JPH11309742A

JPH11309742A - 塗装・印刷成形品とその製造方法

Info

Publication number: JPH11309742A
Application number: JP11808598A
Authority: JP
Inventors: Masaru Terashita; 勝寺下
Original assignee: Nissha Printing Co Ltd
Current assignee: Nissha Printing Co Ltd
Priority date: 1998-04-28
Filing date: 1998-04-28
Publication date: 1999-11-09

Abstract

(57)【要約】【課題】部品（成形品）点数が少なく、生産効率のよ
い塗装・印刷成形品を提供する。【解決手段】マスキングシート１上に透光性フィルム
６、印刷絵柄層２、接着層３が積層された枚葉シートを
金型内に装着し、金型を閉め、金型内に成形樹脂を射出
し、成形品５の表面の一部に枚葉シートの接着層３側を
接着させ、金型を開き、枚葉シート表面１６と成形樹脂
表面とを有する成形品を取り出し、成形品５の少なくと
も成形樹脂表面１２に塗装膜を形成した後に、枚葉シー
トのマスキングシートを剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術の分野】この発明は、成形品の表面
に、金属色やつや消し等の塗装模様等と、印刷絵柄とが
併存した塗装・印刷成形品とその製造方法に関する。こ
の発明に係る塗装・印刷成形品は、自動車のホイールに
装着するホイルキャップや自動車室内部品等の用途とし
て特に有効なものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、成形品の表面に、例えば金属色か
らなる塗装模様と印刷絵柄とが併存した塗装・印刷成形
品を得る場合、（１）印刷絵柄が形成された成形品と、
金属色の塗装膜が形成された成形品を別々に製造し、そ
れらを熱溶着や両面テープ等で接合する等して組み立て
て一つの製品としていた。（２）印刷絵柄が形成された
既製の成形品の表面の一部に、マスキングシートを貼り
付け、マスキングシートの表面を含む成形品の表面に、
金属色の塗装膜を形成し、その後、マスキングシートを
剥離して製品としていた。（３）印刷絵柄が形成された
成形品に、塗装による金属色を施したシートを貼り付け
て製品としていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の製造方
法（１）では、成形品を２個以上必要とするため、部品
（成形品）点数が多く、組み立てるための手間がかか
り、生産効率が低く、コストがかっていた。また（２）
では、成形品の表面が立体形状の場合には、平面のマス
キングシートをきれいに貼り付けることが極めて困難で
あるため、マスキングシートの端部が波打った状態や、
一部が浮上がった状態で貼り付けられることになる。よ
って、塗装する際にマスキングシートの裏面に塗装膜が
回り込む等するため、金属色の塗装模様部と印刷絵柄と
の境界線が崩れやすい。また（３）では、塗装模様が大
面積になる場合シート代が高つくとともに、シートの取
り扱いに手間がかかっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の塗装・印刷成形品の製造方法は、マスキ
ングシート上に透光性フィルム、印刷絵柄層、接着層が
積層された枚葉シートを金型内に装着し、金型を閉め、
金型内に成形樹脂を射出し、成形品の表面の一部に枚葉
シートの接着層側を接着させ、金型を開き、枚葉シート
表面と成形樹脂表面ととを有する成形品を取り出し、成
形品の少なくとも成形樹脂表面に塗装膜を形成した後
に、枚葉シートのマスキングシートを剥離するようにし
たことを特徴とする。また、この発明の塗装・印刷成形
品は、成形品表面に、接着層を介して形成された透光性
フィルムの部分と、塗装膜の部分とを隣接して有するこ
とを特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明について詳細に説明する。

【０００６】図１〜２はこの発明の製造方法の一実施例
の一工程を示す模式断面図である。図３はこの発明の塗
装・印刷成形品の平面図である。

【０００７】この発明の塗装・印刷成形品の製造方法と
塗装・印刷成形品の説明をする。

【０００８】まず、マスキングシート１上に透光性フィ
ルム、印刷絵柄層２、接着層３が積層された枚葉シート
４を金型内に装着し、金型を閉める（図１参照）。マス
キングシート１の材質は、ポリエチレンテレフタレート
やポリプロピレン、アクリル等がある。マスキングシー
ト１の材質は、後述する成形樹脂と異種のものとすると
よい。例えば、成形樹脂がアクリロニトロルブタジエン
スチレン樹脂の場合はマスキングシート１の材質はポリ
エチレン樹脂とするとよい。このようにすると、成形樹
脂とマスキングシートの端面１１とが熱融着をおこし剥
離しにくくなるのを防止することができる。また、マス
キングシート１を剥離する際に、塗装膜だけが剥離して
マスキングシートが残存してしはならないので、マスキ
ングシート１の材質は、後述する塗装膜との間の密着性
が良く、両者間で剥離しにくいものがよい。透光性フィ
ルム６は、アクリルフィルムやポリオレフィンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム等からなるフィルムがある。上記各フィ
ルムは、耐候性を有するものが好ましい。印刷絵柄層２
は成形品５の表面に装飾性や機能性を付与する層であ
る。印刷絵柄層２は、グラビア印刷やスクリーン印刷等
通常の印刷法により形成された絵柄がある。印刷絵柄層
２は樹脂バインダーと顔料または染料を用いるとよい。
印刷絵柄層２は樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料
や無機顔料等を用いてもよい。印刷絵柄層２には金属光
沢を出すために金属蒸着層が積層されていてもよい。接
着層３は、枚葉シートと成形品とを接着させるための層
である。接着層３は、成形樹脂の素材に適した感熱性あ
るいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹
脂がアクリル樹脂やウレタン樹脂の場合は、接着層３と
して塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂やアクリル系樹脂
を用いるとよい。絵柄印刷層２、接着層３は各種印刷法
で形成する。接着層３は樹脂フィルムを用いてもよい。
なお、上記各層の積層の仕方は、マスキングシート１と
透光性フィルム６とを積層した多層物の上に、上記印刷
絵柄層２、接着層３を順次積層してもよい。あるいは、
透光性フィルム６上に印刷絵柄層２、接着層３を順次積
層した後、透光性フィルム６上に、低粘着剤等を介して
マスキングシート１をラミネートしてもよい。金型とし
ては、射出ゲート７を有する固定型８とキャビティ形成
面９を有する可動型１０等からなるものがある。

【０００９】なお、枚葉シート４は、金型内に装着する
前に、金型のキャビティ形成面９に密着するように、予
め三次元形状に成形されていてもよい（図１参照）。

【００１０】次に、金型内に成形樹脂を射出し、成形品
５の表面の一部に枚葉シート４の接着層３を接着させ
る。

【００１１】具体的には、固定型８と可動型１０とを型
閉めし枚葉シート４を挟み込み、射出ゲート７から成形
樹脂を射出し、枚葉シート４の接着層３側と成形樹脂と
が接触したまま、成形樹脂が冷却されて固化し、成形品
５の表面の一部に枚葉シート４の接着層側が接着する。
枚葉シート４の端面１１も成形品と接触することになる
（図２参照）。成形樹脂の材料としては、ポリスチレン
系樹脂、ＡＢＳ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を使用するこ
とができる。

【００１２】次に、金型を開き、枚葉シート表面１６と
成形樹脂表面１２ととを有する成形品５を取り出す。取
り出された成形品の表面は、枚葉シート４の端部が波打
った状態や、一部が浮上がった状態とならずに、きれい
に接着される。枚葉シート表面１６と成形樹脂表面１２
とは、段差を有するように形成されてもよいし、段差を
有しないように形成されてもよい。

【００１３】次に、成形品５の少なくとも成形樹脂表面
１２に塗装膜１３を形成した後に、枚葉シート４のマス
キングシート１を剥離する。

【００１４】塗装膜１３を形成する方法としては、塗装
スプレーで成形品５の表面にウレタン樹脂系の塗料を塗
布して塗装膜１３を形成した後、熱乾燥して塗装膜１３
を硬化させる等の方法がある。塗料としては、ウレタン
樹脂単体を用いた透光性のあるいわゆるクリア塗料があ
る。また、ウレタン樹脂等と、アルミフレーク、（雲
母）マイカ等を混ぜ合わせたものがある。塗装膜１３の
模様としては、金属色、光沢、つや消し（マット）、シ
ボ、グロス等がある。

【００１５】枚葉シート４のマスキングシート１を剥離
すると、枚葉シート４表面に形成された塗装膜１３は、
マスキングシート１とともに除去され、成形樹脂表面１
２に形成された塗装膜１３はそのまま残留する。マスキ
ングシート１が除去された箇所には印刷絵柄１５が現れ
る。マスキングシート１を剥離する方法しては、吸盤に
よる吸着方法や粘着シートによる方法等がある。このよ
うにして、成形品５の表面に、接着層３を介して形成さ
れた印刷絵柄層２の部分と、塗装膜１３の部分とを隣接
して有する塗装・印刷成形品が得られる。得られた塗装
・印刷成形品は、枚葉シート４の端部には波打ちや浮き
上がりなく接着しており塗装膜の回り込みがないため、
マスキングシート１を剥離すると、印刷絵柄層の部分と
塗装膜の部分とを隣接した部分、つまり、印刷絵柄１５
と塗装膜１３との境界線１４が鮮明に現れる。この発明
の製造方法によって得られる塗装・印刷成形品として
は、例えば、風穴を４箇所に有するホイルキャップであ
って、中心部に印刷絵柄１５を有し、周辺部に金属色の
塗装膜１３を有するものがある（図３参照）。

【００１６】

【発明の効果】この発明の塗装・印刷成形品とその製造
方法は、マスキングシート上に透光性フィルム、印刷絵
柄層、接着層が積層された枚葉シートを金型内に装着
し、金型を閉め、金型内に成形樹脂を射出し、成形品の
表面の一部に枚葉シートの接着層側を接着させ、金型を
開き、枚葉シート表面と成形樹脂表面とを有する成形品
を取り出し、成形品の少なくとも成形樹脂表面に塗装膜
を形成した後に、枚葉シートのマスキングシートを剥離
するものであり、成形品表面に、接着層を介して形成さ
れた透光性フィルムの部分と、塗装膜の部分とを隣接し
て有する塗装・印刷成形品が得られる。（１）この発明では、部品（成形品）点数が一個で済む
ので、組み立てる手間もかからず、生産効率が高く、コ
ストもかからない。また、（２）この発明では、金型内
に転写シートを装着して射出成形するため、成形品の表
面が立体形状の場合であっても、枚葉シートの端部が波
打った状態や、一部が浮上がった状態とならずに、容易
にしかもきれいに成形品の表面に接着することができ
る。よって、塗装模様と印刷絵柄との境界線が崩れるこ
ともない。また、（３）塗装模様が大面積になる場合で
も、転写シート代が高くつくことはなく、シートの取り
扱いに手間がかかることもなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の塗装・印刷成形品の製造方法の一
製造工程を示す模式断面図である。

【図２】この発明の塗装・印刷成形品の製造方法の一
製造工程を示す模式断面図である。

【図３】この発明の塗装・印刷成形品の一例を示す模
式平面図である。

【符号の説明】

１マスキングシート２印刷絵柄層３接着層４枚葉シート５成形品６透光性フィルム７射出ゲート８固定型９キャビティ形成面１０可動型１１端面１２成形樹脂表面１３塗装膜１４境界線１５印刷絵柄１６枚葉シート表面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】マスキングシート上に透光性フィルム、
印刷絵柄層、接着層が積層された枚葉シートを金型内に
装着し、金型を閉め、金型内に成形樹脂を射出し、成形
品の表面の一部に枚葉シートの接着層側を接着させ、金
型を開き、枚葉シート表面と成形樹脂表面とを有する成
形品を取り出し、成形品の少なくとも成形樹脂表面に塗
装膜を形成した後に、枚葉シートのマスキングシートを
剥離することを特徴とする塗装・印刷成形品の製造方
法。
【請求項２】成形品表面に、接着層を介して形成され
た透光性フィルムの部分と、塗装膜の部分とを隣接して
有することを特徴とする塗装・印刷成形品。