JPH11319681A - 立体物の硬化、架橋または処理方法および装置、ならびに硬化、架橋または処理物 - Google Patents

立体物の硬化、架橋または処理方法および装置、ならびに硬化、架橋または処理物

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JPH11319681A
JPH11319681A JP14669398A JP14669398A JPH11319681A JP H11319681 A JPH11319681 A JP H11319681A JP 14669398 A JP14669398 A JP 14669398A JP 14669398 A JP14669398 A JP 14669398A JP H11319681 A JPH11319681 A JP H11319681A
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electron beam
dimensional object
irradiation
curing
irradiated
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Application number
JP14669398A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nemoto
裕之 根本
Yoshiaki Ishikawa
喜章 石川
Hiromi Ishii
博美 石井
Takeshi Hirose
健 広瀬
Kunihiko Ozaki
邦彦 尾崎
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体物、特に、その表面に形成された塗料、
印刷インキ等の被覆物を高速で、かつ効率良く、確実に
硬化、架橋または処理させることができ、しかも立体物
の劣化や不純物の悪影響をもたらすことのない立体物の
硬化、架橋または処理方法および装置、ならびに硬化、
架橋または処理物を提供すること。 【解決手段】 表面に印刷インキまたは塗料等の被覆物
が形成された缶体Cを連続的に搬送する搬送ライン1
と、搬送ライン1の一部に隣接して設けられた回転可能
なテーブル2と、テーブル2上に設けられた複数の電子
線照射装置3とにより硬化装置が構成される。テーブル
2は、一つの電子線照射装置3と搬送ライン1上を搬送
されている一つの缶体Cとが同期して移動するように回
転し、缶体Cが自転している状態で缶体Cの表面の被覆
物に電子線照射装置3から電子線が照射され、被覆物が
硬化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶、ボトル、紙容
器等の立体物の表面に形成された印刷インキ、塗料、接
着剤、粘着剤等の被覆物を連続的に硬化、架橋または処
理させる立体物の硬化、架橋または処理方法、立体物の
硬化、架橋または処理装置、および硬化、架橋または処
理物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビール等のアルコール飲料、ならびに炭
酸飲料、ジュース、お茶およびコーヒー缶等のソフト飲
料に使用されている2ピース缶、あるいはモノブロック
状のエアゾール缶のような缶の製造においては、鋼板ま
たはアルミニウム板から缶体に加工され、缶体の表面に
印刷や塗装等が施され、さらに表面の印刷インキや塗料
がオーブンにより焼付けられる。通常このような一連の
プロセスは連続ラインにより行われており、2ピース缶
(DI缶)を例に取ると、以下のような工程により製造
される。
【0003】まず、所定厚さの素材コイルはアンコイラ
ーで巻き戻され、カッピングプレスに送られ、そこで絞
り加工によって連続的に底径が大きく浅いカップが打ち
抜き成形される。このような工程で成形されたカップは
ボディーメーカーに送られ、再絞り加工(drawing)に
よって所定の内径のカップに成形された後、しごき加工
(ironing)工程でカップの側壁がしごかれて薄くさ
れ、ドーム状の缶底と所定の側壁厚の缶胴とを一体化し
た缶体が形成される。しごき加工された缶体の上部は不
均一であるため、所定の高さにトリミングされる。
【0004】トリミングされた缶体には、しごき加工工
程で使用した潤滑油が付着しているため、洗浄工程でこ
の油を除去する。さらに、次工程で行う内・外面塗料の
密着性の向上および塗装されない缶底外面の変色・腐食
を防止するために、クロメートまたはジルコメート等の
化成皮膜処理が行われる。
【0005】次に、外面印刷の印刷効果を高めるため、
缶体に白色塗料がロール塗布され、焼付け乾燥される。
その後、白色塗料が塗布された缶体はプリンターに搬送
され、直筒状の缶胴側面にデザインに合わせて4〜6色
のインキが重ならないように印刷され、ウエットのまま
その上から全面に外面保護用の透明な仕上げニスがロー
ル塗布され、オーブンで焼付けされる。なお、白色塗料
を塗布しない場合もあり、その場合には缶体は白色塗料
塗布工程をバイパスして印刷工程に搬送される。
【0006】その後、缶体には内面塗装が施される。内
面塗装は、内容物による缶体の腐蝕を防ぐとともに、缶
材の溶出による内容物の品質劣化を防ぐために行われ
る。この内面塗装は、通常は1回塗装であるがスチール
缶に高腐食性の内容物を充填する場合は2回塗装を行
う。
【0007】このような塗装が終了した後、最終加工と
して、缶胴上部の直径をネッキング加工により絞り縮小
し、缶蓋が巻き締められるように端部の縁を外側に曲げ
るフランジング加工が行われる。
【0008】ところで、このような2ピース缶の製造に
おいては、缶の外面用塗料として熱硬化性の溶剤型また
は水性型の塗料組成物が一般的に使用され、その焼付硬
化のために大掛かりなオーブンが必要であり、かつ20
0℃以上の高温と分単位の焼付時間を要するため、生産
性、エネルギー効率および設備効率の点で問題がある。
【0009】このような問題点を解決するために外面用
塗料として紫外線硬化性塗料を用い、オーブンの代わり
に紫外線照射ユニットを用いて塗料を硬化させることが
提案されている(例えば特公昭53−25843号公
報)。しかしながら、紫外線硬化性塗料は開始剤や増感
剤が必要であり、一般的に高価である。また、顔料、特
に隠蔽性の高い顔料を含んだ塗料や印刷インキの場合に
は、紫外線は塗装物や印刷物等の被覆物の内部まで入り
にくく、十分に硬化されないという問題がある。さら
に、紫外線照射の場合には、電気エネルギーのかなりの
部分が紫外線ではなく、熱等になってしまい、エネルギ
ー効率が劣るだけでなく、照射される立体物(基材)の
種類によっては、熱の影響を受け、例えば基材の劣化が
問題となる。さらにまた、紫外線照射による硬化、架橋
には、開始剤や増感剤が必須であり、これらが不純物と
して悪影響を及ぼすおそれがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、立体物、特に、その表面
に形成された塗料、印刷インキ等の被覆物を高速で、か
つ効率良く、確実に硬化、架橋または処理させることが
でき、しかも立体物の劣化や不純物の悪影響をもたらす
ことのない立体物の硬化、架橋または処理方法および装
置、ならびに硬化、架橋または処理物を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、複数の筒状体等の立体物を連続的に搬送
し、搬送されている立体物に真空管型電子線照射装置に
よって電子線を照射して立体物を硬化、架橋または処理
させることを特徴とする立体物の硬化、架橋または処理
方法を提供する。
【0012】また、本発明は、複数の立体物を連続的に
搬送し、自転している立体物に電子線を照射して立体物
を硬化、架橋または処理させることを特徴とする立体物
の硬化、架橋または処理方法を提供する。この場合に、
前記電子線の照射は、真空管型電子線照射装置によって
なされることが好ましい。
【0013】上記立体物の硬化、架橋または処理方法に
おいて、立体物としては表面に被覆物が形成されている
ものを用いることができ、この被覆物を硬化、架橋また
は処理する。
【0014】さらに、本発明は、表面に被覆物が形成さ
れた物体を連続的に搬送する搬送ラインと、搬送中の物
体に電子線を照射する電子線照射装置を有する電子線照
射部とを具備し、電子線の照射により被覆物を硬化また
は架橋させることを特徴とする被覆物の硬化または架橋
装置を提供する。
【0015】このような立体物の硬化、架橋または処理
装置としては、以下の5つのものが挙げられる。 (1)立体物を連続的に搬送する搬送ラインと、搬送ラ
インの一部に隣接して設けられた回転可能なテーブル
と、テーブル上に設けられた複数の電子線照射装置とを
具備し、前記テーブルは、電子線照射装置と搬送ライン
上を搬送されている立体物とが同方向に移動するように
回転し、立体物が自転している状態で立体物に電子線照
射装置から電子線が照射され、立体物が硬化、架橋また
は処理されることを特徴とする立体物の硬化、架橋また
は処理装置。
【0016】(2)立体物を連続的に搬送する搬送ライ
ンと、搬送ラインの所定領域に隣接した位置に固定的に
配置され、搬送ライン上の前記所定領域を移動する立体
物に電子線を照射する電子線照射装置を備えた電子線照
射部とを具備し、前記所定領域において立体物が自転し
ている状態で立体物に電子線照射装置から電子線が照射
され、立体物が硬化、架橋または処理されることを特徴
とする立体物の硬化、架橋または処理装置。
【0017】(3)立体物を連続的に搬送する搬送ライ
ンと、前記搬送ライン上に複数分岐して設けられ、立体
物に電子線が照射される被照射領域と、前記各被照射領
域に隣接して設けられ、被照射領域に存在する立体物に
電子線を照射する電子線照射装置を有する複数の電子線
照射部とを具備し、前記搬送ラインから前記複数の照射
領域に振り分けられた立体物が自転している状態で立体
物に電子線照射装置から電子線が照射され、立体物が硬
化、架橋または処理されることを特徴とする立体物の硬
化、架橋または処理装置。
【0018】(4)立体物を連続的に搬送する搬送ライ
ンと、搬送ラインを搬送されてきた複数の立体物をスト
ックするストック領域と、ストックされた複数の立体物
に電子線が照射される被照射領域と、電子線が照射され
た複数の立体物を搬送ラインに排出する排出領域と、前
記ストック領域、照射領域、および排出領域の間を移動
可能に設けられ、複数の物体を保持可能な保持部材と、
前記被照射領域に隣接して設けられ、被照射領域に存在
する各立体物に電子線を照射する複数の電子線照射装置
を有する電子線照射部とを具備し、前記被照射部の複数
の立体物が前記保持部材上で自転している状態で立体物
に電子線照射装置から電子線が照射され、立体物が硬
化、架橋または処理されることを特徴とする立体物の硬
化、架橋または処理装置。
【0019】(5)立体物を連続的に搬送する搬送ライ
ンと、搬送ラインを搬送されてきた複数の物体をストッ
クするストック領域と、ストック領域の立体物が搬送さ
れ、所定数の立体物が保持された時点で各立体物に電子
線が照射される複数の被照射領域と、前記ストック領域
と前記複数の被照射領域との間で立体物を移動させる移
動機構と、前記各被照射領域に隣接して設けられ、被照
射領域に存在する各立体物にそれぞれ電子線を照射する
複数の電子線照射装置を有する複数の電子線照射部とを
具備し、前記被照射部の複数の立体物が自転している状
態で立体物に電子線照射装置から電子線が照射され、立
体物が硬化、架橋または処理されることを特徴とする立
体物の硬化、架橋または処理装置。
【0020】上記(1)、(3)、(4)、(5)の立
体物の硬化、架橋または処理装置において、前記電子線
照射装置は、前記物体の長さに対応して複数の電子線照
射管が配列して構成することができる。
【0021】また、上記(1)、(3)、(4)、
(5)の立体物の硬化、架橋または処理装置において、
前記電子線照射装置の照射部と前記立体物との間に前記
立体物の長さ方向に沿った相対移動が生じることを可能
とすることができる。
【0022】さらに、上記(2)の立体物の硬化、架橋
または処理装置において、前記電子線照射装置は、前記
物体の搬送方向に沿って複数の電子管を配列して構成す
ることができる。
【0023】これら立体物の硬化、架橋または処理装置
において、前記電子線照射装置は、真空管型であること
が好ましい。また、立体物としては表面に被覆物が形成
されているものを用いることができ、この被覆物が硬
化、架橋または処理される。
【0024】さらに、本発明は、連続的に搬送される複
数の立体物の表面に形成された被覆物に電子線が照射さ
れることにより硬化、架橋または処理された硬化、架橋
または処理物を提供する。
【0025】なお、本発明において、「処理」とは、殺
菌処理や表面改質等の硬化および架橋以外の処理をい
う。
【0026】本発明においては、缶体等の多数が連続的
に搬送される立体物、特にその表面に被覆された塗料、
印刷インキ、接着剤、粘着剤等の被覆物を硬化、架橋ま
たは処理するに際し、立体物に電子線を照射するので、
従来の熱による硬化または架橋および紫外線照射による
硬化または架橋の問題点を解決することができる。
【0027】すなわち、電子線照射により硬化、架橋ま
たは処理させる場合には、硬化、架橋または処理速度が
速いため、高速処理が可能であり、生産性が高く、ま
た、高温に加熱する必要もないのでエネルギー効率が高
い。また、熱乾燥よりも硬化、架橋、処理に要する作業
面積が少なくてすむので、大掛かりな装置が不要であ
る。さらに、熱乾燥や紫外線照射の場合のように基材で
ある立体物に熱がかからないので、立体物の劣化のおそ
れがなく、冷却、エージング等が不要である。さらにま
た、開始剤、増感剤が不要であるため不純物の少ないも
のができる。そのうえ、紫外線照射のときに見られる顔
料濃度が高いインキ、塗料等の硬化または架橋不良とい
う問題もない。
【0028】その他、電子線照射の場合には、希釈剤と
して有機溶剤を含有させる必要がないので環境に優しい
といった利点や、電気的作業条件を管理すればよいか
ら、熱乾燥の際の温度管理よりも管理しやすいといった
利点も有している。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。ここでは、2ピース缶(DI缶)
の連続製造システムにおける缶表面に被覆された印刷イ
ンキまたは塗料の硬化について説明する。
【0030】まず、2ピース缶(DI缶)の連続製造シ
ステムによる処理プロセスについて、図1を参照しなが
ら説明する。最初に、所定厚さの素材コイルはアンコイ
ラーで巻き戻され(工程1)、カッピングプレスにより
連続的に底径が大きく浅いカップが打ち抜き成形される
(工程2)。このような工程で成形されたカップは連続
的に搬送され、再絞り加工(drawing)によって所定の
内径のカップに成形された後、しごき加工(ironing)
工程でカップの側壁が薄くされて、ドーム状の缶底と所
定の側壁厚の缶胴とを一体化した缶体が形成され(工程
3)、その後、缶体の上部が所定の高さにトリミングさ
れる(工程4)。トリミングされた缶体は、付着した潤
滑油を除去するために洗浄され(工程5)、次工程で行
う内・外面塗料の密着性の向上および塗装されない缶底
外面の変色・腐食を防止するために、クロメートまたは
ジルコメート等の化成皮膜処理が行われる(工程6)。
【0031】このようにして缶体が成形された後、缶体
が搬送ラインを連続的に搬送され、まず外面印刷の印刷
効果を高めるため、缶体に白色塗料がロール塗布され
(工程7)、次いで本発明に従って電子線照射による塗
料の硬化処理が行われる(工程8)。その後、白色塗料
が塗布された缶体はプリンターに搬送され、缶胴側面に
デザインに合わせて印刷され、その上から全面に外面保
護用の透明な仕上げニスがロール塗布される(工程
9)。このような印刷工程が終了後、本発明に従って電
子線照射による印刷インキの硬化処理が行われる(工程
10)。なお、白色塗料を塗布しない場合もあり、その
場合には缶体は白色塗料塗布工程をバイパスして印刷工
程に搬送される。
【0032】その後、缶体には1回または2回の内面塗
装が施され(工程11)、焼付け(工程12)された
後、最終加工として、缶胴上部の直径をネッキング加工
およびフランジング加工が行われる(工程13)。そし
て、最後に缶体の欠陥を検査する(工程14)。
【0033】次に、上記工程8および工程10を実施す
るための塗料または印刷インキの硬化装置の第1の実施
形態について説明する。図2は、第1の実施形態に係る
硬化装置の概略構成図である。この装置は、表面に塗料
または印刷インキが被覆された複数の缶体Cを連続的に
搬送するための搬送ライン1と、搬送ライン1の一部に
隣接して設けられたターンテーブル2と、ターンテーブ
ル2上に設けられた複数の電子線照射装置3とを備えて
いる。なお、ここで「連続的に搬送」とは、実質的に連
続状態であればよく、間欠的搬送をも含むものである。
【0034】ターンテーブル2は搬送ライン1の搬送方
向と同一方向に移動するように回転し、缶体Cの一つが
Aで示す位置に達した際に、ターンテーブル2上の一つ
の電子線照射装置がその缶体に対応する位置に達するよ
うになっている。そして、搬送ライン1は、位置Aから
位置Bまでのターンテーブル2と隣接している部分にお
いて、ターンテーブル2と同期して移動するようになっ
ており、その部分が電子線の照射領域4となっている。
この照射領域4において缶体Cは自転しながら電子線照
射装置3から電子線が照射されるようになっている。そ
して、缶体Cが位置Bに達した際に、缶体Cの全面に電
子線が照射され、塗料または印刷インキが硬化されるこ
ととなる。
【0035】この場合に、搬送ライン1のスピードは、
ラインの生産能力によって決まり、ラインの生産能力に
合わせて、照射エリア4の長さ、ターンテーブル2の周
速、缶体Cの回転数、照射時間、電子線照射装置3の能
力、設置台数のバランス等が決められる。なお、缶体C
は、ターンテーブル2と同期する照射エリア4では駆動
を受けて自転する。缶体Cは、照射エリア4のみで自転
される場合はもちろん、照射エリア4以外で自転されて
いてもよい。通常、自転は連続的な回転であるが、断続
的または間欠的な回転でもよい。さらに、缶体Cと電子
線照射装置3とは同期していることが望ましいが、必ず
しも同期する必要はない。
【0036】電子線照射装置3は、その電子線発生部と
しての照射管が図3のように構成されている。すなわ
ち、図3の(a)に示すように、円筒状をなすガラスま
たはセラミック製の真空管(チューブ)5と、その管
(チューブ)5内に設けられ、陰極から放出された電子
を電子線として取り出してこれを加速する電子線発生部
6と、真空管5の端部に設けられ、電子線を射出する電
子線射出部7と、図示しない給電部より給電するための
ピン部8とを有する。電子線射出部7には薄膜状の照射
窓9が設けられている。電子線射出部7の照射窓9は、
ガスは透過せずに電子線を透過する機能を有しており、
図3の(b)に示すように、スリット状をなしている。
そして、照射室内に配置された被照射物に照射窓9から
射出された電子線が照射される。
【0037】すなわち、この電子線装置3は真空管型で
あり、従来のドラム型の電子線照射装置とは根本的に異
なっている。従来のドラム型電子線照射装置は、ドラム
内を常に真空引きしながら電子線を照射するタイプのも
のである。
【0038】このような構成の照射管を有する装置は、
米国特許第5,414,267号に開示されており、Am
erican International Technologies(AIT)社によ
りMin−EB装置として検討されている。この装置に
おいては、100kV以下という低加速電圧でも電子線
の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すこと
ができる。これによって、基材上の被覆材に対し低深度
で電子線を作用させることが可能となり、基材への悪影
響およびX線の発生量を低下させることができるように
なり、大がかりなシールドは必ずしも必要としない。
【0039】また、電子線のエネルギーが低いため、酸
素ラジカルに起因する被覆剤表面での反応阻害を低減す
ることができるようになり、イナーティングの必要性が
小さくなる。
【0040】このように、シールドの小型化およびイナ
ーティングの低減化、また低加速電圧であるため電子線
発生部分の小型化が可能となることから、電子線照射装
置の飛躍的な小型化が可能となる。
【0041】このような電子線照射装置3において、缶
体Cの高さが照射管5の照射窓の長さよりも高い場合に
は、図4の(a)、(b)に示すように、複数の照射管
5を管体Cの長さ方向に沿って2列にかつ千鳥状に配置
することが好ましい。これは、単に一列に並べただけで
は、隙間が空いてしまうためである。また、2列の照射
管5は、缶体C上の同じライン上(照射ライン)に電子
線が照射されるように傾いて配置されている。しかし、
必ずしも同じライン上に照射されなくてもよい。さらに
照射管5が缶体Cを挟んで両側に配置されていてもよ
い。
【0042】このような硬化装置において、照射エリア
を拡大する場合には、図5に示すように、搬送ライン1
とターンテーブル2との隣接領域が広くなるようにす
る。これにより、より広い照射領域4’が確保される。
また、図6に示すように、ターンテーブル2の搬送ライ
ン1と反対側に他の搬送ライン1’を設けることによ
り、複数ライン化することができ、生産効率を向上させ
ることができる。
【0043】次に、硬化装置の第2の実施の形態につい
て説明する。この装置は、図7および図8に示すよう
に、表面に塗料または印刷インキが施された缶体Cを搬
送する搬送ライン1に隣接するように、電子線照射装置
を搭載したターンテーブル2を設けた点では第1の実施
の形態と同じであるが、ターンテーブル2には第1の実
施の形態とは異なる構造の複数の電子線照射装置13が
設けられている。
【0044】すなわち、本実施の形態では、図9に示す
ように、電子線照射装置13は、その下部に上記照射管
と同一構造の照射管を有し、内部に電源ユニットおよび
アンプが一体的に設けられた電源組込型(ブック型)を
なしている。そして、その下部に設けられた照射管の照
射部17には照射窓19が設けられ、その照射窓19か
ら電子線が射出される。このように一つの電子線照射装
置毎に電源ユニットおよびアンプを有するため、高圧用
の電源チューブが不要となり、単に100Vの電圧を印
加すればよいので非常にコンパクトである。したがっ
て、本実施の形態では、図7に示すように、電子線照射
装置13をターンテーブル2に短いピッチで多数配置す
ることができ、例えば搬送ライン1の多数の缶体Cのピ
ッチと同ピッチとすることが容易にでき、照射領域14
においても同じ速度で搬送しながら、電子線を照射する
ことができる。照射領域14においては、缶体Cの全面
に電子線が照射されるように、缶体Cが自転するように
なっている。
【0045】このような電源組込型の電子線照射装置1
3は、その構造上、缶体Cの高さに対応して隙間なく照
射されるように配置することが困難である。したがっ
て、本実施の形態では、図8に示すように、照射領域1
4内で缶体Cを回転させながら、上方へスライドさせる
ことにより缶体Cの全面に電子線照射することを可能と
している。
【0046】なお、本実施の形態において、照射時間、
照射回数、照射エリアの長さ等は、缶体Cの回転数とス
ライドスピードによって決定される。
【0047】次に、硬化装置の第3の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態では、図10に示すように、
表面に塗料または印刷インキが施された複数の缶体Cが
連続的に搬送ライン21を搬送され、搬送ライン21の
所定領域に対応して電子線照射ユニット(電子線照射
部)22が固定的に配置されており、一定幅の照射領域
24が形成されている。ただし、電子線照射ユニット2
2は、図10の矢印に示すように、上下動の位置調節は
可能となっている。
【0048】電子線照射ユニット22は、複数の照射管
25を有する電子線照射装置23と、照射管25を支持
する支持部材22aとを有しており、照射管25の配列
領域の長さが照射領域24の長さとなっている。なお、
照射管25は前記照射管5と同一の構造を有している。
【0049】搬送ライン21の電子線照射ユニット22
に対応する部分には、電子線照射の際に缶体Cを搬送す
るとともに缶体Cの方向を転換する機能を有する照射用
搬送機構26が設けられている。この照射用搬送機構2
6は、缶体Cを保持するための保持アーム27を有し、
アーム27の先端には保持部28が設けられており、缶
体Cが照射用搬送機構26に達した時点で保持部28が
缶体Cの内部に挿入されて缶体Cが保持され、この保持
アーム27により、その長手方向が搬送方向と直角であ
った缶体Cが、その長手方向が搬送方向と一致するよう
に方向転換される。そして、照射用搬送機構26は、照
射領域24において、保持アーム27によって缶体Cを
自転させながら缶体Cを搬送し、その際に電子線照射ユ
ニット22の電子線照射装置23から缶体Cに電子線が
照射される。照射領域24を通過した缶体Cは再び方向
転換されて元の方向に戻り、保持アーム27の保持部2
8が退避して缶体Cから外され、照射前と同様に搬送ラ
イン21を搬送される。缶体Cが外された後の空の保持
アーム27は、保持部28を搬送方向に向けた状態で先
端部に戻される。
【0050】このような硬化装置において、電子線照射
装置23は図11および図12に示すように、その照射
管25が缶体Cの搬送方向に沿って2列にかつ千鳥状に
配置されることが好ましい。これは、単に一列に並べた
だけでは、隙間が空いてしまうためである。ここでは、
2列の照射管25は、図12に示すように、管体C上の
同じライン上(照射ライン)に電子線が照射されるよう
に傾いて配置されている。しかし、必ずしも同じライン
上に照射されなくてもよい。
【0051】このような硬化装置によれば、従前の2つ
の実施形態におけるロータリー方式と異なり、電子線照
射装置が固定的に設けられているため、運転中に電子線
照射装置23に異常が生じた場合に、異常部分を困難性
を伴わずに交換することができる。この場合に、各照射
管をカセット式にすればより交換が容易となる。
【0052】本実施の形態において、照射管の数は照射
時間と照射速度によって決定される。また、最大生産量
によって照射領域24の長さが決定される。さらに、照
射用搬送機構26の速度は、各缶体1ピッチ移送時間
と、保持アーム27の1ピッチ移動時間が等しくなる速
度とする。なお、照射領域において缶体Cは必ずしも上
述のように方向転換される必要はない。
【0053】次に、硬化装置の第4の実施の形態につい
て説明する。本実施の形態の硬化装置は、図13に示す
ように、その表面に塗料または印刷インキが施された複
数の缶体Cを連続的に搬送する搬送ライン31と、搬送
ライン31上で3つに分岐して設けられ、缶体Cに電子
線が照射される被照射領域32a、32b、32cと、
それぞれ各被照射領域32a、32b、32cに隣接し
て設けられ、各被照射領域に移動してきた缶体Cに電子
線を照射する電子線照射装置34を有する電子線照射部
33a、33b、33cとを具備している。被照射領域
32a、32b、32cの電子線照射部33a、33
b、33cに対応する部分にはそれぞれ缶体保持部と缶
体回転機構が設けられている。
【0054】搬送ライン31上を搬送されている缶体C
は、3つの被照射領域32a、32b、32cに順次振
り分けられ、各被照射領域の電子線照射部に対応した位
置に停止し、そこで回転機構により自転されながら、そ
の表面に電子線照射装置34から電子線が照射され、塗
料または印刷インキが硬化される。電子線の照射が終了
した缶体は、各被照射領域から順次搬送ラインに合流
し、次工程へ搬送される。
【0055】本実施の形態においては、缶体Cを各被照
射領域に振り分けるので、一つの被照射領域の缶体に電
子線が照射されている間に他の被照射領域に缶体Cを搬
送することができるので、生産速度を上昇させることが
できる。また、運転中に電子線照射装置34に不良が生
じた場合でも照射部毎に交換が可能であり、ラインを全
停止する必要はない。
【0056】本実施の形態においても、電子線照射装置
34の照射管として、第1の実施の形態の照射管5と同
一のものを用いることができる。また、缶体Cの高さが
照射管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の実施
形態と同様、複数の照射管を管体Cの長さ方向に沿って
2列にかつ千鳥状に配置することが好ましい。なお、こ
こでは、搬送ラインが3つに分岐する場合について示し
たが、分岐数は搬送ライン31の速度および電子線照射
装置34の照射能力等によって適宜設定すればよい。
【0057】次に、硬化装置の第5の形態について説明
する。本実施の形態の硬化装置は、図14に示すよう
に、その表面に塗料または印刷インキが施された複数の
缶体Cを連続的に搬送する搬送ライン41と、搬送ライ
ン41を搬送されてきた複数の缶体Cをストックするス
トック領域42と、ストックされた複数の缶体Cに電子
線が照射される被照射領域43と、電子線が照射された
複数の缶体Cを搬送ライン41に排出する排出領域44
とを備えている。また、被照射領域43に隣接するよう
に、複数の電子線照射装置46を有する電子線照射部4
5を有しており、被照射領域43の各缶体Cは、各電子
線照射装置46に対応するように配置される。
【0058】ストック領域42、照射領域43、および
排出領域44において、複数の缶体Cは保持部材47に
より回転可能に保持され、ストック領域42、被照射領
域43、および排出領域44の間の缶体Cの移動は、図
示しない移動機構により保持部材47を移動させること
により行われる。
【0059】このような硬化装置においては、搬送ライ
ン41により搬送されてきた缶体Cがストック領域42
において保持部材47に順次ストックされ、保持部材4
7に所定数の缶体Cが搭載された時点で移動機構により
保持部材47が被照射領域43に移動される。
【0060】被照射領域43においては、保持部材47
に保持された複数の缶体Cは、回転機構により自転され
つつ、各缶体Cに対応する電子線照射装置46から一斉
に電子線が照射され、それら表面の塗料または印刷イン
キが硬化される。
【0061】照射終了後、保持部材47は移動機構によ
り排出領域44に移動され、この排出領域44におい
て、保持部材47に保持されている複数の缶体Cが順次
搬送ライン41に戻される。
【0062】なお、保持部材47は3つ設けられてお
り、一つの保持部材47がストック領域42において缶
体Cを順次ストックする間に、他の一つの保持部材47
は被照射領域43に位置しており、そこに保持されてい
る缶体Cに電子線の照射がなされ、さらに他の保持部材
47は排出領域44において缶体Cを順次搬送ライン4
1に排出するようになっている。そして、これら各領域
での操作が終了した時点で保持部材47が一斉に次の領
域(排出領域44にある保持部材47はストック領域4
2)へ移動する。
【0063】このようにストック領域42に複数の缶体
Cをストックし、被照射領域43において電子線照射装
置46からストックされた複数の缶体Cに一斉に電子線
を照射するようにしたので、照射時間による搬送渋滞を
なくすることができ、生産速度を上昇させることができ
る。また、運転中に電子線照射装置46に不良が生じた
場合でも照射部毎または各照射装置毎に交換が可能であ
り、ラインを全停止する必要はない。
【0064】本実施の形態においても、電子線照射装置
46の照射管として、第1の実施の形態の照射管5と同
一のものを用いることができる。また、缶体Cの高さが
照射管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の実施
形態と同様、複数の照射管を管体Cの長さ方向に沿って
2列にかつ千鳥状に配置することが好ましい。
【0065】次に、硬化装置の第6の態様について説明
する。本実施の形態の硬化装置は、図15に示すよう
に、その表面に塗料または印刷インキが施された複数の
缶体Cを連続的に搬送する搬送ライン51と、搬送ライ
ン51を搬送されてきた複数の缶体Cを順次ストックす
るストック領域52と、ストック領域52の両側に設け
られ、ストック領域52にストックされた複数の缶体C
が順次搬送され、所定数の缶体Cが保持された時点で電
子線が照射される2つの被照射領域53a、53bとを
備えている。また、2つの被照射領域53a、53bに
それぞれ隣接するように、複数の電子線照射装置55を
有する2つの電子線照射部54a、54bを有してお
り、被照射領域53a、53bの各缶体Cは、電子線照
射部54a、54bの各電子線照射装置55に対応する
ように配置される。
【0066】ストック領域52から各被照射領域53
a、53bへの缶体Cの移動は、図示しない搬送機構に
より個別的に行われ、各被照射領域53a、53bで
は、それぞれ保持部材56a、56bが所定数の缶体C
を回転可能に保持するようになっている。
【0067】このような硬化装置においては、搬送ライ
ン51により搬送されてきた缶体Cがストック領域52
に順次ストックされ、このストック領域52の缶体Cが
搬送機構により被照射領域53aの保持部材56aおよ
び被照射領域53bの保持部材56bのいずれか空いて
いる方へ順次搬送される。そして、一方の被照射領域に
缶体Cが搬送されている間、缶体Cが所定数保持された
他方の被照射領域では、保持部材に保持された複数の缶
体Cが回転機構により自転されつつ、各缶体Cに対応す
る電子線照射装置55から一斉に電子線が照射され、そ
れら表面の塗料または印刷インキが硬化される。
【0068】照射終了後、その被照射領域の保持部材か
ら処理終了後の缶体Cが順次搬送ライン51に搬送さ
れ、それと同時に、ストック領域52から搬送機構によ
り未処理の缶体Cが順次その被照射領域に搬送される。
【0069】このようにストック領域52に複数の缶体
Cをストックし、ストックした缶体Cを被照射領域53
a、53bに順次搬送し、いずれかの被照射領域に所定
数の缶体Cが保持された時点で複数の電子線照射装置5
5から複数の缶体Cに一斉に電子線を照射するようにし
たので、第5の実施の形態と同様、照射時間による搬送
渋滞をなくすることができ、生産速度を上昇させること
ができる。また、運転中に電子線照射装置55に不良が
生じた場合でも照射部毎または各照射装置毎に交換が可
能であり、ラインを全停止する必要はない。
【0070】本実施の形態においても、電子線照射装置
55の照射管として、第1の実施の形態の照射管5と同
一のものを用いることができる。また、缶体Cの高さが
照射管の照射窓の長さよりも高い場合には、第1の実施
形態と同様、複数の照射管を管体Cの長さ方向に沿って
2列にかつ千鳥状に配置することが好ましい。
【0071】以上のように、各実施の形態に係る硬化装
置は、搬送ラインにより連続して搬送される塗料または
印刷インキが施された缶体Cに対し、電子線を照射する
ことにより、塗料または印刷インキを硬化させるので、
高速で、かつ効率良く、確実に硬化させることができ、
しかも基材の劣化や不純物の悪影響をもたらすことがな
い。
【0072】なお、上記実施の形態において使用する印
刷インキとしては、凸版インキ、オフセットインキ、グ
ラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ等の
紫外線や電子線硬化型インキが挙げられ、また、塗料と
しては、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹
脂系、ポリエステル樹脂系等の樹脂、および各種光感応
性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマーを用いた紫
外線または電子線硬化型塗料が挙げられる。
【0073】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の
形態では、缶体の表面に形成された塗料、印刷インキを
硬化させる場合について示したが、缶体に限らず、ガラ
スボトルやPETボトルのようなものであってもよい
し、筒状体に限らず中実な物体であってもよい。また、
塗料または印刷インキの硬化に限らず、接着剤や粘着剤
等他の被覆物であってもよい。さらに、電子線照射は少
なくとも被覆物に対して行われればよく、立体物の全面
に行う必要はないが、全面に電子線照射することもでき
る。
【0074】電子線照射装置も上述した真空管型のもの
に限らず、通常のドラムタイプのものを用いることがで
きる。ただし、真空管型のものが制御性の観点から好ま
しい。すなわち、min−EBに代表される真空管型電
子線照射装置は、上述したように、シールドの小型化お
よびイナーティングの低減化を図ることができ、また低
加速電圧であるため電子線発生部分の小型化が可能とな
ることから、電子線照射装置の飛躍的な小型化が可能と
なるため極めて好ましい。
【0075】さらに、上記実施の形態では、塗料や印刷
インキ等を硬化させる場合について示したが、これらを
架橋させる場合や、殺菌処理する場合、表面改質させる
場合等の他の処理の場合でも本発明は適用可能である。
また、紫外線照射または加熱処理を併用することもでき
る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続的に搬送される立体物、特にその表面に被覆された
塗料、印刷インキ等の被覆物を硬化、架橋または処理す
るに際し、電子線を照射するので、従来の熱による硬化
または架橋および紫外線照射による硬化および架橋の問
題点を解決することができる。
【0077】すなわち、電子線照射により硬化、架橋ま
たは処理させる場合には、硬化、架橋または処理の速度
が速いため、高速処理が可能であり、生産性が高く、ま
た、高温に加熱する必要もないのでエネルギー効率が高
い。また、熱乾燥よりも硬化等に要する作業面積が少な
くてすむので、大掛かりな装置が不要である。さらに、
熱乾燥や紫外線照射の場合のように基材である立体物に
熱がかからないので、立体物の劣化のおそれがなく、冷
却、エージング等が不要である。さらにまた、開始剤、
増感剤が不要であるため不純物の少ないものができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される2ピース缶(DI缶)の連
続製造システムによる処理プロセスを示すフローチャー
ト。
【図2】上記連続製造システムに用いられる塗料または
印刷インキの硬化装置の第1の実施形態を示す概略平面
図。
【図3】図2の塗料または印刷インキの硬化装置に用い
られる電子線照射装置の照射管の構造を示す図。
【図4】図2の塗料または印刷インキの硬化装置に用い
られる電子線照射装置の照射管の配列の例を示す図。
【図5】図2の塗料または印刷インキの硬化装置におい
て照射領域を広くした状態を示す図。
【図6】図2の塗料または印刷インキの硬化装置におい
て、搬送ラインを複数設けた状態を示す図。
【図7】上記連続製造システムに用いられる塗料または
印刷インキの硬化装置の第2の実施形態を示す概略平面
図。
【図8】図7の装置の概略側面図。
【図9】第2の実施形態に係る硬化装置に用いられる電
源組込型(ブック型)電子線照射装置を示す斜視図。
【図10】上記連続製造システムに用いられる塗料また
は印刷インキの硬化装置の第3の実施形態を示す概略側
面図。
【図11】図10の塗料または印刷インキの硬化装置に
用いられる電子線照射装置の照射管の配列の例を示す下
面図。
【図12】図10の塗料または印刷インキの硬化装置に
用いられる電子線照射装置の照射管の配列の例を示す側
面図。
【図13】上記連続製造システムに用いられる塗料また
は印刷インキの硬化装置の第4の実施形態を示す概略側
面図。
【図14】上記連続製造システムに用いられる塗料また
は印刷インキの硬化装置の第5の実施形態を示す概略側
面図。
【図15】上記連続製造システムに用いられる塗料また
は印刷インキの硬化装置の第6の実施形態を示す概略側
面図。
【符号の説明】
1,21,31,41,51……搬送ライン 2……ターンテーブル 3,13,23,34,46,55……電子線照射装置 4,4’,14,24……照射領域 5,25……照射管 22,33a,33b,33c,45,54a,54b
……電子線照射部 32a,32b,32c,43,53a,53b……被
照射領域 C……缶体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 健 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 尾崎 邦彦 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の立体物を連続的に搬送し、搬送さ
    れている立体物に真空管型電子線照射装置によって電子
    線を照射して立体物を硬化、架橋または処理させること
    を特徴とする立体物の硬化、架橋または処理方法。
  2. 【請求項2】 複数の立体物を連続的に搬送し、自転し
    ている立体物に電子線を照射して立体物を硬化、架橋ま
    たは処理させることを特徴とする立体物の硬化、架橋ま
    たは処理方法。
  3. 【請求項3】 前記電子線の照射は、真空管型電子線照
    射装置によってなされることを特徴とする請求項2に記
    載の立体物の硬化、架橋または処理方法。
  4. 【請求項4】 前記立体物は表面に被覆物が形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項に記載の立体物の硬化、架橋または処理方法。
  5. 【請求項5】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 搬送中の立体物に電子線を照射する電子線照射装置を有
    する電子線照射部とを具備し電子線の照射により立体物
    を硬化、架橋または処理させることを特徴とする立体物
    の硬化、架橋または処理装置。
  6. 【請求項6】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 搬送ラインの一部に隣接して設けられた回転可能なテー
    ブルと、 テーブル上に設けられた複数の電子線照射装置とを具備
    し、 前記テーブルは、電子線照射装置と搬送ライン上を搬送
    されている立体物とが同方向に移動するように回転し、
    立体物が自転している状態で立体物に電子線照射装置か
    ら電子線が照射され、立体物が硬化、架橋または処理さ
    れることを特徴とする立体物の硬化、架橋または処理装
    置。
  7. 【請求項7】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 搬送ラインの所定領域に隣接した位置に固定的に配置さ
    れ、搬送ライン上の前記所定領域を移動する立体物に電
    子線を照射する電子線照射装置を備えた電子線照射部と
    を具備し、 前記所定領域において立体物が自転している状態で立体
    物に電子線照射装置から電子線が照射され、立体物が硬
    化、架橋または処理されることを特徴とする立体物の硬
    化、架橋または処理装置。
  8. 【請求項8】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 前記搬送ライン上に複数分岐して設けられ、立体物に電
    子線が照射される被照射領域と、 前記各被照射領域に隣接して設けられ、被照射領域に存
    在する立体物に電子線を照射する電子線照射装置を有す
    る複数の電子線照射部とを具備し、 前記搬送ラインから前記複数の照射領域に振り分けられ
    た立体物が自転している状態で立体物に電子線照射装置
    から電子線が照射され、立体物が硬化、架橋または処理
    されることを特徴とする立体物の硬化、架橋または処理
    装置。
  9. 【請求項9】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 搬送ラインを搬送されてきた複数の立体物をストックす
    るストック領域と、 ストックされた複数の立体物に電子線が照射される被照
    射領域と、 電子線が照射された複数の立体物を搬送ラインに排出す
    る排出領域と、 前記ストック領域、照射領域、および排出領域の間を移
    動可能に設けられ、複数の物体を保持可能な保持部材
    と、 前記被照射領域に隣接して設けられ、被照射領域に存在
    する各立体物に電子線を照射する複数の電子線照射装置
    を有する電子線照射部とを具備し、 前記被照射部の複数の立体物が前記保持部材上で自転し
    ている状態で立体物に電子線照射装置から電子線が照射
    され、立体物が硬化、架橋または処理されることを特徴
    とする立体物の硬化、架橋または処理装置。
  10. 【請求項10】 立体物を連続的に搬送する搬送ライン
    と、 搬送ラインを搬送されてきた複数の物体をストックする
    ストック領域と、 ストック領域の立体物が搬送され、所定数の立体物が保
    持された時点で各立体物に電子線が照射される複数の被
    照射領域と、 前記ストック領域と前記複数の被照射領域との間で立体
    物を移動させる移動機構と、 前記各被照射領域に隣接して設けられ、被照射領域に存
    在する各立体物にそれぞれ電子線を照射する複数の電子
    線照射装置を有する複数の電子線照射部とを具備し、 前記被照射部の複数の立体物が自転している状態で立体
    物に電子線照射装置から電子線が照射され、立体物が硬
    化、架橋または処理されることを特徴とする立体物の硬
    化、架橋または処理装置。
  11. 【請求項11】 前記電子線照射装置は、前記立体物の
    長さに対応して複数の電子線照射管が配列して構成され
    ていることを特徴とする請求項6、請求項8、請求項
    9、および請求項10のいずれか1項に記載の立体物の
    硬化、架橋または処理装置。
  12. 【請求項12】 前記電子線照射装置の照射部と前記立
    体物との間に前記立体物の長さ方向に沿った相対移動が
    生じることが可能であることを特徴とする請求項6、請
    求項8、請求項9、および請求項10のいずれか1項に
    記載の立体物の硬化、架橋または処理装置。
  13. 【請求項13】 前記電子線照射装置は、前記立体物の
    搬送方向に沿って複数の電子管が配列して構成されてい
    ることを特徴とする請求項7に記載の立体物の硬化、架
    橋または処理装置。
  14. 【請求項14】 前記電子線照射装置は、真空管型であ
    ることを特徴とする請求項5ないし請求項13のいずれ
    か1項に記載の立体物の硬化、架橋または処理装置。
  15. 【請求項15】 前記立体物は表面に被覆物が形成され
    ていることを特徴とする請求項5ないし請求項14のい
    ずれか1項に記載の立体物の硬化、架橋または処理装
    置。
  16. 【請求項16】 連続的に搬送される複数の立体物の表
    面に形成された被覆物に電子線が照射されることにより
    硬化、架橋または処理された硬化、架橋または処理物。
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