JP4441129B2 - レーザスポット重ね溶接における溶接状態判定方法および装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を加工物に照射してスポット溶接を行うレーザスポット重ね溶接法に適用され、加工物における溶接欠陥の有無の溶接状態を検出するレーザスポット重ね溶接法の溶接状態判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザスポット重ね溶接は、レーザ発振器から発振したパルス状のレーザ光を加工物に照射して溶接を行う接合手法である。現在、レーザ溶接における溶接状態の検査はオフラインにて目視や検査機器で行われていることが多い。この場合、電子部品のような大量生産ラインでは多量の検査が必要であるが、一方、生産ラインの生産性の観点から短い検査時間かオンラインの検査が要求されている。
【0003】
一般に、レーザ溶接におけるオンライン計測技術には、溶接時に溶接部分から発生するレーザプラズマを利用した手法、溶接時に発生する溶接音を利用した手法、あるいはYAGレーザを用いたレーザ溶接時に発生する溶接部からの散乱光を利用した手法がある。これらを測定し、予め定めた基準値と比較し溶接欠陥を判定する手法が実施されている。散乱光強度を測定し、その基準値にもとづいて溶接欠陥を判定する技術は特開平11−58046号公報に記述されている。あるいは、散乱光強度とプラズマ光強度の測定を同時に行う技術が特開2000−61672号公報に記述されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ溶接時に発生する散乱光は、加工物へ照射されるレーザ光の一部が反射、散乱しているものである。この散乱光を全て受光センサーで受光することは実用上不可能であり、常に一定の散乱光を受光できるとは限らない。すなわち、計測に必要な散乱光を確実に得られない場合もあり、散乱光を測定する技術は、測定の安定性が十分である技術とはいえない。
【0005】
また、プラズマ光を測定する技術は、周辺技術の発展、たとえばフォトセンサーの時間分解能の向上やCPUの処理速度の向上により実用化レベルに達し、さまざまな計測により得られるプラズマ光の特性と、その時の溶接状態との関係が近年解析されつつあり有効な手段とされているが、いまだに操業に確実に利用できる方法は無い。したがって、本発明の課題は、溶接箇所の欠陥を高精度にかつ詳細に検出できるレーザスポット重ね溶接の溶接状態検出方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アシストガスにアルゴンまたはヘリウムを用い、重ね合わせた加工物にパルス状のレーザ光を照射するレーザスポット重ね溶接に適用され、加工物における溶接状態を検出するレーザスポット重ね溶接の溶接状態判定方法において、重ね合わせた加工物の一方の側から略垂直にパルス状のレーザ光を、該重ね合わせた加工物に対して移動しながら集光・照射する工程と、前記照射されたパルス状のレーザ光により加工物とアシストガスとから発生するプラズマからのプラズマ光のうち、前記アシストガスの原子発光スペクトルの波長帯のプラズマ光を光センサーで受光してプラズマ光強度の電気信号を出力する工程と、レーザ光のパルスそれぞれについて、プラズマ光発生期間のうちレーザ照射直後から予め設定した期間T1におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1及び、プラズマ光発生期間の後半の予め設定した期間T2におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P2を演算する工程と、前記期間T1および期間T2それぞれにおけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1およびP2を、それぞれ予め設定した閾値SHおよびSLと比較して、P1≦SH、且つ、P2≧SLであるときに溶接状態が良好であると判定する工程と、からなることを特徴とするレーザスポット重ね溶接における溶接状態判定方法が得られる。
また、本発明によれば、アシストガスにアルゴンまたはヘリウムを用い、重ね合わせた加工物にパルス状のレーザ光を照射するレーザスポット重ね溶接に適用され、加工物における溶接状態を検出するレーザスポット重ね溶接の溶接状態判定装置において、重ね合わせた加工物の一方の側から略垂直にパルス状のレーザ光を、該重ね合わせた加工物に対して移動しながら集光・照射するレーザ加工ヘッドと、前記照射されたパルス状のレーザ光により加工物とアシストガスとから発生するプラズマからのプラズマ光のうち、前記アシストガスの原子発光スペクトルの波長帯のプラズマ光を受光してプラズマ光強度の電気信号を出力するプラズマ光センサー部と、レーザ光のパルスそれぞれについて、プラズマ光発生期間のうちレーザ照射直後から予め設定した期間T1におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1及び、プラズマ光発生期間の後半の予め設定した期間T2におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P2を演算し、前記期間T1および期間T2それぞれにおけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1およびP2を、それぞれ予め設定した閾値SHおよびSLと比較して、P1≦SH、且つ、P2≧SLであるときに溶接状態が良好であると判定する溶接状態判定処理部と、からなることを特徴とするレーザスポット重ね溶接における溶接状態判定装置が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の方法によれば、アシストガスにアルゴンを用いた場合、レーザスポット重ね溶接時に加工物から放出するプラズマ光に含まれる波長500±15nmの波長帯を用いる。本波長帯はレーザ溶接時にアシストガスとして用いるアルゴンの原子発光スペクトルに合致する領域である。アルゴンの原子発光スペクトルはこの他に400nm近傍、600nm近傍、700nm近傍があるが、発明者らの実験によれば、500nm付近にプラズマ光強度のピークがみられるため波長500±15nmの波長帯を用いている。なお、レーザ溶接におけるアシストガスはアルゴンの他にヘリウムを使用することも可能であるが、安価なアルゴンが多く利用されている。
【0008】
また、本発明の方法によれば、アシストガスにアルゴンを用いた場合、プラズマ光に含まれる波長500±15nmの波長帯に注目し、プラズマ光の発生期間の前半と後半の強度の時間積分値の比較により、重ね溶接時の溶接欠陥の主な発生原因である材料間のギャップを判定することができる。一般に重ねスポット溶接においては、重ね合わせの際のギャップが溶接品質に大きな影響を及ぼす。すなわち、ギャップがないと正常なナゲットが形成されるのに対し、ギャップが存在するとナゲット径が小さくなり溶接強度が低下する。重ね合わされた被加工物にレーザ光を照射すると、レーザ照射部が急速加熱し金属蒸気を発生すると同時にアシストガスと金属蒸気とレーザ光の相互作用によりプラズマが発生する。このプラズマは数千〜数万Kと高温であるとされており加工熱源となる。発明者らの実験によれば、パルス幅7.5msecのパルス状のレーザ光を加工物に照射する場合、パルス開始時点を起点とし0〜2.5msecの期間に、重ね合わせた材料間にギャップがある場合は、下側の加工物への熱伝播がギャップに存在する熱伝導率の悪い大気を介すため、ギャップがない場合に比較して悪く、レーザ溶接部分がより高温になりプラズマ発光が大きく成長することが判った。それに対し加工物間にギャップがない場合もしくは非常に小さい場合には、加工物に与えられた熱は重ねられた下側の加工物への熱伝播が大きいため、ギャップがある場合に比較しプラズマ発光が成長しにくいことが判った。
【0009】
一方、パルスの後半に相当する5.0〜7.5msecにおいて、重ね合わせた材料間にギャップがある場合は、パルスの前半で大きく発光し成長したプラズマにより上側の加工物が加工され次にギャップの空気層による熱伝播の損失の後、下側加工物でプラズマが発生する。このため後半は前半に比較しプラズマ発光の成長が小さいことが判った。それに対し加工物間にギャップがない場合もしくは非常に小さい場合には、上下の加工物は一体にみなせ、下側加工物への熱伝播が大きい。そのため、ギャップがある場合に比較しプラズマ発光の前半と後半の差があまり無くなだらかに減衰していくことが判った。発明者らは実験結果と考察により、レーザスポット重ね溶接時に加工物から放出するプラズマ光の発生期間の前半と後半の強度の比較にもとづいて溶接状態を判定することを特徴とするレーザスポット重ね溶接の溶接状態検出方法が有効であることを見いだした。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明のレーザスポット重ね溶接の溶接状態判定方法を説明する。
図1に示すように、本発明による溶接状態判定方法を実現するためのレーザスポット重ね溶接の装置構成は、パルス発振YAGレーザ発振器21と、レーザ光を伝播する光ファイバ22と、伝播したレーザ光を加工物上に集光する加工ヘッド23を有している。加工ヘッド23から出射するレーザ光Lは図示しない加工ヘッド走査機構によって加工物30に対し移動しながら照射し、レーザスポット重ね溶接を行う。溶接時には加工物とアシストガスからプラズマ光Pが発生する。アシストガスによるプラズマ光は、レーザ光と同軸にあるいは横からアルゴンガスを溶接部に吹き付け溶接部を局部的にアルゴンガス雰囲気にすることで発生する。このアシストガスの供給の効果は、溶接部への大気の混入を防止し溶接部の品質を保持するためである。
【0011】
レーザ加工ヘッドは加工ヘッド本体23aおよび加工ヘッド上部23cで構成する。加工ヘッド本体23a内には、光ファイバ22によって伝播したレーザ光を反射し、かつプラズマ光を透過するYAGレーザ反射ミラー23bと、そこで反射したレーザ光を加工物上で集光する集光レンズ23dと、YAGレーザ反射ミラーを透過したプラズマ光のうちから波長500±15nmのみを透過するバンドパスフィルター23fを有する。
【0012】
さらに、このレーザスポット重ね溶接システムは、加工物における溶接状態を判定するレーザスポット重ね溶接判定装置10を有している。レーザスポット重ね溶接判定装置は、加工ヘッド23c上部に取り付けられ、バンドパスフィルターを通過したプラズマ光を受光して、そのプラズマ光強度に応じた電気信号を出力するプラズマ光センサー12と、そのプラズマ光強度を積分した結果にもとづいて溶接状態を判定する溶接状態判定処理部11と、判定した溶接状態を作業者に知らせる表示部13と、判定した溶接状態を記憶するための記憶部14を含む。このときパルス状のレーザ光の発生とプラズマ光強度の検出の同期を得るためのパルスジェネレータ15を含む。
【0013】
溶接状態判定処理部11は、プラズマ光強度のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D換器と、デジタル信号を処理するCPUと、処理に用いるデータを予め記憶したメモリを有している。
【0014】
図2は、(a)、(b)それぞれ横軸に時間を示し縦軸にプラズマ光強度とサンプリングのためのCCDカメラのシャッター開閉タイミングを示した概要図である。図2(a)は加工物間にギャップがある場合の時間に対するプラズマ強度を示し、図2(b)は加工物間にギャップがない場合の時間に対するプラズマ強度を示した。それぞれ、レーザ照射後直後にプラズマ光が発生し時間の経過とともに強度が推移している。レーザ発振直後0msecから2.5msecまでの期間T1にサンプリングし、レーザ発振後5.0msecから7.5msecまでの期間T2にサンプリングした結果である。図2(a)に示すようにギャップがある場合には、0〜2.5msecでのプラズマ光強度を示す信号レベルが高く、その後急激に低下し低いレベルで推移する。5.0〜7.5msecまでのプラズマ強度を示す信号レベルは低いレベルである。一方、図2(b)に示すようにギャップがない場合には、レーザ照射直後にプラズマが発光し、緩やかに低下する傾向がある。ギャップがある場合の図2(a)に比較し、0〜2.5msecまではギャップがある場合に比較し低い信号レベルで推移し、後半の5.0〜7.5msecまでは高いレベルである。
【0015】
検出した信号は電気信号をA/D変換器を通した後、溶接状態判定処理部のCPUで積分する。図3は図2のT1、T2時間のプラズマ光強度の積分値をギャップごとに示したものであり、P−1、P−2はそれぞれT1、T2に対応する。
【0016】
P−1は溶接状態判定処理部11に入力された信号、すなわちプラズマ光用センサによって検出されたレーザ照射開始直後から2.5msec後のプラズマ光の光強度の挙動を加工物間のギャップに対して示している。これはプラズマ光のサンプリング開始とレーザ発振を同期させた結果である。P−2には同様にプラズマ光用センサによって検出されたレーザ照射開始後5.0msecから7.5msec後のプラズマ光の光強度の挙動を加工物間のギャップに対して示している。
【0017】
P−1のSHは予め設定したプラズマ光強度について溶接状態の適正範囲を示した閾値であり、溶接状態判定処理部のメモリに記憶されている。
CPUはプラズマの強度が上限閾値SHを超過した場合には、加工物のギャップによる溶接不良と判定するが、本発明においては、P−2に示した一定時間後一定時間のプラズマ光強度P−2にもとづいた判定をあわせて最終的な判断を行う。
【0018】
SLは予め設定したプラズマ光強度について溶接状態の適正範囲を示した閾値であり、溶接状態判定処理部のメモリに記憶されている。CPUはプラズマ光強度が下限閾値SL未満の場合には、加工物のギャップによる溶接不良と判定するが、前述したように、本発明ではレーザ照射開始直後から一定時間後のプラズマ光強度にもとづいた判定をあわせて最終的な判断を行う。
【0019】
表1はP−1とP−2の値と閾値SH、SLとの比較結果から溶接状態を複合的に判定するロジックを示す。
例えば、ステンレス鋼板の0.4mm厚と1.0mm厚の重ね溶接を0.4mm厚の板側からパルス幅7.5msec、12J/P の照射エネルギーでレーザ照射を行いスポット溶接を行う場合、ギャップ60μm では図3に示すP−1のプラズマ強度が近傍条件に比較して小さく、閾値の範囲内である。また、P−2のプラズマ強度が近傍条件の強度に比較して大きく、閾値の範囲内である。両プラズマ光強度が判定基準を満足していることから溶接欠陥ではないと判定する。
さらに同様に、ギャップ210μm では図3に示すP−1のプラズマ強度が閾値の範囲外である。また、P−2のプラズマ強度が閾値を超えている。この場合、P−1がプラズマ光強度が判定基準を双方満足しないため溶接欠陥であると判定する。
【0020】
【表1】
【0021】
いずれかの条件を満たさない場合で、プラズマ光強度P−1とP−2がともに低い場合にはレーザ発振出力の低下、もしくは焦点ズレなどが考えられる。レーザ発振器の出力低下はレーザ発振器に装備されている出力モニターを参照することでも確認できるが、本発明によって判定することも可能である。
【0022】
溶接状態判定処理部11による判定及び推定結果は、表示部13に表示し、記憶部14で記憶する。表示方法は作業者に判り、また加工物との対応がとれれば十分であり、その表示方法は特に問うものではない。また、判定結果の記憶はデータベースに記憶させたり、重ね溶接に必要な加工物の固定ジグの固定圧力にフィードバックしてもよい。
【0023】
本発明において、上記のごとく、プラズマ光強度を一定時間の時間差を設け、それぞれの閾値と比較して複合的に判定することで、溶接部のギャップに起因する溶接欠陥を高精度で検出できる。すなわち、プラズマ光はレーザ溶接の際に溶融現象で発生する光の成分を総合的に評価する手段に用いるので、その結果、的確に溶接箇所のギャップを捕らえることが可能になる。
【0024】
なお、上記の説明では、レーザ発振器としてYAGレーザ発振器を用いているが、これに限らずCO2 レーザ発振器やエキシマレーザ発振器を用いてもよい。さらにアシストガスにアルゴンを用いているが他のガスを使用してもかまわない。この際、プラズマ光モニタの検出波長を適宜選択すればよい。
また、溶接状態判定処理部11の構成自体は信号処理装置として一般的であり、パソコンを用いて容易に実現することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によるレーザ溶接の溶接状態検出方法は、レーザ光を加工物に照射して重ね溶接を行うレーザスポット重ね溶接法に適用され、レーザ溶接時に加工物から放出するレーザプラズマ発光の時間挙動にもとづいて溶接状態を検出するため、溶接箇所のギャップを高精度に検出できる。さらに検査員の削減を実現でき、オンライン計測による検査時間短縮化を図れるので、欠陥検出自動化による生産ライン自動化へ大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザスポット重ね溶接の溶接状態検出方法を実現するためのレーザ溶接システムの構成を示す概要図。
【図2】本発明の実施の形態によるレーザスポット重ね溶接の溶接状態情報を検出した時間に対するプラズマ強度を示す説明図。
【図3】本発明の実施の形態によるレーザスポット重ね溶接の溶接状態情報を検出した加工物間のギャップに対するプラズマ強度を示す説明図。
【符号の説明】
10 レーザスポット重ね溶接状態検出装置
11 溶接状態判定処理部
12 プラズマ光用センサ
13 表示部
14 記憶部
15 パルスジェネレーター
21 YAGレーザ発振器
22 光ファイバー
23a 加工ヘッド本体
23b YAGレーザ反射ミラー
23c トーチ上部
23d 集光レンズ
23f バンドパスフィルター
30 加工物
Claims (2)
- アシストガスにアルゴンまたはヘリウムを用い、重ね合わせた加工物にパルス状のレーザ光を照射するレーザスポット重ね溶接に適用され、加工物における溶接状態を検出するレーザスポット重ね溶接の溶接状態判定方法において、
重ね合わせた加工物の一方の側から略垂直にパルス状のレーザ光を、該重ね合わせた加工物に対して移動しながら集光・照射する工程と、
前記照射されたパルス状のレーザ光により加工物とアシストガスとから発生するプラズマからのプラズマ光のうち、前記アシストガスの原子発光スペクトルの波長帯のプラズマ光を光センサーで受光してプラズマ光強度の電気信号を出力する工程と、
レーザ光のパルスそれぞれについて、プラズマ光発生期間のうちレーザ照射直後から予め設定した期間T1におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1及び、プラズマ光発生期間の後半の予め設定した期間T2におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P2を演算する工程と、
前記期間T1および期間T2それぞれにおけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1およびP2を、それぞれ予め設定した閾値SHおよびSLと比較して、P1≦SH、且つ、P2≧SLであるときに溶接状態が良好であると判定する工程と、
からなることを特徴とするレーザスポット重ね溶接における溶接状態判定方法。 - アシストガスにアルゴンまたはヘリウムを用い、重ね合わせた加工物にパルス状のレーザ光を照射するレーザスポット重ね溶接に適用され、加工物における溶接状態を検出するレーザスポット重ね溶接の溶接状態判定装置において、
重ね合わせた加工物の一方の側から略垂直にパルス状のレーザ光を、該重ね合わせた加工物に対して移動しながら集光・照射するレーザ加工ヘッドと、
前記照射されたパルス状のレーザ光により加工物とアシストガスとから発生するプラズマからのプラズマ光のうち、前記アシストガスの原子発光スペクトルの波長帯のプラズマ光を受光してプラズマ光強度の電気信号を出力するプラズマ光センサー部と、
レーザ光のパルスそれぞれについて、プラズマ光発生期間のうちレーザ照射直後から予め設定した期間T1におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1及び、プラズマ光発生期間の後半の予め設定した期間T2におけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P2を演算し、
前記期間T1および期間T2それぞれにおけるプラズマ光強度の電気信号の時間積分値P1およびP2を、それぞれ予め設定した閾値SHおよびSLと比較して、P1≦SH、且つ、P2≧SLであるときに溶接状態が良好であると判定する溶接状態判定処理部と、
からなることを特徴とするレーザスポット重ね溶接における溶接状態判定装置。
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