JPH11314465A - 感圧感熱記録媒体及び感圧感熱記録装置 - Google Patents

感圧感熱記録媒体及び感圧感熱記録装置

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JPH11314465A
JPH11314465A JP11057698A JP5769899A JPH11314465A JP H11314465 A JPH11314465 A JP H11314465A JP 11057698 A JP11057698 A JP 11057698A JP 5769899 A JP5769899 A JP 5769899A JP H11314465 A JPH11314465 A JP H11314465A
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JP
Japan
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pressure
recording medium
thermal head
sensitive
thermosensitive recording
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Application number
JP11057698A
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English (en)
Inventor
Minoru Suzuki
実 鈴木
Hiroshi Oda
洋 織田
Hiroyuki Saito
裕行 齋藤
Katsuyoshi Suzuki
克佳 鈴木
Koichi Furusawa
宏一 古澤
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感圧感熱記録媒体への記録画像の解像度を劣
化させることなく該記録画像にハーフトーンを与える得
るようにする。 【解決手段】 感圧感熱記録媒体10は支持体12と、
その表面に塗布されたマイクロカプセル層14とから成
る。マイクロカプセル層は少なくとも第1のマイクロカ
プセル18Y1 及び第2のマイクロカプセル18Y2
一に分布させることにより形成され、第1及び第2のマ
イクロカプセルにはそれぞれ同じ色の発色剤が封入され
る。第1及び第2のマイクロカプセルはそれぞれ互いに
異なった加熱温度下でかつ同じ破壊圧力もしくは異なっ
た破壊圧力下で破壊されるような温度圧力破壊特性を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は適当な支持体の表面
にマイクロカプセル層を塗布して成る感圧感熱記録媒体
に関し、また本発明はそのような感圧感熱記録媒体を用
いる感圧感熱記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】特願平9−290356号には上述したよ
うな感圧感熱記録媒体が開示され、そのマイクロカプセ
ル層は複数のタイプのマイクロカプセルを均一に分布さ
せることにより形成される。各マイクロカプセルにはそ
のタイプに応じて特定の色の色材即ちインクが封入さ
れ、また各マイクロカプセルの壁膜は形状記憶樹脂から
形成される。
【0004】周知のように、形状記憶樹脂はガラス転移
温度を境にして、その縦断性係数が急激に変化する。即
ち、ガラス転移温度以上では、形状記憶樹脂の分子鎖の
ミクロブラウン運動が活性化して、形状記憶樹脂自体は
ゴム弾性を示し、一方ガラス転移温度以下では、分子鎖
のミクロブラウン運動が凍結されて、形状記憶樹脂はガ
ラス状態を呈する。要するに、形状記憶樹脂がガラス転
移温度以下で適当な形態に加工された後にガラス転移温
度以上に加熱されると、その元の形態は自由に変形され
得るものとなり、或る変形形態のままでガラス転移温度
以下に冷却されると、その変形形態は固定されて維持さ
れるが、しかし再びガラス転移温度まで加熱させ、無負
荷(自然)状態に放置したまま冷却されると、形状記憶
樹脂の形態は当初の形態に戻る。
【0005】「形状記憶樹脂」という命名は以上で述べ
たような形状記憶特性に因むものであるが、しかし上述
の感圧感熱記録媒体では、形状記憶樹脂の形状記憶特性
自体を利用するのではなく、ガラス転移温度を境として
縦弾性係数が急激に変化する特性が利用される。なお、
縦弾性係数が急激に変化するという特性は一般の非晶性
樹脂材料にもみられるが、形状記憶樹脂ほど顕著なもの
ではない。
【0006】詳述すると、上述したような形状記憶樹脂
から形成されたマイクロカプセルがガラス転移以上に加
熱すると、その壁膜は軟化して、適当な圧力を付与する
ことにより容易に破壊され、またその破壊圧力について
は該壁膜の厚さにより容易に調節することができる。一
方、ガラス転移以下では、マイクロカプセルの壁膜は相
当な圧力を付与したとしても破壊されることはない。従
って、上記特願平9−290356号に開示されている
ように、感圧感熱記録媒体のマイクロカプセル層に含ま
れる複数のタイプのマイクロカプセルのガラス転移温度
及びその壁膜の厚さを個々のタイプ毎に適宜設定し、か
つ該感圧感熱記録媒体にサーマルヘッドで加えるべき加
熱温度を画像データに応じて適宜調節すると共に該感圧
感熱記録媒体に及ぼすべき圧力を調節することにより、
所定のタイプのマイクロカプセルの壁膜だけが選択的に
破壊され、そこから流出した特定の色の色材で該感圧感
熱記録媒体上には該画像データに基づく画像記録を行う
ことができる。
【0007】また、上記特願平9−290356号に開
示されているように、複数のタイプのマイクロカプセル
として、3つのタイプのマイクロカプセルを用意し、そ
れぞれのタイプのマイクロカプセルにイエロー色材、マ
ゼンタ色材及びシアン色材を封入すれば、上述の感圧感
熱記録媒体上ではフルカラーの画像記録を行うことが可
能となる。この場合、画像記録の画素サイズはサーマル
ヘッドの個々の発熱素子によって得られるドットサイズ
に対応し、そのドットサイズは通常は約50ないし約100
ミクロン程度である(なお、マイクロカプセルの粒径は
約5ないし10ミクロン程度である)。一方、かかる画像
記録の色調については二階調のみとなり、所謂ハーフト
ーンの色調は得られない。即ち、例えば、イエローの階
調について述べると、イエローが発色しているか否かの
二階調だけであり、イエローのハーフトーンは得られな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような感圧感
熱記録媒体上での記録画像にハーフトーンを与えるため
には、画像データに所謂ディザ処理を施すことが必要と
なるが、しかしその場合には記録画像の画素単位はサー
マルヘッドの個々の発熱素子によって得られるドットの
所定数(少なくとも2つ)の集まりに対応することにな
り、該記録画像の解像度が大巾に劣化する。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、以上で述
べたような感圧感熱記録媒体であって、その感圧感熱記
録媒体への記録画像の解像度を劣化させることなく該記
録画像にハーフトーンを与え得るように構成された感圧
感熱記録媒体を提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は上述の感圧感熱記録
媒体に適した感圧感熱記録装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面によ
れば、感圧感熱記録媒体は支持体と、この支持体の表面
に塗布されたマイクロカプセル層とから成り、このマイ
クロカプセル層は少なくとも第1のマイクロカプセル及
び第2のマイクロカプセルを均一に分布させたものから
成る。第1のマイクロカプセルには第1の色の色材が封
入され、第2のマイクロカプセルには第1の色と同じ色
の色材が封入される。第1及び第2のマイクロカプセル
はそれぞれ第1及び第2の加熱温度下でかつ第1の破壊
圧力下で破壊されるような温度圧力破壊特性を有する。
第1及び第2のマイクロカプセル内のそれぞれの第1の
色材の濃度については同じであってもよいし、互いに異
なっていてもよい。
【0012】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つサーマルヘ
ッドと、このサーマルヘッドの発熱素子を第1及び第2
の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するためのサーマ
ルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体がサーマルヘッ
ドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に対して第1の破
壊圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備して成る。
【0013】本発明の第1の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層には更に第1及び第
2のマイクロカプセルに加えて第3のマイクロカプセル
及び第4のマイクロカプセルが均一に分布させられても
よい。この場合には、第3のマイクロカプセルには第2
の色の色材が封入され、第4のマイクロカプセルには第
2の色と同じ色の色材が封入される。第3及び第4のマ
イクロカプセルはそれぞれ第3及び第4の加熱温度下で
かつ第2の破壊圧力下で破壊されるような温度破壊特性
を有する。第3及び第4のマイクロカプセル内のそれぞ
れの第2の色材の濃度についても同じであってもよい
し、互いに異なっていてもよい。
【0014】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つ第1のサー
マルヘッドと、この第1のサーマルヘッドの発熱素子を
第1及び第2の加熱温度のいずれかに選択的に加熱する
ための第1のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録
媒体が第1のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱
記録媒体に対して第1の破壊圧力を及ぼす第1の圧力付
与手段と、画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘ
ッドと、この第2のサーマルヘッドの発熱素子を第3及
び第4の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための
第2のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が
第2のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒
体に対して第2の破壊圧力を及ぼす第2の圧力付与手段
とを具備して成る。
【0015】本発明の第1の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層は更に第1、第2、
第3び第4のマイクロカプセルに加えて第5のマイクロ
カプセル及び第6のマイクロカプセルが均一に分布させ
られてもよい。この場合には、第5のマイクロカプセル
には第3の色の色材が封入され、第6のマイクロカプセ
ルには第3の色と同じ色の色材が封入される。第5及び
第6のマイクロカプセルはそれぞれ第5及び第6の加熱
温度下でかつ第3の破壊圧力下で破壊されるような温度
圧力破壊特性を有する。第5及び第6のマイクロカプセ
ル内のそれぞれの第3の色材の濃度についても同じであ
ってもよいし、互いに異なっていてもよい。第1、第2
及び第3の色については減色法に基づく三原色、例えば
イエロー、マゼンタ及びシアンであってよい。更に、第
1、第2及び第3の色については同一色としてもよく、
この場合には感圧感熱記録媒体にはモノクロカラー画像
が複数の階調で記録され得る。
【0016】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つ第1のサー
マルヘッドと、この第1のサーマルヘッドの発熱素子を
第1及び第2の加熱温度のいずれかに選択的に加熱する
ための第1のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録
媒体が第1のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱
記録媒体に対して第1の破壊圧力を及ぼす第1の圧力付
与手段と、画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘ
ッドと、この第2のサーマルヘッドの発熱素子を第3及
び第4の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための
第2のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が
第2のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒
体に対して第2の破壊圧力を及ぼす第2の圧力付与手段
と、画素単位の発熱素子を持つ第3のサーマルヘッド
と、この第3のサーマルヘッドの発熱素子を第5及び第
6の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第3
のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第3
のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に
対して第3の破壊圧力を及ぼす第3の圧力付与手段とを
具備して成る。
【0017】本発明の第2の局面によれば、感圧感熱記
録媒体は、支持体と、この支持体の表面に塗布されたマ
イクロカプセル層とから成り、このマイクロカプセル層
は少なくとも第1のマイクロカプセル及び第2のマイク
ロカプセルを支持体の表面に均一に分布させることによ
り形成される。第1のマイクロカプセルには第1の色の
色材が封入され、第2のマイクロカプセルには第1の色
と同じ色の色材が封入されるが、その濃度は第1のマイ
クロカプセルの色材の濃度とは異なる。第1及び第2の
マイクロカプセルはそれぞれ互いに異なった第1及び第
2の加熱温度下でかつ第1及び第2の破壊圧力下で破壊
されるようになった温度圧力破壊特性を有する。
【0018】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つ第1のサー
マルヘッドと、この第1のサーマルヘッドの発熱素子を
第1の加熱温度に加熱するための第1のサーマルヘッド
駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第1のサーマルヘッド
を通過する際に該感圧感熱記録媒体に対して第1の破壊
圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単位の発熱素子を持
つ第2のサーマルヘッドと、この第2のサーマルヘッド
の発熱素子を第2の加熱温度に加熱するための第2のサ
ーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第2のサ
ーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に対し
て第2の破壊圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備して成
る。
【0019】本発明の第2の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層には第1及び第2の
マイクロカプセルに加えて第3のマイクロカプセル及び
第4のマイクロカプセルが均一に分布させられてもよ
い。この場合には、第3のマイクロカプセルには第2の
色の色材が封入され、第4のマイクロカプセルには第2
の色と同じ色の色材が封入されるが、その濃度は第3の
マイクロカプセルの色材の濃度とは異なる。第3及び第
4のマイクロカプセルはそれぞれ第3及び第4の加熱温
度下でかつ第3及び第4の破壊圧力で破壊されるように
なった温度圧力破壊特性を有する。
【0020】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つ第1のサー
マルヘッドと、この第1のサーマルヘッドの発熱素子を
第1の加熱温度に加熱するための第1のサーマルヘッド
駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第1のサーマルヘッド
を通過する際に該感圧感熱記録媒体に対して第1の破壊
圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単位の発熱素子を持
つ第2のサーマルヘッドと、この第2のサーマルヘッド
の発熱素子を第2の加熱温度に加熱するための第2のサ
ーマルヘッド駆動手段と、この感圧感熱記録媒体が第2
のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に
対して第2の破壊圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単
位の発熱素子を持つ第3のサーマルヘッドと、この第3
のサーマルヘッドの発熱素子を第3の加熱温度に加熱す
るための第3のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記
録媒体が第3のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感
熱記録媒体に対して第3の破壊圧力を及ぼす圧力付与手
段と、画素単位の発熱素子を持つ第4のサーマルヘッド
と、この第4のサーマルヘッドの発熱素子を第4の加熱
温度に加熱するための第4のサーマルヘッド駆動手段
と、感圧感熱記録媒体が第4のサーマルヘッドを通過す
る際に該感圧感熱記録媒体に対して第4の破壊圧力を及
ぼす圧力付与手段とを具備して成る。
【0021】本発明の第2の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層には第1、第2、第
3び第4のマイクロカプセルに加えて第5のマイクロカ
プセル及び第6のマイクロカプセルが均一に分布させら
れてもよい。この場合には、第5のマイクロカプセルに
は第3の色の色材が封入され、第6のマイクロカプセル
には第3の色と同じ色の色材が封入されるが、その濃度
は第5のマイクロカプセルの色材の濃度とは異なる。第
5及び第6のマイクロカプセルはそれぞれ第5及び第6
の加熱温度下でかつ第5及び第6の破壊圧力下で破壊さ
れるようになった温度圧力破壊特性を有する。第1、第
2及び第3の色については減色法に基づく三原色、例え
ばイエロー、マゼンタ及びシアンであってよい。更に、
第1、第2及び第3の色については同一色としてもよ
く、この場合には感圧感熱記録媒体にはモノクロカラー
画像が複数の階調で記録され得る。
【0022】このような感圧感熱記録媒体を用いる感圧
感熱記録装置は、画素単位の発熱素子を持つ第1のサー
マルヘッドと、この第1のサーマルヘッドの発熱素子を
第1の加熱温度に加熱するための第1のサーマルヘッド
駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第1のサーマルヘッド
を通過する際に該感圧感熱記録媒体に対して第1の破壊
圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単位の発熱素子を持
つ第2のサーマルヘッドと、この第2のサーマルヘッド
の発熱素子を第2の加熱温度に加熱するための第2のサ
ーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第2のサ
ーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に対し
て第2の破壊圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単位の
発熱素子を持つ第3のサーマルヘッドと、この第3のサ
ーマルヘッドの発熱素子を第3の加熱温度に加熱するた
めの第3のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒
体が第3のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記
録媒体に対して第3の破壊圧力を及ぼす圧力付与手段
と、画素単位の発熱素子を持つ第4のサーマルヘッド
と、この第4のサーマルヘッドの発熱素子を第4の加熱
温度に加熱するための第4のサーマルヘッド駆動手段
と、感圧感熱記録媒体が第4のサーマルヘッドを通過す
る際に該感圧感熱記録媒体に対して第4の破壊圧力を及
ぼす圧力付与手段と、画素単位の発熱素子を持つ第5の
サーマルヘッドと、この第5のサーマルヘッドの発熱素
子を第5の加熱温度に加熱するための第5のサーマルヘ
ッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第5のサーマルヘ
ッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に対して第5の
破壊圧力を及ぼす圧力付与手段と、画素単位の発熱素子
を持つ第6のサーマルヘッドと、この第6のサーマルヘ
ッドの発熱素子を第6の加熱温度に加熱するための第6
のサーマルヘッド駆動手段と、感圧感熱記録媒体が第6
のサーマルヘッドを通過する際に該感圧感熱記録媒体に
対して第6の破壊圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備し
て成る。
【0023】本発明の第3の局面によれば、感圧感熱記
録媒体は、支持体と、この支持体の表面に塗布されたマ
イクロカプセル層とから成り、このマイクロカプセル層
は少なくとも第1のマイクロカプセルを支持体の表面に
均一に分布させることにより形成される。第1のマイク
ロカプセルには第1の色の色材が封入され、第1のマイ
クロカプセルは第1の破壊圧力下でかつ第1の破壊温度
範囲内で選択的に破壊されるようになった温度圧力破壊
特性を有し、第1の破壊温度範囲内での温度上昇に伴っ
て第1のマイクロカプセルが破壊される割合が次第に増
大させられるようになっている。好ましくは、第1のマ
イクロカプセル中の第1の色の色材は常温で固相を呈す
るワックスタイプの色材からなり、これらワックスタイ
プの色材には第1の破壊温度範囲内での温度上昇に伴っ
て該色材が熱溶融される割合が次第に増大させられるよ
うな温度/弾性係数特性が与えるられる。
【0024】本発明の第3の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層には第1のタイプの
マイクロカプセルに加えて第2のマイクロカプセルが均
一に分布させられてもよい。この場合には、第2のマイ
クロカプセルには第2の色の色材が封入され、第2のマ
イクロカプセルは第2の破壊圧力下でかつ第2の破壊温
度範囲内で選択的に破壊されるようになった温度圧力破
壊特性を有し、第2の破壊温度範囲内での温度上昇に伴
って第2のマイクロカプセルが破壊される割合が次第に
増大させられるようになっている。好ましくは、第2の
マイクロカプセル中の第2の色の色材は常温で固相を呈
するワックスタイプの色材からなり、これらワックスタ
イプの色材には第2の破壊温度範囲内での温度上昇に伴
って該色材が熱溶融される割合が次第に増大させられる
ような温度/弾性係数特性が与えられる。
【0025】本発明の第3の局面による感圧感熱記録媒
体においては、マイクロカプセル層には第1及び第2の
タイプのマイクロカプセル層に加えて第3のマイクロカ
プセルが均一に分布させられてもよい。第3のマイクロ
カプセルには第3の色の色材が封入され、第3のマイク
ロカプセルは第3の破壊圧力下でかつ第3の破壊温度範
囲内で選択的に破壊されるようになった温度圧力破壊特
性を有し、第3の破壊温度範囲内での温度上昇に伴って
前記第3のマイクロカプセルが破壊される割合が次第に
増大させられるようになっている。好ましくは、第3の
マイクロカプセル中の第3の色の色材は常温で固相を呈
するワックスタイプの色材からなり、これらワックスタ
イプの色材には第3の破壊温度範囲内での温度上昇に伴
って該色材が熱溶融される割合が次第に増大させられる
ような温度/弾性係数特性が与えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照して、本
発明による感圧感熱記録媒体及び感圧感熱記録装置の実
施形態について説明する。
【0027】先ず、図1を参照すると、本発明による感
圧感熱記録媒体の一実施形態が参照番号10で全体的に
示され、この感圧感熱記録媒体10は適当な支持体例え
ば用紙12と、この用紙12の一方の表面に塗布された
マイクロカプセル層14と、このマイクロカプセル層1
4を覆う透明保護フィルムシート16とから成る。マイ
クロカプセル層14は多数のマイクロカプセル18によ
って形成され、これらマイクロカプセル18には6つの
タイプのものが含まれ、これら6つのタイプのマイクロ
カプセル18はマイクロカプセル層14内に均一に分布
させられる。
【0028】図2を参照すると、マイクロカプセル層1
4に含まれる6つのタイプのマイクロカプセル、即ち第
1、第2、第3、第4、第5及び第6のマイクロカプセ
ルがそれぞれ参照符号18Y1 、18Y2 、18M1
18M2 、18C1 及び18C2 でもって示される。第
1及び第2のマイクロカプセル18Y1 及び18Y2
はそれぞれイエロー色材Y1 及びY2 が封入され、また
第3及び第4のマイクロカプセル18M1 及び18M2
にはそれぞれマゼンタ色材M1 及びM2 が封入され、更
に第5及び第6のマイクロカプセル18C1 及び18C
2 にはそれぞれシアン色材C1 及びC2 が封入される。
この場合、同色の色材の濃度、即ちイエロー色材Y1
びY2 の濃度、マゼンタ色材M1 及びM2 の濃度並びに
シアン色材C1 及びC2 の濃度については同じであって
もよいし異なっていてもよい。
【0029】6つのタイプのマイクロカプセル18
1 、18Y2 、18M1 、18M2 、18C1 及び1
8C2 をマイクロカプセル層14に均一に分布させる塗
布方法としては、例えば、バインダ溶液中に6つのタイ
プの等量のマイクロカプセル18Y1 、18Y2 、18
1 、18M2 、18C1 及び18C2 を均一に懸濁さ
せて、それを用紙12上で噴霧する方法が挙げられる。
各タイプのマイクロカプセルの粒径は例えば5ないし10
ミクロン程度とされる。また、各タイプのマイクロカプ
セルの壁膜は用紙12と同じ色、例えば白色に着色さ
れ、このため感圧感熱記録媒体10自体は通常の記録用
紙のような外観を呈する。なお、マイクロカプセル中の
色材としてロイコ染料等の染料前駆体を用いることも可
能であり、この場合にはバインダ溶液中に顕色剤を含ま
せるか或いは用紙12に顕色剤を塗布し、各マイクロカ
プセルが破壊されてその色材(染料前駆体)が流出した
とき該顕色剤との反応により所定の色に発色される。
【0030】なお、図1では、マイクロカプセル層14
については個々のマイクロカプセル18が1つずつ用紙
12の表面に配列された状態として図示さているが、即
ちマイクロカプセル層14の層厚は個々のマイクロカプ
セル18の直径にほぼ等しいように図示されているが、
しかし実際にはマイクロカプセル層14の層厚方向に複
数のマイクロカプセル18が互いに重なり合った状態と
なり、マイクロカプセル層14の層厚自体はマイクロカ
プセル18の直径よりも大きなものとなっている。
【0031】各タイプのマイクロカプセル18Y1 、1
8Y2 、18M1 、18M2 、18C1 、18C2 の壁
膜自体は形状記憶樹脂材料から形成される。形状記憶樹
脂材料自体は周知のものであり、例えばポリノルボルネ
ン、トランス−1,4−ポリイソプレン、ポリウレタン
等から成るものである。図3には、形状記憶樹脂の縦弾
性係数と温度との関係が示され、同図に示すように、形
状記憶樹脂の縦弾性係数はガラス転移温度Tgを境に急
激に変化する。先にも述べたように、ガラス転移温度T
g以上では、形状記憶樹脂はゴム弾性を示し(領域
b)、一方ガラス転移温度Tg以下では、形状記憶樹脂
材料はガラス状態を示す。本発明では、形状記憶樹脂の
形状記憶特性自体を利用するのではなく、ガラス転移温
度を境として縦弾性係数が急激に変化する特性が利用さ
れる。
【0032】形状記憶樹脂のガラス転移温度については
その組成材料の組み合わせを変えたり或いはその組成率
を変えることにより種々に設定することができる。本実
施形態では、6つのタイプのマイクロカプセル18
1 、18Y2 、18M1 、18M2 、18C1 及び1
8C2 のそれぞれの壁膜のガラス転移温度は図4に示す
ように設定される。即ち、第1、第2、第3、第4、第
5及び第6のマイクロカプセル18Y1 、18Y2 、1
8M1 、18M2 、18C1 及び18C2 の壁膜のガラ
ス転移温度のそれぞれについてはT1 、T2 、T3 、T
4 、T5 及びT6 として設定される。好ましくは、ガラ
ス転移温度T1 は65ないし70度の間の温度として設定さ
れ、このとき他のガラス転移温度T2 、T3 、T4 、T
5 及びT6 についてはガラス転移温度T1 から順次20度
ずつ上昇するように設定され得る。例えば、ガラス転移
温度T1 が68度とされた場合には、ガラス転移温度
2 、T3、T4 、T5 及びT6 のそれぞれについては8
8度、108 度、128 度、148 度及び168 度とされる。な
お、以上の具体的な温度数値は全て摂氏であり、以下で
述べる具体的な温度数値も同様である。
【0033】一方、各マイクロカプセルの壁膜がガラス
転移以上となった際にその壁膜を破壊し得る破壊圧力に
ついては各壁膜の厚さを適宜変えることにより任意に設
定し得る。本実施形態においては、図4に示すように、
第1及び第2のマイクロカプセル18Y1 及び18Y2
のそれぞれの壁膜の厚さについては共に同じ破壊圧力P
3 で破壊されるようにされ、また第3及び第4のマイク
ロカプセル18M1 及び18M2 のそれぞれの壁膜の厚
さについては共に同じ破壊圧力P2 で破壊されるように
され、更に第5及び第6のマイクロカプセル18C1
び18C2 の壁膜の厚さについては共に同じ破壊圧力P
1 で破壊されるようにされる。なお、圧力P4 は第1及
び第2のマイクロカプセル18Y1 及び18Y2 の壁膜
を破壊する際の上限破壊圧力となる。例えば、圧力
1 、P2 、P3 及びP4 についてはそれぞれ0.02MPa
、0.2MPa、2.0MPa及び20MPa とされる
【0034】このような構成の感圧感熱記録媒体10に
あっては、そのマイクロカプセル層14を温度T1 と温
度T2 との間の温度まで加熱させた状態で該マイクロカ
プセル層14に圧力P3 と圧力P4 との間の圧力を及ぼ
すと、第1のマイクロカプセル18Y1 だけが破壊され
てイエロー色材Y1 だけが流出し、これによりイエロー
色材Y1 だけによる発色が得られる。また、マイクロカ
プセル層14を温度T 2 と温度T3 との間の温度まで加
熱させた状態で該マイクロカプセル層14に圧力P3
圧力P4 との間の圧力を及ぼすと、第1及び第2のマイ
クロカプセル18Y1 及び18Y2 だけが破壊されてイ
エロー色材Y1 及びY2 だけが流出し、これによりイエ
ロー色材Y1 及びY2 だけによる発色が得られる。
【0035】同様に、マイクロカプセル層14を温度T
3 と温度T4 との間の温度まで加熱させた状態で該マイ
クロカプセル層14に圧力P2 と圧力P3 との間の圧力
を及ぼすと、第3のマイクロカプセル18M1 だけが破
壊されてマゼンタ色材M1 だけが流出し、これによりマ
ゼンタ色材M1 だけの発色が得られ、またマイクロカプ
セル層14を温度T4 と温度T5 との間の温度まで加熱
させた状態で該マイクロカプセル層14に圧力P2 と圧
力P3 との間の圧力を及ぼすと、第3及び第4のマイク
ロカプセル18M1 及び18M2 だけが破壊されてマゼ
ンタ色材M1 及びM2 だけが流出し、これによりマゼン
タ色材M1 及びM2 だけの発色が得られる。
【0036】更に、マイクロカプセル層14を温度T5
と温度T6 との間の温度まで加熱させた状態で該マイク
ロカプセル層14に圧力P1 と圧力P2 との間の圧力を
及ぼすと、第5のマイクロカプセル18C1 だけが破壊
されてシアン色材C1 だけが流出し、これによりシアン
色材C1 だけの発色が得られ、またマイクロカプセル層
14を温度T6 以上の温度まで加熱させた状態で該マイ
クロカプセル層14に圧力P1 と圧力P2 との間の圧力
を及ぼすと、第5及び第6のマイクロカプセル18C1
及び18C2 だけが破壊されてシアン色材C1 及びC2
だけが流出し、これによりシアン色材C1 及びC2 だけ
の発色が得られる。
【0037】以上のような構成の感圧感熱記録媒体10
によれば、そのマイクロカプセル層14に対する加熱を
サーマルヘッドの個々の発熱素子によって行うと同時に
該マイクロカプセル層14に所定圧力を及ぼすことによ
り、該発熱素子に対応する各ドット領域内において各色
を三階調で表すことが可能となる。
【0038】例えば、サーマルヘッドの発熱素子を温度
1 と温度T2 との間の温度まで加熱させると共に該サ
ーマルヘッドに対する感圧感熱記録媒体10の押圧力を
圧力P3 と圧力P4 との間の圧力とした場合には、該発
熱素子に対応して得られるドット領域は図5に示すよう
にイエロー色材Y1 によってのみ発色させられ、またサ
ーマルヘッドの発熱素子を温度T2 と温度T3 との間の
温度まで加熱させると共に該サーマルヘッドに対する感
圧感熱記録媒体10の押圧力を圧力P3 と圧力P4 との
間の圧力とした場合には、該発熱素子に対応して得られ
るドット領域は図6に示すようにイエロー色材Y1 及び
2 によってのみ発色させられる。従って、イエロー色
材Y1 及びY2 を全く発色させない場合を含めると、各
ドット領域のイエローに対しては三階調が得られること
になる。なお、同様なことはマゼンタ及びシアンの場合
についても言える。
【0039】図5及び図6で示す例にあっては、図6の
ドット領域のイエロー濃度は図5のドット領域のイエロ
ー濃度よりも常に濃くなるが、しかし図6のドット領域
のイエロー濃度については、イエロー色材Y1 の濃度を
所望の濃度に設定した後にイエロー色材Y2 の濃度を適
宜調節することにより所望のイエロー濃度を与えること
が可能である。
【0040】図7を参照すると、以上で述べた感圧感熱
記録媒体10にカラー画像を記録するための感圧感熱記
録装置の一実施形態が示される。
【0041】図7に示すように、感圧感熱記録装置は略
直方形の形態を持つハウジング20を具備し、このハウ
ジング20の上側壁には感圧感熱記録媒体10を導入す
るための導入口22が形成される。また、ハウジング2
0の側壁の1つには感圧感熱記録媒体10を排出するた
めの排出口24が形成される。図7には感圧感熱記録媒
体10の移動通路が一点鎖線26で示され、この移動通
路に沿って感圧感熱記録媒体10は導入口22に導入さ
れ、その後排出口24から排出される。
【0042】ハウジング20内にはサーマルヘッド支持
体28が所定位置に設けられ、このサーマルヘッド支持
体28により、一点鎖線26で示される移動経路の一部
が規定される。サーマルヘッド支持体28には第1のサ
ーマルヘッド30Y、第2のサーマルヘッド30M及び
第3のサーマルヘッド30Cが搭載され、各サーマルヘ
ッドは感圧感熱記録媒体10の移動経路を横切る方向に
延在し、しかもその延在方向に沿って多数の発熱素子が
所定の形態で配列される。要するに、図7に示す感圧感
熱記録装置はラインプリンタとして構成される。
【0043】第1のサーマルヘッド30Yはイエロー発
色用として使用され、そこには第1のプラテン32Yが
適用される。また、第2のサーマルヘッド30Mはマゼ
ンタ発色用として使用され、そこには第2のプラテン3
2Mが適用される。更に、第3のサーマルヘッド30C
はシアン発色用として使用され、そこには第3のプラテ
ン32Cが適用される。
【0044】第1のプラテン32Yには第1の圧力付与
ばね手段34Yが組み合わされ、この第1の圧力付与ば
ね手段34Yにより第1のプラテン32Yは圧力P3
圧力P4 との間の圧力で第1のサーマルヘッド30Yに
対して押圧させられる。また、第2のプラテン32Mに
は第2の圧力付与ばね手段34Mが組み合わされ、この
第2の圧力付与ばね手段34Mにより第2のプラテン3
2Yは圧力P2 と圧力P3 との間の圧力で第2のサーマ
ルヘッド30Mに対して押圧させられる。同様に、第3
のプラテン32Cには第3の圧力付与ばね手段34Cが
組み合わされ、この第3の圧力付与ばね手段34Cによ
り第3のプラテン32Cは圧力P1 と圧力P2 との間の
圧力で第3のサーマルヘッド30Cに対して押圧させら
れる。
【0045】なお、図7において、参照符号36は第
1、第2及び第3のサーマルヘッド30Y、30M及び
30C等の駆動を制御する制御回路基板を示し、また参
照符号38は電源装置を示し、この電源装置38によ
り、第1、第2及び第3のサーマルヘッド30Y、30
M及び30Cのそれぞれの発熱素子や制御回路基板36
等に給電される。
【0046】図8に示すように、各サーマルヘッド30
Y、30M、30Cの個々の発熱素子は電気抵抗素子4
0として形成され、この電気抵抗素子40はON/OF
Fスイッチとして機能するトランジスタ42のコレクタ
電極に接続される。一方、トランジスタ42のエミッタ
電極は接地され、そのベース電極は通電制御回路46の
出力端子に接続される。通電制御回路46には1ビット
の画素信号PSと1ビットの濃度信号DSが入力され、
トランジスタ42のベース電極への電圧印加時間は画素
信号PS及び濃度信号DSのそれぞれの値、即ち[0]
か[1]かによって決まる。なお、電気抵抗素子40に
は常に所定の電源電圧Vccが印加されている。
【0047】図9に示すタイミングチャートを参照し
て、通電制御回路46の動作について説明すると、画素
信号PSが[1]でかつ濃度信号DSが[1]であると
き、トランジスタ42のベース電極には通電制御回路4
6から所定の電圧(通常は5ボルト)が印加され、その
印加時間はTL とされ、この印加時間TL にわたって電
気抵抗素子40に電源電圧Vccに基づいて通電され
る。一方、画素信号PSが[1]でかつ濃度信号DSが
[0]であるとき、トランジスタ42のベース電極には
通電制御回路46から所定の電圧(通常は5ボルト)が
印加され、その印加時間はTL よりも短いTS とされ、
この印加時間TS にわたって電気抵抗素子40に電源電
圧Vccに基づいて通電される。このように濃度信号D
Sが[1]であるときの電気抵抗素子40の通電時間T
L は濃度信号DSが[0]とされているときの電気抵抗
素子40の通電時間TS よりも長くされる。即ち、電気
抵抗素子40の発熱温度については、濃度信号DSが
[1]であるときの方が濃度信号DS[0]であるとき
よりも高くされる。勿論、画素信号PSが[0]でしか
も濃度信号[0]であるときには、通電制御回路46か
らのベース電極への電圧印加は行われず、電気抵抗素子
40が通電されることはない。
【0048】従って、通電時間TS のとき、例えば、第
1のサーマルヘッド30Yの発熱素子(電気抵抗素子4
0)が温度T1 と温度T2 との間の温度まで発熱させら
れるようにすれば、図5に示すように、第1のマイクロ
カプセル18Y1 だけが発色させられ、一方通電時間T
L のとき、第1のサーマルヘッド30Yの発熱素子(電
気抵抗素子40)が温度T2 と温度T3 との間の温度ま
で発熱させられるようにすれば、図6に示すように、第
1及び第2のマイクロカプセル18Y1 及び18Y2
けが発色させられる。また、上述したように、画素信号
PSが[0]でしかも濃度信号[0]であるときには、
通電制御回路46からのベース電極への電圧印加は行わ
れず、電気抵抗素子40が通電されることはないので、
第1及び第2のマイクロカプセル18Y1 及び18Y2
のいずれも発色させられることはない。このように各サ
ーマルヘッド30Y、30M、30Cの発熱素子の通電
時間を適宜制御することにより、各色の発色を三階調で
行うことが可能である。
【0049】図10を参照すると、感圧感熱記録媒体1
0にカラー画像を記録するための感圧感熱記録装置の別
の実施形態が示され、この感圧感熱記録装置はシリアル
プリンタとして構成される。同図に示すように、シリア
ルプリンタとしての感圧感熱記録装置は板状プラテン4
8を具備し、この板状プラテン48の両側には感圧感熱
記録媒体10を移送するための移送ローラ50及び52
が配置される。なお、各移送ローラ50、52には対を
成すもう一方の移送ローラが設けられるが、図10では
省略されている。記録作動中、感圧感熱記録媒体10は
移送ローラ50及び52によって矢印56の方向に間欠
的に移送される。
【0050】感圧感熱記録媒体10が移送ローラ50及
び52によって間欠的に移送される間、サーマルヘッド
組立体が感圧感熱記録媒体10を横切るように板状プラ
テン48の長手方向に沿って移動させられる。詳述する
と、サーマルヘッド組立体は図示されないキャリッジを
具備し、このキャリッジには第1のサーマルヘッド54
Y、第2のサーマルヘッド54M及び第3のサーマルヘ
ッド54Cが搭載される。キャリッジは板状プラテン4
8の長手方向に沿って配設されたガイドレール(図示さ
れない)に沿って移動自在に支持され、かつ該キャリッ
ジにはタイミング駆動ベルトが連結させられ、これによ
り第1、第2及び第3のサーマルヘッド54Y、54M
及び54Cは板状プラテン48に沿って移動させられ
る。
【0051】第1、第2及び第3のサーマルヘッド54
Y、54M及び54Cの各々には図示されない圧力付与
ばね手段が組み合わされ、これにより各サーマルヘッド
54Y、54M、54Cは所定圧力で板状プラテン48
に対して押圧させられる。即ち、第1のサーマルヘッド
54Yはイエロー発色用として用いられ、その圧力付与
ばね手段によって第1のサーマルヘッド54Yは圧力P
3 と圧力P4 との間の圧力で板状プラテン48に対して
押圧させられ、また第2のサーマルヘッド54Mはマゼ
ンタ発色用として用いられ、その圧力付与ばね手段によ
って第2のサーマルヘッド54Mは圧力P2 と圧力P3
との間の圧力で板状プラテン48に対して押圧させら
れ、更に第3のサーマルヘッド54Cはシアン発色用と
して用いられ、その圧力付与ばね手段によって第3のサ
ーマルヘッド54Cは圧力P1 と圧力P2 との間の圧力
で板状プラテン48に対して押圧させられる。
【0052】従って、各サーマルヘッド54Y、54
M、54Cの発熱素子の通電時間を先の実施形態と同様
な態様で制御することにより(図8及び図10)、各色
の発色を三階調で行うことが可能となる(図5及び図
6)。
【0053】図11を参照すると、本発明による感圧感
熱記録媒体の別の実施形態が参照番号10′で全体的に
示され、この感圧感熱記録媒体10′も上述した感圧感
熱記録媒体10の場合と同様に適当な支持体例えば用紙
12′と、この用紙12′の一方の表面に塗布されたマ
イクロカプセル層14′と、このマイクロカプセル層1
4′を覆う透明保護フィルムシート16′とから成る。
また、マイクロカプセル層14′も多数のマイクロカプ
セル18′によって形成され、これらマイクロカプセル
18′には6つのタイプのものが含まれ、これら6つの
タイプのマイクロカプセル18′はマイクロカプセル層
14′内に均一に分布させられる。
【0054】図12を参照すると、マイクロカプセル層
14′に含まれる6つのタイプのマイクロカプセル、即
ち第1、第2、第3、第4、第5及び第6のマイクロカ
プセルがそれぞれ参照符号18Y1 ′、18Y2 ′、1
8M1 ′、18M2 ′、18C1 ′及び18C2 ′でも
って示される。上述した実施形態の場合と同様に、第1
及び第2のマイクロカプセル18Y1 ′及び18Y2
にはそれぞれ液体のイエロー色材Y1 及びY2 が封入さ
れるが、本実施形態では、イエロー色材Y1 及びY2
濃度については互いに異なったものとされる。同様に、
第3及び第4のマイクロカプセル18M1 ′及び18M
2 ′にはそれぞれ液体のマゼンタ色材M 1 及びM2 が封
入され、また第5及び第6のマイクロカプセル18
1 ′及び18C2 ′にはそれぞれ液体のシアン色材C
1 及びC2 が封入されるが、しかしそれら同色の色材の
濃度、即ちマゼンタ色材M1 及びM2 の濃度並びにシア
ン色材C1 及びC2 の濃度については互いに異なったも
のとされる。
【0055】更に、上述の実施形態の場合と同様に、第
1、第2、第3、第4、第5及び第6のマイクロカプセ
ル18Y1 ′、18Y2 ′、18M1 ′、18M2 ′、
18C1 ′及び18C2 ′のそれぞれの壁膜は形状記憶
樹脂材料から形成され、しかもそれらの壁膜のガラス転
移温度についてもT1 、T2 、T3 、T4 、T5 及びT
6 として設定される。しかしながら、本実施形態にあっ
ては、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のマイク
ロカプセル18Y1 ′、18Y2 ′、18M1′、18
2 ′、18C1 ′及び18C2 ′のそれぞれの壁膜の
破壊圧力については互いに異なるように設定される。な
お、上述の実施形態の場合と同様に、ガラス転移温度T
1 は65度ないし70度の間の温度として設定され、このと
き他のガラス転移温度T2 、T3 、T4 、T5 及びT6
についてはガラス転移温度T1 から順次20度ずつ上昇す
るように設定され得る。
【0056】即ち、図13から明らかなように、第1の
マイクロカプセル18Y1 ′の壁膜の破壊圧力について
は圧力P6 と圧力P7 との間の圧力とされ、第2のマイ
クロカプセル18Y2 ′の壁膜の破壊圧力については圧
力P5 と圧力P6 との間の圧力とされ、第3のマイクロ
カプセル18M1 ′の壁膜の破壊圧力については圧力P
4 と圧力P5 との間の圧力とされ、第4のマイクロカプ
セル18M2 ′の壁膜の破壊圧力については圧力P3
圧力P4 との間の圧力とされ、第5のマイクロカプセル
18C1 ′の壁膜の破壊圧力については圧力P2 と圧力
3 との間の圧力とされ、第6のマイクロカプセル18
2 ′の壁膜の破壊圧力については圧力P1 と圧力P2
との間の圧力とされる。なお、本実施形態では、圧力P
1 、P2、P3 、P4 、P5 、P6 及びP7 のそれぞれ
については、例えば0.02、0.1 、0.2 、1.0 、2.0 、10
及び20MPa として設定し得る。
【0057】このような構成の感圧感熱記録媒体10′
にあっては、そのマイクロカプセル層14′を温度T1
と温度T2 との間の温度まで加熱させた状態で該マイク
ロカプセル層14′に圧力P6 と圧力P7 との間の圧力
を及ぼすと、第1のマイクロカプセル18Y1 ′だけが
破壊されてイエロー色材Y1 だけが流出し、これにより
イエロー色材Y1 だけによる発色が得られ、またマイク
ロカプセル層14′を温度T2 と温度T3 との間の温度
まで加熱させた状態で該マイクロカプセル層14′に圧
力P5 と圧力P6 との間の圧力を及ぼすと、第2のマイ
クロカプセル18Y2 ′だけが破壊されてイエロー色材
2 だけが流出し、これによりイエロー色材Y2 だけに
よる発色が得られる。
【0058】同様に、マイクロカプセル層14′を温度
3 と温度T4 との間の温度まで加熱させた状態で該マ
イクロカプセル層14に圧力P4 と圧力P5 との間の圧
力を及ぼすと、第3のマイクロカプセル18M1 ′だけ
が破壊されてマゼンタ色材M 1 だけが流出し、これによ
りマゼンタ色材M1 だけの発色が得られ、またマイクロ
カプセル層14′を温度T4 と温度T5 との間の温度ま
で加熱させた状態で該マイクロカプセル層14′に圧力
3 と圧力P4 との間の圧力を及ぼすと、第4のマイク
ロカプセル18M2 ′だけが破壊されてマゼンタ色材M
2 だけが流出し、これによりマゼンタ色材M2 だけの発
色が得られる。
【0059】更に、マイクロカプセル層14′を温度T
5 と温度T6 との間の温度まで加熱させた状態で該マイ
クロカプセル層14′に圧力P2 と圧力P3 との間の圧
力を及ぼすと、第5のマイクロカプセル18C1 だけが
破壊されてシアン色材C1 だけが流出し、これによりシ
アン色材C1 だけの発色が得られ、またマイクロカプセ
ル層14′を温度T6 以上の温度まで加熱させた状態で
該マイクロカプセル層14′に圧力P1 と圧力P2 との
間の圧力を及ぼすと、第6のマイクロカプセル18C2
だけが破壊されてシアン色材C2 だけが流出し、これに
よりシアン色材C2 だけの発色が得られる。
【0060】以上のような構成の感圧感熱記録媒体1
0′によれば、そのマイクロカプセル層14に対する加
熱をサーマルヘッドの個々の発熱素子によって行うと同
時に該マイクロカプセル層14′に所定圧力を及ぼすこ
とにより、該発熱素子に対応する各ドット領域内におい
て各色を四階調で表すことが可能となる。
【0061】例えば、サーマルヘッドの発熱素子を温度
1 と温度T2 との間の温度まで加熱させると共に該サ
ーマルヘッドに対する感圧感熱記録媒体10′の押圧力
を圧力P6 と圧力P7 との間の圧力とした場合には、該
発熱素子に対応して得られるドット領域は図14に示す
ようにイエロー色材Y1 だけで発色させられる。また、
サーマルヘッドの発熱素子を温度T2 と温度T3 との間
の温度まで加熱させると共に該サーマルヘッドに対する
感圧感熱記録媒体10′の押圧力を圧力P5 と圧力P6
との間の圧力とした場合には、該発熱素子に対応して得
られるドット領域は図15に示すようにイエロー色材Y
2 だけで発色させられる。更に、イエロー色材Y1 及び
2 の双方が発色させられた場合には、ドット領域内の
イエローの発色は図16に示すようなものとなる。要す
るに、互いに濃度の異なるイエロー色材Y1 及びY2
それぞれを単独で発色させた場合と、イエロー色材Y1
及びY2 を共に発色させた場合と、イエロー色材Y1
びY2 の双方を全く発色させない場合とを含めると、各
ドット領域のイエローに対しては四階調が得られること
になる。なお、同様なことはマゼンタ及びシアンの場合
についても言える。
【0062】図17を参照すると、以上で述べた感圧感
熱記録媒体10′にカラー画像を記録するための感圧感
熱記録装置の一実施形態が示される。なお、この感圧感
熱記録装置は本質的には図7に示した感圧感熱記録媒体
と同様な構成を有し、図17では、同様な構成要素につ
いては同じ参照符号が用いられる。
【0063】図17に示すように、感圧感熱記録装置に
はサーマルヘッド支持体には6つのサーマルヘッド、即
ち第1のサーマルヘッド30Y1 、第2のサーマルヘッ
ド30Y2 、第3のサーマルヘッド30M1 、第4のサ
ーマルヘッド30M2 、第5のサーマルヘッド30C1
及び第6のサーマルヘッド30C2 が搭載される。第1
のサーマルヘッド30Y1 はイエロー色材Y1 の発色用
に使用され、そこには第1のプラテン32Y1 が適用さ
れる。第2のサーマルヘッド30Y2 はイエロー色材Y
2 の発色用に使用され、そこには第2のプラテン32Y
2 が適用される。第3のサーマルヘッド30M1 はマゼ
ンタ色材M1 の発色用に使用され、そこには第3のプラ
テン32M1 が適用される。第4のサーマルヘッド30
2 はマゼンタ色材M2 の発色用に使用され、そこには
第4のプラテン32M2 が適用される。第5のサーマル
ヘッド30C1 はシアン色材C1 の発色用に使用され、
そこには第5のプラテン32C1 が適用される。第6の
サーマルヘッド30C2 はシアン色材C2 の発色用に使
用され、そこには第6のプラテン32C2 が適用され
る。
【0064】第1のプラテン32Y1 には第1の圧力付
与ばね手段34Y1 が組み合わされ、この第1の圧力付
与ばね手段34Y1 によって第1のプラテン32Y1
圧力P6 と圧力P7 との間の圧力で第1のサーマルヘッ
ド30Y1 に対して押圧させられる。第2のプラテン3
2Y2 には第2の圧力付与ばね手段34Y2 が組み合わ
され、この第2の圧力付与ばね手段34Y2 によって第
2のプラテン32Y2は圧力P5 と圧力P6 との間の圧
力で第2のサーマルヘッド30Y2 に対して押圧させら
れる。第3のプラテン32M1 には第3の圧力付与ばね
手段34M1 が組み合わされ、この第3の圧力付与ばね
手段34M1 によって第3のプラテン32M1 は圧力P
4 と圧力P5 との間の圧力で第3のサーマルヘッド30
1 に対して押圧させられる。第4のプラテン32M2
には第4の圧力付与ばね手段34M2 が組み合わされ、
この第4の圧力付与ばね手段34M2 によって第4のプ
ラテン32M2 は圧力P3 と圧力P4 との間の圧力で第
4のサーマルヘッド30M 2 に対して押圧させられる。
第5のプラテン32C1 には第3の圧力付与ばね手段3
4C1 が組み合わされ、この第5の圧力付与ばね手段3
4C1 により第5のプラテン32C1 は圧力P2 と圧力
3 との間の圧力で第5のサーマルヘッド30C1 に対
して押圧させられる。第6のプラテン32C2 には第4
の圧力付与ばね手段34C2 が組み合わされ、この第6
の圧力付与ばね手段34C2 によって第6のプラテン3
2C2 は圧力P1 と圧力P2 との間の圧力で第6のサー
マルヘッド30C2 に対して押圧させられる。
【0065】以上のような感圧感熱記録装置によれば、
イエロー色材Y1 及びY2 、マゼンタ色材M1 及びM2
並びにシアン色材C1 及びC2 をそれぞれ各ドット領域
で選択的に発色させることができるので、各色について
は四階調の発色を得ることが可能である。
【0066】感圧感熱記録媒体10′を用いる感圧感熱
記録装置として、図10に示すようなシリアルプリンタ
形式の感圧感熱記録装置を構成することも可能であり、
この場合には3つのサーマルヘッド(54Y、54M、
54C)に加えて更に3つのサーマルヘッドが設けら
れ、それら6つのサーマルヘッドはそれぞれイエロー色
材Y1 及びY2 、マゼンタ色材M1 及びM2 並びにシア
ン色材C1 及びC2 の発色用に用いられる。
【0067】上述した感圧感熱記録媒体(10、1
0′)にあっては、各ドット領域で全てのマイクロカプ
セルを破壊して全ての色材を発色させたとしても、ブラ
ックを発色させることはできない。というのは、各色
(イエロー、マゼンタ、シアン)の濃度差を得るために
は、ホワイトの色材が必要となり、このため全ての色材
を発色させると、鼠色となるからである。従って、完全
なブラックを発色させるためには、図18に示すよう
に、マイクロカプセル層(14;14′)上にブラック
発色用のマイクロカプセル18Bを更に塗布し、これら
マイクロカプセル18Bを第1ないし第6のマイクロカ
プセル(18Y1 、18Y2 、18M1 、18M 2 、1
8C1 、18C2 ;18Y1 ′、18Y2 ′、18
1 ′、18M2 ′、18C1 ′、18C2 ′)とは異
なった温度条件及び圧力下で破壊し得るようにしてもよ
い。なお、各マイクロカプセル18Bの壁膜は白色に着
色した形状記憶樹脂から形成され、そこには液体のブラ
ック色材が封入される。
【0068】一方、図18に示すような感圧感熱記録媒
体を用いる感圧感熱記録装置には、マイクロカプセル1
8B専用のサーマルヘッドが必要となり、例えば、図7
及び図17に示すような感圧感熱記録装置には更にもう
1つのサーマルヘッドが必要となる。
【0069】なお、図18に示した変形実施形態では、
マイクロカプセル層14(14′)上にブラック発色用
のマイクロカプセル18Bが更に塗布されることになる
が、マイクロカプセル層14(14′)の形成時にマイ
クロカプセル18Bをそこに均一に分散させてもよい。
即ち、6つのタイプのマイクロカプセル18Y1 (18
1 ′)、18Y2 (18Y2 ′)、18M1 (18M
1 ′)、18M2 (18M2 ′)、18C1 (18
1 ′)及び18C2 (18C2 ′)と共にブラック発
色用マイクロカプセル18Bをバインダ溶液中に均一に
懸濁させて、それを用紙12上で噴霧することにより、
ブラック発色用マイクロカプセル18Bを含むマイクロ
カプセル層14(14′)が得られる。
【0070】また、以上で述べた実施形態では、感圧感
熱記録媒体(10、10′)はカラー画像を複数階調で
記録するようになっているが、勿論モノクロカラー画像
を複数階調で記録するようにしてもよく、この場合には
各ドット領域毎にきめ細かな階調表現が可能となる。例
えば、図1に示すような実施形態において、第1ないし
第6のマイクロカプセルに全てブラック色材を封入した
場合、七階調のモノクロカラー画像が得られることにな
り、更に第1ないし第6のマイクロカプセルのいずれか
に異なった濃度の灰色色材を封入した場合には、七階調
以上のモノクロカラー画像を得ることも可能である。
【0071】図19を参照すると、図12の6つのタイ
プのマイクロカプセル18Y1 ′、18Y2 ′、18M
1 ′、18M2 ′、18C1 ′及び18C2 ′と置き換
え得る6つのタイプのマイクロカプセル18Y1 ″、1
8Y2 ″、18M1 ″、18M2 ″、18C1 ″及び1
8C2 ″が示され、これらマイクロカプセルを用いて図
11に示すような感圧感熱記録媒体(10′)を形成し
てもよい。即ち、感圧感熱記録媒体(10′)の場合と
同様な態様で、マイクロカプセル18Y1 ″、18
2 ″、18M1 ″、18M2 ″、18C1 ″及び18
2 ″はマイクロカプセル層(14′)中に均一に分布
させられ、各タイプのマイクロカプセルの粒径も例えば
5ないし10ミクロン程度とされる。
【0072】第1及び第2のマイクロカプセル18
1 ″及び18Y2 ″にはそれぞれ固相色材としてワッ
クスタイプのイエロー色材Y1 及びY2 が封入され、そ
れらイエロー色材Y1 及びY2 の濃度は互いに異なった
ものとされる。また、第3及び第4のマイクロカプセル
18M1 ″及び18M2 ″にはそれぞれ固相色材として
ワックスタイプのマゼンタ色材M1 及びM2 が封入さ
れ、それらマゼンタ色材M1及びM2 の濃度も互いに異
なったものとされる。同様に、第5及び第6のマイクロ
カプセル18C1 ″及び18C2 ″にもそれぞれ固相色
材としてワックスタイプのシアン色材C1 及びC2 が封
入され、それらシアン色材C1 及びC2 の濃度について
も互いに異なったものとされる。
【0073】例えば、ワックスタイプのイエロー色材と
しては、ベンジンイエローGを適当なビヒクル(ワック
ス)に配合したものが用いられ、ワックスタイプのマゼ
ンタ色材としては、ローダミンレーキTを適当なビヒク
ル(ワックス)に配合したものが用いられ、ワックスタ
イプのシアン色材としてはフタロシアニンブルーを適当
なビヒクル(ワックス)に配合したものが用いられる。
ワックスタイプのイエロー色材、マゼンタ色材及びシア
ン色材は通常の環境温例えば25度以下では固相を呈する
が、その環境温度よりも十分に高い温度では熱溶融する
ようになっており、各色材の溶融温度は互いに異なった
ものとされる。各色材の溶融温度については、ビヒクル
(ワックス)を適宜調合することにより任意に決定する
ことができる。
【0074】例えば、図20のグラフに示すように、イ
エロー色材Y1 及びY2 はそれぞれ温度に対して弾性係
数特性EC1 及びEC2 を示し、マゼンタ色材M1 及び
2はそれぞれ温度に対して弾性係数特性EM1 及びE
2 を示し、シアン色材M1及びM2 はそれぞれ温度に
対して弾性係数特性EC1 及びEC2 を示す。同グラフ
から明らかなように、イエロー色材Y1 はその弾性係数
を温度TY1 で急激に低下させて可塑化して温度FY1
で熱溶融するようになっており、イエロー色材Y2 はそ
の弾性係数を温度TY2 で急激に低下させて可塑化して
温度FY2 で熱溶融するようになっている。また、マゼ
ンタ色材M1 はその弾性係数を温度TM 1 で急激に低下
させて可塑化して温度FM1 で熱溶融するようになって
おり、マゼンタ色材M2 はその弾性係数を温度TM2
急激に低下させて可塑化して温度FM2 で熱溶融するよ
うになっている。同様に、シアン色材C1 はその弾性係
数を温度TC1 で急激に低下させて可塑化して温度FC
1 で熱溶融するようになっており、シアン色材C2 はそ
の弾性係数を温度TC2 で急激に低下させて可塑化して
温度FC2 で熱溶融するようになっている。
【0075】一方、6つのタイプのマイクロカプセル1
8Y1 ″、18Y2 ″、18M1 ″、18M2 ″、18
1 ″及び18C2 ″の壁膜は形状記憶樹脂ではない適
当な樹脂例えば熱硬化性樹脂から形成され得る。図20
のグラフに示すように、マイクロカプセル18Y1 ″、
18Y2 ″、18M1 ″、18M2 ″、18C1 ″及び
18C2 ″のそれぞれの熱硬化性樹脂としては、0ない
し250 度の範囲内の温度に対して弾性係数特性E
1 ′、EY2 ′、EM1 ′、EM2 ′、EC1 ′及び
EC2 ′を持つ熱硬化性樹脂が使用され得る。即ち、好
ましくは、マイクロカプセル18Y1 ″、18Y2 ″、
18M1 ″、18M2 ″、18C1 ″及び18C2 ″の
壁膜材料として、0ないし250 度の範囲で弾性係数の変
化の少ないものが使用され得る。各タイプのマイクロカ
プセル(18Y1 ″、18Y2 ″、18M1 ″、18M
2 ″、18C1 ″、18C2 ″)の壁膜はその該当色材
(ワックスタイプ)が固相を示す限り相当な圧力に耐え
ることができるが、しかし該色材が熱溶融したときには
その壁膜は比較的低い圧力で破壊され得ることになる。
該色材の熱溶融時、各タイプのマイクロカプセル(18
1 ″、18Y2 ″、18M1 ″、18M2 ″、18C
1 ″、18C2 ″)の壁膜がどの程度の圧力で破壊させ
るかについては、該壁膜の厚さを適宜調整することによ
り容易に決定することができる。
【0076】従って、6つのタイプのマイクロカプセル
18Y1 ″、18Y2 ″、18M1″、18M2 ″、1
8C1 ″及び18C2 ″のそれぞれに対して図21のグ
ラフに示すような温度圧力破壊特性を与えることができ
る。なお、同グラフにおいては、イエロー色材Y1 によ
るイエロー発色領域が斜線領域ZY1 として示され、イ
エロー色材Y2 によるイエロー発色領域が斜線領域ZY
2 として示され、またマゼンタ色材M1 によるマゼンタ
発色領域が斜線領域ZM1 として示され、マゼンタ色材
2 によるマゼンタ発色領域が斜線領域ZM2 として示
され、同様にシアン色材C1 によるシアン発色領域が斜
線領域ZC1 として示され、シアン色材C2 によるシア
ン発色領域が斜線領域ZC2 として示される。
【0077】要するに、感圧感熱記録媒体(10′)に
及ぼすべき加熱温度/破壊圧力を適宜制御することによ
り、マイクロカプセル18Y1 ″、18Y2 ″、18M
1 ″、18M2 ″、18C1 ″及び18C2 ″のそれぞ
れを選択的に破壊することが可能である。例えば、イエ
ロー発色領域ZY1 に含まれる加熱温度TY1 ′及び破
壊圧力PY1 が選ばれた場合には、マイクロカプセル1
8Y1 ″だけが破壊され、イエロー発色領域ZY2 に含
まれる加熱温度TY2 ′及び破壊圧力PY2 が選ばれた
場合には、マイクロカプセル18Y2 ″だけが破壊され
る。またマゼンタ発色領域ZM1 に含まれる加熱温度T
1 ′及び破壊圧力PM1 が選ばれた場合には、マイク
ロカプセル18M1 ″だけが破壊され、マゼンタ発色領
域ZM2に含まれる加熱温度TM2 ′及び破壊圧力PM
2 が選ばれた場合には、マイクロカプセル18M2 ″だ
けが破壊される。同様にシアン発色領域ZC1 に含まれ
る加熱温度TC1 ′及び破壊圧力PC1 が選ばれた場合
には、マイクロカプセル18C1 ″だけが破壊され、シ
アン発色領域ZC2 に含まれる加熱温度TC2 ′及び破
壊圧力PC2 が選ばれた場合には、マイクロカプセル1
8C2 ″だけが破壊される。
【0078】かくして、図11に示した感圧感熱記録媒
体10′と同様に、図19に示すようなマイクロカプセ
ル18Y1 ″、18Y2 ″、18M1 ″、18M2 ″、
18C1 ″及び18C2 ″を用いた感圧感熱記録媒体に
対しても、図17に示すような感圧感熱記録装置を用い
てカラー画像が記録され得るだけでなく該カラー画像の
画素(ドット)単位での階調表現も可能となる。
【0079】勿論、図2の6つのタイプのマイクロカプ
セル18Y1 、18Y2 、18M1、18M2 、18C
1 及び18C2 と置き換え得る6つのタイプのマイクロ
カプセルをワックスタイプの色材を用いて形成すること
も可能であり、この場合にはそれらワックスタイプの色
材を用いる感圧感熱記録媒体に対しては、図7に示すよ
うな感圧感熱記録装置を用いてカラー画像が記録される
ことになり、このときも該カラー画像の画素(ドット)
単位での階調表現が可能となる。
【0080】ワックスタイプの色材を封入したマイクロ
カプセルの更に別の実施形態として、各色毎のマイクロ
カプセルに対する所定破壊圧力下での破壊加熱温度を連
続的に異ならせるようにすることもできる。このような
三原色のマイクロカプセルを用いて上述したような感圧
感熱記録媒体が形成された場合、そのマイクロカプセル
層上のドット領域に所定の破壊圧力を及ぼした状態で破
壊加熱温度を適用し、かつその破壊加熱温度を上昇させ
ると、該ドット領域内で所定の色のマイクロカプセルが
破壊される割合が増大し、これにより該所定の色の濃度
がドット領域内で変化させることが可能となる。このよ
うな感圧感熱記録媒体の製造について以下に具体的に説
明する。
【0081】先ず、イエローのマイクロカプセルの製造
について説明すると、熱溶融温度約100 度のマイクロク
リスタリンワックスをベンジンイエローGで着色した第
1のイエロー色材と、熱溶融温度約60度のパラフィンワ
ックスをベンジンイエローGで着色した第2のイエロー
色材が用意され、このとき両ワックスの着色濃度は一致
させられる。次いで、第1のイエロー色材を熱溶融させ
てスクリュー押出し機で棒状に成形し、この押出成形中
に第2のイエロー色材が添加させられ、その添加量は徐
々に増大させられる。なお、例えば、第1のイエロー色
材に対する第2のイエロー色材の添加量は全体の約50%
までとされる。このようにして得られた棒状イエロー色
材はその先端部からその後端に向かって第1のイエロー
色材に対する第2のイエロー色材の添加量が次第に増大
したものとなる。周知のように、高融点ワックス(マイ
クロクリスタリンワックス)に低融点ワックス(パラフ
ィンワックス)が混ぜられると、その混合物の見掛けの
融点は高融点ワックスの融点よりも低くなる。従って、
上述の棒状イエロー色材の溶融温度分布はその先端側
(90度)から後端側(60度)に向かって次第に低くな
る。
【0082】以上のようにして得られた棒状イエロー色
材はその固化後に例えばジェットミル等の粉砕機によっ
て微小粒子(10ミクロン以下) に粉砕されると、このイ
エロー色材の微小粒子群の温度/弾性係数特性について
は所定の範囲に渡る広がりのあるものとなる。即ち、図
22のグラフに示すように、第1のイエロー色材に対し
て第2のイエロー色材の50%を添加したイエロー色材
(即ち、棒状イエロー色材の後端側)から得られた微小
粒子の温度/弾性係数特性に則した温度/破壊圧力特性
は破線DY1 で示すようなものとなり、また棒状イエロ
ー色材の先端側から得られた微小粒子の温度/弾性係数
特性に則した温度/破壊圧力特性は破線DY2 で示すよ
うなものとなる。要するに、イエロー色材の微小粒子群
が60度まで加熱されると、該微小粒子群の一部の弾性係
数が零となって、その一部の微小粒子は可塑化して熱溶
融を開始し、その加熱温度が上昇するにつれ、熱溶融さ
れる微小粒子の割合が次第に増大し、加熱温度が90度に
達すると、微小粒子群が全て可塑化して熱溶融される。
【0083】以上で述べたイエロー色材の微粒子群はマ
イクロカプセル化され、このときマイクロカプセルの壁
膜は図19に示した実施形態の場合と同様に適当な熱硬
化性樹脂材料から形成されるが、その熱硬化性樹脂材料
は図22のグラフに示すような温度/弾性係数特性DY
を示すものとされる。同グラフから明らかなように、か
かる熱硬化性樹脂材料の弾性係数は0ないし150 度の温
度範囲では変化の少ないものとされる。図19に示した
実施形態の場合と同様、個々のマイクロカプセルはその
イエロー色材が固相を示す限り相当な圧力に耐え得る
が、しかし該イエロー色材が熱溶融したときにはその壁
膜は比較的低い圧力で破壊され得ることになり、どの程
度の圧力によって破壊させるかについては該壁膜の厚さ
を適宜調整することにより容易に決めることが可能であ
る。図22に示すように、イエロー色材を封入したマイ
クロカプセルは20MPa を越える圧力を受けたとき破壊さ
れ得ることになる。
【0084】次に、マゼンタのマイクロカプセルの製造
について述べると、熱溶融温度130度のオレフィンワッ
クスをローダミンレーキTで着色した第1のマゼンタ色
材と、熱溶融温度100 度のマイクロクリスタリンワック
スをローダミンレーキTで着色した第2のマゼンタ色材
が用意され、このとき両ワックスの着色濃度は一致させ
られる。次いで、第1のマゼンタ色材を熱溶融させてス
クリュー押出し機で棒状に成形し、この押出成形中に第
2のマゼンタ色材が添加させられ、その添加量は徐々に
増大させられる。なお、例えば、第1のマゼンタ色材に
対する第2のマゼンタ色材の添加量は全体の約50%まで
とされる。このようにして得られた棒状マゼンタ色材は
その先端部からその後端に向かって第1のマゼンタ色材
に対する第2のマゼンタ色材の添加量が次第に増大した
ものとなる。従って、上述した棒状イエロー色材と同様
に、上述の棒状マゼンタ色材の溶融温度分布はその先端
側(120 度)から後端側(100 度)に向かって次第に低
くなる。
【0085】以上のようにして得られた棒状マゼンタ色
材はその固化後に例えばジェットミル等の粉砕機によっ
て微小粒子(10ミクロン以下) に粉砕されると、このマ
ゼンタ色材の微小粒子群の温度/弾性係数特性は所定の
範囲に渡る広がりのあるものとなる。即ち、図22のグ
ラフに示すように、第1のマゼンタ色材に対して第2の
マゼンタ色材の50%を添加したマゼンタ色材(即ち、棒
状マゼンタ色材の後端側)から得られた微小粒子の温度
/弾性係数特性に則した温度/破壊圧力特性は破線DM
1 で示すようなものとなり、また棒状マゼンタ色材の先
端部側から得られた微小粒子の温度/弾性係数特性に則
した温度/破壊圧力特性は破線DM2 で示すようなもの
となる。要するに、マゼンタ色材の微小粒子群が100 度
まで加熱されると、該微小粒子群の一部の弾性係数が零
となって、その一部の微小粒子は可塑化して熱溶融を開
始し、その加熱温度が上昇するにつれ、熱溶融される微
小粒子の割合が次第に増大し、加熱温度が120 度に達す
ると、微小粒子群が全て可塑化してが熱溶融される。
【0086】以上で述べたマゼンタ色材の微粒子群はマ
イクロカプセル化され、このときマイクロカプセルの壁
膜は図19に示した実施形態の場合と同様に適当な熱硬
化性樹脂材料から形成されるが、その熱硬化性樹脂材料
は図22のグラフに示すような温度/弾性係数特性DM
を示すものとされる。同グラフから明らかなように、か
かる熱硬化性樹脂材料の弾性係数は0ないし150 度の温
度範囲では変化の少ないものとされる。図19に示した
実施形態の場合と同様、個々のマイクロカプセルはその
マゼンタ色材が固相を示す限り相当な圧力に耐え得る
が、しかし該マゼンタ色材が熱溶融したときにはその壁
膜は比較的低い圧力で破壊され得ることになり、どの程
度の圧力によって破壊させるかについては該壁膜の厚さ
を適宜調整することにより容易に決めることが可能であ
る。図22に示すように、マゼンタ色材を封入したマイ
クロカプセルは2.0MPaと20MPa との間の圧力を受けたと
き破壊され得ることになる。
【0087】続いて、シアンのマイクロカプセルの製造
について述べると、熱溶融温度150度のPP(ポリプロ
ピレン)ワックスをフタロシアニンブルーで着色した第
1のシアン色材と、熱溶融温度130 度のオレフィンワッ
クスをフタロシアニンブルーで着色した第2のシアン色
材が用意され、このとき両ワックスの着色濃度は一致さ
せられる。次いで、第1のシアン色材を熱溶融させてス
クリュー押出し機で棒状に成形し、この押出形成中に第
2のシアン色材が添加させられ、その添加量は徐々に増
大させられる。なお、例えば、第1のシアン色材に対す
る第2のシアン色材の添加量は全体の約50%までとされ
る。このようにして得られた棒状シアン色材はその先端
部側から後端部側に向かって第1のシアン色材に対する
第2のシアン色材の添加量が次第に増大したものとな
る。従って、上述した棒状イエロー色材と同様に、上述
の棒状シアン色材の溶融温度分布はその先端側(150
度)から後端側(150 度)に向かって次第に低くなる。
【0088】以上のようにして得られた棒状シアン色材
はその固化後に例えばジェットミル等の粉砕機によって
微小粒子(10ミクロン以下) に粉砕されると、このシア
ン色材の微小粒子群の温度/弾性係数特性は所定の範囲
に渡る広がりのあるものとなる。即ち、図22のグラフ
に示すように、第1のシアン色材に対して第2のシアン
色材の50%を添加したシアン色材(即ち、棒状シアン色
材の後端部側)から得られた微小粒子の温度/弾性係数
特性に則した温度/破壊圧力特性は破線DC1で示すよ
うなものとなり、また棒状シアン色材の先端部側から得
られた微小粒子の温度/弾性係数特性に則した温度/破
壊圧力特性は破線DC2 で示すようなものとなる。要す
るに、シアン色材の微小粒子群が130 度まで加熱される
と、該微小粒子群の一部の弾性係数が零となって、その
一部の微小粒子は可塑化して熱溶融を開始し、その加熱
温度が上昇するにつれ、熱溶融される微小粒子の割合が
次第に増大し、加熱温度が150 度に達すると、微小粒子
群が全て可塑化してが熱溶融される。
【0089】以上で述べたシアン色材の微粒子群はマイ
クロカプセル化され、このときマイクロカプセルの壁膜
は図19に示した実施形態の場合と同様に適当な熱硬化
性樹脂材料から形成されるが、その熱硬化性樹脂材料は
図22のグラフに示すような温度/弾性係数特性DCを
示すものとされる。同グラフから明らかなように、かか
る熱硬化性樹脂材料の弾性係数は0ないし150 度の温度
範囲では変化の少ないものとされる。図19に示した実
施形態の場合と同様、個々のマイクロカプセルはそのシ
アン色材が固相を示す限り相当な圧力に耐え得るが、し
かし該シアン色材が熱溶融したときにはその壁膜は比較
的低い圧力で破壊され得ることになり、どの程度の圧力
によって破壊させるかについては該壁膜の厚さを適宜調
整することにより容易に決めることが可能である。図2
2に示すように、シアン色材を封入したマイクロカプセ
ルは0.2MPaと2.0MPaとの間の圧力を受けたとき破壊され
得ることになる。
【0090】以上に述べたような2つのタイプ(イエロ
ー、マゼンタ、シアン)のマイクロカプセルの等量を適
当なバインダ溶液中に均一に懸濁させて用紙(12)上
に塗布してマイクロカプセル層(14)を形成し、その
マイクロカプセル層(14)に必要に応じて透明保護シ
ート(16)で覆うことにより、感圧感熱記録媒体が得
られることになる。このような感圧感熱記録媒体には図
7に示すような感圧感熱記録媒体によってカラー画像を
形成し得ると共に該カラー画像を形成するドット領域自
体の色の階調を変化させることが可能となる。勿論、こ
の場合には、図7に示すような感圧感熱記録装置にあっ
ては、第1のプラテン(32Y)は第1の圧力付与ばね
手段(34Y)によって20MPa を越える圧力で第1のサ
ーマルヘッド(30Y)に対して押圧させられ、第2の
プラテン(32M)は第2の圧力付与ばね手段(34
M)によって2.0MPaと20MPa との間の圧力で第1のサー
マルヘッド(30M)に対して押圧させられ、第3のプ
ラテン(32C)は第3の圧力付与ばね手段(34C)
によって0.2MPaと2.0MPaとの間の圧力で第3のサーマル
ヘッド(30C)に対して押圧させられる。
【0091】第1のサーマルヘッド(30Y)の発熱素
子即ち電気抵抗素子(40)の通電時間(即ち、発熱温
度)は個々のイエロー画素信号に伴われる濃度信号即ち
階調信号によって制御されるが、その発熱温度は60度と
90度との間の温度範囲に含まれるようにされる。本実施
形態では、イエロー画素信号に伴われる階調信号につい
ては例えば3−ビット構成とすることが可能であり、こ
の場合には個々のドット領域でのイエロー発色を8階調
で表現するとができる。
【0092】詳述すると、1ビットのイエロー画像信号
と3ビットの階調信号との組合せにより、第1のサーマ
ルヘッド(30Y)の電気抵抗素子(40)の通電時間
は例えば下記の表のように制御される。
【表1】
【0093】上記表に示すように、イエロー画素信号が
[1]であるときには、3ビット階調信号には[00
0]与えられ、このとき第1のサーマルヘッド(30
Y)の該当電気抵抗素子(40)の通電は行われず、そ
の電気抵抗素子(40)によって規定されるドット領域
でのイエローマイクロカプセルの破壊は行われない。即
ち、該ドット領域は白発色領域とされる。イエロー画素
信号が[1]であるときには、3ビット階調信号には
[001]から[111]までのいずれかの値が与えら
れ、その数値が増大するにつれて、個々の画素信号に伴
う濃度信号によってに温度となるように制御され、第1
のサーマルヘッド(30Y)の該当電気抵抗素子(4
0)の通電が長くされ、その電気抵抗素子(40)によ
って規定されるドット領域でのイエローマイクロカプセ
ルの破壊の割合が増やされ、3ビット階調信号が[11
1]のとき、電気抵抗素子(40)の通電時間は最長と
され、そのときの発熱温度は90度とされ、これによりド
ット領域内のイエローマイクロカプセルの全てが破壊さ
れる。要するに、電気抵抗素子(40)の通電時間が長
くなればなる程、ドット領域のイエロー発色濃度は増大
し、この実施形態ではイエロー発色について8階調の表
現が可能となる。
【0094】第2のサーマルヘッド(30M)の電気抵
抗素子(40)の通電時間(即ち、発熱温度)も個々の
マゼンタ画素信号に伴われる3−ビット構成の階調信号
によって制御されるが、その発熱温度は100 度と120 度
との間の温度範囲に含まれるようにされ、しかもその範
囲内で発熱温度が階調信号の数値の増大に伴って次第に
上昇させられ、上述の場合と同様に、各ドット領域での
マゼンタの発色についても8階調の表現が可能となる。
また、第3のサーマルヘッド(30C)の電気抵抗素子
(40)の通電時間(即ち、発熱温度)も個々のシアン
画素信号に伴われる3−ビット構成の階調信号によって
制御されるが、その発熱温度は130 度と150 度との間の
温度範囲に含まれるようにされ、しかもその範囲内で発
熱温度が階調信号の数値の増大に伴って次第に上昇させ
られ、上述の場合と同様に、各ドット領域でのシアンの
発色についても8階調の表現が可能となる。
【0095】なお、本実施形態では、階調信号を4−ビ
ット構成とすることも可能であり、この場合には各色に
ついて16階調の濃度表現が可能となり、更に多くの階調
で濃度表現を行う場合には階調信号を4ビット以上する
こともできる。
【0096】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば、サーマルヘッドで得られるドット単位で階調
表現ができるので、記録画像の解像度を劣化させること
なく該記録画像にハーフトーンを与えることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による感圧感熱記録媒体の一実施形態の
一部を模式的に示す概略断面図である。
【図2】図1に示す感圧感熱記録媒体のマイクロカプセ
ル層を構成する第1のマイクロカプセル、第2のマイク
ロカプセル、第3のマイクロカプセル、第4のマイクロ
カプセル、第5のマイクロカプセル及び第6のマイクロ
カプセルを模式的に示す断面図である。
【図3】マイクロカプセルの壁膜を形成する形状記憶樹
脂の縦弾性係数と温度との関係を示すグラフである。
【図4】図2に示す第1ないし第6のマイクロカプセル
の壁膜のガラス転移温度と該壁膜の破壊圧力との関係を
示すグラフである。
【図5】第1の感圧感熱記録媒体上でのドット単位によ
る第のマイクロカプセルの発色例を模式的に示す模式図
である。
【図6】図5と同様な模式図であって、第1のマイクロ
カプセルと第2のマイクロカプセルによる発色例を示す
模式図である。
【図7】図1の感圧感熱記録媒体にカラー画像記録を行
う感圧感熱記録装置の一実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図8】図7の感圧感熱記録装置のサーマルヘッドの制
御ブロック図である。
【図9】図8の制御ブロック図の動作を説明するタイミ
ングチャートである。
【図10】図1の感圧感熱記録媒体にカラー画像記録を
行う感圧感熱記録装置の別の実施形態を示す概略斜視図
である。
【図11】本発明による感圧感熱記録媒体の別の実施形
態の一部を模式的に示す概略断面図である。
【図12】図11に示す感圧感熱記録媒体のマイクロカ
プセル層を構成する第1のマイクロカプセル、第2のマ
イクロカプセル、第3のマイクロカプセル、第4のマイ
クロカプセル、第5のマイクロカプセル及び第6のマイ
クロカプセルを模式的に示す断面図である。
【図13】図12に示す第1ないし第6のマイクロカプ
セルの壁膜のガラス転移温度と該壁膜の破壊圧力との関
係を示すグラフである。
【図14】図11の感圧感熱記録媒体上でのドット単位
による第1のマイクロカプセルの発色例を模式的に示す
模式図である。
【図15】図14と同様な模式図であって、第2のマイ
クロカプセルによる発色例を示す模式図である。
【図16】図14と同様な模式図であって、第1のマイ
クロカプセルと第2のマイクロカプセルによる発色例を
示す模式図である。
【図17】図11の感圧感熱記録媒体にカラー画像記録
を行う感圧感熱記録装置の一実施形態を示す概略断面図
である。
【図18】本発明による感圧感熱記録媒体の更に別の実
施形態の一部を模式的に示す概略断面図である。
【図19】図12に示す6つのタイプのマイクロカプセ
ルと置き換え得る別の6つのタイプのマイクロカプセル
を示す模式的に示す断面図である。
【図20】図19に示した6つのタイプのマイクロカプ
セルのそれぞれのワックスタイプの色材の弾性係数とそ
れぞれのカプセル壁膜の弾性係数/温度特性を示すグラ
フである。
【図21】図20に示した6つのタイプのマイクロカプ
セルの破壊圧力/加熱温度特性を示すグラフである。
【図22】本発明による感圧感熱記録媒体の更に別の実
施形態で用いられる三原色のマイクロカプセルの破壊圧
力/加熱温度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 感圧感熱記録媒体 12 用紙(支持体) 14 マイクロカプセル層 18Y1 第1のマイクロカプセル 18Y2 第2のマイクロカプセル 18M1 第3のマイクロカプセル 18M2 第4のマイクロカプセル 18C1 第5のマイクロカプセル 18C2 第6のマイクロカプセル 28 サーマルヘッド支持体 30Y 第1のサーマルヘッド 30M 第2のサーマルヘッド 30C 第3のサーマルヘッド 32Y 第1のプラテン 32M 第2のプラテン 32C 第3のプラテン 34Y 第1の圧力付与ばね手段 34M 第2の圧力付与ばね手段 34C 第3の圧力付与ばね手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 克佳 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 古澤 宏一 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、この支持体の表面に塗布され
    たマイクロカプセル層とから成る感圧感熱記録媒体にお
    いて、 前記マイクロカプセル層が少なくとも第1のマイクロカ
    プセル及び第2のマイクロカプセルを前記支持体の表面
    に均一に分布させることにより形成され、前記第1のマ
    イクロカプセルには第1の色の色材が封入され、前記第
    2のマイクロカプセルには前記第1の色と同じ色の色材
    が封入され、前記第1のマイクロカプセルが第1の加熱
    温度下でかつ第1の破壊圧力下で破壊されるような温度
    圧力破壊特性を有し、前記第2のマイクロカプセルが第
    2の加熱温度下でかつ前記第1の破壊圧力下で破壊され
    るような温度圧力破壊特性を有することを特徴とする感
    圧感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第1及び第2のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第1の色材の濃度が同じであることを特徴とする感
    圧感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第1及び第2のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第1の色材の濃度が異なっていることを特徴とする
    感圧感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項に記
    載の感圧感熱記録媒体において、前記マイクロカプセル
    層には前記第1及び第2のマイクロカプセルに加えて第
    3のマイクロカプセル及び第4のマイクロカプセルが均
    一に分布させられ、前記第3のマイクロカプセルには第
    2の色の色材が封入され、前記第4のマイクロカプセル
    には前記第2の色と同じ色の色材が封入され、前記第3
    のマイクロカプセルが第3の加熱温度下でかつ第2の破
    壊圧力下で破壊されるような温度圧力破壊特性を有し、
    前記第4のマイクロカプセルが第4の加熱温度下でかつ
    前記第2の破壊圧力下で破壊されるような温度圧力破壊
    特性を有することを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第3及び第4のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第2の色材の濃度が同じであることを特徴とする感
    圧感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第3及び第4のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第2の色材の濃度が異なっていることを特徴とする
    感圧感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項4から6までのいずれか1項に記
    載の感圧感熱記録媒体において、前記マイクロカプセル
    層には前記第1、第2、第3及び第4のマイクロカプセ
    ルに加えて第5のマイクロカプセル及び第6のマイクロ
    カプセルが均一に分布させられ、前記第5のマイクロカ
    プセルには第3の色の色材が封入され、前記第6のマイ
    クロカプセルには前記第3の色と同じ色の色材が封入さ
    れ、前記第5のマイクロカプセルが第5の加熱温度下で
    かつ第3の破壊圧力下で破壊されるような温度圧力破壊
    特性を有し、前記第6のマイクロカプセルが第6の加熱
    温度下でかつ前記第3の破壊圧力下で破壊されるような
    温度圧力破壊特性を有することを特徴とする感圧感熱記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第5及び第6のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第3の色材の濃度が同じであることを特徴とする感
    圧感熱記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の感圧感熱記録媒体にお
    いて、前記第5及び第6のマイクロカプセル内のそれぞ
    れの第3の色材の濃度が異なっていることを特徴とする
    感圧感熱記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項7から8までのいずれか1項に
    記載の感圧感熱記録媒体において、前記第1、第2及び
    第3の色が減色法に基づく三原色であることを特徴とす
    る感圧感熱記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記マイクロカプセル層上にブラック色材を
    封入したマイクロカプセルが均一に塗布されることを特
    徴とする感圧感熱記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項7から11までのいずれか1項
    に記載の感圧感熱記録媒体において、前記第1、第2、
    第3の色が全て同一色であることを特徴とする感圧感熱
    記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項1から3までのいずれか1項に
    記載の感圧感熱記録媒体を用いる感圧感熱記録装置であ
    って、 画素単位の発熱素子を持つサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドの発熱素子を前記第1及び第2の加
    熱温度のいずれかに選択的に加熱するためのサーマルヘ
    ッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記サーマルヘッドを通過する
    際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊圧力を
    及ぼす圧力付与手段とを具備して成る感圧感熱記録装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項4から6までのいずれか1項に
    記載の感圧感熱記録媒体を用いる感圧感熱記録装置であ
    って、 画素単位の発熱素子を持つ第1のサーマルヘッドと、 前記第1のサーマルヘッドの発熱素子を前記第1及び第
    2の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第1
    のサーマルヘッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第1のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊
    圧力を及ぼす第1の圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘッドと、 前記第2のサーマルヘッドの発熱素子を前記第3及び第
    4の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第2
    のサーマルヘッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第2のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第2の破壊
    圧力を及ぼす第2の圧力付与手段とを具備して成る感圧
    感熱記録装置。
  15. 【請求項15】 請求項7から10までのいずれか1項
    に記載の感圧感熱記録媒体を用いる感圧感熱記録装置で
    あって、 画素単位の発熱素子を持つ第1のサーマルヘッドと、 前記第1のサーマルヘッドの発熱素子を前記第1及び第
    2の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第1
    のサーマルヘッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第1のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊
    圧力を及ぼす第1の圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘッドと、 前記第2のサーマルヘッドの発熱素子を前記第3及び第
    4の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第2
    のサーマルヘッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第2のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第2の破壊
    圧力を及ぼす第2の圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第3のサーマルヘッドと、 前記第3のサーマルヘッドの発熱素子を前記第5及び第
    6の加熱温度のいずれかに選択的に加熱するための第3
    のサーマルヘッド駆動手段と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第3のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第3の破壊
    圧力を及ぼす第3の圧力付与手段とを具備して成る感圧
    感熱記録装置。
  16. 【請求項16】 支持体と、この支持体の表面に塗布さ
    れたマイクロカプセル層とから成る感圧感熱記録媒体に
    おいて、 前記マイクロカプセル層が少なくとも第1のマイクロカ
    プセル及び第2のマイクロカプセルを前記支持体の表面
    に均一に分布させることにより形成され、前記第1のマ
    イクロカプセルには第1の色の色材が封入され、前記第
    2のマイクロカプセルには前記第1の色と同じ色の色材
    が封入されるが、その濃度が前記第1のマイクロカプセ
    ルの色材の濃度とは異なり、前記第1及び第2のマイク
    ロカプセルがそれぞれ第1及び第2の加熱温度下でかつ
    第1の破壊圧力及び第2の破壊圧力下で破壊されるよう
    な温度圧力破壊特性を有することを特徴とする感圧感熱
    記録媒体。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記マイクロカプセル層には前記第1及び第
    2のマイクロカプセルに加えて第3のマイクロカプセル
    及び第4のマイクロカプセルが均一に分布させられ、前
    記第3のマイクロカプセルには第2の色の色材が封入さ
    れ、前記第4のマイクロカプセルには前記第2の色と同
    じ色の色材が封入されるが、その濃度が前記第3のマイ
    クロカプセルの色材の濃度とは異なり、前記第3及び第
    4のマイクロカプセルがそれぞれ第3及び第4の加熱温
    度下でかつ第3の破壊圧力及び第4の破壊圧力下で破壊
    されるような温度圧力破壊特性を有することを特徴とす
    る感圧感熱記録媒体。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記マイクロカプセル層には前記第1、第
    2、第3び第4のマイクロカプセルに加えて第5のマイ
    クロカプセル及び第6のマイクロカプセルが均一に分布
    させられ、前記第5のマイクロカプセルには第3の色の
    色材が封入され、前記第6のマイクロカプセルには前記
    第3の色と同じ色の色材が封入されるが、その濃度が前
    記第5のマイクロカプセルの色材の濃度とは異なり、前
    記第5及び第6のマイクロカプセルがそれぞれ第5及び
    第6の加熱温度下でかつ第5の破壊圧力及び第6の破壊
    圧力下で破壊されるような温度圧力破壊特性を有するこ
    とを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記第1、第2及び第3の色が減色法に基づ
    く三原色であることを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  20. 【請求項20】 請求項18に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記マイクロカプセル層上にブラック色材を
    封入したマイクロカプセルが均一に塗布されることを特
    徴とする感圧感熱記録媒体。
  21. 【請求項21】 請求項18から20までのいずれか1
    項に記載の感圧感熱記録媒体において、前記第1、第
    2、第3の色が全て同一色であることを特徴とする感圧
    感熱記録媒体。
  22. 【請求項22】 請求項16に記載の感圧感熱記録媒体
    を用いる感圧感熱記録装置であって、 画素単位の発熱素子を持つ第1のサーマルヘッドと、 前記第1のサーマルヘッドの発熱素子を前記第1の加熱
    温度に加熱するための第1のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第1のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘッドと、 前記第2のサーマルヘッドの発熱素子を前記第2の加熱
    温度に加熱するための第2のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第2のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第2の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備して成る感圧感熱記
    録装置。
  23. 【請求項23】 請求項17に記載の感圧感熱記録媒体
    を用いる感圧感熱記録装置であって、 画素単位の発熱素子を持つ第1のサーマルヘッドと、 前記第1のサーマルヘッドの発熱素子を前記第1の加熱
    温度に加熱するための第1のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第1のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘッドと、 前記第2のサーマルヘッドの発熱素子を前記第2の加熱
    温度に加熱するための第2のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第2のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第2の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第3のサーマルヘッドと、 前記第3のサーマルヘッドの発熱素子を前記第3の加熱
    温度に加熱するための第3のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第3のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第3の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第4のサーマルヘッドと、 前記第4のサーマルヘッドの発熱素子を前記第4の加熱
    温度に加熱するための第4のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第4のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第4の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備して成る感圧感熱記
    録装置。
  24. 【請求項24】 請求項18又は19に記載の感圧感熱
    記録媒体を用いる感圧感熱記録装置であって、 画素単位の発熱素子を持つ第1のサーマルヘッドと、 前記第1のサーマルヘッドの発熱素子を前記第1の加熱
    温度に加熱するための第1のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第1のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第1の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第2のサーマルヘッドと、 前記第2のサーマルヘッドの発熱素子を前記第2の加熱
    温度に加熱するための第2のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第2のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第2の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第3のサーマルヘッドと、 前記第3のサーマルヘッドの発熱素子を前記第3の加熱
    温度に加熱するための第3のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第3のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第3の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第4のサーマルヘッドと、 前記第4のサーマルヘッドの発熱素子を前記第4の加熱
    温度に加熱するための第4のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第4のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第4の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第5のサーマルヘッドと、 前記第5のサーマルヘッドの発熱素子を前記第5の加熱
    温度に加熱するための第5のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第5のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第5の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段と、 画素単位の発熱素子を持つ第6のサーマルヘッドと、 前記第6のサーマルヘッドの発熱素子を前記第6の加熱
    温度に加熱するための第6のサーマルヘッド駆動手段
    と、 前記感圧感熱記録媒体が前記第6のサーマルヘッドを通
    過する際に該感圧感熱記録媒体に対して前記第6の破壊
    圧力を及ぼす圧力付与手段とを具備して成る感圧感熱記
    録装置。
  25. 【請求項25】 支持体と、この支持体の表面に塗布さ
    れたマイクロカプセル層とから成る感圧感熱記録媒体に
    おいて、 前記マイクロカプセル層が少なくとも第1のマイクロカ
    プセルを前記支持体の表面に均一に分布させることによ
    り形成され、前記第1のマイクロカプセルには第1の色
    の色材が封入され、前記第1のマイクロカプセルが第1
    の破壊圧力下でかつ第1の破壊温度範囲内で選択的に破
    壊されるようになった温度圧力破壊特性を有し、前記第
    1の破壊温度範囲内での温度上昇に伴って前記第1のマ
    イクロカプセルが破壊される割合が次第に増大させられ
    ることを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記第1のマイクロカプセル中の第1の色の
    色材が常温で固相を呈するワックスタイプの色材からな
    り、これらワックスタイプの色材には前記第1の破壊温
    度範囲内での温度上昇に伴って該色材が熱溶融される割
    合が次第に増大させられるような温度/弾性係数特性が
    与えられることを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  27. 【請求項27】 請求項25または26に記載の感圧感
    熱記録媒体において、前記マイクロカプセル層には前記
    第1のタイプのマイクロカプセルに加えて第2のマイク
    ロカプセルが均一に分布させられ、前記第2のマイクロ
    カプセルには第2の色の色材が封入され、前記第2のマ
    イクロカプセルが第2の破壊圧力下でかつ第2の破壊温
    度範囲内で選択的に破壊されるようになった温度圧力破
    壊特性を有し、前記第2の破壊温度範囲内での温度上昇
    に伴って前記第2のマイクロカプセルが破壊される割合
    が次第に増大させられることを特徴とする感圧感熱記録
    媒体。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記第2のマイクロカプセル中の第2の色の
    色材が常温で固相を呈するワックスタイプの色材からな
    り、これらワックスタイプの色材には前記第2の破壊温
    度範囲内での温度上昇に伴って該色材が熱溶融される割
    合が次第に増大させられるような温度/弾性係数特性が
    与えられることを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  29. 【請求項29】 請求項25から28までのいずれか1
    項に記載の感圧感熱記録媒体において、前記マイクロカ
    プセル層には前記第1及び第2のタイプのマイクロカプ
    セル層に加えて第3のマイクロカプセルが均一に分布さ
    せられ、前記第3のマイクロカプセルには第3の色の色
    材が封入され、前記第3のマイクロカプセルが第3の破
    壊圧力下でかつ第3の破壊温度範囲内で選択的に破壊さ
    れるようになった温度圧力破壊特性を有し、前記第3の
    破壊温度範囲内での温度上昇に伴って前記第3のマイク
    ロカプセルが破壊される割合が次第に増大させられるこ
    とを特徴とする感圧感熱記録媒体。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の感圧感熱記録媒体
    において、前記第3のマイクロカプセル中の第3の色の
    色材が常温で固相を呈するワックスタイプの色材からな
    り、これらワックスタイプの色材には前記第3の破壊温
    度範囲内での温度上昇に伴って該色材が熱溶融される割
    合が次第に増大させられるような温度/弾性係数特性が
    与えられることを特徴とする感圧感熱記録媒体。
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