JPH11322061A - 長尺搬送体の搬送方向転換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺搬送体を方向転換させる際に、簡易な構
成且つ複雑な制御系を用いることなく容易に方向転換さ
せる。 【解決手段】 搬送テーブル１で長尺搬送体としてのビ
レット２をその長手方向に搬送し、この搬送テーブルの
終端に軸方向をビレット２の搬送方向と交差させて配設
した方向転換用ローラ６ａ〜６ｉを有する方向転換用ロ
ーラ群６にビレット２の先端が到達したときにローラの
スキュー作用によってこの先端を転換方向側に転回させ
る。その後、ビレット２の先端が例えば搬送テーブルの
搬送方向と直交して延長するサイドガイド１１に当接し
て拘束されると尾端側を搬送テーブル１の転回モーメン
ト付与作用によって大きく旋回させ、ビレット全体が方
向転換用ローラ群６に載置されるとそのスキュー作用に
よってビレット２がその長手方向側面をサイドガイド１
１に案内されて搬出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺搬送体の搬送
方向を転換する長尺搬送体の搬送方向転換装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の長尺搬送体の搬送方向転換装置と
しては、例えば実公平２−８９００号公報に記載されて
いるものがある。

【０００３】この従来例には、ローラコンベヤにおける
前後方向に搬送する主ラインの前端に、左右方向を向く
とともに、内部を左右方向に２分割した角枠状のフレー
ムを設け、このフレームにおける主搬送ラインと連続す
る側の区劃部に、主ラインの搬送方向と転向させるべき
方向のほぼ中間方向に向けて傾斜させた多数の誘導ロー
ラを枢設すると共に、主ラインから遠い側の区劃部に、
左右方向に並ぶ多数の直進ローラを枢設し、且つ各直進
ローラを、各誘導ローラよりも高速で駆動するようにし
たローラコンベヤにおける搬送方向転換装置が記載され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、角枠状フレームの２分割した区劃部に
誘導ローラと直進ローラとを配設することにより、被搬
送体の方向変換を行うようにしているが、この場合に
は、長さが比較的短いスラブ等の方向転換には好適であ
るが、ビレット等の長尺の搬送体を方向転換する場合に
は、多数の誘導ローラ及び直進ローラを必要とすること
になり、設備が大型化してコストが嵩むと共に、方向転
換精度が不安定となるという未解決の課題がある。

【０００５】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、簡易な構成で長尺
搬送体を安定して方向転換させることができる長尺搬送
体の方向転換装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１に係る長尺搬送体の方向転換装置
は、長尺搬送体をその長手方向に搬送する搬送テーブル
と、該搬送テーブルの終端側に配設された前記長尺搬送
体の先端部を転換方向に所定量移動させる方向転換用ロ
ーラを所定数一列に並設した方向転換用ローラ群と、前
記搬送テーブルの搬送方向と交差する方向に延長して配
設され、前記長尺搬送体を所定転換方向に案内する案内
手段とを備えたことを特徴としている。

【０００７】この請求項１に係る発明においては、搬送
テーブルで長尺搬送体をその長手方向に搬送し、その先
端が方向転換用ローラ群における方向転換用ローラに達
すると、この方向転換用ローラのスキュー作用によって
先端部がそれまでの搬送方向と交差する方向に傾斜さ
れ、その後長尺搬送体の先端が案内手段に当接すると、
搬送テーブルの転回モーメント付与作用の付加によって
長尺搬送体の尾端側が急速に搬送方向と交差する方向に
傾斜され、最終的に長尺搬送体が案内手段に沿う状態に
転回され、この案内手段に案内されながら搬出される。

【０００８】また、請求項２に係る長尺搬送体の方向転
換装置は、請求項１に係る発明において、前記方向転換
用ローラは、搬送テーブル側が大径ローラ部に形成され
ると共に、反対側が小径ローラ部に形成され、両者間が
テーパー部で連接された構成を有することを特徴として
いる。

【０００９】この請求項２に係る発明においては、大径
ローラ部及び小径ローラ部間にテーパー部が形成されて
いるので、長尺搬送体が案内手段に沿う直前となったと
きにテーパー部で長尺搬送体が案内手段側に滑りながら
移動することになり、長尺搬送体を案内手段に確実に沿
わせて案内させることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、本発明の一実施形態の概
略構成を示す平面図であって、図中、１は連続鋳造設備
の出側に配設された搬送テーブルである。

【００１１】この搬送テーブル１は、連続鋳造設備出側
に所定間隔を保って配設された例えば４つのストランド
Ｓ１〜Ｓ４からｙ方向に送出される長尺搬送体としての
ビレット２をｙ方向に搬送する例えば５本の搬送ローラ
３ａ〜３ｅがその軸方向をｘ方向としてｙ方向に所定間
隔を保って並行に配設され、各搬送ローラ３ａ〜３ｅが
図示しない電動モータ等の回転駆動源によってビレット
２をｙ方向に搬送するように回転駆動されていると共
に、その長さが最外端側のストランドＳ４でのビレット
２の尾端が反時計方向に旋回したときにこれを受けられ
る長さに選定されている。

【００１２】搬送テーブル１の終端側には、搬送テーブ
ル１によってｙ方向に搬送されてくるビレット２をｘ方
向に転換させる方向転換用ローラ群６が配設されてい
る。この方向転換用ローラ群６は、搬送テーブル１の最
終端側の搬送ローラ３ｅよりｙ方向側に、例えば搬送テ
ーブル１で搬送されるビレット２のストランド間隔と等
しいピッチで９本の方向転換用ローラとして連続鋳造設
備側からみて反時計方向に回転しビレット２の先端部を
ｘ方向に転換させるスキュー作用を付与するスキューロ
ーラ６ａ〜６ｉがｘ方向に一列に並設されて構成されて
いる。

【００１３】ここで、スキューローラ６ａ〜６ｉの夫々
は、それらの軸方向が搬送ローラ３ａ〜３ｅに対して例
えば４５度傾斜した方向に設定されており、図２（図１
のＡ−Ａ視）を参照して明らかなように、搬送ローラ３
ｅ側に搬送テーブル１によって搬送されてくるビレット
２の下面に接触する大径ローラ部７が形成されていると
共に、この大径ローラ部７とは反対側に大径ローラ部７
より小径の小径ローラ部８が形成され、さらに大径ロー
ラ部７及び小径ローラ部８間に大径ローラ部７から小径
ローラ部８に行くに従い徐々に外径が小さくなるテーパ
ー部９が形成されている。

【００１４】そして、ビレット２が搬送されてくるスト
ランドＳ１〜Ｓ４に対応するスキューローラ６ｂ〜６ｅ
は、搬送テーブル１によってｙ方向に搬送されてくるビ
レット２の先端側の下面が大径ローラ部７に接触するよ
うに配設されている。

【００１５】また、方向転換用ローラ群６の各スキュー
ローラ６ａ〜６ｉの小径ローラ部８のｘ方向終端側上方
には案内手段として搬送テーブル１によって搬送される
ビレット２の搬送方向と直交するｘ方向に延長するスト
ッパを兼ねる横長のサイドガイド１１が配設されてい
る。さらに、搬送テーブル１の各搬送ローラ３ａ〜３ｅ
のｘ方向終端側の上方には、搬送ローラ３ａ〜３ｅの軸
方向と直交してｙ方向に延長し、搬送ローラ３ｅの位置
でｘ方向に９０度屈曲してサイドガイド１１と所定間隔
を保って対向するように延長する逆Ｌ字状のガイド１２
が配設されている。

【００１６】そして、サイドガイド１１とガイド１２と
が対向する位置の下方に所定間隔を保ってスキューロー
ラ６ａ〜６ｉの小径ローラ部８によってｘ方向に搬送さ
れてくるビレット２の下面に接触して、これをｘ方向に
搬出する搬出用ローラ１４ａ，１４ｂ……が配設されて
いる。さらに、スキューローラ６ａの上方位置に図３
（図１のＢ−Ｂ視）を参照して明らかなように転回され
たビレット２がスキューローラ６ａ〜６ｉの小径ローラ
部８によってサイドガイド１１に案内されて搬送される
時に通過可能なビレット２より僅かに大きい通過孔１５
を有するゲート１６が配設されている。

【００１７】次に、上記実施形態の動作を説明する。例
えば、今、図１で実線図示のように、第４ストランドＳ
４で連続鋳造設備から搬出されたビレット２を搬送テー
ブル１によって方向転換用ローラ群６側に搬送する。

【００１８】そして、ビレット２の先端がスキューロー
ラ６ｅの大径ローラ部７に接触する状態となると、大径
ローラ部７のスキュー作用によってビレット先端部をｘ
方向に移動させる力が付与されることになり、ビレット
２の先端部がｘ方向に方向転換されて、ビレット２全体
が搬送テーブル１の搬送方向に対して反時計方向に転回
される。

【００１９】このようにビレット２が転回を開始する
と、ビレット２は搬送ローラ３ａ〜３ｅの転回モーメン
ト付与作用によって図１で破線図示のように矢示ｗで示
す反時計方向に比較的速い速度で旋回しながら搬送テー
ブル１によってサイドガイド１１側に送られる。

【００２０】そして、図１で一点鎖線図示のようにビレ
ット２の先端がサイドガイド１１に当接する状態となる
と、ビレット２の先端が拘束されることになるため、搬
送ローラ３ｄ及び３ｅの転回モーメント付与作用によっ
て、先端部を転回中心とする反時計方向の転回運動に変
化し、転回角度が増加するほど転回モーメントが増大し
転回速度も増加して、尾端が急速にサイドガイド１１側
に移動される。

【００２１】このとき、ビレット２はスキューローラ６
ｅと搬送ローラ３ｄ，３ｅの押込力によって先端部がガ
イド１１側に押し付けられることになり、先端部がサイ
ドガイド１１から手前側に浮き上がることを防止するこ
とができる。

【００２２】その後、ビレット２が順次スキューローラ
６ｅ〜６ｇ側に乗り移ると、各ローラ６ｅ〜６ｇの大径
ローラ部７のスキュー作用によって、ビレット２がさら
にサイドガイド１１側に転回され、ビレット２が全て方
向転換用ローラ群６の各スキューローラ６ｅ〜６ｈ上に
載置される状態となり、その後、ビレット２の先端部か
ら順次スキューローラ６ｅ，６ｆ，６ｇ，６ｈのテーパ
ー部９を経由して小径ローラ部８に移動し、最終的に尾
端がスキューローラ６ｈのテーパー部９を越えて小径ロ
ーラ部８に移動すると、ビレット２全体がサイドガイド
１１に確実に移動され、ビレット２が図１で二点鎖線図
示のように各ローラ６ｅ〜６ｈの小径ローラ部８に載置
されることになる。

【００２３】この状態でも、スキューローラ６ａ〜６ｈ
が回転を継続しているので、小径ローラ部８のスキュー
作用によってビレット２がサイドガイド１１側に押し付
けられながらｘ方向に搬送され、ゲート１６の通過孔１
５を通過して搬出ローラ１４ａ，１４ｂ……に図４（図
１のＣ−Ｃ視）に示すようにビレット２がサイドガイド
１１に沿う関係で受け渡され、これら搬出ローラ１４
ａ，１４ｂ……によって例えば次の保熱／圧延ラインに
搬出される。

【００２４】ここで、ゲート１６に搬送されるビレット
２の姿勢がその尾端側がサイドガイド１１より離れてい
る場合には、ゲート１６の通過孔１５を通過している内
にビレットの長手方向側面がサイドガイド１１側に寄せ
られて、安定した姿勢で搬出ローラ１４ａ，１４ｂ……
に受け渡される。

【００２５】同様に、第１〜第３ストランドＳ１〜Ｓ３
でビレット２が搬送された場合も、上記と同様のスキュ
ーローラ６ｂの大径ローラ部７のスキュー作用によって
先端がｘ方向側に反時計方向に転回され、尾端が搬送ロ
ーラ３ａ〜３ｅによって旋回され、最終的にスキューロ
ーラ６ｂ〜６ｅによってビレット２がその長手方向の側
面をサイドガイド１１に押し付けられながらサイドガイ
ド１１に沿ってｘ方向に搬出される。

【００２６】このように、上記実施形態によると、ビレ
ット２のような長尺搬送体を例えば９０度方向転換させ
る場合に、搬送テーブル１の搬送ローラ３ａ〜３ｅ及び
方向転換用ローラ群６のスキューローラ６ａ〜６ｈを一
定方向に回転駆動するだけで、スキューローラ６ａ〜６
ｈのスキュー作用及び搬送ローラ３ａ〜３ｅの転回モー
メント付与作用を利用して方向転換を行い、最終的にス
キューローラ６ａ〜６ｈの小径ローラ部８でサイドガイ
ド１１に押し付けられながらサイドガイド１１に沿って
左方に搬出されるので、各ローラの駆動制御系を簡易化
することができると共に、ビレット２をその先端部がサ
イドガイド１１に当接した状態で転回させることがで
き、最終的にサイドガイド１１に沿って搬出するので、
転回終了後の姿勢が安定した状態で搬出することができ
る。

【００２７】なお、上記実施形態においては、長尺搬送
体としてビレット２を適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、他の角材や棒材等
の長尺搬送体を方向転換させる場合にも本発明を適用し
得ることは言うまでもない。

【００２８】また、上記実施形態においては、スキュー
ローラ６ａ〜６ｉの軸方向を搬送テーブル１によるビレ
ット２の搬送方向に対して４５度傾斜させた場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、ビレッ
ト２の先端が接触を開始する初期状態ではその先端を転
換方向に転回させるべく傾斜させ、その後ビレット２全
体の転回角が大きくなるにつれてビレット２をサイドガ
イド１１側に移動させるスキュー作用を発揮させるべく
傾斜角度を自在に変化させるようにしてもよい。

【００２９】さらに、上記実施形態においては、スキュ
ーローラ６ａ〜６ｉを大径ローラ部７、小径ローラ部８
及びテーパー部９で構成した場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、大径ローラ部７及び小
径ローラ部８間を外径がトロイダル面のように２次曲線
的に変化する曲面で連接するようにしてもよく、さらに
は大径ローラ部７のみで構成するようにしてもよい。

【００３０】さらにまた、上記実施形態においては、長
尺搬送体をｙ方向からｘ方向に９０度方向転換させる場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ｘ方向とは逆方向に９０度方向転換させる場合に
は、スキューローラ６ａ〜６ｉの軸方向を搬送ローラ３
ａ〜３ｅの軸方向に対して上記実施形態とは逆方向即ち
ｙ方向に平行な線に対して線対称に傾斜させると共に、
回転方向も逆転させればよく、さらに方向転換角度もサ
イドガイド１１の角度を変更するか、又はサイドガイド
１１の角度及びスキューローラ６ａ〜６ｉの傾斜角の双
方を変更することにより、任意の方向転換角度を設定す
ることができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
に係る発明によれば、搬送テーブルで長尺搬送体をその
長手方向に搬送し、その先端が方向転換用ローラ群にお
ける方向転換用ローラに達すると、この方向転換用ロー
ラのスキュー作用によって先端部がそれまでの搬送方向
と交差する方向に傾斜され、その後長尺搬送体の先端が
案内手段に当接すると、搬送テーブルの転回モーメント
付与作用によって長尺搬送体の尾端側が急速に搬送方向
と交差する方向に傾斜され、最終的に方向転換用ローラ
群のスキュー作用によって長尺搬送体が案内手段に沿う
状態に転回され、この案内手段に案内されながら搬出さ
れるので、搬送テーブル及び方向転換用ローラを一定方
向に回転駆動するだけで、長尺搬送体を自動的に容易に
方向転換させることができ、制御系を簡易化することが
できると共に、全体構成も簡略化することができ、製作
コストを低減させることができるという効果が得られ
る。

【００３２】また、請求項２に係る発明によれば、大径
ローラ部及び小径ローラ部間にテーパー部が形成されて
いるので、長尺搬送体が案内手段に沿う直前となったと
きにテーパー部で長尺搬送体が案内手段側に滑りながら
移動することになり、長尺搬送体を案内手段に確実に沿
わせて案内させることができるので、方向転換後の長尺
搬送体の姿勢を安定化することができるという効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の概略構成を示す平面図で
ある。

【図２】図１における方向転換ローラ部の側面図であ
る。

【図３】図１におけるゲート部の側面図である。

【図４】図１における搬出ローラ部の側面図である。

【符号の説明】

１ 搬送テーブル ２ ビレット（長尺搬送体） ３ａ〜３ｅ 搬送ローラ ６ 方向転換用ローラ群 ６ａ〜６ｉ スキューローラ ７ 大径ローラ部 ８ 小径ローラ部 ９ テーパー部 １１ サイドガイド １２ ガイド １４ａ，１４ｂ…… 搬出用ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 旭 一郎 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地な し） 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 松川 敏胤 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地な し） 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 松田 惠嗣 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地な し） 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺搬送体をその長手方向に搬送する搬
   送テーブルと、該搬送テーブルの終端側に配設された前
   記長尺搬送体の先端部を転換方向に所定量移動させる方
   向転換用ローラを所定数一列に並設した方向転換用ロー
   ラ群と、前記搬送テーブルの搬送方向と交差する方向に
   延長して配設され、前記長尺搬送体を所定転換方向に案
   内する案内手段とを備えたことを特徴とする長尺搬送体
   の搬送方向転換装置。
2. 【請求項２】 前記方向転換用ローラは、搬送テーブル
   側が大径ローラ部に形成されると共に、反対側が小径ロ
   ーラ部に形成され、両者間がテーパー部で連接された構
   成を有することを特徴とする請求項１記載の長尺搬送体
   の搬送方向転換装置。