JPH11330218A - 加熱冷却装置及びこれを用いた真空処理装置 - Google Patents

加熱冷却装置及びこれを用いた真空処理装置

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JPH11330218A
JPH11330218A JP12837598A JP12837598A JPH11330218A JP H11330218 A JPH11330218 A JP H11330218A JP 12837598 A JP12837598 A JP 12837598A JP 12837598 A JP12837598 A JP 12837598A JP H11330218 A JPH11330218 A JP H11330218A
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heating
electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被吸着物に割れを生じさせることなく、しかも
効率良く被吸着物を加熱又は冷却することが可能な加熱
冷却装置及びこれを用いた真空処理装置を提供する。 【解決手段】本発明の静電チャック7は、誘電体からな
る静電チャックプレート7a中に独立して制御可能な第
1及び第2の吸着電極8、9が設けられる。第1の吸着
電極8、9は、ほぼ渦巻き状に形成され、交互に配置さ
れている。第1の吸着電極8の吸着電極80は、第1の
直流電源11aの正の電極に接続され、吸着電極81
は、直流電源11bの負の電極に接続される。第2の吸
着電極9の吸着電極90は、第2の直流電源12aの正
の電極に接続され、吸着電極91は、直流電源12bの
負の電極に接続される。第1の吸着電極8に電圧を印加
して所定時間基板を吸着加熱した後に第2の吸着電極9
に電圧を印加して基板を吸着保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば真空処理槽
内において処理対象物である基板を吸着保持するための
静電チャックに関し、特に加熱冷却時の熱応力に起因す
る基板の割れを防止するための技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、真空中でシリコンウェハ等の
基板上に成膜等の処理を行う装置においては、静電気力
によって基板を吸着保持する静電チャックが広く用いら
れている。このような静電チャックとしては、成膜等の
処理において基板を所定の温度に維持するため温度制御
(加熱又は冷却)可能なホットプレートと一体的に構成
されたものが知られている。
【0003】従来、このような静電チャック付のホット
プレートにおいては、誘電体内に設けられた吸着電極に
所定の電圧を印加することによって基板のほぼ全面を吸
着保持するようにしているが、吸着保持後の基板の温度
上昇又は温度降下が大きい(250℃以上)場合には、
静電チャックによって束縛された基板が急激に熱膨張又
は熱収縮しようとするため、基板に強い応力が発生して
基板が割れてしまうという問題があった。
【0004】従来、この問題を解決する方法としては、
第一に、静電チャックによって基板を吸着保持せずに基
板を加熱又は冷却し、基板に割れが生じない温度にまで
基板の温度が上昇又は降下した後に吸着電極に電圧を印
加して基板を吸着保持する方法と、第二に、吸着電極に
小さい電圧を印加すること等により基板を弱い静電吸着
力で吸着保持し、基板に割れが生じない温度にまで基板
の温度を上昇又は降下させた後に、吸着電極に印加する
電圧を大きくして基板に対する静電吸着力を強くする方
法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術においては、次のような問題があった。
すなわち、上述した第一の方法においては、基板を吸着
保持していないため基板とホットプレートとの間におい
て熱が伝わりにくく、そのため、基板が所望の温度に達
するまで必要以上に時間がかかってしまうという問題が
あった。
【0006】また、基板及びホットプレートの表面には
微小な反りが存在するため、上述した第二の方法のよう
な弱い静電吸着力では基板が部分的にしか吸着保持され
ず、その結果、基板の表面において温度分布にむらが生
じ、これが基板の割れの一因となっていた。
【0007】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、被吸着物に割れを生じ
させることなく、しかも効率良く被吸着物を加熱及び冷
却することが可能な加熱冷却装置及びこれを用いた真空
処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1記載の発明は、被吸着物を吸着保持
するための誘電体からなる静電チャック本体中に独立し
て制御可能な複数の吸着電極が設けられていることを特
徴とする静電チャックである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記複数の吸着電極が、独立して所
定の電圧が印加される第1の吸着電極及び第2の吸着電
極を有することを特徴とする。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
又は2のいずれか1項記載の発明において、前記複数の
吸着電極が、前記静電チャック本体の半径方向に交互に
配されていることを特徴とする。
【0011】さらにまた、請求項4記載の発明は、請求
項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記複
数の吸着電極が、ほぼ渦巻状に設けられていることを特
徴とする。
【0012】加えて、請求項5記載の発明は、請求項1
乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記複数の
吸着電極が、同心円状に設けられていることを特徴とす
る。
【0013】一方、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれか1項記載の静電チャックの静電チャック
本体に、所定の温度に温度制御可能な加熱冷却手段が一
体的に設けられていることを特徴とする加熱冷却装置で
ある。
【0014】一方、請求項7記載の発明は、所定の温度
に温度制御された静電チャック本体によって被吸着物を
支持した状態で、この静電チャック本体に粗の状態で分
布する均一な静電吸着力を発生させ、その後、この静電
チャック本体に密の状態で分布する均一な静電吸着力を
発生させて上記被吸着物を当該静電チャック本体に吸着
保持することを特徴とする加熱冷却方法である。
【0015】また、請求項8記載の発明は、真空処理槽
内に請求項1乃至5のいずれか1項記載の静電チャック
を備え、この静電チャックに吸着保持される基体に対し
て所定の処理を行うように構成されていることを特徴と
する真空処理装置である。
【0016】さらに、請求項9記載の発明は、真空処理
槽内に請求項6記載の加熱冷却装置を備え、この加熱冷
却装置によって加熱冷却される基体に対して所定の処理
を行うように構成されていることを特徴とする真空処理
装置である。
【0017】本発明においては、請求項1記載の発明の
ように、静電チャック本体中に独立して制御可能な複数
の吸着電極が設けられていることから、特定の吸着電極
に対して電圧を印加すれば、静電チャック本体において
部分的な静電吸着力を均一に発生させることが可能にな
る。
【0018】その結果、例えば、請求項7記載の発明の
ように、所定の温度に温度制御された静電チャック本体
によって被吸着物を支持した状態で、静電チャック本体
に粗の状態で分布する均一な静電吸着力を発生させれ
ば、被吸着物において静電チャックプレートに束縛され
ない部分が生じ、熱膨張又は熱収縮に起因する熱応力が
この部分において吸収(緩和)されるため、被吸着物に
割れを生じさせることなく被吸着物を所望の温度付近ま
で加熱又は冷却することができる。
【0019】この場合、本発明にあっては、被吸着物及
び静電チャック表面の静電吸着された部分において熱が
効率良く伝わるため、効率良く被吸着物を加熱又は冷却
することが可能になる。
【0020】そして、その後、静電チャック本体に密の
状態で分布する均一な静電吸着力を発生させて上記被吸
着物を当該静電チャック本体に吸着保持するようにすれ
ば、短時間で被吸着物を所望の温度に加熱又は冷却する
ことができる。
【0021】また、本発明の場合は、小さい静電吸着力
で被吸着物の全面を吸着する従来技術と異なり一定以上
の静電吸着力が得られるため、静電チャックに対して被
吸着物を密着させることができ、その結果、被吸着物の
面内に大きな温度むらが生ずることがなく、均一な加熱
又は冷却を行うことが可能になる。
【0022】この場合、請求項2記載の発明のように、
複数の吸着電極として、独立して所定の電圧が印加され
る第1の吸着電極及び第2の吸着電極を有するように構
成すれば、簡素な構成で本発明の目的を十分に達成する
ことができる。
【0023】また、請求項3記載の発明のように、複数
の吸着電極を、静電チャック本体の半径方向に交互に配
するようにすれば、静電チャック本体に束縛された部分
と静電チャック本体に対して自由な部分が交互に生ずる
ため、各吸着電極に電圧を印加して被吸着物の吸着保持
を行う際に常に均一な分布の静電吸着力を発生させるこ
とができ、これにより被吸着物に発生する熱応力を均一
な状態で吸収することが可能になる。
【0024】本発明の静電チャックにおいて、均一な静
電吸着力を発生させるためには、例えば、請求項4又は
5記載の発明のように、複数の吸着電極をほぼ渦巻状又
は同心円状に設けるとよい。
【0025】一方、請求項6記載の発明によれば、被吸
着物に割れを発生させることなく効率良く加熱又は冷却
を行いうる加熱冷却装置を提供することができる。ま
た、請求項8又は9記載の発明によれば、被吸着物の割
れが発生することなく加熱冷却効率を高くすることがで
きるため、真空処理装置の処理能力を向上させることが
可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る静電チャック
及びこれを用いた加熱冷却装置並びに真空処理装置の好
ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図
1は、本発明に係る真空処理装置の一実施の形態である
プラズマCVD装置の概略構成を示す概略構成図であ
り、図2は、本発明に係る静電チャックの第1の実施の
形態の電極パターンを示す説明図である。
【0027】図1に示すように、本実施の形態のプラズ
マCVD装置1は、図示しない真空排気系に接続された
真空処理槽2を有し、この真空処理槽2内の上部に放電
手段3が設けられる。この放電手段3は、真空処理槽2
の外部に設けられた高周波電源4に接続された放電電極
3aを有し、真空処理槽2内に反応ガスGを導入するよ
うに構成されている。
【0028】真空処理槽2の下部には、処理対象物であ
るシリコンウェハ等の基板(被吸着物)5を支持するた
めのサセプタ6が設けられ、このサセプタ6の上部に
は、基板5と同等の大きさの円盤形状に形成された静電
チャックプレート7a(静電チャック本体)を有する静
電チャック7が固定されている。
【0029】静電チャック7の静電チャックプレート7
aの内部には、基板5を加熱するためのヒーター(加熱
冷却手段)Hが設けられている。このヒーターHは、図
示しない電源に接続され所定の温度に制御可能に構成さ
れている。
【0030】また、静電チャックプレート7a内には、
例えば水等の冷却媒体を循環させることによって静電チ
ャックプレート7aを冷却できるように構成され(図示
せず)、これにより静電チャック7は加熱冷却装置(ホ
ットプレート)としての機能を有している。
【0031】図1及び図2に示すように、本実施の形態
の静電チャック7は、いわゆる双極型のもので、誘電体
からなる静電チャックプレート7a中に、各々独立して
制御可能な2組の吸着電極、すなわち、第1の吸着電極
8と第2の吸着電極9が設けられている。
【0032】ここで、第1の吸着電極8は、正の極性に
帯電する吸着電極80と、負の極性に帯電する吸着電極
81とから構成され、同様に、第2の吸着電極9は、正
の極性に帯電する吸着電極90と、負の極性に帯電する
吸着電極91とから構成される。
【0033】図1に示すように、第1の吸着電極の一方
の吸着電極80は、真空処理槽2の外部に設けられた直
流電源11aの正の端子にスイッチ10aを介して接続
され、他方の吸着電極81は、同様にスイッチ10bを
介して直流電源11bの負の端子に接続されている。
【0034】また、第2の吸着電極の一方の吸着電極9
1は、真空処理槽2の外部に設けられた直流電源12a
の正の端子にスイッチ13aを介して接続され、他方の
吸着電極91は、同様にスイッチ13bを介して直流電
源12bの負の端子に接続されている。
【0035】このような構成により、本実施の形態にお
いては、第1及び第2の吸着電極8、9に対し、直流電
源11(11a、11b)及び直流電源12(12a、
12b)から、それぞれ独立して電圧を印加するように
構成されている。
【0036】図2に示すように、本実施の形態の静電チ
ャック7においては、静電チャックプレート7aに、第
1の吸着電極8を構成する吸着電極80、81と、第2
の吸着電極9を構成する吸着電極90、91とが、それ
ぞれ静電チャックプレート7aの中心点Oを中心として
所定の間隔でほぼ渦巻き状に形成されている。
【0037】この場合、第1の吸着電極8を構成する吸
着電極80、81は、それぞれ静電チャックプレート7
aの中心点Oに向って曲率半径が段階的に小さくなるよ
うに形成した半円状の円弧部80a、81aと、これら
の円弧部80a、81a同士を連結する連結部80b、
81bとから構成される(図2においては、外周部分の
もののみに符号が付されている。)。
【0038】ここで、各吸着電極80、81は、ほぼ同
一の形状に形成されている。そして、これらの吸着電極
80、81を静電チャックプレート7aの中心点Oを基
準として点対称の位置に配することによって各吸着電極
80、81の対応する円弧部80a、81aが同じ円周
上に形成されるようになっている。
【0039】一方、第2の吸着電極9を構成する吸着電
極90、91は、第1の吸着電極8と同様に、それぞれ
静電チャックプレート7aの中心点Oに向って曲率半径
が段階的に小さくなるように形成した半円状の円弧部9
0a、91aと、これらの円弧部90a、91a同士を
連結する連結部90b、91bとから構成される(図2
においては、外周部分のもののみに符号が付されてい
る。)。
【0040】そして、各吸着電極90、91もまたほぼ
同一の形状に形成され、これらの吸着電極90、91を
静電チャックプレート7aの中心点Oを基準として点対
称の位置に配することによって各吸着電極90、91の
対応する円弧部90a、91aが同じ円周上に形成され
るようになっている。
【0041】そして、本実施の形態の場合は、上述した
構成を有する第1の吸着電極8と第2の吸着電極9と
が、静電チャックプレート7aの半径方向に交互に配列
されている。
【0042】このような構成を有する本実施の形態の静
電チャック7においては、第1の吸着電極8と、第2の
吸着電極9とが、それぞれ静電チャックプレート7aに
おいて均一に分布されるとともに、ほぼ同一の面積を占
めるようになっている。
【0043】次に、本発明に係る加熱冷却方法の実施の
形態を図1に示すプラズマCVD装置1及び図2に示す
静電チャック7を参照して詳細に説明する。
【0044】まず、真空処理槽2においてヒーターHに
よって静電チャックプレート7aを所定の温度に加熱し
た状態で基板5を真空処理槽内に搬入し、図示しない昇
降機構によって基板5を静電チャックプレート7a上の
所定の位置に載置する。
【0045】そして、図1に示すように、スイッチ10
a、10bを閉じることによって、第1の直流電源11
a、11bから第1の吸着電極8の吸着電極80、81
に所定の電圧を印加し、静電チャックプレート7aの第
1の吸着電極8に対応する部分にいわば粗の状態で静電
吸着力を発生させる。
【0046】これにより、基板5において静電チャック
プレート7aに吸着されない部分が生じ、この束縛され
ていない部分に基板5の熱膨張成分が逃がされることに
よって熱応力が吸収(緩和)されるため、基板5に割れ
を生じさせることなく基板5を所望の温度付近まで効率
良く加熱することができる。
【0047】その後、スイッチ13a、13bを閉じて
第2の直流電源12a、12bから第2の吸着電極9の
吸着電極90、91に所定の電圧を印加することによ
り、静電チャックプレート7aの第2の吸着電極9に対
応する部分にも静電吸着力を発生させる。これにより、
静電チャックプレート7aに密の状態で静電吸着力が発
生するため、基板5が静電チャックプレート7aに吸着
保持され、短時間で基板5を所望の温度に加熱すること
ができる。
【0048】なお、基板5は既に熱膨張しているため、
この後段の加熱の際に基板5に割れが生ずることはな
い。
【0049】その後、真空処理槽2内に反応ガスGを導
入するとともに、放電手段3に高周波電源4から高周波
電力を印加することにより、基板5に対して所定の成膜
処理を行う。
【0050】以上述べたように本実施の形態によれば、
基板5に割れを発生させることなく、迅速に基板5を加
熱することができる。
【0051】しかも、本実施の形態の場合は、静電吸着
力を小さくして基板5の全面を吸着する従来技術と異な
り、一定以上の静電吸着力で基板5を吸着保持すること
ができることから静電チャックプレート7aに対して基
板5を密着させることができ、その結果、基板5の面内
に大きな温度むらが生ずることがなく、均一な加熱が可
能になり基板の割れを確実に防止することができる。
【0052】また、本実施の形態の場合は、渦巻き状の
第1及び第2の吸着電極8、9が静電チャックプレート
7aの半径方向に交互に配されているので、各吸着電極
8、9に電圧を印加して基板5の吸着保持を行う際に常
に均一な分布の静電吸着力を発生させることができ、こ
れにより基板5に発生する熱応力を各部分において均一
に吸収することができる。
【0053】このように、本実施の形態によれば、基板
5に割れを発生させることなく基板5を迅速に加熱する
ことができるため、プラズマCVD装置1の処理能力を
向上させることができる。
【0054】図3は、本発明に係る静電チャックの第2
の実施の形態の電極パターンを示すものであり、以下、
上記第1の実施の形態と対応する部分には同一の符号を
付してその詳細な説明を省略する。
【0055】本実施の形態の静電チャック70は、静電
チャックプレート7a中に、静電チャックプレート7a
の中心点Oを基準とする同心円状の第1及び第2の吸着
電極71、72が設けられたものである。
【0056】すなわち、図3に示すように、静電チャッ
クプレート7aの外周側から順に、一定の間隔をおい
て、第1の吸着電極71を構成する同心円状の吸着電極
71a、71b、71c、71dが形成され、これらの
吸着電極71a〜71dと交互に、第2の吸着電極72
を構成する吸着電極72a、72b、72c、72dが
形成されている。
【0057】ここで、第1及び第2の吸着電極71、7
2は、ともに双極型の電極で、第1の吸着電極71のう
ち外周側から奇数番目の吸着電極71a、71cは、例
えば、上述したスイッチ10aを介して第1の直流電源
11aの正の端子に接続され、第1の電極71のうち外
周側から偶数番目の吸着電極71b、71dは、上述し
たスイッチ10bを介して第1の直流電源11bの負の
端子に接続されている。
【0058】一方、第2の吸着電極72のうち外周側か
ら奇数番目の吸着電極72a、72cは、例えば、上述
したスイッチ13aを介して第2の直流電源12aの正
の端子に接続され、第2の電極72のうち外周側から偶
数番目の吸着電極72b、72dは、上述したスイッチ
13bを介して第2の直流電源12bの負の端子に接続
されている。
【0059】このような構成を有する本実施の形態にお
いては、同心円状の第1及び第2の吸着電極71、72
を静電チャックプレート7aの半径方向に交互に配した
ことから、上記第1の実施の形態と同様に、第1及び第
2の吸着電極71、72に所定の時間差をおいて電圧を
印加することにより、基板5に発生する熱応力を静電チ
ャックプレート7aに吸着されない部分で均一に吸収
(緩和)することができ、その結果、基板5に割れを発
生させることなく、迅速に基板5を加熱することができ
る。その他の構成及び作用効果については上記実施の形
態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0060】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
吸着電極のパターン、そのパターンにおける吸着電極の
数、配列、形状、極性及び吸着電極の組の数は、本発明
の範囲内である限り、任意のものとすることができる。
【0061】特に、吸着電極のパターンについては、上
述の実施の形態のように、円形渦巻き形状又は同心円形
状のものには限られず、例えば、多角形状の渦巻きや入
れ子形状のものを用いることもできる。ただし、上記実
施の形態のように構成すれば、円形の基板に対して確実
に基板を吸着保持することができ、特に渦巻き形状のパ
ターンを用いた場合には、電圧を印加するための接点の
数を最も少なくすることができるので、静電チャックの
製造工程を簡素化することができるという利点がある。
【0062】また、上述の実施の形態においては、第1
の吸着電極に電圧を印加する際に、第2の吸着電極に対
して電圧を印加しないようにしたが、本発明はこれに限
られず、例えば、第2の吸着電極に対して、被吸着物の
熱膨張又は熱収縮を逃がすことができる程度の弱い電圧
を印加することも可能である。
【0063】さらに、上述の実施の形態においては、双
極型の吸着電極を用いたが、単極型の吸着電極を用いる
ことも可能である。ただし、上記実施の形態のように双
極型の吸着電極を用いれば、プラズマを用いない全ての
プロセスにおいて使用することができるというメリット
がある。
【0064】さらにまた、本発明は被吸着物を加熱する
場合には限られず、所定の温度差をもって被吸着物を冷
却する場合にも適用することができる。
【0065】加えて、上述の実施の形態においては、プ
ラズマCVD装置を例にとって説明したが、本発明はこ
れに限られず、静電チャック機構を具備する全ての装置
に搭載することができるものである。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに詳細
に説明する。 <実施例>図1に示すホットプレート7を用い、基板5
として8インチサイズの室温のシリコンウェハを本発明
の方法によって500℃に昇温させた。この場合のシリ
コンウェハの温度上昇を図4に示す。
【0067】まず、500℃以上に加熱された静電チャ
ックプレート7a上に室温のシリコンウェハを設置し、
第1の吸着電極8に正負の電圧を印加して静電吸着力を
発生させ、シリコンウェハを部分的に静電チャック7に
吸着させてこれを昇温させた。
【0068】そして、第1の吸着電極8に電圧を印加し
始めてから15秒経過後に第2の吸着電極9に正負の電
圧を印加してシリコンウェハを静電チャック7に全面吸
着させた。
【0069】図4に示すように、第2の吸着電極に電圧
を印加した時点では既にシリコンウェハの温度は480
℃に達しており、第2の吸着電極9に電圧を印加し始め
てから5秒後(第1の吸着電極8に電圧を印加し始めて
から20秒後)には、シリコンウェハの温度は500℃
の一定温度になった。
【0070】以上の加熱試験を繰り返し行ったところ、
シリコンウェハに割れは全く生じなかった。
【0071】<比較例1>図1に示すプラズマCVD装
置1を用い、実施例と同一のシリコンウェハを静電チャ
ックプレート7a上に設置し、第1及び第2の吸着電極
8、9に同時に電圧を印加してシリコンウェハを500
℃に昇温させた。
【0072】その結果、比較例1の場合、加熱試験を行
ったうちの半数以上のシリコンウェハに割れが生じた。
【0073】<比較例2>図1に示すプラズマCVD装
置1を用い、500℃以上に加熱された静電チャックプ
レート7a上に実施例と同一のシリコンウェハを設置
し、第1及び第2の吸着電極8、9に電圧を印加せずに
シリコンウェハを昇温させた。この場合のシリコンウェ
ハの温度上昇を図5に示す。
【0074】図5に示すように、比較例2の場合は、シ
リコンウェハの温度が250℃に達するまでに約180
秒の時間を要した。
【0075】以上の実施例及び比較例から理解されるよ
うに、本発明によれば、基板5に割れを生じさせること
なく、基板5を迅速に加熱又は冷却できることが明らか
になった。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、被吸
着物に割れを生じさせることなく被吸着物を迅速に加熱
又は冷却することができる。したがって、このような加
熱冷却装置を有する本発明の真空処理装置によれば、効
率良く真空処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空処理装置の一実施の形態であ
るプラズマCVD装置の概略構成図
【図2】本発明に係る静電チャックの第1の実施の形態
の電極パターンを示す説明図
【図3】本発明に係る静電チャックの第2の実施の形態
の電極パターンを示す説明図
【図4】本発明の方法によってシリコンウェハを加熱し
た場合の結果を示すグラフ
【図5】シリコンウェハを吸着保持せずに加熱した場合
の結果を示すグラフ
【符号の説明】
1…プラズマCVD装置(真空処理装置) 2…真空処
理槽 3…放電手段 5…基板(被吸着物) 7…静電
チャック(加熱冷却装置) 8…静電チャックプレート
(静電チャック本体) 8…第1の吸着電極 9…第
2の吸着電極 70…静電チャック 71…第1の吸着電極 72…第
2の吸着電極 80、81…吸着電極 90、91…吸
着電極 H…ヒーター(加熱冷却手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 孝一 静岡県裾野市須山1220−14 日本真空技術 株式会社富士裾野工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被吸着物を吸着保持するための誘電体から
    なる静電チャック本体中に独立して制御可能な複数の吸
    着電極が設けられていることを特徴とする静電チャッ
    ク。
  2. 【請求項2】前記複数の吸着電極は、独立して所定の電
    圧が印加される第1の吸着電極及び第2の吸着電極を有
    することを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】前記複数の吸着電極は、前記静電チャック
    本体の半径方向に交互に配されていることを特徴とする
    請求項1又は2のいずれか1項記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】前記複数の吸着電極は、ほぼ渦巻状に設け
    られていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】前記複数の吸着電極は、同心円状に設けら
    れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項記載の静電チャック。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項記載の静電
    チャックの静電チャック本体に、所定の温度に温度制御
    可能な加熱冷却手段が一体的に設けられていることを特
    徴とする加熱冷却装置。
  7. 【請求項7】所定の温度に温度制御された静電チャック
    本体によって被吸着物を支持した状態で、該静電チャッ
    ク本体に粗の状態で分布する均一な静電吸着力を発生さ
    せ、その後、該静電チャック本体に密の状態で分布する
    均一な静電吸着力を発生させて上記被吸着物を当該静電
    チャック本体に吸着保持することを特徴とする加熱冷却
    方法。
  8. 【請求項8】真空処理槽内に請求項1乃至5のいずれか
    1項記載の静電チャックを備え、 該静電チャックに吸着保持される基体に対して所定の処
    理を行うように構成されていることを特徴とする真空処
    理装置。
  9. 【請求項9】真空処理槽内に請求項6記載の加熱冷却装
    置を備え、 該加熱冷却装置によって加熱冷却される基体に対して所
    定の処理を行うように構成されていることを特徴とする
    真空処理装置。
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