JPH11326666A - 光制御素子及びその製造方法 - Google Patents

光制御素子及びその製造方法

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JPH11326666A
JPH11326666A JP10137263A JP13726398A JPH11326666A JP H11326666 A JPH11326666 A JP H11326666A JP 10137263 A JP10137263 A JP 10137263A JP 13726398 A JP13726398 A JP 13726398A JP H11326666 A JPH11326666 A JP H11326666A
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JP
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diffraction grating
bragg reflection
long
period
grating
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JP10137263A
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English (en)
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Yukio Toyoda
田 幸 雄 豊
Ayako Baba
場 彩 子 馬
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Matsushita Giken KK
Original Assignee
Matsushita Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重方式による大容量超高速情報伝送の実現
および、そのための光制御素子の集積による小型化を実
現すること。 【解決手段】 光制御素子に、狭帯域の波長選択性を持
たせるためのブラッグ反射回折格子と効率よく放射モー
ド変換し、かつ高い放射指向性を持つ放射光を得るため
の導波路伝搬軸に対して45゜傾斜の長周期回折格子を
合わせ持つ構造の複合回折格子を用いる。ブラッグ反射
回折格子と長周期回折格子の両方の機能が、完全に重ね
合わさり効率的に狭帯域の波長選択性と光指向性を有す
る放射分光を得られる。複合回折格子は、光導波路の同
一の場所にブラッグ反射チャープ回折格子と45゜傾斜
の長周期回折格子とを重ねて成るものと、45゜傾斜の
長周期回折格子の両端に反射鏡としてブラッグ反射回折
格子を配置した共振器構造のものを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光情報処
理等の分野に広く利用される光制御素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光導波路を伝搬する光を放射モードへ変
換制御する従来技術の代表例として、Optics Letters V
ol21 p336 (1996)なる文献がある。図6は当該文献にお
けるFig.1およびFig.2より引用した長周期回
折格子の周期に対する放射モードピークの依存性(図6
(a))と、長周期回折格子の形成時間(すなわちエキ
シマレーザ光の照射時間)に対する透過損失スペクトル
の変化の特性(図6(b))を示すものである。図6
(a)からも明らかなように特定の回折格子の周期に対
して複数の放射モードが存在する。回折格子により透過
光の一部放射モードに変換するので、放射モードピーク
に対応して透過スペクトルに損失ピークが現れるのであ
る。回折格子の形成によりコアの屈折率が変化する一
方、各々の放射モードのピークは、コアとクラッドの屈
折率差に依存するため、回折格子の形成の進展により刻
々と変化し、図6(b)のように透過スペクトルの損失
ピークのみならずスペクトル幅もが変化する。このよう
な従来技術によっても、回折格子の周期を精密に選定
し、その形成条件を厳密に制御することにより、光増幅
器の利得平坦化フィルタなどように、特定の波長域で透
過損失を持つ機能のデバイスが作製可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術では図6のスペクトル変化からも推定されるよ
うに、透過光の損失ピーク波長と損失量の両方を厳密に
設定するには、回折格子の周期の精度と形成条件の厳密
な制御を必要とし、かつ形成条件の安定性が問題とな
り、非常に難易である。
【0004】また、図のスペクトルからわかるように、
レーザ光の照射時間即ち回折格子形成時間とともにスペ
クトル幅が狭くなるが、1nm以下に制御して作製する
ことは難しい。回折格子長を長くすれば名場を狭くする
ことは可能であるが、目的にもよるが、10cm以上の
長さは現実的ではない。さらに、放射モードに変換され
た光は、クラッド内を伝搬することも問題となる。以上
のように、損失機能を利用する場合には、重要でない
が、放射光を導波路より取り出して用いる場合、その指
向性と、放射光のスペクトル幅が重要となる。例えば、
波長多重通信のように導波路を伝搬する光を各波長成分
に分光し取り出し利用するには、多重度に応じてスペク
トル幅の狭い特定の波長成分を、指向性よく取り出す必
要があり、絶対不可欠な条件となる。従って、このよう
に導波路からの放射モード変換による放射光を利用する
には、従来技術による方法では、全く不可能であり、本
発明による手段により初めて可能となる。
【0005】以上のように、従来技術の長周期回折格子
による伝搬光の放射モード変換では,波長選択に対する
制御性が不十分であり、指向性がなく、放射光の利用は
全く不可能であるという課題がある。
【0006】本発明はかかる従来の不具合に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、多重方式による大容量超高速
情報伝送の実現および、そのための光制御素子の集積に
よる小型化を実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するための本発明の手段は以下の通りである。先ず、従
来技術によるファイバのコアに形成された長周期回折格
子によりファイバを伝搬する光が、特定の波長で放射さ
れ損失する原理は以下の通りである。
【0008】ファイバ中を安定に伝搬する光は、コアモ
ードであるが、これとは別にクラッドモードが存在し、
安定に伝搬ぜずファイバ外に放射される。ここで、コア
に周期的屈折率変化を与え、その周期Λが、次のような
それぞれのモードの伝搬定数(βco、βcl(n))間で
の位相整合条件、すなわち、 :βco−βcll(n)=2π/Λ を満足する時には、コアモードを伝搬していた光がn次
のクラッドモードへ移行する。クラッドモードへ移行し
た光は、最早ファイバ中を長く伝搬し続けることなく放
射され放射モードとなる。波長λの光の伝搬定数βは、
有効屈折率neffを用いると、 β=2πneff /λ であるから、p次のクラッドモードに対して、前述の位
相整合条件は、 nco−ncl(p)=λ/Λ(p) となる。
【0009】前に示した図6は、この式から求めた放射
モードのピーク波長の、長周期回折格子の周期依存性で
ある。勿論、クラッドモードへの移行量はコアの屈折率
変化量に依存して多くなるので、放射モードによる伝搬
損失は、レーザ光の照射時間に伴い増大する。また、上
式から分かるようにコアの屈折率変化量により有効屈折
率が変わるので、レーザ光の照射時間によりピーク波長
も変化する。ここでレーザ光の照射時間を多くすればよ
り放射量が多くなり、同時にスペクトル幅がある程度狭
くなるが、放射光を利用する場合にはより狭いスペクト
ル幅が必要とされるので不十分であり、この課題を解決
すると同時に、もう一つの課題である放射光の指向性を
よくするための手段は以下の通りである。
【0010】狭帯域の波長選択性を持たせるためのブラ
ッグ反射回折格子と効率よく放射モード変換し、かつ高
い放射指向性を持つ放射光を得るための導波路伝搬軸に
対して45゜傾斜の長周期回折格子をを合わせ持つ構造
の複合回折格子を用いる方法である。本発明による手段
は、このようなブラッグ反射回折格子と45゜傾斜の長
周期回折格子の両方の機能が、完全に重ね合わさり効率
的に狭帯域の波長選択性と光指向性を有する放射光を得
るために、この複合回折格子の具体的構造を提供するも
のである。複合回折格子の構造は後述の実施の形態の図
1で示すように、45゜傾斜の長周期回折格子の両端に
反射鏡としてブラッグ反射回折格子を配置した共振器構
造である。このような複合回折格子により如何に狭帯域
の波長選択性と指向性を有する放射光を効率よく得るこ
とができ、従来技術の課題が解決されるかを説明する。
まず、長周期回折格子を導波路伝搬軸に対し45゜傾斜
することで、導波路伝搬方向に対して垂直方向の良好な
指向性が得られることは、理論的にいえるが、このこと
は試作した回折格子の放射光の観察からも確認されてい
る。
【0011】また、長周期回折格子による放射モードの
への変換では、その格子長が短いとき、スペクトル幅が
広く、ピークでの放射量が少なくなる一方、ピーク付近
の一定の波長域では波長依存性が無視できる。従って、
このような格子長の短い長周期回折格子を共振器に形成
すれば、共振波長では、共振効果により放射モードへの
変換が増幅され100%近い放射が可能となる。しかる
に共振器の反射鏡の所定のブラッグ反射回折格子を用い
れば、非常に効率的に狭帯域の波長の放射光が得られ
る。ブラッグ反射回折格子も単独では格子長が短いと反
射スペクトルが広くなるが、これにより共振器即ちファ
ブリーペロー共振器を構成した場合には、共振効果即ち
位相整合の条件を満足する必要から、スペクトル幅即
ち、この場合は放射光のスペクトル幅を狭くすることが
できる。
【0012】さらに、実施の形態の図2で示すように、
このような複合回折格子をそれぞれ放射ピーク波長の異
なるものを複数、複数導波路の伝搬方向に直列に配置す
る構成により、導波路を伝搬する光を各波長成分別に分
光し、空間的に分散分離し導波路に垂直な方向に進行す
る光に変換される。また、前述の例では、45゜傾斜の
長周期回折格子による放射光は、導波路に垂直な方向が
2方向あるため、一方では、原理的に強度が半減してし
まうので、実施の形態の図3に示すように、片方に反射
鏡を設けることにより、一方の放射光の利用効率が2倍
改善される。
【0013】以上のように、本発明による複合回折格子
により、長周期回折格子による放射モード変換に関する
従来技術では、不可能であった導波路を伝搬する光を分
光し空間的に分散した放射光として取り出すことを可能
し、実施の形態で示すように波長多重光通信におけるマ
ックス、デマックスおよびアド、ドロップ光回路の高性
能化や、フェムト秒光パルスの有効利用が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、光制御素子を、光導波路を伝搬する光を放射モード
に変換制御するため、当該の光導波路にブラッグ反射回
折格子と長周期回折格子とから構成された複合回折格子
を有するようにしたものであり、多重方式による大容量
超高速情報伝送の実現および、そのための光制御素子の
集積による小型化を実現するという作用を有する。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の光制御素子において、複合回折格子のブラッグ
反射回折格子と長周期回折格子が同一の領域に多重形成
された構造を少なくとも一カ所以上有するようにしたも
のであり、ブラッグ反射回折格子と45゜傾斜の長周期
回折格子の両方の機能が、完全に重ね合わさり効率的に
狭帯域の波長選択性と光指向性を有するという作用を有
する。
【0016】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
2記載の光制御素子において、長周期回折格子が同一の
領域に多重形成された当該のブラッグ反射回折格子の周
期がチャープするようにしたものであり、それによる反
射は、各波長により光軸方向で空間的に違った場所で反
射し、この複合回折格子1によりファイバの伝搬光を分
光分散できるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至3のいずれかに記載の光制御素子において、長周
期回折格子の格子面が当該光導波路の光軸に対して約4
5°傾斜させたものであり、導波路伝搬方向に対して垂
直方向の良好な指向性が得られるという作用を有する。
【0018】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1乃至4のいずれかに記載の光制御素子において、ブラ
ッグ反射回折格子の格子面が当該光導波路の光軸に対し
て垂直にしたものである。
【0019】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1乃至5のいずれかに記載の光制御素子において、少な
くとも当該素子の一部が当該の長周期回折格子の両端に
ブラッグ反射回折格子を有するようにしたものであり、
導波路を伝搬する光を各波長成分別に分光し、空間的に
分散分離し導波路に垂直な方向に進行する光に変換とい
う作用を有する。
【0020】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
6記載の光制御素子において、長周期回折格子と、この
長周期回折格子を前後方向から挟んだ一対のブラッグ反
射回折格子とよりなる、共振器構造の複合回折格子を有
するようにしたものであり、導波路を伝搬する光を各波
長成分別に分光し、空間的に分散分離し導波路に垂直な
方向に進行する光に変換という作用を有する。
【0021】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
6記載の光制御素子において、ブラッグ反射回折格子と
長周期回折格子とは、コア内において前後方向に交互に
形成され、且つ両端はブラッグ反射回折格子によって終
わるように配列されて成る、複数の共振器構造の複合回
折格子を有するようにしたものである。
【0022】本発明の請求項9に記載の発明は、光制御
素子を、ブラッグ反射回折格子と、長周期回折格子によ
り構成された複合回折格子と、複合回折格子を設けられ
た第1の光導波路と、上記第1の光導波路に対して直角
の方向に延びて設けられた第2の光導波路と、複合回折
格子と第2の光導波路とを接続する結合部とから構成し
たものである。
【0023】本発明の請求項10に記載の発明は、光制
御素子を、シングルモードファイバのコアの部分に金属
マスクを用いてレーザ光を照射し長周期回折格子を形成
する一方、前記コアの同じ部分に位相マスクを用いてレ
ーザ光を照射しブラッグ反射回折格子を多重形成する段
階と、回折格子形成部分のクラッドの表面の半円柱部を
金属膜でコートする段階とから成り、前記長周期回折格
子とブラッグ反射回折格子とを多重形成する段階におい
て、長周期回折格子のマスクは、回折格子面がコアの光
軸に対して約45゜となるように設定する一方、ブラッ
グ反射回折格子のマスクは、回折格子面がコアの光軸に
対して約90゜となるようにし、また、レーザ光の照射
量は、それぞれ単独の場合、ブラッグ反射回折格子の反
射率が〜100%、長周期回折格子による放射損失が約
30%となる条件としたものであり、多重方式による大
容量超高速情報伝送の実現および、小型化を実現する光
制御素子を簡単且つ迅速に製造するという作用を有す
る。
【0024】本発明の請求項11に記載の発明は、シン
グルモードファイバのコアの部分に金属マスクを用いて
レーザ光を照射し長周期回折格子を形成する一方、前記
コアの前記長周期回折格子を形成した部分の前後両側の
部分に位相マスクを用いてレーザ光を照射しブラッグ反
射回折格子を形成する段階と、回折格子形成部分のクラ
ッドの表面の半円柱部を金属膜でコート(被覆)する段
階とから成り、前記長周期回折格子とブラッグ反射回折
格子とを形成する段階において、長周期回折格子のマス
クは、回折格子面がコアの光軸に対して約45゜となる
ように設定する一方、ブラッグ反射回折格子のマスク
は、回折格子面がコアの光軸に対して約90゜となるよ
うにし、前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子と
を形成する段階においては、まずファイバのコア部分の
中心に幅約3mmの遮蔽マスクを置き、その両側に位相
マスクを用いて2つのブラッグ反射回折格子を形成し、
しかる後に、中心部分に開口幅約3mmのスリットを置
き金属マスクにより長周期回折格子を形成するととも
に、レーザ光の照射量は、それぞれ単独の場合、ブラッ
グ反射回折格子の反射率が約90%、長周期回折格子に
よる放射損失が約20%となる条件としたものである。
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11記載の
光制御素子の製造方法
【0025】において、長周期回折格子の形成段階で
は、シングルモードファイバのコアの中心部分に開口幅
が約3mmのスリットを置き、ほぼ45゜傾斜したライ
ンアンドスペース金属マスクを用いてレーザ光を照射す
るようにしたものである。
【0026】本発明の請求項13に記載の発明は、石英
基板上にスパッタ堆積装置によりGeをドープしたSi
O2を堆積する段階と、前記石英基板を所定圧力の水素
中に所定期間放置する段階と、前記石英基板に対して開
口マスクを用いてエッチングにより、第1の導波路と第
2の導波路を形成する段階と、第1の導波路と第2の導
波路との交差部分に結合部を形成する段階と、第1の導
波路と第2の導波路との交差部分に金属マスクを用いて
レーザ光を照射し長周期回折格子を形成する一方、前記
コアの同じ部分に位相マスクを用いてレーザ光を照射し
ブラッグ反射回折格子を多重形成する段階と、から構成
したものである。
【0027】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項13記載の光制御素子の製造方法において、結合部
は、後で形成する回折格子の格子長に等しい幅から導波
路の幅まで寸法が変化するテーパー構造に形成されるよ
うにしたものである。
【0028】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項13記載の光制御素子の製造方法において、第1の導
波路および第2の導波路は、エッチングの代わりに、レ
ーザ光を照射して形成されるようにしたものである。
【0029】本発明の請求項16に記載の発明は、シン
グルモードファイバのコアの部分に金属マスクを用いて
レーザ光を照射し長周期回折格子を形成する一方、前記
コアの前記長周期回折格子を形成した部分の隣側の部分
に位相マスクを用いてレーザ光を照射しブラッグ反射回
折格子を形成する操作を交互に繰り返し、且つ両端はブ
ラッグ反射回折格子によって終わらせることにより、実
質的に長周期回折格子を一対のブラッグ反射回折格子が
前後方向から挟んだ形を複数個連続させた複合回折格子
を形成する段階と、回折格子形成部分のクラッドの表面
の半円柱部を金属膜でコート(被覆)する段階とから成
り、前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子とを形
成する段階において、長周期回折格子のマスクは、回折
格子面がコアの光軸に対して約45゜となるように設定
する一方、ブラッグ反射回折格子のマスクは、回折格子
面がコアの光軸に対して約90゜となるようにし、ま
た、ブラッグ反射回折格子形成段階では、ファイバに所
定の張力を印可しながら回折格子を形成するようにした
ものである。
【0030】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項16記載の光制御素子の製造方法において、ブラッグ
反射回折格子形成段階では、複数のブラッグ反射回折格
子を形成加工するに当たって、基板であるファイバに最
初所定の重量の張力を加えて1つ目のブラッグ反射回折
格子を形成し、2つ目以降のブラッグ反射回折格子を形
成するに際しては、順次一定重量ずつ印可張力を減らし
ながら回折格子を形成するようにしたものである。
【0031】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項16記載の光制御素子の製造方法ブラッグ反射回折格
子形成段階では、複数のブラッグ反射回折格子を形成加
工するに当たって、基板であるファイバに最初所定の重
量の張力を加えて1つ目のブラッグ反射回折格子を形成
し、2つ目以降のブラッグ反射回折格子を形成するに際
しては、順次一定重量ずつ印可張力を減らし、最後のブ
ラッグ反射回折格子を形成するに際しては、張力を掛け
ないで回折格子を形成するようにしたものである。
【0032】以下、本発明の実施の形態を添付の図面を
参照して詳細に説明する。
【0033】(実施の形態1)本発明の第1の実施の形
態を図1により説明する。図1は本発明の第1の実施の
形態による光制御素子を示す概略図である。この図に示
された光制御素子は、シングルモードファイバ(SM
F)のコア18部分にブラッグ反射回折格子11と長周
期回折格子12とが同一の領域に多重形成された構造の
複合回折格子1を有することを特徴とするものである。
【0034】図1において、符号1はブラッグ反射回折
格子11および長周期回折格子12により構成された複
合回折格子、18はシングルモードファイバにより構成
され、光導波路を形成するとともに複合回折格子1を組
み込んだコア、17はコア18と積層関係に設けられた
クラッド、13はクラッド17の表面の半面をコート
(被覆)する金属膜であり、これら複合回折格子1と、
コア18と、クラッド17と、金属膜13とにより光制
御素子を構成している。また、図1において、符号15
は光制御素子に向けて照射される入射光を示し、また1
6は光制御素子に入射された光15が複合回折格子1の
部分で回折作用を受けて生成された放射光を示す。ブラ
ッグ反射回折格子11と長周期回折格子12はコア18
内の同一の領域に多重形成されて複合回折格子1を構成
している。ブラッグ反射回折格子11の格子面はシング
ルモードファイバ光軸(入射光15の入射方向と同一で
ある)に対して垂直であるが、長周期回折格子12の格
子面は、シングルモードファイバの光軸に対して45゜
傾斜している。
【0035】本実施の形態に係る光制御素子の作製手順
は次の通りである。回折格子を形成するシングルモード
ファイバとしては、圧力150kg/cm2 の水素中に
2週間放置したものを用いる。次に、コア18の部分を
所定の周期で屈折率変調するため、長周期回折格子12
は、金属マスク、ブラッグ反射回折格子11は位相マス
クを用いて、エキシマレーザ光を照射する。長周期回折
格子12のマスクは、回折格子面がコアの光軸に対して
45゜となるようにした。他方、ブラッグ反射回折格子
11のマスクは、回折格子面がコアの光軸に対して90
゜となるようにした。長周期回折格子12用マスクの周
期は475μm、ブラッグ反射回折格子11用マスクの
周期は0,54μmを中心に1nm/mmの比率ΔΛで
変動しているものを用いる。マスクを取り替えて、同一
場所にエキシマレーザ光を照射する。いずれも3mmの
開口スリットを用いる。従って格子長はともに3mmで
ある。エキシマレーザ光の照射量は、それぞれ単独の場
合、ブラッグ反射回折格子11の反射率が〜100%
(殆ど100%に近いという意味である)、長周期回折
格子12による放射損失が30%となる条件とする。回
折格子形成部分のクラッド17の表面の半円柱部を金属
膜13でコート(被覆)する。
【0036】このようにして作製した複合回折格子1の
放射特性は以下の通りである。ブラッグ反射回折格子1
1がチャープ回折格子であるためそれによる反射は、各
波長により光軸方向で空間的に違った場所で反射する。
一方、長周期回折格子12により、それと周期ΛLPと位
相整合が取れるクラッドモード波長の光が放射モードに
変換され、放射光16として放射される。従って、ΔΛ
・ΛLPの波長周期0.7nmで干渉し、特定の波長の放
射光の放射位置も光軸方向で空間的に周期的となる。異
なる波長の光を入射光15としてこの複合回折格子1に
入射した時、放射光16の放射位置が変わるのが赤外線
用CCDカメラで観測される。また、長周期回折格子1
2を45゜傾斜させ、さらにクラッド17の表面の半面
を金属膜13によりコートしてあるので、放射の指向性
は、±10゜と良好である。以上からこの複合回折格子
1によりファイバの伝搬光を分光分散できることが確認
される。
【0037】本実施の形態の、格子長、ブラッグ反射回
折格子11の周期およびチャープ量、長周期回折格子1
2の周期などの構造パラメータや、レーザ照射量などの
回折格子作製条件は、一例であり、これに限定されるも
のでなく、分光帯域幅や目標とする空間分解能により、
適宜設定し実施することで、本発明が有効となることは
明らかである。
【0038】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態を図2により説明する。図2は本発明の第2の実施の
形態による光制御素子を示す概略図である。この図に示
された光制御素子は、シングルモードファイバ(SM
F)のコア28に形成した長周期回折格子22と、この
長周期回折格子22を前後方向から挟んだ一対のブラッ
グ反射回折格子21とよりなる、いわゆる共振器構造の
複合回折格子20を有することを特徴とするものであ
る。
【0039】図2において、符号20はブラッグ反射回
折格子21および長周期回折格子22により構成された
複合回折格子、28はシングルモードファイバにより構
成され、光導波路を形成するとともに複合回折格子20
を組み込んだコア、27はコア28と積層関係に設けら
れたクラッド、23はクラッド27の表面の半面をコー
ト(被覆)する金属膜であり、これら複合回折格子20
と、コア28と、クラッド27と、金属膜23とにより
光制御素子を構成している。また、図2において、符号
25は光制御素子に向けて照射される入射光を示し、ま
た26は光制御素子に入射された光25が複合回折格子
20の部分で回折作用を受けて生成された放射光を示
す。ブラッグ反射回折格子21と長周期回折格子22と
は、コア28に形成した長周期回折格子22を一対のブ
ラッグ反射回折格子21が前後方向(図2中では左右方
向)から挟んだ構成をとっており、いわゆる共振器構造
の複合回折格子20を形成している。ブラッグ反射回折
格子21の格子面はシングルモードファイバの光軸(入
射光25の入射方向と同一である)に対して垂直である
が、長周期回折格子22の格子面は、シングルモードフ
ァイバの光軸に対して45゜傾斜している。
【0040】本実施の形態に係る光制御素子の作製手順
は次の通りである。回折格子を形成するシングルモード
ファイバとしては、実施の形態1と同様に、圧力150
kg/cm2 の水素中に2週間放置したものを用いる。
次に、コア18の部分を所定の周期で屈折率変調するた
め、長周期回折格子22は金属マスク、ブラッグ反射回
折格子21は位相マスクを用いて、エキシマレーザ光を
照射する。長周期回折格子22のマスクは回折格子面が
コアの光軸に対して45゜となるようにする。他方、ブ
ラッグ反射回折格子21のマスクは回折格子面がコアの
光軸に対して90゜となるようにする。長周期回折格子
22の周期は475μmである。2つのブラッグ反射回
折格子21の周期は0.54μmである。長周期回折格
子22、ブラッグ反射回折格子21の格子長はともに3
mmである。複合回折格子20の実際の作製に当たって
は、まず中心に幅3mmの遮蔽マスクを置き、その両側
に位相マスクを用いて2つのブラッグ反射回折格子21
を形成する。しかる後開口幅3mmのスリットを置き4
5゜傾斜したラインアンドスペース金属マスクにより長
周期回折格子22を形成する。エキシマレーザ光の照射
量は、ブラッグ反射回折格子21、長周期回折格子22
がそれぞれ単独の場合、ブラッグ反射回折格子21の反
射率が90%、長周期回折格子22による透過損失が2
0%となる条件とした。さらに、長周期回折格子22の
形成部分のクラッド27の表面の半円柱部を金属コート
する。
【0041】図3は、この複合回折格子20の特性を示
す図である。測定は、光源に1.56μmスーパールミ
ネセントダイオード(SLD)を用いる。放射光26
は、赤外線用CCDカメラで観測し、ラインプロファイ
ルから強度を測定する。図3(a)は放射光26の透過
スペクトルを示す図であり、図3(b)は光軸に垂直な
面内の放射光の指向特性を示す図である。格子の傾斜面
の法線と光軸とを含む面と、光軸に垂直な面との交線の
方向からはずれるにしたがって、放射光強度が減衰し、
この交線と垂直な方向ではほとんど放射されない。図3
(a)から放射光のピーク半値幅は、1.560μm、
1nmである。また、図3(b)から指向性がよいこと
がわかる。長周期回折格子22の格子長は3mmと短い
ので、位相整合条件はゆるやかであり放射モードの波長
選択幅はブロードであるため、放射光26の波長はブラ
ッグ反射回折格子21により決まる。また、半値幅は共
振器のQ値すなわちブラッグ反射回折格子21の反射率
で決まっている。長周期回折格子22、ブラッグ反射回
折格子21の格子長および周期は、この例の値に限定さ
れるものでないことは自明であり、特に、ブラッグ反射
回折格子21の周期は放射光としてファイバから外部へ
取り出す波長を選択する上で重要である。
【0042】本実施の形態の、格子長、長周期回折格子
22の周期、ブラッグ反射回折格子21の周期などの構
造パラメータや、レーザ照射量などの回折格子作製条件
は、一例を示したものであり、これに限定されるもので
なく、分光帯域幅や目標とする空間分解能により、適宜
設定し実施することで、本発明が有効となることは明ら
かである。
【0043】(実施の形態3)本発明の第3の実施の形
態を図4で説明する。図4は本発明の第3の実施の形態
による光制御素子を示す概略図である。実施の形態1で
は、光導波路としてシングルモードファイバを用いてい
るが、石英系の平面基板上の光導波路を用いても同様に
このような複合回折格子40が作製できる。本第3の実
施の形態に係る光制御素子はこのようにして作成される
ものである。この場合には、基板平面内で導波路の光軸
に対して垂直に指向性よく放射されるので、複合回折格
子40の位置に第二の光導波路49を第1の光導波路4
8と直角に設けることにより、所定の波長の光を選択的
に取り出すことができる。
【0044】図4において、符号40はブラッグ反射回
折格子41および長周期回折格子42により構成された
複合回折格子、48は基板平面内において複合回折格子
40に向けて設けられた第1の光導波路、49は上記光
導波路48に対して直角の方向に延びて設けられた第2
の光導波路、44は複合回折格子40と第2の光導波路
49とを接続する結合部であり、これら複合回折格子4
0と、第1の光導波路、48と、第2の光導波路49
と、結合部44とにより光制御素子を構成している。ま
た、図4において、符号45は光制御素子に向けて照射
される入射光を示し、また46は光制御素子に入射され
た光15が複合回折格子40の部分で回折作用を受けて
生成された放射光を示す。ブラッグ反射回折格子41と
長周期回折格子42は基板内の同一の領域に多重形成さ
れて複合回折格子40を構成している。
【0045】本実施の形態に係る光制御素子の作製手順
は次の通りである。石英基板上にスパッタ堆積装置によ
りGeをドープしたSiO2を堆積し、圧力150kg
/cm2 の水素中に2週間放置する。T字状の開口マス
クを用いてエッチングにより、第1の導波路48および
第2の導波路49を形成する。もしくは、同様のパター
ンのマスを用いてエキシマレーザ光を照射し導波路を形
成する。第2の導波路49の第1の導波路48との結合
部44は、結合をよくし、放射光46を低損失で伝搬さ
せるため図のように、後で形成する複合回折格子40の
格子長に等しい幅から通常のシングルモード導波路の幅
まで変化するテーパー構造とする。しかる後、交差部に
実施の形態1と同様に、ブラッグ反射回折格子41と長
周期回折格子42を同一の場所に重ねて作製し複合回折
格子40を形成する。
【0046】本実施の形態に係る複合回折格子40にお
いては、結合部44が第1の導波路48に密着してお
り、屈折率差のない光路により第二の光導波路49と強
く結合しているので、放射光46をより効率的に取り出
し、光43を取り出すことが可能となる。この素子の取
り出し光43のピークは、1.560μm、であり、半
値幅は、1nmである。取り出し効率は70%以上であ
る。
【0047】(実施の形態4)本発明の第4の実施の形
態を図5で説明する。図5は本発明の第4の実施の形態
による光制御素子を示す概略図である。先に説明した第
2の実施の形態では、シングルモードファイバに1個の
複合回折格子20を形成し、所定の波長の光を放射させ
たが、実施の形態4では、ファイバの伝搬光をスペクト
ル分光して複数個の波長成分に空間的に分散するため、
複数個の複合回折格子を同一のシングルモードファイバ
に形成する点が特徴である。
【0048】図5において、符号50は複数のブラッグ
反射回折格子51および複数の長周期回折格子52によ
り構成された複数個の複合回折格子、58はシングルモ
ードファイバから成り上記複数個の複合回折格子50を
組み込んだコア、57はコア58と積層関係に設けられ
たクラッド、53はクラッド57の表面の半面をコート
(被覆)する金属膜であり、これら複合回折格子50
と、コア58と、クラッド57と、金属膜53とにより
光制御素子を構成している。また、図5において、符号
55は光制御素子に向けて照射される入射光を示し、ま
た56は光制御素子 に入射された光55が複合回折格
子50の部分で回折作用を受けて生成された放 射光を
示す。ブラッグ反射回折格子51と長周期回折格子52
とは、コア58内において前後方向に交互に形成され、
且つ両端はブラッグ反射回折格子51によって終わるよ
うに配列することにより、実質的に長周期回折格子52
を一対のブラッグ反射回折格子51が前後方向から挟ん
だ形を複数個連続させた構成をとっており、いわゆる共
振器構造の複合回折格子50を複数個形成している。ブ
ラッグ反射回折格子51の格子面はシングルモードファ
イバの光軸(入射光55の入射方向と同一である)に対
して垂直であるが、長周期回折格子52の格子面はシン
グルモードファイバの光軸に対して45゜傾斜してい
る。
【0049】本実施の形態の複合回折格子50を詳細に
述べると、図5に示すように、この複合回折格子50の
構造は、格子長が、それぞれ1mm、2mmのブラッグ
反射回折格子51を6個と、45゜傾斜長周期回折格子
52を5個、連続的に繰り返したものである。複合回折
格子50の全長は16mmである。ただし、ブラッグ反
射回折格子の反射ピーク波長は、1nm間隔でシフト
し、半値幅は1nmであり、ピーク反射率は30〜50
%である。長周期回折格子52を挟んでいる前後のブラ
ッグ反射回折格子51の反射ピークは、1nmずれてい
るが、半値幅が1nmであるので、その中間の波長で
は、ともにピークの半分の反射率である。従って、この
中間の波長での共振器を構成しているため、それぞれは
実施の形態1と同様に波長選択的に放射機能を有する複
合回折格子となっている。勿論、このように共振器の反
射鏡として異なる反射ピークのブラッグ反射回折格子で
なく、同じ反射ピーク波長のものを用いてもよい。この
場合両端以外のブラッグ反射回折格子51は格子長1m
mのピーク波長が1nmずれた2つのもので構成され
る。このような構成では複合回折格子の全長は20mm
となる。
【0050】本実施の形態に係る光制御素子の作製手順
は次の通りである。回折格子を形成するシングルモード
ファイバとしては、実施の形態1と同様に、圧力150
kg/cm2 の水素中に2週間放置したものを用いる。
次に、コア18の部分を所定の周期で屈折率変調するた
め、長周期回折格子52は金属マスク、ブラッグ反射回
折格子51は位相マスクを用いて、エキシマレーザ光を
照射する。長周期回折格子12のマスクは、回折格子面
がコアの光軸に対して45゜となるようにした。他方、
ブラッグ反射回折格子11のマスクは、回折格子面がコ
アの光軸に対して90゜となるようにした。
【0051】1nm間隔のブラッグ反射回折格子51を
形成するには、1.560μmの周期が均一な位相マス
クを用いる。波長を変えるため、基板であるファイバに
所定の張力を印可して回折格子を形成する。あらかじめ
張力を印可して回折格子を形成すれば張力を印可しない
使用状態ではブッラグ波長は短くなる。張力による波長
の変化は、〜80g重/nmであるので、最初400g
重の張力を加え、順次80g重ずつ印可張力を減らし、
最後の6個目は、張力を掛けないで形成することで、反
射ピーク波長が1.555〜1.560μmの回折格子
が形成される。また、格子長を1mmとするため、開口
幅1mmのスリットを用いる。格子長が非常に短いた
め、周期が均一な位相マスクを用いても半値幅1nmの
回折格子が形成できる。
【0052】45゜傾斜長周期回折格子52の形成方法
は実施の形態1とほぼ同じである。すなわち上述したよ
うに、長周期回折格子12は、金属マスクを用いて、エ
キシマレーザ光を照射するが、このとき長周期回折格子
12のマスクは回折格子面がコアの光軸に対して45゜
となるようにする。しかる後、実施の形態1と同様に放
射光の放射方向を一方に集中するため、16mmの複合
回折格子のクラッド表面の半円柱部を金属膜53でコー
トする。
【0053】このようにして作製した複合回折格子50
の入力端に当たるシングルモードファイバ(SMF)を
例えばフェムト秒ファイバレーザの出力端と融着により
接続し、図5に示すように入射光55としてフェムト秒
パルス光を入射すれば広いスペクトル幅のフェムト秒光
パルスを高効率で分光分散できる。このように分光分散
された各成分の放射光56をそれぞれの信号により位相
もしくは強度変調し、その各々を、前者と全く同じ複合
回折格子50を入出力を逆にして用い対応する波長のポ
ートに入力することにより多重信号によりコード化され
たパルス列信号が得られる。また、波長多重光信号の伝
送出力端に融着接続することにより各チャンネルの信号
に分離できる。さらに、この複合回折格子50による光
制御素子の各出力側に波長が各共振器の共振波長に合っ
た光信号を入射光55として入力することにより、合波
され多重信号が得られる。このように光制御素子は、波
長多重光通信用の高効率マックス、デマックスに用いる
ことができる。
【0054】本実施の形態では、複合回折格子50の全
長が16mmと比較的長く、また、1nm間隔で5チャ
ンネルの分光分散であるが、格子長、ブラッグ反射回折
格子51の周期、長周期回折格子52の周期などの構造
パラメータや、レーザ照射量など作製条件は本実施の形
態に限定されるものではなく、構造パラメータや作製条
件を適宜設定することにより、さらに短素子長化、分光
帯域の拡大、チャンネル数の増大が十分可能である。ま
た、波長を1nmずらしたブラッグ反射回折格子の作製
に、張力を印可する方法を用いたが、周期の異なる位相
マスクあるいはチャープマスクを用いてを同様に作製で
きる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本発明に基づいた複合回折格子による光制御素子は、超
短パルスのスペクトルの高効率分光分散による多数信号
の光コード化が実現される。かつ、波長多重光通信の高
効率マックス、デマックスが達成できる。これにより1
Tbps以上の大容量、超高速信号の伝送を可能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光制御素子を
示す概略図
【図2】本発明の第2の実施の形態による光制御素子を
示す概略図
【図3】本発明の第2の実施の形態による光制御素子の
特性を示す図
【図4】本発明の第3の実施の形態による光制御素子を
示す概略図
【図5】本発明の第4の実施の形態による光制御素子を
示す概略図
【図6】(a) 従来例である光制御素子の長周期回折
格子の周期に対する放射モードピークの依存特性を説明
する図 (b) 従来例である光制御素子の長周期回折格子の形
成時間に対する透過損失スペクトルの変化の特性を説明
する図
【符号の説明】
10、20、40、50 複合回折格子 11、21、41、51 ブラッグ反射回折格子 12、22、42、52 長周期回折格子 13、23、53 金属膜 15、25、45、55 入射光 16、26、46、56 放射光 17、27、57 クラッド 18、28、58 コア 43 取り出し光 44 結合部 48 第1の導波路 49 第2の導波路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路を伝搬する光を放射モードに変
    換制御するため、当該の光導波路にブラッグ反射回折格
    子と長周期回折格子とから構成された複合回折格子を有
    することを特徴とする光制御素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光制御素子において、複
    合回折格子のブラッグ反射回折格子と長周期回折格子が
    同一の領域に多重形成された構造を少なくとも一カ所以
    上有することを特徴とする光制御素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光制御素子において、長
    周期回折格子が同一の領域に多重形成された当該のブラ
    ッグ反射回折格子の周期がチャープしていることを特徴
    とする光制御素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光制
    御素子において、長周期回折格子の格子面が当該光導波
    路の光軸に対して約45°傾斜していることを特徴とす
    る光制御素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の光制
    御素子において、ブラッグ反射回折格子の格子面が当該
    光導波路の光軸に対して垂直であることを特徴とする光
    制御素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の光制
    御素子において、少なくとも当該素子の一部が当該の長
    周期回折格子の両端にブラッグ反射回折格子を有する構
    造であることを特徴とする光制御素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光制御素子において、長
    周期回折格子と、この長周期回折格子を前後方向から挟
    んだ一対のブラッグ反射回折格子とよりなる、共振器構
    造の複合回折格子を有することを特徴とする光制御素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の光制御素子において、ブ
    ラッグ反射回折格子と長周期回折格子とは、コア内にお
    いて前後方向に交互に形成され、且つ両端はブラッグ反
    射回折格子によって終わるように配列されて成る、複数
    の共振器構造の複合回折格子を有することを特徴とする
    光制御素子。
  9. 【請求項9】 ブラッグ反射回折格子と、長周期回折格
    子により構成された複合回折格子と、複合回折格子を設
    けられた第1の光導波路と、上記第1の光導波路に対し
    て直角の方向に延びて設けられた第2の光導波路と、複
    合回折格子と第2の光導波路とを接続する結合部とから
    成る光制御素子。
  10. 【請求項10】 シングルモードファイバのコアの部分
    に金属マスクを用いてレーザ光を照射し長周期回折格子
    を形成する一方、前記コアの同じ部分に位相マスクを用
    いてレーザ光を照射しブラッグ反射回折格子を多重形成
    する段階と、 回折格子形成部分のクラッドの表面の半円柱部を金属膜
    でコートする段階とから成り、 前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子とを多重形
    成する段階において、長周期回折格子のマスクは、回折
    格子面がコアの光軸に対して約45゜となるように設定
    する一方、ブラッグ反射回折格子のマスクは、回折格子
    面がコアの光軸に対して約90゜となるようにし、 また、レーザ光の照射量は、それぞれ単独の場合、ブラ
    ッグ反射回折格子の反射率が〜100%、長周期回折格
    子による放射損失が約30%となる条件としたことを特
    徴とする光制御素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 シングルモードファイバのコアの部分
    に金属マスクを用いてレーザ光を照射し長周期回折格子
    を形成する一方、前記コアの前記長周期回折格子を形成
    した部分の前後両側の部分に位相マスクを用いてレーザ
    光を照射しブラッグ反射回折格子を形成する段階と、 回折格子形成部分のクラッドの表面の半円柱部を金属膜
    でコート(被覆)する段階とから成り、 前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子とを形成す
    る段階において、長周期回折格子のマスクは、回折格子
    面がコアの光軸に対して約45゜となるように設定する
    一方、ブラッグ反射回折格子のマスクは、回折格子面が
    コアの光軸に対して約90゜となるようにし、 前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子とを形成す
    る段階においては、まずファイバのコア部分の中心に幅
    約3mmの遮蔽マスクを置き、その両側に位相マスクを
    用いて2つのブラッグ反射回折格子を形成し、しかる後
    に、中心部分に開口幅約3mmのスリットを置き金属マ
    スクにより長周期回折格子を形成するとともに、 レーザ光の照射量は、それぞれ単独の場合、ブラッグ反
    射回折格子の反射率が約90%、長周期回折格子による
    放射損失が約20%となる条件としたことを特徴とする
    光制御素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 長周期回折格子の形成段階では、シン
    グルモードファイバのコアの中心部分に開口幅が約3m
    mのスリットを置き、ほぼ45゜傾斜したラインアンド
    スペース金属マスクを用いてレーザ光を照射することを
    特徴とする請求項11記載の光制御素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 石英基板上にスパッタ堆積装置により
    GeをドープしたSiO2を堆積する段階と、 前記石英基板を所定圧力の水素中に所定期間放置する段
    階と、 前記石英基板に対して開口マスクを用いてエッチングに
    より、第1の導波路と第2の導波路を形成する段階と、 第1の導波路と第2の導波路との交差部分に結合部を形
    成する段階と、 第1の導波路と第2の導波路との交差部分に金属マスク
    を用いてレーザ光を照射し長周期回折格子を形成する一
    方、前記コアの同じ部分に位相マスクを用いてレーザ光
    を照射しブラッグ反射回折格子を多重形成する段階と、
    から成る光制御素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 結合部は、後で形成する回折格子の格
    子長に等しい幅から導波路の幅まで寸法が変化するテー
    パー構造に形成されることを特徴とする請求項13記載
    の光制御素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 第1の導波路および第2の導波路は、
    エッチングの代わりに、レーザ光を照射して形成される
    ことを特徴とする請求項13記載の光制御素子の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 シングルモードファイバのコアの部分
    に金属マスクを用いてレーザ光を照射し長周期回折格子
    を形成する一方、前記コアの前記長周期回折格子を形成
    した部分の隣側の部分に位相マスクを用いてレーザ光を
    照射しブラッグ反射回折格子を形成する操作を交互に繰
    り返し、且つ両端はブラッグ反射回折格子によって終わ
    らせることにより、実質的に長周期回折格子を一対のブ
    ラッグ反射回折格子が前後方向から挟んだ形を複数個連
    続させた複合回折格子を形成する段階と、 回折格子形成部分のクラッドの表面の半円柱部を金属膜
    でコート(被覆)する段階とから成り、 前記長周期回折格子とブラッグ反射回折格子とを形成す
    る段階において、長周期回折格子のマスクは、回折格子
    面がコアの光軸に対して約45゜となるように設定する
    一方、ブラッグ反射回折格子のマスクは、回折格子面が
    コアの光軸に対して約90゜となるようにし、 また、ブラッグ反射回折格子形成段階では、ファイバに
    所定の張力を印可しながら回折格子を形成することを特
    徴とする光制御素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 ブラッグ反射回折格子形成段階では、
    複数のブラッグ反射回折格子を形成加工するに当たっ
    て、基板であるファイバに最初所定の重量の張力を加え
    て1つ目のブラッグ反射回折格子を形成し、2つ目以降
    のブラッグ反射回折格子を形成するに際しては、順次一
    定重量ずつ印可張力を減らしながら回折格子を形成する
    ことを特徴とする請求項16記載の光制御素子の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 ブラッグ反射回折格子形成段階では、
    複数のブラッグ反射回折格子を形成加工するに当たっ
    て、基板であるファイバに最初所定の重量の張力を加え
    て1つ目のブラッグ反射回折格子を形成し、2つ目以降
    のブラッグ反射回折格子を形成するに際しては、順次一
    定重量ずつ印可張力を減らし、最後のブラッグ反射回折
    格子を形成するに際しては、張力を掛けないで回折格子
    を形成することを特徴とする請求項16記載の光制御素
    子の製造方法。
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