JPH11330259A - 集積回路を設計する方法 - Google Patents

集積回路を設計する方法

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JPH11330259A
JPH11330259A JP11054970A JP5497099A JPH11330259A JP H11330259 A JPH11330259 A JP H11330259A JP 11054970 A JP11054970 A JP 11054970A JP 5497099 A JP5497099 A JP 5497099A JP H11330259 A JPH11330259 A JP H11330259A
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JP
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integrated circuit
transistors
threshold voltage
transistor
idle mode
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JP11054970A
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English (en)
Inventor
N Shamon Slaman
スレイマン・エヌ・シャモン
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Motorola Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドル・モード・ベクトルを利用して集積
回路20を設計する方法を提供する。 【解決手段】本方法は、集積回路20のトランジスタ2
7,28,29,31,32,33,34,36の総リ
ストを与えることを含む。集積回路20の各トランジス
タは、初期閾値電圧を有する。集積回路20は、アイド
ル・モード・ベクトルを集積回路20の入力21,2
2,23,24に印加することによって、アイドル動作
モードにされる。アイドル動作モード中に「オフ」であ
り、かつ接地電位への電流経路を防ぐことができる集積
回路20のトランジスタ27,28,29,31,3
2,33,34,36の閾値電圧は、初期閾値電圧より
も大きい閾値電圧に設定される。集積回路20の残りの
トランジスタ27,28,29,31,32,33,3
4,36の閾値電圧は、初期閾値電圧よりも小さい閾値
電圧に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、集積回路設計
に関し、さらに詳しくは、高速化および省電力化のため
回路を最適化する際にデバイス閾値電圧を選択すること
に関する。
【0002】
【従来の技術】スピードおよび電力消費は、特にページ
ャ,セルラ電話,コードレス電話などのバッテリ用途で
は重要な集積回路(IC)設計事項である。全電力消費
は、一般に2つの成分、すなわち動的電力(dynamic pow
er)と静的電力(static power)に分けられる。動的電力
とは、増幅,スイッチングそして一般的にトランジスタ
をある状態から別の状態に駆動するため、および関連す
る容量性負荷を克服するために回路の通常動作時に消費
される電力のことである。静的電力とは、回路が非動作
状態であるスタンドバイ・モード時にゼロ入力漏れ電流
(quiescent leakage current)によって消費される電流
のことである。バッテリ寿命は、通常動作およびスタン
ドバイ・モードの両方で回路の電力消費を最小限に抑え
ることによって延長できる。
【0003】電力消費を低減する一般的な方法として、
供給電圧を単純に低減する方法がある。動的電力消費
は、供給電圧の二乗の関数である。従って、供給電圧を
低減することは、動的電力消費を低減することに著しい
効果がある。しかし、半導体プロセスによって決定され
るある点で、デバイスが導通し始めるデバイス閾値に供
給電圧が近づくにつれて、閾値下漏れ電流(sub-thresho
ld leakage current)は、動的電力が実質的に低減され
たとしても、依然バッテリを消費することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、高速動作を可
能にし、しかも集積回路による全電力消費を低減する、
すなわち、動的および静的電力消費の両方を低減する集
積回路を設計する方法を設けることは有利である。
【0005】
【実施例】本発明は、多重閾値電圧プロセス(multiple
threshold voltage process)を利用して、漏れ電流やス
ピードなどのパラメータを最適化するために集積回路を
設計あるいは再設計する方法を提供する。トランジスタ
の閾値電圧(VT)は、トランジスタがターンオンし、
導通し始める点を定める。多重閾値電圧プロセスを利用
することにより、集積回路のトランジスタは、互いに隣
接していても、異なる閾値電圧を有するように設定でき
る。低閾値電圧を有するトランジスタは、低VTトラン
ジスタといい、高閾値電圧を有するトランジスタは高V
Tトランジスタという。一例として、低VTトランジスタ
は、約200mV〜400mVの範囲の閾値電圧を有
し、高VTトランジスタは、約410mV〜800mV
の範囲の閾値電圧を有する。用途に応じて、低VTトラ
ンジスタおよび高VTトランジスタの閾値電圧の範囲
は、より低くてもあるいはより高くてもよい。例えば、
1ボルトの供給電圧を有する用途では、低VTトランジ
スタは、約200mV〜300mVの範囲の閾値電圧を
有し、高VTトランジスタは、約310mV〜600m
Vの範囲の閾値電圧を有する。
【0006】低VTのトランジスタは、より小さいゲー
ト電圧で導通状態に切り換わるので、高VTトランジス
タよりも高いスイッチング速度で動作する。しかし、ト
ランジスタの閾値電圧を低くすると、トランジスタの漏
れ電流および静的電力消費が増加する。高VTトランジ
スタを有する回路は、2つの理由、すなわち、1)ゲー
ト電圧が導通を開始するのに必要なレベルに達するのに
より時間がかかり、2)高VTトランジスタは低い飽和
電流を有し、そのため高VTトランジスタが容量性負荷
を充電するのにより時間がかかる、という2つの理由の
ため、低VTトランジスタを有する回路よりもスイッチ
ング速度が遅い。高VTトランジスタは導通する漏れ電
流が少なく、そのため低VTトランジスタよりも散逸す
る静的電力が少ない。
【0007】一般に集積回路は、アクティブ動作モード
と非アクティブ動作モードを有する。これらの動作モー
ド中に、集積回路のトランジスタは「オン」または「オ
フ」のいずれかとなる。非アクティブ動作モードは、ス
タンドバイまたはアイドル動作モードともいう。アイド
ル・モード刺激ベクトル(idle mode stimulus vectors)
ともいうアイドル・モード・ベクトルは、集積回路のア
イドル動作モード中にどのトランジスタが「オン」また
は「オフ」であるのかを識別するために用いられる。ア
イドル・モード・ベクトルは、集積回路をアイドル動作
モードにする入力の状態である。本発明に従って、アイ
ドル・モード・ベクトルはトランジスタ閾値電圧の選択
を最適化するために用いられる。
【0008】図1は、多重閾値電圧プロセスを利用し
て、集積回路のスピードを最適化し、例えば、スピード
を増加させ、かつ漏れ電流を最適化し、例えば、漏れ電
流を低下させる方法を示すフロー図10である。高速化
および省電力化のために最適化されていない設計で集積
回路を製造する際、すべてのトランジスタが同じ閾値調
整注入(threshold adjust implant)を受けることは例外
的ではない。しかし、回路設計が最適化されると、クリ
ティカル(最長)経路(critical path)におけるトラン
ジスタは識別され、低い閾値電圧のために特定のトラン
ジスタが選択される。これら選択されたトランジスタ
は、修正されたインプラントを受ける。従って、少なく
とも高閾値電圧トランジスタと低閾値電圧トランジスタ
の両方を有する集積回路が製造される。これらの閾値電
圧を生成するために必要な注入エネルギおよびドーパン
ト濃度ならびに他の関連プロセス特性は、半導体処理技
術の当業者にとって周知である。
【0009】図1の方法は、パーソナル・ワークステー
ションなどのコンピュータ・システム上のコンピュータ
・ソフトウェアによって実行される。プロセッサ,メモ
リおよびコーディングを有するコンピュータ・システム
は、図1のステップを実行するための手段を提供する。
【0010】一例として、本方法は、図2に示すような
デジタル集積回路20を設計するために利用できる。回
路20は、例えばVDD=1.0ボルトの低供給電圧動作
用に変換された既存の設計でもよく、あるいは高スピー
ド,低い供給電圧および低電力で動作しなければならな
い新たな設計でもよい。本例に従って、デジタル集積回
路20は、複数の入力21,22,23,24および出
力26を有するNANDゲートである。具体的には、N
ANDゲート20は、4つのpチャネル・トランジスタ
27,28,29,31を有し、それぞれのトランジス
タはゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極とを有
する。トランジスタ27,28,29,31のソース電
極は互いに接続され、かつ例えばVDDなどの電源電圧ま
たは動作電位のソースを受けるべく結合される。トラン
ジスタ27,28,29,31のドレイン電極は互いに
接続され、NANDゲート20の出力26を形成する。
【0011】さらに、NANDゲート20は、4つのn
チャネル・トランジスタ32,33,34,36を有
し、それぞれのトランジスタはゲート電極と、ソース電
極と、ドレイン電極とを有する。トランジスタ32のソ
ース電極は、トランジスタ27,28,29,31のド
レイン電極に接続され、トランジスタ32のドレイン電
極は、トランジスタ33のソース電極に接続される。ト
ランジスタ33のドレイン電極は、トランジスタ34の
ソース電極に接続され、トランジスタ34のドレイン電
極は、トランジスタ36のソース電極に接続される。ト
ランジスタ36のドレイン電極は、例えば、接地電位な
どの動作電位のソースを受けるべく結合される。
【0012】トランジスタ27,32のゲートは共通に
接続され、入力21を形成する。トランジスタ28,3
3のゲートは共通に接続され、入力22を形成する。同
様に、トランジスタ29,34のゲートは共通に接続さ
れ、トランジスタ31,36のゲートは共通に接続さ
れ、それぞれ入力23,24を形成する。入力21,2
2,23,24は、入力信号SIG1,SIG2,SI
G3,SIG4をそれぞれ受ける。
【0013】NANDゲート20などのNANDゲート
の動作は、当業者に周知である。
【0014】再度図1を参照して、例えばNANDゲー
ト20などの集積回路を設計する際の開始ステップ11
では、集積回路のトランジスタの総リスト(netlist)を
与える。総リストは、閾値電圧を含め、構築のために必
要な各トランジスタについて多数のパラメータを定め
る。本例では、NANDゲート20のすべてのトランジ
スタは、初期閾値電圧500mVを有する。
【0015】ステップ12において、設計用のアイドル
・モード・ベクトルが与えられ、集積回路の入力に印加
される。例えば、NANDゲート20の設計用のアイド
ル・モード・ベクトルは、(SIG1=論理「0」,S
IG2=論理「0」,SIG3=論理「0」,SIG4
=論理「0」)であり、すなわち、NANDゲート20
をアイドル・モードにするためには、入力21,22,
23,24は論理「0」の入力信号を受ける。NAND
ゲート20のトランジスタの状態は、論理シミュレータ
を利用してシミュレーションされる。NANDゲート2
0の総リストおよびアイドル・モード・ベクトルは論理
シミュレータに入力され、論理シミュレータはアイドル
・モード中のトランジスタの状態を表示する。
【0016】ステップ13において、アイドル動作モー
ド中に「オフ」であり、かつ接地電位への電流経路を防
ぐことができる集積回路のトランジスタが識別される。
本例に従って、アイドル・モード・ベクトルを利用し
て、NANDゲート20のトランジスタ36が識別され
る。トランジスタ36は、アイドル・モード中に「オ
フ」であり、かつ接地電位への電流経路を防ぐ。
【0017】ステップ14は、集積回路のトランジスタ
の閾値電圧を調整あるいは修正することを含む。例え
ば、ステップ13において識別されたトランジスタ、す
なわち、アイドル・モード中に「オフ」であり、かつ接
地電位への電流経路を防ぐことができるトランジスタ
に、高閾値電圧が割り当てられる。接地電位に接続され
るトランジスタは、接地電位への経路を防ぐことができ
る。アイドル・モード中に「オン」であるか、あるいは
接地電位への経路を防ぐことのできない集積回路内の残
りのトランジスタには、低閾値電圧が割り当てられる。
トランジスタの閾値電圧は、トランジスタの総リスト内
のトランジスタの閾値電圧パラメータを修正することに
よって、閾値電圧が割り当てられる。図2の集積回路の
例では、NANDゲート20のトランジスタ36の閾値
電圧は、約750mVの高閾値電圧に設定され、トラン
ジスタ27,28,29,31,32,33,34の閾
値電圧は、約350mVの低閾値電圧に設定される。す
なわち、トランジスタ36の閾値電圧は、500mVの
初期閾値電圧から750mVの高閾値電圧に修正され
る。同様に、トランジスタ27,28,29,31.3
2,33,34は、500mVの初期閾値電圧から35
0mVの低閾値電圧に修正される。この結果、NAND
ゲート20の伝播遅延が低下し、NANDゲート20の
漏れ電流が低下する。
【0018】ステップ16において、集積回路のトラン
ジスタのサイズ、例えば、トランジスタのゲート幅は、
集積回路のあらかじめ定められたタイミングおよび電力
条件を満たすために調整される。あらかじめ定められた
タイミングおよび電力条件は、集積回路の設計中に定め
られ、集積回路の好適なスピードおよび漏れ電流を決定
する。
【0019】ステップ17において、集積回路の測定さ
れ、シミュレーションされ、あるいは計算されたタイミ
ングおよび電力は、あらかじめ定められたタイミングお
よび電力条件と比較される。なお、ステップ16および
17は、集積回路のスピードおよび漏れ電流をさらに最
適化するための任意のステップであることに留意された
い。
【0020】図3は、本発明の実施例に従って設計・製
造されたデジタル集積回路50の概略図である。集積回
路20と同様に、集積回路50は、例えば、VDD=1.
0ボルトの低供給電力動作用に変換された既存の設計で
もよく、あるいは高速,低供給電圧および低電力の新た
な設計でもよい。D型フリップフロップ52は、D入力
にて信号SIG Aを受け、クロック入力にて信号CL
Kを受ける。ノード53におけるフリップフロップ52
のQ出力は、信号反転SIG Aを与えるためのインバ
ータ59として動作するトランジスタ54,56のゲー
トに結合される。トランジスタ58,60,62,64
の組み合わせは、信号反転SIG AおよびSIG B
を受けるNANDゲート61として動作する。ノード6
5におけるNANDゲート61の出力は、クロック信号
CLKに応答してOUT1に反転(反転A・B)をクロ
ックして出力し、フリップフロップ66のD入力に印加
する。また、フリップフロップ52のQ出力は、ノード
71にて信号反転SIGAを与えるためのインバータ7
3として動作するトランジスタ68,70を介して中継
される。D型フリップフロップ72は、クロック信号C
LKに応答してインバータ73からの信号反転SIG
AをOUT2にクロックする。
【0021】集積回路50のトランジスタのそれぞれ
は、閾値電圧を有する。上記の多重電圧プロセスなどの
多重閾値電圧プロセスを利用することにより、集積回路
50のトランジスタは異なる閾値電圧を有するように設
定できる。
【0022】図3に示す集積回路50の回路設計のよう
な回路設計では、動作スピードを最大限にし、しかも動
的および静的電力消費を最小限に抑えることが目的とな
る。動的電力は、供給電圧をVDD=1.0ボルトに単純
に低減することによって軽減できる。集積回路の最大動
作スピードは、一つまたはそれ以上のクリティカル経路
を介したタイミングによって一般に決まる。クリティカ
ル経路は、回路素子によって分離された集積回路内の2
つのノード間で定められ、ここでこれらの素子を介した
伝播遅延は、例えば、クロック信号に対して、確立され
た経路内のタイミング条件を上回るか、恐らくかろうじ
て満たす。スピードを増加させる一つの方法として、ク
リティカル経路内のトランジスタの閾値電圧を低下させ
る方法がある。より低いVTを有するトランジスタは、
より高速にスイッチングして、集積回路のクリティカル
経路を介した伝播遅延を最小限に抑える。
【0023】クリティカル経路の一つまたはそれ以上の
トランジスタは、低いVTを有するように、ひいてはよ
り高速にスイッチングするように調整される。低VT
トランジスタはアイドル動作モード中により多くの静的
電力を消費するが、この電力の浪費は、クリティカル経
路を介したスピードの向上の方が有利なトレードオフと
して受け入れられる。さらに、アイドル・モード・ベク
トルは、アイドル動作モード中の静的電力消費を最小限
に抑えるために用いられる。従って、より多くの静的電
力を消費するがより高速にスイッチングするクリティカ
ル経路内の低V Tトランジスタと、静的電力の消費は少
ないが、スイッチングが遅いクリティカル経路内の高V
Tトランジスタとの間にバランスが達成される。その結
果、集積回路は、全体的な電力消費に対して最小限の影
響で、より高い周波数にて動作するように最適化され
る。
【0024】図4は、本発明の別の実施例に従って集積
回路設計用に閾値電圧を選択する方法を示すフロー図8
0である。開始ステップ81において、例えば、集積回
路50(図3)などの集積回路を設計するため、集積回
路のトランジスタの総リストが与えられる。図3の集積
回路50を設計する本例に従って、集積回路50のすべ
てのトランジスタは500mVの初期閾値電圧を有す
る。
【0025】ステップ82において、設計用のアイドル
・モード・ベクトルが与えられ、集積回路の入力に印加
される。一例として、集積回路50の設計用のアイドル
・モード・ベクトルは、(SIG A=論理「0」,S
IG B=論理「0」)である。
【0026】ステップ83において、アイドル動作モー
ド中に「オフ」であり、かつ接地電位への電流経路を防
ぐことができる集積回路50のトランジスタが識別され
る。本例に従って、アイドル・モード・ベクトルを利用
して、トランジスタ56,62,70が識別される。ト
ランジスタ56,62,70は、アイドル・モード中に
「オフ」であり、かつ接地電位への電流経路を防ぐ。
【0027】ステップ84は、集積回路50のトランジ
スタの閾値電圧を調整することを含む。例えば、ステッ
プ83において識別されたトランジスタ、すなわち、ア
イドル・モード中に「オフ」であり、かつ接地電位への
電流経路を防ぐことができるトランジスタに、高閾値電
圧が割り当てられる。集積回路50内の残りのトランジ
スタには、低閾値電圧が割り当てられる。例えば、集積
回路50のトランジスタ56,62,70には約750
mWの高閾値電圧が割り当てられ、トランジスタ54,
58,60,64,68には約350mVの低閾値電圧
が割り当てられる。この結果、伝播遅延が低下し、集積
回路の漏れ電流が低下する。
【0028】ステップ86において、集積回路50内の
クリティカル経路が識別される。クリティカル経路と
は、回路素子によって分離された2つのノード間の伝播
遅延が、一般に外部クロック周波数CLKに対して設定
される最大タイミングを上回るか、あるいは恐らくかろ
うじて満たすところの経路である。最長の伝播遅延は、
一般にクリティカル経路である。クリティカル経路を識
別する方法について、図5においてさらに説明する。本
例では、トランジスタ54,56,58,60,64は
クリティカル経路として識別され、インバータ73およ
びトランジスタ62は非クリティカル経路として識別さ
れる。
【0029】ステップ87において、高閾値電圧を有す
るクリティカル経路内のトランジスタが識別あるいは選
択される。例えば、集積回路50のトランジスタ56が
識別される。
【0030】ステップ88は、ステップ87において識
別されたトランジスタ、すなわち、クリティカル経路内
にあり、かつ高閾値電圧を有する集積回路50のトラン
ジスタ、の閾値電圧を調整することを含む。例えば、ク
リティカル経路内の選択されたトランジスタ56の閾値
電圧は、低閾値電圧に設定される。トランジスタ56に
低閾値電圧を割り当てることにより、トランジスタ56
のスイッチング速度は増加し、それにより集積回路50
のタイミング性能を改善する。トランジスタ62,70
は非クリティカル経路内にあり、静的電力消費を節約す
るために高閾値電圧で維持される。これらのトランジス
タはクリティカル経路にないので、遅いスピードは許容
可能とみなされる。
【0031】ステップ89において、集積回路50のト
ランジスタのサイズ、例えば、トランジスタのゲート幅
は、集積回路のあらかじめ定められたタイミングおよび
電力条件を満たすように調整される。
【0032】ステップ91において、集積回路50の測
定が行われ、シミュレーションされ、あるいは計算され
たタイミングおよび電力は、あらかじめ定められたタイ
ミングおよび電力条件と比較され、回路設計が所望の動
作パラメータを満たすことを確認する。なお、ステップ
89および91は、集積回路のスピードおよび漏れ電流
をさらに最適化するための任意のステップであることに
留意されたい。さらに別のオプションでは、ステップ8
6においてクリティカルと判定された経路が実際に全体
的な回路性能にとってクリティカルである事を確認す
る。伝播経路をクリティカルであると誤って識別するこ
ともありうる。すべてのクリティカル経路が回路設計の
総合タイミング条件に対して同じ影響を及ぼすとは限ら
ない。タイミング影響が全体的な仕様内であれば、伝播
経路は、その関連する高閾値電圧および低電力消費で、
非クリティカル経路として再分類されることがある。
【0033】方法80のステップについて集積回路50
を一例として説明したが、これは本発明を制限するもの
ではない。方法80のステップは、任意の集積回路にも
適用できる。
【0034】図5を参照して、ステップ86(図4)、
すなわち、集積回路50(図3)のクリティカル経路を
識別するステップをさらに詳説するフロー図100を示
す。具体的には、フロー図100はステップ101を含
み、ここでまずクロック信号CLKの動作周波数に、例
えば、10.0MHzのクロック周波数が割り当てられ
る。ステップ102において、回路機能に応じて多数の
タイミング制約(timing constraints)が設定される。一
般に、タイミング制約は、特定の経路におけるトランジ
スタを介した許容可能な遅延を考慮に入れた相対的ある
いは絶対的測定として、クロック信号に対する特定のノ
ードにおける信号の着信時間を定める。例えば、一つの
タイミング制約では、信号は、フリップフロップ52が
クロックされてから次のCLKクロック信号の立ち下り
エッジの5.0ナノ秒(ns)前にノード65に着信す
る。同様に、他のタイミング制約では、信号は次のCL
Kクロック信号の立ち下りエッジの5.0ナノ秒(n
s)前にノード71に着信する。
【0035】ステップ104において、集積回路の第1
ノードと第2ノードとの間の回路素子の伝播遅延が加算
される。例えば、インバータ59,NANDゲート61
およびインバータ73を介した伝播遅延のそれぞれが1
0.0nsとして与えられると、ノード53と65との
間の伝播遅延の和は20.0nsとなり、ノード53と
71との間の伝播遅延は10.0nsとなる。フリップ
フロップ52,66,72を介した遅延は、それぞれ1
0.0nsとして与えられる。
【0036】ステップ106において、中間回路素子の
伝播遅延がノード65に着信する信号のタイミング制約
を上回る場合、ノード53と65との間の経路がクリテ
ィカルとして識別される。また、タイミング制約がかろ
うじて満たされており、かつ回路が温度などの外的影響
に起因するプロセス変化や動作ドリフトに対処するため
に何らかの堅牢性を必要とする場合にも、経路はクリテ
ィカルとして識別される。クロック信号CLKが30.
0ns毎に立ち上りエッジを有する場合、信号SIG
Aはフリップフロップ52,インバータ59およびNA
NDゲート61(30.0nsの全遅延)を介して伝播
できず、30ns後に生じるクロック信号CLKの次の
立ち上りエッジより5.0ns前にノード65に着信で
きないので、ノード53と65との間の経路はクリティ
カルである。ノード53と65との間で所定のタイミン
グ条件は満たされず、そのため経路はクリティカルであ
る。
【0037】ステップ108において、中間回路素子の
伝播遅延の和がノード71に着信する信号のタイミング
制約内なので、ノード53と71との間の経路は非クリ
ティカルとして識別される。信号SIG Aは、フリッ
プフロップ52およびインバータ73(20.0nsの
全遅延)を介して伝播し、30.0ns後に着信するク
ロック信号CLKの次の立ち上りエッジより少なくとも
5.0ns前にノード71に着信し、それによりタイミ
ング制約を満たす。実際、追加の5.0nsのマージン
により、非クリティカル経路内のトランジスタの閾値電
圧はさらに増加でき、上記のように更なる静的電力節約
を可能にする。
【0038】以上、集積回路を設計する方法が提供され
ることが理解されよう。本発明の利点は、本発明に従っ
て設計された集積回路における伝播遅延を低減する方法
を提供することである。さらに、本発明は、漏れ電流を
最小限に抑え、集積回路の全体的な電力消費を低減す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による集積回路を設計する
方法を示すフロー図である。
【図2】本発明によって製造されたNANDゲートの概
略図である。
【図3】本発明によって製造されたデジタル集積回路の
概略図である。
【図4】本発明の第2実施例による集積回路を設計する
方法を示すフロー図である。
【図5】集積回路におけるクリティカル経路を識別する
方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
20 デジタル集積回路(NANDゲート) 21,22,23,24 入力 26 出力 27,28,29,31 pチャネル・トランジスタ 32,33,34,36 nチャネル・トランジスタ 50 デジタル集積回路 52,66,72 フリップフロップ 53,65,71 ノード 54,56,58,60,62,64,68,70 ト
ランジスタ 59,73 インバータ 61 NANDゲート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集積回路を設計するためのコンピュータ
    実行方法(10)であって:集積回路(20)の複数の
    トランジスタ(27,28,29,31,32,33,
    34,36)の総リストを与える段階(11);および
    アイドル・モード・ベクトルに従って、前記複数のトラ
    ンジスタのうち少なくとも一つのトランジスタの閾値電
    圧を修正する段階(14);によって構成されることを
    特徴とするコンピュータ実行方法。
  2. 【請求項2】集積回路(20)において伝播遅延および
    漏れ電流を低減する方法であって:アイドル・モード・
    ベクトルを利用して、前記集積回路(20)をスタンド
    バイ動作モードにする段階;および前記アイドル・モー
    ド・ベクトルに従って、前記集積回路(20)の複数の
    トランジスタ(27,28,29,31,32,33,
    34,36)の閾値電圧を修正する段階;によって構成
    されることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 トランジスタ閾値電圧を設定するコンピ
    ュータ実行方法(10)であって、アイドル・モード刺
    激ベクトルに従って、複数のトランジスタ(27,2
    8,29,31,32,33,34,36)のうちの第
    1トランジスタの閾値電圧を調整する段階(14)によ
    って構成されることを特徴とするコンピュータ実行方
    法。
JP11054970A 1998-03-27 1999-03-03 集積回路を設計する方法 Pending JPH11330259A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8028211B1 (en) * 2007-03-29 2011-09-27 Integrated Device Technology, Inc. Look-ahead built-in self tests with temperature elevation of functional elements

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8028211B1 (en) * 2007-03-29 2011-09-27 Integrated Device Technology, Inc. Look-ahead built-in self tests with temperature elevation of functional elements

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