JPH11321509A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JPH11321509A
JPH11321509A JP10133201A JP13320198A JPH11321509A JP H11321509 A JPH11321509 A JP H11321509A JP 10133201 A JP10133201 A JP 10133201A JP 13320198 A JP13320198 A JP 13320198A JP H11321509 A JPH11321509 A JP H11321509A
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JP
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breaking
wrapping member
airbag
airbag body
slit
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JP10133201A
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Yorito Okuda
頼人 奥田
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Marelli Corp
Original Assignee
Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織布製ラッピング部材の破断時にその織糸の
一部が抜け落ちるのを防止できるエアバッグ装置を提供
する。 【解決手段】 折り畳まれた状態で収容されかつインフ
レータ6から噴出された圧力気体によって膨張するエア
バッグ本体8と、該エアバッグ本体8の折り畳み状態を
保持しかつ該エアバッグ本体8の膨張時にその膨張力に
より破断する織布製のラッピング部材16とを備えてい
る。このラッピング部材16は、平織布からなり、かつ
ラッピング部材16にはその織目方向に沿って、千鳥状
に延びる破断用スリット201a、…、202a、…が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両などに搭載
される運転席用または助手席用のエアバッグ装置に関
し、特にエアバッグ本体を折り畳み状態に保持するラッ
ピング部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、助手席用エアバッグ装置におい
ては、袋状のエアバッグ本体を折り畳んでハウジング内
に収容し、このハウジングに、例えば、インストルメン
トパネルなどの一部を構成するリッドを取付けて、該イ
ンストルメントパネルに装着しているが、ハウジングに
リッドを取付けるまでは、このエアバッグ本体を折り畳
まれた状態のまま押さえておく必要がある。
【0003】そのため、従来は、折り畳んだ状態のエア
バッグ本体を、織布または紙などから構成されるラッピ
ング部材により押さえて保持するようにしている。ここ
で、このラッピング部材は、エアバッグ本体が膨張する
際にその膨張圧力で破断される必要があるので、このラ
ッピング部材は膨張時に容易に破断するように、ラッピ
ング部材に破断すべき線(以下破断部という)に沿って
ミシン目状に断続する破断用スリットを設けたり、さら
にはその破断部の破断開始部に切り込みを設けたりして
いる。
【0004】このエアバッグ装置によれば、折り畳まれ
た状態のエアバッグ本体は、ラッピング部材により押さ
えられて保持され、この押さえ形態を保持された状態で
インストルメントパネル内に装着される。そして、車体
に所定値以上の衝撃力が加わったときに、エアバッグ本
体は圧力気体が供給されて膨張するが、このラッピング
部材は破断部に沿って容易に破断されて、車室内にエア
バッグ本体が膨出することを妨げないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ラッピン
グ部材は、エアバッグ本体の折り畳み状態を保持しつつ
エアバッグ本体の膨張時はその膨張展開を阻害しないよ
うに容易に破断する必要があるが、かかるラッピング部
材の素材として例えば平織りの織布を用い、かつ破断部
として単純な1列のミシン目状の破断用スリットを設け
た場合には、ラッピング部材はその破断用スリットの方
向に交差する織糸の経糸または緯糸の一部が引き千切ら
れて破断していくため、その際、引き千切られた織糸が
抜け落ちる虞がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、上述の問題点
を解消し、ラッピング部材の破断時にその織糸が抜け落
ちるのを防止できる織布製ラッピング部材を有するエア
バッグ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明では、折り畳まれた状態
で収容されかつインフレータから噴出された圧力気体に
よって膨張するエアバッグ本体と、該エアバッグ本体の
折り畳み状態を保持しかつ該エアバッグ本体の膨張時に
その膨張力により破断する織布製のラッピング部材とを
備えたエアバッグ装置において、前記ラッピング部材
は、その織布の織目方向に沿って、千鳥状の破断用スリ
ットを設けたことを特徴とするエアバッグ装置である。
【0008】このように構成された請求項1にかかる発
明では、ラッピング部材には、破断が他の部分に比較し
て容易な破断用スリットが設けられているので、エアバ
ッグ本体の膨張時には、この破断用スリットが容易に破
断されて、折り畳まれていたエアバッグ本体の膨出を妨
げることがない。また、この破断用スリットは、織布の
織目方向に延びかつ千鳥状に配列されているので、破断
部はスリット幅でジグザグとなる千鳥状破断パターンと
なり、その破断部により2分される一方の布片には経糸
または緯糸の一方が残り、他方の布片にはその経糸また
は緯糸の一方と織合わされていた経糸または緯糸の他方
が残るように破断される。これにより、破断に際して織
布の経糸または緯糸の一部が抜け落ちることを確実に防
止できる。
【0009】また、請求項2に記載された発明では、前
記ラッピング部材は、前記破断用スリットの少なくとも
一部に脆弱状態で繋がっている織糸を有することを特徴
とする請求項1に記載のエアバッグ装置である。
【0010】このように構成された請求項2にかかる発
明では、破断用スリットが完全に切断されている場合に
は、エアバッグ本体の折り畳み状態をその膨張時までラ
ッピング部材により保持する力はその織布の経糸と緯糸
との織合わせ力のみとなるが、破断用スリットの一部ま
たは全部で脆弱状態の織糸で繋がっている構成であるの
で、エアバッグ本体の膨出を妨げることなく、かつエア
バッグ本体の折り畳み状態をその膨張時まで保持する力
を高められ、エアバッグ装置の組立て時に不用意にラッ
ピング部材を破断させてしまうことを防止できる。
【0011】また、請求項3に記載された発明では、前
記ラッピング部材は、化学繊維からなり、かつ前記破断
用スリットは、レーザ照射カッターまたは超音波カッタ
ーなどの加熱切断加工により成形され、さらに前記脆弱
状態で繋がっている織糸は、溶着状態で繋がっているこ
とを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置であ
る。
【0012】このように構成された請求項3にかかる発
明では、加熱切断加工により化学繊維同士の溶着が起こ
るため、破断用スリットの一部または全部で織糸が溶着
状態で繋がっていることになるので、その脆弱な繋がり
状態を簡単確実に形成できる。
【0013】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態について、助手席側のインストルメントパネル内に
この発明のエアバッグ装置を装着した例に基づいて説明
する。
【0014】図1ないし図7は、この発明の実施の形態
1を示すものである。
【0015】まず、構成を説明すると、符号1は、この
実施の形態1のエアバッグ装置であり、このエアバッグ
装置1は、自動車のフロントウインドウガラス2の下方
に位置するインストルメントパネル3の上面3aに膨出
開口部4に臨むように配設される。すなわち、この膨出
開口部4には、図2に示すように、熱可塑性エラストマ
などからなるリッド5が取付けられ、このリッド5の裏
面には、例えばH形状をした開裂溝5a´を有し、後述
するエアバッグ本体8が膨張したときの押圧力により開
裂し、エアバッグ本体8の車室内への膨出を許す。ま
た、このリッド5の裏面には一体的に脚部5a、5aが
形成されており、この脚部5a、5aにはそれぞれフッ
ク取付用係止孔5bが設けられている。
【0016】そして、このリッド5の裏面側には、エア
バッグモジュール本体が取付けられるが、そのエアバッ
グモジュール本体は、圧力気体(例えば、窒素ガス)を
噴出する筒状のインフレータ6と、そのインフレータ6
から噴出された圧力気体の噴出量や噴出方向を制御する
筒状のディフューザ7と、ディフューザ7で制御された
圧力気体によって膨張するエアバッグ本体8と、このエ
アバッグ本体8が膨出する上方の開口9を有するハウジ
ング10とから概略構成されている。
【0017】インフレータ6はディフューザ7内に配置
され、このディフューザ7は、ボルトなどの固定部材1
1によりハウジング10内の下部に固定されている。ま
た、このディフューザ7の上方のハウジング10の上部
にエアバッグ本体収納空間12が形成され、このエアバ
ッグ本体収納空間12にエアバッグ本体8は折り畳まれ
て収納されている。
【0018】また、このハウジング10の車両の前方側
に位置する前壁10a、および車両の後方側(乗員側)
に位置する後壁10bの外壁面には、結合部材としての
前側取付フック13および後側取付フック14とが固定
されている。この前後取付フック13、14を脚部5
a、5aの係止孔5bに係止すると共にブラケット15
を介して図示しない車体の一部(例えば、ステアリング
サポートメンバ)に固定することにより、ハウジング1
0が車体側に固定されている。
【0019】このエアバッグ本体8は、例えばポリアミ
ドなどの化学繊維からなる織布を所定形状に裁断した複
数枚の布体を適宜重ね合わせてその周縁部同士を縫製す
ることにより袋状としたものである。その布体のうちの
一方にはディフューザ7の開口7aから噴出されるイン
フレータ6の圧力気体を内部へ導入するための圧力気体
導入口8aが形成されている。さらに、その圧力気体導
入口8aの周囲には、ディフューザ7を包み込むように
その外周を覆い、かつ、ハウジング10とディフューザ
7との間に介在させるようにした筒状の取付部8bが一
体に縫製されている。
【0020】この実施の形態1では、図1、図3に示す
ように、さらに、エアバッグ本体8の折り畳み状態を保
持するためのラッピング部材16が設けられている。
【0021】このラッピング部材16は、図4に示すよ
うに、経糸wp1〜6と緯糸wt1〜6とが互いに直角
の方向に交錯された平織り織布であり、かつエアバッグ
本体8と同材料のポリアミドなどの化学繊維からなり、
例えばレーザ照射カッターまたは超音波カッターなどの
加熱切断加工により図5に示す展開形状に裁断したもの
である。
【0022】このラッピング部材16の一側辺には接合
代17が設けられ、エアバッグ本体8の圧力気体導入口
8aの近傍に縫製または接着などの手段により取付けら
れている。一方、他側辺には、その幅が漸減された一対
の係合部18、19が設けられている。この係合部1
8、19にはそれぞれ前側取付フック13と係合する開
口18a、19aが設けられている。この開口18a、
19aを前側取付フック13に係合することによりラッ
ピング部材16の他側辺が固定され、これによりエアバ
ッグ本体8はハウジング10内に折り畳んだ状態で保持
される。なお、この開口18a、19aも例えばレーザ
照射カッターまたは超音波カッターなどの加熱切断加工
により成形されている。
【0023】また、この係合部18、19には、図3、
図5に示すように、この係合部18、19の外周辺縁部
から開口18a、19aにかけて織布の織目方向に沿っ
て、千鳥状の破断用スリット201a、201b、20
2a、すなわちミシン目状に断続的に配列された1列目
の破断用スリット201a、201bと、それら1列目
の破断用スリット201a、201bに平行でかつその
スリット間に位置する2列目の破断用スリット202a
とが、例えばレーザ照射カッターまたは超音波カッター
などの加熱切断加工により成形されている。
【0024】これを一方の係合部18を例にとって図6
に基づき説明すると、係合部18の外周辺縁部から開口
18aの下端縁にかけて織布の緯糸wtに沿って配列さ
れる2つの破断用スリット201aおよび201bを、
その織布の複数の経糸wpをレーザ照射カッターまたは
超音波カッターなどで切断することにより成形し、さら
にそれらの破断用スリット201a、201bに平行で
かつそのスリット間に位置する破断用スリット202a
を、同様にその織布の複数の経糸wpをレーザ照射カッ
ターまたは超音波カッターなどで切断することにより成
形してなる。すなわち、破断用スリット201aと破断
用スリット201bとは緯糸wt2と緯糸wt3との間
に形成され、破断用スリット202aは緯糸wt10と
緯糸wt11との間に形成されている。さらに、この各
破断用スリット201a、201b、202aの切り込
み長さは、同一の経糸wpが切断されないように構成さ
れている。例えば、経糸wp1〜6は破断用スリット2
01aとして切り込まれ、経糸wp7〜12は破断用ス
リット202aとして切り込まれ、経糸wp13〜18
は破断用スリット201bとして切り込まれている。こ
れにより、各破断用スリット201a、201b、20
2aは、千鳥状に配列される。
【0025】次に、この実施の形態1の作動について、
図1を用いながら説明する。
【0026】上記構成のエアバッグ装置1では、車体に
所定値以上の衝撃力が加わってインフレータ6が作動す
ると、このインフレータ6から圧力気体が噴出され、デ
ィフューザ7によって噴出量や噴出方向が制御されつつ
圧力気体導入口8aからエアバッグ本体8内へと圧力気
体が導入される。
【0027】エアバッグ本体8は、この圧力気体の導入
に伴って膨張し始めると、この膨張の圧力によりラッピ
ング部材16が破断用スリット201a、201b、2
02aで形成される破断部20に沿って破断し、前側取
付フック13がラッピング部材16の開口18aから破
断部20を通って抜け出るため、エアバッグ本体8はさ
らに膨張してリッド5を押し上げる。これにより、リッ
ド5の一部がH形状の開裂溝5a´に沿って矢印A、A
´方向に開き、エアバッグ本体8は車体斜め後方へ向か
って膨出し、助手席側の乗員の頭部などを受け止め、頭
部などがインストルメントパネル3などに当接しないよ
うに保護する。
【0028】ここで、ラッピング部材16の破断用スリ
ット201a、201b、202aの経糸wpは、加熱
切断加工により成形されているため溶着状態で連結され
ており、その連結力はエアバッグ本体8の折り畳み状態
を保つには十分ではあるがエアバッグ本体8の膨張圧力
により確実に切断される程度になっているので、ラッピ
ング部材16の破断用スリット201a、201b、2
02aの溶着状態で繋がっている経糸wpはエアバッグ
本体8の膨張圧力により確実に破断される。このとき、
破断部20の状況を模式的に示す図7のように、これら
破断用スリット201a、201b、202aにより形
成されるジグザグ状の破断部20により上下に2分され
る一方の布片には経糸wp7〜10が緯糸wt1〜2に
保持されて抜け落ちないで残り、他方の布片にはその経
糸wp7〜10と織合わされていた緯糸wt3〜10が
経糸wp1〜6、13〜18に保持されて抜け落ちない
で残る。これにより、破断に際して織布の経糸または緯
糸が抜け落ちることを確実に防止できる。
【0029】なお、破断部20近傍の緯糸wt3〜10
は、経糸wp7〜12が抜けてそれらとの織合わせ力が
なくなるが残りの経糸wp1〜6、13〜18との織合
わせ力だけでも抜け落ちることなく保持されるが、さら
に、この例では、ラッピング部材16の外周の糸wp、
wtの端部および開口18a、19aの周縁の糸wp、
wtの端部、並びに破断部20の糸wp、wtの端部の
糸同士が、加熱切断加工により熱溶着状態で接合してい
るので、これによっても緯糸wt3〜5の経糸wp1〜
6、13〜18からの抜けだしを確実に防止されてい
る。
【0030】また、この実施の形態1では、破断用スリ
ット202aの長さを破断用スリット201aと破断用
スリット201bの間のスリット間の長さと同じにした
が、それよりも若干長目にしてもよい。
【0031】さらに、この実施の形態1では、1列目の
破断用スリット201a、201bの各スリット長さと
スリット間長さとを同じにしたが、そのスリット長さを
スリット間長さより長くして破断しやすくしてもよく、
またその逆にスリット長さをスリット間長さより短くし
てもよい。
【0032】さらにまた、1列目の破断用スリット20
1a、201bと2列目の破断用スリット202aとの
平行離間寸法については、長くても短くてもよいが、そ
の長さに比例して破断しにくくなる。
【0033】また、このラッピング部材16の一側辺を
エアバッグ本体8に縫製または接着などの手段により固
定し、他側辺に開口18a、19aを設け取付フック1
3に係合するようにしたが、ラッピング部材16の一側
辺と他側辺との両方に開口18a、19aを設け、両方
の取付フック13、14に係合するようにしてもよい。
【0034】さらに、この実施の形態1では、ラッピン
グ部材16の破断用スリット201a、201b、20
2aをレーザ照射カッターまたは超音波カッターなどの
加熱切断加工により成形したが、破断用スリット201
a、201b、202aの織糸にノッチなどの切れ目を
入れる加工を行いその織糸が脆弱状態で繋がっているよ
うにしてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態2】本発明の実施の形態2につい
て、図8を参照して説明する。なお、前記実施の形態1
と同一乃至は均等な部分については同一符号を付して説
明する。
【0036】この実施の形態2では、図8に示すよう
に、ラッピング部材16の上面部において、折り畳まれ
たエアバッグ本体8の車両左右方向の折り畳み合わせ部
に沿い、かつ、織布の織目に沿って、千鳥状の破断用ス
リット201a〜201g、202a〜202f、すな
わちミシン目状に断続的に配列された1列目の破断用ス
リット201a〜201gと、それら破断用スリット2
01a〜201gに平行でかつそのスリット間に位置す
る2列目の破断用スリット202a〜202fとが、例
えばレーザ照射カッターまたは超音波カッターなどの加
熱切断加工により成形されている。なお、1列目の破断
用スリット201aおよび201gは、ラッピング部材
16の外周辺縁まで切断されている。
【0037】また、この実施の形態2では、破断用スリ
ット202aの長さは、破断用スリット201aと破断
用スリット201bの間のスリット間の長さと同じか、
またはそれよりも若干長目にしてもよく、これは他の破
断用スリット202b〜202fの長さについても同様
である。
【0038】さらに、この実施の形態2では、1列目の
破断用スリット201a〜201gの各スリット長さと
スリット間長さとを同じにしたが、そのスリット長さを
スリット間長さより長くして破断しやすくしてもよく、
またその逆にスリット長さをスリット間長さより短くし
てもよい。
【0039】さらにまた、1列目の破断用スリット20
1a〜201gと2列目の破断用スリット202a〜2
02fとの平行離間寸法については、長くても短くても
よいが、その長さに比例して破断しにくくなる。
【0040】かかる構成の実施の形態2の場合も、前記
の実施の形態1と同様に、ラッピング部材16の破断に
際して織布の経糸または緯糸が抜け落ちることを確実に
防止できるものであり、他の構成およびその作用は実施
の形態1と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
【発明の実施の形態3】本発明の実施の形態3につい
て、図9、図10を参照して説明する。なお、前記実施
の形態1と同一乃至は均等な部分については同一符号を
付して説明する。
【0042】この実施の形態3のラッピング部材16
は、図10に示すように、エアバッグ本体8の圧力気体
導入口8aの近傍に縫製または接着などの手段により固
定される接合代17を有し、その反対側には一対の帯状
の係合部18、19が形成されている。これらの係合部
18、19の全幅にわたってかつその織布の織目に沿っ
て千鳥状の破断用スリット201a、201b、202
a、すなわち1列目の破断用スリット201a、201
bと2列目の破断用スリット202aがレーザ照射カッ
ターまたは超音波カッターなどの加熱切断加工により成
形されている。
【0043】また、この係合部18、19間に後部保護
部16aが、またその両側に側部保護部16b、16c
が設けられている。この係合部18、19の先端付近に
はそれぞれ前側取付フック13と係合する開口18a、
19aが設けられている。
【0044】エアバッグ本体8をハウジング10に所定
の形態に折り畳んだ状態で両側の側部保護部16b、1
6cをハウジング10の側壁10c内面とそのエアバッ
グ本体8との間に差し込むと共に、その上端部をエアバ
ッグ本体8上に折り重ねる。次いで、各係合部18、1
9の開口18a、19aをそれぞれ前側取付フック13
に係合してラッピング部材16を固定すると共に、ラッ
ピング部材16の後部保護部16aをエアバッグ本体8
上に覆い重ねる。
【0045】このように、係合部18、19を帯状に構
成すると、係合部18、19によりラッピング部材16
を固定した状態で、ハウジング10内のエアバッグ本体
8の折り畳み状態が視認できる。その他の構成、作用は
実施の形態1と略同一であるので、詳細な説明は省略す
る。
【0046】また、この実施の形態3においては、ラッ
ピング部材16に後部保護部16aおよび側部保護部1
6b、16cを設けたが、これは、ハウジング10に衝
撃吸収構造を施した場合に好適な実施の形態である。す
なわち、図9に示すように、このハウジング10には、
その後壁10bから側壁10cにかけて、ハウジング1
0に作用する衝撃を緩和するための複数の切り欠き21
が設けられており、ラッピング部材16に一体に設けた
後部保護部16aおよび側部保護部16b、16cを、
折り畳まれた状態のエアバッグ本体8とハウジング10
の衝撃吸収用切り欠き21との間に介在させることによ
り、エアバッグ本体8が衝撃吸収用の切り欠き21に接
触することを防ぎ、エアバッグ本体8の膨張展開が円滑
になる。
【0047】また、符号22はハウジング10の後壁1
0bと側壁10cとの間のコーナ部を被覆するフェルト
などの緩衝部材である。
【0048】以上、この発明の実施の形態を図面により
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更など
があってもこの発明に含まれる。
【0049】例えば、織布は平織り構造を示したが、斜
文織り、綾織り、朱子織りなど、経糸と緯糸とから構成
される他の織り組織を用いても同様の効果が得られる。
また、目の粗い織布を用いれば、ラッピング部材を施し
た状態でも内部のエアバッグ本体の折り畳み状況が視認
できるので、エアバッグ本体の折り畳み状況を視認しな
がら取付作業を行うことができる。
【0050】また、レーザ照射カッターで切断加工を行
う場合は、熱可塑性樹脂が含まれた繊維を用いることが
繊維の脱落を防止するために有利であるが、他の手法に
より破断用スリットを形成する場合などは、木綿、レー
ヨンなどの他の天然繊維、化学繊維を用いて織布を形成
してもよい。
【0051】さらに、この発明を運転席用のエアバッグ
装置、サイドエアバッグ装置などに適用してもよく、そ
の場合も同様の効果が期待される。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、ラッピング部材には、破断が他の部分に比
較して容易な破断用スリットが設けられているので、エ
アバッグ本体の膨張時には、この破断用スリットが容易
に破断されて、折り畳まれていたエアバッグ本体の膨出
を妨げることがない。また、この破断用スリットは、織
布の織目方向に延びかつ千鳥状に配列されているので、
破断部はスリット幅でジグザグとなる千鳥状破断パター
ンとなり、その破断部により2分される一方の布片には
経糸が残り、他方の布片にはその経糸と織合わされてい
た緯糸から残るように破断される。これにより、破断に
際して織布の経糸または緯糸の一部が抜け落ちることを
確実に防止できる。
【0053】請求項2の発明によれば、破断用スリット
の一部または全部で脆弱状態の織糸で繋がっているの
で、エアバッグ本体の膨出を妨げることなく、かつエア
バッグ本体の折り畳み状態をその膨張時まで保持する力
を高められ、エアバッグ装置の組立て時に不用意にラッ
ピング部材を破断させてしまうことを防止できる。
【0054】請求項3の発明によれば、加熱切断加工に
より化学繊維同志の溶着が起こるため、破断用スリット
の一部または全部で織糸が溶着状態で繋がっていること
になるので、その脆弱な繋がり状態を簡単確実に形成で
きる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の側方断面図である。
【図2】図1のインストルメントパネルを斜め上方から
見た斜視図である。
【図3】図1のエアバッグ装置の概略斜視図である。
【図4】図3のラッピング部材を構成する織布の構成を
説明する図である。
【図5】図3のハウジングの展開図である。
【図6】図3のラッピング部材を構成する織布の構成を
説明する図である。
【図7】図3の破断用スリットの破断部の状態を説明す
る図である。
【図8】実施の形態2のエアバッグ装置の概略斜視図で
ある。
【図9】実施の形態3のエアバッグ装置の概略斜視図で
ある。
【図10】図9のラッピング部材の展開図である。
【符号の説明】
8 エアバッグ本体 9 開口 10 ハウジング 16 ラッピング部材 201a〜201g 破断用スリット 202a〜202f 破断用スリット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折り畳まれた状態で収容されかつインフ
    レータから噴出された圧力気体によって膨張するエアバ
    ッグ本体と、該エアバッグ本体の折り畳み状態を保持し
    かつ該エアバッグ本体の膨張時にその膨張力により破断
    する織布製のラッピング部材とを備えたエアバッグ装置
    において、前記ラッピング部材は、その織布の織目方向
    に沿って、千鳥状の破断用スリットを設けたことを特徴
    とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記ラッピング部材は、前記破断用スリ
    ットの少なくとも一部に脆弱状態で繋がっている織糸を
    有することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ラッピング部材は、化学繊維からな
    り、かつ前記破断用スリットは、レーザ照射カッターま
    たは超音波カッターなどの加熱切断加工により成形さ
    れ、さらに前記脆弱状態で繋がっている織糸は、溶着状
    態で繋がっていることを特徴とする請求項2に記載のエ
    アバッグ装置。
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