JPH11313613A - チョコレ―ト状物質の連続的なテンパリング方法及び装置 - Google Patents
チョコレ―ト状物質の連続的なテンパリング方法及び装置Info
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- JPH11313613A JPH11313613A JP11070139A JP7013999A JPH11313613A JP H11313613 A JPH11313613 A JP H11313613A JP 11070139 A JP11070139 A JP 11070139A JP 7013999 A JP7013999 A JP 7013999A JP H11313613 A JPH11313613 A JP H11313613A
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- A23G1/00—Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
- A23G1/04—Apparatus specially adapted for manufacture or treatment of cocoa or cocoa products
- A23G1/18—Apparatus for conditioning chocolate masses for moulding
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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- A23G1/04—Apparatus specially adapted for manufacture or treatment of cocoa or cocoa products
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテン
パリング方法及び装置を提供する。この物質に対して、
この物質が結晶形成冷却表面を通るにつれて物質中に結
晶を形成する冷却(C2)と、最終の再加熱(H)との
各段階を適用する。 【解決手段】 冷却媒体の温度または流量の変動があっ
ても、結晶形成冷却表面(11)の温度を、物質中に結
晶を形成する予め定められた最高温度値以下に調節す
る。驚くべきことに、テンパリングした物質中に形成さ
れる安定な結晶の量は、物質の温度または流量における
変動に依存せず、必要とする一定割合で維持される。
パリング方法及び装置を提供する。この物質に対して、
この物質が結晶形成冷却表面を通るにつれて物質中に結
晶を形成する冷却(C2)と、最終の再加熱(H)との
各段階を適用する。 【解決手段】 冷却媒体の温度または流量の変動があっ
ても、結晶形成冷却表面(11)の温度を、物質中に結
晶を形成する予め定められた最高温度値以下に調節す
る。驚くべきことに、テンパリングした物質中に形成さ
れる安定な結晶の量は、物質の温度または流量における
変動に依存せず、必要とする一定割合で維持される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪含有チョコレ
ート状物質に対して、この物質が結晶形成冷却表面を通
るにつれてその物質中に結晶を形成する冷却、及び最終
の再加熱の段階を適用する、脂肪含有チョコレート状物
質の連続的なテンパリング(tempering)方法あるいは
調質方法に関する。本発明は、さらに、結晶形成冷却表
面を有する冷却領域と、最終の再加熱領域とを含んでな
る、脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテンパリン
グ装置あるいは調質装置に関する。
ート状物質に対して、この物質が結晶形成冷却表面を通
るにつれてその物質中に結晶を形成する冷却、及び最終
の再加熱の段階を適用する、脂肪含有チョコレート状物
質の連続的なテンパリング(tempering)方法あるいは
調質方法に関する。本発明は、さらに、結晶形成冷却表
面を有する冷却領域と、最終の再加熱領域とを含んでな
る、脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテンパリン
グ装置あるいは調質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多年にわたり、多様なチョコレートやチ
ョコレートに類する物質の生産に次のような方法が広く
利用されてきた。テンパリングと呼ばれる調質工程の前
に、そのチョコレート状物質を約40〜60℃まで温
め、テンパリング即ち調質の後、その物質は約29〜3
3℃の温度を有するのが普通であり、テンパリングの終
了後、チョコレート状物質を、成形型に充填したり、他
の製品の上に被覆したりして、多くの目的に用いる。
ョコレートに類する物質の生産に次のような方法が広く
利用されてきた。テンパリングと呼ばれる調質工程の前
に、そのチョコレート状物質を約40〜60℃まで温
め、テンパリング即ち調質の後、その物質は約29〜3
3℃の温度を有するのが普通であり、テンパリングの終
了後、チョコレート状物質を、成形型に充填したり、他
の製品の上に被覆したりして、多くの目的に用いる。
【0003】テンパリング工程(あるいは「調質工程」
ともいわれる)の目的は、簡略に言うと、チョコレート
状物質が確かに固体状態に固化され、結果的に「高品
質」の製品が生産されるように、満足すべき結晶の割合
及び形態を有する物質を創り出すことである。当該分野
の熟練者において、「高品質」の製品というのは、旨味
は勿論、表面に光沢のあったり、脂肪成分が表面へ拡散
せず長期間にわたる貯蔵寿命をもつこと、割れ方に切れ
味のあることなどをいう。当該分野の熟練者は経験を通
じて、上記のような高品質が、その物質の全重量に関し
て、あるいは物質の脂肪含量に関して、テンパリング工
程の間、物質中に形成された結晶の実際の割合のみなら
ず、そのような結晶の種類によって大きく左右されると
いう知識を得てきた。広範囲な科学的な研究により、チ
ョコレート状物質のテンパリング過程の間に形成され得
るいくつかの有用な結晶形態の中で、確実に高品質のチ
ョコレート状物質を提供するのは、安定なβ−結晶のみ
であることがわかってきている。
ともいわれる)の目的は、簡略に言うと、チョコレート
状物質が確かに固体状態に固化され、結果的に「高品
質」の製品が生産されるように、満足すべき結晶の割合
及び形態を有する物質を創り出すことである。当該分野
の熟練者において、「高品質」の製品というのは、旨味
は勿論、表面に光沢のあったり、脂肪成分が表面へ拡散
せず長期間にわたる貯蔵寿命をもつこと、割れ方に切れ
味のあることなどをいう。当該分野の熟練者は経験を通
じて、上記のような高品質が、その物質の全重量に関し
て、あるいは物質の脂肪含量に関して、テンパリング工
程の間、物質中に形成された結晶の実際の割合のみなら
ず、そのような結晶の種類によって大きく左右されると
いう知識を得てきた。広範囲な科学的な研究により、チ
ョコレート状物質のテンパリング過程の間に形成され得
るいくつかの有用な結晶形態の中で、確実に高品質のチ
ョコレート状物質を提供するのは、安定なβ−結晶のみ
であることがわかってきている。
【0004】このような観点から、上記物質について、
その物質が結晶形成冷却表面を通るにつれて物質中に結
晶を形成するようにした冷却の段階を適用した後、その
物質を再加熱させる方法及び装置が多年にわたり利用さ
れてきた。そのような装置は、1、2、または数個の冷
却領域を含んでいる。結晶形成表面は、上記冷却領域の
中のある一つの領域内で得られ、特に、再加熱領域に隣
接した冷却領域の末段で、あるいは、再加熱領域につい
ての最終の冷却領域ではない冷却領域で得られる。
その物質が結晶形成冷却表面を通るにつれて物質中に結
晶を形成するようにした冷却の段階を適用した後、その
物質を再加熱させる方法及び装置が多年にわたり利用さ
れてきた。そのような装置は、1、2、または数個の冷
却領域を含んでいる。結晶形成表面は、上記冷却領域の
中のある一つの領域内で得られ、特に、再加熱領域に隣
接した冷却領域の末段で、あるいは、再加熱領域につい
ての最終の冷却領域ではない冷却領域で得られる。
【0005】欧州特許公報第0289849A1号に
は、上記言及した技術の装置が記載されている。この装
置は、再加熱領域だけでなく、一つの単一の冷却領域を
有する。結晶形成領域は、再加熱領域に隣接した冷却領
域の末段で得られる。冷却水を連続的に貫流し、また、
この冷却水の温度を、冷却領域の末段にあるセンサによ
り測定される物質の温度に応じて調節する。よく知られ
ているように、そのようなタイプの装置によって、結晶
形成冷却表面の温度は広範囲に変動する。テストによれ
ば、結晶形成表面の温度は、物質の温度または流量が変
わるとき、10℃より高く変動すると示される。したが
って、テンパリングされたチョコレートのテンパリング
状態を一定水準に調節することはできなかった。表面温
度の平均温度が約18〜19℃を外れると、結晶の割合
も一定水準から外れると記載されている。結果的に、実
際に経験により得た物質の温度または流量における変化
がどんなに大きいかによって、時には「テンパリング過
多」であり、時には「テンパリング不足」である物質が
生成される。
は、上記言及した技術の装置が記載されている。この装
置は、再加熱領域だけでなく、一つの単一の冷却領域を
有する。結晶形成領域は、再加熱領域に隣接した冷却領
域の末段で得られる。冷却水を連続的に貫流し、また、
この冷却水の温度を、冷却領域の末段にあるセンサによ
り測定される物質の温度に応じて調節する。よく知られ
ているように、そのようなタイプの装置によって、結晶
形成冷却表面の温度は広範囲に変動する。テストによれ
ば、結晶形成表面の温度は、物質の温度または流量が変
わるとき、10℃より高く変動すると示される。したが
って、テンパリングされたチョコレートのテンパリング
状態を一定水準に調節することはできなかった。表面温
度の平均温度が約18〜19℃を外れると、結晶の割合
も一定水準から外れると記載されている。結果的に、実
際に経験により得た物質の温度または流量における変化
がどんなに大きいかによって、時には「テンパリング過
多」であり、時には「テンパリング不足」である物質が
生成される。
【0006】そのような装置は、当該分野における最近
の先行文献の中では、欧州特許公報第0472886A
1号及び欧州特許公報第0685168A1号から知ら
れている。これらの公知の装置によれば、再加熱領域が
一つのカラム内に2、3または数個の冷却領域の上部に
配列されている。この領域はそれぞれ、物質が流れる少
なくとも一つの物質用室と、冷却媒体が流れる少なくと
も一つの媒体用室とを含んでなる。テンパリングの対象
となる物質については、物質用室内に配設されている撹
拌手段が適用される。これらの装置は、1次冷却領域
と、結晶が形成される2次冷却領域とを含んでいる。こ
の理論は、上記の物質を1次領域で、物質中に安定な結
晶が形成される温度に「近い」温度まで冷やすことであ
る。このような温度は、よく知られているように、チョ
コレート状物質のそれぞれの各タイプについて、その組
成に関係なく、簡単なテストにより測定することができ
る。チョコレート状物質のタイプのほとんどについて、
上記温度は26〜30℃である。その後で、上記の物質
を結晶が形成される2次冷却領域に通過させる。観察に
よれば、冷却媒体の温度は、上記の領域内で十分に低
く、結晶形成による熱は完全に除去される。上記物質の
温度は、2次領域で一定にするか、あるいは、さらにわ
ずかに低下することができた。これによって、当該分野
の熟練者は上記の2次領域で結晶化が行われることを確
かめた。
の先行文献の中では、欧州特許公報第0472886A
1号及び欧州特許公報第0685168A1号から知ら
れている。これらの公知の装置によれば、再加熱領域が
一つのカラム内に2、3または数個の冷却領域の上部に
配列されている。この領域はそれぞれ、物質が流れる少
なくとも一つの物質用室と、冷却媒体が流れる少なくと
も一つの媒体用室とを含んでなる。テンパリングの対象
となる物質については、物質用室内に配設されている撹
拌手段が適用される。これらの装置は、1次冷却領域
と、結晶が形成される2次冷却領域とを含んでいる。こ
の理論は、上記の物質を1次領域で、物質中に安定な結
晶が形成される温度に「近い」温度まで冷やすことであ
る。このような温度は、よく知られているように、チョ
コレート状物質のそれぞれの各タイプについて、その組
成に関係なく、簡単なテストにより測定することができ
る。チョコレート状物質のタイプのほとんどについて、
上記温度は26〜30℃である。その後で、上記の物質
を結晶が形成される2次冷却領域に通過させる。観察に
よれば、冷却媒体の温度は、上記の領域内で十分に低
く、結晶形成による熱は完全に除去される。上記物質の
温度は、2次領域で一定にするか、あるいは、さらにわ
ずかに低下することができた。これによって、当該分野
の熟練者は上記の2次領域で結晶化が行われることを確
かめた。
【0007】これらの文献によれば、上記2次結晶形成
領域について各種の冷却媒体回路が提案されている。欧
州特許公報第0685168A1号には、冷却媒体流量
を物質温度の測定値に応じて調節することができると述
べられている。これによって、瞬間的な冷却の要求に従
って結晶形成表面の範囲を適用することができる。欧州
特許公報第0472886A1号には、2次領域におい
て冷却水の温度を、結晶形成表面を含む冷却室の流入口
にある水導管に配設されているセンサにより測定された
水温の値に応じて調節することができると記載されてい
る。欧州特許公報第0472886A1号には、また、
上記調節により、2次領域の結晶形成表面の温度を何分
の1℃、好ましくは1℃内で一定に保持できると記載さ
れている。これは、冷却水温度を冷却室についての流入
口で一定値に保持することにより得なければならないと
教示されている。
領域について各種の冷却媒体回路が提案されている。欧
州特許公報第0685168A1号には、冷却媒体流量
を物質温度の測定値に応じて調節することができると述
べられている。これによって、瞬間的な冷却の要求に従
って結晶形成表面の範囲を適用することができる。欧州
特許公報第0472886A1号には、2次領域におい
て冷却水の温度を、結晶形成表面を含む冷却室の流入口
にある水導管に配設されているセンサにより測定された
水温の値に応じて調節することができると記載されてい
る。欧州特許公報第0472886A1号には、また、
上記調節により、2次領域の結晶形成表面の温度を何分
の1℃、好ましくは1℃内で一定に保持できると記載さ
れている。これは、冷却水温度を冷却室についての流入
口で一定値に保持することにより得なければならないと
教示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記類型の装
置だけでなく他の類型の装置に関する科学的なテストや
実際的な実施の結果によれば、物質の温度または流量に
変化が起きると、結晶形成表面の温度も変わることがわ
かっている。物質の温度の上昇または流量の増大につれ
て、しばらくの間、冷却水の温度が上昇し、この上昇を
補償するために、回路により水温を自動的に下げる。決
定的なのは、上述の先行技術によっては、冷却表面の温
度を、推定される物質の流量または温度における変化と
は関係なく、一定に保持することが出来ないことを本発
明者らが発見するに至ったこのである。他方、物質の温
度または流量が急に下がるならば、結晶形成表面の温度
が下降するだろう。しばらくして、冷却水の温度が下が
り、それを補償するために、回路が自動的に水温をより
高く調節する。
置だけでなく他の類型の装置に関する科学的なテストや
実際的な実施の結果によれば、物質の温度または流量に
変化が起きると、結晶形成表面の温度も変わることがわ
かっている。物質の温度の上昇または流量の増大につれ
て、しばらくの間、冷却水の温度が上昇し、この上昇を
補償するために、回路により水温を自動的に下げる。決
定的なのは、上述の先行技術によっては、冷却表面の温
度を、推定される物質の流量または温度における変化と
は関係なく、一定に保持することが出来ないことを本発
明者らが発見するに至ったこのである。他方、物質の温
度または流量が急に下がるならば、結晶形成表面の温度
が下降するだろう。しばらくして、冷却水の温度が下が
り、それを補償するために、回路が自動的に水温をより
高く調節する。
【0009】テストによる測定の結果、欧州特許公報第
0472886A1号に記載されているタイプの装置の
場合、この装置を通る物質の温度または流量が変わると
き、2次冷却領域の結晶形成表面の温度における2.5
℃ほどの広範囲の変動が避けられないことがわかってい
る。このことがテンパリングされた物質における結晶の
量が変わる原因であると、驚きをもって認識されてい
る。欧州特許公報第0685168A1号のタイプの装
置によれば、わずかな温度変動しかないことが経験から
わかっているが、そのような装置によっても、物質の温
度または流量が変わるとき、テンパリングした物質中に
所望された、ほぼ一定の割合の結晶を得ることは不可能
である。一定の割合の結晶というのは、結晶の量がテン
パリングした物質の総量、あるいは物質中の脂肪含量に
対して一定の比率にあることを意味する。
0472886A1号に記載されているタイプの装置の
場合、この装置を通る物質の温度または流量が変わると
き、2次冷却領域の結晶形成表面の温度における2.5
℃ほどの広範囲の変動が避けられないことがわかってい
る。このことがテンパリングされた物質における結晶の
量が変わる原因であると、驚きをもって認識されてい
る。欧州特許公報第0685168A1号のタイプの装
置によれば、わずかな温度変動しかないことが経験から
わかっているが、そのような装置によっても、物質の温
度または流量が変わるとき、テンパリングした物質中に
所望された、ほぼ一定の割合の結晶を得ることは不可能
である。一定の割合の結晶というのは、結晶の量がテン
パリングした物質の総量、あるいは物質中の脂肪含量に
対して一定の比率にあることを意味する。
【0010】結論的に、上に言及した先行文献の開示技
術によっては、物質の温度または流量が変わるとき、結
晶形成表面の一定温度を得ることが出来なかった。その
表面の温度が上向きに変動すると、結晶形成表面が縮小
するという結果が生じる。これによって、物質中に形成
される結晶の割合も減少し、その物質は「テンパリング
不足」になる。結晶形成表面の温度が下向きに変動する
と、その表面が拡張すると、思わなかった結果が生じ
る。これによって、物質中に形成される結晶の割合が上
がり、その物質は「テンパリング過多」になる。最終結
果によれば、物質中に形成される結晶の割合が、物質の
温度または流量が変わるとき、一定水準から外れること
がわかる。それで、上記の先行文献によっては一定割合
の結晶を得ることができなかった。
術によっては、物質の温度または流量が変わるとき、結
晶形成表面の一定温度を得ることが出来なかった。その
表面の温度が上向きに変動すると、結晶形成表面が縮小
するという結果が生じる。これによって、物質中に形成
される結晶の割合も減少し、その物質は「テンパリング
不足」になる。結晶形成表面の温度が下向きに変動する
と、その表面が拡張すると、思わなかった結果が生じ
る。これによって、物質中に形成される結晶の割合が上
がり、その物質は「テンパリング過多」になる。最終結
果によれば、物質中に形成される結晶の割合が、物質の
温度または流量が変わるとき、一定水準から外れること
がわかる。それで、上記の先行文献によっては一定割合
の結晶を得ることができなかった。
【0011】当該分野の熟練者は、全生産過程にわたっ
て、できるだけ一定に保持される、一定割合の安定な結
晶を有するテンパリング物質を獲得するよういつも努力
している。特定の製品及びチョコレートのタイプについ
て正確な、所望された量の結晶を経験に基づいて得たと
き、生産される製品毎にできるだけその所望された量に
近づけるようにされる。このような努力があってはじめ
て、製造業者らは、生産される製品すべてが、美味しい
ことは勿論、表面に光沢のあったり、脂肪成分が表面へ
拡散せず長期間にわたる貯蔵寿命をもつこと、割れ方に
切れ味のあることなど、高品質を維持できることを理解
している。
て、できるだけ一定に保持される、一定割合の安定な結
晶を有するテンパリング物質を獲得するよういつも努力
している。特定の製品及びチョコレートのタイプについ
て正確な、所望された量の結晶を経験に基づいて得たと
き、生産される製品毎にできるだけその所望された量に
近づけるようにされる。このような努力があってはじめ
て、製造業者らは、生産される製品すべてが、美味しい
ことは勿論、表面に光沢のあったり、脂肪成分が表面へ
拡散せず長期間にわたる貯蔵寿命をもつこと、割れ方に
切れ味のあることなど、高品質を維持できることを理解
している。
【0012】形成された結晶の割合を測定することは、
物質のテンパリング過程中に冷却領域について実際の調
節を行うことであるから、物質中に形成される結晶の割
合を一定に保持することを目的で、可能な限り正確で、
かつ、信頼できる調節を達成することが最も重要であ
る。また、欧州特許公報第0289849A1号には、
テンパリングした物質中に安定な結晶の「高い」割合を
形成するのが好ましいと記載されている。この教示は、
テンパリングにより物質中に4〜5%の安定な結晶に達
しなければならないと示している。安定な結晶のそのよ
うな「高い」含量への要求は、確かにテンパリングの分
野において長期間にわたって存在していた。
物質のテンパリング過程中に冷却領域について実際の調
節を行うことであるから、物質中に形成される結晶の割
合を一定に保持することを目的で、可能な限り正確で、
かつ、信頼できる調節を達成することが最も重要であ
る。また、欧州特許公報第0289849A1号には、
テンパリングした物質中に安定な結晶の「高い」割合を
形成するのが好ましいと記載されている。この教示は、
テンパリングにより物質中に4〜5%の安定な結晶に達
しなければならないと示している。安定な結晶のそのよ
うな「高い」含量への要求は、確かにテンパリングの分
野において長期間にわたって存在していた。
【0013】しかしながら、多年にわたり、安定な結晶
の「高い」含量への要求は、急速に失われている。当該
分野における熟練者は、現在の科学的な研究が反対の方
向に向き、物質中に安定な結晶の非常に「低い」割合を
求めていることを認識している。そのような「低い」割
合は、物質中の脂肪含量の約0.2〜2.0%である。
結晶のそのような「低い」割合を一定に保持することを
狙うとき、全ての実際の変化が、結晶の「高い」割合を
目的とする場合と比べて、より望ましい割合からのより
大きな変動を生じるため、所期の「低い」割合に比べて
結晶量の変化を最小化するのが重要であることが分かっ
ている。したがって、この分野においては、安定な結晶
割合を比較的「小さく」しようとする全体的な動きがあ
るため、冷却の正確な調節を達成させることがさらに重
要になっている。冷却の正確さ、且つ、信頼できる調節
によってのみ、特に物質の温度または流量における変動
の影響を受けずに、物質中に結晶のほぼ一定割合を形成
することができる。
の「高い」含量への要求は、急速に失われている。当該
分野における熟練者は、現在の科学的な研究が反対の方
向に向き、物質中に安定な結晶の非常に「低い」割合を
求めていることを認識している。そのような「低い」割
合は、物質中の脂肪含量の約0.2〜2.0%である。
結晶のそのような「低い」割合を一定に保持することを
狙うとき、全ての実際の変化が、結晶の「高い」割合を
目的とする場合と比べて、より望ましい割合からのより
大きな変動を生じるため、所期の「低い」割合に比べて
結晶量の変化を最小化するのが重要であることが分かっ
ている。したがって、この分野においては、安定な結晶
割合を比較的「小さく」しようとする全体的な動きがあ
るため、冷却の正確な調節を達成させることがさらに重
要になっている。冷却の正確さ、且つ、信頼できる調節
によってのみ、特に物質の温度または流量における変動
の影響を受けずに、物質中に結晶のほぼ一定割合を形成
することができる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の方法によれば、
冷却媒体の温度または流量の変動があっても、結晶形成
冷却表面の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定め
られた最高温度値以下に調節する。また、本発明の装置
は、冷却媒体の温度または流量の変動があっても、結晶
形成表面の温度が、予め定められた最高温度値以下にな
るように、冷却媒体により行われる冷却を調節させる手
段を含む。 本発明によれば、物質中に形成される結晶
の割合を実質的に一定に保持することができる。
冷却媒体の温度または流量の変動があっても、結晶形成
冷却表面の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定め
られた最高温度値以下に調節する。また、本発明の装置
は、冷却媒体の温度または流量の変動があっても、結晶
形成表面の温度が、予め定められた最高温度値以下にな
るように、冷却媒体により行われる冷却を調節させる手
段を含む。 本発明によれば、物質中に形成される結晶
の割合を実質的に一定に保持することができる。
【0015】本発明によれば、物質の温度または流量に
おける変動により、結晶形成表面の温度が予め定められ
た最高値以上に上昇できない。物質の温度と冷却媒体の
温度との間の温度勾配は、いつも冷却表面全体にわたっ
て一定温度で保持される。また、結晶形成表面の温度
が、物質の温度または流量における変動に依存せず、物
質中に結晶を形成するために十分に低く保持されること
が確認された。従って、物質中における結晶の形成は、
先行技術により得られることにより物質の総量の最も一
定な割合に調節される。本発明によれば、その表面温度
が決して結晶を得られない値に上昇することがないた
め、特に結晶の割合が可変的である「テンパリング不
足」の物質の生成を避けられる。これによって、物質の
温度または流量における変動に依存せず、テンパリング
した物質から「高品質」の製品を連続的に生産すること
ができる。
おける変動により、結晶形成表面の温度が予め定められ
た最高値以上に上昇できない。物質の温度と冷却媒体の
温度との間の温度勾配は、いつも冷却表面全体にわたっ
て一定温度で保持される。また、結晶形成表面の温度
が、物質の温度または流量における変動に依存せず、物
質中に結晶を形成するために十分に低く保持されること
が確認された。従って、物質中における結晶の形成は、
先行技術により得られることにより物質の総量の最も一
定な割合に調節される。本発明によれば、その表面温度
が決して結晶を得られない値に上昇することがないた
め、特に結晶の割合が可変的である「テンパリング不
足」の物質の生成を避けられる。これによって、物質の
温度または流量における変動に依存せず、テンパリング
した物質から「高品質」の製品を連続的に生産すること
ができる。
【0016】本発明に従うテンパリング工程の初期調整
段階の間、結晶形成冷却を行う冷却媒体の温度は、物質
中における結晶の形成を満たす冷却表面の温度を提供す
る程度まで調整する。これは、冷却媒体の温度を表面で
結晶化が行われるように十分に低下させることによって
得ることが有利である。本発明の調節法により、結晶形
成表面の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定めら
れた最高温度値以下に保持されるよう調節し、結晶の連
続的な形成を保障する。本発明者らは、該当物質中に結
晶を形成させる冷却媒体温度に達するとき、物質中に所
期の安定な結晶が形成されるために、その温度を更にわ
ずかに低下させるのが十分であることがわかって、本発
明を完成するに至った。その領域において冷却媒体温度
を、結晶の形成のために、1℃の何分の一か、あるいは
1/10のオーダーの温度だけさらに低下させることが
でき、特に試験された物質の全てのタイプについて0.
5〜1.0℃のさらなる低下で十分である。
段階の間、結晶形成冷却を行う冷却媒体の温度は、物質
中における結晶の形成を満たす冷却表面の温度を提供す
る程度まで調整する。これは、冷却媒体の温度を表面で
結晶化が行われるように十分に低下させることによって
得ることが有利である。本発明の調節法により、結晶形
成表面の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定めら
れた最高温度値以下に保持されるよう調節し、結晶の連
続的な形成を保障する。本発明者らは、該当物質中に結
晶を形成させる冷却媒体温度に達するとき、物質中に所
期の安定な結晶が形成されるために、その温度を更にわ
ずかに低下させるのが十分であることがわかって、本発
明を完成するに至った。その領域において冷却媒体温度
を、結晶の形成のために、1℃の何分の一か、あるいは
1/10のオーダーの温度だけさらに低下させることが
でき、特に試験された物質の全てのタイプについて0.
5〜1.0℃のさらなる低下で十分である。
【0017】また、本発明によれば、結晶形成冷却表面
の温度は、予め定められた最低温度値より高くなるよう
に調節することもできる。したがって、物質の温度また
は流量における変動が起きるとき、冷却表面の温度が下
がりすぎることを避けられる。これによって、高い割合
の結晶を有する、いわゆる「テンパリング過多」の物質
の生成が排除される。結晶形成冷却表面の温度は、22
℃以下に、または、10℃以上に調節することが有利で
ある。好ましくは、結晶形成冷却表面の温度を18.5
℃以下に、または、13.5℃以上に調節する。驚くべ
きことに、物質の大多数のタイプについて、その物質中
における結晶の形成のために結晶形成冷却表面の温度を
約18.5℃を目標にすることで十分であることが分か
った。
の温度は、予め定められた最低温度値より高くなるよう
に調節することもできる。したがって、物質の温度また
は流量における変動が起きるとき、冷却表面の温度が下
がりすぎることを避けられる。これによって、高い割合
の結晶を有する、いわゆる「テンパリング過多」の物質
の生成が排除される。結晶形成冷却表面の温度は、22
℃以下に、または、10℃以上に調節することが有利で
ある。好ましくは、結晶形成冷却表面の温度を18.5
℃以下に、または、13.5℃以上に調節する。驚くべ
きことに、物質の大多数のタイプについて、その物質中
における結晶の形成のために結晶形成冷却表面の温度を
約18.5℃を目標にすることで十分であることが分か
った。
【0018】本発明は、結晶形成冷却表面の冷却を行う
冷却媒体の温度を、結晶形成冷却表面の温度に応じて調
節するとき特に効果的である。これによって、結晶形成
表面の温度を一定に保持することができる。これは、そ
の温度変動を1/10℃のオーダーで、好ましくは、1
/20℃以下に保持することを意味する。結晶形成冷却
表面の冷却を行う冷却媒体の流量を、結晶形成冷却表面
の温度に応じて調節するとき、温度調節を最も一定に維
持することができる。当該チョコレート状物質について
のテンパリング工程の初期調節過程の間、結晶形成冷却
表面の温度を、物質中に結晶が形成されない温度にセッ
トした後、その温度を当該物質中に結晶が形成されるま
で低下させて、物質中に結晶を形成する予め定められた
最高温度値を得ることが有利である。
冷却媒体の温度を、結晶形成冷却表面の温度に応じて調
節するとき特に効果的である。これによって、結晶形成
表面の温度を一定に保持することができる。これは、そ
の温度変動を1/10℃のオーダーで、好ましくは、1
/20℃以下に保持することを意味する。結晶形成冷却
表面の冷却を行う冷却媒体の流量を、結晶形成冷却表面
の温度に応じて調節するとき、温度調節を最も一定に維
持することができる。当該チョコレート状物質について
のテンパリング工程の初期調節過程の間、結晶形成冷却
表面の温度を、物質中に結晶が形成されない温度にセッ
トした後、その温度を当該物質中に結晶が形成されるま
で低下させて、物質中に結晶を形成する予め定められた
最高温度値を得ることが有利である。
【0019】上記冷却媒体を再循環することができる。
これによって、冷却媒体の流入口温度と流出口温度との
差が、再循環のない場合より小さいため、結晶形成領域
においてより効果的な熱交換が得られる。結晶形成冷却
を行う冷却媒体の流量を物質の温度に応じて調節する。
物質温度センサが、物質内に配置されており、物質の温
度に応じて結晶形成冷却を行う冷却媒体の流量を調節す
るよう設計された制御手段に接続されている場合、1次
及び2次冷却の優れた制御が達成される。結晶形成冷却
を行う冷却媒体の温度は、結晶形成表面に隣接した冷却
室で測定される冷却媒体温度に応じて一定水準に調節す
ることができる。有利には、物質について、上記の2次
結晶形成冷却の前に、先行する1次冷却の段階を適用
し、この1次冷却により、物質の温度をその物質中に結
晶が形成される温度に近い温度まで冷やす。
これによって、冷却媒体の流入口温度と流出口温度との
差が、再循環のない場合より小さいため、結晶形成領域
においてより効果的な熱交換が得られる。結晶形成冷却
を行う冷却媒体の流量を物質の温度に応じて調節する。
物質温度センサが、物質内に配置されており、物質の温
度に応じて結晶形成冷却を行う冷却媒体の流量を調節す
るよう設計された制御手段に接続されている場合、1次
及び2次冷却の優れた制御が達成される。結晶形成冷却
を行う冷却媒体の温度は、結晶形成表面に隣接した冷却
室で測定される冷却媒体温度に応じて一定水準に調節す
ることができる。有利には、物質について、上記の2次
結晶形成冷却の前に、先行する1次冷却の段階を適用
し、この1次冷却により、物質の温度をその物質中に結
晶が形成される温度に近い温度まで冷やす。
【0020】本発明の装置は、冷却媒体温度センサを含
んでおり、結晶形成表面についての冷却媒体の温度を、
予め定められた最高温度値より低く調節するように設計
し得る。本発明の装置は、また、結晶形成表面のついて
の冷却媒体の温度を、予め定められた最低温度値より高
く調節するように設計し得る。上記結晶形成表面に温度
センサを配設するのが有利である。上記装置は、結晶形
成表面に配設されている温度センサに接続されている電
子式調節装置をさらに含むことができ、この電子式調節
装置は、結晶形成表面の温度に応じて冷却媒体の温度を
調節するように設計されている。これによって、特に精
密な調節を行うことができる。
んでおり、結晶形成表面についての冷却媒体の温度を、
予め定められた最高温度値より低く調節するように設計
し得る。本発明の装置は、また、結晶形成表面のついて
の冷却媒体の温度を、予め定められた最低温度値より高
く調節するように設計し得る。上記結晶形成表面に温度
センサを配設するのが有利である。上記装置は、結晶形
成表面に配設されている温度センサに接続されている電
子式調節装置をさらに含むことができ、この電子式調節
装置は、結晶形成表面の温度に応じて冷却媒体の温度を
調節するように設計されている。これによって、特に精
密な調節を行うことができる。
【0021】また、本発明の装置は、結晶形成表面に配
設されている温度センサに接続されている電子式調節装
置をさらに含むことができ、この電子式調節装置は、結
晶形成表面の温度に応じて冷却媒体の流量を調節するよ
うに設計されている。本発明の装置は、また、物質内に
配置されており、結晶形成表面の冷却を行う冷却媒体の
流量を調節するよう設計されているバルブまたはポンプ
のような制御手段に接続されている、物質温度センサを
含むことができる。特に効果のある実施態様によれば、
冷却媒体温度センサが結晶形成冷却領域についての冷却
媒体に配設されており、冷却媒体の温度を一定水準に調
節する、他の制御手段に接続されているものが提供され
る。
設されている温度センサに接続されている電子式調節装
置をさらに含むことができ、この電子式調節装置は、結
晶形成表面の温度に応じて冷却媒体の流量を調節するよ
うに設計されている。本発明の装置は、また、物質内に
配置されており、結晶形成表面の冷却を行う冷却媒体の
流量を調節するよう設計されているバルブまたはポンプ
のような制御手段に接続されている、物質温度センサを
含むことができる。特に効果のある実施態様によれば、
冷却媒体温度センサが結晶形成冷却領域についての冷却
媒体に配設されており、冷却媒体の温度を一定水準に調
節する、他の制御手段に接続されているものが提供され
る。
【0022】上記冷却媒体温度センサは、結晶形成表面
に隣接した冷却室内に配設され得る。また、上記装置
は、さらに後続の3次冷却領域を含んでおり、この冷却
領域を通って冷却媒体導管が、冷却媒体が1次冷却領域
の流入口に移入される前に、冷却媒体を導く。これによ
って、より安定な熱交換器が提供され、この熱交換器に
より冷却媒体温度が、3次領域のない場合より驚くほど
より安定になる。これは、物質温度センサがその3次冷
却領域に配設され、2次の結晶形成冷却の調節のための
制御手段の一部を構成する場合に特にあてはまる。
に隣接した冷却室内に配設され得る。また、上記装置
は、さらに後続の3次冷却領域を含んでおり、この冷却
領域を通って冷却媒体導管が、冷却媒体が1次冷却領域
の流入口に移入される前に、冷却媒体を導く。これによ
って、より安定な熱交換器が提供され、この熱交換器に
より冷却媒体温度が、3次領域のない場合より驚くほど
より安定になる。これは、物質温度センサがその3次冷
却領域に配設され、2次の結晶形成冷却の調節のための
制御手段の一部を構成する場合に特にあてはまる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施態様
と図面に基づいてより詳しく説明する。図1に示されて
いるテンパリングカラム1は、円形の垂直断面を有し、
また多数の交互の物質用室2及びその中間にある、冷却
または加熱媒体のための媒体用室3を含んでいる。その
室2、3は、中間のディスク型の壁4により分けられて
いる。各々の物質用室2には、撹拌手段5を配置するの
が好ましいが、図面には、明確するために、いくつかの
撹拌手段のうちの1つだけを示す。この撹拌手段5は、
モーター7により駆動される中心の垂直軸6により回転
される。例えば、図示されていないポンプにより、物質
は一般的な垂直方向Mでテンパリングカラム1を通して
強制に流れる。上記Mの方向は、図示されている実施態
様において下から上の方向に向かっている。各々の物質
用室2において、その物質は撹拌手段5の適用を受ける
だけでなく、隣接室3を通って流れる該当冷却または加
熱媒体により冷却または加熱する。この物質用室は開口
部8により互いにつながっており、この開口部はカラム
1の周辺に配置されるか、あるいは垂直軸6に近い中央
に配置されるのが好ましい。
と図面に基づいてより詳しく説明する。図1に示されて
いるテンパリングカラム1は、円形の垂直断面を有し、
また多数の交互の物質用室2及びその中間にある、冷却
または加熱媒体のための媒体用室3を含んでいる。その
室2、3は、中間のディスク型の壁4により分けられて
いる。各々の物質用室2には、撹拌手段5を配置するの
が好ましいが、図面には、明確するために、いくつかの
撹拌手段のうちの1つだけを示す。この撹拌手段5は、
モーター7により駆動される中心の垂直軸6により回転
される。例えば、図示されていないポンプにより、物質
は一般的な垂直方向Mでテンパリングカラム1を通して
強制に流れる。上記Mの方向は、図示されている実施態
様において下から上の方向に向かっている。各々の物質
用室2において、その物質は撹拌手段5の適用を受ける
だけでなく、隣接室3を通って流れる該当冷却または加
熱媒体により冷却または加熱する。この物質用室は開口
部8により互いにつながっており、この開口部はカラム
1の周辺に配置されるか、あるいは垂直軸6に近い中央
に配置されるのが好ましい。
【0024】そのようなテンパリングカラムは、半世紀
以上知られており、現在は、チョコレート状物質のテン
パリングのために、最も広く使用されている熱交換手段
である。また、よく公知されているように、上記のテン
パリングカラムの最上の性能は、冷却または加熱媒体が
上記の室を通して連続的に流れるとき、または撹拌手段
5が、物質に対する強力な撹拌だけでなく、せん断力を
発揮するとき達成される。本発明の方法及び装置を上述
のタイプのテンパリングカラムについてのみ説明する
が、本発明は全ての他のタイプのテンパリングシステム
についても適用され得る。他のシステムは、水平である
か、傾いてあるか、いくつかの部分に仕切られているテ
ンパリングカラムを含むことができるが、このカラムの
代わりに、容器または管を使用することもできる。
以上知られており、現在は、チョコレート状物質のテン
パリングのために、最も広く使用されている熱交換手段
である。また、よく公知されているように、上記のテン
パリングカラムの最上の性能は、冷却または加熱媒体が
上記の室を通して連続的に流れるとき、または撹拌手段
5が、物質に対する強力な撹拌だけでなく、せん断力を
発揮するとき達成される。本発明の方法及び装置を上述
のタイプのテンパリングカラムについてのみ説明する
が、本発明は全ての他のタイプのテンパリングシステム
についても適用され得る。他のシステムは、水平である
か、傾いてあるか、いくつかの部分に仕切られているテ
ンパリングカラムを含むことができるが、このカラムの
代わりに、容器または管を使用することもできる。
【0025】図2及び図4に示す本発明の装置の第1及
び第2実施態様は、図1に示すタイプの垂直型テンパリ
ングカラム1を含む。明確するために、テンパリングカ
ラム1は、冷却及び加熱領域の実際の範囲のみを示すこ
とで、図2及び図4には詳しく示さずに概略的に表し
た。そのような範囲は、予め定められた数の相互連結さ
れている室を通って流れる、それぞれの領域のための冷
却あるいは加熱媒体を提供することで簡単に得られる。
従って、当該領域の範囲は、上記の媒体がその領域につ
いて選ばれた特定の温度で流れる室の数に対応する。図
2に示す脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテンパ
リング装置は、1次冷却領域C1と、結晶形成冷却表面
を有する後続の2次冷却領域C2と、最終の再加熱領域
Hとからなっている。加熱媒体の再加熱領域Hへの移入
を制御する回路は、良く知られており、好ましくは約1
〜3℃程度の物質の再加熱調節ができるものであれば、
いくつかの異なる方法で実施することが出来るので、図
2においては、見やすくするためにその回路を省略す
る。加熱媒体の移入は、例えば、上記の公知の回路によ
り、媒体用室を通る加熱媒体の再循環でだけでなく、そ
の媒体の一定な温度で調節することができる。
び第2実施態様は、図1に示すタイプの垂直型テンパリ
ングカラム1を含む。明確するために、テンパリングカ
ラム1は、冷却及び加熱領域の実際の範囲のみを示すこ
とで、図2及び図4には詳しく示さずに概略的に表し
た。そのような範囲は、予め定められた数の相互連結さ
れている室を通って流れる、それぞれの領域のための冷
却あるいは加熱媒体を提供することで簡単に得られる。
従って、当該領域の範囲は、上記の媒体がその領域につ
いて選ばれた特定の温度で流れる室の数に対応する。図
2に示す脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテンパ
リング装置は、1次冷却領域C1と、結晶形成冷却表面
を有する後続の2次冷却領域C2と、最終の再加熱領域
Hとからなっている。加熱媒体の再加熱領域Hへの移入
を制御する回路は、良く知られており、好ましくは約1
〜3℃程度の物質の再加熱調節ができるものであれば、
いくつかの異なる方法で実施することが出来るので、図
2においては、見やすくするためにその回路を省略す
る。加熱媒体の移入は、例えば、上記の公知の回路によ
り、媒体用室を通る加熱媒体の再循環でだけでなく、そ
の媒体の一定な温度で調節することができる。
【0026】図2に示す装置である第1実施態様によれ
ば、冷却領域C1及びC2は、それぞれ媒体用室を通る
冷却媒体の循環のために、別個の回路9と10をそれぞ
れ含んでいる。2次冷却領域C2の冷却回路10には、
冷却媒体をこの領域の室を通って連続的に流すポンプP
cがある。温度センサTv2により、水温を測定し、ま
た、この温度センサTv2は、さらなる調節装置Rvに
接続されている。この調節装置Rvは、さらなる調節バ
ルブVrに接続することにより、2次領域C2の室に供
給された冷却媒体の温度が、実質的に一定に保持される
ように、冷水の回路10への供給を管理する。
ば、冷却領域C1及びC2は、それぞれ媒体用室を通る
冷却媒体の循環のために、別個の回路9と10をそれぞ
れ含んでいる。2次冷却領域C2の冷却回路10には、
冷却媒体をこの領域の室を通って連続的に流すポンプP
cがある。温度センサTv2により、水温を測定し、ま
た、この温度センサTv2は、さらなる調節装置Rvに
接続されている。この調節装置Rvは、さらなる調節バ
ルブVrに接続することにより、2次領域C2の室に供
給された冷却媒体の温度が、実質的に一定に保持される
ように、冷水の回路10への供給を管理する。
【0027】1次冷却領域C1の冷却回路9には、電子
式調節装置Rcにより公知の手法で調節される可変流動
のポンプPrがある。上記電子式調節装置は、温度セン
サTcにより測定された物質の温度値を受容する。この
物質温度に応じてポンプPrの流動を制御することによ
り、物質温度が下がるとき、冷却量を低下させ、又、そ
の逆にすることができる。1次冷却領域C1の回路9
は、さらに、1次冷却領域C1に供給された冷却媒体の
温度を測定する温度センサTv1を含んでいる。温度セ
ンサTv1は、調節バルブVrに接続することにより、
その室に供給された冷却媒体の温度がその領域内でほぼ
一定に保持されるように、冷水の供給を管理する、公知
類型の電子式調節装置Rvに接続されている。ワンウェ
イバルブVにより、回路9及び10の数箇所で流動方向
を測定する。
式調節装置Rcにより公知の手法で調節される可変流動
のポンプPrがある。上記電子式調節装置は、温度セン
サTcにより測定された物質の温度値を受容する。この
物質温度に応じてポンプPrの流動を制御することによ
り、物質温度が下がるとき、冷却量を低下させ、又、そ
の逆にすることができる。1次冷却領域C1の回路9
は、さらに、1次冷却領域C1に供給された冷却媒体の
温度を測定する温度センサTv1を含んでいる。温度セ
ンサTv1は、調節バルブVrに接続することにより、
その室に供給された冷却媒体の温度がその領域内でほぼ
一定に保持されるように、冷水の供給を管理する、公知
類型の電子式調節装置Rvに接続されている。ワンウェ
イバルブVにより、回路9及び10の数箇所で流動方向
を測定する。
【0028】図2に示す装置には、結晶形成冷却表面1
1における凹部または内腔12内に配設されている、さ
らなる温度センサTsが含まれている。ワイヤー13
が、2次冷却領域C2の冷却回路10の調節装置Rvに
上記センサTsを接続している。この調節装置は、結晶
形成表面の温度値を連続的に受容し、この表面の温度
が、物質中に結晶を形成する予定された最高温度値に至
るならば、バルブVrを通る外部からの水の流入量を下
げる。この予定された最高温度値は、調節装置Rvで調
整され、22℃ほどまで高くすることができるが、1
8.5℃にセットするのが好ましい。結晶形成表面の予
定され最低温度も、上記調節装置により調整し、10℃
ほどにまで低くセットすることができる。物質の温度ま
たは流量における変動について、確かに、結晶形成表面
の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定められた最
高温度以下に保持する。これによって、結晶形成冷却表
面の温度も、物質中に一定割合の結晶が連続的に形成さ
れるに十分に低いほど一定に保持される。この最高温度
は、電子式調節装置でセットするか、調整する。
1における凹部または内腔12内に配設されている、さ
らなる温度センサTsが含まれている。ワイヤー13
が、2次冷却領域C2の冷却回路10の調節装置Rvに
上記センサTsを接続している。この調節装置は、結晶
形成表面の温度値を連続的に受容し、この表面の温度
が、物質中に結晶を形成する予定された最高温度値に至
るならば、バルブVrを通る外部からの水の流入量を下
げる。この予定された最高温度値は、調節装置Rvで調
整され、22℃ほどまで高くすることができるが、1
8.5℃にセットするのが好ましい。結晶形成表面の予
定され最低温度も、上記調節装置により調整し、10℃
ほどにまで低くセットすることができる。物質の温度ま
たは流量における変動について、確かに、結晶形成表面
の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定められた最
高温度以下に保持する。これによって、結晶形成冷却表
面の温度も、物質中に一定割合の結晶が連続的に形成さ
れるに十分に低いほど一定に保持される。この最高温度
は、電子式調節装置でセットするか、調整する。
【0029】注目すべきことは、図2に示す実施態様に
より、冷却室の流入口に冷却水を供給する導管内に配設
されている温度センサTv2を省略することができるこ
とである。したがって、調節装置Rvは、温度センサT
sのみに接続されることにより、結晶形成表面11の温
度に応じて冷却水の温度または流量を調節するように設
計されている。その温度センサは、また、冷却室内に、
特に結晶形成表面11を構成している壁に近づいて、あ
るいは、その壁に配設することができる。この壁は、図
4及び図5を参照すると、冷却媒体用室3とこれに隣接
した物質用室2とを隔離する。図4に示す第2実施態様
によれば、1次冷却領域C1の回路は、どんな公知の方
法でも配置できるので、見やすくするために省略した。
図4に示されているように、温度センサTv2は、図5
での結晶形成表面11の冷却室において冷却媒体の温度
を測定する。このセンサTv2は、結晶形成表面11に
おいて冷却室に配設されており、ポンプPcに誘導され
た冷却媒体の温度がその室内で一定に保持されるよう、
バルブVrにより管理される水量を制御する調節装置R
vに接続される。物質温度センサTcが物質中に、好ま
しくは、最終冷却領域の末端にさらに配設され、また物
質の温度に応じて2次冷却領域C2を通る冷却媒体の流
量を制御させる電子式調節装置Rcに接続されている。
より、冷却室の流入口に冷却水を供給する導管内に配設
されている温度センサTv2を省略することができるこ
とである。したがって、調節装置Rvは、温度センサT
sのみに接続されることにより、結晶形成表面11の温
度に応じて冷却水の温度または流量を調節するように設
計されている。その温度センサは、また、冷却室内に、
特に結晶形成表面11を構成している壁に近づいて、あ
るいは、その壁に配設することができる。この壁は、図
4及び図5を参照すると、冷却媒体用室3とこれに隣接
した物質用室2とを隔離する。図4に示す第2実施態様
によれば、1次冷却領域C1の回路は、どんな公知の方
法でも配置できるので、見やすくするために省略した。
図4に示されているように、温度センサTv2は、図5
での結晶形成表面11の冷却室において冷却媒体の温度
を測定する。このセンサTv2は、結晶形成表面11に
おいて冷却室に配設されており、ポンプPcに誘導され
た冷却媒体の温度がその室内で一定に保持されるよう、
バルブVrにより管理される水量を制御する調節装置R
vに接続される。物質温度センサTcが物質中に、好ま
しくは、最終冷却領域の末端にさらに配設され、また物
質の温度に応じて2次冷却領域C2を通る冷却媒体の流
量を制御させる電子式調節装置Rcに接続されている。
【0030】上記の目的を達成するために、調節装置R
cは、図示されている3弁バルブVtまたはそのような
流量調節を得るための他の公知の装置のような、流量調
節手段に接続する。このような調節により、2次領域に
誘導された冷却媒体の量は、物質の温度または流量の如
何にかかわらず、その時点での要求に適合している。良
く認識されているように、2次領域において物質中に形
成された安定な結晶の量は、いつでも上記調節手段によ
り一定比率に維持することができる。当該チョコレート
状物質物質についてのテンパリング工程の初期調整の
間、2次領域C2に誘導された冷却媒体の温度は、物質
中において結晶化が行われるまで低下させる。意外に
も、結晶の形成のための温度に至ると、「良好なテンパ
リングがなされた」物質が得られるよう、非常に急速か
つ満足すべき量で結晶化を行うために、2次冷却領域C
2のみについて管理された冷却媒体の温度を1/10℃
のオーダー程度低下させることで十分であることが確認
された。特に、試験されたチョコレート状物質の全ての
形態について0.5〜1.0℃の低下で十分であった。
このような初期テスト中、調節装置が結晶形成表面の予
め定められた最高温度値を簡単に求め、これに応じてテ
ンパリング物質について連続的に行われるDSC測定ま
たはテンパリング曲線に納得した操作者が操作を行う。
上記最高温度は、また、電子式調節装置へと最高温度を
簡単に入力するか、あるいは、キー入力することによ
り、セットまたは調整することができる。表面温度がそ
の値以上となる最低値も、電子式調節装置にセットまた
は調整することができる。
cは、図示されている3弁バルブVtまたはそのような
流量調節を得るための他の公知の装置のような、流量調
節手段に接続する。このような調節により、2次領域に
誘導された冷却媒体の量は、物質の温度または流量の如
何にかかわらず、その時点での要求に適合している。良
く認識されているように、2次領域において物質中に形
成された安定な結晶の量は、いつでも上記調節手段によ
り一定比率に維持することができる。当該チョコレート
状物質物質についてのテンパリング工程の初期調整の
間、2次領域C2に誘導された冷却媒体の温度は、物質
中において結晶化が行われるまで低下させる。意外に
も、結晶の形成のための温度に至ると、「良好なテンパ
リングがなされた」物質が得られるよう、非常に急速か
つ満足すべき量で結晶化を行うために、2次冷却領域C
2のみについて管理された冷却媒体の温度を1/10℃
のオーダー程度低下させることで十分であることが確認
された。特に、試験されたチョコレート状物質の全ての
形態について0.5〜1.0℃の低下で十分であった。
このような初期テスト中、調節装置が結晶形成表面の予
め定められた最高温度値を簡単に求め、これに応じてテ
ンパリング物質について連続的に行われるDSC測定ま
たはテンパリング曲線に納得した操作者が操作を行う。
上記最高温度は、また、電子式調節装置へと最高温度を
簡単に入力するか、あるいは、キー入力することによ
り、セットまたは調整することができる。表面温度がそ
の値以上となる最低値も、電子式調節装置にセットまた
は調整することができる。
【0031】また、2次領域のさらなる調整が全く必要
でないから、作業員による2次冷却領域の操作または調
整の誤りの可能性を避けられる。図2及び図4に示す装
置には、さらに後続の3次冷却領域C3を追加すること
ができる。意外にも、3次領域C3のない場合より、も
っと「安定な」熱交換器を実現することができる。これ
は、冷却媒体の測定温度を、3次領域のない場合よりも
っと安定な状態で保持できることを意味する。このこと
は、物質温度センサTcが3次領域C3の物質用室中の
1室内に配置されているとき、特にあてはまる。温度セ
ンサTs及びTv2の配設は任意的事項であることに注
目すべきである。両センサTs及びTv2は、冷却領域
で同時に、あるいは、好んで一度に1つを配設すること
ができる。一連のテストにより、いくつかの公知のタイ
プの装置を本発明の図4に示す実施態様と比較する。こ
れらのテストによれば、良く知られているタイプの液状
ダークチョコレートを該当装置に供給されたとき48℃
の一定な温度まで加温させる。物質の供給を970キロ
/時間〜550キロ/時間の間で変更した。全テスト期
間の間、各々の冷却領域へ供給され、また、それから排
出される冷却水の温度を連続的に測定する。なお、物質
のテンパリング状態を現すテンパリング曲線を評価し
た。
でないから、作業員による2次冷却領域の操作または調
整の誤りの可能性を避けられる。図2及び図4に示す装
置には、さらに後続の3次冷却領域C3を追加すること
ができる。意外にも、3次領域C3のない場合より、も
っと「安定な」熱交換器を実現することができる。これ
は、冷却媒体の測定温度を、3次領域のない場合よりも
っと安定な状態で保持できることを意味する。このこと
は、物質温度センサTcが3次領域C3の物質用室中の
1室内に配置されているとき、特にあてはまる。温度セ
ンサTs及びTv2の配設は任意的事項であることに注
目すべきである。両センサTs及びTv2は、冷却領域
で同時に、あるいは、好んで一度に1つを配設すること
ができる。一連のテストにより、いくつかの公知のタイ
プの装置を本発明の図4に示す実施態様と比較する。こ
れらのテストによれば、良く知られているタイプの液状
ダークチョコレートを該当装置に供給されたとき48℃
の一定な温度まで加温させる。物質の供給を970キロ
/時間〜550キロ/時間の間で変更した。全テスト期
間の間、各々の冷却領域へ供給され、また、それから排
出される冷却水の温度を連続的に測定する。なお、物質
のテンパリング状態を現すテンパリング曲線を評価し
た。
【0032】欧州特許公報第0472886A1号に記
載されている公知の装置の中で1つの装置によれば、2
次冷却領域の表面温度が2.5℃の間隔内で変動し、テ
ンパリング物質中に結晶の一定割合は、達成できなかっ
た。この原因は、避けられない、定期的に起こる「テン
パリング過多」である。対照的に、図4に示す本発明の
装置により、1次冷却領域の温度は1/10℃の範囲内
でのみ変動した。数パーセント内で結晶のほぼ一定な割
合が得られたことは驚くべきであり、テンパリング曲線
は、「テンパリング過多」を全く表していなかった。
載されている公知の装置の中で1つの装置によれば、2
次冷却領域の表面温度が2.5℃の間隔内で変動し、テ
ンパリング物質中に結晶の一定割合は、達成できなかっ
た。この原因は、避けられない、定期的に起こる「テン
パリング過多」である。対照的に、図4に示す本発明の
装置により、1次冷却領域の温度は1/10℃の範囲内
でのみ変動した。数パーセント内で結晶のほぼ一定な割
合が得られたことは驚くべきであり、テンパリング曲線
は、「テンパリング過多」を全く表していなかった。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、結晶形成表面の温度が決して結晶を得られな
い値に上昇することがないため、特に結晶の割合が可変
的である「テンパリング不足」の物質の生成を避けられ
る。また、本発明によれば、結晶形成冷却表面の温度
は、予め定められた最低温度値より高くなるように調節
することもできる。したがって、物質の温度または流量
における変動が起きるとき、冷却表面の温度が下がりす
ぎることを避けられるため、「テンパリング過多」の物
質の生成が排除される。したがって、冷却媒体の温度ま
たは流量の変動があっても、結晶形成冷却表面(11)
の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定められた最
高温度値以下に調節することにより、物質の温度または
流量における変動に依存せず、テンパリングした物質か
ら「高品質」の製品を連続的に生産することができる。
によれば、結晶形成表面の温度が決して結晶を得られな
い値に上昇することがないため、特に結晶の割合が可変
的である「テンパリング不足」の物質の生成を避けられ
る。また、本発明によれば、結晶形成冷却表面の温度
は、予め定められた最低温度値より高くなるように調節
することもできる。したがって、物質の温度または流量
における変動が起きるとき、冷却表面の温度が下がりす
ぎることを避けられるため、「テンパリング過多」の物
質の生成が排除される。したがって、冷却媒体の温度ま
たは流量の変動があっても、結晶形成冷却表面(11)
の温度を、物質中に結晶を形成する、予め定められた最
高温度値以下に調節することにより、物質の温度または
流量における変動に依存せず、テンパリングした物質か
ら「高品質」の製品を連続的に生産することができる。
【図1】 テンパリング装置のテンパリングカラムの垂
直断面を概略的に示す図である。
直断面を概略的に示す図である。
【図2】 テンパリング装置の第1実施態様のテンパリ
ングカラム及び関連回路の概略図である。
ングカラム及び関連回路の概略図である。
【図3】 上記図2に示したテンパリング装置の第1実
施態様の冷却室と物質用室とを隔離する壁面の拡大図で
ある。
施態様の冷却室と物質用室とを隔離する壁面の拡大図で
ある。
【図4】 テンパリング装置の第2実施態様のテンパリ
ングカラム及び関連回路の概略図である。
ングカラム及び関連回路の概略図である。
【図5】 図4に示したテンパリング装置の第2実施態
様の冷却室と物質用室とを隔離する壁面の拡大図であ
る。
様の冷却室と物質用室とを隔離する壁面の拡大図であ
る。
1 テンパリングカラム 2 物質用室 3 媒体用室 4 ディスク型の壁 5 撹拌手段 6 垂直軸 7 モーター 8 開口部 9 冷却回路 10 冷却回路 11 結晶形成表面 12 凹部または内腔12内 13 ワイヤー C1 1次冷却領域 C2 2次冷却領域 C3 3次冷却領域 H 最終の再加熱領域
Claims (30)
- 【請求項1】 脂肪含有チョコレート状物質について、
この物質が結晶形成冷却表面を通るにつれて物質中に結
晶を形成させる冷却(C2)と、最終の再加熱(H)と
の段階を適用し、冷却媒体の温度または流量の変動があ
っても、結晶形成冷却表面(11)の温度を、物質中に
結晶を形成する予め定められた最高温度値以下に調節す
る、脂肪含有チョコレート状物質の連続的なテンパリン
グ方法。 - 【請求項2】 上記冷却媒体の温度または流量の変動が
あっても、結晶形成冷却表面(11)の温度を、予め定
められた最低温度より高くなるように調節する、請求項
1記載の方法。 - 【請求項3】 上記結晶形成冷却表面(11)の温度
を、22℃以下に調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 上記結晶形成冷却表面(11)の温度
を、18.5℃以下に調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 上記結晶形成冷却表面(11)の温度
を、10℃以上に調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 上記結晶形成冷却表面(11)の温度
を、13.5℃以上に調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 上記結晶形成冷却表面(11)の冷却を
行う冷却媒体の温度を、その結晶形成冷却表面の温度に
応じて調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 上記結晶形成冷却表面(11)の冷却を
行う冷却媒体の流量を、その結晶形成冷却表面の温度に
応じて調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 該当チョコレート状物質についてのテン
パリング工程の初期調節過程の間、結晶形成冷却表面の
温度を、そのような可能な、予め定められた最高温度以
上である温度にセットした後、該当物質中に結晶が形成
されるまで低下させる、請求項1記載の方法。 - 【請求項10】 上記結晶形成冷却を行う冷却媒体の温
度を、当該チョコレート状物質の形態に応じて10℃〜
22℃に調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 上記冷却媒体を再循環する、請求項1
記載の方法。 - 【請求項12】 上記結晶形成冷却を行う冷却媒体の流
量を、物質の温度に応じて調節する、請求項1記載の方
法。 - 【請求項13】 上記結晶形成冷却を行う冷却媒体の温
度を、結晶形成表面(11)に隣接した冷却室で測定さ
れる冷却媒体温度に応じて一定水準に調節する、請求項
1記載の方法。 - 【請求項14】 上記冷却媒体を連続的に流れるように
調節する、請求項1記載の方法。 - 【請求項15】 上記物質について、2次の結晶形成冷
却(C2)の前に先行する1次冷却(C1)の段階を適
用し、この1次冷却(C1)により、物質中に結晶化が
行われる温度に近似な温度まで物質を冷やす、請求項1
記載の方法。 - 【請求項16】 結晶形成冷却表面を有する冷却領域
(C2)と、最終の再加熱領域(H)とを含んでおり、
また、冷却媒体の温度または流量の変動があっても、結
晶形成表面(11)の温度が予め定められた最高値以下
になるように、冷却媒体により行われる冷却を調節する
手段をさらに含んでなる、脂肪含有チョコレート状物質
の連続的なテンパリング装置。 - 【請求項17】 上記手段が、冷却媒体の温度または流
量の変動があっても、結晶形成表面(11)の温度が予
め定められた最低温度値より高くなるように、冷却媒体
により行われる冷却を調節させるものである、請求項1
6記載の装置。 - 【請求項18】 上記手段が、冷却媒体温度センサ(T
v2)を含んでおり、結晶形成表面(11)についての
冷却媒体の温度が予め定められた最高値より低くなるよ
うに調節させるものである、請求項16記載の装置。 - 【請求項19】 上記手段が、冷却媒体温度センサ(T
v2)を含んでおり、結晶形成表面(11)についての
冷却媒体の温度が予め定められた最低値より高くなるよ
うに調節させるものである、請求項16記載の装置。 - 【請求項20】 上記手段が、結晶形成表面(11)に
配設されている温度センサ(Ts)を含む、請求項16
記載の装置。 - 【請求項21】 上記手段が、結晶形成表面(11)に
配設されている温度センサ(Ts)に接続されている電
子式調節装置(Rv)をさらに含んでおり、この電子式
調節装置が結晶形成表面(11)の温度に応じて冷却媒
体の温度を調節するように設計されている、請求項16
記載の装置。 - 【請求項22】 上記手段が、結晶形成表面(11)に
配設されている温度センサ(Ts)に接続されている電
子式調節装置(Rv)をさらに含んでおり、この電子式
調節装置が結晶形成表面(11)の温度に応じて冷却媒
体の流量を調節するように設計されている、請求項16
記載の装置。 - 【請求項23】 物質中に配設されており、また結晶形
成表面(11)の冷却を行う冷却媒体の流量を調節する
ためのバルブまたはポンプ手段といった調節手段(R
c)に接続されている、物質温度センサ(Tc)をさら
に含む、請求項16記載の装置。 - 【請求項24】 結晶形成冷却領域(C2)についての
冷却媒体に配設されており、かつ、冷却媒体の温度を一
定水準に調節する他の調節手段(Rv)に接続されてい
る、冷却媒体温度センサ(Tv2)をさらに含む、請求
項16記載の装置。 - 【請求項25】 上記冷却媒体温度センサ(Tv2)
が、結晶形成表面(11)に隣接した冷却室に配設され
ている、請求項16記載の装置。 - 【請求項26】 結晶形成冷却領域(C2)を通って冷
却媒体を連続的に流すポンプ手段(Pc)を含む、請求
項16記載の装置。 - 【請求項27】 2次の結晶形成冷却領域(C2)の前
側に先の1次冷却領域(C1)を含む、請求項16記載
の装置。 - 【請求項28】 2次の結晶形成冷却領域(C2)の後
側に配置されるさらなる後続の冷却領域を含む、請求項
16記載の装置。 - 【請求項29】 上記冷却領域(C1、C2)及び再加
熱領域(H)が、一つのカラム(1)内に互いに上下に
配列されており、それぞれの冷却領域(C1、C2)
は、上記物質が流れる少なくとも一つの物質用室(2)
と、冷却媒体が流れる少なくとも一つの媒体用室(3)
とを含む、請求項16記載の装置。 - 【請求項30】 上記物質について物質用室(2)に配
置されている撹拌手段(5)を適用する、請求項16記
載の装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP98104725A EP0893066B1 (en) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | Apparatus for continuous tempering of chocolate-like mass |
EP98104725:1 | 1998-03-16 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11313613A true JPH11313613A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=8231594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11070139A Pending JPH11313613A (ja) | 1998-03-16 | 1999-03-16 | チョコレ―ト状物質の連続的なテンパリング方法及び装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6164195A (ja) |
EP (1) | EP0893066B1 (ja) |
JP (1) | JPH11313613A (ja) |
DE (1) | DE69800725T2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101864760B1 (ko) * | 2017-07-21 | 2018-06-05 | 김영찬 | 초콜릿 템퍼링 장치 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19854204C2 (de) * | 1998-11-24 | 2000-06-15 | Sollich Gmbh & Co Kg | Vorrichtung zum kontinuierlichen Aufbereiten von zu verarbeitenden kakaobutterhaltigen oder ähnlichen fetthaltigen Massen |
DK1363098T3 (da) * | 2002-04-22 | 2004-05-10 | Aasted Mikroverk Aps | Tempereringsapparat |
EP1425975A1 (en) * | 2002-12-08 | 2004-06-09 | Aasted-Mikroverk Aps | Apparatus for treating chocolate mass |
PL2210501T3 (pl) * | 2010-04-01 | 2014-05-30 | Aasted Aps | Sposób i aparatura ciągłego temperowania masy czekoladowej |
PL2210499T3 (pl) * | 2010-04-01 | 2014-06-30 | Aasted Aps | Urządzenie do ciągłego temperowania masy czekoladowej |
ES2588477T3 (es) * | 2010-04-01 | 2016-11-03 | Aasted Aps | Aparato para atemperado continuo de masa de chocolate |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3714663A1 (de) * | 1987-05-02 | 1988-11-10 | Sollich Gmbh & Co Kg | Verfahren und vorrichtung zum kontinuierlichen aufbereiten von zu verarbeitenden kakaobutterhaltigen oder aehnlichen fetthaltigen massen |
DE4027429A1 (de) * | 1990-08-30 | 1992-03-05 | Sollich Gmbh & Co Kg | Verfahren und vorrichtung zum kontinuierlichen temperieren von zu verarbeitenden kakaobutterhaltigen oder aehnlichen fetthaltigen massen, insbesondere schokolademasse |
DK171220B1 (da) * | 1994-06-03 | 1996-08-05 | Aasted Mikroverk Aps | Fremgangsmåde og apparat til kontinuerlig temperering af chokoladelignende masser |
EP0806149B1 (en) * | 1996-05-09 | 2002-11-13 | Aasted-Mikroverk Aps | An apparatus comprising a tempering column for continuous tempering of fat-containing chocolate-like masses with improved stirring |
EP0872187B1 (en) * | 1997-04-17 | 1999-09-01 | Aasted-Mikroverk Aps | Apparatus for continuous tempering of cacao-butter-containing or other fatcontaining chocolate-like mass |
-
1998
- 1998-03-16 EP EP98104725A patent/EP0893066B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-03-16 DE DE69800725T patent/DE69800725T2/de not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-03-15 US US09/267,640 patent/US6164195A/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-16 JP JP11070139A patent/JPH11313613A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101864760B1 (ko) * | 2017-07-21 | 2018-06-05 | 김영찬 | 초콜릿 템퍼링 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0893066B1 (en) | 2001-04-25 |
DE69800725D1 (de) | 2001-05-31 |
EP0893066A1 (en) | 1999-01-27 |
DE69800725T2 (de) | 2001-08-09 |
US6164195A (en) | 2000-12-26 |
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