JPH11325603A - 温水器タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製タンクの底部に開口した給水口から、
タンクに固定可能に取付けでき、給水口から上昇する給
水流れを衝突させて横方向の流れに変向させ、静かに、
かつ徐々に給水を上昇させて採湯性能を良好にできるバ
ッフル体を設けた温水器タンクを提供する。 【解決手段】 樹脂製タンク１の底部に開口した給水口
２からそのタンク１内に突出して固定した脚部材１１の
上方に、中央部に凸状部１７を形成し、その凸状部１７
の周囲に湾曲した円周状の凹部１６を形成したバッフル
体１４を設け、上記脚部材１１の上端にドーナッツ状の
シート材１８を嵌着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプラスチ
ック等の樹脂で成型されたタンク底部に開口した給水口
に脚部材を介してバッフル体を配設した温水器タンクに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、昼間より安価な深夜電力を利用し
て温湯をタンクに貯えておき、台所や洗面所及びセント
ラル給湯に使用する電気式の温水器が広く使用されてい
る。このような温水器として従来使用されているものと
しては、発熱ヒータを内蔵したタンクと、そのタンクの
底部に開口した給水口からタンク内に給水を行なう給水
配管と、タンク内で加熱され貯えられた湯をタンクの上
部から給湯する給湯配管とから構成されている。

【０００３】上記のごとき温水器タンクの底部に開口し
た給水口からタンク内に流入した給水流れは、噴流とな
って上方に向かって供給され、タンク内に貯留した温水
に乱流を起こすため、温水の攪拌現象が発生して好まし
くない。すなわち、温水器のタンク内において給水口か
ら給水される給水の流速によりタンク内で乱流が発生す
る結果、タンク内の底部の低温の水と上部の給湯口に近
い湯との混合が促進され、給湯水の温度が所定温度より
低くなり、給水により押し上げられ出湯する際の給湯温
度が下がる。

【０００４】従って、タンク内での温水はできるだけ混
合されることなく、静かに順次押し上げられることが望
ましい。温水器タンクの底部の給水口から噴出する給水
流れを直接上方に噴出しないように、給水を一旦横方向
に転向させ、徐々に上昇させるためには、そのタンク内
に適宜なバッフル体を設ける必要があるが、金属製のタ
ンクの場合にはそのバッフル体を金属製のタンク内に溶
接により取り付けることが容易であるのに対し、プラス
チック製のタンクの場合には溶接ができず、バッフル体
のタンク内への固定が難しいという問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようする課題】本発明は、プラスチック
等の樹脂製タンクの底部に開口した給水口から、そのタ
ンクに固定可能に取付けでき、給水口から上方に噴出す
る給水流れを一旦衝突させて横方向の流れに変向させ、
静かに噴流を上昇させて採湯性能を良好にできるバッフ
ル体付の温水器タンクを提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂製タンク
の底部に開口した給水口からそのタンク内に突出して固
定した脚部材の上方に、中央部に凸状部を形成し、その
凸状部の周囲に湾曲した円周状の凹部を形成したバッフ
ル体を設け、上記脚部材の上方又はバッフル体に周囲に
広がるシート材を装着したバッフル体を設けた温水器タ
ンクからなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を説明するが、図１は本発明の温水器タンクのバッ
フル体の一実施形態における要部拡大の側断面図、図２
は図１のＡ−Ａ方向の平断面図、図３は図１のバッフル
体にプリーツ状の樹脂シート材を嵌着した要部側断面
図、図４は図１のバッフル体を取り付けた温水器タンク
の全体側断面図、そして図５は図４のＢ−Ｂ方向の正面
図である。

【０００８】まず、この温水器は、図４及び図５に示す
ごとく、プラスチック等の樹脂製のタンク１の底部に開
口した給水口２からタンク１内に給水配管３により給水
され、タンク１に内蔵された電熱式のヒータ４により給
水は加熱され、タンク１内で貯えられた湯をタンク１の
上部の給湯口５から給湯配管６により給湯されるように
なっている。

【０００９】次に、上記のタンク１はブロー成型により
製作されたものであり、その外周は補強材７及び保温材
８で覆われた上を外ケース９で被覆されている。なお、
図中で１０で示すのは排水管であり、また１９で示すの
は、上記ヒータ４及び制御機器等のフロントカバーであ
る。そこで、このタンク１の底部には、図４に示すごと
く給水口２が開口しており、この開口を通してタンク１
の外側から、タンク１内の上方へ突出して立設する図１
及び図２に示すような脚部材１１が挿着可能になってい
る。

【００１０】また、脚部材１１の下部にはフランジ１５
が設けられているので、このフランジ１５がタンク１の
給水口２で係合し、脚部材１１がタンク１の内側に抜け
落ちることなく固定されることになる。なお、図１に示
すごとく、給水配管３の給水口２側の端部は、タンク１
の給水口２の開口部に嵌着され、外側に嵌合したリング
部材１２をかしめることより接続されている。

【００１１】次に、上記脚部材１１には、図１及び図２
に示すように給水口２から噴入した給水が流通する開口
１３が周側面に設けられており、さらにこの脚部材１１
の上方には、上記のごとくタンク１内に上昇する給水流
れＦを衝突させ、一旦逆方向に変向させた後、その給水
流れＦを横方向に導出するような断面形状を上方の内面
に形成したバッフル体１４を設けている。

【００１２】つまり、樹脂製タンクの底部に開口した給
水口２からそのタンク内に突出して固定した脚部材１１
の上方に、中央部に凸状部１７を形成し、その凸状部１
７の周囲に湾曲した円周状の凹部１６を形成したバッフ
ル体１４を設けたので、流入した給水はまずバッフル体
１４の中央部の凸状部１７のまわりに円周上の湾曲した
凹部１６に衝突し、そこで図面に示すような渦を形成
し、その渦同志の衝突による流れの減衰を大きくする。

【００１３】さらに本発明では、上記バッフル体１４を
上部に設けた脚部材１１の上方に、図１の破線及び図２
の実線で示したようなドーナッツ状のシート材１８を装
着しており、このシート材１８は、バッフル体１４の下
面から横方向に導出した給水流れＦをその下面に沿わせ
て水平な静流とする作用をする。すなわち、本発明の温
水器タンクには、上記のごとく脚部材１１の上方に形成
したバッフル体１４と、そのバッフル体１４の下面に装
着したシート材１８をタンク１内の給水口２に配設して
いる。

【００１４】バッフル体１４を上部に形成した脚部材１
１をタンク１の給水口２の開口の外側からタンク１内に
挿入して固定した後、上記のドーナッツ状のシート材１
８を図３に示すごとくひだ付のプリーツ形状にしておい
て、折りたたんだ状態でタンク１の正面下部のフロント
カバー１９を外した開口からタンク１内に挿入後、ひろ
げてバッフル体１４の頭部をくぐらせて、脚部材１１の
上端にあらかじめ設けておいた切り欠き部２１等に嵌着
し、固定することができる。

【００１５】従って、上記シート材１８は弾力性のある
ゴム質の樹脂で作成し、タンク１内への挿入時にたた
み、中で広がるような材質のもの使用してもよく、図３
に示すようなひだ付きのプリーツ状のものが好ましい
が、その形状は図３のものに特に限定するものではな
い。

【００１６】

【発明の効果】以上の構成により、つまり樹脂製タンク
１の底部に開口した給水口２からそのタンク１内に突出
して固定した脚部材１１の上方に、中央部に凸状部１７
を形成し、その凸状部１７の周囲に湾曲した凹部１６を
形成したバッフル体１４を設けたので、流入した給水は
まずバッフル体１４の中央部の凸状部１７のまわりに円
周上の湾曲した凹部１６に衝突し、そこで図面に示すよ
うな渦を形成し、その渦同志の衝突により流れの減衰を
大きくすることができ、さらにバッフル体１４の下面か
ら横方向に流出する給水流れＦをシート材１８の下面に
沿わせることにより、静かな流れとして樹脂製のタンク
１内に導出できる。

【００１７】即ち、本発明の温水器タンクでは、上記の
バッフル体１４及びシート材１８からなるバッフルプレ
ート効果が大きく、給水口から流入した給水がバッフル
体およびシート材１８を経由してタンク内に流出すると
きには極めて静かな水平方向の流水となる流れとなる。
したがって流入した給水はゆっくりと、徐々に全体とし
て上昇することができ、温水器としての機能を効果的に
示すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の温水器タンクのバッフル体の一実施形
態にけおる要部拡大側断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ方向の平断面図である。

【図３】図１のバッフル体にシート材を取り付けたタン
クの要部側断面図である。

【図４】図１のバッフル体を取り付けた温水器タンクの
全体側断面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ方向の正面図である。

【符号の説明】

１ タンク ２ 給水口 １１ 脚部材 １４ バッフル体 Ｆ 給水流れ １６ 凹部 １７ 凸状部 １８ シート材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂製タンクの底部に開口した給水口か
   らそのタンク内に突出して固定した脚部材の上方に、中
   央部に凸状部を形成し、その凸状部の周囲に湾曲した円
   周状の凹部を形成したバッフル体を設け、上記脚部材の
   上方又はバッフル体に周囲に広がるシート材を装着した
   バッフル体を設けた温水器タンク。