JP2020090442A - 植物の形態制御剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の形態(大きさや色、開花時期等)を調節し、植物の形態を維持する(制御する)。【解決手段】植物の形態を調節するための形態制御剤において、植物の成育を阻害して成長を調節する抑草作用を有する金属元素を含み、抑草作用を有する金属元素により、植物の成育を阻害して成長を調節し、植物の形態である、葉、根、茎、の大きさや色、開花時期等を調節して成長の状態を制御し、所望の大きさや色等の状態を維持する。【選択図】 なし

Description

本発明は、植物の成長を調節(抑制)する植物の形態制御剤に関する。
送電線の敷地、河川堤防、道路法面、中央分離帯、空港着陸帯等では、浸食防止、安全確保、景観確保、基盤浸食防止、飛び砂防止等のために、植物を植えて緑化が図られることがある。緑化のための植物は、成長しすぎると、防犯上、見栄え上、機能上、悪影響を及ぼす虞があるため、定期的に草刈等のメンテナンスが必要になっている。しかし、このような緑化の場所は、人が入りにくい場所であるため、メンテナンスには多大な労職と時間、費用がかかるのが現状であった。
このため、従来から、定期的な草刈作業に代えて、除草剤等を用いて植物を枯らせることで植物が成長しないようにし、植物の必要以上の成長による悪影響を無くしている(例えば、特許文献1)。特許文献1に示された技術は、除草剤に成長を抑制する剤を混ぜて、除草の負担を軽減する技術となっている。
緑化を行う地域は、植物の量が減少しても存在し続けることが、環境イメージの点等において重要であるが、特許文献1の技術を用いた場合、除草を行う技術であるため、除草を行った後は、緑化の地域に植物が生えていない状態になってしまう。緑化の地域で除草を行い、植物を無くした状態にすると、見栄えや安全性に対する印象を含めた景観を損なうことになり、緑化の地域では除草を実施することは得策ではないのが現状である。
特表2013−540775号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、植物の形態(大きさや色、開花時期等)を調節し、植物の形態を維持する(制御する)ことができる植物の形態制御剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の形態制御剤は、植物の形態を調節するための形態制御剤において、植物の成育を阻害して成長を調節する抑草作用を有する金属元素を含むことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、抑草作用を有する金属元素により、植物の成育が阻害されて成長が調節される。即ち、植物の形態である、葉、根、茎の大きさや色、開花時期等が調節されて成長の状態が制御され、所望の大きさや色等の状態が維持される。
従って、植物の形態(大きさや色、開花時期等)を調節し、植物の形態を維持する(制御する)ことが可能になる。つまり、金属元素の選択、組み合わせにより、植物(葉)の色、大きさ、質感等を緑地の場所に応じた状態に制御することができる。
そして、請求項2に係る本発明の植物の形態制御剤は、請求項1に記載の植物の形態制御剤において、前記金属元素は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうち、少なくとも一種類を含むことを特徴とする。
また、請求項3に係る本発明の植物の形態制御剤は、請求項2に記載の植物の形態制御剤において、少なくとも一種類の金属元素は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかであることを特徴とする。
請求項2、3に係る本発明では、所定の濃度の範囲で、環境基準を満たした状態で植物の成長を調節することができる。
金属元素の種類を特定したり、適宜組み合わせたりすることで、例えば、葉の面積を抑制し、重量はあまり抑制せずに質感は保つ、葉の面積はあまり抑制せず、重量を抑制して質感を軽くする、葉の面積、及び、重量を抑制し、全体の見た目、質感ともに軽度の状態にする、といった特徴の緑地を造ることができる。金属元素としては、石炭灰、スラグが由来とされる金属元素を用いることができる。
また、請求項4に係る本発明の植物の形態制御剤は、請求項3に記載の植物の形態制御剤において、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかを少なくとも含み、発芽の割合が抑制されることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、発芽の割合を抑える必要がある場合(成長を抑える必要がある場合)に適用して有用となる。
また、請求項5に係る本発明の植物の形態制御剤は、請求項3に記載の植物の形態制御剤において、銅(Cu)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかを少なくとも含み、緑化の割合が抑制されることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、緑化の割合を抑える必要がある場合(葉が緑色になるまでの時間を長くする場合)に適用して有用となる。
本発明の植物の形態制御剤は、植物の形態(大きさや色、開花時期等)を調節し、植物の形態を維持する(制御する)ことが可能になる。
本発明の一実施例に係る植物の形態制御剤を用いた状況の送電線の敷地の説明図である。 従来の状況の送電線の敷地の説明図である。 植物の形態制御剤としてホウ素(B)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてホウ素(B)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてアルミニウム(Al)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてアルミニウム(Al)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として銅(Cu)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として銅(Cu)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてモリブデン(Mo)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてモリブデン(Mo)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として鉄(Fe)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として鉄(Fe)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてリチウム(Li)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてリチウム(Li)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてコバルト(Co)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤としてコバルト(Co)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として亜鉛(Zn)を用いた場合の効果の説明図である。 植物の形態制御剤として亜鉛(Zn)を用いた場合の効果の説明図である。 金属元素の濃度毎の発芽率の経日変化を説明するグラフである。 金属元素の発芽率の影響を表すグラフである。 金属元素の緑化率の影響を表すグラフである。
以下の実施例は、送電線の敷地(鉄塔が設けられた敷地)に本発明の植物の形態制御剤を用い、植物の成長を抑制して低草緑地とした例を示してある。つまり、植物の形態である、葉、根、茎の大きさや色、開花時期等が調節されて成長の状態が制御され、所望の大きさや色等の状態が維持される例を示してある。
図1には本発明の一実施例に係る植物の形態制御剤を用いた状況の送電線の鉄塔が設けられた敷地の状態を示してある。また、図2(a)には植物の手入れをしていない状況の送電線の鉄塔が設けられた敷地の状態、図2(b)には植物を全て枯らせた状況の送電線の鉄塔が設けられた敷地の状態を示してある。
図1に示すように、送電線1が張られる鉄塔2は、人が入りにくい場所であることが多いが、送電線1の敷地3は、景観の観点から植物4が植えられて緑化が図られている。緑化のための植物4は、成長しすぎると、防犯上、見栄え上、機能上、悪影響を及ぼす虞がある。
つまり、図2(a)に示したように、植物4の手入れをしていない状況では、植物4はが人の背丈よりも高い状態に成長しすぎてしまうことがあり、害虫や生物の侵入、景観悪化等が生じ、防犯上、見栄え上、機能上、悪影響を及ぼしてしまう。
また、図2(b)に示すように、除草剤等を用いて植物4を全て枯らせてしまった状況では、枯れ枝等と共に土が露出し、緑化の地域に植物が生えていない状態になってしまい、見栄えや土壌の安全性に対する印象を含めた景観が損なわれ、法面の崩壊の虞が生じてしまう。
図1に示すように、送電線1の敷地3には本発明の植物の形態制御剤が混入され、成長が任意の状態に抑制されて(制御されて)低草緑地とされている。これにより、適度な高さの植物4が存在する緑地が保たれ、景観、法面が維持されると共に、土壌の安全性に対する印象が損なわれず、悪影響を及ぼすことがない。
本発明の植物の形態制御剤としては、植物4の成育を阻害して成長を調節する抑草作用を有する金属元素を含んでいる。このため、抑草作用を有する金属元素により、植物4の成育が阻害されて成長が調節される。即ち、植物4の形態である、葉、根、茎、の大きさや色、開花時期等が調節されて成長の状態が制御され、所望の大きさや色等の状態が維持される。
従って、植物4の形態(大きさや色、開花時期等)を調節し、植物4の形態を維持する(制御する)ことが可能になる。つまり、金属元素の選択、組み合わせにより、植物(葉)の色、大きさ、質感等を緑地の場所に応じた状態に制御することができる。
金属元素としては、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうち、少なくとも一種類が含まれている。少なくとも一種類の金属元素は、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかであることが好ましい。
以上の金属元素を用いることで、所定の濃度の範囲で、環境基準を満たした状態で植物4の成長を調節することができる。
上述した金属元素を用いた場合の植物4の形態制御の状況は、金属元素の種類、組み合わせ等により、任意の状況を得ることができる。例えば、植物4の葉の面積を抑制し、重量はあまり抑制せずに質感は保つ状況に調整することができる。また、植物4の葉の面積はあまり抑制せず、重量を抑制して質感を軽くすることができる。更に、植物4の葉の面積、及び、重量を抑制し、植物4の全体の見た目、質感ともに軽度の状態にすることができる。
このように、金属元素の選択、組み合わせの選択により、任意の特徴の緑地を造ることができる。金属元素としては、石炭灰、スラグが由来とされる金属元素を用いることができる。
図3から図18に基づいて形態制御剤として用いられる金属元素を具体的に説明する。
図3、図4には、植物の形態制御剤の金属元素としてホウ素(B)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図3(a)はホウ素(B)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図3(b)はホウ素(B)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図4(a)は基準となる濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図4(b)はホウ素(B)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図3(a)に示すように、ホウ素(B)を用いた場合、1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、図3(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が軽くなっている。
そして、図4(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、ほぼ4日まで発芽を続け、4日以降は発芽が止まる。更に、図4(b)に示すように、1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)と濃度が高くなっても、葉の大きさにはほとんど変化は生じない。
植物の形態制御剤の金属元素としてホウ素(B)を用いた場合、濃度が高くなるにしたがって、緑色の度合いが低くなり、葉の大きさはほとんど変化しないが、重量が軽くなる(質感が減る)ことがわかる。
図5、図6には、植物の形態制御剤の金属元素としてアルミニウム(Al)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図5(a)はアルミニウム(Al)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図5(b)はアルミニウム(Al)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図6(a)は基準の濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図6(b)はアルミニウム(Al)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図5(a)に示すように、アルミニウム(Al)を用いた場合、2(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、20(mg/l)と濃度が高くなっても、緑色の度合いはあまり変化せず、図5(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が軽くなっている。
そして、図6(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、ほぼ3日まで発芽を続け、3日以降は発芽が止まる。更に、図6(b)に示すように、2(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、20(mg/l)と濃度が高くなっても、葉の大きさにはほとんど変化は生じない。
植物の形態制御剤の金属元素としてアルミニウム(Al)を用いた場合、濃度が高くなっても、緑色の度合いはあまり変化せず、葉の大きさはほとんど変化しないが、重量が軽くなる(質感が減る)ことがわかる。
図7、図8には、植物の形態制御剤の金属元素として銅(Cu)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図7(a)は銅(Cu)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図7(b)は銅(Cu)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図8(a)は基準となる濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図8(b)は銅(Cu)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図7(a)に示すように、銅(Cu)を用いた場合、1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、図7(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が軽くなっている。
そして、図8(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、ほぼ3日まで発芽を続け、3日以降は発芽が止まる。更に、図8(b)に示すように、1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)と濃度が高くなると、葉の大きさが大幅に小さくなる。
植物の形態制御剤の金属元素として銅(Cu)を用いた場合、濃度が高くなるにしたがって、緑色の度合いが低くなり、葉の大きさが大幅に小さくなり、重量も軽くなる(質感が減る)ことがわかる。
図9(a)に示すように、モリブデン(Mo)を用いた場合、1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、濃度が50(mg/l)で大幅に緑色の度合いが低くなる。図9(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が軽くなり、濃度が50(mg/l)で重量が大幅に軽くなる。
そして、図10(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、数日間発芽を続け、その後は発芽が止まる。更に、図10(b)に示すように、濃度が1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)の場合、葉の大きさがあまり変わらず、濃度が50(mg/l)になると、葉の大きさが大幅に小さくなる。
植物の形態制御剤の金属元素としてモリブデン(Mo)を用いた場合、濃度が1(mg/l)、5(mg/l)、10(mg/l)では、緑色の度合い、葉の大きさ、重量はあまり変化せず(質感が変わらず)、濃度が50(mg/l)になると、緑色の度合いが大幅に低くなり、葉の大きさが大幅に小さくなり、重量も大幅に軽くなる(質感が大幅に減る)ことがわかる。
図11、図12には、植物の形態制御剤の金属元素として鉄(Fe)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図11(a)は鉄(Fe)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図11(b)は鉄(Fe)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図12(a)は基準の濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図12(b)は鉄(Fe)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図11(a)に示すように、鉄(Fe)を用いた場合、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、図11(b)に示すように、濃度が高くなると、重量がやや軽くなっている。
そして、図12(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、数日で発芽が止まる。更に、図12(b)に示すように、5(mg/l)、10(mg/l)、50(mg/l)と濃度が高くなっても、葉の大きさにはほとんど変化は生じない。
植物の形態制御剤の金属元素として鉄(Fe)を用いた場合、濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、葉の大きさはほとんど変化しないが、重量が軽くなる(質感が減る)ことがわかる。
図13、図14には、植物の形態制御剤の金属元素としてリチウム(Li)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図13(a)はリチウム(Li)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図13(b)はリチウム(Li)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図14(a)は基準の濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図14(b)はリチウム(Li)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図13(a)に示すように、リチウム(Li)を用いた場合、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)、200(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが大幅に低くなり、図13(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が大幅に軽くなっている。
そして、図14(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、数日で発芽が止まる。更に、図14(b)に示すように、10(mg/l)から50(mg/l)の濃度では葉の大きさにほとんど変化はなく、100(mg/l)、200(mg/l)と濃度が高くなると、葉の大きさが大幅に小さくなる。
植物の形態制御剤の金属元素としてリチウム(Li)を用いた場合、濃度が高くなると、緑色の度合いが大幅に低くなり、葉の大きさが大幅に小さくなり、重量が大幅に軽くなる(質感が大幅に減る)ことがわかる。
図15、図16には、植物の形態制御剤の金属元素としてコバルト(Co)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図15(a)はコバルト(Co)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図15(b)はコバルト(Co)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図16(a)は基準の濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図16(b)はコバルト(Co)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図15(a)に示すように、コバルト(Co)を用いた場合、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)、200(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが大幅に低くなり、図15(b)に示すように、濃度が100(mg/l)、200(mg/l)と高くなると、重量が軽くなっている。
そして、図16(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、数日で発芽が止まる。更に、図16(b)に示すように、濃度が高くなると、葉の大きさが大幅に小さくなる。
植物の形態制御剤の金属元素としてコバルト(Co)を用いた場合、濃度が高くなると、緑色の度合いが大幅に低くなり、葉の大きさが大幅に小さくなり、重量が大幅に軽くなる(質感が大幅に減る)ことがわかる。
図17、図18には、植物の形態制御剤の金属元素として亜鉛(Zn)を用いた場合の効果の説明を示してあり、図17(a)は亜鉛(Zn)の濃度(mg/l)と緑化の度合いであるクロロフィルの量との関係のグラフ、図17(b)は亜鉛(Zn)の濃度(mg/l)と葉の重量との関係のグラフ、図18(a)は基準となる濃度(例えば、10mg/l)での発芽率の経日変化のグラフ、図18(b)は亜鉛(Zn)の濃度(mg/l)と葉の大きさの状況を示す図である。
図17(a)に示すように、亜鉛(Zn)を用いた場合、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)と濃度が高くなると、緑色の度合いが低くなり、図17(b)に示すように、濃度が高くなると、重量が軽くなっている。
そして、図18(a)に示すように、例えば、10(mg/l)の濃度において、ほぼ3日まで発芽を続け、3日以降は発芽が止まる。更に、図18(b)に示すように、10(mg/l)、50(mg/l)、100(mg/l)と濃度が高くなると、葉の大きさが徐々に小さくなる。
植物の形態制御剤の金属元素として亜鉛(Zn)を用いた場合、濃度が高くなるにしたがって、緑色の度合いが低くなり、葉の大きさが小さくなり、重量も軽くなる(質感が減る)ことがわかる。
図19、図20、図21に基づいて、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)を全て用いた場合の抑草の状況を説明する。
図19には任意の(ある)金属元素を含む溶液の濃度毎の発芽率(緑化率)の径日変化を説明するグラフを示してある。そして、図20には金属元素溶液毎の栽培5日目の発芽率の状況を説明するグラフ、図21には金属元素溶液毎の栽培5日目の緑化率の状況を説明するグラフを示してある。
図19は、任意の(ある)金属元素を含む溶液の濃度が◎実線で示す0(mg/l)、○実線で示す10(mg/l)、△実線で示す50(mg/l)、▲実線で示す100(mg/l)での発芽率(緑化率)を表している。いずれも、2日目以降に発芽し、5日目には略全てが発芽している。このグラフ(発芽の曲線)を基に、発芽を50%に抑制する濃度を求め(点線で示してある)、求められた濃度の溶液を用いて植物を栽培し、5日目の発芽率(緑化率)を図20、図21に示した。
尚、全ての金属で、図19に示した傾向になっていることが確認されている。このため、図19に示した発芽の曲線を基に、全ての金属で発芽を50%に抑制する濃度を求めることができる。
図20に黒塗りの棒グラフで示すように、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物の5日目の発芽率は約25%であった。そして、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)を個別に抜いた溶液で栽培した際に、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物に比べて、5日目の発芽率が高くなることが確認された。
個別に抜いた金属元素のうち、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)の発芽率が、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物の5日目の発芽率に比べて高い値となる金属元素となることがわかる。即ち、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)が発芽を阻害していた金属元素となることがわかる。
特に、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)を個別に抜いた溶液で栽培した際に、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物に比べて、5日目の発芽率が大幅に高くなることが確認された。即ち、約25%の発芽率が、45%から60%程度の発芽率になることが確認された。
このため、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)、特にリチウム(Li)を用いることにより、発芽を遅らせることができ、発芽の割合を抑える必要がある場合(成長を抑える必要がある場合)に適用して有用となる。
図21に黒塗りの棒グラフで示すように、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物の5日目の緑化率は約5%であった。そして、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)を個別に抜いた溶液で栽培した際に、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物に比べて、5日目の緑化率が高くなることが確認された。
個別に抜いた金属元素のうち、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)の緑化率が、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物の5日目の緑化率に比べて高い値となる金属元素となることがわかる。即ち、モリブデン(Mo)、酸性のアルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)が緑化を阻害していた金属元素となることがわかる。
特に、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)を個別に抜いた溶液で栽培した際に、全ての金属元素を含む溶液で栽培した植物に比べて、5日目の発芽率が大幅に高くなることが確認された。即ち、約5%程度の緑化率が、17%から32%程度の緑化率になることが確認された。
このため、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)、特にリチウム(Li)を用いることにより、緑化を遅らせることができ、緑化の割合を抑える必要がある場合(葉が緑色になるまでの時間を長くする場合)に適用して有用となる。
上述したように、植物の形態制御剤の金属元素として、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうちのいずれか、もしくは、適宜を組み合わせたものを用いることで、所定の濃度の範囲で、環境基準を満たした状態で植物の成長を調節することができる。
1 送電線
2 鉄塔
3 敷地
4 植物

Claims (5)

  1. 植物の形態を調節するための形態制御剤において、
    植物の成育を阻害して成長を調節する抑草作用を有する金属元素を含む
    ことを特徴とする植物の形態制御剤。
  2. 請求項1に記載の植物の形態制御剤において、
    前記金属元素は、
    ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうち、少なくとも一種類を含む
    ことを特徴とする植物の形態制御剤。
  3. 請求項2に記載の植物の形態制御剤において、
    少なくとも一種類の金属元素は、
    ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかである
    ことを特徴とする植物の形態制御剤。
  4. 請求項3に記載の植物の形態制御剤において、
    リチウム(Li)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかを少なくとも含み、
    発芽の割合が抑制される
    ことを特徴とする植物の形態制御剤。
  5. 請求項3に記載の植物の形態制御剤において、
    銅(Cu)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)のうちのいずれかを少なくとも含み、
    緑化の割合が抑制される
    ことを特徴とする植物の形態制御剤。
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