JPH11326059A - 光学測定方法、光学測定装置および画像形成装置 - Google Patents

光学測定方法、光学測定装置および画像形成装置

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JPH11326059A
JPH11326059A JP10133266A JP13326698A JPH11326059A JP H11326059 A JPH11326059 A JP H11326059A JP 10133266 A JP10133266 A JP 10133266A JP 13326698 A JP13326698 A JP 13326698A JP H11326059 A JPH11326059 A JP H11326059A
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light
photoelectric conversion
conversion element
mirror
optical
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Application number
JP10133266A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hotta
宏之 堀田
Yoshihiko Sakai
義彦 酒井
Seigo Makita
聖吾 蒔田
Hisao Ito
久夫 伊藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物の変動に影響されない高精度の測
定を行うことができるとともに、測定装置を薄型かつ安
価に構成できるようにする。 【解決手段】 光源41からの光を、紙面37a上の反
射領域42に照射し、反射領域42で反射(散乱または
拡散を含む)した光を、さらにミラー43で反射させ
る。ミラー43の焦点位置Fを含む面内に、反射領域4
2で反射し、さらにミラー43で反射した光のうちの任
意の一部の領域である特定領域を設定して、この特定領
域を通過する光のみをすべて、光電変換素子44で受光
する。この光電変換素子44の受光出力から、紙面37
a上に形成された画像の濃度を測定する。特定領域を開
口とし、または特定領域の位置に集光レンズを配置し
て、開口または集光レンズを透過した光を光電変換素子
で受光するようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、カラー
プリンタなどの画像形成装置(画像出力装置)におい
て、出力されるプリント画像の画質を高精度で測定する
ことができる光学測定方法および光学測定装置に関す
る。また、この光学測定装置を内蔵し、その測定結果を
フィードバックして画質制御を行うことができる画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを中心としたネットワーク
技術の進展により、画像出力装置としてのプリンタをネ
ットワークに接続するネットワークプリンタが急速に普
及している。特に、出力する画像のカラー化に伴い、近
年、カラープリンタの開発が盛んになっており、カラー
画質の安定性の向上、複数のカラープリンタ間における
カラー画質の均一化などの要求が高まってきている。
【0003】この要求のため、出力された画像の画質、
特にカラー画像の場合には色差を測定して、その測定結
果を画像形成の各工程にフィードバックする必要性が高
まっており、特に、プリンタに測定装置を内蔵させて、
出力された画像の画質をオンラインでモニターし、その
測定結果をフィードバックする技術が重要視されてきて
いる。そのため、プリンタに内蔵する、この種の測定装
置として、小型であるが高精度で、低コストの測定装置
が要求されている。
【0004】オフラインにより、用紙などの画像形成媒
体を固定した状態で、画質を測定する装置としては、高
精度の測定が可能な、X−riteと呼ばれている測色装置
が広く使用されている。
【0005】しかし、オンラインの測色装置としては、
上記のX−riteのような高精度のものは、現在のとこ
ろ、実用化されていない。これは、オンラインでの測色
では、測定対象物である画像形成媒体としての用紙の紙
面の、搬送系による上下変動、すなわち用紙の進行方向
に垂直な方向の変動が問題となり、正確な測定ができな
いためである。
【0006】すなわち、上記のX−riteなどで用いられ
ている、光源、レンズおよび受光素子(光電変換素子)
を組み合わせた光学系を用いて、上下変動する紙面を測
定する場合には、例えば、紙面が上下に1mm程度変動
すると、紙面で反射および散乱して受光素子に受光され
る光量が変動するため、受光素子の出力は15%程度変
化し、受光素子の出力に大きな誤差を生じて、正確な測
色をすることができない。
【0007】このような紙面の上下変動を補正して測色
をする、オンライン用の測色装置も提案されている。こ
の装置は、図14に示すように、特性測定ユニット1、
距離測定ユニット2および距離補正計算ユニット3によ
って構成される。
【0008】特性測定ユニット1は、測定対象物である
用紙4が矢印方向に搬送される際に、測色センサによっ
て、用紙4上に形成されているカラー画像を測色し、そ
の測色出力を距離補正計算ユニット3に供給する。
【0009】距離測定ユニット2は、用紙4の搬送方向
において特性測定ユニット1より手前の位置に設けら
れ、距離検出センサによって、その位置における用紙4
の上下変動を測定し、その測定出力を距離補正計算ユニ
ット3に供給する。特性測定ユニット1と距離測定ユニ
ット2との用紙搬送方向の距離Dは、例えば70mmと
される。
【0010】距離補正計算ユニット3は、特性測定ユニ
ット1からの測色出力を、距離測定ユニット2からの用
紙4の上下変動の測定出力を用いて補正して、用紙4の
上下変動の影響を除去し、その補正後の測色出力を測定
結果として出力する。
【0011】一方、特開昭63−16247号公報に
は、測定結果が一定の範囲内であれば測定装置から試料
(測定対象物)までの距離に実質的に影響されないとさ
れる拡散反射率測定装置が示されている。この装置は、
被測定面上における照明光の強度を均一にすることによ
って、その目的を達成しようとするもので、その概略構
成を図15に示す。
【0012】図15に示すように、この装置は、光源と
して点光源11を用いるとともに、この点光源11を集
光レンズ12の焦点位置に配置する。これによって、点
光源11から発した光は、集光レンズ12により平行光
となり、矢印10aの方向に搬送される用紙の紙面10
bに入射する。このとき、紙面10b上の光照明範囲W
を測定範囲mより大きくする。そして、紙面10b上
の、この測定範囲mからの反射光をレンズ13を介して
光ファイバ14の端面14aで受光する。
【0013】この方法は、紙面10bに対して平行光を
入射させることによって、光照明範囲Wより小さい測定
範囲mでは、照明強度を、紙面10bと点光源11およ
び光ファイバ端面14aとの間の距離に無関係に、ほぼ
一定に維持できるようにするものである。そして、照明
強度を一定に維持できることにより、紙面10bが上下
方向に一定範囲Δd内で変動しても、測定結果を、紙面
10bと光ファイバ端面14aとの間の距離に実質的に
影響されないようにすることができる、というものであ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
の測定装置では、特性測定ユニット1と距離測定ユニッ
ト2とを、用紙搬送方向に距離Dだけ離さなければなら
ないため、各測定対象箇所についての測色と距離測定と
を同時に行うことができず、高精度の補正を行うことは
困難であって、測色出力の高精度化に対して大きな制約
となる。
【0015】また、構成的にも、特性測定ユニット1と
距離測定ユニット2とが必要になるとともに、補正計算
が必須となるため、装置が大掛かりとなり、価格も高価
になる欠点がある。
【0016】また、図15に示した特開昭63−162
47号公報の方法は、光源として点光源11を用い、集
光レンズ12により平行光とすることによって、紙面1
0b上の測定範囲mにおける照明強度をほぼ一定に維持
し、これにより紙面10bの上下変動に影響されない測
定結果を得るようにしているが、元来、完全な点光源は
存在しないため、点光源11を集光レンズ12の焦点位
置に配置しても、光量が均一な照明とはならず、また平
行光にもならない。そのため、実際には、紙面10bの
上下変動によって紙面10b上の照明強度は変化してし
まう。
【0017】さらに、受光系は、紙面10bからの反射
光がレンズ13を介して光ファイバ端面14a上で結像
する構成であるため、紙面10bが上下に変動して反射
点の位置がずれると、結像点も光ファイバ端面14aか
らずれてしまい、結局、この公報の方法では、紙面10
bの上下変動の影響のない測定結果を得ることは困難で
ある。
【0018】以上のような方法のほかに、紙面の上下変
動を抑える一般的な対策として、ローラなどにより用紙
を押さえ付ける方法も考えられる。しかしながら、紙面
上に形成されたトナー画像などの画像の剥離やずれを防
止しなければならないために、強く押さえることには限
界があり、また、仮に強く押さえることができるとして
も、用紙の上下変動量をゼロにすることは不可能で、少
なくとも数100μm程度の変動は残る。そのため、受
光素子の出力が変化し、高精度の測定出力を得ることは
できない。
【0019】そこで、発明者は先に、用紙などの測定対
象物の変動に影響されない高精度の測定を行うことがで
きるとともに、測定装置を小型かつ安価に構成できる測
定方法を発明し、特願平9−198373号、特願平9
−199010号および特願平10−16637号によ
って提案した。
【0020】これら先願の発明は、互いに相対位置が一
定となるように設置した光源、レンズおよび光電変換素
子を用い、光源からの光を測定対象物に照射し、測定対
象物からの反射光をレンズを介して光電変換素子で受光
し、光電変換素子の受光出力から、測定対象物に関する
特性を測定する方法において、特に、レンズの後側焦点
面(測定対象物と反対側の焦点面)、または所定範囲内
で後側焦点面より幾分レンズに近い位置に、レンズを通
過した測定対象物からの反射光(散乱光や拡散光を含
む)のうちの任意の一部の領域である特定領域を設定し
て、この特定領域を通過する光のみをすべて光電変換素
子で受光し、この光電変換素子が受光した総光量を光電
変換素子の出力とするものである。
【0021】これら先願の発明によれば、測定対象物の
被測定面、例えば用紙の紙面の、レンズ光軸方向の変動
に影響されない高精度の測定を行うことができるととも
に、測定装置を小型かつ安価に構成することができる。
【0022】しかし、これら先願の発明では、レンズの
後方側、すなわちレンズの測定対象物と反対側に特定領
域を設定して、その特定領域の位置に光電変換素子を設
置し、または特定領域の位置に開口または集光レンズを
設けて、その後方側に光電変換素子を設置するので、測
定装置の薄型化に限界があり、例えば測定装置を画像形
成装置に内蔵する場合、画像形成装置や、測定装置の設
置位置によっては、スペース上、測定装置を内蔵するの
が困難となることがある。
【0023】そこで、この発明は、測定対象物の変動に
影響されない高精度の測定を行うことができるととも
に、測定装置を薄型かつ安価に構成できるようにしたも
のである。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明の光学測定方法
は、互いに相対位置が一定となるように設置した光源、
ミラーおよび光電変換素子を用い、前記光源からの光を
測定対象物に照射し、この測定対象物からの反射光を前
記ミラーを介して前記光電変換素子で受光し、この光電
変換素子の受光出力から、前記測定対象物に関する特性
を測定する方法において、特に、前記ミラーの焦点位置
を含む面内に、前記測定対象物で反射し、さらに前記ミ
ラーで反射した光のうちの任意の一部の領域である特定
領域を設定して、この特定領域を通過する光のみをすべ
て前記光電変換素子で受光し、この光電変換素子が受光
した総光量を、この光電変換素子の出力とする。
【0025】この場合、前記ミラーのコニック・コンス
タンスを−0.9から−1.1までの間とすることが望
ましい。
【0026】また、この場合、前記光電変換素子は、前
記特定領域の位置に配置して、前記特定領域の面積を受
光面積とするものとし、または、前記特定領域を開口と
して、前記光電変換素子は、この開口を通過する光のみ
をすべて受光するものとし、もしくは、前記特定領域の
位置に、この特定領域を通過する光のみをすべて前記光
電変換素子に入射させる集光レンズを配置することがで
きる。
【0027】なお、この発明における、測定対象物での
「反射」は、正反射だけでなく、散乱や拡散を含むもの
である。
【0028】
【作用】上記の構成の、この発明の光学測定方法におい
ては、ミラーの焦点位置を含む面内に設定された特定領
域には、測定対象物からの反射光(上記のように散乱光
や拡散光を含む)のうち、ミラー光軸方向に対して、そ
の特定領域の面積により定まる特定の角度範囲内に入る
光のみが集まり、その光のみがすべて光電変換素子で受
光される。
【0029】すなわち、測定対象物で反射した光のう
ち、ミラー光軸方向に対して特定の角度範囲内に入る光
のみが、光電変換素子に入射することになり、光電変換
素子の受光量は、測定対象物、例えば紙面がミラー光軸
方向に変動しても、その変動に影響されない。
【0030】この発明の原理を、図4を用いて示す。図
4は、測定対象物の例としての紙面で反射した光が、さ
らにミラーで反射して、ミラーの焦点位置Fを含む面4
3b内に設置された光電変換素子に入射する様子を示す
が、紙面で反射してミラーに入射する光と、ミラーで反
射して光電変換素子に入射する光とを、ミラー反射面4
3cの紙面側に重ねて示すと、複雑になって分かりにく
いので、入射側および反射側(折り返し側)とするよう
に、ミラーで反射して光電変換素子に入射する光は、紙
面で反射してミラーに入射する光に対して折り返して示
す。
【0031】この図4を用いて、光電変換素子に入射す
る光が紙面の上下変動に依存しないことを示す。図4に
おいて、点Oはミラーの中心、軸43aはミラーの光軸
である。ミラー反射面43cは、便宜上、平面として示
す。紙面201,202は、変動する紙面位置を示し、
結像面301,302は、その変動する紙面位置20
1,202に対応する結像面位置を示す。距離fは、ミ
ラーの中心Oから焦点位置Fまでの距離、点Cは、光電
変換素子の受光領域の端、距離rは、その受光領域の端
Cとミラーの焦点位置Fとの間の距離である。
【0032】ここで、光軸43aの方向に異なる紙面位
置201,202上の反射点A1,A2で反射し、さら
にミラーで反射して、結像面位置301,302上の結
像点B1,B2で結像する光を考えるとき、この光が光
電変換素子の受光領域の端Cを通るときの、反射点A
1,A2での反射角度(光軸43aの方向に対する角
度)をs1,s2とする。
【0033】また、紙面位置201,202とミラー反
射面43cとの間の距離をa1,a2、焦点位置Fを含
む面43bと結像面位置301,302との間の距離を
b1,b2、反射点A1,A2からの反射光のうちの光
軸43aに平行な光がミラー反射面43cで反射する点
をL1,L2とする。そして、反射点A1,A2で反射
して、光電変換素子の受光領域の端Cを通って結像点B
1,B2に結像する光がミラー反射面43cで反射する
点をM1,M2とする。さらに、点L1,M1間の距離
をd1、点L2,M2間の距離をd2とする。
【0034】この結像系におけるニュートンの式から、 (a1−f)/f=f/b1 …(1) (a2−f)/f=f/b2 …(2) が成り立つ。また、3角形B1L1M1と3角形B1F
Cの相似、および3角形B2L2M2と3角形B2FC
の相似から、 r/b1=d1/(b1+f) …(3) r/b2=d2/(b2+f) …(4) が成り立つ。
【0035】さらに、3角形A1L1M1および3角形
A2L2M2において、角度s1およびs2を用いて、 d1=a1・tan(s1) …(5) d2=a2・tan(s2) …(6) が成り立つ。
【0036】この式(5)(6)を、それぞれ式(3)
(4)に代入すると、 a1=(b1+f)r/(b1・tan(s1)) …(7) a2=(b2+f)r/(b2・tan(s2)) …(8) が得られ、さらに、この式(7)(8)を、それぞれ式
(1)(2)に代入すると、 r/tan(s1)=f …(9) r/tan(s2)=f …(10) が得られる。
【0037】そして、この式(9)(10)から、 s1=s2 …(11) が導き出される。
【0038】このことを一般化すると、光軸43aの方
向に変動する紙面の、紙面位置201,202などのそ
れぞれの紙面位置20i(iは1,2,3…)上の、反
射点A1,A2などのそれぞれの反射点Aiで反射し、
さらにミラーで反射して、結像面位置301,302な
どのそれぞれの結像面位置30i上の、結像点B1,B
2などのそれぞれの結像点Biで結像する光を考えると
き、この光が光電変換素子の受光領域の端Cを通るとき
の、反射点Aiでの反射角度をsiとすると、他のパラ
メータに関係なく、反射角度siが常に一定となる。
【0039】すなわち、紙面の変動に伴つて、紙面上の
反射領域が移動し、反射点Aiが移動しても、反射角度
siは常に一定である。紙面での反射(上記のように散
乱や拡散を含む)が理想的に生じているとすれば、反射
点Aiの状態が同一のとき、この反射角度si内に含ま
れる光線数は一定であると考えられるので、光電変換素
子の受光領域中のF−C間に入射する光量は、紙面・ミ
ラー間の距離aに依存しないで、反射点Aiの状態に応
じた正確な光量となる。
【0040】したがって、紙面上の特定の領域から反射
して光電変換素子に入射する光は、紙面とミラーとの間
の距離に依存せず、その領域の状態に応じたものとな
る。
【0041】なお、図4では各線分を平面上で表現して
いるが、実際の光学系は、ミラーの光軸43aを中心と
した回転体として考えることができる。すなわち、光電
変換素子の受光領域のF−C間の長さrは、光軸43a
を中心とした円の半径のように一定である必要はなく、
光電変換素子の受光領域は、円形や四角形など、任意の
形状にすることができる。
【0042】また、光電変換素子は、ミラーの焦点位置
Fを、その中心位置とする必要はなく、また、紙面から
の光がミラーで反射して入射する、焦点位置Fを含む面
43b内であれば、焦点位置Fを含まない位置に設置す
ることも可能である。
【0043】以上のように、この発明によれば、測定対
象物上の点から特定の角度範囲内に反射した光のみを、
ミラーの焦点位置を含む面内に設定した特定領域におい
て、光電変換素子により受光することによって、測定対
象物の上下変動にかかわらず常に、測定対象物上の反射
領域の反射率、濃度、色などの特性を正確に測定するこ
とが可能となる。
【0044】さらに、この発明によれば、先願の発明の
ようにレンズを用いる場合と比較すると、ミラーの測定
対象物側に光電変換素子を配置し、ミラー自体もレンズ
より薄くすることができるので、測定装置全体を薄型化
することができる。また、測定装置は光源、ミラーおよ
び光電変換素子によって構成できるので、測定装置を低
コストで製造することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、まず、この発明の光学測
定方法ないし光学測定装置を用いる、この発明の画像形
成装置の実施形態を示し、次いで、この発明の光学測定
方法および光学測定装置の実施形態を示す。
【0046】[画像形成装置の実施形態]図12は、こ
の発明の画像形成装置の一例の要部を示す。この例の画
像形成装置は、電子写真方式によって用紙上に画像を形
成するものである。
【0047】図では省略した画像入力部では、原槁上の
画像がスキャナにより読み取られて入力画像データが得
られ、または外部のコンピュータ上で生成された入力画
像データが装置内に取り込まれる。そして、同様に図で
は省略した画像処理部では、画像入力部からの入力画像
データに対して色変換や階調補正などの必要な処理がな
されて、画像出力部100で出力すべき出力画像データ
が得られる。
【0048】図では省略したスクリーンジェネレータに
より、画像処理部からの出力画像データが、その画素値
に応じてパルス幅が変調されたレーザ・オンオフ信号に
変換される。画像出力部100では、そのレーザ・オン
オフ信号により、レーザ出力部31のレーザダイオード
が駆動されて、レーザ出力部31から、画像信号によっ
て変調されたレーザ光が得られ、そのレーザ光が、感光
体32上に照射される。
【0049】感光体32は、スコロトロン帯電器33に
より一様に帯電されて、レーザ光が照射されることによ
り、感光体32上に静電潜像が形成され、その静電潜像
が形成された感光体32に対して現像器34の現像ロー
ルが当接することにより、その静電潜像がトナー像に現
像される。
【0050】さらに、その感光体32上のトナー像が、
転写器35によって用紙37上に転写され、その用紙3
7上のトナー像が、定着器36によって定着される。感
光体32は、トナー像が用紙37上に転写された後、ク
リーナ38によってクリーニングされて、1回の画像形
成過程が終了する。
【0051】画像出力部100では、画像形成装置の電
源投入時や、ユーザのマニュアル操作による装置のセッ
トアップ時に、バナーシートが出力される。ユーザのマ
ニュアル操作によるセットアップは、画像形成装置の図
では省略したユーザインタフェース上に設けられたモー
ド切換スイッチによって選択できるようにされ、このモ
ード切換スイッチによりマニュアルセットアップモード
が選択されると、ユーザが出力しようとした文書の出力
の直前にバナーシートが出力され、装置のセットアップ
が行われる。
【0052】そして、画像出力部100には、定着器3
6より後方の位置において、このバナーシート上に形成
された、画質制御用のパッチと呼ばれる基準パターンの
定着画像を測定する、上述した原理により後述するよう
な構成とされる、この発明の光学測定装置40が設けら
れる。この光学測定装置40では、用紙37上に光を照
射し、その反射光を受光して、反射率を測定し、その測
定値に基づいて濃度や色などの測定結果の情報を得る。
【0053】この光学測定装置40での測定結果の情報
は、画像制御部50に送られる。画像制御部50は、光
学測定装置40での測定結果をもとに、画像出力部10
0のレーザ出力部31、スコロトロン帯電器33または
現像器34などを制御して、出力画像の画質を制御す
る。
【0054】図13は、この例の画像形成装置の画像出
力部100の画質制御を主体とした構成を示す。画像出
力部100は、レーザ出力部31からのレーザ光の光量
を制御するための光量コントローラ101、スコロトロ
ン帯電器33のグリッド電源102、現像器34へのト
ナー供給を制御するためのディスペンスモータ103な
どを有する。
【0055】画像制御部50は、光学測定装置40での
測定結果に基づいて、すなわち基準パターンの定着画像
の濃度などの測定出力に基づいて、画像出力部100の
操作量、この例では、スコロトロン帯電器33のグリッ
ド電圧およびレーザ出力部31のレーザ出力パワーを制
御して、出力画像の画質を制御する。さらに、画像制御
部50は、光学測定装置40での測定結果に基づいて、
ディスペンスモータ103を駆動して、現像器34への
トナー補給量を制御し、現像濃度を制御して、出力画像
の画質を制御する。
【0056】なお、画像制御部50は、転写器35や定
着器36などにおける画質に関与するパラメータを制御
するように構成することもできる。
【0057】以上のように、この例の画像形成装置で
は、光学測定装置40での測定結果を画像制御部50に
フィードバックし、画像制御部50において、画像出力
部100のレーザ出力部31やスコロトロン帯電器33
などの各部を制御して出力画像の画質を制御することが
できる。このとき、用紙37は、その紙面が用紙搬送方
向と直交する上下方向に変動しながら移動するが、光学
測定装置40では、この紙面の上下変動に影響されずに
高精度の測定が行われる。
【0058】[光学測定方法および光学測定装置の実施
形態]図1は、この発明の光学測定装置の基本的構成を
示す。この発明の光学測定装置40は、基本的には、紙
面37a上の後述するように定められる反射領域42内
に光を照射する光源41と、この反射領域42からの反
射光をさらに反射させるミラー43と、このミラー43
の焦点位置Fを含む面内に設定する特定領域に設置する
光電変換素子44とによって構成する。
【0059】図4では、原理的に、特定領域を設定して
光電変換素子を設置する、ミラーの焦点位置Fを含む面
43bを、ミラーの光軸43aに垂直な面としたが、実
際的には、図1に示すように、ミラー43の収差を考慮
して、特定領域を設定して光電変換素子44を設置す
る、ミラー43の焦点位置Fを含む面を、ミラー43の
光軸43aに対して45°程度傾けた面とする。
【0060】紙面37a上の反射領域42は、図2にお
いて示すように設定する。ただし、図2でも、便宜上、
特定領域を設定して光電変換素子44を設置する、ミラ
ー43の焦点位置Fを含む面を、ミラー43の光軸43
aに垂直にする。
【0061】図2において、紙面で反射した光のうち、
光電変換素子44に入射する光は、直線G1−H1と直
線G2−H2との間のものとなり、これら直線G1−H
1,G2−H2の光軸43aの方向に対する角度si
は、式(9)(10)を満たすものとなる。すなわち、
紙面の変動にかかわらず、光電変換素子44の出力が一
定となるための、紙面からの反射光の範囲は、直線G1
−H1と直線G2−H2との間である。
【0062】この直線G1−H1と直線G2−H2との
間の距離giを求めると、まず、ミラー43の半径をR
とすると、点G1と点G2との間の距離g1は、 g1=R−r−c・tan(si) =R−r−c(r/f) =R−(1+c/f)r …(12) で表される。
【0063】この式(12)を用いて、一般的な距離g
iを求めると、 gi=g1−2・e・tan(si) =R−(1+c/f)r−2e(r/f) =R−(1+c/f+2e/f)r …(13) となる。
【0064】すなわち、紙面の変動にかかわらず、光電
変換素子44の出力が一定となるための、紙面からの反
射光の範囲は、式(13)において距離eをミラー43
の焦点位置Fと紙面との間の距離に置き換えたものとな
り、この範囲内に光源からの光を照射する。
【0065】ミラー43の断面形状は、平行光を焦点位
置Fに集光させるために、コニック・コンスタンス(C
onic Constance)が−1となる放物面が
最も好ましいが、コニック・コンスタンスが−0.9か
ら−1.1までの範囲内であれば、目的の性能を確保す
ることができる。
【0066】図1の例で、光源41としてLEDを用い
て、これからの光をミラー43の光軸43aに対して4
5°の角度で紙面37aに入射させ、ミラー43として
直径15mm、焦点距離7.5mmの放物ミラーを用い
て、その光軸43aを紙面37aに垂直にし、光電変換
素子44として直径1.2mmのPIN−Siフォトダ
イオードを用いて、これをミラー43の焦点位置Fを含
む位置においてミラー43の光軸43aに対して約40
°傾けて配置した場合、光学測定装置40全体は、全高
が約12mmという著しく薄型のものとなる。
【0067】この具体例の、紙面37aの光軸43aの
方向の変動に対する光電変換素子44の出力の変化を測
定したところ、紙面37aとミラー43の中心Oとの間
の距離aに対する光電変換素子44の出力Vは、図3に
示すようになり、出力Vの変化ΔVが0.2%未満とな
る距離aの範囲が1mmを超えることが認められた。上
述したように、この発明の方法ないし装置によらない場
合には、紙面の上下変動量が1mmのとき、受光出力の
変化が15%程度となるので、上記の具体例によって大
幅な高精度化を実現できることになる。
【0068】[光学測定方法および光学測定装置の他の
実施形態] (開口または集光レンズを設ける場合)図1に示した例
は、ミラー43の焦点位置Fを含む面内に設定した特定
領域の位置に直接、光電変換素子44を配置する場合で
あるが、この発明は、原理的に、この特定領域を通過す
る光のみをすべて光電変換素子44で受光すればよいの
で、光電変換素子44は、必ずしも特定領域の位置に配
置する必要はなく、特定領域の位置より後方(紙面37
aに近い側)に配置してもよい。
【0069】図5は、このように光電変換素子44を特
定領域の位置より後方に配置する場合の一例で、ミラー
43の焦点位置Fを含む面内の特定領域の位置に、遮光
部材45によって特定領域の大きさの開口45aを設け
て、この開口45aを通過する光のみをすべて、開口4
5aの後方に設けた光電変換素子44で受光する場合で
ある。
【0070】この例では、紙面37aで特定の角度範囲
内に反射して、ミラー43の焦点位置Fを含む面内の特
定領域に入射する光のみがすべて、開口45aを通過し
て光電変換素子44で受光されるので、光電変換素子4
4からは、図1の例と同様に、紙面37aの上下変動に
影響されない受光出力を得ることができる。
【0071】図6は、図5の例の開口45aの位置、す
なわち特定領域の位置に、特定領域の大きさの集光レン
ズ46を設けて、この集光レンズ46で集光される光の
みをすべて、集光レンズ46の後方に設けた光電変換素
子44で受光する場合である。
【0072】(画像の色を測定する場合)画像の色を測
定する場合には、一般的に、画像が形成された紙面に垂
直な方向に対して45度の方向から光を照射して、0度
の方向で受光する方法、または逆に、0度の方向から光
を照射して、45度の方向で受光する方法が採られる。
【0073】そこで、この発明でも、測色を行う場合に
は、光源41からの光を、ミラー43の光軸43aに対
して45°前後の角度で紙面37aに照射する。ただ
し、紙面37aの拡散方向の偏りが大きくなければ、4
5°前後に限る必要はない。
【0074】図1などの例において、光源41として
赤、緑または青の色光を発するものを用いることによっ
て、紙面37a上に形成された、それぞれ赤、緑または
青の補色であるシアン、マゼンダまたはイエローの画像
の濃度を、光電変換素子44の受光出力によって測定す
ることができる。また、ブラックの画像の濃度の測定用
には、上記の赤、緑または青の色光を発する光源、また
は白色光を発する光源を用いることができる。
【0075】このように、上述した例の光学測定装置に
おいて、光源41として赤、緑または青の色光を発する
ものを用いて、紙面37a上のシアン、マゼンダまたは
イエローの画像の濃度を測定した結果、紙面37aの上
下変動が1mm以上であっても、受光出力の変化を0.
2%以下に抑制することができた。これは、色差に関し
ては、濃度に応じて0.2以下から0.4程度までの判
別が可能なレベルに相当し、肉眼では判別不可能なレベ
ルの色差まで容易に判別可能となる。
【0076】さらに、赤、緑および青の色光を発する光
源などの複数の光源を設けて、これら複数の光源を順次
点灯させることによって、フルカラー画像の色を評価す
ることができる。
【0077】図7は、この場合の例を示し、紙面37a
上には、その進行方向に、それぞれ赤、緑、青の補色で
あるシアン、マゼンダ、イエローのパッチ画像が形成さ
れるもので、光源41として、それぞれ赤、緑、青の色
光を発する3つの光源41R,41G,41Bを配置す
る。
【0078】これら光源41R,41G,41Bを、紙
面37a上のシアン、マゼンダ、イエローの画像に同期
させて、光源切換器71によって切り換え、光電変換素
子44の受光出力を、増幅器63を介してゲート回路7
2R,72G,72Bに供給し、これらゲート回路72
R,72G,72Bを、光源切換器71からの切換信号
に同期させて、それぞれ光源41R,41G,41Bが
点灯する期間においてゲートが開く状態にして、ゲート
回路72R,72G,72Bから、それぞれ光源41
R,41G,41Bが点灯する期間における光電変換素
子44の受光出力SR,SG,SBを取り出し、その受
光出力SR,SG,SBを、図では省略した測定演算部
に供給する。
【0079】したがって、紙面37a上のシアン、マゼ
ンダ、イエローの画像の濃度を、ゲート回路72R,7
2G,72Bの出力SR,SG,SBによって測定する
ことができ、さらに、その出力SR,SG,SBを測定
演算部で総合的に計算することによって、フルカラー画
像の色を評価することができる。
【0080】紙面37a上にブラックのパッチ画像も形
成される場合には、光源41R,41G,41Bのいず
れかをブラックの画像の測定用に兼ねさせ、またはブラ
ックの画像の測定用に白色光を発する光源を追加すると
ともに、光電変換素子44の受光出力からブラックの画
像の測定出力を取り出すゲート回路を追加すればよい。
【0081】図8は、画像の色を測定する場合の他の例
を示す。この例では、用紙37上には、矢印で示す搬送
方向に対して直交する左右方向に並べられて、シアン、
マゼンダ、イエローおよびブラックのパッチ画像が形成
される。
【0082】そして、光学測定システムとして、それぞ
れ上述した光源41として赤、緑、青および赤の色光を
発する光源を用いた、上述したミラー43および光電変
換素子44を別個に有する4つの光学測定装置40R,
40G,40Bおよび40R2を、用紙37の搬送方向
に対して直交する左右方向に並べて設け、それぞれの光
学測定装置40R,40G,40Bおよび40R2によ
って、用紙37上のシアン、マゼンダ、イエローおよび
ブラックの画像の濃度を測定する。
【0083】したがって、光学測定装置40R,40
G,40Bおよび40R2の測定出力を総合的に計算す
ることによって、フルカラー画像の色を評価することが
できるとともに、その測定結果を画像形成装置の各工程
にフィードバックすることによって、画像形成装置にお
いて高画質の画像を得ることが可能となる。
【0084】図9は、画像の色を測定する場合のさらに
他の例を示す。この例では、図7の例のように複数の光
源を設けて、これを切り換える代わりに、ミラー43と
光電変換素子44との間に色フィルタ47を設けて、こ
れを色フィルタ交換手段48によって、測定する画像の
色に応じて切り換える。
【0085】そして、図7の例と同様に、色フィルタ4
7の切り換えに同期させて、光電変換素子44の受光出
力を取り出すことによって、紙面37a上に形成された
各色の画像の濃度を測定することができ、さらに、その
測定出力を測定演算部で総合的に計算することによっ
て、フルカラー画像の色を評価することができる。
【0086】なお、色フィルタ47は、光源41と紙面
37aとの間、または紙面37aとミラー43との間に
設けてもよい。
【0087】また、図5の例のように開口45aを設け
る場合には、開口45aと光電変換素子44との間に、
図6の例のように集光レンズ46を設ける場合には、集
光レンズ46と光電変換素子44との間に、色フィルタ
を設けてもよい。
【0088】図10は、画像の色を測定する場合のさら
に他の例を示す。この例では、図5の例のように開口4
5aを設ける場合に、その開口45aの位置に分光器4
9を設けて、紙面37aからの反射光を赤、緑、青の色
光などに分離し、それぞれの色光を別個の光電変換素子
44R,44G,44Bにより受光することによって、
紙面37a上に形成された各色の画像の濃度を測定す
る。
【0089】なお、分光器49は、開口45aの位置で
はなく、開口45aの後方(紙面37aに近い側)に設
けてもよい。さらに、図6の例のように集光レンズ46
を設ける場合にも、その集光レンズ46の後方に分光器
を設けて、同様に構成することができる。
【0090】(外乱光による影響の除去)上述した光学
測定装置においては、光源41からの光以外の室内の照
明光などが、外乱光として光電変換素子44に入射する
可能性がある。そこで、外乱光が光電変換素子44に入
射しないように装置周辺を筐体で覆うことも考えられる
が、以下のように構成することによって、外乱光による
影響をより確実に除去することができる。
【0091】すなわち、図11は、外乱光による影響を
除去する場合の例で、光源41を一定周期で点滅させ、
その点滅周期に合わせて光電変換素子44の受光出力を
取り出すことによって、外乱光による影響を除去するも
のである。
【0092】この例では、タイミング制御部61から光
源41の発光ドライブ回路62に、一定周期でハイレベ
ルとローレベルを繰り返す発光タイミング信号TGを供
給して、光源41を、発光タイミング信号TGのハイレ
ベル期間で発光させ、ローレベル期間では消灯状態とす
る。
【0093】そして、光電変換素子44の受光出力を、
増幅器63を通じて2つのサンプルホールド回路64お
よび65に供給し、サンプルホールド回路64には、発
光タイミング信号TGをサンプルホールド信号として供
給し、サンプルホールド回路65には、発光タイミング
信号TGを極性反転回路67により極性反転させた信号
をサンプルホールド信号として供給する。
【0094】したがって、サンプルホールド回路64で
は、発光タイミング信号TGのハイレベル期間におい
て、光電変換素子44の受光出力がサンプルホールドさ
れて、サンプルホールド回路64からは、光源41が発
光しているときの受光出力が得られるとともに、サンプ
ルホールド回路65では、発光タイミング信号TGのロ
ーレベル期間において、光電変換素子44の受光出力が
サンプルホールドされて、サンプルホールド回路65か
らは、光源41が消灯しているときの受光出力が得られ
る。
【0095】光源41が消灯しているときの受光出力
は、外乱光のみによる受光出力で、この外乱光による受
光成分は、サンプルホールド回路64の出力にも含まれ
る。
【0096】そこで、サンプルホールド回路64および
65の出力を減算回路68に供給して、両者の差を演算
する。その結果、減算回路68からは、外乱光による受
光成分が除去された、光源41からの光のみによる受光
出力が得られる。したがって、この減算回路68の出力
から、外乱光の影響のない正確な測定結果を得ることが
できる。
【0097】なお、光源41を点滅させる代わりに、光
源41の発光強度を一定周期で変え、その強弱の周期に
合わせて光電変換素子44の受光出力を取り出すように
してもよい。
【0098】〔その他の実施形態または実施例〕図1な
どに示した例は、1個の光源を用いる場合であるが、複
数の光源を設けて、それぞれの光源からの光を測定対象
物上の対応する照射領域に照射するようにしてもよい。
【0099】光電変換素子としても、複数の光電変換素
子を設けて、それぞれの受光出力を合計したものを取り
出すようにしてもよい。受光面積の大きい光電変換素子
を用いると、周波数応答特性として十分なものを得にく
いが、受光面積の小さい光電変換素子を複数用いて、そ
れらの受光出力を合計したものを取り出すことによっ
て、十分な周波数応答特性を確保し、かつ十分なレベル
の受光出力を得ることができるようになる。
【0100】光電変換素子を複数設ける代わりに、1個
の光電変換素子を複数の位置に移動させ、各位置での受
光出力を合計するようにしても、同様の作用効果が得ら
れる。
【0101】このように複数の光電変換素子を設け、ま
たは1個の光電変換素子を複数の位置に移動させる場
合、異なる位置の光電変換素子に入射する光は、測定対
象物からの反射光のうちの異なる角度範囲の光である。
そこで、異なる位置での光電変換素子の出力を別個に読
み取って、その分布を求めることによって、複数の反射
角度範囲への反射光の出力分布を得ることも可能であ
る。
【0102】図12に示した例は、画像形成装置の画像
出力部100において、定着器36による定着後の位置
で、光学測定装置40により画像を測定する場合である
が、転写器35による転写と定着器36による定着との
間の位置などで、光学測定装置40により画像を測定す
るようにしてもよい。
【0103】また、図12および図13の例は、電子写
真方式の画像形成装置の場合であるが、この発明の光学
測定装置による画像の測定、およびその測定出力に基づ
く画質の制御は、インクジェット方式、感熱フィルム方
式などの他の方式の画像形成装置にも適用することがで
きる。
【0104】さらに、画像を形成する工程を含まず、画
像が形成された用紙などを搬送する装置において、その
搬送中に、用紙などに形成された画像を測定する場合に
も適用することができ、画像形成装置に適用した場合と
同様に高精度の測定が可能となる。
【0105】また、測定対象物は、上述した例のような
用紙でなくてもよい。さらに、平坦なものではなく、凹
凸を有する形状のものでもよい。したがって、この発明
は、画像の測定だけではなく、測定対象物の種々の特性
を測定する場合に広く適用することができる。
【0106】
【発明の効果】上述したように、この発明の光学測定方
法または光学測定装置によれば、測定対象物の変動に影
響されない高精度の測定を行うことができるとともに、
測定装置を薄型かつ安価に構成することができる。
【0107】さらに、測定装置を薄型かつ安価に構成で
きるので、カラープリンタなどの画像形成装置におい
て、装置の大きさおよびコストを増加させずに、オンラ
イン測定によるフィードバック制御によって、出力する
画像の画質を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学測定装置の一例を示す図であ
る。
【図2】この発明の光学測定方法での特定領域の説明に
供する図である。
【図3】この発明の光学測定方法による場合の特性を示
す図である。
【図4】この発明の光学測定方法の原理を説明するため
の図である。
【図5】この発明の光学測定装置の他の例を示す図であ
る。
【図6】この発明の光学測定装置のさらに他の例を示す
図である。
【図7】この発明の光学測定装置のさらに他の例を示す
図である。
【図8】この発明の光学測定システムの一例を示す図で
ある。
【図9】この発明の光学測定装置のさらに他の例を示す
図である。
【図10】この発明の光学測定装置のさらに他の例を示
す図である。
【図11】この発明の光学測定装置のさらに他の例を示
す図である。
【図12】この発明の光学測定装置を用いた画像形成装
置の一例を示す図である。
【図13】図12の画像形成装置の画質制御部分を示す
図である。
【図14】従来の光学測定装置の一例を示す図である。
【図15】従来の光学測定装置の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
31 レーザ出力部 32 感光体 37 用紙(測定対象物) 37a 紙面(被測定面) 40 光学測定装置 41 光源 42 反射領域 43 ミラー 43a 光軸 44 光電変換素子 45 遮光部材 45a 開口 46 集光レンズ 47 色フィルタ 49 分光器 50 画像制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 久夫 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに相対位置が一定となるように設置し
    た光源、ミラーおよび光電変換素子を用い、前記光源か
    らの光を測定対象物に照射し、この測定対象物からの反
    射光を前記ミラーを介して前記光電変換素子で受光し、
    この光電変換素子の受光出力から、前記測定対象物に関
    する特性を測定する方法において、 前記ミラーの焦点位置を含む面内に、前記測定対象物で
    反射し、さらに前記ミラーで反射した光のうちの任意の
    一部の領域である特定領域を設定して、この特定領域を
    通過する光のみをすべて前記光電変換素子で受光し、こ
    の光電変換素子が受光した総光量を、この光電変換素子
    の出力とすることを特徴とする光学測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1の光学測定方法において、 前記ミラーのコニック・コンスタンスを−0.9から−
    1.1までの間としたことを特徴とする光学測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の光学測定方法におい
    て、 前記光電変換素子は、前記特定領域の位置に配置し、か
    つ前記特定領域の面積を受光面積とすることを特徴とす
    る光学測定方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2の光学測定方法におい
    て、 前記特定領域を開口とし、前記光電変換素子は、この開
    口を通過する光のみをすべて受光するものとすることを
    特徴とする光学測定方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2の光学測定方法におい
    て、 前記特定領域の位置に、この特定領域を通過する光のみ
    をすべて前記光電変換素子に入射させる集光レンズを配
    置することを特徴とする光学測定方法。
  6. 【請求項6】測定対象物に対して光を照射する光源と、 この光源からの光の入射方向とは異なる方向を光軸と
    し、前記測定対象物からの反射光の一部が入射するミラ
    ーと、 このミラーの焦点位置を含む面内に、前記測定対象物で
    反射し、さらに前記ミラーで反射した光のうちの、その
    受光領域により定まる光のみをすべて受光するように設
    置され、その受光した総光量を、その出力とする光電変
    換素子とを備え、 前記光源、前記ミラーおよび前記光電変換素子は、互い
    に相対位置が一定となるように設置され、前記測定対象
    物は、前記光源、前記ミラーおよび前記光電変換素子に
    対する相対位置が、少なくとも前記ミラーの光軸方向に
    変化するものであり、前記光電変換素子の受光出力か
    ら、前記測定対象物に関する特性を測定することを特徴
    とする光学測定装置。
  7. 【請求項7】測定対象物に対して光を照射する光源と、 この光源からの光の入射方向とは異なる方向を光軸と
    し、前記測定対象物からの反射光の一部が入射するミラ
    ーと、 このミラーの焦点位置を含む面内に、前記測定対象物で
    反射し、さらに前記ミラーで反射した光のうちの、その
    透過領域により定まる光のみをすべて透過させるように
    設置された開口またはレンズと、 この開口またはレンズを透過した光を受光し、その受光
    した総光量を、その出力とする光電変換素子とを備え、 前記光源、前記ミラー、前記開口またはレンズ、および
    前記光電変換素子は、互いに相対位置が一定となるよう
    に設置され、前記測定対象物は、前記光源、前記ミラ
    ー、前記開口またはレンズ、および前記光電変換素子に
    対する相対位置が、少なくとも前記ミラーの光軸方向に
    変化するものであり、前記光電変換素子の受光出力か
    ら、前記測定対象物に関する特性を測定することを特徴
    とする光学測定装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7の光学測定装置におい
    て、 点滅させて発光させるように、または発光強度に強弱を
    つけて発光させるように前記光源を制御する手段と、前
    記光電変換素子の受光出力を、前記光源の点滅または発
    光強度の強弱に同期させて取り出す手段とを設けたこと
    を特徴とする光学測定装置。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれかの光学測定装置に
    おいて、 前記受光領域または前記透過領域が位置すべき範囲内に
    おいて、前記光電変換素子または前記開口またはレンズ
    を、複数の位置に設置し、または複数の位置に移動さ
    せ、その複数の位置での受光出力の合計から、前記測定
    対象物に関する特性を測定することを特徴とする光学測
    定装置。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれかの光学測定装置
    において、 前記光源から前記光電変換素子までの光路中に光学フィ
    ルタを設けて、前記光電変換素子の受光出力から、前記
    測定対象物の色を測定することを特徴とする光学測定装
    置。
  11. 【請求項11】請求項6〜9のいずれかの光学測定装置
    において、 前記光源として、発光する光の波長が異なる複数の光源
    を設けるとともに、この複数の光源からの光の前記測定
    対象物からの反射光の前記光電変換素子による受光出力
    を、それぞれの光源ごとに分離して得る手段を設けて、
    前記測定対象物の色を測定することを特徴とする光学測
    定装置。
  12. 【請求項12】請求項7の光学測定装置において、 前記開口またはレンズに到達する光を分光器により検出
    して、前記測定対象物の色を測定することを特徴とする
    光学測定装置。
  13. 【請求項13】請求項6〜9のいずれかの光学測定装置
    を一つの測定対象物に対して複数設けるとともに、その
    複数の光学測定装置の前記光源の発光波長は互いに異な
    るものとし、その複数の光学測定装置の前記光電変換素
    子の受光出力から、前記測定対象物の色を測定すること
    を特徴とする光学測定システム。
  14. 【請求項14】画像形成手段により画像が形成された画
    像形成媒体を前記測定対象物として、この画像形成媒体
    の搬送路中に、請求項6〜12のいずれかの光学測定装
    置または請求項13の光学測定システムが設置されると
    ともに、 その光学測定装置または光学測定システムの測定結果に
    基づいて、画像形成媒体に形成される画像の画質を制御
    する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
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