JPH1132778A - 新規セリンプロテアーゼ - Google Patents
新規セリンプロテアーゼInfo
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- JPH1132778A JPH1132778A JP9213969A JP21396997A JPH1132778A JP H1132778 A JPH1132778 A JP H1132778A JP 9213969 A JP9213969 A JP 9213969A JP 21396997 A JP21396997 A JP 21396997A JP H1132778 A JPH1132778 A JP H1132778A
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- serine protease
- acid sequence
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/48—Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
- C12N9/50—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
- C12N9/64—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
- C12N9/6421—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
- C12N9/6424—Serine endopeptidases (3.4.21)
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なヒト・セリンプロテアーゼの提供。
【解決手段】 図7〜図12に示すセリンプロテアーゼ
と同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失もしくは置
換したアミノ酸配列、あるいは該同一のアミノ酸配列ま
たはその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸配列に1
乃至複数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を含ん
でなるセリンプロテアーゼまたはその部分ペプチド。
と同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失もしくは置
換したアミノ酸配列、あるいは該同一のアミノ酸配列ま
たはその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸配列に1
乃至複数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を含ん
でなるセリンプロテアーゼまたはその部分ペプチド。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規セリンプロテ
アーゼ、それをコードするDNA、及び該セリンプロテ
アーゼの製造方法、並びに該セリンプロテアーゼまたは
それをコードするDNAを用いる生理活性物質のスクリ
ーニング方法に関する。
アーゼ、それをコードするDNA、及び該セリンプロテ
アーゼの製造方法、並びに該セリンプロテアーゼまたは
それをコードするDNAを用いる生理活性物質のスクリ
ーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セリンプロテアーゼは、動物、植物、微
生物に広く存在し、特に、高等動物では、食物の消化、
血液凝固・線溶、補体活性化、ホルモン産生、排卵・受
精、食作用、細胞増殖、発生・分化、老化、癌転移など
極めて多くの生体反応に関与していることがわかってい
る(Neurath,H.Science,224,3
50−357,1984)。
生物に広く存在し、特に、高等動物では、食物の消化、
血液凝固・線溶、補体活性化、ホルモン産生、排卵・受
精、食作用、細胞増殖、発生・分化、老化、癌転移など
極めて多くの生体反応に関与していることがわかってい
る(Neurath,H.Science,224,3
50−357,1984)。
【0003】近年、中枢神経系においてもセリンプロテ
アーゼが生理的に重要な機能分子として働いていること
が確認されるようになった。例えば、脳内において発現
しているセリンプロテアーゼとしては、組織型プラスミ
ノーゲンアクチベーター(Sappiro,A-D.,Madani,R.,Hua
rte,J.,Belin,D.,Kiss,J.Z.,Wohlwent,A.,and Vassall
i,J-D.,J.Clin.Invest.,92,679-685,1993)、トロンビ
ン(Monard,D,Trends Neurosci.,11,541-544,1988)、ヒ
トトリプシンIV(Wiegand,U.,Corbach,S.,Minn,A.,Kan
g,J.and Muller-Hill,B.,Gene,136,167-175,1993)、ニ
ューロプシン(Chen,Z-L.,Yoshida,S.,Kato,K.,Momota,
Y.,Suzuki,J.,Tanaka,T.,Ito,J.,Nishino,H.,Aimoto,
S.,Kiyama,H.,and Shiosaka,S.,J.Neurosci.,15(7),508
8-5097,1995)、ニューロシン(Yamashiro,K.,Tsuruoka,
N.,Kodama,S.,Tsujimoto,M.,Yamamura,Y.,Tanaka,T.,Na
kazato,H.,and Yamaguchi,N.,Biochim.Biophys.Acta,13
50,11-14,1997)などが知られている。
アーゼが生理的に重要な機能分子として働いていること
が確認されるようになった。例えば、脳内において発現
しているセリンプロテアーゼとしては、組織型プラスミ
ノーゲンアクチベーター(Sappiro,A-D.,Madani,R.,Hua
rte,J.,Belin,D.,Kiss,J.Z.,Wohlwent,A.,and Vassall
i,J-D.,J.Clin.Invest.,92,679-685,1993)、トロンビ
ン(Monard,D,Trends Neurosci.,11,541-544,1988)、ヒ
トトリプシンIV(Wiegand,U.,Corbach,S.,Minn,A.,Kan
g,J.and Muller-Hill,B.,Gene,136,167-175,1993)、ニ
ューロプシン(Chen,Z-L.,Yoshida,S.,Kato,K.,Momota,
Y.,Suzuki,J.,Tanaka,T.,Ito,J.,Nishino,H.,Aimoto,
S.,Kiyama,H.,and Shiosaka,S.,J.Neurosci.,15(7),508
8-5097,1995)、ニューロシン(Yamashiro,K.,Tsuruoka,
N.,Kodama,S.,Tsujimoto,M.,Yamamura,Y.,Tanaka,T.,Na
kazato,H.,and Yamaguchi,N.,Biochim.Biophys.Acta,13
50,11-14,1997)などが知られている。
【0004】これら脳内におけるセリンプロテアーゼ
は、ニューロンの神経突起の伸展に関与するばかりでな
く、標的ニューロンとのシナプス形成過程に関与してい
ることが想定されている(Liu,Y.,Fields,R.D.,Fitzger
ald,S.,Festoff,B.W.,and Nelson,P.G.,J.Neurobiol,2
5,325,1994)。しかしながら、これらセリンプロテアー
ゼの脳内における生理機能についてはほとんど解明され
ていない。また、脳内に発現し重要な生理機能を担うセ
リンプロテアーゼがその他多数存在することが予想され
るがその多くは特定されていないのが現状である。
は、ニューロンの神経突起の伸展に関与するばかりでな
く、標的ニューロンとのシナプス形成過程に関与してい
ることが想定されている(Liu,Y.,Fields,R.D.,Fitzger
ald,S.,Festoff,B.W.,and Nelson,P.G.,J.Neurobiol,2
5,325,1994)。しかしながら、これらセリンプロテアー
ゼの脳内における生理機能についてはほとんど解明され
ていない。また、脳内に発現し重要な生理機能を担うセ
リンプロテアーゼがその他多数存在することが予想され
るがその多くは特定されていないのが現状である。
【0005】一方、凝固線溶補体系のある種のセリンプ
ロテアーゼタンパク質は、クリングルドメイン、EGF
−like構造、フィンガー構造、γ−carboxy
glutamic acidドメインならびにアップル
ドメインなどの構造をN末端側に有している(Furie,
B.,and Furie,B.C.,Cell,53,505-518,1988)。例えば、
クリングルドメインを持つセリンプロテアーゼタンパク
質としてはウロキナーゼ、プラスミノーゲンアクチベー
ター、プラスミノーゲンなどが知られている。
ロテアーゼタンパク質は、クリングルドメイン、EGF
−like構造、フィンガー構造、γ−carboxy
glutamic acidドメインならびにアップル
ドメインなどの構造をN末端側に有している(Furie,
B.,and Furie,B.C.,Cell,53,505-518,1988)。例えば、
クリングルドメインを持つセリンプロテアーゼタンパク
質としてはウロキナーゼ、プラスミノーゲンアクチベー
ター、プラスミノーゲンなどが知られている。
【0006】クリングルドメインは、フィブリン、ヘパ
リンおよびリシンアナログとの結合能を有し(Scanu,A.
M.and Edelstein,C.,Biochimica.Biophysica.Acta,125
6,1-12,1995)、血液線溶系においては、析出したフィ
ブリンにプラスミノーゲンアクチベーターがクリングル
ドメインを介して結合し、近傍に結合したプラスミンを
活性化することが示されている。さらに、血管新生抑制
因子アンジオスタチンが、プラスミノーゲン分子中のク
リングルドメインであることが明らかとなり(Cao,Y.,J
i,R.W.,Davidson,D.,Scaller,J.,Marti,D.,Soehndel,
S.,McCance,S.G.,O'Reilly,M.S.,Llinas,M.,and Folkma
n,J.,J.Biol.Chem.,271,29461-29467,1996)、クリング
ルドメイン構造単独の生理活性が初めて示された。
リンおよびリシンアナログとの結合能を有し(Scanu,A.
M.and Edelstein,C.,Biochimica.Biophysica.Acta,125
6,1-12,1995)、血液線溶系においては、析出したフィ
ブリンにプラスミノーゲンアクチベーターがクリングル
ドメインを介して結合し、近傍に結合したプラスミンを
活性化することが示されている。さらに、血管新生抑制
因子アンジオスタチンが、プラスミノーゲン分子中のク
リングルドメインであることが明らかとなり(Cao,Y.,J
i,R.W.,Davidson,D.,Scaller,J.,Marti,D.,Soehndel,
S.,McCance,S.G.,O'Reilly,M.S.,Llinas,M.,and Folkma
n,J.,J.Biol.Chem.,271,29461-29467,1996)、クリング
ルドメイン構造単独の生理活性が初めて示された。
【0007】また、マクロファージスカベンジャーレセ
プターにおいて認められたスカベンジャーレセプターシ
ステインリッチ(SRCR)ドメイン構造を有する一連
のタンパク質群として、サイクロフィリンC結合蛋白
質、スペラクト(Speract)レセプター、コンプ
リメントファクターI、CD5、CD6などの存在が知
られている(Resnick,D.,Pearson,A.,and Krieger,M.,T
rends.Biochem.Sci.,19,5-8,1994)。
プターにおいて認められたスカベンジャーレセプターシ
ステインリッチ(SRCR)ドメイン構造を有する一連
のタンパク質群として、サイクロフィリンC結合蛋白
質、スペラクト(Speract)レセプター、コンプ
リメントファクターI、CD5、CD6などの存在が知
られている(Resnick,D.,Pearson,A.,and Krieger,M.,T
rends.Biochem.Sci.,19,5-8,1994)。
【0008】サイクロフィリンC結合蛋白質やコンプリ
メントファクターIは分泌タンパク質であるのに対し
て、スペラクト(Speract)ファクターやCD5
およびCD6は、膜結合型タンパク質であることが知ら
れている。このうち、膜結合型タンパク質CD6と結合
するタンパク質が活性化白血球接着分子(ALCAM)
であることが見い出され、CD6のSRCRドメイン構
造に結合位置があることがわかった(Whitney,G.S.,Sta
rling,G.C.,Bowen,M.A.,Modrell,B.,Siadak,A.W.,and A
ruffo,A,J.Biol.Chem.,270,18187-18190,1995)。
メントファクターIは分泌タンパク質であるのに対し
て、スペラクト(Speract)ファクターやCD5
およびCD6は、膜結合型タンパク質であることが知ら
れている。このうち、膜結合型タンパク質CD6と結合
するタンパク質が活性化白血球接着分子(ALCAM)
であることが見い出され、CD6のSRCRドメイン構
造に結合位置があることがわかった(Whitney,G.S.,Sta
rling,G.C.,Bowen,M.A.,Modrell,B.,Siadak,A.W.,and A
ruffo,A,J.Biol.Chem.,270,18187-18190,1995)。
【0009】さらに、CD6のリガンドであるALCA
Mは、活性化リンパ球やニューロンに発現していること
が知られており、CD6は、ALCAMとの相互作用を
介して免疫系や神経系における恒常性の維持に一定の制
御機能を果たしていることが推察される。このように、
複数のドメイン構造を有するタンパク質は、各ドメイン
が固有の機能を有するばかりでなく、各ドメインの機能
が連関して特異的な認識機能を持って機能しているもの
と考えられている。
Mは、活性化リンパ球やニューロンに発現していること
が知られており、CD6は、ALCAMとの相互作用を
介して免疫系や神経系における恒常性の維持に一定の制
御機能を果たしていることが推察される。このように、
複数のドメイン構造を有するタンパク質は、各ドメイン
が固有の機能を有するばかりでなく、各ドメインの機能
が連関して特異的な認識機能を持って機能しているもの
と考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実情に
鑑みてなされたものであり、その目的は新規なセリンプ
ロテアーゼ、及びそれをコードする新規セリンプロテア
ーゼDNAを提供することにある。さらに、本発明は当
該DNAを用いて当該プロテアーゼを大量に生産する方
法及び該セリンプロテアーゼまたはそれをコードするD
NAを用いる生理活性物質のスクリーニング方法を提供
することを目的とするものである。
鑑みてなされたものであり、その目的は新規なセリンプ
ロテアーゼ、及びそれをコードする新規セリンプロテア
ーゼDNAを提供することにある。さらに、本発明は当
該DNAを用いて当該プロテアーゼを大量に生産する方
法及び該セリンプロテアーゼまたはそれをコードするD
NAを用いる生理活性物質のスクリーニング方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、脳内に発現するセリンプロテアーゼをコ
ードするcDNAに良く保存されている領域をプローブ
として用い、5’翻訳領域が特徴的なcDNAをスクリ
ーニングすることにより、新規機能タンパク質をコード
するcDNAを単離し、本発明を完成させるに至った。
を重ねた結果、脳内に発現するセリンプロテアーゼをコ
ードするcDNAに良く保存されている領域をプローブ
として用い、5’翻訳領域が特徴的なcDNAをスクリ
ーニングすることにより、新規機能タンパク質をコード
するcDNAを単離し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
【具体的な説明】マウスセリンプロテアーゼをコードす
るcDNAのクローニングは、先ず、常法に従って単離
調製したマウス脳由来mRNAからcDNAライブラリ
ーを作製し、次に、作製したcDNAライブラリーをセ
リンプロテアーゼモチーフをもとにデザインしたPCR
プライマーを用いたPCRにより行なった。ここで得ら
れたPCR産物をプローブとして、5’翻訳領域が長く
新規機能タンパク質をコードすると予想されるクローン
のスクリーニングを実施した。
るcDNAのクローニングは、先ず、常法に従って単離
調製したマウス脳由来mRNAからcDNAライブラリ
ーを作製し、次に、作製したcDNAライブラリーをセ
リンプロテアーゼモチーフをもとにデザインしたPCR
プライマーを用いたPCRにより行なった。ここで得ら
れたPCR産物をプローブとして、5’翻訳領域が長く
新規機能タンパク質をコードすると予想されるクローン
のスクリーニングを実施した。
【0013】その結果、本発明者らは、マウスBSSP
−3と命名した2.7kbのcDNAを単離することに成
功した。得られたcDNA配列を常法により調べた結
果、マウスBSSP−3 cDNAは、セリンプロテア
ーゼドメインばかりでなくクリングルドメインならびに
スカベンジャーレセプターシステインリッチドメインを
含む新規機能タンパク質をコードしていることが明らか
となった。単離したマウスBSSP−3 cDNAは、
1つのクリングルドメイン、3つのスカベンジャーレセ
プターシステインリッチドメインおよび1つのセリンプ
ロテアーゼドメインをコードしていた。具体例を実施例
1に記載する。
−3と命名した2.7kbのcDNAを単離することに成
功した。得られたcDNA配列を常法により調べた結
果、マウスBSSP−3 cDNAは、セリンプロテア
ーゼドメインばかりでなくクリングルドメインならびに
スカベンジャーレセプターシステインリッチドメインを
含む新規機能タンパク質をコードしていることが明らか
となった。単離したマウスBSSP−3 cDNAは、
1つのクリングルドメイン、3つのスカベンジャーレセ
プターシステインリッチドメインおよび1つのセリンプ
ロテアーゼドメインをコードしていた。具体例を実施例
1に記載する。
【0014】次に、単離したマウスBSSP−3 cD
NA全長をプローブとして、マウス各臓器およびマウス
脳各部位におけるマウスBSSP−3 mRNAの発現
を確認したところ、マウス各臓器においては、特に脳に
強い発現を認め、肺および腎臓においても発現を認め
た。また、マウス脳各部位においては、大脳および脳幹
に強い発現を認め、延髄においても発現を認めた。その
大きさはいずれの場合においても約2.7kbの大きさの
みであった。検討した脳各部位のうち、マウスBSSP
−3 mRNAの発現は小脳では認められなかった。具
体例を実施例2に記載する。このことから、マウスBS
SP−3 mRNAは、実際にマウス臓器で発現してい
ることが確認された。
NA全長をプローブとして、マウス各臓器およびマウス
脳各部位におけるマウスBSSP−3 mRNAの発現
を確認したところ、マウス各臓器においては、特に脳に
強い発現を認め、肺および腎臓においても発現を認め
た。また、マウス脳各部位においては、大脳および脳幹
に強い発現を認め、延髄においても発現を認めた。その
大きさはいずれの場合においても約2.7kbの大きさの
みであった。検討した脳各部位のうち、マウスBSSP
−3 mRNAの発現は小脳では認められなかった。具
体例を実施例2に記載する。このことから、マウスBS
SP−3 mRNAは、実際にマウス臓器で発現してい
ることが確認された。
【0015】さらに、マウスBSSP−3 cDNAを
プローブにしてヒト脳cDNAライブラリーをスクリー
ニングした結果、ヒトBSSP−3 cDNAを単離す
ることに成功した。その結果、本発明者らは、ヒトBS
SP−3cDNAがマウスBSSP−3cDNAの一次
構造から予想されるものとは明らかに異なり、1つのク
リングルドメイン、4つのスカベンジャーレセプターシ
ステインリッチドメインおよび1つのセリンプロテアー
ゼドメインをコードしていることを明らかにした。具体
例を実施例3に記載する。さらに、本発明者は、ヒトB
SSP−3 cDNAのうちセリンプロテアーゼ成熟タ
ンパク質をコードするDNAをCOS−1細胞で発現し
たところ、明らかに酵素活性を持つ機能タンパク質であ
ることを明らかにした。具体例を実施例4に記載する。
プローブにしてヒト脳cDNAライブラリーをスクリー
ニングした結果、ヒトBSSP−3 cDNAを単離す
ることに成功した。その結果、本発明者らは、ヒトBS
SP−3cDNAがマウスBSSP−3cDNAの一次
構造から予想されるものとは明らかに異なり、1つのク
リングルドメイン、4つのスカベンジャーレセプターシ
ステインリッチドメインおよび1つのセリンプロテアー
ゼドメインをコードしていることを明らかにした。具体
例を実施例3に記載する。さらに、本発明者は、ヒトB
SSP−3 cDNAのうちセリンプロテアーゼ成熟タ
ンパク質をコードするDNAをCOS−1細胞で発現し
たところ、明らかに酵素活性を持つ機能タンパク質であ
ることを明らかにした。具体例を実施例4に記載する。
【0016】以上の結果から、今回単離したマウスおよ
びヒトBSSP−3 cDNAは、その一次構造上、新
規セリンプロテアーゼドメイン、新規クリングルドメイ
ンならびに新規スカベンジャーレセプターシステインリ
ッチドメインを含む新規機能タンパク質をコードしてい
ることばかりでなく、セリンプロテアーゼドメインが酵
素活性を持った機能タンパク質であることが明らかとな
った。
びヒトBSSP−3 cDNAは、その一次構造上、新
規セリンプロテアーゼドメイン、新規クリングルドメイ
ンならびに新規スカベンジャーレセプターシステインリ
ッチドメインを含む新規機能タンパク質をコードしてい
ることばかりでなく、セリンプロテアーゼドメインが酵
素活性を持った機能タンパク質であることが明らかとな
った。
【0017】本発明における新規機能タンパク質は、一
次構造上複合的な機能を有することが明らかであるばか
りでなく、その複合的な機能を通して脳内の生理機能に
一定の役割を果たしている。したがって、本発明のマウ
スBSSP−3 cDNAおよびマウスBSSP−3
cDNAがコードしている新規機能タンパク質は、各種
マウス疾患モデルの病態解析に有用な手段を提供するも
のである。また、病態解析を通じて得られた疾患治療の
ための有用な情報を基に、本発明のヒトBSSP−3
cDNAおよびヒトBSSP−3 cDNAがコードし
ている新規機能タンパク質は、各種疾患治療剤をスクリ
ーニングする手法を提供するものであり、さらに実際の
ヒト疾患治療薬の開発に適用することも可能である。
次構造上複合的な機能を有することが明らかであるばか
りでなく、その複合的な機能を通して脳内の生理機能に
一定の役割を果たしている。したがって、本発明のマウ
スBSSP−3 cDNAおよびマウスBSSP−3
cDNAがコードしている新規機能タンパク質は、各種
マウス疾患モデルの病態解析に有用な手段を提供するも
のである。また、病態解析を通じて得られた疾患治療の
ための有用な情報を基に、本発明のヒトBSSP−3
cDNAおよびヒトBSSP−3 cDNAがコードし
ている新規機能タンパク質は、各種疾患治療剤をスクリ
ーニングする手法を提供するものであり、さらに実際の
ヒト疾患治療薬の開発に適用することも可能である。
【0018】その治療法としては、遺伝子組換え体投与
による補充治療ならびにセンス又はアンチセンス法によ
る遺伝子発現促進又は抑制治療が挙げられる。さらに、
新規機能タンパク質の各ドメイン構造のそれぞれは、単
独で機能することもまた可能である。したがって、各ド
メイン構造を個別に発現させた後、各ドメイン構造と相
互作用を示す分子を特定することができる。また、特定
した分子群の疾患への関与を調べることにより、遺伝子
組換え体投与による補充治療ならびにセンス又はアンチ
センス法による遺伝子発現促進又は抑制治療も可能であ
る。
による補充治療ならびにセンス又はアンチセンス法によ
る遺伝子発現促進又は抑制治療が挙げられる。さらに、
新規機能タンパク質の各ドメイン構造のそれぞれは、単
独で機能することもまた可能である。したがって、各ド
メイン構造を個別に発現させた後、各ドメイン構造と相
互作用を示す分子を特定することができる。また、特定
した分子群の疾患への関与を調べることにより、遺伝子
組換え体投与による補充治療ならびにセンス又はアンチ
センス法による遺伝子発現促進又は抑制治療も可能であ
る。
【0019】以下、実施例に基づいて本発明を説明す
る。本発明においては、新規セリンプロテアーゼをコー
ドするDNAのヌクレオチド配列として図1〜6および
図7〜12に示すヌクレオチド配列を開示するが、本発
明のセリンプロテアーゼのDNAはこれに限定されな
い。一旦、天然セリンプロテアーゼのアミノ酸配列が決
定されれば、コドンの縮重に基き、同じアミノ酸配列を
コードする種々のヌクレオチド配列を設計し、それを調
製することができる。この場合、使用すべき宿主により
高頻度で用いられるコドンを使用するのが好ましい。
る。本発明においては、新規セリンプロテアーゼをコー
ドするDNAのヌクレオチド配列として図1〜6および
図7〜12に示すヌクレオチド配列を開示するが、本発
明のセリンプロテアーゼのDNAはこれに限定されな
い。一旦、天然セリンプロテアーゼのアミノ酸配列が決
定されれば、コドンの縮重に基き、同じアミノ酸配列を
コードする種々のヌクレオチド配列を設計し、それを調
製することができる。この場合、使用すべき宿主により
高頻度で用いられるコドンを使用するのが好ましい。
【0020】本発明の天然セリンプロテアーゼをコード
するDNAを得るには、実施例に記載する様にしてcD
NAを得ることができるが、これに限定されない。すな
わち、天然セリンプロテアーゼのアミノ酸配列をコード
する1つのヌクレオチド配列が決定されれば天然セリン
プロテアーゼをコードするDNAは、本発明に具体的に
開示するストラテジーとは異なるストラテジーによりc
DNAとしてクローニングすることができ、さらにはそ
れを生産する細胞のゲノムからクローニングすることも
できる。
するDNAを得るには、実施例に記載する様にしてcD
NAを得ることができるが、これに限定されない。すな
わち、天然セリンプロテアーゼのアミノ酸配列をコード
する1つのヌクレオチド配列が決定されれば天然セリン
プロテアーゼをコードするDNAは、本発明に具体的に
開示するストラテジーとは異なるストラテジーによりc
DNAとしてクローニングすることができ、さらにはそ
れを生産する細胞のゲノムからクローニングすることも
できる。
【0021】例えば、実施例1に示すようなDNA(ヌ
クレオチド)プライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応
法(PCR)によりクローニングすることができる。本
発明のDNAはさらにセリンプロテアーゼ活性を有する
蛋白または糖蛋白をコードし、図1〜6または図7〜1
2のヌクレオチド配列とハイブリダイズするDNAも含
まれる。また、ハイブリダイゼーションの一般的方法は
当業者においてよく知られており(例えば、実験医学臨
時増刊号、羊土社、バイオテクノロジー実験法シリーズ
遺伝子工学総集編" 、Vol.5,No.11,24−60,
1987)、活性測定もまた当業者によく知られてい
る。
クレオチド)プライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応
法(PCR)によりクローニングすることができる。本
発明のDNAはさらにセリンプロテアーゼ活性を有する
蛋白または糖蛋白をコードし、図1〜6または図7〜1
2のヌクレオチド配列とハイブリダイズするDNAも含
まれる。また、ハイブリダイゼーションの一般的方法は
当業者においてよく知られており(例えば、実験医学臨
時増刊号、羊土社、バイオテクノロジー実験法シリーズ
遺伝子工学総集編" 、Vol.5,No.11,24−60,
1987)、活性測定もまた当業者によく知られてい
る。
【0022】ゲノムからクローニングする場合、実施例
において使用した種々のプライマーヌクレオチド又はプ
ローブヌクレオチドを、ゲノムDNA断片の選択のため
プローブとして使用することができる。また、図1〜6
または図7〜12に記載するヌクレオチド配列に基いて
設計された他のプローブを用いることもできる。ゲノム
から目的とするDNAをクローニングするための一般的
方法は当業界においてよく知られている(Current Prot
ocols In Molecular Biology,John Wiley & Sons社、第
5章及び第6章)。
において使用した種々のプライマーヌクレオチド又はプ
ローブヌクレオチドを、ゲノムDNA断片の選択のため
プローブとして使用することができる。また、図1〜6
または図7〜12に記載するヌクレオチド配列に基いて
設計された他のプローブを用いることもできる。ゲノム
から目的とするDNAをクローニングするための一般的
方法は当業界においてよく知られている(Current Prot
ocols In Molecular Biology,John Wiley & Sons社、第
5章及び第6章)。
【0023】本発明の天然セリンプロテアーゼをコード
するDNAはまた、化学合成によっても調製することが
できる。DNAの化学合成は当業界において自動DNA
合成機、例えばアプライドバイオシステム社396DN
A/RNA合成機など採用して容易である。従って、当
業者は、図1〜6または図7〜12に示されるヌクレオ
チド配列のDNAを容易に合成することができる。
するDNAはまた、化学合成によっても調製することが
できる。DNAの化学合成は当業界において自動DNA
合成機、例えばアプライドバイオシステム社396DN
A/RNA合成機など採用して容易である。従って、当
業者は、図1〜6または図7〜12に示されるヌクレオ
チド配列のDNAを容易に合成することができる。
【0024】本発明の天然型セリンプロテアーゼを生来
のコドンとは異なるコドンによりコードするDNAは、
前記のごとく化学合成により調製することもでき、また
図1〜6または図7〜12に示すヌクレオチド配列を有
するDNA又はRNAを鋳型として変異誘発プライマー
と共に用いる部位特定変異誘発法(site−dire
cted mutagenesis)等常法に従って得
ることもできる(例えば、Current Protocols In Molec
ular Biology,John Wiley & Sons社、第8章を参照のこ
と)。
のコドンとは異なるコドンによりコードするDNAは、
前記のごとく化学合成により調製することもでき、また
図1〜6または図7〜12に示すヌクレオチド配列を有
するDNA又はRNAを鋳型として変異誘発プライマー
と共に用いる部位特定変異誘発法(site−dire
cted mutagenesis)等常法に従って得
ることもできる(例えば、Current Protocols In Molec
ular Biology,John Wiley & Sons社、第8章を参照のこ
と)。
【0025】こうして、一旦アミノ酸配列が決定されれ
ば、この天然アミノ酸配列に1〜複数のアミノ酸が付加
されておりなおセリンプロテアーゼ活性を維持している
ポリペプチド、前記天然アミノ酸配列から1〜複数個の
アミノ酸が除去されておりなおセリンプロテアーゼ活性
を維持しているポリペプチド、前記天然アミノ酸配列中
の1〜複数個のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換え
られておりなおセリンプロテアーゼ活性を維持している
ポリペプチド、さらには、上記のアミノ酸付加変異、ア
ミノ酸除去変異及びアミノ酸置換変異が組合わされた変
異を有しなおセリンプロテアーゼ活性を維持しているポ
リペプチドなど、種々の変異型セリンプロテアーゼを設
計し、それを製造することができる。
ば、この天然アミノ酸配列に1〜複数のアミノ酸が付加
されておりなおセリンプロテアーゼ活性を維持している
ポリペプチド、前記天然アミノ酸配列から1〜複数個の
アミノ酸が除去されておりなおセリンプロテアーゼ活性
を維持しているポリペプチド、前記天然アミノ酸配列中
の1〜複数個のアミノ酸が他のアミノ酸により置き換え
られておりなおセリンプロテアーゼ活性を維持している
ポリペプチド、さらには、上記のアミノ酸付加変異、ア
ミノ酸除去変異及びアミノ酸置換変異が組合わされた変
異を有しなおセリンプロテアーゼ活性を維持しているポ
リペプチドなど、種々の変異型セリンプロテアーゼを設
計し、それを製造することができる。
【0026】上記アミノ酸の付加、除去及び置換等の変
異におけるアミノ酸の数は、特に限定されないが、付加
については、例えば、本発明のセリンプロテアーゼとの
ハイブリッド蛋白に用いられる機能性蛋白のアミノ酸の
数(例えば、マルトースバインディングプロテイン(m
altose−binding protein)等の
公知の抽出精製もしくは安定化用蛋白または各種生理活
性蛋白や本セリンプロテアーゼに付加されたシグナルペ
プチドのそれに依存し、すなわち、当該変異の目的に依
存して決定される。例えば、1〜50、好ましくは、1
〜10の付加があげられる。
異におけるアミノ酸の数は、特に限定されないが、付加
については、例えば、本発明のセリンプロテアーゼとの
ハイブリッド蛋白に用いられる機能性蛋白のアミノ酸の
数(例えば、マルトースバインディングプロテイン(m
altose−binding protein)等の
公知の抽出精製もしくは安定化用蛋白または各種生理活
性蛋白や本セリンプロテアーゼに付加されたシグナルペ
プチドのそれに依存し、すなわち、当該変異の目的に依
存して決定される。例えば、1〜50、好ましくは、1
〜10の付加があげられる。
【0027】また、除去については、除去されるアミノ
酸の数は、セリンプロテアーゼ活性が維持されるように
設計、決定され、例えば、1〜30、好ましくは1〜2
0、また、本セリンプロテアーゼの活性領域以外の領域
のアミノ酸の数があげられる。さらに、置換について
は、置換されるアミノ酸の数は、セリンプロテアーゼ活
性が維持されるように設計、決定され、例えば、1〜1
0、好ましくは、1〜5があげられる。
酸の数は、セリンプロテアーゼ活性が維持されるように
設計、決定され、例えば、1〜30、好ましくは1〜2
0、また、本セリンプロテアーゼの活性領域以外の領域
のアミノ酸の数があげられる。さらに、置換について
は、置換されるアミノ酸の数は、セリンプロテアーゼ活
性が維持されるように設計、決定され、例えば、1〜1
0、好ましくは、1〜5があげられる。
【0028】また、本発明においては、図1〜6または
図7〜12に示すそれぞれアミノ酸番号517から76
1までまたは578から822までのアミノ酸配列から
なるセリンプロテアーゼドメイン、図1〜6または図7
〜12に示すアミノ酸番号85から157までまたは4
0から112までのアミノ酸配列からなるクリングルド
メイン、または図1〜6または図7〜12に示すそれぞ
れアミノ酸番号166から番号266まで、番号273
から372までもしくは番号386から486までまた
は番号117から217まで、番号227から327ま
で、番号334から433まで、もしくは番号447か
ら547までのアミノ酸配列からなるスカベンジャーレ
セプターシステインリッチ(SRCR)ドメインを提供
し、これらドメインの作製は、後記する方法またはそれ
自体公知のペプチド合成法もしくは適当なプロテアーゼ
による該セリンプロテアーゼの切断により行うことがで
き、また本発明のドメインの活性を維持する変異型ドメ
インまたはそれをコードするDNAも同様に作製するこ
とができる。
図7〜12に示すそれぞれアミノ酸番号517から76
1までまたは578から822までのアミノ酸配列から
なるセリンプロテアーゼドメイン、図1〜6または図7
〜12に示すアミノ酸番号85から157までまたは4
0から112までのアミノ酸配列からなるクリングルド
メイン、または図1〜6または図7〜12に示すそれぞ
れアミノ酸番号166から番号266まで、番号273
から372までもしくは番号386から486までまた
は番号117から217まで、番号227から327ま
で、番号334から433まで、もしくは番号447か
ら547までのアミノ酸配列からなるスカベンジャーレ
セプターシステインリッチ(SRCR)ドメインを提供
し、これらドメインの作製は、後記する方法またはそれ
自体公知のペプチド合成法もしくは適当なプロテアーゼ
による該セリンプロテアーゼの切断により行うことがで
き、また本発明のドメインの活性を維持する変異型ドメ
インまたはそれをコードするDNAも同様に作製するこ
とができる。
【0029】上記のようにして本発明のセリンプロテア
ーゼまたはドメインのDNAが得られると、これを用い
て、常用の遺伝子組換え法により組換えセリンプロテア
ーゼまたはドメインを製造することができる。すなわ
ち、本発明のセリンプロテアーゼまたはドメインをコー
ドするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該発現ベ
クターを適当な宿主細胞に導入し、該宿主細胞を培養
し、そして得られた培養物(細胞又は培地)から目的と
するセリンプロテアーゼまたはドメインを摂取する。
ーゼまたはドメインのDNAが得られると、これを用い
て、常用の遺伝子組換え法により組換えセリンプロテア
ーゼまたはドメインを製造することができる。すなわ
ち、本発明のセリンプロテアーゼまたはドメインをコー
ドするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該発現ベ
クターを適当な宿主細胞に導入し、該宿主細胞を培養
し、そして得られた培養物(細胞又は培地)から目的と
するセリンプロテアーゼまたはドメインを摂取する。
【0030】本発明のセリンプロテアーゼまたはドメイ
ンは、生化学的又は化学的な修飾、例えば、N末端アシ
ル化、例えばホルミル化、アセチル化などのC1-6 アシ
ル化または欠失等がされた形で得られてもよい。発現系
は、シグナル配列の付加、改良や宿主の選択によって分
泌効率及び発現量の向上を図ることもできる。シグナル
配列の付加及び改良手段としては、他の構造ペプチドの
シグナルペプチドをコードする遺伝子を本発明のセリン
プロテアーゼまたはドメインの構造遺伝子5’側上流
に、切断可能な部分ペプチドをコードする遺伝子を介す
るように連結する方法が挙げられる。具体的例示として
は、実施例4に記載したトリプシン遺伝子のシグナル配
列およびエンテロキナーゼ認識配列をコードする遺伝子
を用いる方法があげられる。
ンは、生化学的又は化学的な修飾、例えば、N末端アシ
ル化、例えばホルミル化、アセチル化などのC1-6 アシ
ル化または欠失等がされた形で得られてもよい。発現系
は、シグナル配列の付加、改良や宿主の選択によって分
泌効率及び発現量の向上を図ることもできる。シグナル
配列の付加及び改良手段としては、他の構造ペプチドの
シグナルペプチドをコードする遺伝子を本発明のセリン
プロテアーゼまたはドメインの構造遺伝子5’側上流
に、切断可能な部分ペプチドをコードする遺伝子を介す
るように連結する方法が挙げられる。具体的例示として
は、実施例4に記載したトリプシン遺伝子のシグナル配
列およびエンテロキナーゼ認識配列をコードする遺伝子
を用いる方法があげられる。
【0031】宿主としては原核生物又は真核生物を用い
ることができる。原核生物としては細菌、特に大腸菌
(Escherichia coli)、バシルス属
(Bacillus)細菌、例えばバシルス・ズブチリ
ス(B.subtilis)等を用いることができる。
真核生物としては酵母、例えばサッカロミセス(Sac
charomyces)属酵母、例えばサッカロミセス
・セレビシエー(S.serevisiae)、等の真
核性微生物、昆虫細胞、例えば、ヨガ細胞(Spodo
ptera frugiperda)、キャベツルーパ
ー細胞(Trichoplusia ni)、カイコ細
胞(Bombyx mori)、動物細胞、例えばヒト
細胞、サル細胞、マウス細胞等、具体的には、COS−
1細胞、Vero細胞、CHO細胞、L細胞、ミエロー
マ細胞、C127細胞、BALB/c3T3細胞、Sp
−2/O細胞等を使用することができる。本発明におい
てはさらに、生物体それ自体、例えば昆虫、例えばカイ
コ、キャベツルーパー等を用いることもできる。
ることができる。原核生物としては細菌、特に大腸菌
(Escherichia coli)、バシルス属
(Bacillus)細菌、例えばバシルス・ズブチリ
ス(B.subtilis)等を用いることができる。
真核生物としては酵母、例えばサッカロミセス(Sac
charomyces)属酵母、例えばサッカロミセス
・セレビシエー(S.serevisiae)、等の真
核性微生物、昆虫細胞、例えば、ヨガ細胞(Spodo
ptera frugiperda)、キャベツルーパ
ー細胞(Trichoplusia ni)、カイコ細
胞(Bombyx mori)、動物細胞、例えばヒト
細胞、サル細胞、マウス細胞等、具体的には、COS−
1細胞、Vero細胞、CHO細胞、L細胞、ミエロー
マ細胞、C127細胞、BALB/c3T3細胞、Sp
−2/O細胞等を使用することができる。本発明におい
てはさらに、生物体それ自体、例えば昆虫、例えばカイ
コ、キャベツルーパー等を用いることもできる。
【0032】発現ベクターとしては、プラスミド、ファ
ージ、ファージミド、ウィルス(バキュロ(昆虫)、ワ
クチニア(動物細胞))等が使用できる。発現ベクター
中のプロモーターは宿主細胞に依存して選択され、例え
ば細菌用プロモーターとしてはlacプロモーター、t
rpプロモーター等が使用され、酵母用プロモーターと
しては、例えば、adhIプロモーター、pqkプロモ
ーター等が使用される。
ージ、ファージミド、ウィルス(バキュロ(昆虫)、ワ
クチニア(動物細胞))等が使用できる。発現ベクター
中のプロモーターは宿主細胞に依存して選択され、例え
ば細菌用プロモーターとしてはlacプロモーター、t
rpプロモーター等が使用され、酵母用プロモーターと
しては、例えば、adhIプロモーター、pqkプロモ
ーター等が使用される。
【0033】また、昆虫用プロモーターとしてはバキュ
ロウィルスポリヘドリンプロモーター等、動物細胞とし
てはSimian Virus40のearlyもしく
はlateプロモーター、CMVプロモーター、HSV
−TKプロモーターまたはSRαプロモーター等があげ
られる。また、発現ベクターには、以上の他にエンハン
サー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、
選択マーカー(例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(メ
トトレキセート耐性)、neo遺伝子(G418耐性)
等)等を含有しているのを用いるのが好ましい。なお、
エンハンサーを使用する場合、例えばSV40のエンハ
ンサー等を遺伝子の上流または下流に挿入する。
ロウィルスポリヘドリンプロモーター等、動物細胞とし
てはSimian Virus40のearlyもしく
はlateプロモーター、CMVプロモーター、HSV
−TKプロモーターまたはSRαプロモーター等があげ
られる。また、発現ベクターには、以上の他にエンハン
サー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、
選択マーカー(例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(メ
トトレキセート耐性)、neo遺伝子(G418耐性)
等)等を含有しているのを用いるのが好ましい。なお、
エンハンサーを使用する場合、例えばSV40のエンハ
ンサー等を遺伝子の上流または下流に挿入する。
【0034】発現ベクターによる宿主の形質転換は、当
業界においてよく知られている常法により行うことがで
き、これらの方法は例えば、Current Protocols in Mol
ecular Biology,John Wiley & Sons社、に記載されてい
る。形質転換体の培養も常法に従って行うことができ
る。培養物からのセリンプロテアーゼまたはドメインの
精製は、タンパク質を単離・精製するための常法に従っ
て、例えば、限外濾過、各種カラムクロマトグラフィ
ー、例えばセフアロースを用いるクロマトグラフィー等
により行うことができる。
業界においてよく知られている常法により行うことがで
き、これらの方法は例えば、Current Protocols in Mol
ecular Biology,John Wiley & Sons社、に記載されてい
る。形質転換体の培養も常法に従って行うことができ
る。培養物からのセリンプロテアーゼまたはドメインの
精製は、タンパク質を単離・精製するための常法に従っ
て、例えば、限外濾過、各種カラムクロマトグラフィ
ー、例えばセフアロースを用いるクロマトグラフィー等
により行うことができる。
【0035】このようにして得られる本発明のセリンプ
ロテアーゼまたはドメインは、機能的タンパク質である
ことから、病態解析に有用な手段を提供し、本タンパク
質を用いる生理活性物質のスクリーニングを可能とし、
当該スクリーニング方法は、各種疾患治療剤の探索研究
に有用である。スクリーニング方法の具体例として、例
えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物のような、または、各種細胞培養
上清等より得られる天然成分、各種合成化合物等の人工
成分のような被験試料の生理活性の測定を行なうことに
より、例えばセリンプロテアーゼ阻害物質の場合は、実
施例4と同様にして、行うことができる。また、本発明
のセリンプロテアーゼ、ドメインもしくはそれらの部分
ペプチドまたは前記したセリンプロテアーゼ、ドメイン
もしくはそれらの部分ペプチドをコードするDNAで形
質転換された宿主もしくはその細胞膜画分を使用する上
記生理活性測定、結合親和性測定等も本発明のスクリー
ニング方法の好ましい実施態様である。また、本発明の
セリンプロテアーゼ、ドメインまたはその部分ペプチド
をコードするDNAは、遺伝子組換体投与による補充治
療ならびにセンスまたはアンチセンス法による遺伝子発
現促進または抑制治療や生体的生理機能解析の有用な手
段として提供され、解明された情報を基に新規医薬のス
クリーニングにも用いられる。
ロテアーゼまたはドメインは、機能的タンパク質である
ことから、病態解析に有用な手段を提供し、本タンパク
質を用いる生理活性物質のスクリーニングを可能とし、
当該スクリーニング方法は、各種疾患治療剤の探索研究
に有用である。スクリーニング方法の具体例として、例
えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物のような、または、各種細胞培養
上清等より得られる天然成分、各種合成化合物等の人工
成分のような被験試料の生理活性の測定を行なうことに
より、例えばセリンプロテアーゼ阻害物質の場合は、実
施例4と同様にして、行うことができる。また、本発明
のセリンプロテアーゼ、ドメインもしくはそれらの部分
ペプチドまたは前記したセリンプロテアーゼ、ドメイン
もしくはそれらの部分ペプチドをコードするDNAで形
質転換された宿主もしくはその細胞膜画分を使用する上
記生理活性測定、結合親和性測定等も本発明のスクリー
ニング方法の好ましい実施態様である。また、本発明の
セリンプロテアーゼ、ドメインまたはその部分ペプチド
をコードするDNAは、遺伝子組換体投与による補充治
療ならびにセンスまたはアンチセンス法による遺伝子発
現促進または抑制治療や生体的生理機能解析の有用な手
段として提供され、解明された情報を基に新規医薬のス
クリーニングにも用いられる。
【0036】さらにまた、本発明のセリンプロテアー
ゼ、ドメインもしくはその部分ペプチドまたはそれらを
コードするDNAは、上記スクリーニング方法を実施す
る際に用いうる形態でもキットとして提供できる。部分
ペプチドとしては、活性部位のセリン残基の近傍に存在
するペプチド断片および本発明のセリンプロテアーゼま
たはドメインに特異的な抗体の認識部位となり得るペプ
チド断片などの本発明のセリンプロテアーゼに特有の領
域からなるペプチド断片を挙げることができる。なお、
該部分ペプチドの作成は、本発明のセリンプロテアーゼ
またはドメインについて前記した方法またはそれ自体公
知のペプチドの合成法もしくは適当なプロテアーゼによ
る該セリンプロテアーゼまたはドメインの切断により行
なうことができる。
ゼ、ドメインもしくはその部分ペプチドまたはそれらを
コードするDNAは、上記スクリーニング方法を実施す
る際に用いうる形態でもキットとして提供できる。部分
ペプチドとしては、活性部位のセリン残基の近傍に存在
するペプチド断片および本発明のセリンプロテアーゼま
たはドメインに特異的な抗体の認識部位となり得るペプ
チド断片などの本発明のセリンプロテアーゼに特有の領
域からなるペプチド断片を挙げることができる。なお、
該部分ペプチドの作成は、本発明のセリンプロテアーゼ
またはドメインについて前記した方法またはそれ自体公
知のペプチドの合成法もしくは適当なプロテアーゼによ
る該セリンプロテアーゼまたはドメインの切断により行
なうことができる。
【0037】また、上記の細胞膜画分は、本発明のセリ
ンプロテアーゼ、ドメインまたはその部分ペプチドをコ
ードするDNAを発現し得る宿主細胞を、発現が可能な
条件下培養し、得られたセリンプロテアーゼ、ドメイン
またはその部分ペプチドを含有する宿主細胞をそれ自体
公知の方法で破砕した後、得られる細胞膜が多く含まれ
る画分のことをいう。
ンプロテアーゼ、ドメインまたはその部分ペプチドをコ
ードするDNAを発現し得る宿主細胞を、発現が可能な
条件下培養し、得られたセリンプロテアーゼ、ドメイン
またはその部分ペプチドを含有する宿主細胞をそれ自体
公知の方法で破砕した後、得られる細胞膜が多く含まれ
る画分のことをいう。
【0038】本発明のセリンプロテアーゼ、ドメインま
たはその部分ペプチドを用いる生理活性物質のスクリー
ニング方法は、本発明のセリンプロテアーゼ、ドメイン
もしくはその部分ペプチドもしくはそれをコードするD
NAまたは該セリンプロテアーゼ、ドメインもしくはそ
の部分ペプチドを含有する宿主細胞もしくはその細胞膜
画分を用いて、被検試料をスクリーニングすることによ
り行なわれる。具体的方法として、本発明のセリンプロ
テアーゼ、ドメインおよびその部分ペプチドの基質、例
えば、発色基質等の合成基質、放射性核種により標識さ
れた基質等、を用いる酵素活性測定法や結合親和性測定
法により行なわれる。
たはその部分ペプチドを用いる生理活性物質のスクリー
ニング方法は、本発明のセリンプロテアーゼ、ドメイン
もしくはその部分ペプチドもしくはそれをコードするD
NAまたは該セリンプロテアーゼ、ドメインもしくはそ
の部分ペプチドを含有する宿主細胞もしくはその細胞膜
画分を用いて、被検試料をスクリーニングすることによ
り行なわれる。具体的方法として、本発明のセリンプロ
テアーゼ、ドメインおよびその部分ペプチドの基質、例
えば、発色基質等の合成基質、放射性核種により標識さ
れた基質等、を用いる酵素活性測定法や結合親和性測定
法により行なわれる。
【0039】なお、セリンプロテアーゼ、ドメインまた
はそれらの部分ペプチドを含有する宿主細胞を用いる場
合、それ自体公知の方法で細胞を固定化(グルタルアル
デヒド、ホルムアルデヒド等で)して用いることができ
る。また、該プロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部
分ペプチドをコードするDNAを用いる場合、遺伝子発
現促進または抑制を評価する手法、例えばルシフュラー
ゼ等のレポーター遺伝子を用いて、行うことができる。
はそれらの部分ペプチドを含有する宿主細胞を用いる場
合、それ自体公知の方法で細胞を固定化(グルタルアル
デヒド、ホルムアルデヒド等で)して用いることができ
る。また、該プロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部
分ペプチドをコードするDNAを用いる場合、遺伝子発
現促進または抑制を評価する手法、例えばルシフュラー
ゼ等のレポーター遺伝子を用いて、行うことができる。
【0040】
【実施例】実施例1. プローブ用新規セリンプロテアーゼモチー
フcDNAのクローニング (1)セリンプロテアーゼ保存領域を用いたPCR マウス脳mRNAの調製は、RTG−T−primed
first−strand kit(Pharmac
ia)を用いて添付の文書に従って行った。得られたm
RNA5μl(約6mg)にオリゴdTプライマー2μl
(1μg)を加え、70℃で10分間熱した後、氷中で
急冷した。
フcDNAのクローニング (1)セリンプロテアーゼ保存領域を用いたPCR マウス脳mRNAの調製は、RTG−T−primed
first−strand kit(Pharmac
ia)を用いて添付の文書に従って行った。得られたm
RNA5μl(約6mg)にオリゴdTプライマー2μl
(1μg)を加え、70℃で10分間熱した後、氷中で
急冷した。
【0041】この熱変性mRNAに、4μlの5xFi
rst strand buffer(250mM T
ris−HCl pH8.3,375mM KCl,1
5mM MgCl2 ),1μlの10mM dNTP,
2μlの0.1M DTT,ジオチルピロカーボネート
(DEPC)処理した蒸留水および5μl(1000
U)のSuper ScriptIIRTを加え、37℃
で1時間反応させた。こうして得られたFirst s
trand cDNAをテンプレートとしてセリンプロ
テアーゼ保存領域を用いたPCRを行なった。
rst strand buffer(250mM T
ris−HCl pH8.3,375mM KCl,1
5mM MgCl2 ),1μlの10mM dNTP,
2μlの0.1M DTT,ジオチルピロカーボネート
(DEPC)処理した蒸留水および5μl(1000
U)のSuper ScriptIIRTを加え、37℃
で1時間反応させた。こうして得られたFirst s
trand cDNAをテンプレートとしてセリンプロ
テアーゼ保存領域を用いたPCRを行なった。
【0042】プライマーとして、活性残基(His)近
傍のアミノ酸保存領域(N−Val−Leu−Thr−
Ala−Ala−His−Cys)を基に配列番号:1
に示すオリゴマーKY185(5’−GTG CTC
ACN GCN GCB CAY TG−3’)および
活性残基(Ser)近傍のアミノ酸保存領域(N−Gl
y−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Le
u)を基に配列番号:2に示すオリゴマーKY189
(3’−CCV CTR AGD CCN CCNGG
C GA−5)をそれぞれ合成したものを用いた。Ta
q DNA polymerase(Amersham
社)を用いてPCRを行った後、PCR反応液をpCR
IIベクター(Invitrogen社)にサブクローニ
ングした。
傍のアミノ酸保存領域(N−Val−Leu−Thr−
Ala−Ala−His−Cys)を基に配列番号:1
に示すオリゴマーKY185(5’−GTG CTC
ACN GCN GCB CAY TG−3’)および
活性残基(Ser)近傍のアミノ酸保存領域(N−Gl
y−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Le
u)を基に配列番号:2に示すオリゴマーKY189
(3’−CCV CTR AGD CCN CCNGG
C GA−5)をそれぞれ合成したものを用いた。Ta
q DNA polymerase(Amersham
社)を用いてPCRを行った後、PCR反応液をpCR
IIベクター(Invitrogen社)にサブクローニ
ングした。
【0043】(2)スクリーニング用マウス脳mRNA
の単離精製 マウス脳mRNAの調製は、Fast Track m
RNA Isolation kit(Invitro
gen社)を用いて添付の文書に従って行った。すなわ
ち、摘出したマウスの全脳に15mlのLysis Bu
fferを加え、テフロンホモジナイザーでただちにホ
モジナイズした。ホモジナイズした組織は、注射筒を用
いて21ゲージの注射針に3回通したのち、50mlの遠
心管に入れ、45℃の水浴中で1時間インキュベーショ
ンした。
の単離精製 マウス脳mRNAの調製は、Fast Track m
RNA Isolation kit(Invitro
gen社)を用いて添付の文書に従って行った。すなわ
ち、摘出したマウスの全脳に15mlのLysis Bu
fferを加え、テフロンホモジナイザーでただちにホ
モジナイズした。ホモジナイズした組織は、注射筒を用
いて21ゲージの注射針に3回通したのち、50mlの遠
心管に入れ、45℃の水浴中で1時間インキュベーショ
ンした。
【0044】インキュベーション後、4000×gで5
分間遠心して得られた上清を別の50mlの遠心管に入
れ、そこに5M NaCl溶液を950μl加えた後、
再び注射筒を用いて21ゲージの注射針に3回通した。
次に、この溶液にオリゴ(dT)セルロースを1錠加
え、2分間膨潤させた後、1時間ゆっくり振動させた。
1時間後、2,000×gで5分間遠心し、上清を吸引
した後、20mlの結合緩衝液に懸濁後、遠心した沈渣を
さらに10mlの結合緩衝液で洗浄した。
分間遠心して得られた上清を別の50mlの遠心管に入
れ、そこに5M NaCl溶液を950μl加えた後、
再び注射筒を用いて21ゲージの注射針に3回通した。
次に、この溶液にオリゴ(dT)セルロースを1錠加
え、2分間膨潤させた後、1時間ゆっくり振動させた。
1時間後、2,000×gで5分間遠心し、上清を吸引
した後、20mlの結合緩衝液に懸濁後、遠心した沈渣を
さらに10mlの結合緩衝液で洗浄した。
【0045】次に、10mlの低塩濃度洗浄液で3回洗浄
した。最終洗浄後、オリゴ(dT)セルロースを800
μlの低塩濃度洗浄液に懸濁し、スピンカラムに入れ、
5000×gで10秒間の遠心洗浄を3回繰り返した。
洗浄後、200μlの溶離緩衝液を加え、5000×g
で10秒間の遠心を2回繰り返すことにより400μl
のmRNA溶液を得た。mRNA溶液から常法に従い、
エタノール沈殿によりmRNAを回収し、20μlのD
EPC処理した蒸留水に溶解した。
した。最終洗浄後、オリゴ(dT)セルロースを800
μlの低塩濃度洗浄液に懸濁し、スピンカラムに入れ、
5000×gで10秒間の遠心洗浄を3回繰り返した。
洗浄後、200μlの溶離緩衝液を加え、5000×g
で10秒間の遠心を2回繰り返すことにより400μl
のmRNA溶液を得た。mRNA溶液から常法に従い、
エタノール沈殿によりmRNAを回収し、20μlのD
EPC処理した蒸留水に溶解した。
【0046】(3)cDNAライブラリーからのスクリ
ーニング 〈工程1〉cDNAの合成 実施例1(2)で得られたmRNA5μl(約6μg)
にオリゴdT NotIプライマー2μl(1μg)を
加え、70℃で10分間熱した後、氷中で急冷した。こ
の熱変性mRNAに、4μlの5x 第一鎖緩衝液(2
50mM Tris−HCl pH8.3,375mM
KCl,15mM MgCl2 ),1μlの10mM
dNTP,2μlの0.1M DTT,DEPC処理
した蒸留水および5μl(1000U)のSuper
ScriptIIRTを加え、37℃で1時間反応させ
た。
ーニング 〈工程1〉cDNAの合成 実施例1(2)で得られたmRNA5μl(約6μg)
にオリゴdT NotIプライマー2μl(1μg)を
加え、70℃で10分間熱した後、氷中で急冷した。こ
の熱変性mRNAに、4μlの5x 第一鎖緩衝液(2
50mM Tris−HCl pH8.3,375mM
KCl,15mM MgCl2 ),1μlの10mM
dNTP,2μlの0.1M DTT,DEPC処理
した蒸留水および5μl(1000U)のSuper
ScriptIIRTを加え、37℃で1時間反応させ
た。
【0047】次に、この反応液に91μlのDEPC処
理した蒸留水、30μlの5x第二鎖緩衝液(100m
M Tris−HCl pH6.9,450mM KC
l,23mM MgCl2 ,0.75mM β−NAD
+,50mM(NH4 )2 SO4 ),3μlの10mM
dNTP,1μl(10U)の大腸菌 DNA リガ
ーゼ、4μl(40U)の大腸菌 DNA ポリメラー
ゼおよび1μl(2U)の大腸菌 RNase Hを加
え、16℃で2時間反応後、2μl(10U)のT4
DNA ポリメラーゼを加え16℃で5分間反応させ
た。
理した蒸留水、30μlの5x第二鎖緩衝液(100m
M Tris−HCl pH6.9,450mM KC
l,23mM MgCl2 ,0.75mM β−NAD
+,50mM(NH4 )2 SO4 ),3μlの10mM
dNTP,1μl(10U)の大腸菌 DNA リガ
ーゼ、4μl(40U)の大腸菌 DNA ポリメラー
ゼおよび1μl(2U)の大腸菌 RNase Hを加
え、16℃で2時間反応後、2μl(10U)のT4
DNA ポリメラーゼを加え16℃で5分間反応させ
た。
【0048】さらに、この溶液に10μlの0.5ME
DTAを加えて混合した後、150μlのフェノール:
クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:
1)を加え、撹拌後15,000rpm で5分間遠心し、
上清を回収した。得られた上清に、10μlの5M K
OAc,400μlのエタノールを加え撹拌し、15,
000rpm で10分間遠心した。遠心して得られた沈殿
物を500μlの70%エタノールで洗い、軽く風乾
後、25μlのDEPC処理した蒸留水に溶解した。
DTAを加えて混合した後、150μlのフェノール:
クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:
1)を加え、撹拌後15,000rpm で5分間遠心し、
上清を回収した。得られた上清に、10μlの5M K
OAc,400μlのエタノールを加え撹拌し、15,
000rpm で10分間遠心した。遠心して得られた沈殿
物を500μlの70%エタノールで洗い、軽く風乾
後、25μlのDEPC処理した蒸留水に溶解した。
【0049】〈工程2〉EcoRIアダプターの付加 前工程で得られた2本鎖cDNA25μlに10μlの
5×T4DNA 連結緩衝液(250mM Tris−
HCl pH7.6,50mM MgCl2 ,5mM
ATP,5mM DTT,25%(w/v),PEG8
000),EcoRIアダプター溶液10μl(10μ
g)および5μl(5U)のT4 DNA ligas
eを加え、16℃にて16時間反応後、50μlのフェ
ノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:
24:1)を加え、撹拌後15,000rpm で5分間遠
心し、上清を回収した。回収した上清に、5μlの5M
KOAc,125μlのエタノールを加え撹拌し、−8
0℃,20分間冷却後、15,000rpm で10分間遠
心した。遠心して得られた沈殿物を200μlの70%
エタノールで洗い、軽く風乾後、40μlのDEPC処
理した蒸留水に溶解した。
5×T4DNA 連結緩衝液(250mM Tris−
HCl pH7.6,50mM MgCl2 ,5mM
ATP,5mM DTT,25%(w/v),PEG8
000),EcoRIアダプター溶液10μl(10μ
g)および5μl(5U)のT4 DNA ligas
eを加え、16℃にて16時間反応後、50μlのフェ
ノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:
24:1)を加え、撹拌後15,000rpm で5分間遠
心し、上清を回収した。回収した上清に、5μlの5M
KOAc,125μlのエタノールを加え撹拌し、−8
0℃,20分間冷却後、15,000rpm で10分間遠
心した。遠心して得られた沈殿物を200μlの70%
エタノールで洗い、軽く風乾後、40μlのDEPC処
理した蒸留水に溶解した。
【0050】〈工程3〉λgt 10とのライゲーショ
ン サイズ分画したcDNA溶液3mlにλgt 10(Ec
oRI 切断)1μl(50ng)を加え、11μlのD
EPC処理した蒸留水、4μlの5×T4 DNA 連
結緩衝液、1μlの5×T4 DNA リガーゼを加え
室温で3時間反応させた。フェノール:クロロホルム:
イソアミルアルコール(25:24:1)抽出を行い、
5μl(5μg)のyeast tRNA,5μlの5
MKOAcおよび125μlのエタノールを加え撹拌
し、−80℃20分間冷却後、15,000rpm で10
分間遠心した。遠心して得られた沈殿物を200μlの
70%エタノールで洗い、軽く風乾後、5μlのTE
(10mM Tris−HClpH8.0,1mM E
DTA)に溶解した。
ン サイズ分画したcDNA溶液3mlにλgt 10(Ec
oRI 切断)1μl(50ng)を加え、11μlのD
EPC処理した蒸留水、4μlの5×T4 DNA 連
結緩衝液、1μlの5×T4 DNA リガーゼを加え
室温で3時間反応させた。フェノール:クロロホルム:
イソアミルアルコール(25:24:1)抽出を行い、
5μl(5μg)のyeast tRNA,5μlの5
MKOAcおよび125μlのエタノールを加え撹拌
し、−80℃20分間冷却後、15,000rpm で10
分間遠心した。遠心して得られた沈殿物を200μlの
70%エタノールで洗い、軽く風乾後、5μlのTE
(10mM Tris−HClpH8.0,1mM E
DTA)に溶解した。
【0051】〈工程4〉パッケージング 工程3で得られたライゲーション後cDNAをGiga
pack Packaging Extracts(S
tratagene)を用いてパッケージングした。す
なわち、0.1μg/μlのライゲーション後cDNA
溶液1μlにキット添付のFreeze−thaw E
xtract 10μmlを加えた後、さらに、キット添
付のSonic Extract 15μlを直ちに加
えよく撹拌した。室温で2時間放置後、500μlのフ
ァージ希釈緩衝液(100mMNaCl,10mM M
gSO4 ,50mM Tris/HCl pH7.5,
0.01% ゼラチン)を加え、さらに、20μlのク
ロロホルムを加えた。よく混和した後、室温で1500
0rpm ,5分間遠心した上清を回収し、ファージ液を得
た。常法に従い、このファージ液はクイトレーション
後、ホスト大腸菌に感染させた。
pack Packaging Extracts(S
tratagene)を用いてパッケージングした。す
なわち、0.1μg/μlのライゲーション後cDNA
溶液1μlにキット添付のFreeze−thaw E
xtract 10μmlを加えた後、さらに、キット添
付のSonic Extract 15μlを直ちに加
えよく撹拌した。室温で2時間放置後、500μlのフ
ァージ希釈緩衝液(100mMNaCl,10mM M
gSO4 ,50mM Tris/HCl pH7.5,
0.01% ゼラチン)を加え、さらに、20μlのク
ロロホルムを加えた。よく混和した後、室温で1500
0rpm ,5分間遠心した上清を回収し、ファージ液を得
た。常法に従い、このファージ液はクイトレーション
後、ホスト大腸菌に感染させた。
【0052】〈工程5〉ライブラリーのスクリーニング 実施例1(1)で得られたDNA断片をBcaBest
DNA labeling kit(Takara)
を用いてα−32P dCTPで標識し、プローブを作製
した。このプローブを用い、前工程で得られた約40万
クローンのcDNAライブラリーをスクリーニングし
た。その結果、約40万個のクローンから、挿入DNA
断片の最も良いクローンpUC18/mBSSP−3/
1−1を得た。
DNA labeling kit(Takara)
を用いてα−32P dCTPで標識し、プローブを作製
した。このプローブを用い、前工程で得られた約40万
クローンのcDNAライブラリーをスクリーニングし
た。その結果、約40万個のクローンから、挿入DNA
断片の最も良いクローンpUC18/mBSSP−3/
1−1を得た。
【0053】pUC18/mBSSP−3/1−1のc
DNAの全長は2,597塩基対で、244塩基対の
5’非翻訳領域、2283塩基対の翻訳領域、70塩基
対の3’非翻訳領域から成り、その翻訳領域はセリンプ
ロテアーゼドメイン(アミノ酸番号:517〜766)
をコードするばかりでなくクリングルドメイン(アミノ
酸番号:85〜157)ならびにスカベンジャーレセプ
ターシステインリッチドメイン(アミノ酸番号 ドメイ
ン1:166−266、ドメイン2:273−372、
ドメイン3:386〜486)を含む新規機能タンパク
質をコードしていることが明らかとなった。pUC18
/mBSSP−3/1−1のcDNAの塩基配列および
予想されるアミノ酸配列を図1〜6に示した。
DNAの全長は2,597塩基対で、244塩基対の
5’非翻訳領域、2283塩基対の翻訳領域、70塩基
対の3’非翻訳領域から成り、その翻訳領域はセリンプ
ロテアーゼドメイン(アミノ酸番号:517〜766)
をコードするばかりでなくクリングルドメイン(アミノ
酸番号:85〜157)ならびにスカベンジャーレセプ
ターシステインリッチドメイン(アミノ酸番号 ドメイ
ン1:166−266、ドメイン2:273−372、
ドメイン3:386〜486)を含む新規機能タンパク
質をコードしていることが明らかとなった。pUC18
/mBSSP−3/1−1のcDNAの塩基配列および
予想されるアミノ酸配列を図1〜6に示した。
【0054】実施例2. mBSSP−3のNorth
ern blottingによる発現部位の検討 マウス脳のtotal RNAは、トリゾル試薬(ライ
フテクノロジー)を用いて添付の文書に従って調製し
た。すなわち、マウスの大脳、脳幹、小脳および延髄を
摘出したのちポリトロンでただちにホモジナイズし、組
織容量の10倍量(約3ml)のトリゾル試薬を加えるこ
とにより組織を溶解した。さらに、クロロホルム600
μlを加えて撹拌し、15,000rpm ,4℃で15分
間遠心した。遠心後、水相を回収し、回収した水相に1
500μlのイソプロパノールを加えて撹拌し、15,
000rpm ,4℃で30分間遠心した。
ern blottingによる発現部位の検討 マウス脳のtotal RNAは、トリゾル試薬(ライ
フテクノロジー)を用いて添付の文書に従って調製し
た。すなわち、マウスの大脳、脳幹、小脳および延髄を
摘出したのちポリトロンでただちにホモジナイズし、組
織容量の10倍量(約3ml)のトリゾル試薬を加えるこ
とにより組織を溶解した。さらに、クロロホルム600
μlを加えて撹拌し、15,000rpm ,4℃で15分
間遠心した。遠心後、水相を回収し、回収した水相に1
500μlのイソプロパノールを加えて撹拌し、15,
000rpm ,4℃で30分間遠心した。
【0055】得られたマウスの脳の各部位の全RNAの
沈殿を400μlのDEPC処理した後、常法に従いメ
ンブランフィルターにブロットした。次に、pUC18
/mBSSP−3/1−1を制限酵素EcoRIで消化
し、約2.7kbp のDNA断片を単離・精製し、前述の
方法でα-32 P dCTPで標識することによりプロー
ブを作製した。このプローブを前述のマウス脳各部位か
ら調製したtotal RNAをブロットしたメンブラ
ンフィルターおよび市販の各種臓器から調製したmRN
Aをブロットしたメンブランフィルター(クロンテック
社)と55℃で一晩ハイブリダイズさせた後、それぞれ
のメンブランフィルターを0.1%SDSを含む2xS
SC(150mM NaCl,15mM Sodium
citrate)で室温、20分間、続いて、0.1
xSSC,0.1%SDSに替え65℃,30分間で2
回洗い、BAS2000用イメージングプレート(富士
写真フィルム)に30分間露光させた。その結果を図1
3に示した。各臓器の発現では、脳、肺および腎臓で発
現していることが確認された。脳の各部位では、大脳お
よび脳幹で強い発現を認め、また、延髄でも弱い発現を
認めたが、小脳での発現は認められなかった。発現は、
いずれの場合も約2.7kbp の大きさのみであった。
沈殿を400μlのDEPC処理した後、常法に従いメ
ンブランフィルターにブロットした。次に、pUC18
/mBSSP−3/1−1を制限酵素EcoRIで消化
し、約2.7kbp のDNA断片を単離・精製し、前述の
方法でα-32 P dCTPで標識することによりプロー
ブを作製した。このプローブを前述のマウス脳各部位か
ら調製したtotal RNAをブロットしたメンブラ
ンフィルターおよび市販の各種臓器から調製したmRN
Aをブロットしたメンブランフィルター(クロンテック
社)と55℃で一晩ハイブリダイズさせた後、それぞれ
のメンブランフィルターを0.1%SDSを含む2xS
SC(150mM NaCl,15mM Sodium
citrate)で室温、20分間、続いて、0.1
xSSC,0.1%SDSに替え65℃,30分間で2
回洗い、BAS2000用イメージングプレート(富士
写真フィルム)に30分間露光させた。その結果を図1
3に示した。各臓器の発現では、脳、肺および腎臓で発
現していることが確認された。脳の各部位では、大脳お
よび脳幹で強い発現を認め、また、延髄でも弱い発現を
認めたが、小脳での発現は認められなかった。発現は、
いずれの場合も約2.7kbp の大きさのみであった。
【0056】実施例3. ヒトBSSP−3 cDNA
のクローニング ヒト脳cDNAライブラリーは、クロンテック社より購
入した。マウスBSSP−3 cDNA断片をグルター
ルアルデヒドを用いて蛍光標識し、プローブを作製し
た。このプローブを用い、約40万クローンのヒト脳c
DNAライブラリーをスクリーニングした結果、pUC
18/hBSSP−3を得た。
のクローニング ヒト脳cDNAライブラリーは、クロンテック社より購
入した。マウスBSSP−3 cDNA断片をグルター
ルアルデヒドを用いて蛍光標識し、プローブを作製し
た。このプローブを用い、約40万クローンのヒト脳c
DNAライブラリーをスクリーニングした結果、pUC
18/hBSSP−3を得た。
【0057】pUC18/hBSSP−3 cDNAの
翻訳領域は、マウスBSSP−3cDNAと同様にセリ
ンプロテアーゼドメイン(アミノ酸番号:578〜82
2)をコードするばかりでなくクリングルドメイン(ア
ミノ酸番号:40〜112)ならびにスカベンジャーレ
セプターシステインリッチドメイン(アミノ酸番号ドメ
イン1:117〜217、ドメイン2:227〜32
7、ドメイン3:334〜433、ドメイン4:447
〜547)を含む機能タンパク質をコードしていること
が明らかとなった。
翻訳領域は、マウスBSSP−3cDNAと同様にセリ
ンプロテアーゼドメイン(アミノ酸番号:578〜82
2)をコードするばかりでなくクリングルドメイン(ア
ミノ酸番号:40〜112)ならびにスカベンジャーレ
セプターシステインリッチドメイン(アミノ酸番号ドメ
イン1:117〜217、ドメイン2:227〜32
7、ドメイン3:334〜433、ドメイン4:447
〜547)を含む機能タンパク質をコードしていること
が明らかとなった。
【0058】しかしながら、マウスBSSP−3 cD
NAの一次構造から予想されるものとは明らかに異な
り、スカベンジャーレセプターシステインリッチドメイ
ンがマウスBSSP−3では3つであるのに対して、ヒ
トBSSP−3は4つであることが明らかとなった。p
UC18/hBSSP−3の塩基配列および対応するア
ミノ酸配列を図7〜12に示す。
NAの一次構造から予想されるものとは明らかに異な
り、スカベンジャーレセプターシステインリッチドメイ
ンがマウスBSSP−3では3つであるのに対して、ヒ
トBSSP−3は4つであることが明らかとなった。p
UC18/hBSSP−3の塩基配列および対応するア
ミノ酸配列を図7〜12に示す。
【0059】実施例4. ヒトBSSP−3 cDNA
がコードする新規セリンプロテアーゼ成熟タンパク質の
酵素活性の測定 (1)発現プラスミドの構築 pUC18/hBSSP−3のDNA断片とpdKCR
ベクターDNA断片を常法に従いライゲーションし、大
腸菌JM109を形質転換させ、生じたコロニーをPC
R法により解析して目的とするセリンプロテアーゼhB
SSP−3発現プラスミドpdKCR/hBSSP−3
を得た。
がコードする新規セリンプロテアーゼ成熟タンパク質の
酵素活性の測定 (1)発現プラスミドの構築 pUC18/hBSSP−3のDNA断片とpdKCR
ベクターDNA断片を常法に従いライゲーションし、大
腸菌JM109を形質転換させ、生じたコロニーをPC
R法により解析して目的とするセリンプロテアーゼhB
SSP−3発現プラスミドpdKCR/hBSSP−3
を得た。
【0060】次に、トリプシンIIの開始メチオニンに続
くシグナル配列ならびにエンテロキナーゼ認識配列をコ
ードする遺伝子を増幅し、かつ5’側上流にEcoR
I,3側下流にBspMI制限酵素認識部位を付加する
ようにプライマーを設計した。これらプライマーを用
い、pCR/TrypsinIIプラスミドをテンプレー
トとしたPCRを行い、その産物を制限酵素(Eco
RIおよびBsp MI)で消化後、約75bpのDNA
断片を単離・精製した。同様に、ヒトBSSP−3の成
熟タンパク質をコードするDNAの上流にBsp MI
制限酵素認識部位を付加するようにデザインしたプライ
マーを用い、pdKCR/hBSSP−3をテンプレー
トとしたPCRを行い、その産物を制限酵素(Bsp
MIおよびBpu 1102I)で消化後、DNA断片
を単離・精製した。
くシグナル配列ならびにエンテロキナーゼ認識配列をコ
ードする遺伝子を増幅し、かつ5’側上流にEcoR
I,3側下流にBspMI制限酵素認識部位を付加する
ようにプライマーを設計した。これらプライマーを用
い、pCR/TrypsinIIプラスミドをテンプレー
トとしたPCRを行い、その産物を制限酵素(Eco
RIおよびBsp MI)で消化後、約75bpのDNA
断片を単離・精製した。同様に、ヒトBSSP−3の成
熟タンパク質をコードするDNAの上流にBsp MI
制限酵素認識部位を付加するようにデザインしたプライ
マーを用い、pdKCR/hBSSP−3をテンプレー
トとしたPCRを行い、その産物を制限酵素(Bsp
MIおよびBpu 1102I)で消化後、DNA断片
を単離・精製した。
【0061】次に、得られたトリプシンIIのシグナル配
列ならびにエンテロキナーゼ認識配列をコードするDN
A断片とヒトBSSP−3の成熟タンパク質をコードす
るDNA断片を、常法に従い、制限酵素(Bsp MI
およびBpu 1102I)で前消化したpdKCR/
hBSSP−3ベクターにライゲーションし、大腸菌J
M109を形質変換させた。形質変換したコロニーのう
ち目的とするキメラDNAを含むコロニーをPCR法に
より確認し、発現プラスミド(pdKCR/Trp−h
BSSP−3)を得た。
列ならびにエンテロキナーゼ認識配列をコードするDN
A断片とヒトBSSP−3の成熟タンパク質をコードす
るDNA断片を、常法に従い、制限酵素(Bsp MI
およびBpu 1102I)で前消化したpdKCR/
hBSSP−3ベクターにライゲーションし、大腸菌J
M109を形質変換させた。形質変換したコロニーのう
ち目的とするキメラDNAを含むコロニーをPCR法に
より確認し、発現プラスミド(pdKCR/Trp−h
BSSP−3)を得た。
【0062】(2)COS−1細胞における発現 実施例4(1)で作製したキメラ遺伝子DNAをリポフ
ェクチン(LifeTechnologies)を用い
てCOS−1細胞にトランスフェクションした。すなわ
ち、直径10cmの培養用ディシュ(Corning,4
30167)に10%ウシ胎児血清を含むダルベコの最
少必須培地(DMEM,日水製薬)でCOS−1細胞を
5×105 細胞植え込んだ。翌日、Opti−MEM培
地(Life Technologies)5mlで細胞
をリンスした後、新しい5mlのOpti−MEM培地を
加え、37℃で2時間培養した。
ェクチン(LifeTechnologies)を用い
てCOS−1細胞にトランスフェクションした。すなわ
ち、直径10cmの培養用ディシュ(Corning,4
30167)に10%ウシ胎児血清を含むダルベコの最
少必須培地(DMEM,日水製薬)でCOS−1細胞を
5×105 細胞植え込んだ。翌日、Opti−MEM培
地(Life Technologies)5mlで細胞
をリンスした後、新しい5mlのOpti−MEM培地を
加え、37℃で2時間培養した。
【0063】培養後、ディシュ1枚あたり、上述のプラ
スミド1μgおよびリポフェクチン5μgの混液を加
え、37℃で5時間培養した。培養後、Opti−ME
M培地を5ml加え、合計10mlとし、37℃で72時間
培養した。培養後、遠心操作により培養上清を集め、酵
素活性の測定サンプルとした。また、コントロールとし
て、発現プラスミドpdKCRのみをCOS−1細胞に
トランスフェクションした培養上清も調製した。
スミド1μgおよびリポフェクチン5μgの混液を加
え、37℃で5時間培養した。培養後、Opti−ME
M培地を5ml加え、合計10mlとし、37℃で72時間
培養した。培養後、遠心操作により培養上清を集め、酵
素活性の測定サンプルとした。また、コントロールとし
て、発現プラスミドpdKCRのみをCOS−1細胞に
トランスフェクションした培養上清も調製した。
【0064】(3)酵素活性の測定 実施例4(1)で得られた培養上清中の酵素活性を測定
した。すなわち、COS−1細胞の培養上清45μlに
エンテロキナーゼ(10mg/ml,Biozyme La
boratories)5μlを混和し、37℃で2時
間反応させた。次に、DMSOに溶解した合成基質Bo
c−Phe−Ser−Arg−MPA(ペプチド研究
所)を0.1M Tris/HCl,pH8.0で希釈
した0.2M基質溶液を50μl加え、4℃で16時間
反応させた。反応後、励起波長485nm、蛍光波長53
5nmにおける蛍光を測定した。その結果、Trp−hB
SSP−3を発現したCOS−1細胞の培養上清をエン
テロキナーゼ消化した時にのみ、酵素活性を認めた。以
上の結果から、ヒトBSSP−3のセリンプロテアーゼ
ドメインは、酵素活性を持つ機能タンパク質であること
が明らかとなった。
した。すなわち、COS−1細胞の培養上清45μlに
エンテロキナーゼ(10mg/ml,Biozyme La
boratories)5μlを混和し、37℃で2時
間反応させた。次に、DMSOに溶解した合成基質Bo
c−Phe−Ser−Arg−MPA(ペプチド研究
所)を0.1M Tris/HCl,pH8.0で希釈
した0.2M基質溶液を50μl加え、4℃で16時間
反応させた。反応後、励起波長485nm、蛍光波長53
5nmにおける蛍光を測定した。その結果、Trp−hB
SSP−3を発現したCOS−1細胞の培養上清をエン
テロキナーゼ消化した時にのみ、酵素活性を認めた。以
上の結果から、ヒトBSSP−3のセリンプロテアーゼ
ドメインは、酵素活性を持つ機能タンパク質であること
が明らかとなった。
【0065】
【発明の効果】本発明者らは、マウス脳cDNAライブ
ラリーから新規セリンプロテアーゼドメインばかりでな
く新規クリングルドメインならびに新規スカベンジャー
レセプターシステインリッチドメインを含む新規機能タ
ンパク質をコードするマウスBSSP−3 cDNAを
単離した。単離したマウスBSSP−3 cDNAは、
1つのクリングルドメイン、3つのスカベンジャーレセ
プターシステインリッチドメインおよび1つのセリンプ
ロテアーゼドメインをコードしていた。また、単離した
マウスBSSP−3 mRNAの発現部位の検討結果か
ら、本発明者らは、マウスBSSP−3 mRNAが脳
に強く発現していること、脳のうち特に大脳および脳幹
で強く発現していることを明らかにした。
ラリーから新規セリンプロテアーゼドメインばかりでな
く新規クリングルドメインならびに新規スカベンジャー
レセプターシステインリッチドメインを含む新規機能タ
ンパク質をコードするマウスBSSP−3 cDNAを
単離した。単離したマウスBSSP−3 cDNAは、
1つのクリングルドメイン、3つのスカベンジャーレセ
プターシステインリッチドメインおよび1つのセリンプ
ロテアーゼドメインをコードしていた。また、単離した
マウスBSSP−3 mRNAの発現部位の検討結果か
ら、本発明者らは、マウスBSSP−3 mRNAが脳
に強く発現していること、脳のうち特に大脳および脳幹
で強く発現していることを明らかにした。
【0066】次に、マウスBSSP−3 cDNAをプ
ローブにして、ヒト脳cDNAライブラリーからヒトB
SSP−3 cDNAを単離することに成功した。その
結果、本発明者らは、ヒトBSSP−3 cDNAがマ
ウスBSSP−3 cDNAの一次構造から予想される
ものとは明らかに異なり、1つのクリングルドメイン、
4つのスカベンジャーレセプターシステインリッチドメ
インおよび1つのセリンプロテアーゼドメインをコード
していることを明らかにした。
ローブにして、ヒト脳cDNAライブラリーからヒトB
SSP−3 cDNAを単離することに成功した。その
結果、本発明者らは、ヒトBSSP−3 cDNAがマ
ウスBSSP−3 cDNAの一次構造から予想される
ものとは明らかに異なり、1つのクリングルドメイン、
4つのスカベンジャーレセプターシステインリッチドメ
インおよび1つのセリンプロテアーゼドメインをコード
していることを明らかにした。
【0067】さらに本発明者らは、ヒトBSSP−3
cDNAのうちセリンプロテアーゼ成熟タンパク質をコ
ードするDNAをCOS−1細胞で発現したところ、明
らかに酵素活性を持つ機能タンパク質であることを明ら
かにした。本発明における新規機能タンパク質は、一次
構造上複合的な機能を有することが明らかであるばかり
でなく、その複合的な機能を通して脳内の生理機能に一
定の役割を果たしている。したがって、本発明のマウス
BSSP−3 cDNAおよびマウスBSSP−3 c
DNAがコードしている新規機能タンパク質は、各種マ
ウス疾患モデルの病態解析に有用な手段を提供するもの
である。
cDNAのうちセリンプロテアーゼ成熟タンパク質をコ
ードするDNAをCOS−1細胞で発現したところ、明
らかに酵素活性を持つ機能タンパク質であることを明ら
かにした。本発明における新規機能タンパク質は、一次
構造上複合的な機能を有することが明らかであるばかり
でなく、その複合的な機能を通して脳内の生理機能に一
定の役割を果たしている。したがって、本発明のマウス
BSSP−3 cDNAおよびマウスBSSP−3 c
DNAがコードしている新規機能タンパク質は、各種マ
ウス疾患モデルの病態解析に有用な手段を提供するもの
である。
【0068】また、病態解析を通じて得られた疾患治療
のための有用な情報を基に、本発明のヒトBSSP−3
cDNAおよびヒトBSSP−3 cDNAがコード
している新規機能タンパク質は、各種疾患治療剤をスク
リーニングする手法を提供するものであり、さらに実際
のヒト疾患治療薬の開発に適用することも可能である。
その治療法としては、遺伝子組換え体投与による補充治
療ならびにセンス又はアンチセンス法による遺伝子発現
促進又は抑制治療が挙げられる。
のための有用な情報を基に、本発明のヒトBSSP−3
cDNAおよびヒトBSSP−3 cDNAがコード
している新規機能タンパク質は、各種疾患治療剤をスク
リーニングする手法を提供するものであり、さらに実際
のヒト疾患治療薬の開発に適用することも可能である。
その治療法としては、遺伝子組換え体投与による補充治
療ならびにセンス又はアンチセンス法による遺伝子発現
促進又は抑制治療が挙げられる。
【0069】さらに、新規機能タンパク質の各ドメイン
構造のそれぞれは、単独で機能することもまた可能であ
る。したがって、各ドメイン構造を個別に発現させた
後、各ドメイン構造と相互作用を示す分子を特定するこ
とができる。また、特定した分子群の疾患への関与を調
べることにより、遺伝子組換え体投与による補充治療な
らびにセンス又はアンチセンス法による遺伝子発現促進
又は抑制治療も可能である。
構造のそれぞれは、単独で機能することもまた可能であ
る。したがって、各ドメイン構造を個別に発現させた
後、各ドメイン構造と相互作用を示す分子を特定するこ
とができる。また、特定した分子群の疾患への関与を調
べることにより、遺伝子組換え体投与による補充治療な
らびにセンス又はアンチセンス法による遺伝子発現促進
又は抑制治療も可能である。
【0070】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Synthetic DNA 配列 GTGCTCACNG CNGCBCAYTG
【0071】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Synthetic DNA 配列 AGCGGNCCNC CDGARTCVCC
【図1】図1はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図2】図2はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図3】図3はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図4】図4はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図5】図5はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図6】図6はマウス・セリンプロテアーゼをコードす
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
るcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するア
ミノ酸配列を示す。
【図7】図7はヒト・セリンプロテアーゼをコードする
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
【図8】図8はヒト・セリンプロテアーゼをコードする
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
【図9】図9はヒト・セリンプロテアーゼをコードする
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
cDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応するアミ
ノ酸配列を示す。
【図10】図10はヒト・セリンプロテアーゼをコード
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
【図11】図11はヒト・セリンプロテアーゼをコード
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
【図12】図12はヒト・セリンプロテアーゼをコード
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
するcDNAの塩基配列の一部分、及びそれに対応する
アミノ酸配列を示す。
【図13】図13は、マウスの各臓器におけるセリンプ
ロテアーゼ遺伝子の転写を示すNothern blottingの結果
を示す電気泳動図であり、図面代用写真である。
ロテアーゼ遺伝子の転写を示すNothern blottingの結果
を示す電気泳動図であり、図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12Q 1/68 A G01N 33/566 G01N 33/566 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/64 C12R 1:19)
Claims (11)
- 【請求項1】 図7〜12に示すセリンプロテアーゼと
同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失もしくは置換
したアミノ酸配列、あるいは該同一のアミノ酸配列また
はその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸配列に1乃
至複数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を含んで
なるセリンプロテアーゼまたはその部分ペプチド。 - 【請求項2】 図7〜12に示すアミノ酸番号578か
ら822までのアミノ酸配列からなるセリンプロテアー
ゼドメインと同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失
もしくは置換したアミノ酸配列、あるいは該同一のアミ
ノ酸配列またはその一部が欠失もしくは置換したアミノ
酸配列に1乃至複数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸
配列を含んでなるセリンプロテアーゼドメインまたはそ
の部分ペプチド。 - 【請求項3】 図7〜12に示すアミノ酸番号40から
112までのアミノ酸配列からなるクリングルドメイン
と同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失もしくは置
換したアミノ酸配列、あるいは該同一のアミノ酸配列ま
たはその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸配列に1
乃至複数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を含ん
でなるクリングルドメインまたはその部分ペプチド。 - 【請求項4】 図7〜12に示すアミノ酸番号117か
ら217まで、番号227から327まで、番号334
から433までまたは番号447から547までのアミ
ノ酸配列からなるスカベンジャーレセプターシステイン
リッチ(SRCR)ドメインと同一のアミノ酸配列また
はその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸配列、ある
いは該同一のアミノ酸配列またはその一部が欠失もしく
は置換したアミノ酸配列に1乃至複数個のアミノ酸が付
加されたアミノ酸配列を含んでなるSRCRドメインま
たはその部分ペプチド。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
セリンプロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部分ペプ
チドをコードするDNA。 - 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
セリンプロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部分ペプ
チドをコードするDNAとストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズし、かつ、セリンプロテアーゼ、ドメイ
ンまたはそれらの部分ペプチド活性を有するペプチドを
コードするDNA。 - 【請求項7】 請求項5または6に記載のDNAを含ん
でなる発現ベクター。 - 【請求項8】 請求項7に記載の発現ベクターにより形
質転換された宿主。 - 【請求項9】 請求項8に記載の宿主を培養または飼育
し、セリンプロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部分
ペプチドを採取することを特徴とするセリンプロテアー
ゼ、ドメインまたはそれらの部分ペプチドの製造法。 - 【請求項10】 請求項1から4のいずれか1項に記載
のセリンプロテアーゼ、ドメインまたはそれらの部分ペ
プチドを抗原とする抗体。 - 【請求項11】 請求項1から4のいずれか1項に記載
のセリンプロテアーゼ、ドメインもしくはそれらの部分
ペプチドまたは請求項5または6に記載のDNAを用い
る生理活性物質のスクリーニング方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9213969A JPH1132778A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 新規セリンプロテアーゼ |
EP98933934A EP0949334A4 (en) | 1997-07-24 | 1998-07-24 | NEW SERINE PROTEASE |
PCT/JP1998/003324 WO1999005290A1 (en) | 1997-07-24 | 1998-07-24 | Novel serine protease |
US09/147,947 US20020160490A1 (en) | 1997-07-24 | 1998-07-24 | Novel serine protease |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9213969A JPH1132778A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 新規セリンプロテアーゼ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1132778A true JPH1132778A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16648070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9213969A Pending JPH1132778A (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 新規セリンプロテアーゼ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20020160490A1 (ja) |
EP (1) | EP0949334A4 (ja) |
JP (1) | JPH1132778A (ja) |
WO (1) | WO1999005290A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2692596A1 (fr) * | 1992-06-22 | 1993-12-24 | Lorraine Laminage | Tôle revêtue et procédé de fabrication de cette tôle. |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH692507A5 (de) * | 1997-04-26 | 2002-07-15 | Peter Prof Dr Sonderegger | Neurotrypsin als aktive Verbindung in einem Medikament. |
CA2350080C (en) * | 1998-11-20 | 2010-04-13 | Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. | Novel serine protease bssp2 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9000629D0 (en) * | 1990-01-11 | 1990-03-14 | Porton Prod Ltd | Tissue plasminogen activator |
CH692507A5 (de) * | 1997-04-26 | 2002-07-15 | Peter Prof Dr Sonderegger | Neurotrypsin als aktive Verbindung in einem Medikament. |
-
1997
- 1997-07-24 JP JP9213969A patent/JPH1132778A/ja active Pending
-
1998
- 1998-07-24 WO PCT/JP1998/003324 patent/WO1999005290A1/ja not_active Application Discontinuation
- 1998-07-24 EP EP98933934A patent/EP0949334A4/en not_active Withdrawn
- 1998-07-24 US US09/147,947 patent/US20020160490A1/en not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2692596A1 (fr) * | 1992-06-22 | 1993-12-24 | Lorraine Laminage | Tôle revêtue et procédé de fabrication de cette tôle. |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0949334A1 (en) | 1999-10-13 |
EP0949334A4 (en) | 2002-11-13 |
US20020160490A1 (en) | 2002-10-31 |
WO1999005290A1 (en) | 1999-02-04 |
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