JPH11332239A - 単相三線電源用電力変換装置 - Google Patents

単相三線電源用電力変換装置

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JPH11332239A
JPH11332239A JP10132980A JP13298098A JPH11332239A JP H11332239 A JPH11332239 A JP H11332239A JP 10132980 A JP10132980 A JP 10132980A JP 13298098 A JP13298098 A JP 13298098A JP H11332239 A JPH11332239 A JP H11332239A
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phase
power supply
diode
connection point
diode series
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JP10132980A
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Yasuhiro Okuma
康浩 大熊
Kazuo Kuroki
一男 黒木
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力電圧を無段階で連続的に制御する。入力
電圧の変動や歪みに左右されず、常に任意の大きさの一
定電圧を出力する。 【解決手段】 それぞれ2個のダイオードを順方向に接
続してなる第1〜第4のダイオード直列回路を並列に接
続する。第1のダイオード直列回路の直列接続点を単相
三線電源30の中性点N以外の一方の端子Rに接続し、
第2のダイオード直列回路の直列接続点を中性点N以外
の他方の端子Tに接続する。第3及び第4のダイオード
直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列に半導体
スイッチング素子S1〜S4をそれぞれ接続して構成さ
れる。半導体スイッチング素子S1〜S4のスイッチン
グ動作により、第3のダイオード直列回路の直列接続点
と第4のダイオード直列回路の直列接続点と中性点Nと
の間に接続される負荷に、交流電力を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチン
グ素子のスイッチング動作によって単相三線電源の電圧
または電力を制御し、この単相三線電源に接続された負
荷に対し安定した任意の大きさの電圧または電力を供給
するようにした、単相三線電源用電力変換装置の主回路
構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の単相三線電源用電力変換装置は、
一般に単巻変圧器と機械スイッチやサイリスタスイッチ
により構成されたタップ切換器とから構成されている。
図10は、この従来技術の一例を示している。図におい
て、タップ付きの単巻変圧器11の入力端子は単相三線
電源30の端子R−中性点N間に接続され、複数の出力
端子はタップ切換器21を介して出力端子Uに接続され
ている。同様にして、単巻変圧器12の入力端子は単相
三線電源30の端子T−中性点N間に接続され、複数の
出力端子はタップ切換器22を介して出力端子Wに接続
されている。なお、V1,V2は単相三線電源30を構
成する単相電源である。
【0003】上記構成において、単巻変圧器11,12
の入力電圧の変動に対して出力電圧を一定に保つ場合に
は、タップ切換器21,22のタップを切り換えてい
る。また、任意の出力電圧を得たい場合には、単巻変圧
器11,12に予め複数のタップを用意したり、その都
度装置を設計して適当な巻数になる部位にタップを設け
て所望の出力電圧が得られるようにしている。このた
め、出力電圧の分解能はタップの数によって決定される
ことになり、より細かい設定が必要な場合や、入力電圧
の変動に関わらず常に安定した出力電圧を得るためには
より多くのタップが必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
単相三線電源用電力変換装置は、タップ付き単巻変圧器
とタップ切換器とを用いて出力電圧を制御するものであ
るため、次のような問題があった。 (1)出力電圧の制御性能はタップの数で決まるため、
出力電圧の制御精度を向上させるには多数のタップが必
要になる。このため、より木目細かい制御を行いたい場
合には装置が大型化する。 (2)タップ切換器が機械式である場合、接点の摩耗な
どによる寿命があるため、定期的なメンテナンスが必要
である。更に、タップ切り換え時に遅れ時間が生じ、出
力電圧に瞬時停電や電源側にフリッカ現象等が生じる。 (3)タップ切換器をサイリスタの逆並列スイッチによ
り構成した場合には、機械式が有する寿命の問題は解決
できるが、タップ切り換え時の瞬時停電や電源側のフリ
ッカ等の問題は残る。 (4)出力電圧には入力電圧をタップにより分圧した電
圧値が得られるため、入力電圧の歪みやノイズが負荷に
そのまま供給されることになる。
【0005】そこで本発明は、半導体スイッチング素子
を用いて出力電圧を無段階で連続的に制御し、入力電圧
の変動に対しても常に任意の大きさの一定電圧を無瞬断
で供給するとともに、入力電圧の歪みも補正することが
できる単相三線電源用電力変換装置を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、それぞれ2個のダイオード
を順方向に接続してなる第1〜第4のダイオード直列回
路を並列に接続し、第1のダイオード直列回路の直列接
続点を単相三線電源の中性点以外の一方の端子に接続す
ると共に、第2のダイオード直列回路の直列接続点を前
記中性点以外の他方の端子に接続し、第3及び第4のダ
イオード直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列
に半導体スイッチング素子をそれぞれ接続して構成さ
れ、前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作に
より、第3のダイオード直列回路の直列接続点と第4の
ダイオード直列回路の直列接続点と前記中性点との間に
接続される負荷に交流電力を供給するものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の単
相三線電源用電力変換装置において、第1のダイオード
直列回路の直列接続点及び第2のダイオード直列回路の
直列接続点と単相三線電源との間、並びに、第3のダイ
オード直列回路の直列接続点及び第4のダイオード直列
回路の直列接続点と出力端子との間に、リアクトル及び
コンデンサからなるLCフィルタをそれぞれ接続したも
のである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の単相三線電源用電力変換装置において、第1及び
第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオードに対
し逆並列に、半導体スイッチング素子をそれぞれ接続し
たものである。
【0009】なお、上記各発明において、第1〜第4の
ダイオード直列回路に並列に、抵抗及びコンデンサから
なるスナバ回路、または、抵抗、コンデンサ及びダイオ
ードからなるスナバ回路を接続すると良い。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1記載の単
相三線電源用電力変換装置において、第1及び第2のダ
イオード直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列
に半導体スイッチング素子をそれぞれ接続し、かつ、第
1〜第4のダイオード直列回路に並列に、スナバ回路と
しても作用するフィルタ用のコンデンサを接続したもの
である。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1記載の単
相三線電源用電力変換装置において、第1及び第2のダ
イオード直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列
に半導体スイッチング素子をそれぞれ接続し、かつ、第
1のダイオード直列回路の直列接続点及び第2のダイオ
ード直列回路の直列接続点と単相三線電源との間にリア
クトルをそれぞれ接続すると共に、第3のダイオード直
列回路の直列接続点及び第4のダイオード直列回路の直
列接続点と出力端子との間に、リアクトル及びコンデン
サからなるLCフィルタをそれぞれ接続し、第1〜第4
のダイオード直列回路に並列に、スナバ回路としても作
用するフィルタ用のコンデンサを接続したものである。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1記載の単
相三線電源用電力変換装置において、第1及び第2のダ
イオード直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列
に半導体スイッチング素子をそれぞれ接続し、かつ、第
1〜第4のダイオード直列回路に並列に第1及び第2の
コンデンサからなる直列回路を接続し、これらのコンデ
ンサの直列接続点を単相三線電源の中性点に接続したも
のである。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1記載の単
相三線電源用電力変換装置において、第1及び第2のダ
イオード直列回路を構成する各ダイオードに対し逆並列
に半導体スイッチング素子をそれぞれ接続し、かつ、第
1のダイオード直列回路の直列接続点及び第2のダイオ
ード直列回路の直列接続点と単相三線電源との間にリア
クトルをそれぞれ接続すると共に、第3のダイオード直
列回路の直列接続点及び第4のダイオード直列回路の直
列接続点と出力端子との間に、リアクトル及びコンデン
サからなるLCフィルタをそれぞれ接続し、第1〜第4
のダイオード直列回路に並列に第1及び第2のコンデン
サからなる直列回路を接続し、これらのコンデンサの直
列接続点を単相三線電源の中性点に接続したものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。まず、図1は請求項1に記載した発明の
実施形態を示すものである。図において、ダイオードD
1,D2を順方向接続した第1のダイオード直列回路
と、ダイオードD3,D4を順方向接続した第2のダイ
オード直列回路と、ダイオードD5,D6を順方向接続
した第3のダイオード直列回路と、ダイオードD7,D
8を順方向接続した第4のダイオード直列回路とが並列
に接続され、ダイオードD5,D6,D7,D8にはそ
れぞれ半導体スイッチング素子S1,S2,S3,S4
が逆並列に接続されている。また、第1〜第4のダイオ
ード直列回路には、抵抗とコンデンサとの直列回路から
なる、いわゆるR−Cスナバ回路、または、ダイオード
とコンデンサとの直列回路及び抵抗からなるいわゆるR
−C−Dスナバ回路等のスナバ回路10が並列に接続さ
れている。
【0015】第1のダイオード直列回路の直列接続点
(ダイオードD1,D2の接続点)は、単相三線電源3
0の中性点以外の端子、例えばR相に相当する端子Rに
接続されると共に、第2のダイオード直列回路の直列接
続点(ダイオードD3,D4の接続点)は、単相三線電
源30のT相に相当する端子Tに接続される。また、第
3のダイオード直列回路の直列接続点(ダイオードD
5,D6の接続点)は例えばU相の出力端子Uに、第4
のダイオード直列回路の直列接続点(ダイオードD7,
D8の接続点)はW相の出力端子Wに接続され、これら
の出力端子U,Wと単相三線電源30の中性点Nとの間
に負荷(図示せず)が接続されるようになっている。
【0016】この実施形態の動作を、図2を参照しつつ
説明する。なお、図2において、V1は単相電源V1の
電圧(R相電圧)、V2は単相電源V2の電圧(T相電
圧)、V3(=V1−V2)はR相−T相間電圧、VU
はU相電圧、VWはW相電圧を示している。
【0017】いま、図2に示す如く、R相−T相間電圧
V3及びR相電圧V1が正である半周期において、ダイ
オードD1,D4が導通している状態でスイッチング素
子S1をオンすると、単相電源V1→ダイオードD1→
スイッチング素子S1→端子U→負荷→中性点N→単相
電源V1の経路で、R相電圧V1が負荷に印加される。
すなわち、U相電圧はV1となる。次に、スイッチング
素子S1をオフしてS2をオンすると、U相電圧は−V
1(=V2)となる。このような動作を、図2cにおけ
るキャリアとU相出力指令との比較により得られる図2
dのPWM(U)信号と、図2fの位相信号との論理演
算によって得られるゲート信号に従って高周波で連続的
に行うと、図2gのようなU相電圧VUが得られる。
【0018】同様に、ダイオードD1,D4が導通して
いる状態でスイッチング素子S4をオンすると、単相電
源V2→中性点N→負荷→端子W→スイッチング素子S
4→ダイオードD4→単相電源V2の経路で、T相電圧
V2が負荷に印加される。すなわち、W相電圧はV2と
なる。次に、スイッチング素子S4をオフしてS3をオ
ンすると、W相電圧は−V2(=V1)となる。このよ
うな動作を、図2cにおけるキャリアとW相出力指令と
の比較により得られる図2eのPWM(W)信号と、図
2fの位相信号との論理演算によって得られるゲート信
号に従って高周波で連続的に行うと、図2hのようなW
相電圧VWが得られる。
【0019】R相−T相間電圧V3及びR相電圧V1が
負である半周期にも同様な動作を繰り返すことで、図2
g、図2h、図2iに示すような電圧波形VU,VW,V
UWを得ることができる。このとき、PWM(U)信号及
びPWM(W)信号のオンデューティと出力電圧とは、
比例関係にある。また、例えば、スイッチング素子S1
をオフしたとき、単相電源V1からスイッチング素子S
1までの間に存在する配線インダクタンスに蓄えられて
いたエネルギーはスナバ回路10により吸収され、素子
に過電圧が印加されるのを抑制する。なお、このスナバ
回路10の動作は広く知られているため、ここでは詳述
を省略する。
【0020】以上の動作により、単相三線電源30の電
圧を任意の大きさの単相三線電圧に変換して出力端子
U,W,Nから出力することができる。
【0021】次いで、図3は請求項2に記載した発明の
実施形態を示している。この実施形態は、力率1の負荷
に対応させると共に、スイッチング素子のスイッチング
動作に伴うリプル分を除去することを考慮したものであ
る。図1との相違点を中心に説明すると、単相三線電源
30の端子Rと第1のダイオード直列回路の直列接続点
との間にリアクトルL1が、同じく端子Tと第2のダイ
オード直列回路の直列接続点との間にリアクトルL2が
それぞれ接続され、これら二つの直列接続点の間にコン
デンサC1が接続されている。また、第3のダイオード
直列回路の直列接続点と出力端子Uとの間にリアクトル
L3が、第4のダイオード直列回路の直列接続点と出力
端子Wとの間にリアクトルL4がそれぞれ接続され、出
力端子U,Wと中性点Nとの間にコンデンサC2,C3
がそれぞれ接続されている。
【0022】このような構成とすることにより、スイッ
チング素子のスイッチング動作に伴うリプル分を除去す
ることが可能になる。すなわち、図1の実施形態による
出力電圧波形は、図2のg,h,iに示したように、正
弦波を裁断したままでリプルが大きく高調波を含んだ波
形となっているが、図3の実施形態においては、例えば
図2gのU相の電圧波形はリアクトルL3及びコンデン
サC2からなるLCフィルタのフィルタ効果により正弦
波状になる。同様にして、W相の図2hの電圧波形も、
リアクトルL4及びコンデンサC3からなるLCフィル
タのフィルタ効果により正弦波状に整形される。
【0023】更に、スイッチング周波数に起因する電源
側へのリプル電流や電力変換装置と電源インピーダンス
との間で起きる振動を、リアクトルL1,L2及びコン
デンサC1からなるLCフィルタにより吸収し、電源側
電流波形を正弦波状にすることができる。なお、コンデ
ンサC1は、第1のダイオード直列回路の直列接続点と
中性点Nとの間、または、第2のダイオード直列回路の
直列接続点と中性点Nとの間に接続しても同様の効果を
得ることができる。ここで、スナバ回路10は先の実施
形態と同様に動作する。
【0024】次に、請求項3に記載した発明の第1実施
形態を図4に沿って説明する。この実施形態は、力率が
1以外の負荷にも対応できるように考慮したものであ
る。図4の構成と図1の構成との相違点を述べると、図
4ではすべてのダイオードD1〜D8に半導体スイッチ
ング素子が逆並列接続されている。すなわち、図4では
ダイオードD1〜D4にもそれぞれ半導体スイッチング
素子S5〜S8が逆並列接続される。
【0025】上記構成において、図1の実施形態で説明
したごとく、端子R,T間の電圧V3が正の期間におい
てスイッチング素子S1をオンしたときに、単相電源V
1→ダイオードD1→スイッチング素子S1→端子U→
負荷→中性点N→単相電源V1の経路で負荷にR相電圧
V1が供給される。つまり、U相電圧はV1となる。こ
の時、端子U,N間にリアクトル等を含む遅れ負荷が接
続されていたとすると、電圧が正の期間でも負の電流を
流す必要がある。しかるに、例えば図1の実施形態では
第1のダイオード直列回路にスイッチング素子が接続さ
れていないため、出力側のU相から入力側のR相に向か
う電流を流すことができない。
【0026】これに対し、図4の実施形態では、スイッ
チング素子S5,S8をダイオードD1,D4の導通に
同期させて、すなわち電源電圧V3が正の期間に同期し
てオンさせ、また、スイッチング素子S6,S7をダイ
オードD2,D3の導通に同期して、すなわち電源電圧
V3が負の期間に同期してオンさせることにより、電源
電圧と位相の異なる電流を流すことができる。例えば、
前述のように、端子R,T間の電圧V3が正の期間にお
いてスイッチング素子S1をオンするとU相電圧はV1
となるが、電流についてみると、スイッチング素子S
5,S8がオンしているので、負荷→端子U→ダイオー
ドD5→スイッチング素子S5→単相電源V1→中性点
N→負荷の経路で電圧位相とは逆の電流を流すことがで
きる。すなわち、力率1以外でも電流を流す経路を確保
でき、回路動作を良好に行うことができる。ここで、ス
ナバ回路10の動作は前述の各実施形態と同様である。
【0027】図5は、請求項3に記載した発明の第2実
施形態を示している。この実施形態は、力率1以外の負
荷に対応するとともに、スイッチング素子のスイッチン
グ動作に伴うリプル分を除去することを考慮したもので
ある。図3と図5との相違点を述べると、図5ではすべて
のダイオードD1〜D8に半導体スイッチング素子が逆
並列接続されている。すなわち、図5ではダイオードD
1〜D4にもそれぞれ半導体スイッチング素子S5〜S
8が逆並列接続される。なお、入出力側のLCフィルタ
の構成は図3と同一である。
【0028】図5の回路構成により、スイッチング素子
のスイッチング動作に伴うリプル分を除去することが可
能になる。すなわち、図3の実施形態では、図1の実施
形態と同様に、図2g,h,iに示したように出力電圧
は正弦波を裁断したままでリプルが大きく高調波を含ん
だ波形となるが、図5の実施形態によれば、例えば図2
gのU相電圧VUの波形は、リアクトルL3及びコンデ
ンサC2からなるLCフィルタの効果によって正弦波状
になる。更に、図3の実施形態と同様に、スイッチング
周波数に起因するリプル電流や電力変換装置と電源イン
ピーダンスとの間で起きる振動を、リアクトルL1,L
2及びコンデンサC1からなるLCフィルタにより吸収
し、電源側電流波形を正弦波状にすることができる。な
お、コンデンサC1は、第1のダイオード直列回路の直
列接続点と中性点Nとの間、または、第2のダイオード
直列回路の直列接続点と中性点Nとの間に接続しても良
い。ここで、スナバ回路10は前記各実施形態と同様に
動作する。
【0029】図6は、請求項4に記載した発明の実施形
態を示すもので、この実施形態は、力率1以外の負荷に
対応させると共に、前記スナバ回路10の作用をフィル
タコンデンサにより果たすようにしたものである。回路
構成は図4とほぼ同様であるが、異なる点は、図4にお
けるスナバ回路10の代わりにコンデンサC4が接続さ
れている点である。
【0030】図4の実施形態において、スナバ回路10
は、スイッチング素子のオンオフ動作時に、配線のイン
ダクタンス成分に蓄えられるエネルギーを吸収して素子
に過電圧が印加されるのを防ぐ目的で用いられている。
従って、このスナバ回路10では、電源側にスイッチン
グ素子のリプル電流が流出するのを防ぐことはできな
い。これに対し、図6のようにコンデンサC4をスナバ
回路10の代わりに接続することで、コンデンサC4は
スナバ回路の働きをすると共に、フィルタコンデンサの
働きもする。
【0031】例えば、スイッチング素子S1がオフした
とき、電源からスイッチング素子S1までの配線のイン
ダクタンスに蓄えられたエネルギーをダイオードD1→
コンデンサC4→ダイオードD4の経路で吸収すること
ができる。また、スイッチング素子S5,S6,S7,
S8は電源電圧V3に同期してオンしているので、コン
デンサC4はダイオードD1,D2の直列接続点とダイ
オードD3,D4の直列接続点との間に接続されている
のと等価である。
【0032】よって、コンデンサC4は、負荷の電圧を
調整するためのスイッチング素子S1,S2,S3,S
4のオンオフ動作に伴うスイッチングリプル成分の電流
を電源に流さないようにするフィルタコンデンサとして
働く。つまり、コンデンサC4は、スイッチング周波数
のような高周波成分に対して低インピーダンスとなって
高周波電流を吸収する。上記のように、スナバ回路10
に代えてコンデンサC4を接続することで、スナバ回路
を簡略化しつつ電源のフィルタコンデンサを兼ねること
ができる。
【0033】図7は、請求項5に記載した発明の実施形
態を示している。この実施形態は、図6の実施形態と同
様に、力率1以外の負荷に対応させると共にフィルタコ
ンデンサをスナバ回路として作用させるほか、入出力波
形に含まれるリプルを除去して出力電圧波形及び入力電
流波形を正弦波化することを考慮してなされたものであ
る。回路構成は図5とほぼ同様であるが、異なる点は、
図5におけるスナバ回路10の代わりにコンデンサC4
が接続されている点、及び、図5におけるコンデンサC
1が除去されている点である。
【0034】この実施形態によれば、スイッチング素子
のスイッチング動作に伴うリプル分を除去することが可
能になる。すなわち、図5の実施形態では、図2g,
h,iに示した如く、出力電圧は正弦波を裁断したまま
でリプルが大きく高調波を含んだ波形となっているが、
図7の実施形態においては、例えば図2gのU相の電圧
波形は、リアクトルL3及びコンデンサC2からなるL
Cフィルタのフィルタ効果により正弦波状になる。同様
にして、図2hのW相の電圧波形も、リアクトルL4及
びコンデンサC3からなるLCフィルタのフィルタ効果
により正弦波状に整形される。
【0035】更に、電源側へのスイッチング周波数に起
因するリプル電流や電力変換装置と電源インピーダンス
との間で起きる振動に関しては、前述の如く、コンデン
サC4がダイオードD1,D2の直列接続点とダイオー
ドD3,D4の直列接続点との間に接続されているのと
等価であり、リアクトルL1,L2、コンデンサC4に
よりLCフィルタを構成できるため、このLCフィルタ
によってスイッチングリプルを吸収し、電源側電流波形
を正弦波状にすることができる。
【0036】図8は、請求項6に記載した発明の実施形
態を示している。この実施形態は、図6の実施形態にお
けるコンデンサC4の代わりに第1、第2のコンデンサ
C5,C6の直列回路を接続し、それらの直列接続点を
単相三線電源30の中性点Nに接続したものであり、そ
の他の構成は図6と同一である。
【0037】この実施形態では、コンデンサC5,C6
の電圧が中性点Nに対してV1,V2によりクランプさ
れるため、出力のU相またはW相にはV1,V2を中性
点Nを基準として出力できることになる。このため、図
6の実施形態に比べてUN間、WN間の出力電圧が一層
安定する特徴を持つ。これにより、単相三線電源電圧を
任意の大きさの単相三線電圧に変換し、より安定した動
作で負荷に供給することができる。
【0038】図9は、請求項7に記載した発明の実施形
態を示している。この実施形態は、図7の実施形態にお
けるコンデンサC4の代わりに第1、第2のコンデンサ
C5,C6の直列回路を接続し、それらの直列接続点を
単相三線電源30の中性点Nに接続したものであり、そ
の他の構成は図7と同一である。この実施形態は、図8
の実施形態におけるスイッチング素子のスイッチング動
作に伴うリプル分を除去することを考慮した構成であ
る。
【0039】すなわち、図8の実施形態では、図2g,
h,iに示したように出力電圧は正弦波を裁断したまま
でリプルが大きく高調波を含んだ波形となっているが、
図9の実施形態では、例えば図2gのU相の電圧波形
は、リアクトルL3及びコンデンサC2からなるLCフ
ィルタのフィルタ効果により正弦波状になる。同様にし
て、図2hのW相の電圧波形も、リアクトルL4及びコ
ンデンサC3からなるLCフィルタのフィルタ効果によ
り正弦波状に整形される。
【0040】更に、電源側へのスイッチング周波数に起
因するリプル電流や電力変換装置と電源インピーダンス
との間で起きる振動に関しては、リアクトルL1と第1
のコンデンサC5、及び、リアクトルL2と第2のコン
デンサC6により各々構成されるLCフィルタによって
吸収することができ、電源側の電流波形を正弦波状にす
ることが可能になる。なお、図8と同様に、単相三線電
源30のコンデンサC5,C6の直列回路の直列接続点
を中性点Nに接続してあるため、UN間、WN間の出力
電圧を一層安定化する機能も併せ持つものである。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電力変換
装置によって単相三線電源の電圧調整を実施する際、従
来では連続的には調整不可能であったものを連続的に調
整することが可能になり、出力電圧の調整精度を高める
ことができる。また、スイッチング素子を高周波でオン
オフすることにより、機械式のタップ切り換えに比べて
寿命の点や切り換え時の応答性の点で有利である。つま
り、メンテナンスが不要になったり瞬時停電等がなくな
るとともに、サイリスタ等の逆並列スイッチを用いたも
のに比べても、フリッカ現象のような電源への悪影響が
なくなり、負荷に対して常に任意の大きさの安定した電
圧または電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図2】図1の実施形態の動作波形図である。
【図3】請求項2に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図4】請求項3に記載した発明の第1実施形態を示す
回路図である。
【図5】請求項3に記載した発明の第2実施形態を示す
回路図である。
【図6】請求項4に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図7】請求項5に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図8】請求項6に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図9】請求項7に記載した発明の実施形態を示す回路
図である。
【図10】従来技術を示す回路図である。
【符号の説明】
D1〜D8 ダイオード C1〜C6 コンデンサ L1〜L4 リアクトル S1〜S8 半導体スイッチング素子 V1,V2 単相電源 R,T,U,W 端子 N 中性点 10 スナバ回路 30 単相三線電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ2個のダイオードを順方向に接
    続してなる第1〜第4のダイオード直列回路を並列に接
    続し、第1のダイオード直列回路の直列接続点を単相三
    線電源の中性点以外の一方の端子に接続すると共に、第
    2のダイオード直列回路の直列接続点を前記中性点以外
    の他方の端子に接続し、第3及び第4のダイオード直列
    回路を構成する各ダイオードに対し逆並列に半導体スイ
    ッチング素子をそれぞれ接続して構成され、 前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作によ
    り、第3のダイオード直列回路の直列接続点と第4のダ
    イオード直列回路の直列接続点と前記中性点との間に接
    続される負荷に交流電力を供給することを特徴とする単
    相三線電源用電力変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の単相三線電源用電力変換
    装置において、 第1のダイオード直列回路の直列接続点及び第2のダイ
    オード直列回路の直列接続点と単相三線電源との間、並
    びに、第3のダイオード直列回路の直列接続点及び第4
    のダイオード直列回路の直列接続点と出力端子との間
    に、リアクトル及びコンデンサからなるLCフィルタを
    それぞれ接続したことを特徴とする単相三線電源用電力
    変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の単相三線電源用
    電力変換装置において、 第1及び第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオ
    ードに対し逆並列に、半導体スイッチング素子をそれぞ
    れ接続したことを特徴とする単相三線電源用電力変換装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の単相三線電源用電力変換
    装置において、 第1及び第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオ
    ードに対し逆並列に半導体スイッチング素子をそれぞれ
    接続し、かつ、第1〜第4のダイオード直列回路に並列
    にコンデンサを接続したことを特徴とする単相三線電源
    用電力変換装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の単相三線電源用電力変換
    装置において、 第1及び第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオ
    ードに対し逆並列に半導体スイッチング素子をそれぞれ
    接続し、かつ、第1のダイオード直列回路の直列接続点
    及び第2のダイオード直列回路の直列接続点と単相三線
    電源との間にリアクトルをそれぞれ接続すると共に、第
    3のダイオード直列回路の直列接続点及び第4のダイオ
    ード直列回路の直列接続点と出力端子との間に、リアク
    トル及びコンデンサからなるLCフィルタをそれぞれ接
    続し、第1〜第4のダイオード直列回路に並列にコンデ
    ンサを接続したことを特徴とする単相三線電源用電力変
    換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の単相三線電源用電力変換
    装置において、 第1及び第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオ
    ードに対し逆並列に半導体スイッチング素子をそれぞれ
    接続し、かつ、第1〜第4のダイオード直列回路に並列
    に第1及び第2のコンデンサからなる直列回路を接続
    し、これらのコンデンサの直列接続点を単相三線電源の
    中性点に接続したことを特徴とする単相三線電源用電力
    変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の単相三線電源用電力変換
    装置において、 第1及び第2のダイオード直列回路を構成する各ダイオ
    ードに対し逆並列に半導体スイッチング素子をそれぞれ
    接続し、かつ、第1のダイオード直列回路の直列接続点
    及び第2のダイオード直列回路の直列接続点と単相三線
    電源との間にリアクトルをそれぞれ接続すると共に、第
    3のダイオード直列回路の直列接続点及び第4のダイオ
    ード直列回路の直列接続点と出力端子との間に、リアク
    トル及びコンデンサからなるLCフィルタをそれぞれ接
    続し、第1〜第4のダイオード直列回路に並列に第1及
    び第2のコンデンサからなる直列回路を接続し、これら
    のコンデンサの直列接続点を単相三線電源の中性点に接
    続したことを特徴とする単相三線電源用電力変換装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100868343B1 (ko) * 2007-03-02 2008-11-12 주식회사 다원시스 직렬 또는 병렬로 연결된 직류 전원 장치
US8374005B2 (en) 2008-02-28 2013-02-12 Daikin Industries, Ltd. Direct AC power converting apparatus
JP2013179778A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Tohoku Electric Manufacturing Co Ltd 電圧調整装置

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