JPH11328349A - Icカード用異方導電膜 - Google Patents

Icカード用異方導電膜

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JPH11328349A
JPH11328349A JP13342598A JP13342598A JPH11328349A JP H11328349 A JPH11328349 A JP H11328349A JP 13342598 A JP13342598 A JP 13342598A JP 13342598 A JP13342598 A JP 13342598A JP H11328349 A JPH11328349 A JP H11328349A
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JP
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anisotropic conductive
conductive film
substrate
powder
card
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JP13342598A
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Akinori Yokoyama
明典 横山
Kouya Matsuura
航也 松浦
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間、低温度、低圧で接続でき、カードの
平滑性を損傷しないICカード用異方導電膜を提供す
る。 【解決手段】銅合金導電粉末1重量部と接着性有機バイ
ンダー0.2〜200重量部よりなり、接続時のチップ
と基板間のボイドが40%以下であるICカード用異方
導電膜である。 【効果】 低圧、短時間、低温度で接続でき、生産性に
優れ、基板への熱ダメージが少なく、フレキシブル基板
を損傷しない利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカード用異方
導電膜(組成物及びフィルムを含む)に関するもであ
り、接触、非接触型スマートカード(ICカード)、例
えば、テレフォンカード、キャッシュカード、プリペイ
ドカード、荷物用、図書用タグ、定期券、乗車券、高速
道路自動支払いシステム、IDカード等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】これまでに、ICカードにMPUなどの
LSIチップを接続する際に、LSIチップの接続面を
上に向けてワイヤーボンデイングなどによりフレキシブ
ル基板上の電極に接続する方法が知られている。また、
最近の薄型ICカード化、コストダウンに伴い、LSI
チップの接続面をフレキシブル基板上の電極に向かって
接続する(フェイスダウン)のに、異方導電性フィルム
や接着剤を用いた方法が知られている(例えば特開平9
−1969号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り用いられてきたICカード化の際のLSIチップのワ
イヤーボンデイングによる接続は、金のワイヤーのコス
トがかかることや、ICカードがワイヤーの高さに制限
されて薄くできない、ワイヤーボンデイングにより実装
面積を広く必要とするなどの問題があった。
【0004】また、最近の異方導電性フィルムや接着剤
を用いた場合には、LSIチップを異方導電性組成物あ
るいはフィルムで挟み込んで加熱する場合に20秒を超
える時間がかかりすぎ、フレキシブル基板に耐熱性のフ
ィルムを用いなくてはならないことや、接続LSIチッ
プとフレキシブル基板との間のボイドが多くて、曲げ強
度が低く、耐環境性が悪くなるなどの問題があった。
【0005】さらには、従来の異方導電性フィルムのニ
ッケル粉などの導電性粉末を用いた場合には、硬度が高
くて加圧接続時にフレキシブル基板側を凹ましてしまい
ICカードの平滑性が損なわれてしまうなどの問題があ
った。そこで、上記問題点を解決するために、本発明
は、低圧、短時間、低温で接続でき、且つ、実装後のL
SIチップと基板間でのボイドが少なく環境試験での信
頼性が良いICカード用異方導電膜を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、導電
体により回路及び電極が形成されたICカード用基板
と、該基板に接続されるLSIチップとの間に配置され
た異方導電膜において、該異方導電膜は、銅合金導電性
粉末を有し、且つ前記基板とLSIチップ間に存在する
空隙が40%以下であることを特徴とするICカード用
異方導電膜である。
【0007】また銅合金導電性粉末が一般式AxCu1ーx
(A(記号)はAg、Auより選ばれた1種以上、0.
001≦X≦0.6は原子比))で表され、且つ粉末表
面の銀あるいは金濃度が平均の銀あるいは金濃度より高
く、平均粒子径2〜20ミクロンの銅合金粉末であることを
特徴とするものである。ここで、Xが0.001未満で
あると耐環境性が悪くなる。Xが0.6を超える場合に
は、ファインピッチバンプ間での耐マイグレーション性
が悪くなる。
【0008】さらに柔軟性を持たせるために、銅合金導
電性粉末が一般式AxCuyMz(A(記号)はAg、
Auより選ばれた1種以上、MはSn,Pbより選ばれ
た1種以上、0.001≦X≦0.6、0.39≦y≦
0.8、0.01≦Z≦0.17は原子比))で表さ
れ、且つ粉末表面の銀あるいは金濃度が平均の銀あるい
は金濃度より高く、平均粒子径2〜20ミクロンの銅合金粉
末であることを特徴とするものである。この場合、Zが
0.01以上であると柔軟性の効果が得られやすく、
0.17を超えると導電性の低下が生じる。
【0009】本発明の異方導電膜は、組成物が塗布され
て硬化したもの、予めフィルム状に形成したものを含む
ものである。本発明で言うICカードに用いられる基板
は、0.02〜3mm厚み程度のフレキシブル基板が好ま
しく、曲げ、携帯性の点から0.1〜1mm程度が好まし
い。またフレキシブル基板としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィ
ルム、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リフェニレンエーテル、BTレジン、テフロン、アルミ
ナ、アクリル、エポキシ樹脂及びその誘導体を基材とし
た単層あるいは多層のものが使用できる。本発明の異方
導電膜が低温度で短時間で接続できることから、フレキ
シブル基板の熱変形を抑制でき薄いものまで用いること
ができ、ポリイミド、PETフィルムなどが好ましい。
またフレキシブル基板を100〜210℃の範囲で熱前
処理しておくのが好ましい。
【0010】なお、フレキシブル基板は、ICチップの
上から挟み込むようにラミネートして用いることもでき
る。ラミネート後の厚みは0.1〜1mm程度が好まし
い。フレキシブル基板上には導電体により回路や電極が
形成される。回路としては非接触式ICカードではアン
テナ部、アンテナからの信号のやりとりを行うMPUチ
ップ、コンデンサーなどの部品間の導電性配線部を意味
する。また、電極としては、LSIチップがフェイスダ
ウンで接続される基板側の電極部を意味する。
【0011】本発明の異方導電膜が接続されるフレキシ
ブル基板上の導電体としての回路あるいは電極は、銅、
金、銀、ニッケル、アルミニウム及び金やニッケルメッ
キを施されたメッキ法やフォトレジスト法により作製さ
れた金属導体、あるいは、銀粉、銀合金粉を用いた導電
性ペーストにより印刷乾燥し形成された導体であるのが
好ましい。
【0012】また、本発明は、ICカードにおいて、フ
レキシブル基板上に接続されているLSIチップとフレ
キシブル基板間に存在する空隙が40%以下であること
を特徴とする。ここで言う空隙(ボイド)とは、同一チ
ップを同一基板材料に接続した場合に、基板側から見て
ボイドの投影面積がチップ下面の全体面積に占める割合
を意味する。光学顕微鏡でチップ下面全体を見て40%
を超える場合には、環境試験での水分が進入してきたり
して信頼性が劣る。好ましくは35%未満、さらに好ま
しくは25%未満である。このときのボイドは異方導電
膜の粘度あるいは流れ性コントロールすることによって
達成できたものである。
【0013】ボイドの発生源としては、圧着での接続時
にLSIチップとフレキシブル基板との間の空気が異方
導電膜で充分に排除されないで残ることによるものであ
る。前記、銅合金導電粉末において、粉末表面の銀ある
いは金濃度が平均の銀あるいは金濃度より高いことをさ
らに特徴とするが、平均粒子径2〜20ミクロンの銅合金導
電性粉末であるために、高導性、且つフレキシブル基板
を必要とするICカードでは、圧接時に、耐酸化性があ
り、且つ電極に挟まれて変形して接触面積を大きくとれ
るため、低圧で信頼性良く接続できる利点がある。すな
わち、外側に柔らかい金属成分が存在するために、接続
に関与しない導電性粒子によりフレキシブル基板の平滑
性を損なわない(傷を付けにくい)利点がある。さらに
導電粒子が銀、金で表面が合金状態で覆われているため
に耐酸化性に優れる。このとき、銀、金メッキにより導
電粒子の表面が覆われている状態では、マイグレーショ
ン性が悪く、また、メッキの剥がれ落ちが生じる。ま
た、形状は球状に近い形状が好ましい。また、必要に応
じて、銅合金導電粉末の表面をカップリング剤、熱可塑
性樹脂で処理しても構わない。
【0014】銅合金導電粒子の表面の銀あるいは金濃度
は、平均Xの銀あるいは金濃度の1.5倍以上が好まし
く、さらに2倍以上が好ましい。この場合の粉末表面の
銀、金濃度とは、XPS(X線光電子分光分析計;XS
AM800;KRATOS社製)で測定した、Ag3d、Au
4fの面積値から補正係数を用いて算出した値をB(記
号)の元素(例えばBがCuの場合:(Ag+Au/(Cu+
Ag+Au))である。銅合金導電粉末の例えば平均銀濃
度、平均銅濃度(B(記号)成分)、平均金濃度(王
水)は、銅合金導電粉末を濃硝酸溶液中あるいは王水に
溶解してICP(高周波誘導結合型プラズマ分析計(セ
イコー電子工業製;JY38P2)を用いて測定した。
また、本発明で用いる銅合金導電粉末は、特性を損なわ
ない程度で有れば、Pt、Zn、Pd、P、B、C、T
i、Si、V、Mg、Al、Hf、Mn,Niなどを添
加しても構わない。
【0015】また、銅合金導電粉末の平均粒子径は2〜
20ミクロンが好ましく、2ミクロン未満であると、加圧時に電
極間に挟まる導電粒子が電極面の粗さレベルになり、導
電性が不良になるのと耐環境性が悪くなる。20ミクロンを
超える場合には、ファインピッチでの電極間接合で、電
極間の導電粒子数が不十分になり接続抵抗が不安定にな
る。好ましくは平均粒子径が2〜10ミクロンである。ま
た、好ましくは、平均粒子径±2ミクロン以内の粉末の存在
率が30%以上であることが電極間で有効に導通に関与
する導電粉末が多く存在するために好ましい。
【0016】本発明で用いる平均粒子径とは、レーザー
回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC
HEROS&RODOS)を用いて体積積算平均粒子
径を用いた。また、平均粒子径±1ミクロン内の銅合金粉末
の存在は、体積積算粒度分布計より読みとった。本発明
で用いる銅合金導電粉末は、例えば高温プラズマ法や不
活性ガスアトマイズ法を用いて作製されるのが好まし
い。不活性ガスアトマイズ法は窒素、ヘリウム、水素、
アルゴン及びこれらの混合ガスを用いるのが好ましく、
例えば、かかる組成の銀、銅の融液を高速の不活性ガス
を衝突させて微粉化急冷凝固するものである。形状は、
球状、鱗片状、樹枝状などを用いることができる。
【0017】本発明のICカード用異方導電膜は、銅合
金粉末1重量部に対して、接着性有機バインダーを0.
2〜200重量部含有するが、接着性有機バインダーと
は、LSIチップとフレキシブル基板間に主に存在し
て、チップをフレキシブル基板に接着させる機能を有し
ている。接着性有機バインダー0.2重量部未満では導
電粒子が多すぎて圧力が高く必要になり、基板へのダメ
ージが大きい。200重量部を超える場合には、銅合金
導電粒子の数が少なすぎて接続が不良になりやすい。好
ましくは、0.2〜100重量部である。
【0018】接着性有機バインダーとしては、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ
樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂から選ばれた1種以上を含有す
ることが好ましい。中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテルタイプ、グ
リシジルエステルタイプの官能基を有する、ビスフェノ
ールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、
フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ア
ルキル多価フェノール型、フェニルグリシジルエーテル
型、多官能ポリエーテル型、臭素化フェノールノボラッ
ク型、変性ビスフェノールS型、ジグリシジルアニリン
型、ジグリシジルオルソトルイジン型、ナフテレン型、
脂環式、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン系、ウレ
タン変性、ゴム変性、シリコーン変性、鎖状変性タイプ
などのエポキシ樹脂を用いることができる。
【0019】本発明のICカード用異方導電膜は、エポ
キシ樹脂100重量部に対して、硬化剤としてマイクロ
カプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物を0.
5〜250重量部を用いることもできる。硬化剤につい
ては、マイクロカプセル型の硬化剤以外にも、必要に応
じて脂肪族アミン、芳香族アミン、カルボン酸無機物、
酸無水物、チオール、アルコール、フェノール化合物、
ホウソ化合物、無機酸、ヒドラジド、及びイミダゾール
を加えても良いことは言うまでもない。
【0020】本発明の異方導電膜は、エポキシ樹脂以外
にも、リペアー性能や塗工性、タック性の調整のために
エポキシ以外の熱硬化性、熱可塑性樹脂を加えることが
好ましい。例えば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリルゴム、SBR、NBR、シリコーン樹脂、
ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、ポリアセタール
樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、フェノ
ール樹脂、メラミン、グアナミン、シアノアクリレート
や、カルボキシル基ヒドロキシル基、ビニル基、アミノ
基、エポキシ基等の官能基含有物のゴムやエラストマー
類がある。
【0021】また、本発明の異方導電膜を組成物として
塗布する場合には、必要に応じて適当な溶剤を用いるこ
とができる。この場合には、マイクロカプセル型硬化剤
を用いる場合にはダメージを与えない溶剤が好ましい。
例えば、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、キ
シレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、エチレングリコールモノエチルアセテート、ジオ
キサンなどの芳香族炭化水素、エーテル系、ケトン系、
エステル系、ジプロピレングリコールなどが良い。
【0022】また、本発明の異方導電膜には、導電粒子
の分散性を良くするために、カップリング剤等を加える
ことができる。例えば、チタンカップリング剤、シラン
カップリング剤、アルミカップリング剤などをエポキシ
樹脂100重量部に対して10重量部程度まで加えるこ
とができる。本発明のICカード用異方導電膜の製造法
としては、先ず銅合金粉末と接着性有機バインダー、必
要に応じて溶剤、カップリング剤を所定量計測してプラ
ネタリーミキサー、ニーダー、三本ロール、羽根付き攪
拌機、ボールミルなどの公知の混合機にて混合して、銅
合金導電粉末が均一に分散されている混合物を作製す
る。
【0023】このままで、予め導体電極が形成されてい
るフレキシブル基板のICチップが接続される電極上に
デスペンサーやスクリーン印刷等で塗布する。また、フ
ィルム状の異方導電膜を作製する場合には、前記混合溶
液をブレード、ダイコーター等の公知の塗布方法で絶縁
性フィルムなどのベースフィルム上(PET等)に塗布
する。塗布され溶剤を含む物は乾燥する。異方導電膜の
厚みとしては、15〜50ミクロン程度であり、幅は特に限
定するものではなく、接続する場合にチップのサイズに
合わせてスリッテイングして用いることができる。
【0024】本発明の異方導電膜は、ボイドを40%以
下にでき、高信頼性が得られるが、接続時の流れ性をコ
ントロールすることによって達成できるものであり、例
えば、目安としては、1インチ角の異方導電膜20、4
0ミクロン厚みを40℃の状態で100kg/cm2の圧力で5分
間プレスした後に、300〜800、900〜2000
ミクロンのはみ出しが観測されるように調整されて初めて達
成できるものである。
【0025】異方導電膜の用い方としては、以下のとお
りである。異方導電膜をそのまま用いる場合には、デス
ペンサーやスクリーン印刷を用いて塗布する。この場合
には、硬化時に溶剤などの揮発があるとボイド発生の原
因になるために無溶剤タイプが好ましく、溶剤を含む場
合には0.5%未満になるまで乾燥してからLSIチッ
プをフェイスダウンで接続するのが良い。
【0026】電極上の塗布された異方導電膜を挟み込む
ようにLSIチップ電極(バンプ)をアライメントして
ツールでチップの背面から加熱、加圧して粘着性有機バ
インダーを硬化する。この時、電極間に位置する導電粉
末のみが変形をうけて電極間方向のみに導通が得られ
る。隣接電極間同士では絶縁性が維持される。ベースフ
ィルムに予め塗布、乾燥されている異方導電膜の場合に
は、フレキシブル基板上の電極上にチップよりやや大き
めのサイズにカットし、タック性を利用して貼り合わせ
る。この時、貼り合わせ時に、剥がれない程度に適度に
加圧、加熱して仮圧着しておく。さらに、ベースフィル
ムを剥がして、異方導電膜のみが基板上に貼りつけられ
ている状態とする。
【0027】LSIチップの電極をアライメントして接
続基板上の電極と向かい合わせになるようにして背面よ
りツールで押し当てる。この時、加圧、加熱してバイン
ダーを硬化し、導電粒子の変形により向かい合う電極間
同士で導通を得る。隣接する電極間同士は電気的導通を
有さない。本発明の異方導電膜は、加圧時の圧力が低圧
でも導電粒子を変形させ、電極間での高導電性を得るこ
とができる。圧力は、50〜1000gf/チップ加重
程度の圧力で接続でき、柔らかいフレキシブル基板への
損傷が少なく平滑性に優れる利点があり、携帯性と信頼
性に優れる。
【0028】また、加熱温度は、100〜220℃の範
囲で数秒から十数秒で接続ができるために、フレキシブ
ル基板などの熱変形が押さえられる。これは、本発明で
用いる導電粒子の熱伝導性が良いために、組成物のエポ
キシ樹脂への熱導体としての役割を果たす。そのため、
短時間で作製でき生産性に優れる点が良い。
【0029】こうして、ICカード用フレキシブル基板
とLSIチップとの電気的接続が異方導電膜を介して達
成できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
詳細に説明する。
【0031】
【実施例】表1に本発明で用いる銅合金導電粉末の作製
例を示す。先ず、所定量のA成分とB成分のペレットを
BN(ボロンナイトライド)るつぼに入れ、高周波誘導
加熱を用いて不活性ガス雰囲気中で加熱溶解する。溶解
後、不活性ガス雰囲気中ヘリウムまたは窒素中へ噴出
し、同時に高速の不活性ガスを融液に対して噴出して急
冷凝固して微粉末を作製する。さらに、気流分級機にて
所定の大きさにカットした。得られた銅合金粉末は球状
に近い形状をしており、平均組成及び表面組成、平均粒
子径を測定した。
【0032】さらに、表1で得られた銅合金導電粉末に
接着性有機バインダーを混合して得られる異方導電膜を
表2に示す。異方導電膜を用いたICチップの接続条件
を表3に示す。表4に、ICカード用回路が形成された
フレキシブル基板の特性を示す。初期接続特性はバンプ
の接続部までの回路抵抗を補正した時の接続抵抗が60
0mΩ以下である場合を○とした。それ以上を×とし
た。
【0033】環境試験(信頼性)は85℃85%湿度中
放置1000時間後に接続抵抗の上昇率が30%未満を
○とし、それ以上を×とした。曲げ強度はラミネ−ト後
にカード中心部が平面に対して2cm上下するように1
00繰り返し曲げた。このときの接続抵抗が一個もオー
プンにならないのを○とし、オープンが一個でも発生す
る場合を×とした。フレキシブル基板の平滑性の損傷程
度は、表面粗さ計により測定し、チップ接続裏面を2m
m長さで凹凸性を測定し、0.1mm距離内で凹凸が1
00個以内である場合を良好○であるとした。
【0034】ボイドの測定は、LSIチップをフレキシ
ブル基板に接続した後に、フレキシブル基板の反対側か
ら光学顕微鏡で観察したときに、チップとフレキシブル
基板間に存在するボイドの投影面でト−タルボイド面積
がチップ下面の総面積に対する割合を画像解析により算
出した。また、流れ性は、1インチ角の異方導電膜を4
0℃ 空気中で100kgf/cm2の圧力で20分間プレス
した場合のはみ出し長さを測定した。
【0035】
【比較例】表5に異方導電性組成物を示す。表6に異方
導電性フィルムを用いてICチップの接続条件を示す。
表7にICカードの接続特性を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【発明の効果】本発明のICカード用異方導電膜は、 1.低圧での接続が可能であり、接続に関与しない粒子
による基板への損傷が少なく、ICカードの平滑性が損
なわれない。 2.低温度で接続ができ、基板の熱変形を防止でき、薄
いフレキシブル基板でも使用できる。 3.銅合金導電性粒子を用いるために、導電性が高く接
続信頼性が良い。 4.接続時のチップと基板間でのボイドが少なく、接続
強度及び曲げ強度に対する信頼性が高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体により回路及び電極が形成された
    ICカード用基板と、該基板に接続されるLSIチップ
    との間に配置された異方導電膜において、該異方導電膜
    は、銅合金導電性粉末を有し、且つ前記基板とLSIチ
    ップ間に存在する空隙が40%以下であることを特徴と
    するICカード用異方導電膜。
  2. 【請求項2】 銅合金導電性粉末が一般式AxCu
    1ーx(A(記号)はAg、Auより選ばれた1種以上、
    0.001≦X≦0.6は原子比))で表され、且つ粉
    末表面の銀あるいは金濃度が平均の銀あるいは金濃度よ
    り高く、平均粒子径2〜20ミクロンの銅合金粉末であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のICカード用異方導電
    膜。
  3. 【請求項3】 銅合金導電性粉末が一般式AxCuyM
    z(A(記号)はAg、Auより選ばれた1種以上、M
    はSn,Pbより選ばれた1種以上、0.001≦X≦
    0.6、0.39≦y≦0.8、0.01≦Z≦0.1
    7は原子比))で表され、且つ粉末表面の銀あるいは金
    濃度が平均の銀あるいは金濃度より高く、平均粒子径2
    〜20ミクロンの銅合金粉末であることを特徴とする請求項
    1または2に記載のICカード用異方導電膜。
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