JPH11326634A - 光学多層薄膜および光学多層薄膜の製造方法 - Google Patents

光学多層薄膜および光学多層薄膜の製造方法

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JPH11326634A
JPH11326634A JP10146674A JP14667498A JPH11326634A JP H11326634 A JPH11326634 A JP H11326634A JP 10146674 A JP10146674 A JP 10146674A JP 14667498 A JP14667498 A JP 14667498A JP H11326634 A JPH11326634 A JP H11326634A
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JP
Japan
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thin film
optical multilayer
multilayer thin
metal
film
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JP10146674A
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English (en)
Inventor
Hideo Fujii
秀雄 藤井
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性および品質安定性等の向上を図る膜性状
および光学特性に優れた光学多層薄膜を提供する。ま
た、このような光学多層薄膜を簡易な方法で効率的に製
造する。 【解決手段】屈折率の異なる薄膜が周期的に積層され、
少なくとも2以上の相異なる前記薄膜は同一の金属を含
む化合物から構成される。光学多層薄膜は金属窒化物薄
膜と金属酸化物薄膜とで構成されることが好ましく、各
々イオンアシストまたはイオンプレーティングにより成
膜されることが好ましい。さらに、窒素イオンおよび酸
素イオンのイオン生成出力を0kWより大きく4kW以下と
することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は光学多層薄膜、特に
ビームスプリッタ、バンドパスフィルタ、反射防止膜等
の光学多層薄膜およびそれらの光学多層薄膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】光学多層薄膜、例えば反射防止膜、バン
ドパスフィルタ等の各種フィルタ、ビームスプリッタ等
において、薄膜どうしの密着性の確保が重要な課題とな
る。この密着性が不十分である場合、温度・湿度の変化
等により膜剥れやクラックの発生等、耐久性、品質安定
性に問題を生じる。
【0003】このような問題を解決するために、各層を
イオンアシスト等により形成することが提案されてい
る。この方法によれば膜の密着性や膜の硬度等、膜物性
の向上を図ることができる。
【0004】また、一般に、通常の真空蒸着法やスパッ
タ法等により形成された薄膜は、引張応力および圧縮応
力のうちいずれかの膜内応力を生じる。したがって、こ
のような膜内応力をもつ薄膜を多数積層した光学多層薄
膜においては、薄膜の積層数の増加とともに膜内応力が
累積することにより、クラックを生じたり、膜剥れの発
生や基板の面形状を変化させてしまうという問題があっ
た。
【0005】このような問題を解決するために、例えば
特開平1−62458号公報には、通常の真空蒸着法で
形成された引張応力をもつMgF2 薄膜と、イオンアシ
ストで形成された圧縮応力をもつTiO2 を組合わせて
バランスをとることにより、多層薄膜全体で膜内応力を
低減する方法が開示されている。
【0006】しかし、このような方法で製造された光学
多層薄膜は、膜内応力によるクラックの発生等は低減さ
れるが、一部に通常の真空蒸着法で形成された薄膜を有
するため、かかる薄膜は膜密度が十分ではなく、温度・
湿度の変化等により光学特性が容易に変化し得るという
欠点がある。
【0007】また、特開平1−62458号公報に記載
されている光学多層薄膜を形成するためには、薄膜の形
成毎に蒸着源を交換しなければならないため、製造工程
が煩雑であり、また装置が大型化する等の問題がある。
さらに、蒸着源を交換する場合、蒸着雰囲気内または蒸
着源周辺に残留する他の薄膜成分が混入する等により蒸
着膜の組成が変化し、均一な薄膜の形成が困難であると
いう問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
機器等の高性能化、耐久性の向上を図り、さらに品質安
定性等の向上を図ることができる膜性状および光学特性
に優れた光学多層薄膜を提供する。また、このような光
学多層薄膜を簡易な方法で効率的に製造することができ
る光学多層薄膜の製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0010】(1) 屈折率の異なる薄膜が周期的に積
層された光学多層薄膜であって、少なくとも2以上の相
異なる前記薄膜は同一の金属を含む化合物から構成され
ることを特徴とする光学多層薄膜。
【0011】(2) 前記光学多層薄膜は金属窒化物薄
膜と金属酸化物薄膜とで構成される上記(1)に記載の
光学多層薄膜。
【0012】(3) 前記金属窒化物薄膜および前記金
属酸化物薄膜のうち少なくともいずれか一方はイオンア
シストにより形成されたものである上記(2)に記載の
光学多層薄膜。
【0013】(4) 前記金属窒化物薄膜および前記金
属酸化物薄膜のうち少なくともいずれか一方はイオンプ
レーティングにより形成されたものである上記(2)に
記載の光学多層薄膜。
【0014】(5) 前記金属窒化物薄膜は前記金属を
蒸着源とし、蒸着雰囲気中に導入される窒素イオンのイ
オン生成出力を0kWより大きく4kW以下とする条件で成
膜された上記(3)または(4)に記載の光学多層薄
膜。
【0015】(6) 前記金属酸化物薄膜は前記金属を
蒸着源とし、蒸着雰囲気中に導入される酸素イオンのイ
オン生成出力を0kWより大きく4kW以下とする条件で成
膜された上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の光
学多層薄膜。
【0016】(7) 前記薄膜は同じ成膜法により形成
されたものである上記(1)ないし(6)のいずれかに
記載の光学多層薄膜。
【0017】(8) 前記金属はAlである上記(1)
ないし(7)のいずれかに記載の光学多層薄膜。
【0018】(9) 前記金属窒化物薄膜および前記金
属酸化物薄膜の膜内応力の絶対値は、各々膜厚が100
0nmであるとき4×108N/m2 未満である上記(1)な
いし(8)のいずれかに記載の光学多層薄膜。
【0019】(10) 前記光学多層薄膜全体の膜内応力
の絶対値が2×108N/m2 未満である上記(1)ないし
(9)のいずれかに記載の光学多層薄膜。
【0020】(11) 可視光領域において25℃におけ
る反射率曲線と100℃における反射率曲線との間の波
長シフトが1nm以下である上記(1)ないし(10)のい
ずれかに記載の光学多層薄膜。
【0021】(12) 屈折率の異なる薄膜が周期的に積
層された光学多層薄膜の製造方法であって、少なくとも
2以上の相異なる前記薄膜を同一の金属を蒸着源とする
成膜法により形成することを特徴とする光学多層薄膜の
製造方法。
【0022】(13) 蒸着雰囲気中に窒素イオンを導入
して前記金属の窒化物からなる金属窒化物薄膜を成膜す
る工程と、蒸着雰囲気中に酸素イオンを導入して前記金
属の酸化物からなる金属酸化物薄膜を成膜する工程とを
有する上記(12)に記載の光学多層薄膜の製造方法。
【0023】(14) 前記金属窒化物薄膜を成膜する工
程および前記金属酸化物薄膜を成膜する工程のうち少な
くともいずれか一方をイオンアシストによる上記(13)
に記載の光学多層薄膜の製造方法。
【0024】(15) 前記金属窒化物薄膜を成膜する工
程および前記金属酸化物薄膜を成膜する工程のうち少な
くともいずれか一方をイオンプレーティングによる上記
(13)または(14)に記載の光学多層薄膜の製造方法。
【0025】(16) 前記金属窒化物薄膜の成膜工程と
前記金属酸化物薄膜の成膜工程とを同じ成膜方法による
ものとする上記(13)ないし(15)のいずれかに記載の
光学多層薄膜の製造方法。
【0026】(17) 前記窒素イオンのイオン生成出力
が0kWより大きく4kW以下である上記(13)ないし(1
6)のいずれかに記載の光学多層薄膜の製造方法。
【0027】(18) 前記酸素イオンのイオン生成出力
が0kWより大きく4kW以下である上記(13)ないし(1
7)のいずれかに記載の光学多層薄膜の製造方法。
【0028】(19) 前記蒸着雰囲気中に不活性ガスを
導入する上記(13)ないし(18)のいずれかに記載の光
学多層薄膜の製造方法。
【0029】(20) 前記薄膜の成膜速度を1〜100
nm/min とする上記(12)ないし(19)のいずれかに記
載の光学多層薄膜の製造方法。
【0030】(21) 前記金属はAlである上記(12)
ないし(20)のいずれかに記載の光学多層薄膜の製造方
法。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の光学多層薄膜は、屈折率
の異なる薄膜が周期的に積層されており、少なくとも2
以上の相異なる薄膜は同一の金属を含む化合物から構成
されることを特徴とする。このような構成とすることに
より、薄膜を例えば蒸着法により形成する場合、蒸着源
を1つにすることが可能であり蒸着源の構成を簡単にす
ることができる。
【0032】このような光学多層薄膜としては、同一金
属元素を含む金属化合物であって例えば、酸化物、窒化
物およびフッ化物、塩化物等のハロゲン化物等から選択
された少なくとも2種類の金属化合物からなる薄膜が周
期的に積層されたものが挙げられる。
【0033】なかでも、金属窒化物からなる金属窒化物
薄膜と、それと同一金属の酸化物からなる金属酸化物薄
膜とで構成される光学多層薄膜が好ましい。これらを周
期的に積層することにより、反射防止機能等を有する光
学多層薄膜を容易に構成することができる。
【0034】前記金属窒化物薄膜および金属酸化物薄膜
のうち、少なくともいずれか一方はイオンアシストまた
はイオンプレーティングにより形成されたものが好まし
い。このような方法で形成された薄膜は、通常の真空蒸
着法により形成された薄膜よりも膜密度が高く密着性に
優れ、膜剥れ、クラックの発生等を有効に防止すること
ができる。さらに、成膜条件の選択によって膜内応力を
制御することができる。そのうえ、膜厚、屈折率の再現
性にも優れるため、光学多層薄膜の光学特性の安定性を
より向上させることができる。
【0035】金属窒化物薄膜および金属酸化物薄膜から
なる光学多層薄膜は、例えば図1に示すようなイオンア
シスト蒸着装置10aを用いて形成することができる。
【0036】イオンアシスト蒸着装置10aは、主とし
て減圧状態を維持・調整可能な真空槽3を備え、該真空
槽3内には薄膜原料を供給する蒸着源4と、蒸着源4を
加熱・蒸発させる電子ビーム6と、反応性ガスを活性化
しガスイオンを生成するためのイオン銃5とが収容され
ている。
【0037】真空槽3内は、蒸着薄膜の密着性の維持・
向上のため成膜前に1.0×10-4〜2.0×10-3
a程度に保たれていることが好ましい。
【0038】基板2は、真空槽3内に図示しない基板ホ
ルダーにより複数個取付けられており、必要に応じて基
板ホルダーが回転し、各基板2上に薄膜が均等に形成さ
れるよう構成されている。
【0039】基板2としては特に限定されず、ガラス基
板、樹脂製基板等任意のものを使用することができる。
【0040】蒸着源4は、電子ビーム6により加熱され
蒸発する。蒸発した金属は、後述するガスイオンと反応
し金属化合物を生成して基板2に到達し薄膜を形成す
る。
【0041】本発明では、蒸着源4として例えばAl等
のような金属単体を使用し、蒸着雰囲気中に導入される
ガスイオンを切り換えることにより少なくとも2以上の
相異なる薄膜を形成する。
【0042】このような成膜方法によれば、複数の異な
る蒸着膜を形成する場合に各薄膜の成膜工程毎に蒸着源
を交換する必要がないため、他の金属元素等が真空槽3
内に残留して蒸着膜に混入するおそれがない。したがっ
て組成が均一で、安定した光学特性を有する薄膜を再現
性よく形成することができる。また、蒸着源の切換え機
構等を不要とすることにより、装置や工程を簡略化でき
る等、製造コストを低減させることができる。
【0043】蒸着源4としてAlを使用した場合、反応
性ガスとしてO2 ガスを1.0×10-2〜2.0×10
-1Pa程度供給すると酸素イオンが生成し、Alと反応
してAl23からなる金属酸化物薄膜が成膜される。ま
た、O2 ガスの代わりにN2ガスを1.0×10-2
2.0×10-1Pa程度供給すると窒素イオンが生成
し、AlNからなる金属窒化物膜を成膜することができ
る。このように反応性ガス種を切換えるだけで金属酸化
物と金属窒化物とからなる積層膜を容易に形成すること
ができる。
【0044】蒸着源電源7は、電子ビーム6の出力を制
御し成膜速度を調節する。成膜速度は、1〜100nm/
min 程度が好ましく、5〜80nm/min 程度がより好ま
しい。成膜速度が遅すぎると成膜工程に長時間を要する
こととなり製造効率が悪くなり、一方、速すぎる場合、
膜密度が低下したり膜厚が不均一となるおそれがある。
【0045】イオン銃5は、図示しないガス切換え機構
を備えるガス管8を経て供給された反応性ガスを活性化
し、ガスイオンを生成する。このガスイオンは、蒸着源
4から蒸発した金属と衝突して化学反応しながら拡散
し、基板2に向かっていく。
【0046】反応性ガスとしては、例えばN2 、O2
よびF2 、Cl2 等のハロゲンガス等が挙げられる。
【0047】また、窒素イオン、酸素イオン等のガスイ
オンは、不活性ガスとともに真空槽3内に導入されるこ
とが好ましい。これにより真空槽3内の装置部品(例え
ば電子ビームフィラメント等)との過剰な反応を抑制
し、真空槽3内部品の寿命を延ばして安定に成膜するこ
とができる。不活性ガスとしては、He、Ne、Ar、
Kr、Xe等が挙げられ、これらを単独であるいは混合
して用いることができる。
【0048】イオン銃5の駆動は高電圧配線9により制
御される。これによりガスイオンの生成出力を調節する
ことができる。
【0049】図3に、膜厚1000nmのAlN薄膜をイ
オンアシストにより成膜した場合のイオン生成出力と膜
内応力との関係を示す。
【0050】なお、成膜条件は、蒸着源としてAlを使
用し、成膜速度を20nm/min 、N2 ガスの供給量を
1.0×10-1Paとした。
【0051】図3のグラフから明らかなように、反応性
ガスのイオン生成出力が0、すなわち通常の真空蒸着の
場合、形成される薄膜には引張応力が作用する。イオン
生成出力が増加するに従って引張応力が小さくなり、や
がて膜内応力0となる。その後、膜内応力は圧縮応力へ
と転移しイオン生成出力の増加に伴って圧縮応力も増加
する。
【0052】したがって光学多層薄膜の膜内応力(絶対
値)を小さくするためには、全体として応力バランスを
とることは困難であること等から、各薄膜の膜内応力値
を0N/m2を目標としてイオン生成出力を選択すればよい
ことがわかる。
【0053】このことから例えばAlN薄膜の形成にお
いて、窒素イオンのイオン生成出力は0kWより大きく4
kW以下とすることが好ましく、0.5〜1.5kWとする
ことがより好ましい。
【0054】図4は、膜厚1000nmのAl23薄膜を
イオンアシストにより形成したときの酸素イオン生成出
力と膜内応力との関係を示す。
【0055】蒸着源、成膜速度およびO2 ガスの供給量
等の成膜条件については上記と同様としたものである。
【0056】図4のグラフに示されるように、酸素イオ
ン生成出力と膜内応力との間には窒素イオン生成出力の
場合と同様の関係がみられる。
【0057】したがって、Al23薄膜の形成において
各膜内応力値を0N/m2を目標としてイオン生成出力を選
択すれば、酸素イオンのイオン生成出力は0kWより大き
く4kW以下とすることが好ましく、0.5〜1.5kWと
することがより好ましい。
【0058】さらに、本発明の光学多層薄膜は、図2に
示すようなイオンプレーティング装置10bを用いて形
成することができる。
【0059】イオンプレーティング装置10bは、主と
して減圧状態を維持・調整可能な真空槽3を備え、該真
空槽3内には薄膜原料を供給する蒸着源4と、蒸着源4
を加熱・蒸発させる電子ビーム6と、反応性ガスを活性
化しガスイオンを生成するためのイオン銃5とが収容さ
れている。また、イオン銃5と蒸着源4との間に引出電
圧を印可するための電源11を有する。
【0060】電気的に絶縁された基板2は、真空槽3内
に図示しない基板ホルダーにより複数個取付けられてお
り、必要に応じて基板ホルダーが回転することにより各
基板2上に薄膜が均等に形成されるよう構成されてい
る。
【0061】真空槽3内は、蒸着薄膜の密着性の維持・
向上のため成膜前に1.0×10-4〜2.0×10-3
a程度に保たれていることが好ましい。
【0062】蒸着源4は、電子ビーム6により加熱され
て蒸発する。蒸発した金属は、後述するガスイオンと反
応し金属化合物を生成して基板2に到達し薄膜を形成す
る。
【0063】上述したイオンアシストの場合と同様に、
蒸着源4として例えばAl等のような金属単体を使用
し、蒸着雰囲気中に供給するガスイオンを切換えること
によって、少なくとも2以上の相異なる薄膜を形成する
ことができる。
【0064】蒸着源電源7は電子ビーム6の出力を制御
し、成膜速度を調節する。成膜速度はイオンアシストの
場合と同様、1〜100nm/min 程度が好ましく、5〜
80nm/min 程度がより好ましい。
【0065】イオン銃5は、図示しないガス切換機構を
備えたガス管8を経て供給される反応性ガスを活性化し
ガスイオンを生成する。このガスイオンは、イオン銃5
と蒸着源4との間に印可された引出電圧により、蒸着源
4に向かって飛ばされる。そこで蒸着源4の金属と反応
し、例えば金属窒化物、金属酸化物等の化合物となり基
板2上に蒸着膜として堆積する。
【0066】イオン銃5の駆動は高電圧配線9により制
御される。これによりガスイオンの生成出力を調節する
ことができる。
【0067】イオンプレーティングによる成膜の場合に
おいても、イオン生成出力と膜内応力とはイオンアシス
トの場合と同様の関係が成立する。したがって、窒素イ
オンのイオン生成出力は0kWより大きく4kW以下とする
ことが好ましく、0.5〜1.5kWとすることがより好
ましい。また、同様に酸素イオン生成出力は0kWより大
きく4kW以下とすることが好ましく、0.5〜1.5kW
とすることがより好ましい。
【0068】反応性ガス、使用し得る不活性ガス、基板
2等についてはイオンアシストの場合と同様のものを挙
げることができる。
【0069】金属窒化物薄膜および金属酸化物薄膜の成
膜方法は、蒸着源を同じにする方法であれば、同じ成膜
方法によるものであっても異なる成膜方法によるもので
あってもよいが、同じ成膜方法によることが好ましい。
これにより成膜条件等の制御がより容易になり、膜性状
の安定性を向上させることができる。
【0070】前記金属窒化物薄膜および金属酸化物薄膜
の膜内応力の絶対値は、各々膜厚が1000nmであると
き4×108N/m2 未満であることが好ましい。膜厚が1
000nmであるときの膜内応力の絶対値が4×108N/m
2 以上であると、薄膜を多数積層した場合、たとえ相反
する方向に働く膜内応力をもった薄膜を組合せて応力緩
和を図ったとしても、基板の面形状等によっては膜内応
力の制御が困難になる場合がある。また、積層数が多く
なるとクラックが発生し易く、光学特性の維持が困難に
なる場合がある。
【0071】さらに、光学多層薄膜全体の膜内応力は、
その絶対値が2×108N/m2 未満であることが好まし
い。これにより光学素子の面形状の変化を防止でき、光
学特性を安定させることができる。
【0072】また、本発明の光学多層薄膜は、可視光領
域(350〜750nm)付近において、25℃における
反射率曲線と100℃における反射率曲線との間にみら
れる波長シフトが1nm以下であることが好ましい。この
ような光学多層薄膜は膜密度が十分高く、温度、湿度が
大きく変化しても各薄膜の膜強度、密着性等の物理的特
性が維持されるため光学特性が変化しない。したがっ
て、厳しい環境下で使用される光学素子への適用も可能
である。
【0073】薄膜を構成する金属としては特に限定され
ないがAlが好ましい。Al化合物からなる薄膜は、成
膜条件および成膜方法による膜内応力の制御性が良好で
あり、特に光学特性の優れた光学多層薄膜の製造が可能
である。
【0074】以上、本発明の光学多層薄膜および光学多
層薄膜の製造方法を図を用いて説明したが、本発明はこ
れらに限定されるものではなく、例えば、薄膜形成中に
成膜条件を変化させてもよく、成膜方法を切換えてもよ
い。さらに、成膜条件や成膜方法の切換えは、1回に限
らず複数回であってもよい。
【0075】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0076】1.光学多層薄膜の製造 Bk7ガラス製の平板を基板として、イオンアシスト
(IAD)により金属窒化物薄膜としてAlN薄膜と、
金属酸化物薄膜としてAl23薄膜とを交互に形成し、
層数38の光学多層薄膜を製造した。
【0077】イオン銃5の加速電圧を100V、引出電
流を10A程度とし、蒸着源電源7の加速電圧を10k
V、照射電流を0.2A程度とした。イオン生成出力お
よびその他の成膜条件等を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】(比較例)TiO2 薄膜とSiO2 薄膜と
を通常の真空蒸着法で形成し、交互に積層してなる層数
38の光学多層薄膜を製造した。
【0080】なお、TiO2 薄膜の形成時にはO2 ガス
を導入し、SiO2 薄膜形成時にはO2 ガスを導入しな
いで蒸着を行った。その他の成膜条件等を表1に示す。
【0081】2.光学特性の評価 実施例および比較例で製造された光学多層薄膜の光学特
性について評価を行った。
【0082】25℃と100℃における反射率曲線を比
較し、波長シフトの有無を調べた。図5(実施例)およ
び図6(比較例)に各光学多層薄膜の反射率曲線(25
℃、100℃)を示す。なお、反射率測定は入射角10
°で行った。
【0083】この結果、実施例の光学多層薄膜は、25
℃、100℃の両温度における反射率曲線は全く同じで
あり、温度変化によっても光学特性を安定に維持するこ
とがわかった。一方、比較例の光学多層薄膜は、25℃
から100℃への温度変化により、反射率曲線が約5〜
10nm短波長側へシフトした。
【0084】これらの結果から、本発明の光学多層薄膜
は薄膜の膜密度が高く膜性状に優れていることがわか
る。したがって、温度変化に対しても安定に光学特性を
維持するものであった。これに対し、比較例の光学多層
薄膜は膜密度が低く、温度変化により光学特性が変化し
てしまう不安定なものであった。
【0085】3.膜内応力評価 実施例および比較例で製造した各光学多層薄膜の各薄膜
(膜厚1000nm)および光学多層薄膜全体の膜内応力
について評価を行った。
【0086】各薄膜の膜内応力の評価は、まず実施例と
同様の条件でAlN薄膜、Al23薄膜を、比較例と同
様の条件でTiO2 薄膜、SiO2 薄膜(各膜厚:10
00nm)を成膜し、各薄膜について波長632.8nmの
レーザ光を利用した干渉計を用いて表面の平面度を示す
干渉縞数を測定し、下記式(1)から基板変形の曲率半
径rを算出した。
【0087】 r=(D2 +n2λ2)/4nλ・・・(1) D:基板上の干渉縞直径 n:干渉縞直径D内の干渉縞数 λ:光源波長(632.8nm)
【0088】次に、(1)で求めた基板変形の曲率半径
rから下記式(2)に基づいて、各薄膜について膜厚1
000nmであるときの膜内応力Fを算出した。
【0089】F=Eb2 /6rd・・・(2) E:基板のヤング率 b:基板の厚さ d:蒸着薄膜の厚さ(各1000nm)
【0090】式(1)および式(2)の関係から、膜内
応力Fは、膜厚dに殆ど依存しないことがわかる。すな
わち、膜厚dが異なると干渉縞数nは変化し、その干渉
縞数nから求められる曲率半径rもまた変化する。これ
により膜内応力Fは、干渉縞数nおよび曲率半径rによ
り膜厚dの変化が相殺されることとなり膜厚dに殆ど依
存しないこととなる。
【0091】このことから、膜厚1000nmにおける膜
内応力の絶対値が4×108N/m2 未満であれば、実際の
光学多層薄膜を構成する各薄膜の膜内応力も同じ程度で
あることがわかる。
【0092】光学多層薄膜全体の膜内応力は、光学多層
薄膜を形成し、上記と同様の方法により求めた。なお、
膜厚dは実施例および比較例で成膜された各光学多層薄
膜全体の膜厚とした。評価結果を表1に示す。プラス値
は圧縮応力を、マイナス値は引張応力を示す。
【0093】表1の結果から、実施例の光学多層薄膜は
各々膜厚1000nmのときの膜内応力が十分に小さく
(いずれも絶対値が4×108N/m2 未満)、多層薄膜全
体の膜内応力の絶対値は2×108N/m2 未満であり基板
の表面形状を殆ど変化させないものであった。
【0094】一方、比較例の光学多層薄膜は、TiO2
が引張応力、SiO2 が圧縮応力を有しており、両者の
応力値の差が大きくバラツキも大きかった。したがって
全体として膜内応力は相殺されず、表面形状を変化させ
てしまう程、膜内応力が大きく作用していることがわか
った。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光学多層薄
膜の製造方法によれば、全体として膜内応力を低減する
ことができるため、基板の表面形状を変化させず、また
薄膜の密着性を維持・向上させることができる。
【0096】また、本発明の方法により製造された光学
多層薄膜は、膜性状に優れているため剥れやクラック等
を生じることがない。さらに温度変化に対しても膜性状
が変化せず、安定した光学特性を発揮する。したがっ
て、高性能、高耐久性が要求される光学素子に応用する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学多層薄膜の製造方法に用いられる
装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の光学多層薄膜の製造方法に用いられる
装置の他の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の光学多層薄膜の製造方法の一例におけ
るイオン生成出力と膜内応力との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の光学多層薄膜の製造方法の一例におけ
るイオン生成出力と膜内応力との関係を示すグラフであ
る。
【図5】実施例の光学多層薄膜の光学特性を示すグラフ
である。
【図6】比較例の光学多層薄膜の光学特性を示すグラフ
である。
【符号の説明】
2 基板 3 真空槽 4 蒸着源 5 イオン銃 6 電子ビーム 7 蒸着源電源 8 ガス管 9 高電圧配線 10a イオンアシスト蒸着装置 10b イオンプレーティング装置 11 電源

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる薄膜が周期的に積層され
    た光学多層薄膜であって、 少なくとも2以上の相異なる前記薄膜は同一の金属を含
    む化合物から構成されることを特徴とする光学多層薄
    膜。
  2. 【請求項2】 前記光学多層薄膜は金属窒化物薄膜と金
    属酸化物薄膜とで構成される請求項1に記載の光学多層
    薄膜。
  3. 【請求項3】 前記金属窒化物薄膜および前記金属酸化
    物薄膜のうち少なくともいずれか一方はイオンアシスト
    により形成されたものである請求項2に記載の光学多層
    薄膜。
  4. 【請求項4】 前記金属窒化物薄膜および前記金属酸化
    物薄膜のうち少なくともいずれか一方はイオンプレーテ
    ィングにより形成されたものである請求項2に記載の光
    学多層薄膜。
  5. 【請求項5】 前記金属窒化物薄膜は前記金属を蒸着源
    とし、蒸着雰囲気中に導入される窒素イオンのイオン生
    成出力を0kWより大きく4kW以下とする条件で成膜され
    た請求項3または4に記載の光学多層薄膜。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物薄膜は前記金属を蒸着源
    とし、蒸着雰囲気中に導入される酸素イオンのイオン生
    成出力を0kWより大きく4kW以下とする条件で成膜され
    た請求項3ないし5のいずれかに記載の光学多層薄膜。
  7. 【請求項7】 前記薄膜は同じ成膜法により形成された
    ものである請求項1ないし6のいずれかに記載の光学多
    層薄膜。
  8. 【請求項8】 前記金属はAlである請求項1ないし7
    のいずれかに記載の光学多層薄膜。
  9. 【請求項9】 前記金属窒化物薄膜および前記金属酸化
    物薄膜の膜内応力の絶対値は、各々膜厚が1000nmで
    あるとき4×108N/m2 未満である請求項1ないし8の
    いずれかに記載の光学多層薄膜。
  10. 【請求項10】 前記光学多層薄膜全体の膜内応力の絶
    対値が2×108N/m 2 未満である請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の光学多層薄膜。
  11. 【請求項11】 可視光領域において25℃における反
    射率曲線と100℃における反射率曲線との間の波長シ
    フトが1nm以下である請求項1ないし10のいずれかに
    記載の光学多層薄膜。
  12. 【請求項12】 屈折率の異なる薄膜が周期的に積層さ
    れた光学多層薄膜の製造方法であって、 少なくとも2以上の相異なる前記薄膜を同一の金属を蒸
    着源とする成膜法により形成することを特徴とする光学
    多層薄膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 蒸着雰囲気中に窒素イオンを導入して
    前記金属の窒化物からなる金属窒化物薄膜を成膜する工
    程と、 蒸着雰囲気中に酸素イオンを導入して前記金属の酸化物
    からなる金属酸化物薄膜を成膜する工程とを有する請求
    項12に記載の光学多層薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金属窒化物薄膜を成膜する工程お
    よび前記金属酸化物薄膜を成膜する工程のうち少なくと
    もいずれか一方をイオンアシストによる請求項13に記
    載の光学多層薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金属窒化物薄膜を成膜する工程お
    よび前記金属酸化物薄膜を成膜する工程のうち少なくと
    もいずれか一方をイオンプレーティングによる請求項1
    3または14に記載の光学多層薄膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記金属窒化物薄膜の成膜工程と前記
    金属酸化物薄膜の成膜工程とを同じ成膜方法によるもの
    とする請求項13ないし15のいずれかに記載の光学多
    層薄膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記窒素イオンのイオン生成出力が0
    kWより大きく4kW以下である請求項13ないし16のい
    ずれかに記載の光学多層薄膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記酸素イオンのイオン生成出力が0
    kWより大きく4kW以下である請求項13ないし17のい
    ずれかに記載の光学多層薄膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記蒸着雰囲気中に不活性ガスを導入
    する請求項13ないし18のいずれかに記載の光学多層
    薄膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記薄膜の成膜速度を1〜100nm/
    min とする請求項12ないし19のいずれかに記載の光
    学多層薄膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記金属はAlである請求項12ない
    し20のいずれかに記載の光学多層薄膜の製造方法。
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