JPH11326672A - 光ファイバ型光部品 - Google Patents

光ファイバ型光部品

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JPH11326672A
JPH11326672A JP10146629A JP14662998A JPH11326672A JP H11326672 A JPH11326672 A JP H11326672A JP 10146629 A JP10146629 A JP 10146629A JP 14662998 A JP14662998 A JP 14662998A JP H11326672 A JPH11326672 A JP H11326672A
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JP
Japan
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optical fiber
refractive index
core
light
cladding
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JP10146629A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Tsuda
寿昭 津田
Ikuo Ota
育生 大田
Yasuhiro Ibusuki
康弘 指宿
Shigeto Yodo
重人 淀
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッドモード結合ロスを抑制した高アイソ
レーションの光ファイバ型光部品を提供する。 【解決手段】 コア2の周りをクラッド5で覆って形成
され、屈折率分布形状がα乗プロファイルと成している
単峰型の光ファイバ1に、コア2の屈折率が光ファイバ
光軸Zに対して周期的に変化するファイバグレーティン
グの形成部6を設け、前記αを0.5とする。光ファイ
バ1のコア2とクラッド5との境界部における屈折率分
布変化と伝搬モード変化との差を小さくしてクラッドモ
ード結合ロスを抑制し、ファイバグレーティングの形成
部6による光透過阻止波長帯を約1640nm〜約16
60nmと成した時に波長約1520nm帯に生じる光
透過損失を抑制し、光ファイバ1の使用波長帯(約15
50nm帯)における光透過損失を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば波長多重伝
送される光から光透過阻止波長帯以外の波長の光を選択
的に透過させるフィルタ等として用いられる光ファイバ
型光部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の発展により、通信情報量が
飛躍的に増大する傾向にあり、光ファイバ通信における
高速大容量化は、必要かつ、不可欠の課題となってお
り、近年、この高速大容量化へのアプローチとして、異
なる複数の波長の信号光を1本の光ファイバで伝送する
波長多重伝送方式の検討が行なわれている。
【0003】この波長多重伝送方式の光通信システムに
おいて、例えば波長多重伝送される光から予め定められ
た波長帯の光を選択的に反射させることにより、この反
射光をシステム監視用の光として用いることが検討され
ており、前記波長帯の光を選択的に反射させ、この波長
帯以外の波長の光を選択的に透過させるフィルタとし
て、シングルモード光ファイバにファイバグレーティン
グの形成部を設けた光ファイバ型光部品が注目されてい
る。なお、このような光ファイバ型光部品は、前記光フ
ァイバ通信における高速大容量化実現のための分散補償
技術の一手段としても注目されている。
【0004】前記シングルモード光ファイバは、コアの
周りをクラッドで覆って形成される光ファイバであっ
て、例えば図6の特性線aに示すように、光ファイバ径
方向に対する屈折率分布(横断面上の屈折率分布)がス
テップインデックス型を有している。すなわち、コアの
屈折率が光ファイバ径方向で一定であり、クラッドの屈
折率も前記光ファイバ径方向で一定であり、コアの純石
英に対する比屈折率差Δ1が、クラッドの純石英に対す
る比屈折率差Δ3よりも大きく形成され、コアとクラッ
ドとの境界部において屈折率が大きく(急激に)変化する
屈折率分布を有している。
【0005】なお、本明細書では、純石英(シリカ;S
iO2)の屈折率をnO 、クラッドの屈折率をnL 、コア
の屈折率をnc としたとき、コアの純石英との比屈折率
差Δ1、すなわち、純石英に対するコアの比屈折率差Δ
1は、次の(1)式により定義している。
【0006】 Δ1={(nC 2−n0 2)/2nC 2}×100 ・・・・・(1)
【0007】また、クラッドの純石英との比屈折率差Δ
3は、次式(2)により定義している。
【0008】 Δ3={(nL 2−n0 2)/2nL 2}×100 ・・・・・(2)
【0009】そして、図6には、Δ1が0.3%、Δ3
が0のシングルモード光ファイバ(クラッドが純石英に
より形成されており、nL=n0である)の屈折率分布
が、純石英に対する比屈折率差Δの値により示されてい
る。
【0010】また、前記ファイバグレーティングは、例
えばゲルマニウム(Ge)ドープ石英(SiO2)ガラスに
強い紫外光を照射することによって、ゲルマニウムの屈
折率を高め、それにより、光ファイバのコア内に周期的
な屈折率変化を起こさせ、回折格子を形成したものであ
り、ファイバグレーティングなどのグレーティング形成
方法としては、例えば、フェイズマスク法やボログラフ
ィック法が知られている。
【0011】前記フェイズマスク法は、フェイズマスク
の上から紫外光を照射し、回折光を光ファイバなどの光
導波路に照射してグレーティングを形成する方法であ
り、例えば、文献Appl.Phys.Lett.,6
2,1035.1933等に示されている。前記ボログ
ラフィック法は、コヒーレントな2つの紫外光を干渉さ
せて生じた干渉光を光ファイバなどの光導波路に照射し
てグレーティングを形成する方法である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記波長多
重伝送システムにおいて、例えば波長約1550nm帯
の光を信号光として使用し、波長約1650nm帯の光
を前記監視光として用いることが検討されている。
【0013】それというのは、光通信における高速大容
量化の実現の手段として、システムにおける波長多重化
と平行し、エルビウム添加ファイバを用いることにより
光信号を光のまま増幅できる光ファイバアンプタイプの
光増幅器の開発が盛んに行なわれ、エルビウム添加ファ
イバの利得領域が波長約1550nmであることから、
波長多重伝送システムにおいて、波長約1550nm帯
の信号光を信号光として利用し、この信号光波長以外の
波長であってシングルモード光ファイバのカットオフ波
長(約1700nm)以内の波長の光を監視光と用いる
ようにしているからである。なお、波長約1700nm
を越えると、伝搬光にロスが生じるため、監視光として
は使用できない。
【0014】しかしながら、前記のような、シングルモ
ード光ファイバにファイバグレーティングの形成部を設
けた光ファイバ型光部品において、波長約1650nm
の光を選択的に反射させる場合、例えば、図7の(a)
に示すように、波長約1520nm帯において、透過損
失が大きい領域が存在する。
【0015】なお、このような透過損失が大きい領域
は、前記ファイバグレーティングによる光の反射領域
(光透過阻止波長帯)に応じて生じるものであり、クラ
ッドモード結合ロスに起因すると考えられている。クラ
ッドモード結合ロスは、光ファイバのファイバグレーテ
ィング形成部において、光がコアに閉じこもって伝搬し
ようとする伝搬モードと、ファイバグレーティングによ
って反射した光がクラッド側に染み出して伝搬する反射
モードとが結合することにより生じるロスである。
【0016】そのため、光透過阻止波長帯が約1650
nm帯のファイバグレーティングの形成部を有する光フ
ァイバ型光部品を、前記波長多重伝送システムにおける
監視光反射用(監視光除去用)のフィルタとして用いる
と、前記監視光を反射できるものの、波長約1550n
m帯の信号光の強度レベルも低下してしまうといった問
題が生じた。
【0017】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、ファイバグレーテ
ィングの形成部を有する光ファイバにおいて生じるクラ
ッドモード結合ロスを抑制することが可能で、例えば波
長約1650nm帯の光を確実に反射できると共に、波
長約1520nm帯における光透過損失を抑制すること
ができる高アイソレーションの光ファイバ型光部品を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、本第1の発明は、コア
の周りをクラッドで覆って形成され、屈折率分布形状が
α乗プロファイルと成している単峰型の光ファイバに、
前記コアの屈折率が光ファイバ光軸方向に周期的に変化
するファイバグレーティングの形成部を設けた構成を持
って課題を解決する手段としている。
【0019】また、本第2の発明は、上記本第1の発明
の構成に加え、前記αを1.5以下とした構成を持って
課題を解決する手段としている。
【0020】さらに、本第3の発明は、上記本第1また
は第2の発明の構成に加え、前記クラッドの屈折率を純
石英の屈折率とほぼ同じ値とし、コアの純石英に対する
比屈折率差Δは0.5%を越える値とした構成を持って
課題を解決する手段としている。
【0021】さらに、本第4の発明は、上記本第1また
は第2または第3の発明の構成に加え、前記ファイバグ
レーティングの形成部はフェイズマスクをかけて1回目
の紫外光照射を施した後、前記フェイズマスクを除いて
2回目の紫外光照射を施して形成した構成を持って課題
を解決する手段としている。
【0022】さらに、本第5の発明は、上記本第1乃至
第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記ファイバ
グレーティングの形成部による光透過阻止波長帯が約1
640nm〜約1660nmと成し、光ファイバの使用
波長帯が約1550nm帯である構成を持って課題を解
決する手段としている。
【0023】シングルモード光ファイバの屈折率分布
は、例えば図6の特性線aに示したように、コアとクラ
ッドとの境界部で屈折率が急激に変化しており、一方、
光ファイバの伝搬モードは、同図の鎖線bに示すよう
に、光ファイバの径方向に対して緩やかに変化してお
り、このコアとクラッドとの境界部における急激な屈折
率変化と緩やかな伝搬モード変化との差によって、前記
クラッドモード結合ロスが大きくなり、それにより、波
長約1520nm帯に透過損失が大きい領域が生じてい
るものと本発明者は推定している。
【0024】そこで、本発明者は、クラッドモード結合
ロスを抑制するために、コアとクラッドとの境界部にお
ける光ファイバ径方向の屈折率変化と伝搬モード変化と
の差を小さくすることを考え、光ファイバの屈折率分布
形状に着目し、屈折率分布形状がα乗プロファイルと成
している(屈折率形状が、コアの中心部を中心としたy
=−xαの曲線形状を呈している)単峰型の光ファイバ
にファイバグレーティングの形成部を設け、ファイバグ
レーティングの形成部による光透過阻止波長帯を約16
40nm〜約1660nmとして、この光ファイバにお
ける透過損失の波長依存性を検討した。
【0025】その結果、単峰型光ファイバにファイバグ
レーティングの形成部を設けた光ファイバ型光部品は、
シングルモード光ファイバにファイバグレーティングの
形成部を設けた光ファイバ型光ファイバに比べ、波長約
1520nm帯の透過損失を抑制できることが確認さ
れ、特に、前記αが1.5以下の光ファイバにおいて
は、その抑制効果が大きく、その効果を非常に再現性よ
く発揮できることが確認された。
【0026】このように、単峰型の光ファイバにおい
て、前記クラッドモード結合ロスを抑制可能となるの
は、単峰型の光ファイバは、シングルモード光ファイバ
と異なり、屈折率分布形状がコアとクラッドとの境界部
において急激に変化しているものではなく、屈折率分布
が光ファイバの径方向に対して緩やかであり、屈折率の
光ファイバ径方向に対する分布と光の伝搬モードの光フ
ァイバ径方向に対する変化との差が大きくないためであ
ると考えられる。
【0027】上記構成の本発明においては、上記の如
く、屈折率分布形状がα乗プロファイルと成している単
峰型の光ファイバとし、この単峰型光ファイバにファイ
バグレーティングの形成部を設けたものであるから、前
記クラッドモード結合ロスを抑制することが可能とな
り、例えば、ファイバグレーティングの形成部による光
透過阻止波長帯を約1640nm〜約1660nmとし
たときに、波長約1520nm帯に大きい透過損失領域
が生じることが抑制され、使用波長約1550nm帯で
の波長多重伝送を行なったときに信号光の強度レベルが
低下することはなく、上記課題が解決される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1の(a)には、本発明に係る光
ファイバ型光部品の一実施形態例の屈折率分布が示され
ており、同図の(b)には、この光ファイバ型光部品の
斜視構成が模式的に示されている。
【0029】これらの図に示されるように、本実施形態
例の光ファイバ型光部品は、コア2の周りをクラッド5
で覆って形成され、屈折率分布形状がα乗プロファイル
と成している単峰型の光ファイバ1に、コア2の屈折率
が光ファイバ光軸Zに対して周期的に変化するファイバ
グレーティングの形成部6を設けたものである。また、
本実施形態例では、前記αを1.5以下の値である0.
5としている。
【0030】また、本実施形態例において、クラッド5
は純石英(SiO2)により形成されており、コア2
は、屈折率を高めるゲルマニウムをドープした石英によ
り形成されている。コア2の純石英に対する比屈折率差
Δ1は、約0.5%を越える値(望ましくは1%以上)
であり、比屈折率差Δ1の上限は、製造上可能な最高値
(現状では例えば2.8%であるが、技術の進歩により
さらに大きくなる可能性がある)と成している。
【0031】さらに、本実施形態例では、ファイバグレ
ーティングの形成部6による光透過阻止波長帯を約16
40nm〜約1660nmと成し、光ファイバの使用波
長帯を約1550nm帯としており、ファイバグレーテ
ィングの形成部6は、フェイズマスクをかけて1回目の
紫外光照射を施した後、前記フェイズマスクを除いて2
回目の紫外光照射を施して形成されている。
【0032】本実施形態例の光ファイバ型光部品の製造
方法は、具体的には以下のような方法である。例えば、
まず、光ファイバ1の被覆を除去して裸光ファイバを予
め定められた長さ露出させ、露出した裸光ファイバの部
分に、光誘起特性の向上を目的とした加圧水素処理を行
なう。次に、図4に示すように、フェイズマスク13を
通して紫外光のレーザ光Lを照射することにより、1回
目の紫外光照射を施してコア2内のゲルマニウムの屈折
率を高め、次に、フェイズマスク13を外して、前記レ
ーザ光を照射して2回目の紫外光照射を施して、さらに
コア2内のゲルマニウムの屈折率を高め、ファイバグレ
ーティングを形成し、光ファイバ型光部品とする。
【0033】なお、レーザ光は、例えば、波長248n
m、出力350mWのエキシマレーザ等を用いて数分〜
数十分照射する。また、フェイズマスク13は、例え
ば、マスクピッチ1138μm、0次の回折光透過率1
%、1次の回折光透過率40%のものを用いると、ファ
イバグレーティングが非常に的確に形成される。
【0034】ところで、従来のようなシングルモード光
ファイバにファイバグレーティングの形成部を設けて光
透過阻止波長帯約1640nm〜約1660nmの光フ
ァイバ型光部品を形成した場合、前記の如く、コア2と
クラッド5との境界部で急激に変化する屈折率と、光フ
ァイバの径方向に対して緩やかに変化する伝搬モード変
化との差によって、前記クラッドモード結合ロスが大き
くなり、それにより、波長約1520nm帯に透過損失
が大きい領域が生じているものと本発明者は推定してお
り、クラッドモード結合ロスを低減させるために、コア
2とクラッド5との境界部における屈折率変化と伝搬モ
ード変化との差を小さくすることを考え、屈折率分布形
状がα乗プロファイルと成している単峰型の光ファイバ
1にファイバグレーティングの形成部6を設けて、本実
施形態例の光ファイバ型光部品形成した。
【0035】そして、本実施形態例の構成を特定するた
めに、単峰型光ファイバ1における前記αの値をパラメ
ータとしてαの異なる様々な単峰型光ファイバ1を形成
し、ファイバグレーティングの形成部6による光透過阻
止波長帯を約1640nm〜約1660nmとして、こ
の光ファイバにおける透過損失の波長依存性を検討し
た。その結果、単峰型光ファイバ1にファイバグレーテ
ィングの形成部6を設けた光ファイバ型光部品は、αの
値によらず、シングルモード光ファイバにファイバグレ
ーティングの形成部を設けた光ファイバ型光ファイバに
比べてクラッドモード結合ロスを抑制でき、波長約15
20nm帯の透過損失を抑制できることが確認され、特
に、前記αが1.5以下の単峰型光ファイバ1において
は、その抑制効果が大きく、その効果を非常に再現性よ
く発揮できることが確認された。
【0036】このように、単峰型の光ファイバ1におい
て、前記クラッドモード結合ロスを抑制可能となるの
は、単峰型の光ファイバ1は、シングルモード光ファイ
バと異なり、屈折率分布形状がコアとクラッドとの境界
部において急激に変化しているものではなく、屈折率分
布が光ファイバの径方向に対して緩やかであり、屈折率
の光ファイバ径方向に対する分布と光の伝搬モードの光
ファイバ径方向に対する変化との差が大きくないためで
あると考えられ、特に前記αが小さい単峰型光ファイバ
1においては、その差が小さくなることから、前記クラ
ッドモード結合ロスを非常に再現性よく抑制することが
できると考えられる。そこで、α=0.5として本実施
形態例の光ファイバ型光部品の構成を決定した。
【0037】また、コア2の純石英に対する比屈折率差
Δ1の値をパラメータとし、Δ1の異なる様々な単峰型
光ファイバ1を形成し、ファイバグレーティングの形成
部6による光透過阻止波長帯を約1640nm〜約16
60nmとして、この光ファイバ1における波長約15
50nmの透過損失を測定することにより、前記クラッ
ドモード結合ロスの抑制効果を検討した。
【0038】その結果が図3に示されており、同図から
明らかなように、比屈折率差Δ1が0.5%を越える値
のときに透過損失が小さくなり、さらに、比屈折率差Δ
1が約0.8%以上となるとより一層透過損失が小さく
なり、さらに、比屈折率差Δ1が約1.2%以上となる
とより一層透過損失が小さくなり、クラッドモード結合
ロスを著しく低減できることが分かった。そこで、本実
施形態例では、コア2の純石英に対する比屈折率差Δ1
を、0.5%を越える値(望ましくは1%以上)とし
た。
【0039】なお、紫外光照射によってファイバグレー
ティングを形成し、ファイバグレーティングの形成部6
による光透過阻止波長帯の光透過損失を、例えば40d
Bといった予め定められた値にするのに要する時間は、
比屈折率差Δ1が小さい単峰型光ファイバ1に比べて比
屈折率差Δ1が大きい単峰型光ファイバ1の方が短い。
この時間とクラッドモード結合ロスの抑制効果の大きさ
とは比例関係があることから、本発明者は、比屈折率差
Δ1が大きい単峰型光ファイバ1ほどクラッドモード結
合ロスを効果的に抑制し、例えば、光透過阻止波長約1
640nm〜約1660nmとしたときに、波長152
0nmの光透過損失を非常によく抑制することができる
と推定している。
【0040】本実施形態例によれば、以上のような検討
結果に基づき、α=0.5のα乗プロファイルを有する
単峰型の光ファイバ1にファイバグレーティングの形成
部6を設けて形成し、コア2の純石英に対する比屈折率
差Δ1(コア2のクラッド5に対する比屈折率差)を、
0.5%を越える値としたために、クラッドモード結合
ロスによる光透過損失を非常によく抑制することが可能
となり、光透過阻止波長約1640nm〜約1660n
mに応じて生じる、波長約1520nm帯の光透過損失
を殆どなくすことができる。
【0041】また、本実施形態例では、ファイバグレー
ティングの形成部6は、フェイズマスク13をかけて1
回目の紫外光照射を施した後、フェイズマスク13を除
いて2回目の紫外光照射を施して形成しており、このよ
うに、フェイズマスク13を設けて行なう1回目の紫外
光照射とフェイズマスク13を除いて行なう2回目の紫
外光照射を行なってファイバグレーティングを形成する
ことにより、本発明者が特願平09―301934号に
以前に提案しているグレーティング型光部品の製造方法
(未だ公開にはなっていない)と同様に、より一層クラ
ッドモード結合ロスを抑制することができる。
【0042】図2の(a)には、本実施形態例の光ファ
イバ型光部品における光透過損失の波長依存性が、波長
1450nm〜波長1700nmの範囲について示され
ており、同図の(b)には、前記波長依存性が、波長1
630nm〜波長1670nmの範囲について示されて
いる。また、比較のために、図7の(a)には、従来の
シングルモード光ファイバを用いた光ファイバ型光部品
おける光透過損失の波長依存性が、波長1450nm〜
波長1700nmの範囲について示されており、同図の
(b)には、前記波長依存性が、波長1630nm〜波
長1670nmの範囲について示されている。
【0043】これらの図から明らかなように、従来の光
ファイバ型光部品において問題であった波長約1520
nm帯における光透過損失の大きい領域が、本実施形態
例においては殆どなく、本実施形態例では、前記クラッ
ドモード結合ロスに起因する光透過損失を殆ど抑制でき
ることが確認できた。また、波長約1640nm〜波長
約1660nmにおける光透過損失は、本実施形態例の
光ファイバ型光部品のほうが従来の光ファイバ型光部品
よりも大きく、したがって、本実施形態例の光ファイバ
型光部品は、この波長帯の光を従来の光ファイバ型光部
品よりも確実に透過阻止することができることが確認さ
れ、非常に高アイソレーションの光部品であることが確
認された。
【0044】そして、本実施形態例によれば、ファイバ
グレーティングの形成部6による光透過阻止波長帯を約
1640nm〜約1660nmとし、波長約1520n
m帯にクラッドモード結合ロスによる透過損失領域が生
じることを抑制できるために、使用波長約1550nm
帯での波長多重伝送を行なったときに信号光の強度レベ
ルを低下させることなく、前記光透過阻止波長帯の光を
反射することができる。そのため、例えばエルビウム添
加ファイバを用いた使用波長約1550nm帯の波長多
重伝送システムに本実施形態例を適用することにより、
信号光の強度レベルを低減させることなく、監視光を確
実に反射することが可能となり、非常に優れた波長多重
伝送システムの構築を図ることができる。
【0045】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記実施形態例では、単峰型光ファイバ1のαの値を0.
5としたが、αの値は特に限定されるものではなく適宜
設定されるものであり、光ファイバ1は、例えば図5に
示すような、α>1.5とした屈折率分布でもよい。た
だし、αを1.5以下とすることにより、クラッドモー
ド結合ロス抑制効果をより一層確実に発揮することがで
きるため、αは1.5以下とすることが好ましい。
【0046】また、上記実施形態例では、コア2の純石
英に対する比屈折率差Δ1は、0.5%を越える値とし
たが、比屈折率差Δ1の値は特に限定されるものではな
く、適宜設定されるものである。ただし、比屈折率差Δ
1を、0.5%を越える値とすることにより、クラッド
モード結合ロス抑制効果を非常によく発揮することが可
能となり、比屈折率差Δを大きくすることにより、クラ
ッドモード結合ロス抑制効果をより一層よく発揮するこ
とができる。
【0047】さらに、上記実施形態例では、ファイバグ
レーティングの形成部6は、フェイズマスク13をかけ
て1回目の紫外光照射を施した後、フェイズマスク13
を除いて2回目の紫外光照射を施して形成したが、ファ
イバグレーティングの形成部6は、このような2回の紫
外光照射により形成するとは限らず。従来のフェイズマ
スク法のように、1回の紫外光照射により形成してもよ
いし、フェイズマスク法の代わりに、ホログラフィック
法により形成してもよい。
【0048】さらに、上記実施形態例では、ファイバグ
レーティングの形成部6による光透過阻止波長帯を約1
640nm〜約1660nmと成し、光ファイバの使用
波長帯を約1550nm帯としたが、ファイバグレーテ
ィングの形成部6による光透過阻止波長帯や光ファイバ
の使用波長帯は特に限定されるものではなく、適宜設定
されるものである。
【0049】さらに、上記実施形態例では、コア2を、
ゲルマニウムをドープした石英により形成し、クラッド
5を純石英により形成したが、コア2やクラッド5を形
成する材質は特に限定されるものではなく、適宜設定さ
れるものであり、例えば、コア2を、リン(P)やボロ
ン(B)やアルミニウム(Al)等の屈折率を高めるド
ーパントをドープした石英により形成してもよい。な
お、この場合、屈折率を高めるドーパントの屈折率を紫
外光照射などによってさらに高めることによりファイバ
グレーティングが形成される。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、屈折率分布形状がα乗
プロファイルと成している単峰型の光ファイバにファイ
バグレーティングの形成部を設けたものであるから、コ
アとクラッドとの境界部における屈折率変化と伝搬モー
ド変化との差を小さくすることが可能となり、それによ
り、クラッドモード結合ロスを抑制することができる。
特に、本発明において、前記αを1.5以下としたもの
にあっては、その抑制効果が大きく、その効果を非常に
再現性よく発揮できる。
【0051】さらに、クラッドの屈折率を純石英の屈折
率とほぼ同じ値とし、コアの純石英に対する比屈折率差
Δは0.5%を越える値とした本発明によれば、ファイ
バグレーティングによる光透過阻止波長領域が予め定め
られた光透過阻止機能を有するものとなるようにする時
間が短くてすむし、クラッドモード結合ロスは、この時
間と比例関係にあることから、クラッドモード結合ロス
をより一層効果的に抑制することができる。
【0052】さらに、前記ファイバグレーティングの形
成部はフェイズマスクをかけて1回目の紫外光照射を施
した後、前記フェイズマスクを除いて2回目の紫外光照
射を施して形成した構成のものにあっては、前記クラッ
ドモード結合ロスをより一層確実に抑制することができ
る。
【0053】さらに、前記ファイバグレーティングの形
成部による光透過阻止波長帯を約1640nm〜約16
60nmと成し、光ファイバの使用波長帯を約1550
nm帯とした本発明によれば、シングルモード光ファイ
バにファイバグレーティングの形成部を設けた従来の光
ファイバ型光部品と異なり、波長約1520nm帯に大
きい透過損失領域が生じることを抑制できるために、使
用波長約1550nm帯での波長多重伝送を行なったと
きに信号光の強度レベルが低下することはなく、信号光
強度レベルを高く保持することが可能で、かつ、例え
ば、光透過阻止波長帯の光を監視光として用いることに
よって、監視光を確実に透過阻止できるようになり、優
れた波長多重伝送システムの構築を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ型光部品の一実施形態
例の構成を、屈折率分布と、斜視構成の模式図により示
す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例の光透過損失の波長依存性を示
すグラフである。
【図3】単峰型光ファイバにおいて、コアの純石英に対
する比屈折率差Δ1と光透過損失との関係を示すグラフ
である。
【図4】上記実施形態例のファイバグレーティング形成
部形成方法を断面図により示す説明図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ型光部品の他の実施形
態例における光ファイバ屈折率分布を示すグラフであ
る。
【図6】シングルモード光ファイバの屈折率分布と伝搬
モード分布の一例を光ファイバの径方向に対して示すグ
ラフである。
【図7】シングルモード光ファイバにファイバグレーテ
ィングの形成部を設けて形成した従来の光ファイバ型光
部品における光透過損失の波長依存性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 コア 5 クラッド 6 ファイバグレーティングの形成部 13 フェイズマスク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】さらに、上記実施形態例では、コア2を、
ゲルマニウムをドープした石英により形成し、クラッド
5を純石英により形成したが、コア2やクラッド5を形
成する材質は特に限定されるものではなく、適宜設定さ
れるものであり、例えば、コア2を、リン(P)やア
ミニウム(Al)等の屈折率を高めるドーパントをドー
プした石英により形成してもよい。なお、この場合、屈
折率を高めるドーパントの屈折率を紫外光照射などによ
ってさらに高めることによりファイバグレーティングが
形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 淀 重人 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアの周りをクラッドで覆って形成さ
    れ、屈折率分布形状がα乗プロファイルと成している単
    峰型の光ファイバに、前記コアの屈折率が光ファイバ光
    軸方向に周期的に変化するファイバグレーティングの形
    成部を設けたことを特徴とする光ファイバ型光部品。
  2. 【請求項2】 αを1.5以下としたことを特徴とする
    請求項1記載の光ファイバ型光部品。
  3. 【請求項3】 クラッドの屈折率を純石英の屈折率とほ
    ぼ同じ値とし、コアの純石英に対する比屈折率差Δは
    0.5%を越える値としたことを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の光ファイバ型光部品。
  4. 【請求項4】 ファイバグレーティングの形成部はフェ
    イズマスクをかけて1回目の紫外光照射を施した後、前
    記フェイズマスクを除いて2回目の紫外光照射を施して
    形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請
    求項3記載の光ファイバ型光部品。
  5. 【請求項5】 ファイバグレーティングの形成部による
    光透過阻止波長帯が約1640nm〜約1660nmと
    成し、光ファイバの使用波長帯が約1550nm帯であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一
    つに記載の光ファイバ型光部品。
JP10146629A 1997-11-04 1998-05-12 光ファイバ型光部品 Pending JPH11326672A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019177114A1 (ja) 2018-03-16 2019-09-19 住友電気工業株式会社 光ファイバおよび光ファイバグレーティング

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019177114A1 (ja) 2018-03-16 2019-09-19 住友電気工業株式会社 光ファイバおよび光ファイバグレーティング
US10962709B2 (en) 2018-03-16 2021-03-30 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical fiber and optical fiber grating

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