JPH1133088A - 汚れ分解機能を有する防黴材およびその製造方法 - Google Patents

汚れ分解機能を有する防黴材およびその製造方法

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JPH1133088A
JPH1133088A JP9188252A JP18825297A JPH1133088A JP H1133088 A JPH1133088 A JP H1133088A JP 9188252 A JP9188252 A JP 9188252A JP 18825297 A JP18825297 A JP 18825297A JP H1133088 A JPH1133088 A JP H1133088A
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layered compound
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antifungal
metal
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JP9188252A
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Tomohiko Iijima
智彦 飯島
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機系多孔質粉末からなり、防黴効果の持続
性に優れた汚れ分解機能を有する防黴材およびその製造
方法に関し、防黴成分と汚れ分解成分とを併せ持ち、製
品表面の汚れを分解して防黴性能を効果的に発揮させる
とともに持続させ、かつ、金属イオンに起因する変色や
呈色等を起こさないで被防黴処理品の意匠性を損わせる
ことのないようにすることを課題とする。 【解決手段】 層状化合物の層間が汚れ分解機能を有す
る架橋体で架橋され、この架橋体により離間された前記
層状化合物の層間に防黴機能を有するコロイド状の金属
微粒子及び/又はこの金属の酸化物微粒子を前記架橋体
に着設することなく析出させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防黴効果の持続性に優
れた汚れ分解機能を有する防黴材およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防黴材としては、安全性、防黴効
果に優れる等の観点から、銅イオンや銀イオン、特に銅
イオンを無機系化合物に担持させたものが一般的に使用
されている。以下、本明細書において防黴効果、防黴性
とは、抗菌効果、抗菌性、防藻効果、防藻性をも含むも
のとし、更に、汚れとは、被防黴処理品の表面を覆い、
防黴効果の発現を阻害する有機機質の物質を指称するも
のとする。
【0003】〔問題点〕このような従来の金属イオンを
担持させた無機系防黴材では、イオン交換反応、錯体形
成反応等により得られた比較的強固でない結合力を応用
したものであるため、防黴効果を有する金属イオンが徐
放されず急速に層間外に溶出し、もって防黴効果の持続
性を損ね、また、層間外に溶出した金属イオンに起因す
る変色、呈色等が引き起こされ、被防黴処理品の意匠性
を損なうという問題点があった。
【0004】また、防黴効果の発現は、通常、被防黴処
理品の表面に露出した防黴成分が黴、菌、藻等に直接接
触するときに発揮されるものであって、汚れが被防黴処
理品の表面を覆った場合は、防黴成分が黴、菌、藻等と
直接接触することができず、防黴効果の発現を著しく低
下させるという問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前記問題点に鑑みてなされたものであり、これら
を解消するため具体的に設定した課題は、防黴成分と汚
れ分解成分とを併せ持ち、被防黴処理品の表面の汚れを
分解して防黴性を効果的に持続させ、かつ、金属イオン
に起因する変色や呈色等を起こさないで被防黴処理品の
意匠性を損わせることのない汚れ分解機能を有する防黴
材およびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
汚れ分解機能を有する防黴材は、層状化合物の層間が汚
れ分解機能を有する架橋体で架橋され、この架橋体によ
り離間された前記層状化合物の層間に、防黴機能を有す
るコロイド状の金属微粒子及び/又はこの金属の酸化物
微粒子を前記架橋体に着設することなく析出させたこと
を特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に係る汚れ分解機能を有す
る防黴材は、前記汚れ分解機能を有する架橋体がチタニ
アであることを特徴とする。
【0008】また、請求項3に係る汚れ分解機能を有す
る防黴材は、前記防黴機能を有する金属が銅または銀か
らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
とする。
【0009】更に、請求項4に係る汚れ分解機能を有す
る防黴材の製造方法は、汚れ分解機能を有する架橋体で
架橋された層状化合物の層間に、防黴機能を有する金属
イオンをインターカレートし、還元剤を用いて前記金属
イオンを還元し、金属微粒子を前記架橋体の表面に着設
させることなく析出させたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につき詳
細に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明の趣
旨をより良く理解させるため、具体的に説明するもので
あり、特に指定のない限り、発明内容を限定するもので
ない。
【0011】この実施の形態における汚れ分解機能を有
する防黴材は、無機系層状多孔質粉末であって、層状多
孔質を形成する各層には、図1に示すように、各層状化
合物1の間を汚れ分解機能を有する架橋体2により架橋
し、この架橋体2によって離間された層状化合物1の層
間3には防黴性を有する金属または金属酸化物のコロイ
ド状微粒子4を析出させたものである。
【0012】この防黴材では、製造過程における水系分
散液中で、層状化合物1にあっては層間3の表面が負電
荷であり、架橋体2が正電荷を有し、コロイド状微粒子
4が陽イオンとなるから、コロイド状微粒子4は架橋体
2に静電気的に反撥して近接せず、層状化合物の層間3
に静電気的に引き付けられ、架橋体表面に着設されてい
ない独立した物質として層状化合物1の層間3に析出し
ている。
【0013】ここで、防黴材の母材を形成させる層状化
合物1としては、モンモリロナイト、サポナイト、へク
トライト等に代表されるスメクタイト系粘土鉱物、膨潤
性雲母、テニオライト、ゾノトライト、トバモライト、
セピオライト等のイオン交換性を有する化合物が挙げら
れ、これらが単独で、又は併用の形で、好適に用いられ
る。
【0014】汚れ分解機能を有する架橋体2としては、
光の照射を受けることにより酸化作用等を奏して汚れを
分解する光触媒機能を有する金属酸化物、例えばチタニ
ア、酸化第二鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物が望ましい。
このうち、特に、強い酸化力が生じるチタニアが好まし
い。
【0015】防黴性を有する金属または金属酸化物のコ
ロイド状微粒子4としては、粒径が10-7〜10-9mになる
ように析出させた銅または銀あるいはそれらの酸化物の
微粒子とする。このうち、金属酸化物は、層間3でコロ
イド状に析出した金属微粒子が空気中の酸素又は反応系
である水により酸化されて金属酸化物微粒子となったも
のであり、このため、通常、防黴材中のコロイド状微粒
子4としては、防黴性を有する金属の微粒子とその金属
の酸化物の微粒子とが層間3に混在している。
【0016】この防黴性を有する金属の酸化物は、空気
中の酸素又は反応系である水によりコロイド状の金属が
次第に酸化されたものであるから、銅は酸化第一銅また
は酸化第二銅、銀は酸化銀等である。特に、前記コロイ
ド状の金属が銅の場合は酸化されやすい傾向にある。
【0017】この防黴材にあっては、汚れ分解機能を有
する架橋体2で架橋された層間化合物1の層間3に、防
黴機能を有するコロイド状金属微粒子及び/又は該金属
酸化物の微粒子を介在させたことにより、これらの防黴
成分が短期間のうちに金属イオンとして層間外に溶出さ
れず、抗黴成分が金属、金属酸化物の状態で層間内に存
在し、これらが長期にわたって防黴効果を発現する。
【0018】これに対して従来の防黴材では、汚れ分解
機能を有していないため、被防黴処理品の表面が汚れに
より覆われてしまうと防黴効果の発現が著しく阻害さ
れ、防黴効果が持続しなかった。しかし、本実施の形態
に示すような汚れ分解機能を有する防黴材にあっては、
汚れ分解機能を有する架橋体2により架橋された層状化
合物1を母材として用いているので、架橋体2が強い酸
化作用等の汚れ分解作用を生じ、被防黴処理品の表面を
覆う汚れが分解されて、防黴成分が黴、菌、藻等に常時
接触できるようにし、防黴性を効果的に発揮させ、防黴
効果が長期間持続するようになる。
【0019】また、防黴作用を有するコロイド状微粒子
4は、架橋体表面には析出せず、層状化合物1の層間3
に架橋体2とは独立して析出することから、架橋体2の
表面積は減少せず、架橋体2の汚れ分解活性は低減して
いないので、汚れを効率よく分解させることができる。
このため、単に銀又は銅が金属イオンとして無機化合物
に担持された従来の抗菌剤とは異なり、防黴効果の持続
性に優れたものとなる。また、この防黴材にあっては、
防黴成分が短期間のうちに層間外に金属イオンとして溶
出されないので、溶出した金属イオンに起因する変色、
呈色が大幅に低減され、被防黴処理品の意匠性を損なわ
せることがない。
【0020】また、この防黴材にあっては、架橋体2が
層間3に存在するため、塗料、プラスチック、紙など有
機系素材に添加した場合においても、従来の防黴材にみ
られた架橋体2の分解作用によるチョーキング現象(適
用素材そのものを分解してしまう現象)を防止すること
も可能となる。
【0021】次に、この汚れ分解機能を有する防黴材の
製造方法について説明する。この防黴材の製造方法で
は、層状化合物1の分散液に汚れ分解機能を有する架橋
体2の前駆体を添加して層状化合物1の層間3を架橋
し、次いで、層状化合物1の残りのイオン交換容量を防
黴機能を有する金属イオンでイオン交換してインターカ
レートし、さらに、この反応液に還元剤の溶液を添加し
て前記金属イオンを還元し、層間3に架橋体2とは独立
に金属及び/又は金属酸化物のコロイド状微粒子4とし
て析出させる。
【0022】層状化合物1の分散液としては、例えばN
a−モンモリロナイト、Ca−モンモリロナイト、合成
スメクタイト、Na−テニオライト、Li−テニオライ
ト、Na−ヘクトライト、Li−ヘクトライト、合成雲
母等の分散液が用いられる。架橋体2の前駆体として
は、例えばチタニアのゾル、酢酸鉄の多核イオン、酸化
亜鉛のゾル等が用いられる。防黴効果を有する金属の塩
の水溶液としては、硝酸銅(II)、硝酸銀、硫酸銅(I
I)、塩化銅(II)等の水溶液が用いられる。還元剤の
溶液は、硫酸第一鉄、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリ
ウム、L−アスコルビン酸ナトリウム等の水溶液が用い
られる。
【0023】これにより、汚れ分解機能を有する架橋体
2が各層状化合物1の層間3を架橋し、この層間3に未
だ存在するナトリウムやカリウム等の金属陽イオンの少
なくとも一部が銅イオン及び銀イオンからなる群から選
ばれた少なくとも1種の防黴機能を有する金属イオンに
よって置換され、この金属イオンがインターカレートさ
れた状態を保ちながら添加された還元剤により還元され
て、層間3にコロイド状の防黴機能を有する金属微粒子
が析出し、この金属微粒子の一部又は全部が引き続き空
気中の酸素または反応系の水により酸化されて、コロイ
ド状の金属酸化物微粒子となり、層間3に架橋体2とは
独立に金属及び/又は金属酸化物のコロイド状微粒子4
が存在することになる。
【0024】なお、上述のように、本製造方法では、層
間3に存在する金属酸化物は、析出した金属が空気中の
酸素または反応系の水により次第に酸化され、銅は酸化
第一銅、酸化第二銅、銀は酸化銀等の酸化物となったも
のであるから、金属イオンの還元剤による還元に引き続
く酸化工程を設けたものではない。
【0025】架橋に際しては(後に、銅イオン、銀イオ
ン等の少なくとも1種の防黴機能を有する金属のイオン
をインターカレートするため)、層状化合物1のイオン
交換容量のすべてを前駆体のゾルで交換することはでき
ないが、収支効率からイオン交換容量の数倍を仕込む。
この場合、好適には10〜20倍である。ただし、反応
時間、反応温度は特に限定されない。
【0026】この際、過剰の前駆体ゾルは十分な洗浄を
行って、層状化合物1の層間3の外に存在する前駆体ゾ
ルを除去し、光触媒効果によりチョーキング現象を引き
起こすことがないように配慮する。なお、イオン交換容
量が飽和した場合は、例えば 500℃程度の温度で1時間
程度熱処理した後、再び、食塩水や硝酸ナトリウム水溶
液に分散し、水酸化ナトリウム等を用いて滴定するなど
の公知の方法で、イオン交換性を回復させることができ
る。
【0027】また、引き続き行われる金属イオンをイン
ターカレートする工程では、反応時間、反応温度は特に
限定されない。この工程において層状化合物1の分散液
に添加する銅や銀等の防黴機能を有する金属のイオン量
は、層状化合物1のイオン交換容量より多めにするのが
望ましく、好適には2〜10倍である。
【0028】イオン交換後、層間3に入らなかった過剰
な金属イオンは遠心分離によるデカンテーションにて分
離し、洗浄する。そして、過剰な金属イオンを分離、洗
浄した後、還元剤を添加してインターカレートした金属
イオンを還元する。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕 (1) 防黴材の作製 イオン交換容量 115meq/ 100gのナトリウムモンモ
リロナイト粉末lgを100 mlの水に投入し、 60 ℃に
て攪拌し、完全に分散させた後、液温を 30 ℃とした。
【0030】別に、 0.05 モルのチタンイソプロポキシ
ドをエチルアルコールを用いて 100mlに定容した溶液
を、1M塩酸溶液 300mlに3ml/minの滴下速度
で添加して透明なチタニアゾルを調製した。調製後、室
温にて2時間熟成した。熟成後、前記チタニアゾルを5
ml/minの滴下速度で前記ナトリウムモンモリロナ
イト分散液中に添加し、さらに室温にて2時間熟成し
た。その後、遠心分離を行い、デカンテーションにて上
澄みの分離、沈殿生成物の洗浄を行い、再び定容として
チタニア架橋されたモンモリロナイト分散液 500mlを
得た。
【0031】このチタニア架橋モンモリロナイト分散液
に、 1.2×10-3モルの硫酸銅5水和物を 30 mlの水に
溶解したものを6ml/minの滴下速度で滴下し、こ
れを室温にて24時間、静置した状態でイオン交換を行
った。イオン交換の完了後、遠心分離にて上澄みを生成
させ、デカンテーションにて沈殿生成物の洗浄を5回行
い、再び定容し、さらに、窒素ガスにて1時間バブリン
グを行い、チタニア架橋された銅−モンモリロナイト分
散液 500mlを得た。
【0032】次いで、 1.2×10-2モルの水素化ホウ素ナ
トリウムを溶解した水溶液 200mlを調製し、この水溶
液を直ちに滴下チューブを取り付けた漏斗に移し、一気
に前記チタニア架橋された銅一モンモリロナイト分散液
中に添加した。添加と同時に褐色のゾルが生成し、 10
分間攪拌しながら熟成を行った。
【0033】上記操作により得られた生成物を遠心分離
により沈降させ、上澄みを水にて交換しながらデカンテ
ーションにて沈殿生成物を洗浄し、固形分を回収、乾燥
して防黴材を得た。この防黴材にあっては、チタニア架
橋されたモンモリロナイトの層間に銅、及び酸化第一銅
がコロイド状に析出していることがX線回析及び透過型
電子顕微鏡観察により確認された。
【0034】(2) 暴露試験 前記(1)で得られた防黴材1g、水 80 g、石膏 100
gを混練し、この混練物を用いて直径15mm,高さ2
mmのペレットを試験体として作成した。そして、この
試験体を 600時間、サンシヤインウェザーメータ中に暴
露した。暴露後の試験体には、変色は認められなかっ
た。この暴露後の試験体につき、JlSZ2911の手
法に準じて黴抵抗性試験を行った。その結果を表に示
す。
【0035】(3) ブラックライト照射試験 前記(1)で得られた防黴材5gを水で練和してペース
ト状にし、 10 × 10cmのガラス板全面に均一に塗布
し、乾燥させた。この塗布面上に 10 mgの植物油(汚
れの代用品)を懸濁させた水を噴霧し油膜を形成して試
験体を得た。この試験体を用い照射距離5mmにて 24
時間ブラックライトを照射した。使用したブラックライ
トのピーク波長は 360nmであった。ブラックライトの
照射後、ガラス板を 15 × 15 mmに裁断し、前記
(2)同様に黴抵抗性試験を行った。その結果を表に示
す。
【0036】〔実施例2〕 (1) 防黴材の作製 防黴効果を有する金属の塩として硝酸銀を用いた他は実
施例に準じて防黴材を得た。この防黴材にあっては、チ
タニア架橋されたモンモリロナイトの層間に銀がコロイ
ド状に析出していることがX線回析及び透過型電子顕微
鏡観察により確認された。 (2) 暴露試験 実施例2の防黴材を用いた他は、実施例1(2)と同様
に、作製した試験体をサンシヤインウェザーメータ中に
暴露した。暴露後の試験体には、変色は認められなかっ
た。次いで、暴露後の試験片につき、実施例1(2)に
準じて黴抵抗性試験を行った。その結果を表に示す。 (3) ブラックライト照射試験 前記(1)で得られた防黴材を使用した他は、実施例1
(3)に準じて黴抵抗性試験を行った。その結果を表に
示す。
【0037】〔比較例1〕 (1) 防黴材の作製 実施例1と同一のナトリウムモンモリロナイト粉末1g
を 100mlの水に投入し、 60 ℃にて攪拌した。完全に
分散させた後、液温を 30 ℃とした。別に、3× 10 -3
モルの硫酸銅5水和物を 30 mlの水に溶解したものを
6ml/minの滴下速度でナトリウムモンモリロナイ
ト分散液に添加した。これを室温にて 24 時間、静置し
た状態でイオン交換を行った。
【0038】イオン交換の完了後、遠心分離にて上澄み
を生成させ、デカンテーションにて沈殿生成物の洗浄を
5回行い、余剰の銅イオンを除去した。その後、固形分
を回収、乾燥して比較例1の防黴材を得た。この比較例
1の防徹材にあっては、銅イオンの添加量と上澄み液お
よび洗浄液中の銅イオン量からモンモリロナイトにイオ
ン交換されたことが確認された。
【0039】(2) 暴露試験 比較例1の防黴材を用いた他は、実施例1(2)と同様
に、作製した試験体をサンシヤイウェザーメータ中に暴
露した。暴露後の試験体は茶褐色に呈色していた。次い
で、暴露後の試験体につき、実施例1(2)に準じて黴
抵抗性試験を行った。その結果を表に示す。
【0040】(3) ブラックライト照射試験 比較例1の防黴材を使用した他は、実施例1(3)に準
じて黴抵抗性試験を行った。その結果を表に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
汚れ分解機能を有する防黴材では、層状化合物の層間に
架橋された汚れ分解機能を有する架橋体と、前記架橋体
と独立に層間に析出した防黴機能を有するコロイド状金
属微粒子及び/又は該金属の酸化物微粒子とにより、被
防黴処理品の表面に付着した汚れを効果的に分解して防
黴効果を長期間効果的に維持することができ、しかも被
防黴処理品の意匠性を損なうような金属イオンに起因す
る変色、呈色を起こすことがなくなる。
【0043】請求項2に係る汚れ分解機能を有する防黴
材は、前記架橋体がチタニアであるから、強い酸化力に
より被防黴処理品の表面を覆う汚れを効率よく分解し
て、防黴成分を黴、菌、藻等に常時接触させることがで
き、防黴性を効果的に発揮させるとともに防黴効果を持
続させることができる。
【0044】請求項3に係る汚れ分解機能を有する防黴
材は、前記防黴機能を有する金属が銅または銀であるこ
とにより、強い防黴力により被防黴処理品の表面の黴発
生を効果的に抑止することができる。
【0045】また、請求項4に係る汚れ分解機能を有す
る防黴材の製造方法は、防黴作用を有するコロイド状の
金属微粒子が架橋体の表面に着設することなく層間に析
出でき、層状化合物の層間を架橋する架橋体の表面積を
減少させずに済み、架橋体の汚れ分解機能を低減させる
ことがない防黴材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の防黴材の一層分をモ
デル化して示す側面説明図である。
【符号の説明】
1 層状化合物 2 架橋体 3 層間 4 コロイド状微粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】層状化合物の層間が汚れ分解機能を有する
    架橋体で架橋され、この架橋体により離間された前記層
    状化合物の層間に、防黴機能を有するコロイド状の金属
    微粒子及び/又はこの金属の酸化物微粒子を前記架橋体
    に着設することなく析出させたことを特徴とする汚れ分
    解機能を有する防黴材。
  2. 【請求項2】前記汚れ分解機能を有する架橋体がチタニ
    アであることを特徴とする請求項1記載の汚れ分解機能
    を有する防黴材。
  3. 【請求項3】前記防黴機能を有する金属が銅または銀か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1記載の汚れ分解機能を有する防徽材。
  4. 【請求項4】汚れ分解機能を有する架橋体で架橋された
    層状化合物の層間に、防黴機能を有する金属イオンをイ
    ンターカレートし、還元剤を用いて前記金属イオンを還
    元し、金属微粒子を前記架橋体の表面に着接させること
    なく析出させたことを特徴とする汚れ分解機能を有する
    防黴材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012111647A1 (ja) * 2011-02-14 2012-08-23 国立大学法人九州大学 層状化合物-金属粒子複合体及びその製造方法、並びにこれを用いたサスペンション、薄膜及びフレキシブル太陽電池
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