JPH11319043A - 植物発芽抑制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法 - Google Patents

植物発芽抑制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法

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JPH11319043A
JPH11319043A JP10152218A JP15221898A JPH11319043A JP H11319043 A JPH11319043 A JP H11319043A JP 10152218 A JP10152218 A JP 10152218A JP 15221898 A JP15221898 A JP 15221898A JP H11319043 A JPH11319043 A JP H11319043A
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JP
Japan
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antibacterial
sand
antifungal
silver
plant germination
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Application number
JP10152218A
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English (en)
Inventor
Naomi Asai
直美 浅井
Yoshihiro Toyonaga
能博 豊永
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SHINTOO FINE KK
Original Assignee
SHINTOO FINE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌作用とともに植物発芽抑制作用を有する
抗菌性砂を調製するにあたり、抗菌性金属イオンを担持
させる無機担体、固着および被覆剤、さらに焼成時の硬
化剤を選択して使用することにより、金属イオンの溶出
コントロールが可能な抗菌性砂を調製する。 【解決手段】 銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくと
も1種の抗菌性金属イオンを、酸化ケイ素を主成分とす
る無機粒状体に被覆し、次にケイ酸のアルカリ塩を用い
て固着させ、さらにSiO2 ・nAl2 3 (n=0.
06〜0.10)で表される含水ケイ酸アルミニウムを
硬化剤として焼成して得られることを特徴とする植物発
芽抑制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌作用の有効期
間を長く保つとともに植物発芽抑制作用を有する抗菌性
砂およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年犬・猫の糞尿に原因する大腸菌や回
虫卵による砂場の汚染が大きな社会問題となっている。
これを解決するために砂場への消毒剤や犬猫忌避剤の散
布、砂の焼却処理、柵の設置等いろいろな対策が取られ
ている。しかしこれらの方法には一長一短があり、いず
れも十分な効果をあげているとは言いがたい。この中
で、銀等の金属を砂等無機粒子担体に担持させて抗菌砂
とし、これを砂場に抗菌剤として散布する方法が簡便且
つ有効な消毒・抗菌方法として利用されている。
【0003】従来はこの抗菌砂の製造方法としては、リ
ン酸カルシウム系の無機担体に抗菌性金属の銀等を担持
させ、被覆剤として水ガラスのケイ酸ナトリウムを用
い、さらに硬化剤として酸化チタン等を用いて製造する
方法(特開平8−3009号)や、同じく抗菌性金属を
被覆剤としてアルミナゾルやシリカゾルを用いて固着さ
せて製造する方法(特開平8−119815号)が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、効果的
で、安全で、また簡単に製造でき、さらに抗菌性金属の
溶出をコントロールすることにより抗菌作用の有効期間
も長く保つことができるとともに、植物、特に雑草の発
芽抑制に優れた性能を有する抗菌性砂の提供を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機粒状
担体として酸化ケイ素化合物を用いて銀等金属イオンを
被覆させた後、ケイ酸アルカリ塩を加えてケイ酸金属を
生成させると同時に粒状体表面に被覆し、さらに硬化剤
として含水ケイ酸アルミニウムを用いて焼成することに
より、金属イオンの溶出コントロールが容易な抗菌性粒
子を得ることを見いだし、本発明を完成した。すなわち
本発明は、銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも1
種の抗菌性金属イオンを、酸化ケイ素を主成分とする無
機粒状体に被覆し、次にケイ酸のアルカリ塩を用いて固
着させ、さらにSiO2 ・nAl2 3 (n=0.06
〜0.10)で表される含水ケイ酸アルミニウムを硬化
剤として焼成して得られることを特徴とする植物発芽抑
制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用する金属イオンは、
抗菌性を有する金属またはそのイオンであればいかなる
金属でも使用可能であるが、とくに比較的安全性の高い
銀、銅、亜鉛から選ばれた少なくとも1種の金属イオン
が好適に使用される。銀等重金属による発芽抑制は、発
芽の際の成長阻害物質として作用するものであるが、こ
れは本質的に殺虫剤、殺菌剤の作用と類似していると考
えられる。即ち、水が存在すると無機抗菌剤より微量の
抗菌性金属イオンが溶出・拡散し、細菌の細胞膜に付着
して細胞内へ取り込まれ、細胞膜損傷、電子伝達系阻害
さらにDNAとの結合が起こり細胞が死滅するとされる
オリゴダイナミック作用と、光エネルギーの吸収により
励起された抗菌性金属の触媒作用によって微量の活性酸
素を生成し、それにより細菌中酵素の破壊が起こり、細
菌が死滅するとされる活性酸素の両作用によるもので、
無機抗菌剤はこのオリゴダイミック作用を主とし、活性
酸素の発生作用も副次的に関与し抗菌効果を発揮する。
この効果は、安全性の高い微量成分で穏やかな作用を示
すものであり、特に銀は人体に対する安全性も高いとさ
れている。
【0007】本発明に使用する無機粒状体は、SiO2
・nAl2 3 (n=0.1〜0.12)の基本構造を
有するもので、例えば酸化ケイ素73.1%、酸化アル
ミニウム13.5%、その他の成分13.4%である天
然珪石で、とくに粒子径が約0.5〜1mmを有する石
川ライトが好ましく使用される。
【0008】本発明に使用するケイ酸のアルカリ塩は、
無機金属またはそのイオンをケイ酸金属塩として無機粒
状体に固着させ、さらには溶出量をコントロールするた
めの被覆剤として使用するが、これにはNa2 O・nS
iO2 (n=2.1〜3.2)の構造を有するもので、
例えばNa2 O・3SiO2 のJIS 3号に規定する
ケイ酸ナトリウム(水ガラス)が好適に使用される。さ
らにこのケイ酸ナトリウムと同じ作用を有するものとし
て、K2 O・nSiO2 (n=2〜3.8)の構造を有
するケイ酸カリウムがあり、これも同様に使用できる
が、とくにケイ酸ナトリウムのJIS 3号に相当する
n=2.5〜2.7のケイ酸カリウムが好適に使用でき
る。
【0009】本発明に使用する硬化剤は、焼成時の硬化
反応で触媒的に作用するが、これにはSiO2 ・nAl
2 3 (n=0.06〜0.10)の基本構造を有する
もので、例えばn=0.08である酸化ケイ素78.3
%、酸化アルミニウム10.5%、その他の成分11.
2%である含水ケイ酸アルミニウムの活性白土でもっと
も良い結果を得られるが、同じ構造式を有する酸化ケイ
素と酸化アルミニウムの化合物であるSiO2 ・nAl
2 3 (n=0.5)のカオリン類、SiO2・nAl
2 3 (n=0.25)のクレー類では必要とする程度
の硬化作用は得られない。この硬化剤の添加量は、金属
の固着剤および被覆剤として使用するケイ酸ナトリウム
(水ガラス)等のケイ酸のアルカリ塩1部(重量部)に
対して0.01〜1.0部の割合、とくには0.05〜
0.2部の範囲が望ましい。
【0010】本発明の抗菌性砂は、無機粒状体に金属イ
オンを含む水溶液を添加、これにケイ酸のアルカリ塩を
加えてケイ酸金属を生成させ、さらに硬化剤としての含
水ケイ酸アルミニウムを加えて加熱・硬化することによ
って製造される。この硬化反応は焼成温度を約50℃に
保持することにより達成されるが、さらには温度を変え
ることにより抗菌砂からの金属溶出量をコントロールす
ることができ、適当な溶出速度を得るためには、実際上
70〜90℃の焼成温度が望ましい。次に本発明の実施
例をあげて説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。また配合比率はすべて重量%で示している。
【0011】
【実施例】(実施例1)無機粒状体の酸化ケイ素である
天然珪石SiO2 ・nAl2 3 (n=0.11)(流
紋岩系天然ガラス 石川ライト4号 粒子径約0.6〜
1.2mm 石川ライト工業株式会社製)320gを混合
機に仕込み、撹拌しながら硝酸銀(AgCl)6gを水
29gに溶解した硝酸銀溶液35gを徐々に添加・混合
した。次にこの上から固着および被覆剤の水ガラス(け
い酸ソーダ3号 ダイソー株式会社製)40gを徐々に
添加・混合し、ケイ酸銀を生成させた。さらにこの上か
ら含水ケイ酸アルミニウム(活性白土 商品名:ガレオ
ンアースNV 丸尾カルシウム株式会社製)4gを徐々
に添加・混合した。このあと電熱式乾燥機(送風機付
き)内に入れ、80℃で30分間、乾燥・焼成させて抗
菌性砂340gを得た(銀の含有量 1.07%)。
【0012】(実施例2)実施例1に準じ、使用する水
ガラスをケイ酸カリウム(C珪酸カリ 日本化学工業株
式会社製)40gに変更して調製し、抗菌性砂340g
を得た(銀の含有量 1.04%)。
【0013】(実施例3)実施例1に準じ、添加する活
性白土を5gに増量して調製し、抗菌性砂342gを得
た(銀の含有量 1.01%)。
【0014】(実施例4)実施例3に準じ、乾燥・焼成
条件を90℃に上昇させて調製し、抗菌性砂339gを
得た(銀の含有量 1.09%)。
【0015】(実施例5)実施例1に準じ、使用する硝
酸銀を硝酸銅(Cu(NO3 )2・3H2 O)7gおよ
び硝酸亜鉛(Zn((NO3 )2・6H2 O)8gに替
えて調製し、抗菌性砂340gを得た(銅および亜鉛の
含有量 0.52および0.49%)。実施例1,2,
3,4および5で得た抗菌性砂を用いて、次の溶出試
験、抗菌力試験、発芽抑制試験を行った。
【0016】〔試験例〕 (試験例1 溶出試験)プラスチック製容器(直径10
cm、深さ7cm)の底部に直径1cmの穴6か所を開
け、その上に200メッシュの金網を敷き、この中に実
施例1、2、3および4で得られた抗菌性砂各50gを
入れた。 水槽(縦35cm、横25cm、深さ15cm)の底か
ら5cmの高さに金網を敷き、この上に抗菌性砂を入れ
たプラスチック製容器を置いた。水道からゴム管を通し
て金網の下に水を注入することにより継続的に水を抗菌
性砂に接触させ、浸漬時間毎の抗菌砂中の銀の量を測定
した。比較として、けい砂を主成分とするセラミックス
に抗菌成分として銀を担持させた他社の無機抗菌剤S
(銀の含有量 0.98%)を用いた。
【0017】結果を表1に示す。実施例1,2および3
による抗菌性砂では溶出量に差はなかったが、実施例4
による抗菌砂では溶出量は低く抑えられ、銀の残存量が
多かった。
【0018】
【表1】
【0019】(試験例2 抗菌力試験)径9cmのシャ
ーレに滅菌済みの石川ライト4号20gを入れ、実施例
1、2,3,4および5で得られた抗菌性砂のそれぞれ
0.1および0.2gを添加し均一に混合して、試料抗
菌性砂を調製した(石川ライトに対し、それぞれ0.
5,1.0%相当)。その上に菌液を1ml滴下して全
体になじむようにした。恒温室(30℃)に24時間放
置後、滅菌水10mlにシャーレ内の試料抗菌性砂の1
gを加えて菌を浮遊させ、その液を菌抽出液として菌数
を測定した。培地は大腸菌(Escherichia coli)について
はデオキシコレート寒天培地を、黄色ブドウ状球菌(Sta
phylococcus aureus) についてはハートインヒュージョ
ン寒天培地を使用した。
【0020】結果を表2に示す。実施例1、2,3,4
および5で得られた抗菌性砂はそれぞれ、0.5%混合
で103 程度,1.0%混合で104 程度の菌数低下が
あり、良い抗菌力を示した。
【0021】
【表2】
【0022】(試験例3 発芽抑制試験)試験用土壌
は、芝用目土2部、石川ライト4号1部および腐葉土1
部を均一に混合して調製した。この土壌100gに対し
て、実施例1で得た抗菌性砂の各5、10gを混合、均
一にして試料抗菌性砂を調製した(それぞれ5,10%
相当)。この試料抗菌性砂各約200mlを直径8c
m、深さ5cmのポットに充填した(深さ 約4cm相
当)。この土壌の表面に試験用植物として、イヌビエ
Echinochloacrus-galli イネ科)またはアオビユ(Am
aranthus retroflexus 広葉科)の種子の各100粒を
播種した。以下直射日光の当たらない室内に放置して、
発芽した種子の数を計測した。
【0023】結果を表3に示す。実施例1で得られた抗
菌性砂は、5〜10%添加で良い発芽抑制効果を示し
た。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明の製法による抗菌性砂は、抗菌性
金属の適当な溶出速度を有するとともに、大腸菌等細菌
に対して良い抗菌効力を示した。また植物の発芽抑制作
用を有しており、雑草の成育抑制に有効に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくと
    も1種の抗菌性金属イオンを、酸化ケイ素を主成分とす
    る無機粒状体に被覆し、次にケイ酸のアルカリ塩を用い
    て固着させ、さらにSiO2 ・nAl2 3 (n=0.
    06〜0.10)で表される含水ケイ酸アルミニウムを
    硬化剤として焼成して得られることを特徴とする植物発
    芽抑制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法。
JP10152218A 1998-05-15 1998-05-15 植物発芽抑制作用を有する抗菌性砂およびその製造方法 Pending JPH11319043A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006505493A (ja) * 2002-02-19 2006-02-16 エンゲルハード・コーポレーシヨン 雑草防除方法
JP2008220967A (ja) * 2008-03-31 2008-09-25 Sharp Corp 抗菌方法及び抗菌装置
JP5586222B2 (ja) * 2007-03-01 2014-09-10 シャープ株式会社 生物活性制御方法及びこの方法を適用した各種装置
JP2020090442A (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 一般財団法人電力中央研究所 植物の形態制御剤

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