JPH11314453A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

インクジェット用記録媒体

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JPH11314453A
JPH11314453A JP11050939A JP5093999A JPH11314453A JP H11314453 A JPH11314453 A JP H11314453A JP 11050939 A JP11050939 A JP 11050939A JP 5093999 A JP5093999 A JP 5093999A JP H11314453 A JPH11314453 A JP H11314453A
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悦子 小笠原
Atsushi Sugiyama
淳 杉山
Yukari Sano
ゆかり 佐野
Katsuhiko Haga
勝彦 羽賀
Shinya Yamagake
真也 山懸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のインクジェット用記録媒体の問題点で
ある耐光性を改善するための添加剤の水に対する溶解性
の改善を図り、コーティング液の記録媒体への均一コー
ティングの困難性を解消し、優れた印刷品質を有し、イ
ンク吸収性、耐光性、耐水性に優れたインクジェット用
記録媒体を提供すること。 【解決手段】 基材と、少なくともインク受容層とを有
するインクジェット用記録媒体であって、インク受容層
に顔料を含有し、基材及び/又はコーティング層の内の
少なくとも一つの層にリチウム化合物を含有するインク
ジェット用記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体、特に、耐光性、耐水性、インク吸収性に優れ
たインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録媒体としては通常の紙が使用
されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化等の
インクジェット用記録装置の性能向上にともない、イン
クジェット用記録用紙と呼ばれる、多孔質のインク受容
層を基材上に設け、インク吸収性を高めたインクジェッ
ト用記録媒体が開発されている。
【0003】また、スライドやOHP等の光学機器の発
達にともない、それらの光学機器に用いられる記録媒体
として、インクジェット用記録装置を用いて記録される
プラスチックフイルム等の透明性の基材を用いたインク
ジェット用記録媒体も提案されている。
【0004】そして、これらの記録媒体が、光、特に高
エネルギーである紫外線により劣化することから、それ
らの記録媒体に紫外線吸収剤を使用することが提案され
ている(特開平8−143795号公報)。また、記録
媒体上の染料と反応させて、染料を耐光性化することに
より記録媒体の耐光性を改善するために、記録媒体にリ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸、塩化第二クロム
等を使用することもことも提案されている(特開昭57
−87987号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来、
記録媒体の耐光性を改善するために種々の添加剤の使用
が提案されているが、紫外線吸収剤の多くは、いずれも
水不溶性乃至は水難溶性であって、コーティング液に添
加できる量はわずかで、耐光性の改善において充分では
ない。また、それらを含有したコーティング液を記録媒
体上に均一にコーティングすることが困難であったり、
それらを含有したコーティング層の面には水系インクが
なじみにくく印刷品質が劣ったり、耐水性が良くなかっ
たりしていた。また、リンタングステン酸、リンモリブ
デン酸、塩化第二クロム等は、安全性の問題があった
り、不溶性の沈殿を生じる可能性があり、それらの種々
の添加剤をインクジェット用記録媒体に使用することに
は問題があった。
【0006】また、インクジェット記録の高速化、多色
化、高画質化の要望もあって、インク吸収性に関する改
良手段も種々提案されているが、必ずしも十分なインク
吸収性を有する記録媒体が得られていないのが現状であ
る。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、従来のインクジ
ェット用記録媒体の問題点である記録媒体の耐光性、耐
水性及びインク吸収性を改善するとともに、さらには水
に対する溶解または分散性の良好な添加剤を用いること
によってコーティング液の記録媒体への均一コーティン
グを容易にし、優れた印刷品質をも有するインクジェッ
ト用記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インク受
容層に顔料を含有せしめることによりインク吸収性に優
れた記録媒体が、基材及び/又はコーティング層の内の
少なくとも一つの層に、水溶性の化合物の中でもリチウ
ム化合物を添加することによって、耐光性、耐水性に優
れることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0009】即ち、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、「基材と少なくともインク受容層とを有するイ
ンクジェット用記録媒体であって、インク受容層に顔料
を含有し、基材及び/又はコーティング層の内の少なく
とも一つの層にリチウム化合物を含有することを特徴と
するインクジェット用記録媒体。」(請求項1)を要旨
(発明を特定する事項)とし、 ・前記リチウム化合物が、リチウム化合物含有層に固形
分で、0.1〜20g/m2含有されていること(請求項
2)、により一段と優れた耐光性を有するものであるこ
と、 ・前記リチウム化合物含有層が、インク受容層であるこ
と(請求項3)、即ち、コーティング層の内の少なくと
も一つの層が、リチウム化合物を含有するインク受容層
であること、によりリチウム化合物と染料等の色材が近
接することになつてその作用が一段と増して、より耐光
性の改善がなされること、 ・前記基材にリチウム化合物を含有すること(請求項
4)、によりスライドやOHP等の光学機器に使用され
る透明なフイルムに使用した場合に、特に耐光性の改善
がなされること、 ・前記リチウム化合物が、塩化リチウム、水酸化リチウ
ム、リチウムシリケートから選ばれる少なくとも1種類
の化合物であること(請求項5)、により一段と優れた
耐光性を有するものであること、 ・前記顔料が、シリカで、平均粒径が1〜20μmである
こと(請求項6)、により優れたインク吸収性を有する
インク受容層を得ることができること、 ・前記顔料が、非晶質微細シリカで、インク受容層に0.
1〜20g/m2含有されていること(請求項7)、により
優れたインク吸収性を有するインク受容層を得ることが
できること、 ・前記非晶質微細シリカは、1次粒子の平均粒径が3〜
40nmで、2次粒子の平均粒径が10〜300nmであるこ
と(請求項8)、により一段と優れたインク吸収性を有
するインク受容層を得ることができること、 ・前記非晶質微細シリカが、全顔料のうちの50重量%以
上であること( 請求項9)により一段と優れたインク
吸収性を有するインク受容層を得ることができること、 ・前記顔料が、アルミナ水和物であること(請求項1
0)により優れたインク吸収性を有するインク受容層を
得ることができること、 を特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、インク受容層が、優れ
たインク吸収性を有し、基材及び/又はコーティング層
の内の少なくとも一つの層が、耐光性、耐水性を有する
ことを特徴とするインクジェット用記録媒体である。即
ち、本発明に係るインクジェット用記録媒体は、インク
受容層にシリカ(中でも非晶質微細シリカ)、アルミナ
水和物(中でも擬ベーマイト)を含有させたことによ
る、優れたインク吸収性のインク受容層を有し、基材及
び/又はコーティング層の内の少なくとも一つの層、に
リチウム化合物を含有させることにより、耐光性、耐水
性を向上させた基材及び/又は耐光性、耐水性を向上さ
せた層を少なくとも一つ有するインクジェット用記録媒
体である。本発明に係るインクジェット用記録媒体は、
基材とインク受容層のみ、又は基材とインク受容層の他
に、更に耐光性を向上させるために紫外線吸収層を設け
ても良いし、また、光沢感を出すために光沢層を設けて
も良い。本発明に係るインクジェット用記録媒体におい
て、「コーティング層」とは、少なくともインク受容層
を有し、更に、紫外線吸収層、光沢層等の層を1層以上
有することがある層(単層又は複層の構造を形成)を表
わす。
【0011】本発明の実施の形態を以下に例示するが、
本発明は、以下の第1〜4の実施の形態に限定されるも
のではなく、前記の発明を特定する事項の範囲内で適宜
変更することができるものである。
【0012】(第1の実施形態)基材と少なくともイン
ク受容層とを有するインクジェット用記録媒体であっ
て、コーティング層の内の少なくとも一つの層が、リチ
ウム化合物と顔料とを含有するインク受容層であり、更
に、紫外線吸収層、光沢層の内の少なくとも一つの層を
有することがあるインクジェット用記録媒体。
【0013】(第2の実施形態)基材と少なくともイン
ク受容層とを有するインクジェット用記録媒体であっ
て、リチウム化合物を含有する基材と、顔料を含有する
インク受容層とを有し、更に、紫外線吸収層、光沢層の
内の少なくとも一つの層を有することがあるインクジェ
ット用記録媒体。
【0014】(第3の実施形態)基材と少なくともイン
ク受容層とを有するインクジェット用記録媒体であっ
て、リチウム化合物を含有する基材と、リチウム化合物
と顔料とを含有するインク受容層とを有し、更に、紫外
線吸収層、光沢層の内の少なくとも一つの層を有するこ
とがあるインクジェット用記録媒体。
【0015】(第4の実施形態)基材と少なくともイン
ク受容層とを有するインクジェット用記録媒体であっ
て、リチウム化合物を含有する紫外線吸収層及び/又は
光沢層と、顔料を含有するインク受容層とを有するイン
クジェット用記録媒体。
【0016】本発明に係るインクジェット用記録媒体に
おいて用いられるリチウム化合物としては、塩化リチウ
ム、ヨウ化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リ
チウム、水酸化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウ
ム、亜硫酸リチウム、亜硝酸リチウム、炭酸水素リチウ
ム、リン酸水素リチウム、塩素酸リチウム、酢酸リチウ
ム、リチウムシリケート等が挙げられる。中でも、塩化
リチウム、水酸化リチウム、リチウムシリケートが特に
好ましい。リチウムシリケートは、市販されているも
の、例えば、LLS-35,LLS45,LLS75(日産化学株式会社)等
が使用可能である。
【0017】記録媒体の基材としては、紙又はプラスチ
ック製のシート状のものが使用され光透過性のもの、光
不透過性のもののどちらでも使用される。そのような基
材としては、従来公知の基材はいずれも使用でき、例え
ば、紙としては、天然セルロース繊維を主体として木材
パルプもしくは非木材パルプのパルプ原料から成るもの
が挙げられ、プラスチック材料としては、ポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド
等が挙げられる。
【0018】基材にリチウム化合物を含有させる場合に
は、基材が紙であれば、公知の方法で抄紙後、リチウム
化合物を水に溶解または分散させた液に浸漬させるか、
または、リチウム化合物を水に溶解または分散させた液
を塗布あるいは噴霧する等の方法をとることができる。
別の方法としては、抄紙原料にリチウム化合物を混合し
て、公知の方法で抄紙することもできる。また、基材が
プラスチックであれば、上記の樹脂を適当な溶剤に溶解
又は分散させ、これにリチウム化合物を添加し、公知の
方法でシート状に形成できる。
【0019】インク受容層は、単一の層からなるもので
も複層構造からなるものでも良く、コーティング液にシ
リカ(中でも非晶質微細シリカ)及び/又はアルミナ水
和物(中でも擬ベーマイト)を含有せしめ、更にリチウ
ム化合物を含有若しくは含有せしめないで形成される
が、インク受容層にインク吸収性を向上させるための公
知の無機質充填材(インク吸収顔料)を全インク吸収顔
料に対して50重量%以内で添加しても良いし、また、紫
外線を吸収させるための公知の紫外線吸収剤、その他の
添加剤、例えば、界面活性剤、浸透剤、保水剤、抑泡
剤、着色剤材等を必要に応じて添加したものによって形
成されても良い。
【0020】そのようなコーティング液に使用されるバ
インダーとしては、以下のような天然樹脂、合成樹脂が
使用される。即ち、ポリビニルアルコール、アルブミ
ン、ゼラチン、カゼイン、澱粉、カオチン澱粉、アラビ
アゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂、ポリアミド、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、四塩化ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニル
ピリジュウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、RBSラテック
ス、NBRラテックス、ポリビニルホルマール、ポリメ
チルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリアク
リロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フェ
ノール樹脂、アルキッド樹脂等の合成樹脂が使用され
る。
【0021】インク受容層のインク吸収性を向上させる
ためのインク吸収顔料としては、シリカ、中でもより吸
収性を向上させるためには非晶質微細シリカ、特に、1
次粒子の平均粒径が3〜40nmで、2 次粒子の平均粒
径が10〜300nmである非晶質微細シリカ及び/又はア
ルミナ水和物、中でもより吸収性を向上させるためには
擬ベーマイトを使用するものであるが、他に公知のイン
ク吸収顔料を使用しても良く、例えば、クレー、珪藻
土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リト
ボン、サテンホワイト等を使用しても良く、その割合
は、全インク吸収顔料の50重量%以下である。シリカと
しては、一般に市販されている合成非晶質シリカを用い
ることができる。中でも、好適に用いられるものは、平
均粒径が1〜20μmの範囲に調整されているものであ
る。
【0022】非晶質微細シリカは、どのような手段によ
って調製しても良く、例えば、一般に市販されている合
成非晶質シリカ(凝集体、数ミクロン)に機械的な強い
力を作用せしめることにより得ることができる。機械的
な強い力を与える手段としては、高速回転ミル、ジェッ
トミル、ローラミル、超音波、サンドグラインダー等を
挙げることができる。
【0023】具体的には、例えば、以下のようにして得
ることができる。平均粒子径9μmの合成非晶質シリカ
の凝集体( Nipsil NS、日本シリカ工業社製、1次粒子
径:21nm)をサンドグラインダーにより分散し、超音
波を作用させ、凝集体の平均粒子径が、50nmになるま
で分散操作を繰り返して、10%の水溶液を調製して得ら
れる。アルミナ水和物は、基材に塗布して多孔質層を形
成したときに、インクの溶媒などを吸収できるものなら
ば、いかなるものを用いても良いが、擬べーマイトが好
ましく使用できる。
【0024】インク受容層の形成は、上記のポリマーを
適当な溶剤に溶解又は分散させ、これに非晶質微細シリ
カを添加し、更にリチウム化合物を添加若しくは添加さ
せないで、必要に応じて上記各種の添加物を添加して、
得たコーティング液を、ロールコータィング法、スプレ
ーコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナ
イフコーティング法等の公知のコーティング方法で上記
の基板上にコーティングし、乾燥させることによりなさ
れる。
【0025】紫外線吸収層を設ける場合には、上記のポ
リマーを適当な溶剤に溶解又は分散させ、これにリチウ
ム化合物を添加して、及び/又は下記の公知の紫外線吸
収剤を添加して、得た紫外線吸収層形成液を、上記公知
のコーティング方法で上記のインク受容層上にコーティ
ングし、乾燥させることにより形成される。
【0026】公知の紫外線吸収剤としては、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤が使用される。
【0027】光沢層を設ける場合には、上記のポリマー
を適当な溶剤に溶解又は分散させ、これに下記の合成シ
リカ、コロイダルシリカ、下記のカチオン性高分子電解
質等を添加して得た光沢層形成液にリチウム化合物を添
加若しくは添加せずに、上記公知のコーティング方法で
上記のインク受容層上若しくは紫外線吸収層上にコーテ
ィングし、コーティング層が湿潤状態にある間に、加熱
された鏡面に圧接して乾燥させることにより形成され
る。
【0028】合成シリカとしては、一般に、非晶質シリ
カ、無定形シリカ、無水珪酸、含水珪酸、微粉末シリ
カ、あるいはホワイトカーボン等と呼ばれる珪酸類等が
ある。
【0029】カチオン性高分子電解質としては、ポリビ
ニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジ
アクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチル
アミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレンイミ
ン、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒ
ドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルピリジニウ
ムハライド、ポリアミン、ポリエチレンイミン第四級ア
ンモニウム塩類等がある。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本
発明を具体的に説明する。 (1)インク受容層に非晶質シリカ、非晶質微細シリカ
又はアルミナ水和物とリチウム化合物とを配合した場合
の実施例及び比較例 市販の上質紙(例えば、XEROX-P(富士ゼロックス株式会
社))に、下記の配合割合で混合したコーティング液を
バーコーターを用いてコーティング、乾燥させて、20μ
m厚のコーティング層を持つ記録媒体を作成した。な
お、下記組成中の数値は重量部を表わす。
【0031】 実施例A−1 実施例A−2 非晶質微細シリカ10%分散液 50 非晶質微細シリカ10%分散液 20 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100 塩化リチウム 0.2 塩化リチウム 10
【0032】 実施例B−1 実施例B−2 非晶質微細シリカ10%分散液 100 非晶質シリカ10%分散液 10 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100 水酸化リチウム 0.1 水酸化リチウム 1
【0033】 実施例C−1 実施例C−2 非晶質シリカ10%分散液 50 アルミナ水和物 10 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100 リチウムシリケート リチウムシリケート LLS-35(日産化学) 1.25 LLS-35(日産化学) 200 (20%分散液)
【0034】 比較例D−1 比較例D−2 非晶質微細シリカ10%分散液 5 非晶質シリカ 0 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100 塩化リチウム 0.2
【0035】上記の実施例及び比較例の評価は、下記に
示す方法により行ない、その結果を表1に示す。 ◇試験方法 (1) 実施例および比較例で作成した記録媒体に、インク
ジェットプリンタMJ-930C(セイコーエプソン株式会社
製)を用いて、画像形成し、試験片を作成。形成した画
像は、1cm2 大のフルベタと、9ポイント大の文字で
ある。 (2) 耐光性試験−1 キセノンウェザオメーター(ATLAS ELECTRIC DEVICES
CO.)45KJの条件で試験片を曝露。 分光光度計 GRETAG SPM50(GRETAG 社製)を用いて、
光源D50、光線フィルタなし,白色標準絶対白,濃度標
準 DIN NB,視野角2°の条件で曝露前後の試験片の色を
測定。 色差を下式を用いて算出。
【0036】
【数1】
【0037】算出した色差から、次の基準に従って判
定。 A :色差が 10 未満 B :色差が 10 を超え 20 未満 NG :色差が 20 を超える
【0038】(3) 耐光性試験−2 耐光性試験−1の試験片の曝露前後の反射濃度をGR
ETAG SPM50を用いて同条件で調査し、初期濃度に対する
曝露後濃度の割合を求め、その値を濃度残存率として次
の基準に従って判定。 A :濃度残存率が 90 %を超える B :濃度残存率が 80 %を超え 90 %未満 NG :濃度残存率が 80 %未満
【0039】(4) 耐水性試験 試験片に10μlの水道水を滴下し、乾燥するまで常温
常湿環境下で放置。にじみの度合いを目視にて観察し、
次の基準に従って判定。 A :にじみなし B :にじみはあるが文字は判読できる NG :にじみで文字の判読ができない
【0040】(5) インク吸収性試験 常温常湿環境下で、図1に示すパターンを上記MJ−930C
を用いて印刷する。フルベタとラインの境界部分におい
て、にじみ・混色の有無を目視で観察し、次の基準にし
たがって判定。 A :全色(Y,M,C,R,G,B及びK)にじみ・混色なし B :2次色(R,G,B)でわずかににじみ・混色あり NG :にじみ・混色があり、1ポイントのラインがつぶ
れる ◇試験結果
【0041】
【表1】
【0042】更に、上記の実施例におけるリチウム化合
物の他に、硫酸リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウ
ム、臭化リチウム、亜硫酸リチウム、亜硝酸リチウム、
炭酸水素リチウム、リン酸水素リチウム、塩素酸リチウ
ム、酢酸リチウム等についても同様の試験を行ない、良
好な結果を得た。
【0043】(2)基材にリチウム化合物を配合し、イ
ンク受容層に非晶質シリカ、非晶質微細シリカ又はアル
ミナ水和物を添加した場合の実施例及び比較例 市販のA4サイズの上質紙(例えば、XEROX-P(富士ゼロ
ックス株式会社))に対し、下記の配合割合で混合した
液(基材への添加液)を噴霧器を用いて3ml噴霧し、乾
燥し、次いで下記の配合割合で混合したコーティング液
をバーコーターを用いてコーティング、乾燥させて、20
μm厚のインク受容層を持つ記録媒体を作成した。な
お、下記組成中の数値は、重量部を表わす。
【0044】 実施例E−1 実施例E−2 [基材への添加液] [基材への添加液] イオン交換水 100 イオン交換水 100 塩化リチウム 0.2 塩化リチウム 25 [コーティング液] [コーティング液] 非晶質微細シリカ10%分散液 10 非晶質微細シリカ10%分散液 20 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100
【0045】 実施例F−1 実施例F−2 [基材への添加液] [基材への添加液] イオン交換水 100 イオン交換水 100 水酸化リチウム 0.2 水酸化リチウム 1 [コーティング液] [コーティング液] 非晶質微細シリカ10%分散液 100 非晶質シリカ10%分散液 50 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100
【0046】 実施例G−1 実施例G−2 [基材への添加液] [基材への添加液] イオン交換水 100 イオン交換水 100 リチウムシリケート リチウムシリケート LLS-35(日産化学) 1 LLS-35(日産化学) 200 [コーティング液] [コーティング液] 非晶質シリカ10%分散液 5 アルミナ水和物 10 PVA 8 PVA 8 PVP 2 PVP 2 イオン交換水 100 イオン交換水 100
【0047】比較例H−1 基材に対し、リチウム化合物含有液(基材への添加液)
の噴霧を行なわないこと以外は、実施例E−1と同様で
ある。
【0048】上記の実施例及び比較例の評価は、前記の
(1)インク受容層にリチウム化合物と非晶質シリカ、
非晶質微細シリカ、アルミナ水和物とを配合した場合に
おける試験方法、と同様の方法により行ない、その結果
を表2に示す。◇試験結果
【0049】
【表2】
【0050】更に、上記の実施例におけるリチウム化合
物の他に、硫酸リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウ
ム、臭化リチウム、亜硫酸リチウム、亜硝酸リチウム、
炭酸水素リチウム、リン酸水素リチウム、塩素酸リチウ
ム、酢酸リチウム等についても同様の試験を行ない、良
好な結果を得た。
【0051】上記の各試験結果から、本発明に係るイン
クジェット用記録媒体は、優れたインク吸収性を有し、
耐光性において優れた効果が奏されているばかりでな
く、耐水性においても改善されていることが明かであ
る。また、本発明で用いられるリチウム化合物が易水溶
性であったり、容易に水に分散することから、本発明に
係るインクジェット用記録媒体は、コーティング液の記
録媒体への均一コーティングの困難性を解消し、さらに
非常に優れた印刷品質を有するものである。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、インク
受容層に顔料を含有することにより優れたインク吸収性
を有し、基材及び/又はコーティング層の内の少なくと
も一つの層にリチウム化合物を配合することにより、優
れた耐光性、耐水性を有し、さらに印刷品質に優れたイ
ンクジェット用記録媒体を提供することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例のインク吸収性評価
に用いる印刷パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽賀 勝彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ −エプソン株式会社内 (72)発明者 山懸 真也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ −エプソン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と少なくともインク受容層とを有す
    るインクジェット用記録媒体であって、インク受容層に
    顔料を含有し、基材及び/又はコーティング層の内の少
    なくとも一つの層にリチウム化合物を含有することを特
    徴とするインクジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記リチウム化合物が、リチウム化合物
    含有層に固形分で、0.1〜20g/m2含有されていること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記リチウム化合物含有層が、インク受
    容層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイ
    ンクジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基材にリチウム化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット
    用記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記リチウム化合物が、塩化リチウム、
    水酸化リチウム、リチウムシリケートから選ばれる少な
    くとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記顔料が、シリカで、平均粒径が1〜
    20μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のインクジェット用記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記顔料が、非晶質微細シリカで、イン
    ク受容層に0.1〜20g/m2含有されていることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記非晶質微細シリカは、1次粒子の平
    均粒径が3〜40nmで、2次粒子の平均粒径が10〜300
    nmであることを特徴とする 請求項7に記載のインク
    ジェット用記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記非晶質微細シリカが、全顔料のうち
    の50重量%以上であることを特徴とする請求項7又は8
    のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記顔料が、アルミナ水和物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5項のいずれかに記載のイン
    クジェット用記録媒体。
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