JPH11322958A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH11322958A
JPH11322958A JP15397398A JP15397398A JPH11322958A JP H11322958 A JPH11322958 A JP H11322958A JP 15397398 A JP15397398 A JP 15397398A JP 15397398 A JP15397398 A JP 15397398A JP H11322958 A JPH11322958 A JP H11322958A
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JP
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friction
coefficient
kgf
friction material
component
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JP15397398A
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English (en)
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Tamotsu Muto
保 武藤
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高面圧下においても0.1〜0.2の範囲の摩擦係
数を持つとともに、長期間にわたって安定した摩擦係数
と、機械的強度を有し耐久性のある、アクチュエータ等
の摺動材に適した摩擦材を提供する。 【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレンの含有量が
20〜40体積%であり、その他に(ア)繊維成分と(イ)
充填剤成分と(ウ)結合材成分とを含有し、(1)面圧が5
0kgf/cm2 で、0.12〜0.18、(2)面圧が225kgf/cm2で、0.
10〜0.15の摩擦係数を有する摩擦材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、産業機
械、事務機器等に多数使用されているアクチュエータに
装着され、安定したトルク伝達のために用いられるブレ
ーキライニング、クラッチフェーシング、フリクション
プレートと呼ばれる摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】モータの回転をギア、シャフト等を介し
て他の装置に伝達するアクチュエータは多数の機械器具
において使用されている。そのアクチュエータにおい
て、モータの動力が直接伝達した場合、起動時に瞬間的
に過負荷となり、装置の起動不能や構成部品の損傷とい
った問題が起こる場合があった。
【0003】その不具合を未然に防止するために、ブレ
ーキライニング、クラッチフェーシング、フリクション
プレートと呼ばれる摩擦材を配置し、モータ起動時に瞬
間的にこれら摩擦材を滑らせることにより、徐々に1次
側−2次側の回転速度を同調させ、ついには同じ回転速
度にするという保護機能は一般的によく使用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の摩擦材の摩擦係数が高すぎる場合、モータが起動する
ときの瞬間的な滑りが無くなり、装置の起動不能や構成
部品の損傷につながる。また、摩擦係数が低すぎる場
合、1次側−2次側の回転速度を同調させるのに長い時
間が必要となる。
【0005】アクチュエータにおいては摩擦材の摩擦係
数が0.1〜0.2であるとちょうど良い滑りを得ることがで
きる場合が多い。しかしながら、現在ある摩擦材として
は、ブレーキライニング、ディスクパッド、クラッチフ
ェーシングと呼ばれる自動車用部材が大半を占め、これ
ら自動車用摩擦材の摩擦係数は0.3〜0.5のものがほとん
どで、0.25〜0.3、0.5〜0.55の範囲の材料がまれにみら
れる程度である。他に摩擦現象を制御して使用されるも
のとしては、自動車用ゴムタイヤと、主に軸受けに用い
られる摺動材が挙げられる。しかしながら、タイヤ用ゴ
ムは、乾燥したアスファルト路面では摩擦係数が0.8程
度であり、又摺動材は、その使用される状況により摩擦
係数は低ければ低いほど良いものであるため、乾式固体
潤滑の状態では、0.05〜0.1の範囲である。
【0006】また、アクチュエータに装着される摩擦材
には200〜500kgf/cm2という高い面圧が常にかかる場合
が多く、自動車、産業機械、事務機器等は短くて数年、
長いものは数十年という長い年月にわたって使い続けら
れるので、摩擦材にも同等の寿命が要求される。よっ
て、この高い常用面圧下での摩擦に対する耐久性も必要
となる。
【0007】オイルを含浸したり、グリースを塗布した
りする工夫によって、0.1〜0.2の範囲の摩擦係数になる
場合があるが、高い面圧下で使用されると、機械本体の
数年〜数十年という寿命に比べればきわめて短い時間
で、オイル又はグリースは枯渇し摩擦係数が上昇するの
で、実用には適さなかった。
【0008】また、ポリテトラフルオロエチレンを用い
た摺動材も使用されているが、これらは主に面圧が20kg
f/cm2以下という低い値で用いるものがほとんどであっ
た。それは、200kgf/cm2以上という高い面圧になれば摩
擦係数が0.1以下と低くなりすぎたり、あるいは初期に
得られていた摩擦係数が徐々に高くなる等安定した摩擦
係数が得られないためである。またこのような高面圧下
では耐久性に問題のあるものがほとんどであった。
【0009】本発明では、200〜500kgf/cm2という高い
面圧下での使用において摩擦係数が0.1〜0.2であり、数
年〜数十年という寿命をもつ摩擦材を得ることを目標と
する。
【0010】
【問題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の摩擦材は、ポリテトラフルオロエチレン
(以下PTFEと略す)の含有量が20〜40体積%であ
り、その他に(ア)繊維成分と(イ)充填剤成分と
(ウ)結合材成分とを含有し、(1)面圧が50kgf/cm
2 で、0.12〜0.18、(2)面圧が225kgf/cm2で、0.10〜0.1
5の摩擦係数を有することを特徴とする。
【0011】また、(ア)繊維成分と(イ)充填剤成分
と(ウ)結合材成分がそれぞれ(ア)石綿繊維、芳香族
アラミド繊維、(イ)硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
チタン酸カリウム、(ウ)フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、から選ばれる1種以上から成ることを特徴とす
る。
【0012】また、上記摩擦材が加圧加熱成形により成
形されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】PTFEは、粉末状、水懸濁液、
ブロック体、テープ状等いろいろな形態のものがあり、
これらを適宜使用することができるが、粉末状のものを
使用することが好ましい。PTFEは、摩擦係数の低い
物質でPTFE同士の摩擦係数は0.1又は0.1よりやや低
い値である。そして、PTFEに物理的な力が加わる
と、フィブリルと呼ばれるひげ状の繊維が伸びる性質が
ある。この性質により、摩擦されると摩擦材と対面の両
方にフィブリルの薄膜が形成されPTFE同士の摩擦状
態ができ、その結果低い摩擦係数が長時間維持されると
考えられる。このことより、PTFEの薄膜の形成を阻
害する成分、及び薄膜を破壊する成分を入れることは好
ましくない。
【0014】PTFEの含有量は摩擦材全量に対して20
〜40体積%であることが必要である。含有量が20体積%
未満だと摩擦係数が不安定になり、工業製品として供給
するには信頼性に欠ける。40体積%より多いと材料強度
が低下するので、常用面圧が高い場合は使用することが
できない。また、PTFEは高価な材料であるので、価
格等を考慮しても40体積%以下である方がよい。
【0015】(ア)繊維成分は高い常用面圧下での摩擦
に対する耐久性を増すため添加するもので、石綿繊維と
芳香族アラミド繊維の中から1種以上を使用することが
好ましい。PTFEの薄膜を破壊しないからである。ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維はPTFEの薄膜を破壊
するので好ましくない。
【0016】(イ)充填剤は増量目的や潤滑特性を付与
して安定した摩擦を得られるように添加するもので、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムの中か
ら1種以上を使用することが好ましい。PTFE薄膜を
破壊しないからである。グラファイト、二硫化モリブデ
ンはPTFE薄膜の形成を阻害するため好ましくない。
又、カシューダスト、石英、アルミナは硬いためPTF
E薄膜を破壊するので好ましくない。
【0017】(ウ)結合材は繊維材や充填剤を結びつけ
るもので、フェノール樹脂やポリイミド樹脂の中から1
種以上を使用することが好ましい。PTFE薄膜を破壊
しないからである。メラミン樹脂は硬いためPTFE薄
膜を破壊するので好ましくない。
【0018】摩擦係数は面圧により変化することが一般
的であるが、本発明の摩擦材も同様に変化する。本発明
の摩擦材はPTFEを含むので、その値は面圧が50kgf/
cm2の場合0.12〜0.18、面圧が225kgf/cm2の領域で0.10
〜0.15の範囲である。摩擦係数が上記のような場合面圧
が200〜500kgf/cm2のときに摩擦係数が0.10〜0.20とい
う従来無かった摩擦係数範囲の摩擦材を供給することが
できる。
【0019】本発明の摩擦材の製造方法は、現在摩擦材
の製造方法として一般的な加圧加熱成型法を用いること
ができる。最初に上記繊維成分、充填剤成分、結合材成
分、PTFEの所定量を混合機で混合する。次に必要に
応じて金型温度常温〜100℃、圧力5〜200kgf/cm2で予備
成形を行う。その後金型温度120〜200℃、圧力100〜400
kgf/cm2で加圧加熱処理を行う。温度、圧力、成型時間
は摩擦材の基材の種類、摩擦材の形状、用途により決定
する。
【0020】加圧加熱成型後、樹脂の硬化不足を防止す
るために、雰囲気温度150〜300℃で熱処理を行う。しか
し、この熱処理は、加圧加熱成形条件、熱硬化性樹脂の
種類、摩擦材の大きさ、形状等によっては省略すること
ができる。最後に摩擦面に研磨等の仕上げを施して仕上
げる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。PT
FE粉末として旭硝子(株)製フルオンL169Jを用
い、その他(ア)繊維成分、(イ)充填剤成分、(ウ)
結合材成分を表1、2に示す割合で混合機に投入し均一
になるまで混合して、摩擦材原料混合品を得た。次に、
この摩擦材原料混合品を金型温度常温、圧力100kgf/cm2
で30秒予備成形し、続いて金型温度温度145℃、圧力200
kgf/cm2で8分間加熱成形し、その後雰囲気温度180℃で6
時間熱処理して、実施例1〜7、比較例1〜8の摩擦材
を作成した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】このようにして得られた摩擦材を、テスト
ピース形状:内径=22.6mm、外形=25.4mm、摩擦面積=
1cm2、押付力=50kgf/cm2 (面圧=50kgf/cm2 )、滑り
速度=10cm/sec、摩擦対面=鋳鉄の条件で、摩擦性能試
験を実施した。その結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】これらの結果より、実施例の摩擦係数は0.
13〜0.17の範囲で分布している。また、チタン酸カリウ
ムの含有量を、0〜15体積%の範囲で変化させると、そ
れに伴って、摩擦係数が0.13〜0.17の範囲で変化するこ
とが実施例1、5、6、7によって分かる。これは、微
少な摩擦係数の調整が可能なことを示しているので、よ
り好適な性質である。
【0027】さらに、実施例1、7のテストピースに中
心角120°の切り欠き部を2つ作り、摩擦面積=0.33cm
2 、押付力=75kgf/cm2 (面圧=225kgf/cm2)にて、上
記と同様の摩擦性能試験を行った。その結果は、実施例
1では摩擦係数=0.11、実施例7では摩擦係数=0.14で
あった。又、実施例、比較例のその他の物性については
表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、PTFEを20〜40体
積%含有することによって、従来得難かった200〜500kg
f/cm2という高い面圧下での使用において0.1〜0.2の範
囲の摩擦係数の摩擦材を得られるようになった。その結
果、装置の構成部品の保護ができ、且つ滑りすぎない摩
擦材を得ることができた。また長期間にわたって摩擦係
数の保持力と機械的強度を有しているので、高面圧下で
長期の使用が可能となった。以上の物性は、自動車、産
業機械、事務機器等に多数使用されているアクチュエー
タに装着され安定したトルク伝達のために用いられるブ
レーキライニング、クラッチフェーシング、フリクショ
ンプレートと呼ばれる摩擦材として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレンの含有量が20
    〜40体積%であり、その他に(ア)繊維成分と(イ)充
    填剤成分と(ウ)結合材成分とを含有し、 (1)面圧が50kgf/cm2で、0.12〜0.18、 (2)面圧が225kgf/cm2で、0.10〜0.15 の摩擦係数を有することを特徴とする摩擦材。
  2. 【請求項2】(ア)、(イ)、(ウ)がそれぞれ (ア)石綿繊維、芳香族アラミド繊維、 (イ)硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウ
    ム、 (ウ)フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、 から選ばれる1種以上から成ることを特徴とする請求項
    1記載の摩擦材。
  3. 【請求項3】加圧加熱成形により成形することを特徴と
    する請求項1又は2記載の摩擦材。
JP15397398A 1998-05-19 1998-05-19 摩擦材 Pending JPH11322958A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249454A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toyota Motor Corp 摩擦材
WO2021010003A1 (ja) * 2019-07-18 2021-01-21 日清紡ブレーキ株式会社 摩擦材組成物、摩擦材及びディスクブレーキパッド

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009249454A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toyota Motor Corp 摩擦材
WO2021010003A1 (ja) * 2019-07-18 2021-01-21 日清紡ブレーキ株式会社 摩擦材組成物、摩擦材及びディスクブレーキパッド
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