げ
途中の状態を示す概略断面図
【図13】図11に示すものと同じ方法における、曲げ
終了時の状態を示す概略断面図
【符号の説明】
1A スラリー輸送用鋼管(直管状) 1B スラリー輸送用鋼管(曲管状) 2、2A、2B、2C 鋼管 3 フランジ 3a、3b、3c、3d 増肉部 11 固定装置 12 押し治具 13 誘導コイル 14 加熱部 15 冷却媒体 18 拡径型具(テーパ中子) 19、20 内径規制型具(中子) 22 冷却媒体 23 冷却装置 25 型具 27 外径規制型具 31 旋回アーム 32 クランプ 33 押し治具 35 誘導コイル 36 冷却媒体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 1/18 C21D 1/18 M 9/08 9/08 C // B65G 53/52 B65G 53/52

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直管状の又は曲管部を有する形状の鋼管
    の管端部に、該部の管体の熱間据込み増肉加工を経て造
    成された、管体と一体化したフランジが設けられている
    フランジ付鋼管の、フランジ付管端部を含む管の全長に
    亘って、管内面に焼入れが施されていることを特徴とす
    るスラリー輸送用鋼管。
  2. 【請求項2】 直管状の鋼管に、その管端部又は切断予
    定の管端予定部に対する熱間据込み増肉加工と、管端予
    定部を増肉させた場合に行う該部に対する切断加工と、
    増肉部をフランジに仕上げる精整加工と、管端部を含む
    管の全長に亘る管内面焼入れ加工とを施すことを特徴と
    する、直管状のスラリー輸送用鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱間据込み増肉加工と、管端部を含
    む管の全長に亘る管内面焼入れ加工とを一連の操作で施
    すことを特徴とする、請求項2記載のスラリー輸送用鋼
    管の製造方法。
  4. 【請求項4】 直管状の鋼管に、その管端部又は切断予
    定の管端予定部に対する熱間据込み増肉加工と、管端予
    定部を増肉させた場合に行う該部に対する切断加工と、
    増肉部をフランジに仕上げる精整加工と、管端部の直管
    状のままに残すべき区間に対する管内面順次焼入れ加工
    及び非管端部の曲管状に形成すべき区間に対する管内面
    順次焼入れ加工を兼ねた順次熱間曲げ加工を一連操作で
    行う加工とを施すことを特徴とする、曲管状のスラリー
    輸送用鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱間据込み増肉加工が、管内径規制
    型具を用いて、主として管外面側に増肉させる加工であ
    る、請求項2から4のいずれか1項記載のスラリー輸送
    用鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱間据込み増肉加工が、管内径側と
    管外径側に増肉させた後、管内に拡径型具を挿通して増
    肉部を拡径させ、主として管外面側に増肉した形にする
    加工である、請求項2から4のいずれか1項記載のスラ
    リー輸送用鋼管の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱間据込み増肉加工が、管内面側と
    管外面側の両方に型具を配してフランジに近い形状、寸
    法に増肉させる加工である、請求項2又は4記載のスラ
    リー輸送用鋼管の製造方法。
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