JPH11325107A - ダンパーディスク組立体 - Google Patents
ダンパーディスク組立体Info
- Publication number
- JPH11325107A JPH11325107A JP13406798A JP13406798A JPH11325107A JP H11325107 A JPH11325107 A JP H11325107A JP 13406798 A JP13406798 A JP 13406798A JP 13406798 A JP13406798 A JP 13406798A JP H11325107 A JPH11325107 A JP H11325107A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boss
- outer peripheral
- peripheral surface
- lubricant
- pair
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 1対の円板状部材の一方のボスに対するセン
タリングを長期間にわたって確実に行う。 【解決手段】 クラッチディスク組立体は、ハブと1対
の円板状部材と潤滑材20とを備えている。ハブは筒状
のボス10を有している。1対の円板状部材はボスの外
周側に配置され互いに固定されている。1対の円板状部
材の一方であるクラッチプレート8は、軸方向に延びボ
ス10の外周面10aに半径方向に支持された突起13
を内周縁に有している。潤滑材20は突起13及びボス
10の一方に設けられ他方に摺動可能である。
タリングを長期間にわたって確実に行う。 【解決手段】 クラッチディスク組立体は、ハブと1対
の円板状部材と潤滑材20とを備えている。ハブは筒状
のボス10を有している。1対の円板状部材はボスの外
周側に配置され互いに固定されている。1対の円板状部
材の一方であるクラッチプレート8は、軸方向に延びボ
ス10の外周面10aに半径方向に支持された突起13
を内周縁に有している。潤滑材20は突起13及びボス
10の一方に設けられ他方に摺動可能である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーディスク
組立体、特に、ボスの外周に相対回転可能に支持された
円板状部材を有するダンパーディスク組立体に関する。
組立体、特に、ボスの外周に相対回転可能に支持された
円板状部材を有するダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のクラッチに用いられるクラッ
チディスク組立体(ダンパーディスク組立体)は、一般
に、エンジン側のフライホイールに連結される入力回転
体と、トランスミッションから延びるシャフトに連結さ
れるスプラインハブとを備えている。入力回転体とスプ
ラインハブとは、コイルスプリングを含むダンパーによ
って回転方向に連結されている。入力回転体は、フライ
ホイールに押圧される摩擦フェーシングと、1対の円板
状部材(クラッチプレート及びリテーニングプレート)
とから構成されている。1対の円板状部材の一方、例え
ばクラッチプレートの内周縁はボスの外周面によってセ
ンタリングされている。センタリングのための構成とし
ては、例えば樹脂からなる環状のブッシュがクラッチプ
レートの内周縁に固定されている。ブッシュの内周面は
ボスの外周面に当接しており、これにより1対の円板状
部材がボスに対して芯出しされている。
チディスク組立体(ダンパーディスク組立体)は、一般
に、エンジン側のフライホイールに連結される入力回転
体と、トランスミッションから延びるシャフトに連結さ
れるスプラインハブとを備えている。入力回転体とスプ
ラインハブとは、コイルスプリングを含むダンパーによ
って回転方向に連結されている。入力回転体は、フライ
ホイールに押圧される摩擦フェーシングと、1対の円板
状部材(クラッチプレート及びリテーニングプレート)
とから構成されている。1対の円板状部材の一方、例え
ばクラッチプレートの内周縁はボスの外周面によってセ
ンタリングされている。センタリングのための構成とし
ては、例えば樹脂からなる環状のブッシュがクラッチプ
レートの内周縁に固定されている。ブッシュの内周面は
ボスの外周面に当接しており、これにより1対の円板状
部材がボスに対して芯出しされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の一般的なク
ラッチディスク組立体では、1対の円板状部材とボスと
の間で半径方向に偏った荷重が作用すると、ブッシュに
おいてクラッチプレートとの接触部分に摩耗が生じる。
この摩耗により、ブッシュ自体が破損することがある。
また、ブッシュの摩耗により1対の円板状プレートのセ
ンタリングが悪化することがある。
ラッチディスク組立体では、1対の円板状部材とボスと
の間で半径方向に偏った荷重が作用すると、ブッシュに
おいてクラッチプレートとの接触部分に摩耗が生じる。
この摩耗により、ブッシュ自体が破損することがある。
また、ブッシュの摩耗により1対の円板状プレートのセ
ンタリングが悪化することがある。
【0004】本発明の目的は、ハブのボスに対する1対
の円板状部材の一方のセンタリングを長期間にわたって
確実にすることにある。
の円板状部材の一方のセンタリングを長期間にわたって
確実にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ーディスク組立体は、ハブと1対の円板状部材と弾性部
材と潤滑材とを備えている。ハブは筒状のボスを有す
る。1対の円板状部材は、ボスの外周側に配置され、互
いに固定された1対の部材である。1対の円板状部材の
一方の内周縁には軸方向に延びボスの外周面に相対回転
可能に半径方向に支持された半径方向位置決め部を有す
る。弾性部は1対の円板状部材とハブとを回転方向に弾
性的に連結する。潤滑材は半径方向位置決め部及びボス
の外周面の間に配置されている。
ーディスク組立体は、ハブと1対の円板状部材と弾性部
材と潤滑材とを備えている。ハブは筒状のボスを有す
る。1対の円板状部材は、ボスの外周側に配置され、互
いに固定された1対の部材である。1対の円板状部材の
一方の内周縁には軸方向に延びボスの外周面に相対回転
可能に半径方向に支持された半径方向位置決め部を有す
る。弾性部は1対の円板状部材とハブとを回転方向に弾
性的に連結する。潤滑材は半径方向位置決め部及びボス
の外周面の間に配置されている。
【0006】請求項1に記載のダンパーディスク組立体
では、1対の円板状部材の一方は半径方向位置決め部に
よってボスの外周面に相対回転可能に半径方向に支持さ
れている。ここでは、半径方向位置決め部とボスの外周
面との間に潤滑材が配置されているため、摺動面に潤滑
材が供給され、両者間での摩耗が少なくなる。さらに、
従来のブッシュを廃止することができるため部品点数が
少なくなる。
では、1対の円板状部材の一方は半径方向位置決め部に
よってボスの外周面に相対回転可能に半径方向に支持さ
れている。ここでは、半径方向位置決め部とボスの外周
面との間に潤滑材が配置されているため、摺動面に潤滑
材が供給され、両者間での摩耗が少なくなる。さらに、
従来のブッシュを廃止することができるため部品点数が
少なくなる。
【0007】請求項2に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1において、半径方向位置決め部と前記外
周面は互いに当接する摺動面を有している。潤滑材は摺
動面に近接しているため、摺動面に確実に潤滑材が供給
できる。請求項3に記載のダンパーディスク組立体で
は、請求項1又は2において、潤滑材は半径方向位置決
め部及びボスの外周面の間に形成された閉空間内に配置
されている。このため、潤滑材は半径方向位置決め部と
ボスの外周面との間から容易に離脱しない。
では、請求項1において、半径方向位置決め部と前記外
周面は互いに当接する摺動面を有している。潤滑材は摺
動面に近接しているため、摺動面に確実に潤滑材が供給
できる。請求項3に記載のダンパーディスク組立体で
は、請求項1又は2において、潤滑材は半径方向位置決
め部及びボスの外周面の間に形成された閉空間内に配置
されている。このため、潤滑材は半径方向位置決め部と
ボスの外周面との間から容易に離脱しない。
【0008】請求項4に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1〜3のいずれかにおいて、潤滑材は半径
方向位置決め部及びボスの外周面の一方に設けられ他方
に接触している。請求項5に記載のダンパーディスク組
立体では、請求項1〜4のいずれかにおいて、半径方向
位置決め部は1対の円板状部材の一方の内周縁に一体に
形成された筒状突起である。
では、請求項1〜3のいずれかにおいて、潤滑材は半径
方向位置決め部及びボスの外周面の一方に設けられ他方
に接触している。請求項5に記載のダンパーディスク組
立体では、請求項1〜4のいずれかにおいて、半径方向
位置決め部は1対の円板状部材の一方の内周縁に一体に
形成された筒状突起である。
【0009】請求項5に記載のダンパーディスク組立体
では、ボスの外周面に当接している構造が筒状であるた
め、両部材の当接面積が増大して面圧が低くなることに
より、両部材の摩耗が減少する。請求項6に記載のダン
パーディスク組立体では、請求項1〜5のいずれかにお
いて、潤滑材はボスの外周面に形成された凹部内に配置
されている。
では、ボスの外周面に当接している構造が筒状であるた
め、両部材の当接面積が増大して面圧が低くなることに
より、両部材の摩耗が減少する。請求項6に記載のダン
パーディスク組立体では、請求項1〜5のいずれかにお
いて、潤滑材はボスの外周面に形成された凹部内に配置
されている。
【0010】請求項6に記載のダンパーディスク組立体
では、潤滑材はボスに形成された凹部内に配置され摺動
面に順次供給される。請求項7に記載のダンパーディス
ク組立体では、請求項6において凹部はボスの外周面に
形成された、ハブに同心の環状の溝である。請求項7に
記載のダンパーディスク組立体では、潤滑材は摺動面の
環状方向全体にわたって形成された環状の溝内に配置さ
れているため、摺動面全体にもれなく潤滑材が供給され
る。
では、潤滑材はボスに形成された凹部内に配置され摺動
面に順次供給される。請求項7に記載のダンパーディス
ク組立体では、請求項6において凹部はボスの外周面に
形成された、ハブに同心の環状の溝である。請求項7に
記載のダンパーディスク組立体では、潤滑材は摺動面の
環状方向全体にわたって形成された環状の溝内に配置さ
れているため、摺動面全体にもれなく潤滑材が供給され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1に記載のクラッチディスク組立体1は、車輌のクラ
ッチに用いられる。クラッチディスク組立体1は、エン
ジンのフライホイールとトランスミッションとの間でト
ルクの伝達及び遮断を行うクラッチ機能と、エンジンの
フライホイールから入力された捩り振動を吸収・減衰す
るためのダンパー機能とを有している。図1の左側に図
示しないエンジン及びフライホイールが配置され、図1
の右側に図示しないトランスミッションが配置されてい
る。
ッチに用いられる。クラッチディスク組立体1は、エン
ジンのフライホイールとトランスミッションとの間でト
ルクの伝達及び遮断を行うクラッチ機能と、エンジンの
フライホイールから入力された捩り振動を吸収・減衰す
るためのダンパー機能とを有している。図1の左側に図
示しないエンジン及びフライホイールが配置され、図1
の右側に図示しないトランスミッションが配置されてい
る。
【0012】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転体2と、ハブ3(出力回転体)と、入力回転体2と
ハブ3とを回転方向に弾性的に連結する複数のばね4〜
6(弾性部材)からなるダンパーとから構成されてい
る。なお、ダンパーの構成についてはここでは詳細に説
明しない。また、本発明は本実施形態のダンパーと異な
るものを有するクラッチディスク組立体にも採用可能で
ある。
回転体2と、ハブ3(出力回転体)と、入力回転体2と
ハブ3とを回転方向に弾性的に連結する複数のばね4〜
6(弾性部材)からなるダンパーとから構成されてい
る。なお、ダンパーの構成についてはここでは詳細に説
明しない。また、本発明は本実施形態のダンパーと異な
るものを有するクラッチディスク組立体にも採用可能で
ある。
【0013】入力回転体2は、主に、クラッチディスク
7と、クラッチプレート8と、リテーニングプレート9
とから構成されている。クラッチディスク7は、クラッ
チディスク組立体1の最外周部に配置された環状の部材
であり、クッショニング部材と、クッショニング部材の
軸方向両側に固定された1対の摩擦フェーシングとから
構成されている。クラッチディスク7の図1左側には図
示しないフライホイールの摩擦面が配置される。
7と、クラッチプレート8と、リテーニングプレート9
とから構成されている。クラッチディスク7は、クラッ
チディスク組立体1の最外周部に配置された環状の部材
であり、クッショニング部材と、クッショニング部材の
軸方向両側に固定された1対の摩擦フェーシングとから
構成されている。クラッチディスク7の図1左側には図
示しないフライホイールの摩擦面が配置される。
【0014】ハブ3はクラッチディスク組立体1の中心
に配置された例えば鋳鉄製の筒状部材である。ハブ3
は、筒状のボス10と、ボス10から半径方向外方に延
びるフランジ11とから構成されている。ボス10の中
心孔(内周面)には図示しないシャフトがトランスミッ
ション側から挿入されている。シャフトとボス10とは
相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合している。
に配置された例えば鋳鉄製の筒状部材である。ハブ3
は、筒状のボス10と、ボス10から半径方向外方に延
びるフランジ11とから構成されている。ボス10の中
心孔(内周面)には図示しないシャフトがトランスミッ
ション側から挿入されている。シャフトとボス10とは
相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合している。
【0015】クラッチプレート8とリテーニングプレー
ト9はほぼ同形状の1対の板金製円板状部材である。ク
ラッチプレート8はリテーニングプレート9に対してエ
ンジン側に配置され、その外周部には複数のリベットに
よってクラッチディスク7が固定されている。リテーニ
ングプレート9はクラッチプレート8に対して軸方向に
所定距離だけ離れて配置されている。クラッチプレート
8とリテーニングプレート9とは例えば円周方向に並ん
だ複数のストッパーピン12によって固定されている。
このストッパーピン12等によりクラッチプレート8と
リテーニングプレート9とは軸方向に固定され、さらに
回転方向に一体回転するようになっている。クラッチプ
レート8とリテーニングプレート9は中心孔(内周縁)
を有しており、その中心孔内にハブ3のボス10が配置
されている。逆に言えば、ハブ3のボス10の回りにク
ラッチプレート8とリテーニングプレート9とが配置さ
れている。
ト9はほぼ同形状の1対の板金製円板状部材である。ク
ラッチプレート8はリテーニングプレート9に対してエ
ンジン側に配置され、その外周部には複数のリベットに
よってクラッチディスク7が固定されている。リテーニ
ングプレート9はクラッチプレート8に対して軸方向に
所定距離だけ離れて配置されている。クラッチプレート
8とリテーニングプレート9とは例えば円周方向に並ん
だ複数のストッパーピン12によって固定されている。
このストッパーピン12等によりクラッチプレート8と
リテーニングプレート9とは軸方向に固定され、さらに
回転方向に一体回転するようになっている。クラッチプ
レート8とリテーニングプレート9は中心孔(内周縁)
を有しており、その中心孔内にハブ3のボス10が配置
されている。逆に言えば、ハブ3のボス10の回りにク
ラッチプレート8とリテーニングプレート9とが配置さ
れている。
【0016】クラッチプレート8の内周縁には、軸方向
エンジン側に突出する突起13が形成されている。突起
13はクラッチプレート8の内周縁全体に渡って形成さ
れた筒状の構成である。突起13の内周面13aはボス
10の外周面10aに当接している。この当接により、
クラッチプレート8はボス10に対して相対回転可能な
状態で半径方向に位置決めされている。すなわち突起1
3は、クラッチプレート8のハブ3に対する半径方向位
置決め部として機能している。ここでは、金属製部品同
士が当接して摺動するようになっている。
エンジン側に突出する突起13が形成されている。突起
13はクラッチプレート8の内周縁全体に渡って形成さ
れた筒状の構成である。突起13の内周面13aはボス
10の外周面10aに当接している。この当接により、
クラッチプレート8はボス10に対して相対回転可能な
状態で半径方向に位置決めされている。すなわち突起1
3は、クラッチプレート8のハブ3に対する半径方向位
置決め部として機能している。ここでは、金属製部品同
士が当接して摺動するようになっている。
【0017】ボス10の外周面10aにおいて突起13
に対応する部分には、潤滑材20が設けられている。潤
滑材20は突起13の内周面13aとボス10の外周面
10aとの摺動面に潤滑材を供給するための部材であ
る。より具体的には、ボス10の外周面10aには、突
起13の内周面13aに対応する部分において溝10b
が形成され、溝10b内に潤滑材20は配置されてい
る。溝10bは円周方向に渡って延びハブ3と同心の環
状の溝である。潤滑材20は、グリースや固体潤滑材等
からなる。溝10bの軸方向長さは、突起13の内周面
13aにおいて外周面10aに当接した部分より軸方向
に短くさらに軸方向内側に配置されている。この結果、
溝10bに配置された潤滑材20は溝10bから容易に
逃げてしまうことはない。言い換えると、潤滑材20は
クラッチプレート8とボス10との間に形成された閉空
間内に閉じこめられている。この閉空間の形状、構成は
本発明の実施形態に限定されない。
に対応する部分には、潤滑材20が設けられている。潤
滑材20は突起13の内周面13aとボス10の外周面
10aとの摺動面に潤滑材を供給するための部材であ
る。より具体的には、ボス10の外周面10aには、突
起13の内周面13aに対応する部分において溝10b
が形成され、溝10b内に潤滑材20は配置されてい
る。溝10bは円周方向に渡って延びハブ3と同心の環
状の溝である。潤滑材20は、グリースや固体潤滑材等
からなる。溝10bの軸方向長さは、突起13の内周面
13aにおいて外周面10aに当接した部分より軸方向
に短くさらに軸方向内側に配置されている。この結果、
溝10bに配置された潤滑材20は溝10bから容易に
逃げてしまうことはない。言い換えると、潤滑材20は
クラッチプレート8とボス10との間に形成された閉空
間内に閉じこめられている。この閉空間の形状、構成は
本発明の実施形態に限定されない。
【0018】次に、クラッチプレート8とハブ3のボス
10との間に相対回転が生じた時の動作について説明す
る。ここでは、突起13がボス10に対して回転方向に
摺動する。このとき、溝10bに充填された潤滑材20
が内周面13aと外周面10aの摺動面に供給されるこ
とで、両部材の摩耗が少なくなっている。この実施形態
では、従来にセンタリングのために用いていたブッシュ
を廃止することにより、部品点数が少なくなっている。
また、当然のことながらブッシュ破損の問題が生じな
い。さらに、金属製のクラッチプレート8の内周部が半
径方向位置決め部として機能しているため、センタリン
グが確実に行われる。特に突起13は筒状であるため突
起13とボス10との接触面積が増大している。この結
果、当接部分の面圧が低くなり、摩耗が生じにくい。
10との間に相対回転が生じた時の動作について説明す
る。ここでは、突起13がボス10に対して回転方向に
摺動する。このとき、溝10bに充填された潤滑材20
が内周面13aと外周面10aの摺動面に供給されるこ
とで、両部材の摩耗が少なくなっている。この実施形態
では、従来にセンタリングのために用いていたブッシュ
を廃止することにより、部品点数が少なくなっている。
また、当然のことながらブッシュ破損の問題が生じな
い。さらに、金属製のクラッチプレート8の内周部が半
径方向位置決め部として機能しているため、センタリン
グが確実に行われる。特に突起13は筒状であるため突
起13とボス10との接触面積が増大している。この結
果、当接部分の面圧が低くなり、摩耗が生じにくい。
【0019】第2実施形態 図3に示すクラッチディスク組立体21は、前記クラッ
チディスク組立体1と同様の目的に用いられ同様の機能
を有している。クラッチディスク組立体21は、主に、
入力回転体22と、出力回転体としてのハブ23と、中
間部材24とから構成されている。入力回転体22と中
間部材24は大コイルスプリング25によって回転方向
に連結されている。中間部材24とハブ23は小コイル
スプリング26によって回転方向に弾性的に連結されて
いる。
チディスク組立体1と同様の目的に用いられ同様の機能
を有している。クラッチディスク組立体21は、主に、
入力回転体22と、出力回転体としてのハブ23と、中
間部材24とから構成されている。入力回転体22と中
間部材24は大コイルスプリング25によって回転方向
に連結されている。中間部材24とハブ23は小コイル
スプリング26によって回転方向に弾性的に連結されて
いる。
【0020】入力回転体22は主にクラッチプレート2
9とリテーニングプレート30とクラッチディスク33
とから構成されている。クラッチプレート29はリテー
ニングプレート30に対して軸方向エンジン側に配置さ
れている。クラッチプレート29の外周縁にはクラッチ
ディスク33が固定されている。リテーニングプレート
30はクラッチプレート29から軸方向に所定距離だけ
離れた位置に配置されている。クラッチプレート29と
リテーニングプレート30とは外周部において複数のス
トッパーピン31によって互いに固定されている。これ
により、クラッチプレート29とリテーニングプレート
30との軸方向の位置決めが行われ、両プレート29,
30は回転方向に一体に回転するようになっている。
9とリテーニングプレート30とクラッチディスク33
とから構成されている。クラッチプレート29はリテー
ニングプレート30に対して軸方向エンジン側に配置さ
れている。クラッチプレート29の外周縁にはクラッチ
ディスク33が固定されている。リテーニングプレート
30はクラッチプレート29から軸方向に所定距離だけ
離れた位置に配置されている。クラッチプレート29と
リテーニングプレート30とは外周部において複数のス
トッパーピン31によって互いに固定されている。これ
により、クラッチプレート29とリテーニングプレート
30との軸方向の位置決めが行われ、両プレート29,
30は回転方向に一体に回転するようになっている。
【0021】ハブ23はクラッチディスク組立体21の
中心に配置された例えば鋳鉄製の筒状部材である。ハブ
23は、筒状のボス34と、ボス34から半径方向外方
に延びるフランジ35とから構成されている。ボス34
の中心孔(内周面)には図示しないシャフトがトランス
ミッション側から挿入されている。シャフトとボス34
とは相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合してい
る。
中心に配置された例えば鋳鉄製の筒状部材である。ハブ
23は、筒状のボス34と、ボス34から半径方向外方
に延びるフランジ35とから構成されている。ボス34
の中心孔(内周面)には図示しないシャフトがトランス
ミッション側から挿入されている。シャフトとボス34
とは相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合してい
る。
【0022】中間部材24は、クラッチプレート29と
リテーニングプレート30との間に配置された1対のサ
イドプレート38,39から構成されている。第1及び
第2サイドプレート38,39は軸方向に対向して配置
された1対の板金製円板状部材である。第1及び第2サ
イドプレート38,39はボス34の外周側に配置され
ている。言い換えると、第1及び第2サイドプレート3
8,39の中心孔内にハブ23が配置されている。第1
サイドプレート38はクラッチプレート29に近接して
配置されている。第2サイドプレート39はリテーニン
グプレート30に近接して配置されている。第1サイド
プレート38及び第2サイドプレート39の内周部はピ
ン41によって固定されている。また、両サイドプレー
ト38,39の外周部は複数のリベット42によって互
いに固定されている。第1及び第2サイドプレート3
8, 39の内周部はハブ23のフランジ35の軸方向両
側まで延びている。第1サイドプレート38の内周部に
は軸方向に突出する突起43が形成されている。突起4
3はボス34の外周面34aに相対回転可能に当接して
いる。すなわち、突起43は、中間部材24をハブ23
のボス34に対して相対回転可能な状態で半径方向に位
置決めするための構成である。ここでは金属製部材同士
が互いに摺動する構造になっている。なお、第2サイド
プレート39の内周縁はボス34の外周面から離れて配
置されている。
リテーニングプレート30との間に配置された1対のサ
イドプレート38,39から構成されている。第1及び
第2サイドプレート38,39は軸方向に対向して配置
された1対の板金製円板状部材である。第1及び第2サ
イドプレート38,39はボス34の外周側に配置され
ている。言い換えると、第1及び第2サイドプレート3
8,39の中心孔内にハブ23が配置されている。第1
サイドプレート38はクラッチプレート29に近接して
配置されている。第2サイドプレート39はリテーニン
グプレート30に近接して配置されている。第1サイド
プレート38及び第2サイドプレート39の内周部はピ
ン41によって固定されている。また、両サイドプレー
ト38,39の外周部は複数のリベット42によって互
いに固定されている。第1及び第2サイドプレート3
8, 39の内周部はハブ23のフランジ35の軸方向両
側まで延びている。第1サイドプレート38の内周部に
は軸方向に突出する突起43が形成されている。突起4
3はボス34の外周面34aに相対回転可能に当接して
いる。すなわち、突起43は、中間部材24をハブ23
のボス34に対して相対回転可能な状態で半径方向に位
置決めするための構成である。ここでは金属製部材同士
が互いに摺動する構造になっている。なお、第2サイド
プレート39の内周縁はボス34の外周面から離れて配
置されている。
【0023】さらに具体的に突起43について説明す
る。突起43は第1サイドプレート38の内周縁から軸
方向エンジン側に突出する筒状の折り曲げ部分である。
突起43の内周面43aはボス34の外周面34aに相
対回転可能に当接している。突起43の軸方向先端に
は、内周側に折り曲げられた円板状部44が形成されて
いる。
る。突起43は第1サイドプレート38の内周縁から軸
方向エンジン側に突出する筒状の折り曲げ部分である。
突起43の内周面43aはボス34の外周面34aに相
対回転可能に当接している。突起43の軸方向先端に
は、内周側に折り曲げられた円板状部44が形成されて
いる。
【0024】また、突起43の外周面43bには、クラ
ッチプレート29の内周縁が相対回転可能に当接してい
る。このように、クラッチプレート29は第1サイドプ
レート38の突起43を介してハブ23のボス34に対
して半径方向に位置決めされている。なお、リテーニン
グプレート30の内周縁はボス34の外周面34aから
半径方向に離れている。
ッチプレート29の内周縁が相対回転可能に当接してい
る。このように、クラッチプレート29は第1サイドプ
レート38の突起43を介してハブ23のボス34に対
して半径方向に位置決めされている。なお、リテーニン
グプレート30の内周縁はボス34の外周面34aから
半径方向に離れている。
【0025】突起43の内周面43aとボス34の外周
面34aとが構成する摺動面には、潤滑材46が設けら
れている。潤滑材46は、摺動面に供給されることによ
って両部材の摩擦を減らす機能を有する。具体的には、
潤滑材46は、ボス34の外周面34aに形成された溝
34b内に充填されている。溝34bはボス34の外周
面34aにおいて円周方向に延びるハブ23と同心の環
状の溝である。潤滑材46はグリスや固体潤滑材等から
構成されている。溝34bの軸方向長さは突起43の内
周面43aとボス34の外周面34aとが構成する摺動
面の軸方向長さより短く又その軸方向内側に配置されて
いる。このため、溝34b内に充填された潤滑材46は
容易に溝34bから漏れ出る事はない。
面34aとが構成する摺動面には、潤滑材46が設けら
れている。潤滑材46は、摺動面に供給されることによ
って両部材の摩擦を減らす機能を有する。具体的には、
潤滑材46は、ボス34の外周面34aに形成された溝
34b内に充填されている。溝34bはボス34の外周
面34aにおいて円周方向に延びるハブ23と同心の環
状の溝である。潤滑材46はグリスや固体潤滑材等から
構成されている。溝34bの軸方向長さは突起43の内
周面43aとボス34の外周面34aとが構成する摺動
面の軸方向長さより短く又その軸方向内側に配置されて
いる。このため、溝34b内に充填された潤滑材46は
容易に溝34bから漏れ出る事はない。
【0026】この実施形態では、例えば小コイルスプリ
ング26が回転方向に圧縮されるときには、中間部材2
4とハブ23との間で相対回転が生じる。この結果、第
1サイドプレート38の突起43とボス34とが回転方
向に摺動する。具体的には、突起43の内周面43aが
ボス34の外周面34aに対して所定角度内で摺動す
る。このとき溝34bに充填された潤滑材46が摺動面
に供給されることで両部材間の摩擦が少なくなる。この
結果、この摺動部分において大きな摩擦が発生しにく
い。このため、小コイルスプリング26が圧縮される一
段目の特性において低ヒステリシストルクの特性を確保
できる。
ング26が回転方向に圧縮されるときには、中間部材2
4とハブ23との間で相対回転が生じる。この結果、第
1サイドプレート38の突起43とボス34とが回転方
向に摺動する。具体的には、突起43の内周面43aが
ボス34の外周面34aに対して所定角度内で摺動す
る。このとき溝34bに充填された潤滑材46が摺動面
に供給されることで両部材間の摩擦が少なくなる。この
結果、この摺動部分において大きな摩擦が発生しにく
い。このため、小コイルスプリング26が圧縮される一
段目の特性において低ヒステリシストルクの特性を確保
できる。
【0027】また、この摺動面においては潤滑材によっ
て両部材の摩耗が少なくなる。さらに、突起43が円周
方向全体に渡って形成された筒状の部材であるため、突
起43とボス34との当接面積が増えている。この結果
両部材に作用する面圧が低くなり、両部材の摩耗が抑え
られている。溝34bは必ずしも環状でなくても良い。
複数の弧状の溝又は他の形状の凹部であっても良い。さ
らに、潤滑材を貯蔵するための凹部はプレート側に形成
されていても良い。
て両部材の摩耗が少なくなる。さらに、突起43が円周
方向全体に渡って形成された筒状の部材であるため、突
起43とボス34との当接面積が増えている。この結果
両部材に作用する面圧が低くなり、両部材の摩耗が抑え
られている。溝34bは必ずしも環状でなくても良い。
複数の弧状の溝又は他の形状の凹部であっても良い。さ
らに、潤滑材を貯蔵するための凹部はプレート側に形成
されていても良い。
【0028】この実施形態においても、前記実施形態と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るダンパーディスク組立体で
は、1対の円板状部材の一方の半径方向位置決め部とボ
スの外周面との間に潤滑材が配置されているため、摺動
面に潤滑材が供給され、両者間での摩耗が少なくなる。
さらに、従来のブッシュを廃止することができるため部
品点数が少なくなる。
は、1対の円板状部材の一方の半径方向位置決め部とボ
スの外周面との間に潤滑材が配置されているため、摺動
面に潤滑材が供給され、両者間での摩耗が少なくなる。
さらに、従来のブッシュを廃止することができるため部
品点数が少なくなる。
【図1】本発明の第1実施形態としてのクラッチディス
ク組立体の縦断面概略図。
ク組立体の縦断面概略図。
【図2】プレートのセンタリング及び潤滑を説明するた
めの図1の部分拡大図。
めの図1の部分拡大図。
【図3】本発明の第2実施形態としてのクラッチディス
ク組立体の縦断面概略図。
ク組立体の縦断面概略図。
【図4】プレートのセンタリング及び潤滑を説明するた
めの図3の部分拡大図。
めの図3の部分拡大図。
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 ハブ 8 クラッチプレート 9 リテーニングプレート 13 突起 13a 内周面 10 ハブ 10a 外周面 10b 溝 20 潤滑材 21 クラッチディスク組立体 22 入力回転体 23 ハブ 24 中間部材 34 ボス 29 クラッチプレート 30 リテーニングプレート 38 第1サイドプレート 39 第2サイドプレート 43 突起 43a 内周面 34 ボス 34a 外周面 34b 溝 46 潤滑材
Claims (7)
- 【請求項1】筒状のボスを有するハブと、 前記ボスの外周側に配置され、互いに固定された1対の
部材であり、一方の内周縁に前記ボスの外周面に相対回
転可能に半径方向に支持された半径方向位置決め部を有
する1対の円板状部材と、 前記1対の円板状部材とハブとを回転方向に弾性的に連
結する弾性部材と、 前記半径方向位置決め部及び前記ボスの前記外周面の間
に配置された潤滑材と、を備えたダンパーディスク組立
体。 - 【請求項2】前記半径方向位置決め部と前記外周面は互
いに当接する摺動面を有しており、 前記潤滑材は前記摺動面に近接している、請求項1に記
載のダンパーディスク組立体。 - 【請求項3】前記潤滑材は前記半径方向位置決め部及び
前記ボスの前記外周面の間に形成された閉空間内に配置
されている、請求項1又は2に記載のダンパーディスク
組立体。 - 【請求項4】前記潤滑材は前記半径方向位置決め部及び
前記ボスの前記外周面の一方に設けられ他方に接触して
いる、請求項1〜3のいずれかに記載のダンパーディス
ク組立体。 - 【請求項5】前記半径方向位置決め部は前記1対の円板
状部材の前記一方の内周縁に一体に形成された筒状突起
である、請求項1〜4のいずれかに記載のダンパーディ
スク組立体。 - 【請求項6】前記潤滑材は前記ボスの外周面に形成され
た凹部内に配置されている、請求項1〜5のいずれかに
記載のダンパーディスク組立体。 - 【請求項7】前記凹部は、前記ボスの前記外周面に形成
された、前記ボスと同心の環状の溝である、請求項6に
記載のダンパーディスク組立体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13406798A JPH11325107A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | ダンパーディスク組立体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13406798A JPH11325107A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | ダンパーディスク組立体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11325107A true JPH11325107A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=15119609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13406798A Pending JPH11325107A (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | ダンパーディスク組立体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11325107A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015161372A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-07 | 株式会社エクセディ | ダンパー装置 |
WO2018068781A1 (de) * | 2016-10-12 | 2018-04-19 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Kupplungsscheibe, reibungskupplungseinrichtung und antriebsstrang |
-
1998
- 1998-05-15 JP JP13406798A patent/JPH11325107A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015161372A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-07 | 株式会社エクセディ | ダンパー装置 |
WO2018068781A1 (de) * | 2016-10-12 | 2018-04-19 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Kupplungsscheibe, reibungskupplungseinrichtung und antriebsstrang |
CN109790877A (zh) * | 2016-10-12 | 2019-05-21 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 离合器盘、摩擦离合器装置和传动系 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6196925B1 (en) | Apparatus for damping vibrations | |
JP3624020B2 (ja) | 摩擦クラッチと共働するトルク伝達装置 | |
SU843782A3 (ru) | Диск сцеплени | |
JP3084283B2 (ja) | 振動を減衰するための装置 | |
JP4270319B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
US4254855A (en) | Coaxial spring damper drive | |
US5505288A (en) | Damper disc assembly | |
US6682431B2 (en) | Damper mechanism | |
JP4625791B2 (ja) | スプリングシート及びスプリング組立体 | |
US5857552A (en) | Plate member having radially extending support portions for a damper disc assembly | |
US6332843B1 (en) | Damper disk assembly | |
JP4373502B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
JPH11325107A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
JPH11303890A (ja) | プレート及びダンパーディスク組立体 | |
US6866129B2 (en) | Lockup device for fluid-type torque transmission device | |
JP4270320B2 (ja) | 動力伝達機構 | |
US5950791A (en) | Damper disk assembly | |
US6837347B2 (en) | Lockup device for fluid-type torque transmission device | |
CN113309817A (zh) | 减振装置 | |
JPH1182630A (ja) | トルク伝達装置 | |
US5782694A (en) | Damper disc assembly having a plate formed with lubricating members for reducing friction caused by engagement with damper springs | |
JP7306890B2 (ja) | ダンパ装置 | |
JPH11325106A (ja) | ダンパーディスク組立体 | |
JPH0723825U (ja) | ダンパーディスク | |
JPH11173380A (ja) | ダンパーディスク組立体 |