JPH11320148A - レーザ溶接監視方法、およびレーザ溶接監視装置 - Google Patents

レーザ溶接監視方法、およびレーザ溶接監視装置

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JPH11320148A
JPH11320148A JP10123320A JP12332098A JPH11320148A JP H11320148 A JPH11320148 A JP H11320148A JP 10123320 A JP10123320 A JP 10123320A JP 12332098 A JP12332098 A JP 12332098A JP H11320148 A JPH11320148 A JP H11320148A
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禎 川越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接割れの発生し易い材料等の条件範囲の狭
いシーム溶接において、シーム溶接される溶接品質が良
好であるにも拘らず、溶接品質が不良として取り扱われ
ることを防止することのできるパルスレーザ溶接用モニ
タリング装置を提供する。 【解決手段】 1ショットのレーザパワーがNG判定さ
れても、隣接したレーザ光線が正常であればエア漏れは
なく、溶接品質が良好と判断する。また、連続してレー
ザパワーがNG判定であれば、他のショットが正常であ
っても、その部分からエア漏れが発生するため、溶接品
質が不良と判断する。そして、連続してレーザパワーが
NG判定されなくても、ワーク1個当りの平均レーザパ
ワーが規格範囲を満足しない場合には、溶接強度が不充
分と判定して、溶接品質が不良と判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
パルス状のレーザ光線を局所的に所定の回数発信してワ
ークにシーム溶接を行うパルスレーザ溶接装置のモニタ
リング装置に最適なパルスレーザ溶接監視装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ発振器からパルス状の
レーザ光線を局所的に所定の回数発信してワークにシー
ム溶接を行うパルスレーザ溶接方法においては、シーム
溶接における溶接品質のうちの溶接強度と気密性との両
方を満足する必要がある。そして、良好な溶接強度を得
るためにはレーザ光線の平均パワー密度(平均レーザパ
ワー)の安定確保、また、良好な気密性を得るためには
1ショット毎のレーザ光線のパワー密度(1ショット毎
のレーザパワー)の安定確保が必須条件となる。
【0003】ここで、パルスレーザ電源を利用したシー
ム溶接での従来のモニタリング方法は、1ショット毎の
レーザパワーを計測して、この計測したレーザパワーが
所定の規格範囲内であることをチェック確認して、溶接
品質、特に溶接強度および気密性を保証していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のモニ
タリング方法では、図9のグラフおよび図10のグラフ
に示したように、一溶接(ワーク1個)当り1ショット
でも所定の規格範囲、つまり上限設定値(1ショット毎
監視上限値)と下限設定値(1ショット毎監視下限値)
との間の条件範囲から外れれば、ワークの溶接品質が仮
に良くても気密不良または溶接強度不良であると判断さ
れる。
【0005】それによって、溶接強度と気密性とが必要
なパルスレーザ溶接において、割れ易い材料等のように
溶接品質を満足する条件範囲の狭いシーム溶接の場合に
は、図10のグラフに示したように、1ショット毎のレ
ーザパワーが低いと溶接強度不良(あるいは気密不
良)、1ショット毎のレーザパワーが高いと溶接割れ、
溶接スパッタ(あるいは溶接割れ、スパッタによる気密
不良)等の溶接不良が数多く発生する。
【0006】したがって、溶接品質不良品が多くなり、
溶接不良率が非常に高くなるという問題がある。特に大
量生産工程では、溶接品質不良品が連続的に発生し易
く、生産性が悪く、大量生産に向かないという問題があ
る。そこで、これを避けるために、溶接強度および気密
性を満足することが可能な規格範囲、つまり上限設定値
と下限設定値との幅を拡げてしまうと、ワークの溶接品
質が保証できなくなるという問題が生じてしまう。
【0007】また、溶接割れの発生し易いワークへのシ
ーム溶接においては、溶接強度および気密性の両溶接品
質が共に良品と判断できる1ショット毎のレーザパワー
の規格範囲(±6%)がパルスレーザ電源のレーザパワ
ーのばらつき範囲(±5%)に等しくなり、溶接品質不
良品と判断して処理されることが多くなるという不具合
が生じていた。そこで、この不具合を解消する目的で、
一溶接(ワーク1個)当りのレーザパワーのばらつき範
囲の小さいパルスレーザ電源を準備するためには、高価
なパルスレーザ電源が必要になるという問題が生じる。
ここで、一般的なパルスレーザ電源を利用したシーム溶
接では、図11(a)、(b)に示したように、レーザ
光線が2〜3パルス重なって溶接されており、1〜2パ
ルス(ショット)だけレーザパワーが所定の規格範囲よ
り外れても、特にワークの溶接品質に影響を与えるもの
ではない。
【0008】
【発明の目的】本発明は、例えば溶接割れの発生し易い
材料等の条件範囲の狭い溶接において、溶接品質が良好
であるにも拘らず、溶接品質が不良として取り扱われる
ことを防止することのできるレーザ溶接監視方法、およ
びレーザ溶接監視装置を提供することを目的とする。ま
た、安価なレーザ発振器を使用しても、溶接品質不良品
と判断して処理されることが少なくなるレーザ溶接監視
方法、およびレーザ溶接監視装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光線
のパワー密度が所定の規格範囲から外れた否かを判断す
ると共に、1パルス毎のレーザ光線のパワー密度が所定
の規格範囲から複数回連続して外れた際に、ワークの溶
接品質が不良であると判断することにより、溶接割れの
発生し易い材料等の条件範囲の狭い溶接においても、溶
接品質が良好であるにも拘らず、溶接品質が不良として
取り扱われることを防止することができる。また、安価
なレーザ発振器を使用しても、溶接品質不良品と判断し
て処理されることが少なくなる。請求項2に記載の発明
によれば、特にワークへのシーム溶接の気密性が良好で
あるにも拘らず、気密性が不良として取り扱われること
を防止することができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、計測手段
にて計測した1パルス毎のレーザ光線のパワー密度に基
づいて、ワークを溶接する全てのパルスの平均パワー密
度を演算すると共に、平均パワー密度が所定の規格範囲
から外れた際に、ワークの溶接品質が不良であると判断
することにより、溶接割れの発生し易い材料等の条件範
囲の狭い溶接においても、溶接品質が良好であるにも拘
らず、溶接品質が不良として取り扱われることを防止す
ることができる。また、安価なレーザ発振器を使用して
も、溶接品質不良品と判断して処理されることが少なく
なる。請求項4に記載の発明によれば、特にワークへの
シーム溶接の溶接強度が良好であるにも拘らず、溶接強
度が不良として取り扱われることを防止することができ
る。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、計測手段
にて計測した1パルス毎のレーザ光線のパワー密度が第
1の規格範囲から複数回連続して外れた際に、ワークの
溶接品質、特に気密性が不良であると判断する。そし
て、計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光線のパ
ワー密度に基づいて、ワークを溶接する全てのパルスの
平均パワー密度を演算して、その平均パワー密度が第2
の規格範囲から外れた際に、ワークの溶接品質、特に溶
接強度が不良であると判断する。
【0012】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕発明の実施の形
態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、
図1はパルス状のレーザ光線を使ったパルスレーザ溶接
用モニタリング装置を備えたパルスレーザ溶接装置の概
略構成を示した図で、図2はパルスレーザ溶接用モニタ
リング装置の主要構成を示した図である。
【0013】本実施例のパルスレーザ溶接装置1は、パ
ルス状のレーザ光線(レーザビーム)によって丸棒形状
のワーク(被加工物)Wを連続(シーム)溶接するYA
G(ヤグ)レーザ加工装置と、このYAGレーザ加工装
置にてシーム溶接したワークWの溶接品質を監視(モニ
タリング)するパルスレーザ溶接用モニタリング装置
(以下モニタリング装置と略す)2とを備えている。な
お、ワークWの同一円周上には、YAGレーザ加工装置
から発信されたパルス状のレーザ光線を受けてシーム溶
接される被溶接部3が形成される。
【0014】YAGレーザ加工装置は、YAGパルスレ
ーザ電源とも言い、パルスレーザ溶接を行うYAGレー
ザ溶接機4と、このYAGレーザ溶接機4に電力を供給
する電源(図示せず)と、YAGレーザ溶接機4を冷却
する冷却水ポンプクーラ(図示せず)と、YAGレーザ
溶接機4を電子制御するレーザ溶接制御装置(図示せ
ず)とを備えている。
【0015】ここで、YAGレーザ溶接機4の構造を図
1に基づいて簡単に説明する。YAGレーザ溶接機4
は、本発明のレーザ溶接手段に相当するもので、溶接エ
ネルギーを運ぶレーザ光線をパルス状に発信するレーザ
発生手段としてのレーザ発振器5と、レーザ光線をシー
ム溶接するワークW上の1点に集束させるレーザ集束手
段としての出射レンズ6と、レーザ光線をレーザ発振器
5から出射レンズ6まで案内するレーザ案内手段として
の光ファイバ7と、ワークWを着脱自在に保持して回転
移動させるワーク移動手段としてのワーク保持装置(図
示せず)とを備えている。
【0016】レーザ発振器5は、パルスYAG(イット
リウム・アルミニウム・ガーネット)レーザが使用さ
れ、レーザ出力が3.5Jで、発振パルス幅が2mse
cで、焦点がワークWの外周面よりアンダーフォーカス
側に0.2mmの位置に設定されている。なお、レーザ
発振器5として、CO2 レーザ等のその他のレーザ発生
手段を用いても良い。
【0017】そして、本実施例では、YAGレーザ溶接
機4におけるレーザ光線のエネルギーの強さを2つのパ
ラメータ(図3参照および下記の数1の式参照)にて決
定している。また、図3のtwは発振パルス幅(ms)
を表し、fはパルス出射周期を表し、斜線部分はエネル
ギーの強さ(パワー密度、発振エネルギー強度とも言
い:以下レーザパワーと呼ぶ)を表している。
【数1】(レーザパワー)=(レーザ波形高さ)×(レ
ベル補正係数)
【0018】そして、YAGレーザ溶接機4のレーザパ
ワーは、YAGレーザ加工装置(YAGパルスレーザ電
源)を用いたシーム溶接の溶接品質のうちの気密性と溶
接強度との両方を保てるような溶接良好範囲に設定され
る。この場合に、例えば円筒形断面を有するワークWの
断面を観察し、熱影響の度合も考慮する。このようにし
て判定した良好範囲でのエネルギー幅が後記する平均レ
ーザパワーの実測値の管理限界上限値と管理限界下限値
と同等となる。その上で、下限値および上限値でのエネ
ルギーのばらつきから後記する管理限界上限値と管理限
界下限値とを決定する。
【0019】ここで、各設定エネルギーでシーム溶接し
た場合のレーザパワー分布を図4に示す。なお、図4に
おいてAは従来の平均エネルギー管理幅を表し、Bは本
発明の1ショット毎のエネルギー管理幅を表し、Cは
3.0(J/P)でのエネルギー分布(±3σJ/P)
を表し、Dは4.0(J/P)でのエネルギー分布(±
3σJ/P)を表す。また、Xは3.0J/P(溶接強
度下限条件)を表し、Yは3.5J/P(溶接強度適正
条件)を表し、Zは4.0J/P(溶接強度上限条件)
を表す。この図4から従来は、平均エネルギー管理幅
(A)にてモニタリングしていたため、NGが多発して
いた。しかし、本発明のように、1ショット毎のエネル
ギー管理幅にてモニタリングを行うと、気密不良品とし
て処理されるワークWが良品となる。
【0020】次に、本実施例のモニタリング装置2を図
1および図2に基づいて簡単に説明する。モニタリング
装置2は、本発明のレーザ溶接監視装置に相当するもの
で、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロ
コンピュータで、光センサ10からのセンサ信号を計測
回路11によってA/D変換した後にマイクロコンピュ
ータへ入力されるように構成されている。
【0021】そして、本実施例のモニタリング装置2
は、光センサ10から送られるレーザパワー出力を1パ
ルス毎のレーザパワーに対応した計測値にする計測回路
11と、レーザ光線のエネルギー強度を演算処理する演
算回路12と、レーザ光線のエネルギー強度と第1、第
2の規格範囲とを比較処理する比較手段としての比較回
路13と、溶接品質の1つである気密性に対する第1の
規格範囲を記憶する第1監視設定回路14と、溶接品質
のもう1つである溶接強度に対する第2の規格範囲を記
憶する第2監視設定回路15と、比較回路13にて溶接
不良品であると判断された際に警報信号を出力する警報
回路16とから構成されている。なお、計測回路11と
演算回路12とから、本発明の計測手段が構成される。
【0022】光センサ10は、レーザ発振器5内に設け
られたフォトダイオードで、レーザ発振器1から発信さ
れたレーザ光線の例えば4%をハーフミラー17にて分
光した光エネルギー、つまり1パルス毎のレーザ光線の
レーザパワーに対応した光エネルギー(出力エネルギ
ー、レーザパワー出力とも言う)を検出する光強度検出
手段である。
【0023】計測回路11は、図2に示したように、光
センサ10からの光エネルギーを増幅してレーザ光線の
レーザ波形を取り出す増幅器18と、この増幅器18で
増幅した光エネルギーを積分して1パルス毎のレーザ光
線のエネルギー強度を求める積分回路19と、この積分
回路19で求めた1パルス毎のレーザ光線のエネルギー
強度(サンプル)をホールドするサンプルホルド20
と、このサンプルホルド20でホールドした1パルス毎
のレーザ光線のエネルギー強度をA/D変換するA/D
変換器21とから構成されている。演算回路12は、A
/D変換器21でA/D変換された1パルス毎のレーザ
光線のエネルギー強度の計測値から1パルス毎のレーザ
パワーを演算処理し、比較回路13で比較処理可能な値
にする。
【0024】比較回路13は、図5のグラフおよび図6
のグラフに示したように、1パルス毎のレーザパワーが
第1の規格範囲(1ショット毎監視下限値以上で、且つ
1ショット毎監視上限値以下)内にあるか第1の規格範
囲外にあるかを判断する。なお、YAGレーザ加工装置
(YAGパルスレーザ電源)のレーザパワー設定値(平
均値/ワーク)が1ショット毎監視下限値を連続して下
回った時、あるいはレーザパワー設定値が1ショット毎
監視上限値を連続して上回った時に溶接不良品(NG)
と判断する。
【0025】その上、比較回路13は、図5のグラフお
よび図6のグラフに示したように、一溶接毎(ワーク1
個当り)の平均レーザパワーが第2の規格範囲(平均レ
ーザパワーの良好範囲:平均監視下限値以上で、且つ平
均監視上限値以下)内にあるか第2の規格範囲外にある
かを判断する。一溶接毎の平均レーザパワーが平均監視
下限値を下回るか、あるいは平均監視上限値を上回るか
すると溶接不良品(NG)と判断する。
【0026】第1監視設定回路14は、予め第1の規格
範囲を設定し記憶するものである。本実施例では、図6
のグラフに示したように、1ショット毎監視下限値(例
えば180W)以上で、且つ1ショット毎監視上限値
(例えば220W)以下の範囲を第1の規格範囲として
いる。
【0027】第2監視設定回路15は、予め第2の規格
範囲を設定し記憶するものである。本実施例では、図6
のグラフに示したように、平均監視下限値(例えば19
0W)以上で、且つ平均監視上限値(例えば210W)
以下の範囲を第2の規格範囲(平均レーザパワーの良好
範囲)としている。
【0028】警報回路16は、比較回路13の比較結果
に基づいて、ワークWの溶接品質が不良と判断された場
合に、視覚表示手段としてのモニタやランプ、音声表示
手段としてのブザーへ向けて警報等の信号を出力して、
監視者にワークWが溶接不良品であることを知らせる出
力手段である。
【0029】〔実施例のモニタリング方法〕次に、本実
施例のモニタリング装置2のモニタリング方法を図1な
いし図8に基づいて簡単に説明する。
【0030】レーザ発振器5から発信されたパルス状の
レーザ光線は、光ファイバ7を通って出射レンズ6に導
かれ、出射レンズ6によりシーム溶接するワークWの被
加工表面で点に集束され、この集束された溶接エネルギ
ーによりシーム溶接が行われる。一方、レーザ発振器5
から発信されたレーザ光線をハーフミラー17で分光し
た光エネルギーを光センサ10で検出し、計測回路11
および演算回路12で演算処理し、1パルス毎のレーザ
パワーおよび一溶接毎の平均レーザパワーを求める。
【0031】従来は、YAGレーザ溶接機内蔵のエネル
ギーモニタでは、閾値を下限値、上限値、1レベルずつ
しかできないため、単純に条件範囲の下限値、上限値を
そのままモニタレベルにすると、エネルギーのばらつき
は条件範囲を越えるため、NGが多発する。
【0032】1ショット毎のレーザパワーが所定の規格
範囲内であることをチェック確認して溶接品質を保証し
ていたが、YAGレーザ溶接機の場合、フラッシュラン
プ等の経時変化を含めると、長期的にはワークの1ショ
ット毎のレーザパワーのばらつきが大きい。このため、
図10のグラフに示したように、溶接強度と気密性の両
方の溶接品質を満足する1パルス毎のレーザパワーの条
件範囲が狭い場合、NG判定による不良率が大きく(1
ワーク中1ショットでもNG)、溶接不良品と判定され
るワークが増えるという問題があった。
【0033】また、ばらつきを考慮して条件範囲のばら
つきの最大レベルをモニタレベルにすると、条件範囲か
らは逸脱しているものの、ばらつきの範囲内でのエネル
ギーで連続して溶接した場合、NGは減少するも、ワー
クとしては気密性が必ずしも保証できない。
【0034】そこで、YAGレーザ溶接機4のレーザパ
ワー設定値に対するレーザパワーの実測値を、回帰曲線
および信頼区間(信頼区間の上限値、信頼区間の下限
値)として求め、レーザパワーの実測値に設定されたU
CL(w)(1ショット毎監視上限値)と信頼区間の上
限値との交点、およびレーザパワーの実測値に設定され
たLCL(w)(1ショット毎監視下限値)と信頼区間
の下限値との交点との間を、YAGレーザ溶接機4のレ
ーザパワー設定値として設定することで、連続的にパル
ス状のレーザ光線にてワークWをシーム溶接するにあた
り、wiをi回目のレーザパワーの実測値であるとした
時に、下記数2の式および数3の式を満足するときに溶
接品質の良品として判断し、下記数2の式および数3の
式を満足しないときに溶接品質の不良品として判断す
る。
【0035】
【数2】
【数3】
【0036】すなわち、溶接品質の気密性に対しては、
パルス状のレーザ光線の1ショット毎の第1の規格範囲
を設け、更に、その第1の規格範囲の下限設定値である
1ショット毎監視下限値を連続して1ショット毎のレー
ザパワーが到達しない場合と、1個のワークWのシーム
溶接中の未達パルス数がその第1の規格範囲の上限設定
値である1ショット毎監視上限値を越えた場合に気密不
良とする。
【0037】ここで、溶接品質の気密性に対しては、隣
合わせのパルス状のレーザ光線が1ショット毎監視下限
値よりも連続して低くなっているかいないかが気密不良
になるか否かの判断材料になる。すなわち、図7(a)
に示したように、ところどころでエネルギーの強さの低
いショットがあっても、隣接したショットが正常ならば
エア漏れは発生しない。しかし、エネルギーの低いショ
ットが連続して発生すると、図7(b)に示したよう
に、ショット間に隙間Sができてエア漏れが発生する。
但し、レーザパワーの低いショットが多数を占めた場
合、平均レーザパワーのNGと判断される場合がある。
【0038】また、溶接品質の溶接強度に対しては、パ
ルス状のレーザ光線の一溶接中の平均レーザパワーの第
2の規格範囲を設け、更に、1個の製品溶接中の平均レ
ーザパワーがその第2の規格範囲の平均監視下限値に到
達しなかった場合を溶接強度不良とすることで、気密不
良および溶接強度不良を確実に且つ良品を不良品と判断
することなく判断することができるようになる。
【0039】ここで、それぞれのケースによる気密と溶
接強度の良否判定は次の図8(a)ないし図8(e)の
通りである。すなわち、図8(a)の第1ケースでは、
一溶接中のショット毎のレーザパワーが全ショット(パ
ルス)正常であり、気密性および溶接強度共に良判定
(OK)となる。そして、図8(b)の第2ケースで
は、一溶接中のショット毎のレーザパワーが不連続でN
G(少数)であり、気密性はNGで、溶接強度がに良判
定(OK)となる。
【0040】そして、図8(c)の第3ケースでは、一
溶接中のショット毎のレーザパワーが連続でNG(少
数)であり、気密性はNGで、溶接強度が良判定(O
K)となる。また、図8(d)の第4ケースでは、一溶
接中のショット毎のレーザパワーが不連続でNG(多
数)であり、気密性はNGで、溶接強度が良判定(O
K)となる。さらに、図8(e)の第5ケースでは、一
溶接中のショット毎のレーザパワーが連続でNG(多
数)であり、気密性および溶接強度が不良判定(NG)
となる。
【0041】〔第1実施例の効果〕以上のように、本実
施例のモニタリング装置2では、溶接品質を気密性と溶
接強度とに分けて、気密性に対しては、1回前のショッ
トのレーザパワーが第1の規格範囲を外れても、今の回
のショットのレーザパワーが第1の規格範囲内であれ
ば、気密性が確保できることから、1ショット毎のレー
ザパワーが連続して第1の規格範囲から外れたことによ
り気密不良であると判断する。
【0042】その上、溶接強度に対しては、1ショット
のレーザパワーが第2の設定範囲を外れても、1個のワ
ークの溶接する全てのショットの平均レーザパワーが第
2の規格範囲内であれば、溶接強度は確保できることか
ら、平均レーザパワーが第2の規格範囲から外れたこと
により溶接強度不良であると判断することにより、溶接
不良品と判断される溶接良品の個数を低減することがで
き、また、溶接良品と判断される溶接不良品は全くな
い。
【0043】すなわち、溶接良品を溶接不良品にするこ
とがなく、且つ溶接不良品を確実に見つけることができ
るようになる。したがって、本実施例は、シーム溶接の
溶接強度と気密性とを保証し信頼性の高い溶接品質を得
ることができる。また、モニタリング方法としての信頼
性を大幅に向上することができ、モニタリング方法によ
り信頼性の高い品質保証が可能となる。さらに、大量生
産工程でも、溶接不良品が連続的に発生し難くなるの
で、大量生産に向くモニタリング方法を提供できる。
【0044】〔変形例〕本実施例では、パルスレーザ電
源を用いたシーム溶接にて溶接されるワークWの溶接品
質のうち溶接強度と気密性との両方を満足するようにワ
ークWの溶接品質をモニタリングしたが、溶接品質のう
ち溶接強度または気密性のいずれか一方を満足するよう
にワークWの溶接品質をモニタリングしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスレーザ溶接装置の概略構成を示した構成
図である(実施例)。
【図2】パルスレーザ溶接用モニタリング装置の主要構
成を示した構成図である(実施例)。
【図3】YAGパルスレーザ電源の出力エネルギーを示
した波形図である(実施例)。
【図4】YAGパルスレーザ電源の設定エネルギーを示
した波形図である(実施例)。
【図5】1ショット毎のレーザパワーに対するNG判定
を示したグラフである(実施例)。
【図6】レーザパワーの実測値とレーザパワー設定値と
の関係を示したグラフである(実施例)。
【図7】(a)はシーム溶接の溶接品質の溶接良品を示
した展開図で、(b)はシーム溶接の溶接品質の溶接不
良品を示した展開図である(実施例)。
【図8】(a)はシーム溶接の溶接品質の溶接良品を示
した展開図で、(b)はシーム溶接の溶接品質の溶接不
良品を示した展開図で、(c)はシーム溶接の溶接品質
の溶接不良品を示した展開図で、(d)はシーム溶接の
溶接品質の溶接不良品を示した展開図で、(e)はシー
ム溶接の溶接品質の溶接不良品を示した展開図である
(実施例)。
【図9】1ショット毎のレーザパワーに対するNG判定
を示したグラフである(従来技術)。
【図10】レーザパワーの実測値とレーザパワー設定値
との関係を示したグラフである(従来技術)。
【図11】(a)はワークの被溶接部の外観を示した顕
微鏡写真で、(b)はワークの被溶接部の断面を示した
顕微鏡写真である。
【符号の説明】
W ワーク(被加工物) 1 パルスレーザ溶接装置 2 パルスレーザ溶接用モニタリング装置(レーザ溶接
監視装置) 3 被溶接部 4 YAGレーザ溶接機(レーザ溶接手段) 5 レーザ発振器 6 出射レンズ 10 光センサ 11 計測回路(計測手段) 12 演算回路(計測手段) 13 比較回路(比較手段) 14 第1監視設定回路 15 第2監視設定回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)レーザ発振器からパルス状のレーザ
    光線を局所的に所定の回数発信してワークにシーム溶接
    を行うレーザ溶接手段と、 (b)前記レーザ発振器から発信された1パルス毎のレ
    ーザ光線のパワー密度を計測する計測手段と、 (c)この計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光
    線のパワー密度に基づいて、前記ワークの溶接品質が不
    良であるか否かを判断する溶接品質判断手段とを備え、 前記溶接品質判断手段は、前記計測手段にて計測した1
    パルス毎のレーザ光線のパワー密度が所定の規格範囲か
    ら外れたか否かを判断すると共に、 前記1パルス毎のレーザ光線のパワー密度が前記所定の
    規格範囲から複数回連続して外れた際に、前記ワークの
    溶接品質が不良であると判断することを特徴とするレー
    ザ溶接監視方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のレーザ溶接監視方法にお
    いて、 前記所定の規格範囲は、前記ワークへのシーム溶接の気
    密性を満足する条件範囲であることを特徴とするレーザ
    溶接監視方法。
  3. 【請求項3】(a)レーザ発振器からパルス状のレーザ
    光線を局所的に所定の回数発信してワークにシーム溶接
    を行うレーザ溶接手段と、 (b)前記レーザ発振器から発信された1パルス毎のレ
    ーザ光線のパワー密度を計測する計測手段と、 (c)この計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光
    線のパワー密度に基づいて、前記ワークの溶接品質が不
    良であるか否かを判断する溶接品質判断手段とを備え、 前記溶接品質判断手段は、前記計測手段にて計測した1
    パルス毎のレーザ光線のパワー密度に基づいて、前記ワ
    ークを溶接する全てのパルスの平均パワー密度を演算す
    ると共に、 前記平均パワー密度が所定の規格範囲から外れた際に、
    前記ワークの溶接品質が不良であると判断することを特
    徴とするレーザ溶接監視方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のレーザ溶接監視方法にお
    いて、 前記所定の規格範囲は、前記ワークへのシーム溶接の溶
    接強度を満足する条件範囲であることを特徴とするレー
    ザ溶接監視方法。
  5. 【請求項5】(a)レーザ発振器からパルス状のレーザ
    光線を局所的に所定の回数発信してワークにシーム溶接
    を行うレーザ溶接手段と、 (b)前記レーザ発振器から発信された1パルス毎のレ
    ーザ光線のパワー密度を計測する計測手段と、 (c)この計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光
    線のパワー密度が第1の規格範囲から外れたか否かを判
    断する比較手段を有し、 前記1パルス毎のレーザ光線のパワー密度が前記第1の
    規格範囲から複数回連続して外れた際に、前記ワークの
    溶接品質が不良であると判断する第1溶接品質判断手段
    と、 (d)前記計測手段にて計測した1パルス毎のレーザ光
    線のパワー密度に基づいて、前記ワークを溶接する全て
    のパルスの平均パワー密度を演算する演算手段を有し、 前記平均パワー密度が第2の規格範囲から外れた際に、
    前記ワークの溶接品質が不良であると判断する第2溶接
    品質判断手段とを備えたレーザ溶接監視装置。
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