JPH11317177A - カラー陰極線管 - Google Patents
カラー陰極線管Info
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- JPH11317177A JPH11317177A JP12118698A JP12118698A JPH11317177A JP H11317177 A JPH11317177 A JP H11317177A JP 12118698 A JP12118698 A JP 12118698A JP 12118698 A JP12118698 A JP 12118698A JP H11317177 A JPH11317177 A JP H11317177A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】熱膨張係数の大きい調整部材を、一対の弾性部
材のグリッドと反対側の面に間隙を設けるか、または熱
膨張係数の小さい調整部材を、一対の弾性部材のグリッ
ド側の面に間隙をあけて設けることにより、黒化処理、
フリットシール等の熱処理工程において、グリッドの熱
クリープ現象を緩和する。 【解決手段】 色選別電極は、互いに相対向する１対の
支持体2,3とこの間に取り付けられた一対の弾性部材4,5
からなるフレームに、グリッド1が架張されて構成さ
れ、低温領域で熱膨張係数が小さく、高温領域で熱膨張
係数が大きい調整部材8,9を、一対の弾性部材4,5のグリ
ッド1と反対側の面に調整部材6,7を間隙8a,8b、9a、9bを
設けて溶接等の手段で固着して構成する。
材のグリッドと反対側の面に間隙を設けるか、または熱
膨張係数の小さい調整部材を、一対の弾性部材のグリッ
ド側の面に間隙をあけて設けることにより、黒化処理、
フリットシール等の熱処理工程において、グリッドの熱
クリープ現象を緩和する。 【解決手段】 色選別電極は、互いに相対向する１対の
支持体2,3とこの間に取り付けられた一対の弾性部材4,5
からなるフレームに、グリッド1が架張されて構成さ
れ、低温領域で熱膨張係数が小さく、高温領域で熱膨張
係数が大きい調整部材8,9を、一対の弾性部材4,5のグリ
ッド1と反対側の面に調整部材6,7を間隙8a,8b、9a、9bを
設けて溶接等の手段で固着して構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、色選別電極を用い
たカラー陰極線管に関するものである。
たカラー陰極線管に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、カラー陰極線管に用いられる色選
別電極として、例えば特公昭５９−１８８２５号公報、
特公昭５９−１８８２６号公報等で示されるようにアパ
ーチャグリルと呼ばれる色選別電極が知られている。以
下、従来例を添付図面に基づいて説明する。従来例の色
選別電極を、図５に示す。色選別電極１０１は、所定間
隔をもって互いに平行に配置した一対の支持体１０２及
び１０３と、その一対の支持体１０２と１０３の端部に
取り付けられた略コの字状をなす弾性部材１０４及び１
０５からなるフレーム１０６と、一対の支持体１０２お
よび１０３に所定間隔、所要の張力で架張固定された複
数のリボン状のグリッド素材１０７から構成される。こ
の色選別電極１０１は、例えばフレーム１０６を加圧変
形させた状態で、グリッド素材１０７を溶接固定し、溶
接固定後にフレーム１０６の加圧を解除してグリッド素
材を架張し、さらにその後、表面を黒化処理するために
４５０〜４７０℃程度の高温で熱処理をして製造され
る。さらに、陰極線管として完成するまでには４４０〜
４７０℃程度の高温でのフリットシール工程と、３５０
〜３７０℃程度の高温での真空排気工程が有る。
別電極として、例えば特公昭５９−１８８２５号公報、
特公昭５９−１８８２６号公報等で示されるようにアパ
ーチャグリルと呼ばれる色選別電極が知られている。以
下、従来例を添付図面に基づいて説明する。従来例の色
選別電極を、図５に示す。色選別電極１０１は、所定間
隔をもって互いに平行に配置した一対の支持体１０２及
び１０３と、その一対の支持体１０２と１０３の端部に
取り付けられた略コの字状をなす弾性部材１０４及び１
０５からなるフレーム１０６と、一対の支持体１０２お
よび１０３に所定間隔、所要の張力で架張固定された複
数のリボン状のグリッド素材１０７から構成される。こ
の色選別電極１０１は、例えばフレーム１０６を加圧変
形させた状態で、グリッド素材１０７を溶接固定し、溶
接固定後にフレーム１０６の加圧を解除してグリッド素
材を架張し、さらにその後、表面を黒化処理するために
４５０〜４７０℃程度の高温で熱処理をして製造され
る。さらに、陰極線管として完成するまでには４４０〜
４７０℃程度の高温でのフリットシール工程と、３５０
〜３７０℃程度の高温での真空排気工程が有る。
【０００３】また、カラー陰極線管をテレビセットに組
み込んで完成させた後、動作させた時には、グリッド
は、電子ビームが当たることにより１００℃程度に温度
が上昇する。
み込んで完成させた後、動作させた時には、グリッド
は、電子ビームが当たることにより１００℃程度に温度
が上昇する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前記の色選別電極１０
１の構成において、グリッド素材１０７を架張後、高い
温度で黒化処理する際、フレーム１０６の熱膨張により
グリッド素材１０７が伸ばされ、熱クリープ現象が発生
し、グリッド素材１０７の張力が熱処理前の張力と比較
して低下してしまうという問題があった。この熱クリー
プ現象は、その後の工程であるパネルとファンネルをシ
ールするフリットシール工程の熱処理（４４０〜４７０
℃程度）においても発生する可能性がある。このため、
カラー陰極線管をテレビセットに組み込んで完成させた
後、動作させた時、テレビ音声で色選別電極１０１のグ
リッド素材１０７が振動し、画ノイズが発生する。この
画ノイズを低減する手段の１つとしてグリッド素材１０
７の張力をより高く保つことが考えられる。しかし、熱
処理前に、グリッド素材１０７の降伏応力に近い領域の
張力で架張されているため、これ以上高くすることはで
きない。
１の構成において、グリッド素材１０７を架張後、高い
温度で黒化処理する際、フレーム１０６の熱膨張により
グリッド素材１０７が伸ばされ、熱クリープ現象が発生
し、グリッド素材１０７の張力が熱処理前の張力と比較
して低下してしまうという問題があった。この熱クリー
プ現象は、その後の工程であるパネルとファンネルをシ
ールするフリットシール工程の熱処理（４４０〜４７０
℃程度）においても発生する可能性がある。このため、
カラー陰極線管をテレビセットに組み込んで完成させた
後、動作させた時、テレビ音声で色選別電極１０１のグ
リッド素材１０７が振動し、画ノイズが発生する。この
画ノイズを低減する手段の１つとしてグリッド素材１０
７の張力をより高く保つことが考えられる。しかし、熱
処理前に、グリッド素材１０７の降伏応力に近い領域の
張力で架張されているため、これ以上高くすることはで
きない。
【０００５】ここで、従来例では複数本のリボン状のグ
リッド素材を一対の支持体に所定の間隔で架張固定して
いるが、リボン状のグリッド素材に限らず、複数個の孔
を形成してなるグリッドに対しても同様である。
リッド素材を一対の支持体に所定の間隔で架張固定して
いるが、リボン状のグリッド素材に限らず、複数個の孔
を形成してなるグリッドに対しても同様である。
【０００６】さらに、グリッドは、電子ビームが当たる
ことにより１００℃程度に温度が上昇し、弾性部材１０
４及び１０５との温度差によりさらにグリッド素材１０
７の張力が低下しさらに振動しやすくなり、複数個の孔
を形成してなる板状グリッドでは、局所的な電子ビーム
の照射によってグリッドが局部変形することによってド
ーミングと呼ばれる画像劣化が見られる。
ことにより１００℃程度に温度が上昇し、弾性部材１０
４及び１０５との温度差によりさらにグリッド素材１０
７の張力が低下しさらに振動しやすくなり、複数個の孔
を形成してなる板状グリッドでは、局所的な電子ビーム
の照射によってグリッドが局部変形することによってド
ーミングと呼ばれる画像劣化が見られる。
【０００７】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、熱処理中のグリッドの熱クリープ現象を緩和させる
ともに、動作中のグリッドの張力の低下を防ぐ色選別電
極を用いたカラー陰極線管を提供するものである。
め、熱処理中のグリッドの熱クリープ現象を緩和させる
ともに、動作中のグリッドの張力の低下を防ぐ色選別電
極を用いたカラー陰極線管を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の第１番目のカラー陰極線管は、内面に蛍光
体スクリーン面が形成されたフェイスパネルと、前記フ
ェイスパネルの後方に接続されたファンネルと、前記フ
ァンネルのネック部に内蔵された電子銃と、前記電子銃
からの電子ビームを通過させるための複数の透孔を有
し、かつ互いに相対向する一対の支持体と前記支持体間
に取り付けられた一対の弾性部材からなるフレームにグ
リッドが架張されてなる色選別電極を備えたカラー陰極
線管であって、前記色選別電極の弾性部材の熱膨張係数
に比較して熱膨張係数が大きい調整部材を、前記一対の
弾性部材の前記グリッドと反対側の面に間隙を設けて備
えたことを特徴とする。
め、本発明の第１番目のカラー陰極線管は、内面に蛍光
体スクリーン面が形成されたフェイスパネルと、前記フ
ェイスパネルの後方に接続されたファンネルと、前記フ
ァンネルのネック部に内蔵された電子銃と、前記電子銃
からの電子ビームを通過させるための複数の透孔を有
し、かつ互いに相対向する一対の支持体と前記支持体間
に取り付けられた一対の弾性部材からなるフレームにグ
リッドが架張されてなる色選別電極を備えたカラー陰極
線管であって、前記色選別電極の弾性部材の熱膨張係数
に比較して熱膨張係数が大きい調整部材を、前記一対の
弾性部材の前記グリッドと反対側の面に間隙を設けて備
えたことを特徴とする。
【０００９】次に本発明の第２番目のカラー陰極線管
は、内面に蛍光体スクリーン面が形成されたフェイスパ
ネルと、前記フェイスパネルの後方に接続されたファン
ネルと、前記ファンネルのネック部に内蔵された電子銃
と、前記電子銃からの電子ビームを通過させるための複
数の透孔を有し、かつ互いに相対向する一対の支持体と
前記支持体間に取り付けられた一対の弾性部材からなる
フレームにグリッドが架張されてなる色選別電極を備え
たカラー陰極線管であって、前記色選別電極の弾性部材
の熱膨張係数に比較して熱膨張係数が小さい調整部材
を、前記一対の弾性部材の前記グリッド側に所定の遊び
を有して設けたことを特徴とする。
は、内面に蛍光体スクリーン面が形成されたフェイスパ
ネルと、前記フェイスパネルの後方に接続されたファン
ネルと、前記ファンネルのネック部に内蔵された電子銃
と、前記電子銃からの電子ビームを通過させるための複
数の透孔を有し、かつ互いに相対向する一対の支持体と
前記支持体間に取り付けられた一対の弾性部材からなる
フレームにグリッドが架張されてなる色選別電極を備え
たカラー陰極線管であって、前記色選別電極の弾性部材
の熱膨張係数に比較して熱膨張係数が小さい調整部材
を、前記一対の弾性部材の前記グリッド側に所定の遊び
を有して設けたことを特徴とする。
【００１０】本発明では、熱膨張係数の大きい調整部材
を、前記一対の弾性部材の前記グリッドと反対側の面に
間隙を有して設けるか、または熱膨張係数の小さい調整
部材を、前記一対の弾性部材の前記グリッド側の面に所
定の遊びを有して設けているため、黒化処理、フリット
シール等の熱処理工程において、色選別電極が熱的影響
を受けた際、所望の温度まで設けられた間隙または遊び
により弾性部材には力が働かず、所望の温度以上になる
と弾性部材と調整部材の熱膨張係数の差により、グリッ
ドの張力を低減させる方向にフレームが湾曲変形し、グ
リッドに加わっている応力（すなわち、張力）が低減さ
れる。この結果、グリッドの熱クリープ現象が緩和さ
れ、熱処理後の常温に戻った状態でグリッドの張力を高
く維持することができる。またカラー陰極線管として、
動作する際、すなわち、低温領域では、間隙を設けたこ
とにより弾性部材には力が働かず、グリッドの張力を高
く維持することができる。本発明において、色選別電極
の弾性部材の熱膨張係数と調整部材の熱膨張係数の差
は、４５０℃で１０×１０-7以上あることが好ましい。
を、前記一対の弾性部材の前記グリッドと反対側の面に
間隙を有して設けるか、または熱膨張係数の小さい調整
部材を、前記一対の弾性部材の前記グリッド側の面に所
定の遊びを有して設けているため、黒化処理、フリット
シール等の熱処理工程において、色選別電極が熱的影響
を受けた際、所望の温度まで設けられた間隙または遊び
により弾性部材には力が働かず、所望の温度以上になる
と弾性部材と調整部材の熱膨張係数の差により、グリッ
ドの張力を低減させる方向にフレームが湾曲変形し、グ
リッドに加わっている応力（すなわち、張力）が低減さ
れる。この結果、グリッドの熱クリープ現象が緩和さ
れ、熱処理後の常温に戻った状態でグリッドの張力を高
く維持することができる。またカラー陰極線管として、
動作する際、すなわち、低温領域では、間隙を設けたこ
とにより弾性部材には力が働かず、グリッドの張力を高
く維持することができる。本発明において、色選別電極
の弾性部材の熱膨張係数と調整部材の熱膨張係数の差
は、４５０℃で１０×１０-7以上あることが好ましい。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の色選別電極の一実
施の形態を図面を用いて説明する。まず図３に本発明の
一実施の形態のカラー陰極線管の断面図を示す。図３に
示すように、本実施の形態におけるカラー受像管２１
は、ガラス製のフェイスパネル２２と、フェイスパネル
２２の後方に接続されたガラス製のファンネル２３と、
ファンネル２３のネック部２３ａに内蔵され、電子ビー
ム２４を発射するための電子銃２５とを備えている。ま
た、カラー受像管２１のファンネル２３の外周面上に、
電子銃２５から発射された電子ビーム２４を偏向するた
めの偏向ヨーク２６が装着されている。フェイスパネル
２２には、その内面に３色の蛍光体ドットが塗布されて
おり、これにより蛍光体スクリーン面２２ａが形成され
ている。フェイスパネル２２の内面（蛍光体スクリーン
面２２ａ）の近傍には、蛍光体スクリーン面２２ａと略
平行にグリッド（シャドウマスク）７が配置されてい
る。グリッド（シャドウマスク）７は、規則正しく配列
された多数の透孔を有しており、電子銃２５から発射さ
れる電子ビーム２４に対して色選別の役割を果たす。フ
ェイスパネル２２内には、断面形状がＬ字状の上下一対
のマスク支持フレーム２９が配置されており、この一対
のマスク支持フレーム６の前面（蛍光体スクリーン面２
２ａ側の細い面）にグリッド（シャドウマスク）７が、
その上下端が一対のマスク支持フレーム６に溶接されて
いる。一対のマスク支持フレーム６の両側部には、スプ
リング部材が介在されており、これにより一対のマスク
支持フレーム６を介してグリッド（シャドウマスク）７
の上下方向に所定のテンションをかけることができるよ
うにされている。
施の形態を図面を用いて説明する。まず図３に本発明の
一実施の形態のカラー陰極線管の断面図を示す。図３に
示すように、本実施の形態におけるカラー受像管２１
は、ガラス製のフェイスパネル２２と、フェイスパネル
２２の後方に接続されたガラス製のファンネル２３と、
ファンネル２３のネック部２３ａに内蔵され、電子ビー
ム２４を発射するための電子銃２５とを備えている。ま
た、カラー受像管２１のファンネル２３の外周面上に、
電子銃２５から発射された電子ビーム２４を偏向するた
めの偏向ヨーク２６が装着されている。フェイスパネル
２２には、その内面に３色の蛍光体ドットが塗布されて
おり、これにより蛍光体スクリーン面２２ａが形成され
ている。フェイスパネル２２の内面（蛍光体スクリーン
面２２ａ）の近傍には、蛍光体スクリーン面２２ａと略
平行にグリッド（シャドウマスク）７が配置されてい
る。グリッド（シャドウマスク）７は、規則正しく配列
された多数の透孔を有しており、電子銃２５から発射さ
れる電子ビーム２４に対して色選別の役割を果たす。フ
ェイスパネル２２内には、断面形状がＬ字状の上下一対
のマスク支持フレーム２９が配置されており、この一対
のマスク支持フレーム６の前面（蛍光体スクリーン面２
２ａ側の細い面）にグリッド（シャドウマスク）７が、
その上下端が一対のマスク支持フレーム６に溶接されて
いる。一対のマスク支持フレーム６の両側部には、スプ
リング部材が介在されており、これにより一対のマスク
支持フレーム６を介してグリッド（シャドウマスク）７
の上下方向に所定のテンションをかけることができるよ
うにされている。
【００１２】次に図１は、本発明による色選別電極の一
例を示し、色選別電極２７は、所定間隔をもって互いに
平行に配置した一対の支持体２及び３と、その一対の支
持体２と３の端部に取り付けられた略コの字状をなす弾
性部材４及び５からなるフレームと、一対の支持体２及
び３に所定間隔、所要の張力で架張固定した複数個の孔
を形成したグリッド１と、弾性部材４及び５の、一対の
支持体２及び３のグリッド１と反対側に調整部材６及び
７を間隙８ａ，８ｂ、９ａ、９ｂを設けて溶接等の手段
で固着して構成される。
例を示し、色選別電極２７は、所定間隔をもって互いに
平行に配置した一対の支持体２及び３と、その一対の支
持体２と３の端部に取り付けられた略コの字状をなす弾
性部材４及び５からなるフレームと、一対の支持体２及
び３に所定間隔、所要の張力で架張固定した複数個の孔
を形成したグリッド１と、弾性部材４及び５の、一対の
支持体２及び３のグリッド１と反対側に調整部材６及び
７を間隙８ａ，８ｂ、９ａ、９ｂを設けて溶接等の手段
で固着して構成される。
【００１３】本実施例では、調整部材６及び７の熱膨張
係数が、弾性部材４及び５の熱膨張係数に対し、熱膨張
係数が大きい材料を選択して用いる。たとえば、弾性部
材４及び５に３６atom％Ｎｉ−６４atom％鉄、または、
３８atom％Ｎｉ−６２atom％鉄を用いた場合には、調整
部材６及び７にはＳＵＳ４００番台の材料を使用する。
また、弾性部材４及び５に鉄、または、ＳＵＳ４００番
台の材料を用いた場合には、調整部材６及び７にはＳＵ
Ｓ３０１，３０４等の材料を使用する。各金属材料の熱
膨張係数は、図４のグラフに示す通りである。
係数が、弾性部材４及び５の熱膨張係数に対し、熱膨張
係数が大きい材料を選択して用いる。たとえば、弾性部
材４及び５に３６atom％Ｎｉ−６４atom％鉄、または、
３８atom％Ｎｉ−６２atom％鉄を用いた場合には、調整
部材６及び７にはＳＵＳ４００番台の材料を使用する。
また、弾性部材４及び５に鉄、または、ＳＵＳ４００番
台の材料を用いた場合には、調整部材６及び７にはＳＵ
Ｓ３０１，３０４等の材料を使用する。各金属材料の熱
膨張係数は、図４のグラフに示す通りである。
【００１４】また、図２に示すように、フレームを構成
する弾性部材１０及び１１の、グリッド１側に長孔部１
４，１５を設けた調整部材１２及び１３をピン１６を介
して摺動可能に固着してもかまわない。この構成の場
合、調整部材１２及び１３の熱膨張係数が、弾性部材１
０及び１１の熱膨張係数に対し、熱膨張係数が小さい材
料を選択して用いる。たとえば、弾性部材４及び５に
鉄、または、ＳＵＳ４００番台の材料を用いた場合に
は、調整部材６及び７には３６atom％Ｎｉ−６４atom％
鉄、または３８atom％Ｎｉ−６２atom％鉄を使用してい
る。前記のようにして構成された色選別電極２７は４５
０〜４７０℃程度の高温で黒化処理を行い、目的の色選
別電極２７を得ることができる。
する弾性部材１０及び１１の、グリッド１側に長孔部１
４，１５を設けた調整部材１２及び１３をピン１６を介
して摺動可能に固着してもかまわない。この構成の場
合、調整部材１２及び１３の熱膨張係数が、弾性部材１
０及び１１の熱膨張係数に対し、熱膨張係数が小さい材
料を選択して用いる。たとえば、弾性部材４及び５に
鉄、または、ＳＵＳ４００番台の材料を用いた場合に
は、調整部材６及び７には３６atom％Ｎｉ−６４atom％
鉄、または３８atom％Ｎｉ−６２atom％鉄を使用してい
る。前記のようにして構成された色選別電極２７は４５
０〜４７０℃程度の高温で黒化処理を行い、目的の色選
別電極２７を得ることができる。
【００１５】この構成の色選別電極２７によると、黒化
処理、フリットシール工程（４４０〜４６０℃程度）等
の熱処理時、弾性部材４及び５と調整部材８及び９（１
０及び１１）との熱膨張係数差により、高温領域におい
てグリッド１をゆるませる方向に弾性部材４及び５が湾
曲変形される。弾性部材４及び５の先端部は、弾性部材
の４５０〜４７０℃における熱膨張量の約１／３以上内
側に湾曲変形するのが好ましい。
処理、フリットシール工程（４４０〜４６０℃程度）等
の熱処理時、弾性部材４及び５と調整部材８及び９（１
０及び１１）との熱膨張係数差により、高温領域におい
てグリッド１をゆるませる方向に弾性部材４及び５が湾
曲変形される。弾性部材４及び５の先端部は、弾性部材
の４５０〜４７０℃における熱膨張量の約１／３以上内
側に湾曲変形するのが好ましい。
【００１６】この結果、グリッド１の張力が低減され、
グリッド７の熱クリープ現象を低減することができる。
したがって、色選別電極が熱処理後、常温に戻った際、
グリッド７は高い張力の状態で維持される。
グリッド７の熱クリープ現象を低減することができる。
したがって、色選別電極が熱処理後、常温に戻った際、
グリッド７は高い張力の状態で維持される。
【００１７】また、低温領域では、図１と図２の間隙が
熱膨張差によりなくなるまで弾性部材４及び５が変形さ
れず、この結果、動作時にはグリッド１の張力が維持さ
れる。このため、本実施例の構成による色選別電極を１
用いたカラー陰極線管は、テレビセットに組み込んで完
成させた後、動作状態において、グリッド７は通常のテ
レビ音声により振動することはなく、画ノイズのない高
画質の画像が得られるのである。
熱膨張差によりなくなるまで弾性部材４及び５が変形さ
れず、この結果、動作時にはグリッド１の張力が維持さ
れる。このため、本実施例の構成による色選別電極を１
用いたカラー陰極線管は、テレビセットに組み込んで完
成させた後、動作状態において、グリッド７は通常のテ
レビ音声により振動することはなく、画ノイズのない高
画質の画像が得られるのである。
【００１８】前記実施の形態における長孔部１４，１５
は、間隙または遊びに相当する。また、前記実施の形態
においては、調整部材を外側に設けた例を示したが、弾
性部材の支持体をつないでいる架橋部分よりもグリッド
側であれば、任意の部分に設けることができる。また、
間隙または遊びがあって、陰極線管の熱工程中の高温で
熱クリープ現象が生じるような所定の温度で、グリッド
の張力を低減するように作用する形態であれば、図示の
ものに限られない。
は、間隙または遊びに相当する。また、前記実施の形態
においては、調整部材を外側に設けた例を示したが、弾
性部材の支持体をつないでいる架橋部分よりもグリッド
側であれば、任意の部分に設けることができる。また、
間隙または遊びがあって、陰極線管の熱工程中の高温で
熱クリープ現象が生じるような所定の温度で、グリッド
の張力を低減するように作用する形態であれば、図示の
ものに限られない。
【００１９】間隙または遊びの大きさは、１００℃以下
の実動作状態での熱膨張係数の大小を含め、４００−４
５０℃に到達したときの調整部材の延びの絶対量を考慮
して決定することが望ましい。
の実動作状態での熱膨張係数の大小を含め、４００−４
５０℃に到達したときの調整部材の延びの絶対量を考慮
して決定することが望ましい。
【００２０】なお、前記実施の形態において、色選別電
極をアパーチャグリル形式で例示したが、本発明の色選
別電極はアパーチャグリル形式に限らず、グリッド間が
ブリッジで連結されたスロット状の開孔を有する平板マ
スク、ドット状の開孔を有する平板マスクにも適用で
き、またグリッド面は完全平面、一方向にのみ湾曲した
シリンドリカル面のいずれにも対応できる。
極をアパーチャグリル形式で例示したが、本発明の色選
別電極はアパーチャグリル形式に限らず、グリッド間が
ブリッジで連結されたスロット状の開孔を有する平板マ
スク、ドット状の開孔を有する平板マスクにも適用で
き、またグリッド面は完全平面、一方向にのみ湾曲した
シリンドリカル面のいずれにも対応できる。
【００２１】
【発明の効果】本発明の色選別電極を用いたカラー陰極
線管によると、熱膨張係数の大きい調整部材を、前記一
対の弾性部材の前記グリッドと反対側の面に間隙を設け
るか、または熱膨張係数の小さい調整部材を、前記一対
の弾性部材の前記グリッド側の面に間隙を設けて構成す
ることにより、黒化処理、フリットシール等の熱処理工
程において、グリッドの熱クリープ現象が緩和すること
ができる。また、低温領域では、設けられた間隙によ
り、グリッドの張力を維持することができる。したがっ
て、本発明の色選別電極を用いたカラー陰極線管は、テ
レビセットに組み込んで完成させた後、動作状態におい
て、グリッドは通常のテレビ音声により振動することは
なくなるのである。
線管によると、熱膨張係数の大きい調整部材を、前記一
対の弾性部材の前記グリッドと反対側の面に間隙を設け
るか、または熱膨張係数の小さい調整部材を、前記一対
の弾性部材の前記グリッド側の面に間隙を設けて構成す
ることにより、黒化処理、フリットシール等の熱処理工
程において、グリッドの熱クリープ現象が緩和すること
ができる。また、低温領域では、設けられた間隙によ
り、グリッドの張力を維持することができる。したがっ
て、本発明の色選別電極を用いたカラー陰極線管は、テ
レビセットに組み込んで完成させた後、動作状態におい
て、グリッドは通常のテレビ音声により振動することは
なくなるのである。
【図１】 本発明の一実施の形態の陰極線管の色選別電
極の斜視図。
極の斜視図。
【図２】 本発明にかかる陰極線管の色選別電極の他の
実施例の斜視図。
実施例の斜視図。
【図３】 本発明の一実施の形態のカラー陰極線管の断
面図。
面図。
【図４】 本発明で用いる好ましい金属材料の熱膨張係
数曲線を示すグラフ。
数曲線を示すグラフ。
【図５】 従来の陰極線管の色選別電極の斜視図。
１ グリッド ２，３ 支持体 ４，５ 弾性部材 ６，７ 調整部材 ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂ 間隙 １０，１１ 弾性部材 １２，１３ 調整部材 １４，１５ 長孔部 １６ ピン ２１ カラー受像管 ２２ フェイスパネル ２２ａ 蛍光体スクリーン面 ２３ ファンネル ２４ 電子ビーム ２５ 電子銃 ２６ フレーム ２７ 色選別電極
Claims (2)
- 【請求項１】 内面に蛍光体スクリーン面が形成された
フェイスパネルと、前記フェイスパネルの後方に接続さ
れたファンネルと、前記ファンネルのネック部に内蔵さ
れた電子銃と、前記電子銃からの電子ビームを通過させ
るための複数の透孔を有し、かつ互いに相対向する一対
の支持体と前記支持体間に取り付けられた一対の弾性部
材からなるフレームにグリッドが架張されてなる色選別
電極を備えたカラー陰極線管であって、 前記色選別電極の弾性部材の熱膨張係数に比較して熱膨
張係数が大きい調整部材を、前記一対の弾性部材の前記
グリッドと反対側の面に間隙を設けて備えたことを特徴
とするカラー陰極線管。 - 【請求項２】 内面に蛍光体スクリーン面が形成された
フェイスパネルと、前記フェイスパネルの後方に接続さ
れたファンネルと、前記ファンネルのネック部に内蔵さ
れた電子銃と、前記電子銃からの電子ビームを通過させ
るための複数の透孔を有し、かつ互いに相対向する一対
の支持体と前記支持体間に取り付けられた一対の弾性部
材からなるフレームにグリッドが架張されてなる色選別
電極を備えたカラー陰極線管であって、 前記色選別電極の弾性部材の熱膨張係数に比較して熱膨
張係数が小さい調整部材を、前記一対の弾性部材の前記
グリッド側に所定の遊びを有して設けたことを特徴とす
るカラー陰極線管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12118698A JP3361742B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | カラー陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12118698A JP3361742B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | カラー陰極線管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11317177A true JPH11317177A (ja) | 1999-11-16 |
| JP3361742B2 JP3361742B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=14804995
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12118698A Expired - Fee Related JP3361742B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | カラー陰極線管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3361742B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100447654B1 (ko) * | 2002-02-06 | 2004-09-07 | 엘지.필립스디스플레이(주) | 칼라 음극선관용 마스크 어셈블리의 구조 및 제조방법 |
| US8404306B2 (en) | 2006-09-22 | 2013-03-26 | L'Air Liquide, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés George Claude | Method for the deposition of a ruthenium containing film |
-
1998
- 1998-04-30 JP JP12118698A patent/JP3361742B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100447654B1 (ko) * | 2002-02-06 | 2004-09-07 | 엘지.필립스디스플레이(주) | 칼라 음극선관용 마스크 어셈블리의 구조 및 제조방법 |
| US8404306B2 (en) | 2006-09-22 | 2013-03-26 | L'Air Liquide, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés George Claude | Method for the deposition of a ruthenium containing film |
| US8753718B2 (en) | 2006-09-22 | 2014-06-17 | L'Air Liquide, Société Anonyme pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude | Method for the deposition of a ruthenium-containing film |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3361742B2 (ja) | 2003-01-07 |
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