JPH11308195A - マルチキャリア信号の生成方法及び送信装置 - Google Patents

マルチキャリア信号の生成方法及び送信装置

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JPH11308195A
JPH11308195A JP10115562A JP11556298A JPH11308195A JP H11308195 A JPH11308195 A JP H11308195A JP 10115562 A JP10115562 A JP 10115562A JP 11556298 A JP11556298 A JP 11556298A JP H11308195 A JPH11308195 A JP H11308195A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチキャリア信号に設けられているガード
インターバル期間はマルチパス環境下での特性を改善し
ているが、情報の伝送に寄与するものではないため、情
報伝送速度が低下する。 【解決手段】 演算部4は、送信部11から入力された
送信電力選択信号に従って、テーブル12の送信電力を
参照し、その参照送信電力に対応したガードインターバ
ル期間の値をテーブル12から読み出す。この場合、伝
送距離が長い場合や伝送路の状態が悪いほど、送信電力
が大きな値に切換設定され、それに対応して大なるガー
ドインターバル期間の値が読み出される。演算部4は、
伝送しようとする入力データをIDFT演算して得たデ
ータを有効シンボル期間にて出力し、更にその直前に、
送信部11からの送信電力選択信号に応じて可変した値
のガードインターバル期間を挿入した信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はマルチキャリア信号の生成方法及
び送信装置に係り、特に伝送すべきディジタル情報を所
定の帯域で伝送するためのマルチキャリア信号の生成方
法及び送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル情報を伝送する場合、単一周
波数の搬送波をディジタル情報に基づいて位相変調(P
SK)あるいは直交振幅変調(QAM)するなどの方法
が知られている。位相変調方式は、伝送すべきディジタ
ル情報を搬送波の位相成分に対応させて変化させる変調
方式であり、直交振幅変調方式は搬送波の位相と振幅の
両方を変化させる変調方式である。従来は単一周波数の
搬送波が伝送帯域幅におさまるように変調していた。
【0003】一方、最近では新たな伝送方式として直交
周波数分割多重(OFDM)方式と呼ばれる伝送方式が
提案されている。OFDM方式は、伝送帯域幅内に複数
の直交する搬送波を発生させ、それぞれの搬送波を位相
変調や直交振幅変調する方式である。なお、「搬送波が
直交している」とは、隣接する搬送波のスペクトラムが
当該搬送波の周波数位置で零になることを意味する。
【0004】このOFDM方式は、搬送波当たりの占有
帯域幅が狭くなり変調速度が遅くなる一方、複数の搬送
波に情報を分割して伝送するため総合的な情報の伝送速
度は低下しない。また、変調速度(シンボルレート)が
遅くなるため、マルチパスによる遅延波の干渉領域にガ
ードインターバル期間なる緩衝時間を設けても、相対的
な効率の低下が少なくて済む。従って、このOFDM方
式はマルチパス環境下での特性に優れ、地上波ディジタ
ル放送の伝送方式として注目されている。
【0005】ここで、送信側においてOFDM方式の信
号発生には、伝送すべき情報を各搬送波の位相あるいは
振幅成分とみなし、周波数領域から離散フーリエ逆変換
(IDFT)を施して時間領域の信号に変換する。受信
側では離散フーリエ変換(DFT)により時間領域の信
号を周波数領域に戻す処理を行う。近年の半導体技術の
進展によりこれらの信号処理が比較的高速で実現できる
ようになったことも、このOFDM方式が注目されてい
る理由の一つである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のOFDM方式で
は、前述したように、マルチパスによる遅延波の干渉領
域に対してガードインターバル期間なる緩衝時間を設け
て、マルチパス環境下での特性を改善しているが、その
反面、このガードインターバル期間は情報の伝送に寄与
するものではないため、特に伝送距離が短い場合や伝送
路の状態が良く、干渉領域も少ない場合でも一定の長さ
のガードインターバル期間を必要とすることから情報伝
送速度の低下が免れ得ないという問題がある。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
マルチパス耐性を劣化させることなく、情報伝送効率を
向上し得るマルチキャリア信号の生成方法及び送信装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の生成方法は、複数の送信電力のうち、任意
に設定した一の送信電力で送信され、かつ、有効シンボ
ル期間とガードインターバル期間とからなるシンボル期
間単位で伝送されるマルチキャリア信号の生成方法であ
って、有効シンボル期間には、互いに周波数が異なる複
数の搬送波のそれぞれを、各搬送波に割り当てられた伝
送すべき情報信号で別々に変調して周波数分割多重した
信号を伝送し、ガードインターバル期間は、設定した一
の送信電力に応じて設定した長さとしたマルチキャリア
信号を生成するようにしたものである。
【0009】また、上記の目的を達成するため、本発明
の送信装置は、有効シンボル期間とガードインターバル
期間とからなるシンボル期間単位で伝送されるマルチキ
ャリア信号を送信する送信装置において、複数の送信電
力のうち、任意に設定した一の送信電力でマルチキャリ
ア信号を送信すると共に、設定した送信電力を示す送信
電力選択信号を出力する送信部と、 複数の送信電力に
それぞれ対応して異なる長さのガードインターバル期間
の値を予め記憶しているテーブルと、伝送すべきデータ
を受けて演算を行い、互いに周波数が異なる複数の搬送
波のそれぞれを、各搬送波に割り当てられた伝送すべき
データで別々に変調して周波数分割多重した信号を有効
シンボル期間で伝送し、かつ、ガードインターバル期間
を、送信部から入力された送信電力選択信号に基づいて
テーブルを参照して得たガードインターバル期間の値と
したマルチキャリア信号を生成する生成手段とを有する
構成としたものである。
【0010】本発明が適用されるマルチキャリア無線シ
ステムでは、伝送距離が長い場合や伝送路の状態が悪い
場合は、送信電力を大きく設定し、伝送距離が短い場合
や伝送路の状態が良い場合は、送信電力を小さく設定す
る。一方、ガードインターバル期間は、マルチパスを軽
減するための期間であり、伝送距離や伝送路の状態でマ
ルスパスによる遅延波の到来時間が変化するため、伝送
距離や伝送路の状態で可変することが望ましい。
【0011】そこで、本発明のマルチキャリアの生成方
法及び送信装置では、設定した一の送信電力により伝送
距離や伝送路の状態を推定し、その設定した一の送信電
力に応じてガードインターバル期間を設定した長さとす
るようにしたため、伝送距離や伝送路の状態に応じて、
ガードインターバル期間を最適な値に設定することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面と共に説明する。図1は本発明になるマルチキ
ャリア信号の生成方法及び送信装置の一実施の形態のブ
ロック図、図2は図1の要部の一実施の形態の構成図を
示す。
【0013】まず、図1と共に、送信装置の全体構成に
ついて説明する。図1において、端子1を介して入力さ
れた伝送すべき入力データ(例えば、MPEG方式に準
拠して圧縮符号化された映像/音声符号化データ)は、
入力回路2に供給されて必要に応じて誤り訂正符号の付
与がクロック分周器3よりのクロックに基づいて行われ
る。クロック分周器3は中間周波数発振器8よりの1
0.7MHzの中間周波数を分周して、この中間周波数
に同期したクロックを発生する。
【0014】誤り訂正符号が付加された入力データは、
所定の時間間隔(シンボル時間)で所定ビット単位で分
割して並列に演算部4に供給され、ここでクロック分周
器3から供給されるクロック信号に基づいてIDFT演
算され、更にガードインターバル期間が挿入されてそれ
ぞれ同相信号(I信号)と直交信号(Q信号)とされ
る。
【0015】図3は演算部4の出力I信号及びQ信号の
シンボル構成を示す。各シンボル期間は、図3に示すよ
うに、伝送しようとする入力データをIDFT演算して
得られたデータが伝送される有効シンボル期間tsと、
その直前に付加されたガードインターバル期間giとか
らなる、taで示す期間である。ガードインターバル期
間giはマルチパスを軽減するための期間で、その期間
の信号波形は有効シンボル期間tsの信号波形を繰り返
し巡回したものである。
【0016】なお、OFDM信号の各搬送波の周波数間
隔は、有効シンボル期間tsの逆数に等しい。有効シン
ボル期間tsをN分割した周期でサンプリングした値を
得るために、周波数軸上でN個の複素数データを各シン
ボル期間ta毎に1回、NポイントIDFT演算を行っ
て、その実数部をとることにより、ベースバンド時間軸
波形のI信号が、またその虚数部をとることにより、ベ
ースバンド時間軸波形のQ信号が得られる。
【0017】これらのI信号とQ信号は、出力バッファ
5に供給されて一時記憶された後、クロック分周器3か
ら供給されるクロック信号に同期して出力される。出力
バッファ5は、演算部4からの出力I信号及びQ信号が
不連続で一定速度でないときに必要である。演算部4か
らI信号及びQ信号が連続的に一定速度で出力される場
合は、必ずしも出力バッファ5は必要としない。回路の
簡略化のために出力速度を任意にする場合には、出力バ
ッファ5を備える必要が生じるが、本発明の本旨ではな
いので、どちらの構成でもかまわない。
【0018】クロック分周器3からのクロックに基づい
て、出力バッファ5より連続的に読み出されたI信号と
Q信号は、D/A変換器・低域フィルタ(LPF)6に
供給され、ここでクロック分周器3からのクロックをサ
ンプリングクロックとしてアナログ信号に変換された
後、LPFにより必要な周波数帯域に成分のI信号とQ
信号とが通過されて直交変調器7へそれぞれ供給され
る。
【0019】直交変調器7は中間周波数発振器8よりの
中間周波数を第1の搬送波とし、かつ、この中間周波数
を90°シフタ9により90°シフトした中間周波数を
第2の搬送波として、それぞれD/A変換器・LPF6
より入力されたI信号とQ信号で直交振幅変調して複数
の搬送波が周波数分割多重されてなるOFDM信号(マ
ルチキャリア信号)を生成する。すなわち、このOFD
M信号は、互いに異なる周波数の複数の搬送波が、伝送
すべきデータでそれぞれ位相変調あるいは直交位相振幅
変調されている周波数分割多重信号である。
【0020】直交変調器7より取り出されたOFDM信
号は、周波数変換器10により所定の送信周波数帯のR
F信号に周波数変換された後、送信部11で電力増幅等
の送信処理を受けて図示しないアンテナより放射され
る。
【0021】ところで、この実施の形態の送信装置を含
むマルチキャリア無線システムは、複数の送信電力が設
定可能なマルチキャリア無線システムであり、伝送距離
や伝送路の状態により任意に送信電力を変えられる構成
とする。ここで、伝送距離が長い場合や伝送路の状態が
悪い場合は、送信電力を大きく設定する。また、伝送距
離が短い場合や伝送路の状態が良い場合は、送信電力を
小さく設定する。
【0022】伝送距離が長い場合や伝送路の状態が悪い
場合は、マルチパスによる遅延波の到来時間は長くな
り、干渉領域も多くなる。従って、ガードインターバル
期間を多めに設定する必要がある。一方、伝送距離が短
い場合や伝送路の状態が良い場合は、マルチパスによる
遅延波の到来時間は短くなり、干渉領域も少ない。従っ
て、ガードインターバル期間を少なく設定しても、その
改善効果は劣化しない。よって、この送信電力の切換に
連動し、送信電力に対応する所定のガードインターバル
期間を挿入することにより、目的のマルチキャリア信号
を生成することができる。
【0023】上記の原理を実現するため、図1の送信部
11は図2に示すように、送信電力切換回路部110を
有する。送信電力切換回路部110は、入力端子21を
介して入力された周波数変換器10よりのRF信号を入
力信号として受け、端子22を介して与えられた手動等
による切換指示により決定された電力利得で増幅して出
力端子24へ出力し、図示しないアンテナより放射す
る。また、送信電力切換回路部110は、スイッチ等で
操作者が送信電力を決定した時、その切換指示が端子2
2を介して与えられ、それに基づき送信電力選択信号を
発生して、端子23を介して図1の演算部4へ出力す
る。
【0024】図1のテーブル12は、送信部11が設定
可能な複数の送信電力のそれぞれに対応して、複数のガ
ードインターバル期間の設定値を予め保持している。こ
のテーブルでは、前述した理由から送信電力が大なるほ
ど、ガードインターバル期間が長く設定されている。
【0025】演算部4は、送信部11内の送信電力切換
回路部110から入力された上記の送信電力選択信号に
従って、このテーブル12の送信電力を参照し、その参
照送信電力に対応したガードインターバル期間の値をテ
ーブル12から読み出す。この場合、前述したように、
伝送距離が長い場合や伝送路の状態が悪いほど、送信電
力が大きな値に切換設定され、それに対応して大なるガ
ードインターバル期間の値が読み出されることになる。
【0026】これにより、演算部4は、図3に示したよ
うに、伝送しようとする入力データをIDFT演算して
得たデータを有効シンボル期間tsにて出力し、更にそ
の直前に、送信部11からの送信電力選択信号に応じて
可変した値のガードインターバル期間giを挿入した信
号を出力する。なお、有効シンボル期間tsは複数の搬
送波周波数を一定とする必要から常に一定であるため、
ガードインターバル期間giの可変により、シンボル期
間taが変化する。
【0027】このようにして、有効シンボル期間tsに
は、互いに周波数が異なる複数の搬送波のそれぞれを、
各搬送波に割り当てられた伝送すべきデータで別々に変
調して周波数分割多重した信号を伝送し、ガードインタ
ーバル期間giは、一の送信電力に応じて設定した長さ
としたマルチキャリア信号が送信部11から送信され
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
設定した一の送信電力に応じてガードインターバル期間
を設定した長さとすることにより、伝送距離や伝送路の
状態に応じて、ガードインターバル期間を最適な値に設
定するようにしたため、簡単な構成で、マルチパス環境
下での良好な特性を確保したまま、情報伝送速度の低下
を最小限に抑えることができ、特に近距離伝送における
情報の伝送効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1中の要部である送信部の一実施の形態のブ
ロック図である。
【図3】ガードインターバル期間の説明図である。
【符号の説明】
1 データ入力端子 4 演算部 7 直交変調器 11 送信部 12 テーブル 110 送信電力切換回路部 ta シンボル期間 ts 有効シンボル期間 gi ガードインターバル期間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信電力のうち、任意に設定した
    一の送信電力で送信され、かつ、有効シンボル期間とガ
    ードインターバル期間とからなるシンボル期間単位で伝
    送されるマルチキャリア信号の生成方法であって、 前記有効シンボル期間には、互いに周波数が異なる複数
    の搬送波のそれぞれを、各搬送波に割り当てられた伝送
    すべき情報信号で別々に変調して周波数分割多重した信
    号を伝送し、前記ガードインターバル期間は、前記設定
    した一の送信電力に応じて設定した長さとしたマルチキ
    ャリア信号を生成することを特徴とするマルチキャリア
    信号の生成方法。
  2. 【請求項2】 前記ガードインターバル期間は、前記送
    信電力が大なるときは小であるときよりも長く設定する
    ことを特徴とする請求項1記載のマルチキャリア信号の
    生成方法。
  3. 【請求項3】 有効シンボル期間とガードインターバル
    期間とからなるシンボル期間単位で伝送されるマルチキ
    ャリア信号を送信する送信装置において、 複数の送信電力のうち、任意に設定した一の送信電力で
    マルチキャリア信号を送信すると共に、設定した送信電
    力を示す送信電力選択信号を出力する送信部と、 前記複数の送信電力にそれぞれ対応して異なる長さの前
    記ガードインターバル期間の値を予め記憶しているテー
    ブルと、 伝送すべきデータを受けて演算を行い、互いに周波数が
    異なる複数の搬送波のそれぞれを、各搬送波に割り当て
    られた伝送すべきデータで別々に変調して周波数分割多
    重した信号を前記有効シンボル期間で伝送し、かつ、前
    記ガードインターバル期間を、前記送信部から入力され
    た前記送信電力選択信号に基づいて前記テーブルを参照
    して得た前記ガードインターバル期間の値とした前記マ
    ルチキャリア信号を生成する生成手段とを有することを
    特徴とする送信装置。
  4. 【請求項4】 前記テーブルは、前記ガードインターバ
    ル期間が、前記送信電力が大なるときは小であるときよ
    りも長い値に設定されていることを特徴とする請求項3
    記載の送信装置。
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