JPH11319922A - 圧延機のパススケジュール決定方法 - Google Patents

圧延機のパススケジュール決定方法

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JPH11319922A
JPH11319922A JP10123511A JP12351198A JPH11319922A JP H11319922 A JPH11319922 A JP H11319922A JP 10123511 A JP10123511 A JP 10123511A JP 12351198 A JP12351198 A JP 12351198A JP H11319922 A JPH11319922 A JP H11319922A
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JP
Japan
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rolling
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pass
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JP10123511A
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Isao Takahashi
勲 高橋
Shigeru Hishikawa
滋 菱川
Hiroyuki Kobayashi
博幸 小林
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の品質上の目標を満たしつつ、圧延機の
能力の範囲内で最大の生産能率を達成する圧延機のパス
スケジュール決定方法を提供する。 【解決手段】 初期の目標値に基づいて計算されたパス
スケジュールが品質上の目標範囲及び所定の圧延能力を
達成したか否かを判定し、すべて達成していない場合に
は、目標範囲内で、各目標の目標値を変更した複数の組
み合わせについて再度、上記パススケジュール計算を行
い、このパススケジュール計算結果について、予め設定
していた各目標値に対する優先度重み係数及び目標達成
度指数によって定義される評価指数を計算し、評価指数
の最も大きいパススケジュールを最適パススケジュール
として設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のパスを有す
る圧延機において、圧延能率及び製品の品質を考慮した
パススケジュールを決定する方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】金属板や金属条材を圧延加工する
場合、通常、1回の圧延プロセスだけで最終製品の厚み
を確保することが困難であることから、複数回の圧延プ
ロセスにより段階的に圧延加工を施すことが行われる。
これらの複数回の圧延プロセスにより段階的に圧延され
る圧延材の板厚を、どの程度に設定するかを規定する途
中板厚の配置はパススケジュールと称され、パススケジ
ュールの良否によって最終製品の品質や生産性が左右さ
れる。
【0003】パススケジュールを作成する場合、生産性
を考えるとそのパス数ができる限り少ない方が望まし
い。しかし、その反面、各パスでの圧下量(圧下率)が
大きくなることが否めず、製品品質上の様々な問題が生
じ易い。
【0004】このようなことから、従来では、製品の目
標板厚、製品板温度及び板クラウン目標値(品質上の目
標値)より、各パス毎に各種制約条件を考慮しつつ、圧
延機の能力の範囲(圧延荷重、モーターパワーなどの制
限内)で最大の能力を達成する圧下量を計算し、下流パ
スから上流パスへ積み上げ計算することでパススケジュ
ールを決定する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように計算され
るパススケジュールは、必要以上に厳しい制約を加えて
作成されることが多く、以下の問題が発生する可能性が
ある。 (1)何らかの制約により、全ての品質上の目標値が達
成できない場合 (2)品質上の目標を全て達成させるためには、圧延能
率が極端に低下する場合従来の圧延機のパススケジュー
ル決定方法では、上記(1)、(2)の場合が多く見ら
れ、圧延材の生産性の低下を招いていた。
【0006】本発明の目的は、製品の品質上の目標を可
能な限り満たしつつ、圧延機の能力の範囲内で最大の生
産能率を達成する圧延機のパススケジュール決定方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る圧延機のパススケジュール決定方法
は、初期の目標値に基づいて計算されたパススケジュー
ルが品質上の目標範囲及び所定の圧延能力を達成したか
否かを判定し、すべて達成していない場合には、目標範
囲内で、各目標の目標値を変更した複数の組み合わせに
ついて再度、上記パススケジュール計算を行い、このパ
ススケジュール計算結果について、予め設定していた各
目標値に対する優先度重み係数及び目標達成度指数によ
って定義される評価指数を計算し、評価指数の最も大き
いパススケジュールを最適パススケジュールとして設定
することを特徴としている。
【0008】初期の目標値で計算されたパススケジュー
ルについて、品質上の目標範囲及び所定の圧延能率を達
成したか否かを判定し、全て達成していない場合は、目
標範囲内で目標値を変更し、再度、上記パススケジュー
ル計算を行うことによって、製品板クラウン、製品板温
度などの幾つかの品質上の目標の中での優先度の高い品
質上の目標値或いは圧延能率を優先的に達成させるパス
スケジュールを決定することができる。
【0009】又、何らかの制約で、全ての品質上の目
標、或いは圧延能力を達成できない場合でも、優先度の
高い品質上の目標値或いは圧延能率を優先的に達成さ
せ、製品の品質上の目標を可能な限り満たしつつ、圧延
機の能力の範囲内で最大の生産能率を達成する。
【0010】又、本発明の請求項2に記載の圧延機のパ
ススケジュール決定方法は、製品の品質上の目標値よ
り、圧延機の能力の範囲内で最大の能率を達成する圧下
量を各パス毎に計算し、上記各パス毎の圧下量を下流パ
スから上流パスへ積み上げ計算することで上記パススケ
ジュールを設定することを特徴としている。
【0011】各種制約条件を考慮しつつ、製品の目標板
厚、製品板温度及び板クラウン目標値などの品質上の目
標値より、圧延機の能力の範囲内、即ち、圧延荷重、モ
ーターパワー等の制限内で最大の能率を達成する圧下量
を求めてパススケジュールを設定するので、圧延を効率
的に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る圧延機のパススケジュール決定方法につ
いて説明する。
【0013】図1は、本発明が適用される可逆式圧延機
の概略構成を示す図で、可逆式圧延機10と、圧延機1
0のパススケジュールを決定し、このパススケジュール
に基づいて圧延を行う制御装置20等とから構成されて
いる。
【0014】可逆式圧延機10は、圧延ロール11,1
2、ロールベンダー14、圧延板搬送テーブル15a,
15b等を備えて構成されている。圧延ロール11,1
2は、上下各一対のワークロール11a,12a、ワー
クロール11a,12aより大径のバックアップロール
11b,12bを備えている。ワークロール11a,1
2aは、この2つのロールでワークの圧延材を挟み込ん
で圧延するもので、図1中、実線及び波線の矢印で示す
ように可逆的に回転駆動される。又、ワークロール11
a,11bには、圧延材の形状を制御するためのロール
ベンダー14が取り付けられている。
【0015】ワークロール11a,12aの圧延荷重
は、バックアップロール11b,12bにより加えられ
る。下側バックアップロール12bの下方には、油圧圧
下装置13が配置されている。圧下装置13には、圧下
用油圧制御回路13aが接続され、この圧下用油圧制御
回路13aから圧下装置13に作動油が供給され、その
圧下装置13によって下側バックアップロール12bの
ロール軸に圧延荷重が加えられるようになっている。
【0016】圧下用油圧制御回路13aは、制御装置2
0に接続されており、予め決定したパススケジュールに
基づいて圧下用油圧制御回路13aを制御し、油圧圧下
装置13を介して圧延材の各パス毎に圧延ロール11,
12を圧下するようになっている。
【0017】制御装置20は、パススケジュールを決定
すると共に、決定されたパススケジュールに基づき可逆
式圧延機10を制御する機能を有する。この制御装置2
0には、図示しないが、圧延材の各パス毎の板厚を検出
する板厚センサ、圧延材の初期材料板厚や要求製品形状
等を入力データとして入力する入力装置、圧延材の開始
サイズ、開始温度、製品目標厚、板クラウン目標値等に
基づいてパススケジュールを決定し、決定したパススケ
ジュールに基づいて圧延機10を制御し、圧延材を自動
的に圧延するコンピュータ装置、決定したパススケジュ
ールや圧延材の圧延状況、圧延機10等の作動状況等を
表示する表示装置等が備わっている。
【0018】そして、圧延材は、図示しない搬入装置に
より、図中矢印A方向から搬送テーブル15a上に搬入
され、搬送テーブル15a,15bによって圧延機10
の材料搬入側から製品搬出側に、或いは搬出側から搬入
側に双方向に(可逆的に)移動し、その間、圧延ロール
11に関して双方向の各パスで効率的に圧延が行われ
る。圧延を終えた製品は、ロール14により矢印B方向
(製品出側)に移動し、更に図示しない搬送装置により
搬出される。
【0019】尚、パススケジュールの決定に当たって
は、以下に詳細に説明するように、初期の目標値に基づ
きパススケジュールを計算すると共に、この計算された
パススケジュールが品質上の目標範囲や所定の圧延能率
の何れかを達成していない場合、目標値を目標範囲内で
変更し、パススケジュール計算を再度行い、優先度の高
い品質上の目標値或いは圧延能率を優先的に達成させる
パススケジュールを決定する機能を有する。
【0020】以下に圧延機のパススケジュール決定方法
の手順を図2〜図4に示すフローチャートに基づき説明
する。
【0021】尚、本実施形態では、一例として、製品で
の品質上の目標として製品板クラウン及び製品板温度が
与えられた場合の水平圧延のパススケジュール決定方法
について説明する。
【0022】まず最初に、初期の目標値に基づいてなさ
れるパススケジュール決定手順について説明する。
【0023】パススケジュールを決定するに当たって、
圧延開始データ、上り(製品)目標値等を設定する(ス
テップS1)。具体的には、圧延開始データとして圧延
開始サイズ、圧延開始温度を設定し、上り目標値として
板クラウン目標値、板クラウン目標範囲、板温度目標
値、板温度目標範囲を設定すると共に、製品板クラウ
ン、板温度及び圧延能率の夫々の優先度重み係数を設定
し、これらを入力データとして制御装置20に入力す
る。これらの入力データについては、上位のビジコンに
おいて設定される。
【0024】続いて、計算の出発点として、製品の板ク
ラウン目標値、板温度目標値をセットする(ステップS
2)。
【0025】尚、圧延能率を向上させるためには、板ク
ラウン、板温度の目標値を目標範囲の上限値にセットす
るのが有効であるが、圧延能率を不必要に稼いでも、そ
の分、品質上の不具合が発生する可能性があるので、幾
分、上限値から余裕を持たせてセットするのが良い。
【0026】次に、基準圧延速度をセットし(ステップ
S3)、各パスにおいて圧下量制約条件を満たす圧下量
を計算する(ステップS4)。尚、ここで言う圧下量制
約条件とは、耐圧荷重、ミル電流値、板フラットネス、
噛み込み性、ロールと板とのスリップ、金属組織上の制
約、表面性などがある。
【0027】各制約から計算される圧下量の中で最小の
圧下量を当パスの圧下量とし、この圧下量を利用して入
側板厚を決定する(ステップS5)。入側板厚は、出側
板厚にステップS4で求めた各パスの圧下量を加えた値
である。
【0028】この圧下量計算を最終パスから順次上流パ
スに向かって各パス毎に行い(ステップS5)、入側板
厚が圧延開始厚以上になるまで、各パスの圧下量計算を
行う(ステップS6)。
【0029】入側板厚が圧延開始厚より小さければ当パ
スの入側温度を計算して(ステップS7)、当パス入側
データを次の上流パス出側データとしてセットし(ステ
ップS8)、パスカウントを行い(ステップS9)、入
側板厚が圧延開始厚以上になるまで順次、各上流パスに
おいてステップS3〜ステップS5の手順を繰り返す。
【0030】続いて、余分な圧下量、即ち、入側板厚と
圧延開始厚との差を各パスに配分する(ステップS1
0)。つまり、計算終了厚と開始板厚の差を各パス、或
いは上流パスの圧下量にしわよせする。
【0031】次に、ステップS1で設定した圧延開始板
厚、圧延開始温度をセットし(ステップS11)、板温
度、板クラウン、圧延荷重、トルクを計算パススケジュ
ールにてモデル計算し(ステップS12)、再度、負荷
等の制約値をチェックし(ステップS13)、制約値を
超えていれば圧下量を修正し(ステップS17)、ステ
ップS12の板温度、板クラウン、圧延荷重、トルクを
再び計算する。
【0032】ステップS13において制約値を超えてい
ないと判断したときは、圧延速度に余裕があるか否かを
判断し(ステップS14)、余裕がある場合は、圧延速
度をアップし、ステップS12の板温度、板クラウン、
圧延荷重、トルクの計算とステップS13の制約値チェ
ックを再び行う。これによって、圧延機の能力の範囲内
で、最大の能率を達成する圧下量及び圧延速度を計算す
ることができる。
【0033】そして、当該パスがラストパスかつ温度制
御用に速度を変更したか否かを判断し(ステップS14
a)、これを満たす場合は、圧延時間、圧延能率判定用
の時間を計算する(ステップS20)。
【0034】ステップS14aで、ラストパスかつ温度
制御用に速度を変更していないと判断された場合は、当
該パスが温度制御用パスであるか否かを判断し(ステッ
プS15)、温度制御用パスである場合は、目標板温度
を達成する速度を計算し(ステップS19)、ステップ
S12の板温度、板クラウン、圧延荷重、トルクの計算
とステップS13の制約値チェックを再び行う。
【0035】当該パスが温度制御用パスでないときは、
当該パスがラストパスであるか否かを判断し(ステップ
S16)、ラストパスでない場合は、パスカウントを行
い(ステップS16a)、当該パスがラストパスになる
までステップS12からステップS15を繰り返す。
【0036】以上の手順により、ステップS2でセット
した上り板クラウン、板温度の目標値に基づいてステッ
プS12で最終的な上り板温度、上り板クラウンを求め
ることができる。
【0037】続いて、計算されたパススケジュールでの
総圧延時間を計算すると共に、圧延能率判定用の時間を
計算する(ステップS20)。尚、圧延ライン上に複数
の設備(仕上げタンデムミルなど)がある場合は、他設
備の圧延サイクルタイムより当設備の総圧延時間が短く
なることが望ましい。
【0038】次に、計算されたパススケジュールにおけ
る上り板温度や板クラウンなどの品質上の目標範囲及び
圧延能率について、適正な範囲内で達成できたか否かを
チェックする(ステップS21)。品質上の目標範囲及
び圧延能率を全て満足した場合には、今回計算されたパ
ススケジュールを採用することを決定し、パススケジュ
ールの計算を終了する。
【0039】一方、品質上の目標範囲及び圧延能率を全
て満足しない場合、即ち、上り板クラウン、上り板温
度、圧延能率の何れかが目標範囲内でない場合は、目標
値を変更してパススケジュールを再度決定することにす
る(ステップS22)。即ち、上り板温度、板クラウン
の目標値を変更し、各変更値について上述の手順のステ
ップS3〜ステップS20(図2及び図3中、〜)
の手順を繰り返し、各目標値に対応する上り板クラウ
ン、上り板温度、及び圧延能率を計算する。そして、こ
の計算値に基づき、後述する手順に従って最適のパスス
ケジュールを決定する。
【0040】以下に、変更された目標値に基づいてなさ
れるパススケジュール決定の手順について説明する。
尚、この決定の手順は、以下に説明するように、目標値
の変更処理、パススケジュール計算、パススケジュール
評価指数計算、最適パススケジュール決定の4つの処理
から構成されている。
【0041】まず最初に、目標値の変更処理、即ち、変
更する目標値の組合せ及び回数を決定する(ステップS
31)。尚、変更する目標値は、上り板温度及び上り板
クラウンの目標範囲内で決定するが、この組合せは、プ
ロセスコンピュータの計算時間、目標範囲の広さなどを
勘案して決定する必要がある。
【0042】変更する目標値を決定したならば、その内
の何れかを初期値1とカウントし(ステップS32)、
これに対応する上り板クラウン、板温度の目標値をセッ
トする(ステップS33)。
【0043】続いて、変更した目標値の全てについて、
パススケジュールの計算を行う。即ち、図2及び図3に
示す上述のパススケジュール決定フローの〜、即
ち、ステップS3〜ステップS20までの処理を行い
(ステップS34)、上り板温度、上り板クラウン、圧
延能率を求める。
【0044】次に、これらの目標値についてパススケジ
ュールの評価指数αを計算する(ステップS35)。こ
の評価指数αの計算は、式(A-1)を利用して以下のよう
に求める。 α=(WT・AT+WC・AC+WP・AP)/(WT+WC+WP)・・・(A-1) 但し、 WT:優先度重み係数(板温度) WC:優先度重み係数(板クラウン) WP:優先度重み係数(圧延能率) AT:目標達成度指数(板温度) AC:目標達成度指数(板クラウン) AP:目標達成度指数(圧延能率) ここで、優先度重み係数は、品質目標及び圧延能率の優
先順を示す係数であり、各圧延毎に予め設定しておく。
例えば、WT=1.0、WC=0.2、WP=0.5とい
うように設定したときは、板温度、圧延能率、板クラウ
ンの順で優先度の高いことを意味している。
【0045】又、目標達成度指数は、計算された上り板
温度、上り板クラウン、及び能率判定時間がどの程度、
目標を達成しているかを示す指数である。そして、各指
数は、0〜1の値で示され、計算値が目標値に近ければ
1に近く、目標範囲外であれば0に近い。具体的には、
図5に示すような関数として定義され、目標板温度、目
標板クラウン、能率判定時間の各々について各達成度指
数AT,AC,APが定まるようになっている。
【0046】この目標達成度指数を示す関数を利用し
て、ステップS34で求めた上り板温度、上り板クラウ
ン、圧延能率に対応する目標達成度指数AT,AC,AP
を求め、これを式(A-1)に代入し、当該ケースの評価指
数αを求める。
【0047】以上のステップS33〜ステップS35を
ステップS31で決定した全ての変更する目標値の組み
合わせのケースについて行い(ステップS36,ステッ
プS37)、各組み合わせで、評価指数が最大となるケ
ースを最適パススケジュールとして設定し(ステップS
38)、パススケジュールの決定を終了する。
【0048】そして、このパススケジュールに基づいて
制御装置20が圧延機10を圧延制御する。
【0049】
【実施例】製品の目標値及び目標範囲として、最初に以
下のように定めた。
【0050】上り板温度:目標値408℃、目標範囲3
90℃〜430℃ 上り板クラウン(比率):目標値0.5%、目標範囲
0.3%〜0.7% 圧延能率:次工程の作業時間である405秒より短いこ
と 以上の上り板クラウン、板温度の目標値をセットし、初
期計算パススケジュールでの計算を行ったところ、上り
板温度431℃、上り板クラウン(比率)0.52%、
総圧延時間431秒となった。
【0051】このケースでは、上り板温度及び上り板ク
ラウンについては、品質上の目標範囲を達成している
が、圧延能率が目標範囲を達成していないので、目標値
を変更し、パススケジュールを再度決定する処理を行っ
た。
【0052】目標値を変更するに当たって、上り板温度
及び上り板クラウンの目標範囲内で、目標値を変更する
必要がある。又、目標値変更の組み合わせは、プロセス
コンピュータの計算時間、目標範囲の広さ等を勘案して
決める必要がある。本実施例では、図6に示すように初
期目標値を中心として目標範囲から上り板温度及び上り
板クラウンの夫々につき、各5点づつ選択し、合計25
ケースの組み合わせについて、夫々上り板温度、上り板
クラウン、及び圧延能率を計算した。
【0053】尚、圧延能率を上げる為には、上り板温度
を高くし、上り板クラウンを大きくする方向のみを考え
ればよいので、実際には、図6の点線で囲まれた範囲、
即ち、初期目標値を除いたケース1〜ケース8の8個の
組み合わせでパススケジュール計算を行った。
【0054】このパススケジュール計算は、各ケースの
夫々について、図2〜図3に示すフローチャートの〜
までの処理を行い、上り板温度、上り板クラウン、及
び圧延能率を求めた。
【0055】そして、これらの計算値と図5に示す関数
からAT,AC,APを求め、これを式(A-1)に代入したと
ころ、以下の表1に示す評価指数が各ケースについて求
まった。
【0056】尚、優先度重み係数は、WT=1.0、WC
=0.2、WP=0.5として設定した。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果からケース2における評価指数
が最も大きいので、ケース2を最適パススケジュールと
して設定した。尚、ケース2は、優先度の低い板クラウ
ン目標値を目標範囲上限値にすることにより、板温度と
圧延能率を目標範囲内に制御することを可能にした。
【0059】これによって、全ての品質上の目標、或い
は圧延能力を達成できなくても、優先度の高い品質上の
目標値と圧延能率を優先的に達成でき、所定の圧延能率
を得ることが可能になった。
【0060】尚、上述の実施形態では、製品での品質上
の目標として製品板クラウン及び製品板温度を選択した
が、これに限定されることはなく、例えば、製品板形
状、結晶粒径などの金属組織的な因子等を品質上の目標
に加えることができる。
【0061】又、本発明は、上述した実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、可逆式圧延機の代わりにタ
ンデム式圧延機において本発明のパススケジュール設定
方法を実行しても良い。又、最適なパススケジュールを
決定するアルゴリズムについても本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形したものが考えられることは言うま
でもない。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る可逆
式圧延機のパススケジュール決定方法は、初期の目標値
に基づいて計算されたパススケジュールが品質上の目標
範囲及び所定の圧延能力を達成したか否かを判定し、す
べて達成していない場合には、目標範囲内で、各目標の
目標値を変更した複数の組み合わせについて再度、上記
パススケジュール計算を行い、このパススケジュール計
算結果について、予め設定していた各目標値に対する優
先度重み係数及び目標達成度指数によって定義される評
価指数を計算し、評価指数の最も大きいパススケジュー
ルを最適パススケジュールとして設定することを特徴と
している。
【0063】初期の目標値で計算されたパススケジュー
ルについて、品質上の目標範囲及び所定の圧延能率を達
成したか否かを判定し、全て達成していない場合は、目
標範囲内で目標値を変更し、再度、上記パススケジュー
ル計算を行うことによって、製品板クラウン、製品板温
度などの幾つかの品質上の目標の中での優先度の高い品
質上の目標値或いは圧延能率を優先的に達成させるパス
スケジュールを決定することができる。
【0064】又、何らかの制約で、全ての品質上の目
標、或いは圧延能力を達成できない場合でも、優先度の
高い品質上の目標値或いは圧延能率を優先的に達成さ
せ、製品の品質上の目標を可能な限り満たしつつ、圧延
機の能力の範囲内で最大の生産能率を達成する。
【0065】又、本発明の請求項2に記載の圧延機のパ
ススケジュール決定方法は、製品の品質上の目標値よ
り、圧延機の能力の範囲内で最大の能率を達成する圧下
量を各パス毎に計算し、上記各パス毎の圧下量を下流パ
スから上流パスへ積み上げ計算することで上記パススケ
ジュールを設定することを特徴としている。
【0066】各種制約条件を考慮しつつ、製品の目標板
厚、製品板温度及び板クラウン目標値などの品質上の目
標値より、圧延機の能力の範囲内、即ち、圧延荷重、モ
ーターパワー等の制限内で最大の能率を達成する圧下量
を求めてパススケジュールを設定するので、圧延を効率
的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される可逆式圧延機の概略的な構
成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る圧延機のパススケジ
ュールを決定する手順を示すフローチャートの一部であ
る。
【図3】図2のフローチャートに続くフローチャートで
ある。
【図4】図3のフローチャートに続く、パススケジュー
ル決定の手順を示す残余のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るパススケジュール決
定方法において、評価指数を決定するための関数を示す
図である。
【図6】製品の目標値の変更のしかたを説明する図であ
る。
【符号の説明】
10圧延機 11 圧延ロール 11a ワークロール, 11b バックアップロール 12 圧延ロール 12a ワークロール 12b バックアップロール 13 圧下装置 13a 圧下用油圧制御回路 15a,15b 搬送テーブル 20 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延材の製品の品質上の目標値より圧延
    機のパススケジュールを決定する方法であって、 初期の目標値に基づいて計算されたパススケジュールが
    品質上の目標範囲及び所定の圧延能力を達成したか否か
    を判定し、 すべて達成していない場合には、目標範囲内で、各目標
    の目標値を変更した複数の組み合わせについて再度、上
    記パススケジュール計算を行い、 このパススケジュール計算結果について、予め設定して
    いた各目標値に対する優先度重み係数及び目標達成度指
    数によって定義される評価指数を計算し、 評価指数の最も大きいパススケジュールを最適パススケ
    ジュールとして設定することを特徴とする圧延機のパス
    スケジュール決定方法。
  2. 【請求項2】 製品の品質上の目標値より、圧延機の能
    力の範囲内で最大の能率を達成する圧下量を各パス毎に
    計算し、 上記各パス毎の圧下量を下流パスから上流パスへ積み上
    げ計算することで上記パススケジュールを設定すること
    を特徴とする、請求項1に記載の圧延機のパススケジュ
    ール決定方法。
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