JPH11319747A - 廃棄物処分場におけるポリエチレン遮水シートを用いた遮水設備 - Google Patents

廃棄物処分場におけるポリエチレン遮水シートを用いた遮水設備

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JPH11319747A
JPH11319747A JP10132498A JP13249898A JPH11319747A JP H11319747 A JPH11319747 A JP H11319747A JP 10132498 A JP10132498 A JP 10132498A JP 13249898 A JP13249898 A JP 13249898A JP H11319747 A JPH11319747 A JP H11319747A
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water
sheet
layer
resin
barrier
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JP10132498A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
Kunihiro Ishikawa
州洋 石川
Masahiko Miwa
正彦 三和
Yoshifumi Moriguchi
芳文 森口
Yoshinori Toto
義伯 唐渡
Kunihiko Nakagawa
邦彦 中川
Hiromasa Tashiro
博正 田代
Hirosuke Miyabe
啓輔 宮辺
Akita Wada
昭太 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Konoike Construction Co Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Konoike Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム系、塩化ビニル系およびポリウレタン系
のフィルムを使用した遮水シートでは、耐薬品性、耐候
性および機械的特性が不十分であった。 【解決手段】 廃棄物処理場の遮水シート構造3を、上
層から順に保護層5、上部遮水層6、自己修復層7、排
水層8、下部遮水層9とし、上部遮水層6および下部遮
水層9を、強度6g/d以上の合成繊維から構成される布
帛シートと、この布帛シートの少なくとも片面に被覆さ
れるポリエチレン系樹脂からなる樹脂皮膜シートとから
構成し、この樹脂皮膜シートは、その引張強力が100
kgf/3cm以上、最大荷重時の伸度が45%以下、厚みが
1mm以上で、かつ曝露装置によって63°C下で250
時間照射後の引張強力保持率を60%以上としたことに
より、耐薬品性、耐候性および機械的特性に優れ、補修
工事も安価になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物最終処分場
(一般廃棄物処理場、産業廃棄物処理場など)におい
て、そのピット内の雨水・漏水などの浸出水が地中に浸
透するのを遮るための遮水設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般廃棄物処理場、産業廃棄物処
理場などの廃棄物最終処分場のピット内を通過する雨水
・漏水・湧水などの浸出水による環境汚染が社会問題と
なっている。此のことに鑑み、廃棄物最終処分場から発
生する浸出水を、地中(ピット外部)に漏らさず、適切
・安全かつ速やかに処理し、周辺への環境汚染をいかに
防止するかについて、新しい技術に努力が払われるよう
になっている。
【0003】ところで、従来の遮水設備は、廃棄物最終
処分場のピット上に降った雨水が、廃棄物に浸透、通過
して浸出水となっても、ピットの法面・底面に敷設した
遮水シート構造によって、地中への浸透を遮るように構
成されている。
【0004】また、浸出水は、遮水シート構造によって
法面・底面の勾配に沿って流れ下り、集水装置によって
処理装置に導水され、処理された後に放流される。しか
し、廃棄物最終処分場の建設施工時に、重機の往来や落
下物があった場合、あるいは廃棄物投棄時の衝撃等によ
り遮水シートに破損が生じると、その破損部分から浸出
水が地中に流出することが考えられる。
【0005】そこで、例えば特開平6−171005号
公報に開示されているように、上層遮水シートおよび下
層遮水シートにより形成される面状空間に水膨潤性物質
を配置したものや、特開平6−218345号公報で示
すように、上層遮水シートおよび下層遮水シート間に積
層された下部側水膨潤性繊維層および上部側水膨潤性繊
維層と、両水膨潤性繊維層との間に積層された芯材層と
を備えたものがある。
【0006】これらは、何れも遮水シート構造が破損し
た場合、水膨潤性繊維層の水膨潤性物質が浸出水を吸収
して膨潤することにより、遮水するよう構成されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の遮水シート
には、ゴム系、塩化ビニル系もしくはポリエチレン系の
フィルムが使用されているが、これらの遮水シートは機
械的強度が低く、遮水シートの破損原因と考えられる上
記要因に対して十分な耐性を有していなかった。
【0008】そこで、本発明は、上記課題を解決し得る
廃棄物処分場における遮水設備の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
手段は、廃棄物を投入するためのピットを被覆する遮水
シート構造を、上層から、保護層、上遮水層、自己修復
層、排水層および下遮水層の順に構成し、前記上遮水層
および下遮水層を、強度6g/d以上の合成繊維から構成
される布帛シートおよびこの布帛シートの少なくとも片
面に被覆されるポリエチレン系樹脂からなる樹脂被覆シ
ートから構成し、この樹脂被覆シートは、その引張強力
が100〜300kgf/3cm、最大荷重時の伸度が45%
以下、厚みが1mm以上で、かつWS型促進曝露装置によ
って63°C下で250時間照射後の引張強力保持率を
60%以上としている。
【0010】このように、強度強度6g/d以上の合成繊
維から構成される布帛シートにポリエチレン系樹脂を少
なくとも片面に被覆してなる樹脂被覆シートの引張力が
100kgf/3cm以上、最大荷重時の伸度が45%以下、
厚みが1mm以上で、WS型促進曝露装置によって63°
C下で250時間照射後の引張強力保持率が60%以上
である遮水シート構造では薬品性、耐候性および機械的
物性に優れ、さらに施工性に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の実施の形態に係る遮水シート構造は、一
般廃棄物処分場や産業廃棄物処分場の廃棄物投入用ピッ
トに敷設されるものである。図1に示すように、本発明
の実施の形態に係る遮水設備1は、ピット2とこのピッ
ト2を覆う遮水シート構造3から構成され、種々の衝撃
が遮水シート構造3に付与されても、損傷を受けにく
く、遮水シート構造3は、仮にその一部に損傷(孔など
の発生)が発生した場合であっても、地中4に浸出水1
0が浸透するのを防止、あるいは抑えて、安全、かつ信
頼度の高いものとする。
【0012】そして、前記遮水シート構造3は、ピット
2に敷設される上層から順に配置された、保護層5−上
部遮水層6−自己修復層7−排水層8−下部遮水層9か
らなっている。
【0013】最上層である前記保護層5は、現場施工が
し易く、衝撃に対してこれを吸収する機能を有し、例え
ば、ポリエステル、ポリプロピレン等の破れにくい繊維
素材から成り、その厚みが2mm以上の不織布状シートと
している。なお、衝撃吸収および耐破れ効果の点から4
mm〜50mmの厚みが望ましい。また、耐候性を考慮して
アクリル樹脂などの合成樹脂をコーティングしたものを
使用してもよい。
【0014】本発明の実施の形態に係る上部遮水層6お
よび下部遮水層9は、布帛シートとこの布帛シートの少
なくとも片面に被覆されるポリエチレン系樹脂からなる
樹脂被覆シートとなっている。
【0015】布帛シートは、強度6〜20g/dの合成繊
維から構成されている。強度が6g/d未満であると用途
に必要とされる機械的物性が不十分であり、また布帛シ
ートを構成する際に糸間が密着し、被覆樹脂との十分な
接着力が得られなくなるからである。さらに好ましく
は、単糸繊維が1d以上であり、1d未満であれば繊維自
体の表面積が大きくなるため、最終処分場の遮水シート
としては耐薬品性、高耐候性などの耐久性が劣るからで
ある。
【0016】前記合成繊維は、用途に応じて適宜選択す
ることができ、例えばポリビニルアルコール系繊維、ポ
リアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル
系繊維、アクリル系繊維およびポリオレフィン系繊維な
どが挙げられる。雨水などが廃棄物投入用ピットに投入
された廃棄物を通過して発生した浸出水にアルカリ成分
が含まれると想定されることから、廃棄物最終処分場に
用いる場合は、耐アルカリ性を有するポリアミド系繊維
やポリオレフィン系繊維がさらに良好である。
【0017】布帛の組織は織りタイプ、編みタイプある
いは不織布状の何れでもよく、機械的特性を考慮する
と、織りタイプが最も好ましく、また下部遮水層9は直
接地面に接触するため、多重織物などの厚みを有するも
のがよい。
【0018】また、被覆樹脂としては、耐薬品性、耐候
性および機械的物性を考慮してポリエチレン系樹脂であ
ることが必要である。このポリエチレン系樹脂として
は、高密度、中密度、低密度および超低密度の何れでも
よく、施工性などを考慮すると、柔軟性と機械的物性か
ら低密度のものを使用するのが望ましい。
【0019】また、ゴム弾性を付与するために、不飽和
炭化水素系ゴム材料を第3成分として添加しても良く、
耐候性および機械的物性を考慮して樹脂中に紫外線吸収
剤やカーボンブラックなどの顔料を添加しても良い。
【0020】そして、遮水性を考慮すると、被覆樹脂は
合成繊維の少なくとも片面に被覆することが必要であ
る。また、被覆する方法は、フィルムを張り合わせるラ
ミネート、押し出してコーティングするカレンダーコー
ティング、または液状のものをナイフなどを用いて塗布
するナイフコーティングなどが挙げられる。そして、品
質および加工コストなどを考慮すると、カレンダーによ
る押し出しコーティングが望ましい。
【0021】樹脂被覆シートの引張強力は、100kgf/
3cm以上、最大荷重時の伸度が8〜45%、厚みが1〜
5mmで、WS型促進曝露装置によって63°C下で25
0時間照射後の引張強力保持率が60%以上である。樹
脂被覆シートの引張強力が100kgf/3cm未満であれ
ば、最終処分場に必要とされる機械的物性が得られず、
最大荷重時の伸度が45%より大きな数値であれば展張
して敷設する際に伸びが発生して施工性が悪くなり、厚
みが1mm未満であれば、クッション性がなく、用途に対
する機械的物性が劣るとともに破損し易くなるので、好
ましくは、1.5mm以上である。
【0022】また、WS型促進曝露装置によって63°
C下で250時間照射後の引張強力保持率が60%未満
であれば、屋外に曝露されるこれらの用途に求められる
耐久性が十分に得られず、従って、好ましくは70%以
上である。
【0023】また、前記自己修復層7には、例えば2mm
〜10mmの厚みを有するポリエステル、ポリプロピレン
等のスパンボンドシート等のシートに、200〜1,0
00g/m2の水膨潤性高分子樹脂剤が載置されているシー
トが用いられ、これは、上部遮水層6の下に敷設するも
のである。なお、水膨潤性高分子樹脂剤としては、上部
遮水層6を通過して漏水した浸出水10に含まれる塩素
イオンの影響を受けないか、あるいは受けにくいものを
選択する。
【0024】例えば、でん粉系重合体、ポリアクリル塩
酸系重合体、ポリアクリル塩酸系−ポリアクリルアミド
系共重合体、ポリアクリルアミド系重合体、塩酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン
酸エステル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸系
共重合体、ポリアクリルニトリル系重合体、ポリエチレ
ンオキサイド系重合体、およびポリ−N−ビニルアセト
アミド(PVNA)等が用いられる。なお、特に好まし
くは、塩等の水溶液も吸収し得るポリアクリル酸塩−ポ
リアクリルアミド系共重合体、ポリアクリルアミド系重
合体、ポリエチレンオキサイド系重合体である。
【0025】前記自己修復層7は、上部遮水層6が損傷
して漏水し、浸出水10が発生した場合、地中4に浸出
水10が浸透するのを防止するために浸出水10をせき
止め、修復して漏水を防止するものであるが、損傷の規
模が大きく、自己修復能力の限界を上回って漏水が継続
したり、あるいは、修復が完了するまでの初期段階にお
いて、速やかに浸出水10を排水することが必要である
場合、前記排水層8が有用であり、この排水層8は、動
水勾配0.03(3%)・5kg/cm2載荷時の透水係数が
0.1cm/sec以上の合成繊維材からなる三次元的厚みを
有するシート状繊維排水材を排水材として用いる。すな
わち、このシート状繊維排水材は、例えば織物であれば
モケット織機により製織される表裏の地組織を立体的に
連結糸で連結し、三次元的厚みを有するシートとする。
編物であれば、2列針床を備える径編機・丸編機により
製編される。また、網状体シートであれば、例えば、熱
可塑性高分子組成物をノズルから繊維糸状に溶融紡出
し、紡出直後の糸が硬化しないまでの間隔で揺動する引
取りベルト上にラーメン構造様に積層融着し、所望の厚
さに点圧して作成する。
【0026】シート状繊維排水材である編物および網状
体に用いる繊維素材には、例えばポリアミド、ポリエス
テル、ポリプロピレン、ビニロン、アラミドなどの合成
繊維が好適に用いられ、モノフィラメント、モノマルチ
フィラメント、マルチフィラメント、断面が扁平、異形
断面等、また、これらの繊維の先染糸および加工糸、ま
たは繊維製造時に着色した原着繊維など、さらに、これ
らの素材の単独あるいは混用であってもよく、用途、目
的、要求性能等に適した繊維素材を適宜選択して用いる
ものとする。
【0027】また、樹脂被覆シート間の接着方法につい
ては、一般的に行われている方法を用いることができ、
結き合わせた部分あるいは重ね合わせた部分を溶着する
方法、肉盛り式溶接機の使用、バーナー等により溶着さ
せる方法、または接着剤等で接着する方法等が挙げられ
る。
【0028】このように、浸出水が地中に浸透するのを
防止するため上層から保護層5−上部遮水層6−自己修
復層7−排水層8−下部遮水層9の順に構成され、上部
遮水層6および下部遮水層9が、強度強度6g/d以上の
合成繊維から構成される布帛シートにポリエチレン系樹
脂を被覆してなり、この樹脂被覆シートの引張力が10
0kgf/3cm以上、最大荷重時の伸度が45%以下、厚み
が1mm以上で、WS型促進曝露装置によって63°C下
で250時間照射後の引張強力保持率が60%以上であ
る遮水シート構造によれば、耐薬品性、耐候性および機
械的物性に優れ、施工性に優れた遮水シート構造とな
り、安全な遮水設備が実現できる。
【0029】次に、本発明の実施例を説明する。なお、
樹脂被覆シートの評価は、以下の方法にて行った。 (1)厚さ:JIS−L−1096に準じて測定した。 (2)デニールおよびフィラメント数:JIS−L−1
013に準じて測定した。 (3)強度(糸):JIS−L−1013に準じて測定
した。 (4)切断伸度(糸):JIS−L−1013に準じて
測定した。 (5)織物密度:JIS−L−1096に準じて測定し
た。 (6)引張強力:JIS−L−1096に準じて測定し
た。 (7)最大荷重時の伸度:JIS−L−1096に準じ
て引張強力を測定した際の最大荷重時の伸度を測定し
た。 (8)WS型促進曝露装置によって63°C下で250
時間照射後の引張強力保持率:WS型促進曝露装置(サ
ンシャインウェザーメーターを用いた)に63°C×2
50時間の条件で照射させた後、(6)の方法で引張強
力を測定し保持率を測定した。 (9)アルカリ処理後の引張強力保持率:水酸化カルシ
ウム飽和水溶液(PH12)中に70°C×250時間
浸漬後、(6)の方法にて引張強力を測定し保持率を測
定した。 (10)施工性:20m×20mの敷地内(約5kg/個の
岩石を敷きつめた敷地)に上部遮水シートおよび下部遮
水シートを敷き詰め、パフにてシート間を接着し施工性
を確認した。 (11)重機による試験:(10)にて設置したシート
上に約30cmの覆土を行い、10tダンプトラック(6cm
3の土砂積載)および15t級ブルドーザにて5kg/hで1
0往復させた後、覆土を撤去し、外観変化を目視にて確
認した。
【0030】下記(表1)に実施例および比較例の諸条
件および物性測定結果を示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1〜比較例4について:上記(表
1)の条件に基づき各種繊維を溶融紡糸した後、ウォー
タージェットルームで平組織、所定の織密度にて製織を
行い、押し出しカレンダー加工にてLDPE(例えば住
友化学株式会社製の商品名:スミカセン)を被覆加工
し、(表1)に示す実施例1ないし比較例5までの遮水
シートを製作した。
【0033】比較例5について:布帛シートを用いず離
型紙上にLDPEを押し出して0.8mmのフィルムを作
成して遮水シートとした場合である。上記(表1)から
明らかなように、実施例1および実施例2は物性結果が
全て良好であり、遮水シートとして優れた性能を有する
ものであることが確認された。これら各実施例と比較し
て、比較例1および比較例2は遮水シートの強力が弱い
ため、重機による試験結果から数カ所の破損が確認され
ており、比較例3は伸度が大きいため敷設時に伸びが生
じて施工性が不良であり、比較例4は厚みが薄いため、
重機による試験で数カ所の破損箇所が確認され、比較例
5は強力が低くまた伸度が大きいため、施工性および重
機による試験ともに不良であった。
【0034】次に、遮水シート構造3をより具体的に説
明する。すなわち、5層(保護層5−上部遮水層6−自
己修復層7−排水層8−下部遮水層9)からなる、遮水
シート構造3を下記材料で構成し作成した。
【0035】保護層5:厚み5mm、目付400g/m2のク
ッション性、耐衝撃性に優れ、柔らかく作業性のよい不
織布(実施例では、商品名:ユニチカ株式会社製ポリエ
ステルスパンボンド不織布シートAN400)を使用し
た。
【0036】上部遮水層6:前記実施例2のシートを使
用した。 自己修復層7:上層から順に、PEフィルム(0.1m
m)−ポリエステルスパンボンド(例えばAN−200:
ユニチカ株式会社製が用いられる)−高吸水性アクリル
系樹脂(例えばAP−20:三洋化成株式会社製が用い
られる)100g/m2−ポリエステルスパンボンド(例え
ばAN−200:ユニチカ株式会社製が用いられる)−
PEフィルム(0.1mm)を一体的に接着積層したシー
トを使用した。
【0037】排水層8:14ゲージの2列針床を有する
経編機を用い、表裏地組織L1,L6オサに糸経0.1
65mmのナイロン・モノフィラメントおよびL2,L5
オサに300d/7fのナイロン・フィラメント、表裏の
地組織を連結する繋ぎ糸として、L3,L4オサに糸径
0.165mmのナイロン・モノフィラメントをフルセッ
トで通糸し、厚み5.6mm編地シートを作成した。この
シートの糸径0.165mmのナイロン・モノフィラメン
トの混用率は、78.9重量%、無載荷重時の繊維充填
量が18.1%、動水勾配0.03(3%)の面内透水
係数が無載荷重時11cm/sec、1kg/cm2載荷時1.4cm
/sec、2kg/cm2載荷時0.7cm/sec、3kg/cm2載荷時
0.6cm/sec、5kg/cm2載荷時0.5cm/secの優れた透
水性とクッション性、耐衝撃性を有する3次元的厚みの
ある柔らかく作業性の良いシート状排水材を作成して使
用した。
【0038】下部遮水層9:経糸にポリエステル100
0d/192f高強力糸(強度8.72kg/d、荷重時中間
伸度10.9%、破断伸度19.0%)2本とポリエス
テル紡績糸10番単糸1本を120t/m合撚を用い、織
り密度(46本/吋×46本/吋)、厚み2mmの布帛の片
面にカレンダーコーティングによりポリエチレン樹脂
(LDPE)で被覆したトータル厚み3.9mmのシート
を得た。このシートの物性は、引張強度経305kgf/c
m、緯315kgf/cm、最大荷重時の伸度経22%、緯2
1%、引き裂き強力(トラベゾイド法による)経117
kgf、緯125kgf、ミューレン破裂試験60kgf以上で
あり、厚みのある繊維層で構成されたクッション性、耐
衝撃性のある保護層を兼ねた樹脂複合シートを作成し
た。
【0039】上記の遮水シート構造3を次のようにして
廃棄物最終処分場のピットの法面および底面に敷設す
る。すなわち、整地された廃棄物処分場ピット2の法面
および底面に、最下層に、保護膜を兼ねた樹脂複合シー
トの樹脂コーティング面を上にして、法面あるいは底面
の傾斜に平行した形で隣接するシートとシートの端を突
き合わせて敷設し、その突き合わせ部の上に、下部遮水
層に用いた樹脂複合シートを25〜30cm程度の帯状に
カットしたテープを重ね、例えば自走式二重溶接機を用
いて接着し、廃棄物処分場ピット2全体を一体的な遮水
層とした。
【0040】次に、漏水による浸出水10を効率よくか
つ速やかに導水・排水させる目的で、法面と底面に平行
して排水層8のシート状排水材を、隣接するシートとシ
ートの端を突き合わせて覆いかぶせながら敷設した。
【0041】次に、排水層8の上に自己修復層7の自己
修復マットを、法面および底面の傾斜に平行した形で隣
接するシートとシートの端を10cm重ね合わせて覆いか
ぶせながら敷設し、その上に5〜20cmの接着用テープ
で繋ぎ目をシールして、一体化されたシートとして敷設
した。
【0042】次に、実施例で用いた樹脂被覆シートを、
これまでに敷設したシートの上に、法面および底面の傾
斜に平行させて、隣接するシートとシートの端を12〜
15cm程度重ね合わせて覆いかぶせながら敷設した。さ
らに、敷設されたシートの外周の縁を、下遮水層に肉盛
り式溶接機を用いて接着し、自己修復層7および排水層
8を内包した袋構造とした。
【0043】最後に、保護層5となるポリエステルスパ
ンボンド不織布シートを、法面および底面の傾斜に平行
した形で隣接するシートとシートの端を10cm程度重ね
合わせて覆いかぶせながら敷設し、その部分をバーナー
を用いて溶着し、一体化されたシートの保護層5を敷設
した。
【0044】そして、上部遮水層6から自己修復層7を
貫通する直径3mmの孔を形成して塩水を注入したとこ
ろ、自己修復層7の高分子吸水樹脂が吸水膨張して孔を
塞ぎ、止水されたことが確認できた。さらに、上部遮水
層6から自己修復層7を貫通する直径50mmの孔を形成
して塩水を注入したところ、塩水は、排水層8を伝って
底面勾配に沿って流下し、速やかに流末に達し、排水が
円滑に行われることが確認された。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、廃棄物を投入するためのピットを被覆する遮水シー
ト構造を、上層から、保護層、上遮水層、自己修復層、
排水層および下遮水層の順に構成し、前記上遮水層およ
び下遮水層を、強度6g/d以上の合成繊維から構成され
る布帛シートおよびこの布帛シートの少なくとも片面に
被覆されるポリエチレン系樹脂からなる樹脂被覆シート
から構成し、この樹脂被覆シートは、その引張強力が1
00kgf/3cm以上、最大荷重時の伸度が45%以下、厚
みが1mm以上で、かつ曝露装置によって63°C下で2
50時間照射後の引張強力保持率を60%以上としてい
ることにより、薬品性、耐候性および機械的物性に優
れ、さらに施工性に優れた遮水設備が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す廃棄物処分場におけ
るポリエチレン遮水シートを用いた遮水設備の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 遮水設備 2 ピット 3 遮水シート構造 4 地中 5 保護層 6 上部遮水層 7 自己修復層 8 排水層 9 下部遮水層 10 浸出水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三和 正彦 兵庫県尼崎市東本町1丁目50番地 ユニチ カ株式会社内 (72)発明者 森口 芳文 兵庫県尼崎市東本町1丁目50番地 ユニチ カ株式会社内 (72)発明者 唐渡 義伯 兵庫県尼崎市東本町1丁目50番地 ユニチ カ株式会社内 (72)発明者 中川 邦彦 大阪府大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 田代 博正 大阪府大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 宮辺 啓輔 大阪府大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式会社鴻池組内 (72)発明者 和田 昭太 大阪府大阪市此花区伝法四丁目3番55号 株式会社鴻池組内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸出水が地中に浸透するのを防止すると
    ともに浸出水を所定の場所まで導水するための廃棄物処
    分場における遮水設備であって、廃棄物を投入するため
    のピットを被覆する遮水シート構造を、上層から、保護
    層、上遮水層、自己修復層、排水層および下遮水層の順
    に構成し、前記上遮水層および下遮水層を、強度6g/d
    以上の合成繊維から構成される布帛シートおよびこの布
    帛シートの少なくとも片面に被覆されるポリエチレン系
    樹脂からなる樹脂被覆シートから構成し、この樹脂被覆
    シートは、その引張強力が100kgf/3cm以上、最大荷
    重時の伸度が45%以下、厚みが1mm以上で、かつSW
    型曝露装置によって63°C下で250時間照射後の引
    張強力保持率が60%以上であることを特徴とする廃棄
    物処分場におけるポリエチレン遮水シートを用いた遮水
    設備。
JP10132498A 1998-05-15 1998-05-15 廃棄物処分場におけるポリエチレン遮水シートを用いた遮水設備 Pending JPH11319747A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016061063A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 旭土建株式会社 分轄収納型バッグ

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JP2016061063A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 旭土建株式会社 分轄収納型バッグ

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