JPH11308157A - 適応等化器用周波数偏差補償回路 - Google Patents

適応等化器用周波数偏差補償回路

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JPH11308157A
JPH11308157A JP10112271A JP11227198A JPH11308157A JP H11308157 A JPH11308157 A JP H11308157A JP 10112271 A JP10112271 A JP 10112271A JP 11227198 A JP11227198 A JP 11227198A JP H11308157 A JPH11308157 A JP H11308157A
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circuit
signal
frequency deviation
circuits
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JP10112271A
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English (en)
Inventor
Satoshi Muneda
悟志 宗田
Shiyuuta Ueno
衆太 上野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は適応等化器用周波数偏差補償回路に
おいて位相遷移が位相空間ダイヤグラムの0を通る変調
方式を採用した場合に補償性能が劣化するのを防止する
とともに、周波数偏差検出のために用いるトレーニング
信号と等化器が利用するトレーニング信号との共通化を
可能にすることを目的とする。 【解決手段】 シンボルレートの整数倍でサンプリング
するA/D変換回路10とその出力を入力して複数系統
のシンボルレートの信号を出力するシリアル−パラレル
変換回路20と信号を系統毎に処理してトレーニング信
号から周波数偏差を検出する複数の周波数偏差検出回路
30〜33と信号の電力をトレーニング信号の一定期間
について積算する複数の積算回路34〜37と積算され
た電力を互いに比較する比較回路40とその出力信号に
従って複数の周波数偏差の1つを選択する選択回路50
と選択した周波数偏差に従って信号を出力する発振回路
60と周波数偏差を発振回路60が出力する信号で補正
する乗算回路80とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル無線受
信機の適応等化器の前段に配置される適応等化器用周波
数偏差補償回路に関する。適応等化器は、マルチパスフ
ェージングによる符号間干渉によって伝送特性が劣化す
るのを防止する。本発明の適応等化器用周波数偏差補償
回路は、適応等化器に入力される信号の周波数偏差を補
正し、送受信ローカル周波数の偏差を補償する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル無線通信においては、データ
伝送速度の高速化に伴い、マルチパスフェージングによ
る符号間干渉が生じて伝送特性が劣化する。これを補償
する技術の一つに等化器がある。しかし、送信機及び受
信機に内蔵されるローカル発振器の周波数偏差が大きく
なると、等化器の等化能力は劣化する。また、受信機内
部のA/D変換器等で信号をサンプリングする際に生じ
るサンプリングタイミングのオフセット(偏差)により
等化器の等化能力は劣化する。
【0003】サンプリングタイミングのオフセットにつ
いては、適応等化器の内部処理により補正可能である。
このため、従来の適応等化器用周波数偏差補償回路にお
いては、サンプリングタイミングのオフセットは補償せ
ずに、周波数偏差だけを補償した信号を適応等化器に出
力する。従来の適応等化器用周波数偏差補償回路は、例
えば文献「H.Matsui "DelayedDecision Feedback Seque
nce Estimator For GMSK Burst Modem", MoMuC3,A.3.1,
2」に示されている。
【0004】従来の適応等化器用周波数偏差補償回路
は、図12のように構成されている。この適応等化器用
周波数偏差補償回路においては、入力される受信信号を
A/D変換回路501でサンプリングしてディジタル信
号に変換する。変調方式がGMSKの場合には、受信信
号のシンボルレートと同一のレートでサンプリングす
る。つまり、1シンボルあたり一回のサンプリング及び
A/D変換を実施する。また、変調方式がオフセットQ
PSKの場合には、シンボルレートの2倍のレートでサ
ンプリングする。
【0005】入力される受信信号は、図5に示すように
トレーニング信号350とデータ信号351とで構成さ
れている。また、トレーニング信号350として同じN
シンボルのランダム信号がM回繰り返し現れる。図12
の適応等化器用周波数偏差補償回路においては、1つの
トレーニング信号350が現れている間に、周波数偏差
検出回路505は乗算器503が出力するディジタル信
号に基づき周波数偏差を検出する。
【0006】トレーニング信号350にはNシンボル周
期で同じ信号が繰り返し現れるので、周波数偏差検出回
路505はNシンボルの間の受信信号の位相変化を検出
する。また、雑音の影響を取り除くために、複数シンボ
ルで検出した位相変化量を平均化する。そして、検出し
た位相変化量をNで除算して、1シンボルあたりの位相
変化、すなわち周波数偏差を検出する。
【0007】発振回路506は、周波数偏差検出回路5
05が検出した届波数偏差を入力し、検出した周波数偏
差を補正するためにそれと逆向きに位相が回転する正弦
波を発振する。乗算器503は、A/D変換回路501
が出力するディジタル信号と発振回路506が出力する
ディジタル信号とを乗算して、周波数偏差が補償された
ディジタル信号を生成する。
【0008】従って、周波数偏差検出回路505が周波
数偏差を検出した後、発振回路506の出力によって周
波数偏差が補償されたディジタル信号が等化器504に
出力される。この種の適応等化器用周波数偏差補償回路
を用いるディジタル無線通信では、変調方式として例え
ばGMSKやオフセットQPSKが用いられる。これら
の変調方式を利用する場合には、図9に示すように、位
相遷移が空間位相ダイヤグラムの0を通らない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の適応等化器用周
波数偏差補償回路では、受信信号のサンプリングタイミ
ングの同期をとる前に、周波数偏差の検出と補償を行
う。その後、等化器で符号間干渉を等化する。変調方式
としてGMSKやオフセットQPSKを用いる場合に
は、受信信号の位相遷移が位相空間ダイヤグラムの0を
通らないので、どのサンプリングタイミングで周波数偏
差を検出してもある程度の受信電力が得られる。
【0010】しかしながら、変調方式としてBPSKや
QPSKを用いる場合には、図10に示すように位相遷
移が位相空間ダイヤグラムの0を通る。その場合には、
受信信号の位相遷移が位相空間ダイヤグラムの0の付近
のタイミングでサンプリングを実施すると、小さな受信
電力しか得られない。従って、雑音の影響が強く、周波
数偏差の検出誤差が大きくなる。
【0011】従って、従来の適応等化器用周波数偏差補
償回路を、変調方式としてBPSKやQPSKを採用す
る通信システムに適用すると、周波数偏差補償性能が劣
化するのは避けられない。また、従来の適応等化器用周
波数偏差補償回路はフィードバックループを形成してい
る。そのため、周波数偏差を検出するためのトレーニン
グ信号と等化器のトレーニング信号とを共通化すること
ができない。従って、トレーニング長が長くなるのは避
けられなかった。
【0012】本発明は、適応等化器用周波数偏差補償回
路において、位相遷移が位相空間ダイヤグラムの0を通
る変調方式を採用した場合に補償性能が劣化するのを防
止するとともに、周波数偏差検出のために用いるトレー
ニング信号と等化器が利用するトレーニング信号との共
通化を可能にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の適応等化器用
周波数偏差補償回路は、受信信号のマルチパスフェージ
ングによる波形歪みを補償する等化器の前に設置され、
所定数のシンボル毎に同じ信号が繰り返し現れるトレー
ニング信号を含むバーストフォーマットの受信信号を処
理して受信信号の周波数偏差を補償する適応等化器用周
波数偏差補償回路において、受信信号を直交検波して得
られるべ一スバンド信号を、シンボルレートの2以上の
整数倍のレートで周期的にサンプリングしてアナログー
ディジタル変換するA/D変換回路と、シンボルレート
の整数倍のレートで前記A/D変換回路から出力される
ディジタル信号を入力してシリアル−パラレル変換を行
い、複数系統に分離されたシンボルレートのディジタル
信号を出力するシリアル−パラレル変換回路と、前記シ
リアル−パラレル変換回路が出力する複数系統のディジ
タル信号を系統毎に処理して前記ディジタル信号に含ま
れるトレーニング信号から、複数のサンプリングタイミ
ングの周波数偏差を検出する複数の周波数偏差検出回路
と、前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数系
統のディジタル信号を系統毎に処理して、前記ディジタ
ル信号の電力をトレーニング信号の一定期間について積
算する複数の積算回路と、前記複数の積算回路がそれぞ
れ出力する積算された電力を互いに比較して、比較の結
果を示す信号を出力する比較回路と、前記比較回路が出
力する信号に従って、前記複数の周波数偏差検出回路が
出力する複数の周波数偏差の1つを選択する選択回路
と、前記選択回路が選択した周波数偏差に従って、正弦
波状の信号を出力する発振回路と、等化器に入力される
信号の周波数偏差を、前記発振回路が出力する信号に応
じて補正する乗算回路とを設けたことを特徴とする。
【0014】A/D変換回路がシンボルレートの2以上
の整数倍のレートでべ一スバンド信号を周期的にサンプ
リングするので、べ一スバンド信号の各シンボルは互い
に異なる複数のタイミングでそれぞれサンプリングされ
る。A/D変換回路が出力するディジタル信号は、シリ
アル−パラレル変換回路によって複数系統の並列信号に
分割される。つまり、互いにサンプリングのタイミング
が異なる複数系統のディジタル信号がシリアル−パラレ
ル変換回路から出力される。
【0015】複数の周波数偏差検出回路は、シリアル−
パラレル変換回路が出力する各系統のディジタル信号の
トレーニング信号に基づいて周波数偏差を検出する。複
数の積算回路は、シリアル−パラレル変換回路が出力す
る複数系統のディジタル信号を系統毎に処理して、前記
ディジタル信号の電力をトレーニング信号の一定期間に
ついて積算する。
【0016】比較回路は、複数の積算回路がそれぞれ出
力する積算された電力を互いに比較して、比較の結果を
示す信号を出力する。選択回路は、比較回路が出力する
信号に従って、前記複数の周波数偏差検出回路が出力す
る複数の周波数偏差の1つを選択する。発振回路は、選
択回路が選択した周波数偏差に従って、正弦波状の信号
を出力する。乗算回路は、等化器に入力される信号の周
波数偏差を、前記発振回路が出力する信号に応じて補正
する。
【0017】本発明においては、互いに異なるタイミン
グでサンプリングされた複数の信号のそれぞれについて
周波数偏差を検出するので、複数の周波数偏差の中で最
も信頼度の高い周波数偏差を利用して周波数偏差を補正
できる。つまり、サンプリングタイミングのずれによっ
て大きな検出誤差が生じた周波数偏差の影響を排除する
ことができる。
【0018】そのため、変調方式として、信号の位相遷
移が位相空間ダイヤグラムの0を通るBPSKやQPS
Kを利用する場合であっても、大きな誤差を生じること
なくサンプリングタイミングの同期をとる前に周波数偏
差を補正できる。また、本発明の適応等化器用周波数偏
差補償回路は、周波数偏差をトレーニング信号の周期性
から検出するので、制御系がオープンループとして構成
される。従って、周波数偏差検出のためのトレーニング
信号と適応等化器のためのトレーニング信号とを共通化
できる。この共通化によって、トレーニング信号の短縮
が可能になり、バースト利用効率の改善が可能になる。
【0019】なお、本発明の適応等化器用周波数偏差補
償回路で補正できない残留周波数偏差は、小さな偏差な
ので適応等化器で吸収できる。請求項2は、請求項1記
載の適応等化器用周波数偏差補償回路において、前記A
/D変換回路が出力するディジタル信号を遅延して前記
乗算回路に入力する遅延回路を設けたことを特徴とす
る。
【0020】A/D変換回路がディジタル信号の出力を
開始してから周波数偏差の補正に必要な信号が発振回路
から出力されるまでにはある程度の時間がかかる。遅延
回路は、A/D変換回路が出力するディジタル信号を遅
延して前記乗算回路に入力するので、周波数偏差が補正
されていない無効な信号が乗算回路から出力されるのを
防止できる。
【0021】請求項3の適応等化器用周波数偏差補償回
路は、受信信号のマルチパスフェージングによる波形歪
みを補償する等化器の前に設置され、所定数のシンボル
毎に同じ信号が繰り返し現れるトレーニング信号を含む
バーストフォーマットの受信信号を処理して受信信号の
周波数偏差を補償する適応等化器用周波数偏差補償回路
において、受信信号を直交検波して得られるべ一スバン
ド信号を、シンボルレートの2以上の整数倍のレートで
周期的にサンプリングしてアナログーディジタル変換す
るA/D変換回路と、シンボルレートの整数倍のレート
で前記A/D変換回路から出力されるディジタル信号を
入力してシリアル−パラレル変換を行い、複数系統に分
離されたシンボルレートのディジタル信号を出力するシ
リアル−パラレル変換回路と、前記シリアル−パラレル
変換回路が出力する複数系統のディジタル信号を系統毎
に処理して前記ディジタル信号に含まれるトレーニング
信号から、複数のサンプリングタイミングの周波数偏差
を検出する複数の周波数偏差検出回路と、前記複数の周
波数偏差検出回路がそれぞれ検出した周波数偏差に対応
する正弦波状のディジタル信号を出力する複数の発振回
路と、前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数
系統のディジタル信号を系統毎に遅延したディジタル信
号を出力する複数の遅延回路と、前記複数の遅延回路が
出力する複数のディジタル信号の周波数偏差を、前記複
数の発振回路が出力するディジタル信号に応じてそれぞ
れ補正する複数の乗算回路と、前記複数の乗算回路がそ
れぞれ出力する周波数偏差の補正されたディジタル信号
とトレーニング信号との相関に基づき、インパルスレス
ポンスを求める複数の相関回路と、前記複数の相関回路
がそれぞれ出力するインパルスレスポンスとトレーニン
グ信号とに基づいて、シンボル毎のレプリカを求める複
数のレプリカ生成回路と、前記相関回路及びレプリカ生
成回路の処理に要する時間に応じて前記複数の乗算回路
が出力する信号をそれぞれ遅延する複数のレプリカ遅延
回路と、前記複数のレプリカ遅延回路が出力する信号
と、前記複数のレプリカ生成回路が生成するレプリカと
の差を推定誤差として求める複数の加算回路と、前記加
算回路が出力する推定誤差の絶対値の2乗をトレーニン
グ信号の現れる期間について積算する複数の積算回路
と、前記複数の積算回路がトレーニング信号の終了時に
それぞれ出力する推定誤差を互いに比較してその結果を
示す信号を出力する比較回路と、前記複数の乗算回路が
出力する周波数偏差の補正された複数のディジタル信号
の1つを前記比較回路が出力する信号に応じて選択的に
出力する選択回路とを設けたことを特徴とする。A/D
変換回路がシンボルレートの2以上の整数倍のレートで
べ一スバンド信号を周期的にサンプリングするので、べ
一スバンド信号の各シンボルは互いに異なる複数のタイ
ミングでそれぞれサンプリングされる。
【0022】A/D変換回路が出力するディジタル信号
は、シリアル−パラレル変換回路によって複数系統の並
列信号に分割される。つまり、互いにサンプリングのタ
イミングが異なる複数系統のディジタル信号がシリアル
−パラレル変換回路から出力される。複数の周波数偏差
検出回路は、シリアル−パラレル変換回路が出力する各
系統のディジタル信号のトレーニング信号に基づいて周
波数偏差を検出する。複数の発振回路は、前記複数の周
波数偏差検出回路がそれぞれ検出した周波数偏差に対応
する正弦波状のディジタル信号を出力する。
【0023】複数の遅延回路は、前記シリアル−パラレ
ル変換回路が出力する複数系統のディジタル信号を系統
毎に遅延したディジタル信号を出力する。複数の乗算回
路は、前記複数の遅延回路が出力する複数のディジタル
信号の周波数偏差を前記複数の発振回路が出力するディ
ジタル信号に応じてそれぞれ補正する。従って、複数の
乗算回路の出力には、周波数偏差が補正されたサンプリ
ングタイミング毎の複数の信号が得られる。
【0024】複数の相関回路は、前記複数の乗算回路が
それぞれ出力する周波数偏差の補正されたディジタル信
号とトレーニング信号との相関に基づき、インパルスレ
スポンスを求める。複数のレプリカ生成回路は、前記複
数の相関回路がそれぞれ出力するインパルスレスポンス
とトレーニング信号とに基づいて、シンボル毎のレプリ
カを求める。
【0025】複数のレプリカ遅延回路は、前記相関回路
及びレプリカ生成回路の処理に要する時間に応じて前記
複数の乗算回路が出力する信号をそれぞれ遅延する。複
数の加算回路は、前記複数のレプリカ遅延回路が出力す
る信号と、前記複数のレプリカ生成回路が生成するレプ
リカとの差を推定誤差として求める。
【0026】複数の積算回路は、前記加算回路が出力す
る推定誤差の絶対値の2乗をトレーニング信号の現れる
期間について積算する。比較回路は、前記複数の積算回
路がトレーニング信号の終了時にそれぞれ出力する推定
誤差を互いに比較してその結果を示す信号を出力する。
選択回路は、前記複数の乗算回路が出力する周波数偏差
の補正された複数のディジタル信号の1つを前記比較回
路が出力する信号に応じて選択的に出力する。
【0027】本発明においては、互いに異なるタイミン
グでサンプリングされた複数の信号のそれぞれについて
周波数偏差を検出するので、複数の周波数偏差の中で最
も信頼度の高い周波数偏差を利用して周波数偏差を補正
できる。つまり、サンプリングタイミングのずれによっ
て大きな検出誤差が生じた周波数偏差の影響を排除する
ことができる。
【0028】そのため、変調方式として、信号の位相遷
移が位相空間ダイヤグラムの0を通るBPSKやQPS
Kを利用する場合であっても、大きな誤差を生じること
なくサンプリングタイミングの同期をとる前に周波数偏
差を補正できる。また、本発明の適応等化器用周波数偏
差補償回路は、周波数偏差をトレーニング信号の周期性
から検出するので、制御系がオープンループとして構成
される。従って、周波数偏差検出のためのトレーニング
信号と適応等化器のためのトレーニング信号とを共通化
できる。この共通化によって、トレーニング信号の短縮
が可能になり、バースト利用効率の改善が可能になる。
【0029】なお、本発明の適応等化器用周波数偏差補
償回路で補正できない残留周波数偏差は、小さな偏差な
ので適応等化器で吸収できる。請求項4は、請求項3記
載の適応等化器用周波数偏差補償回路において、前記複
数の乗算回路がそれぞれ出力する周波数偏差の補正され
たディジタル信号を前記比較回路が結果を出力するまで
遅延して前記選択回路に入力する複数のタイミング遅延
回路を設けたことを特徴とする。
【0030】前記複数の乗算回路の出力に周波数偏差の
補正された複数のディジタル信号が現れてから、前記比
較回路が比較の結果を出力するまでにはある程度の時間
がかかる。タイミング遅延回路を設けて前記選択回路に
入力されるディジタル信号を遅延することにより、推定
誤差の大きい信号が等化器に入力されるのを防止でき
る。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この形態の
適応等化器用周波数偏差補償回路を図1〜図4及び図1
1に示す。この形態は請求項1及び請求項2に対応す
る。図1は第1の実施の形態の適応等化器用周波数偏差
補償回路の構成を示すブロック図である。図2は周波数
偏差検出回路の構成を示すブロック図である。図3は積
算回路の構成を示すブロック図である。図4は並列ディ
ジタル信号の生成動作を示すタイムチャートである。図
11は乗算回路80のブロック図である。
【0032】この形態では、請求項1のA/D変換回
路,シリアル−パラレル変換回路,複数の周波数偏差検
出回路,複数の積算回路,比較回路,選択回路,発振回
路及び乗算回路は、それぞれA/D変換回路10,シリ
アル−パラレル変換回路20,周波数偏差検出回路30
〜33,積算回路34〜37,比較回路40,選択回路
50,発振回路60及び乗算回路80に対応する。ま
た、請求項2の遅延回路は遅延回路70に対応する。
【0033】図1に示す適応等化器用周波数偏差補償回
路は、図5に示すような形式のバースト信号を受信する
受信装置に内蔵される。受信装置の内部の図示しない直
交検波器が出力するアナログベースバンド信号600が
この適応等化器用周波数偏差補償回路に入力される。こ
の適応等化器用周波数偏差補償回路によって生成される
補正されたディジタル信号664が適応等化器90に印
加される。適応等化器90は、マルチパスフェージング
によって生じる受信信号の波形歪みを補償する。
【0034】図1に示すように、この適応等化器用周波
数偏差補償回路は、A/D変換回路10,タイミング発
生回路15,シリアル−パラレル変換回路20,周波数
偏差検出回路30〜33,積算回路34〜37,比較回
路40,選択回路50,発振回路60,遅延回路70及
び乗算回路80を備えている。A/D変換回路10は2
つのA/D変換器11,12を備え、シリアル−パラレ
ル変換回路20は2つの直列/並列変換器21,22を
備えている。乗算回路80は、図11に示すように4つ
の乗算器81〜84と2つの加算器85,86を備えて
いる。
【0035】直交検波により生成されるアナログベース
バンド信号600は、図9,図10に示すI軸方向の信
号を示す同相成分601と、Q軸方向の信号を示す直交
成分602とで構成されている。アナログベースバンド
信号600の同相成分601及び直交成分602は、そ
れぞれ図1のA/D変換器11及び12によってサンプ
リングされ、A/D変換されてディジタル信号611,
612になる。
【0036】タイミング発生回路15は、ディジタル信
号611,612に基づいて受信された信号のシンボル
周期Tsを識別し、検出したシンボル周期Tsに応じた
タイミング信号を生成する。このタイミング信号は、A
/D変換器11,12及び直列/並列変換器21,22
に印加される。A/D変換器11及び12は、タイミン
グ発生回路15からのタイミング信号に同期して、信号
のサンプリング及びA/D変換を実施する。この例で
は、A/D変換器11,12のサンプリング周期は、図
4に示すようにシンボル周期Tsの(1/4)になって
いる。
【0037】つまり、A/D変換器11,12はアナロ
グベースバンド信号600のシンボルレート(シンボル
/秒)の4倍のレートでサンプリングを実施する。従っ
て、A/D変換器11,12の出力には、図4に示すよ
うに互いにサンプリングタイミングの異なる4種類の信
号が、シンボルレートの4倍のレートの時系列ディジタ
ル信号として現れる。
【0038】A/D変換器11,12が出力するディジ
タル信号611,612は、直列/並列変換器21,2
2と遅延回路70に入力される。直列/並列変換器2
1,22へのディジタル信号611,612の入力はバ
ーストのトレーニング信号350が現れる期間のみ行わ
れ、遅延回路70への入力はバーストの全期間にわたり
行われる。
【0039】直列/並列変換器21及び22は、タイミ
ング発生回路15からのタイミング信号に同期して、デ
ィジタル信号611及び612の直列/並列変換を実施
し、並列ディジタル信号621〜624及び631〜6
34を出力する。並列ディジタル信号621〜624
は、図4に示すように互いに異なるタイミング(各シン
ボルに対して異なる位相)でサンプリングされた4種類
の信号成分である。並列ディジタル信号621〜624
は、シンボルレートと同一のレートで出力される。
【0040】各サンプリングタイミング毎に、並列ディ
ジタル信号621及び631は周波数偏差検出回路30
並びに積算回路34に入力され、並列ディジタル信号6
22及び632は周波数偏差検出回路31並びに積算回
路35に入力され、並列ディジタル信号623及び63
3は周波数偏差検出回路32並びに積算回路36に入力
され、並列ディジタル信号624及び634は周波数偏
差検出回路33並びに積算回路37に入力される。
【0041】つまり、周波数偏差検出回路30〜33に
は互いに異なるタイミングでサンプリングされた信号の
同相成分と直交成分とが入力される。積算回路34〜3
7にも互いに異なるタイミングでサンプリングされた信
号の同相成分と直交成分とが入力される。
【0042】周波数偏差検出回路30〜33は、入力さ
れる信号に基づいてその信号の周波数偏差を検出する。
トレーニング信号350にはNシンボル毎に同じ信号が
繰り返し現れるので、Nシンボルの時間差で現れた2つ
の信号を演算してそれらの間の位相の変化量を検出す
る。また、雑音の影響を取り除くために互いに異なるタ
イミングで検出された位相の変化量を複数用いてそれら
を平均化する。更に、平均化された位相の変化量をNで
除算して1シンボルあたりの位相変化、すなわち周波数
偏差を検出する。
【0043】周波数偏差検出回路30〜33が出力する
4つの周波数偏差信号651〜654は、選択回路50
に入力される。積算回路34〜37は、入力される信号
の絶対値の二乗、すなわち電力の瞬時値を求めて、その
結果をトレーニング信号350が現れる期間の全体に渡
って積算する。トレーニング信号350が終了したとき
に、積算回路34〜37は積算信号641を比較回路4
0に出力する。
【0044】比較回路40は、それぞれサンプリングタ
イミングの異なる4種類の積算信号641〜644を互
いに比較して、その中で最大の信号を識別する。その結
果を比較回路40は選択制御信号660として出力す
る。選択制御信号660は0,1,2及び3の何れかの
値を示す。選択回路50は、4種類のサンプリングタイ
ミングでそれぞれ検出された周波数偏差信号651〜6
54の1つを選択制御信号660に従って選択する。選
択された周波数偏差信号661が選択回路50から出力
される。
【0045】積算信号641〜644の中で積算信号6
41が最大であれば、選択回路50は周波数偏差信号6
51を選択する。また、積算信号641〜644の中で
積算信号642が最大であれば、選択回路50は周波数
偏差信号652を選択する。積算信号641〜644の
中で積算信号643が最大であれば、選択回路50は周
波数偏差信号653を選択する。積算信号641〜64
4の中で積算信号644が最大であれば、選択回路50
は周波数偏差信号654を選択する。
【0046】選択された周波数偏差信号661の周波数
偏差は同じバーストが現れている間は固定される。この
選択された周波数偏差信号661が発振回路60に印加
される。発振回路60は、検出された周波数偏差を補正
する方向に位相が回転するディジタル正弦波信号662
を発振する。このディジタル正弦波信号662が乗算回
路80に印加される。A/D変換器11,12から出力
されるディジタル信号611,612は、発振回路60
からディジタル正弦波信号662が出力されるまでの時
間だけ、遅延回路70で遅延されて乗算回路80に印加
される。
【0047】乗算回路80は、ディジタル正弦波信号6
62と遅延されたディジタル信号663とを乗算して、
周波数偏差を補正する。乗算回路80によって周波数偏
差が補正されたディジタル信号664が適応等化器90
に入力される。選択回路50で選択された1つの周波数
偏差に対応する位相(時間Tの位相差)をΔθで表す場
合、発振回路60が出力するディジタル正弦波信号66
2の時刻nTにおける同相成分vi(nT)及び直交成分
vq(nT)は、それぞれ次式で表される。
【0048】vi(nT)=cos(nΔT) vq(nT)=−sin(nΔT) また、遅延されたディジタル信号663の時刻nTにお
ける同相成分Ri(nT)及び直交成分Rq(nT)は、そ
れぞれ次式で表される。 Ri(nT)=cos(φ(nT)) Rq(nT)=sin(φ(nT)) 乗算回路80から出力される補正されたディジタル信号
664の時刻nTにおける同相成分x(nT)及び直交成
分y(nT)は、それぞれ次式で表される。
【0049】x(nT)=cos(nΔT)・cos(φ(nT))+s
in(nΔT)・sin(φ(nT)) y(nT)=cos(nΔT)・sin(φ(nT))−sin(nΔT)・c
os(φ(nT)) 発振回路60が出力するディジタル正弦波信号662の
周波数は1つのバーストの間は一定の周波数に固定され
るため、補正されたディジタル信号664には多少の残
留周波数偏差が現れる。この残留周波数偏差は、適応等
化器90の内部処理によって吸収される。
【0050】周波数偏差検出回路30の構成を図2に示
す。他の周波数偏差検出回路31〜33も図2と同一の
構成になっている。図2を参照すると、この周波数偏差
検出回路30は、遅延回路311,312,演算回路3
28,平均化回路331,332,Arctan回路340及
び1/N回路341で構成されている。
【0051】遅延回路311及び312は、入力される
同相成分の信号621及び直交成分の信号622をシン
ボル周期TsのN倍の期間だけ遅延する。演算回路32
8は、3つの乗算器321,322,325と、3つの
加算器323,324,326とで構成されている。演
算回路328は、入力される信号321,631と遅延
回路311でNシンボル周期だけ遅延された信号との位
相差を同相成分と直交成分のそれぞれについて求める。
求められた位相差が平均化回路331,332に入力さ
れる。
【0052】雑音の影響を取り除くために、平均化回路
331は、演算回路328が出力する同相成分の位相差
を複数シンボルについて平均化する。同様に平均化回路
332は、演算回路328が出力する直交成分の位相差
を複数シンボルについて平均化する。Arctan回路340
は、平均化回路331が出力する同相成分の位相差と平
均化回路332が出力する直交成分の位相差との比率の
逆正接を演算して、位相変化に対応する角度を求める。
【0053】1/N回路341は、Arctan回路340が
出力する信号の値をNで除算して、1シンボルあたりの
位相変化量を周波数偏差信号651として出力する。積
算回路34の構成を図3に示す。他の積算回路35〜3
7も図3と同一の構成になっている。図3に示すよう
に、積算回路34は絶対値回路411,412,二乗回
路413,414,加算回路415,416及び遅延回
路417を備えている。
【0054】絶対値回路411は、入力される同相成分
の信号621の絶対値を求める。二乗回路413は、絶
対値回路411が出力する絶対値信号の二乗を計算す
る。絶対値回路412は、入力される直交成分の信号6
22の絶対値を求める。二乗回路414は、絶対値回路
412が出力する絶対値信号の二乗を計算する。加算回
路415は、二乗回路413が出力する同相成分の二乗
信号と二乗回路414が出力する直交成分の二乗信号と
の和を出力する。
【0055】加算回路416は、加算回路415の出力
と遅延回路417の出力との和を計算して出力する。遅
延回路417は、加算回路416の出力する信号を入力
して、それを1シンボル周期Tsの期間だけ遅延した信
号を出力する。従って、加算回路415が出力する信号
は、加算回路416及び遅延回路417によって積算さ
れる。加算回路416から積算信号641が出力され
る。
【0056】(第2の実施の形態)この形態の適応等化
器用周波数偏差補償回路を図6〜図8に示す。この形態
は請求項3及び請求項4に対応する。図6は、第2の実
施の形態の適応等化器用周波数偏差補償回路の構成を示
すブロック図である。図7は、誤差検出ユニットの構成
を示すブロック図である。図8は、レプリカ生成回路の
構成を示すブロック図である。図6〜図8において、第
1の実施の形態と同一の構成要素は同一の符号で示され
ている。
【0057】この形態では、請求項3のA/D変換回
路,シリアル−パラレル変換回路,周波数偏差検出回
路,発振回路,遅延回路,乗算回路,相関回路,レプリ
カ生成回路,レプリカ遅延回路,加算回路,積算回路,
比較回路,選択回路は、それぞれA/D変換回路10,
シリアル−パラレル変換回路20,周波数偏差検出回路
30,発振回路60,遅延回路70,乗算回路80,相
関回路120,レプリカ生成回路130,レプリカ遅延
回路.160,加算回路140,積算回路150,比較
回路40B及び選択回路50Bに対応する。
【0058】また、請求項4のタイミング遅延回路はタ
イミング遅延回路170〜173に対応する。図6に示
すように、この形態の適応等化器用周波数偏差補償回路
は、A/D変換回路10,タイミング発生回路15,シ
リアル−パラレル変換回路20,誤差検出ユニット10
1〜104,タイミング遅延回路170〜173,比較
回路40B及び選択回路50Bで構成されている。選択
回路50Bの出力するディジタル信号698が適応等化
器90に入力される。
【0059】第1の実施の形態と同様に、この適応等化
器用周波数偏差補償回路を備える受信装置は、図5に示
す構成のバースト信号を受信する。そして、受信した信
号を図示しない直交検波器により検波して得られるアナ
ログベースバンド信号600が図6の適応等化器用周波
数偏差補償回路に入力される。アナログベースバンド信
号600はA/D変換回路10によってシンボルレート
の4倍のレートでサンプリングされディジタル信号61
1,612に変換される。また、シリアル−パラレル変
換回路20の出力には並列ディジタル信号621〜62
4,631〜634が現れる。
【0060】並列ディジタル信号621〜624は同相
成分であり、並列ディジタル信号631〜634は直交
成分である。各サンプリングタイミング毎に並列ディジ
タル信号621〜624,631〜634が誤差検出ユ
ニット101〜104に入力される。誤差検出ユニット
101は、図7に示すように構成されている。他の誤差
検出ユニット102〜104も図7と同一の構成になっ
ている。
【0061】図7に示すように、誤差検出ユニット10
1は、周波数偏差検出回路30,遅延回路70,発振回
路60,乗算回路80,相関回路120,レプリカ生成
回路130,レプリカ遅延回路.160,加算回路14
0及び積算回路150で構成されている。図7に示す周
波数偏差検出回路30には、バースト信号にトレーニン
グ信号350が現れている期間に限り並列ディジタル信
号621,631が入力される。また、遅延回路70に
バースト信号が現れる全期間に渡って並列ディジタル信
号621,631が入力される。
【0062】周波数偏差検出回路30は、入力される信
号に基づいてその信号の周波数偏差を検出する。トレー
ニング信号350にはNシンボル毎に同じ信号が繰り返
し現れるので、Nシンボルの時間差で現れた2つの信号
を演算してそれらの間の位相の変化量を検出する。ま
た、雑音の影響を取り除くために互いに異なるタイミン
グで検出された位相の変化量を複数用いてそれらを平均
化する。更に、平均化された位相の変化量をNで除算し
て1シンボルあたりの位相変化、すなわち周波数偏差を
検出する。
【0063】周波数偏差検出回路30は、トレーニング
信号350が終了したときに周波数偏差信号701を出
力する。この周波数偏差信号701は1つのバースト信
号が現れている間は固定される。この周波数偏差信号7
01は発振回路60に入力される。発振回路60は、周
波数偏差検出回路30が出力する周波数偏差信号701
に応じて定まるたディジタル正弦波信号702を出力す
る。ディジタル正弦波信号702は、正弦波状に数値が
変化するディジタル信号であり、この信号の位相は周波
数偏差信号701に対応する偏差を補正するように、検
出された信号の位相と逆向きに回転する。
【0064】遅延回路70は、並列ディジタル信号62
1,631を所定時間遅延して、発振回路60がディジ
タル正弦波信号702を出力するのと同時に遅延された
ディジタル信号703を出力する。乗算回路80は、遅
延されたディジタル信号703と発振回路60が出力す
るディジタル正弦波信号702との複素乗算を実施して
周波数偏差を補正する(図11参照)。補正されたディ
ジタル信号704が乗算回路80から出力される。
【0065】乗算回路80から出力される補正されたデ
ィジタル信号704は、相関回路120と、レプリカ遅
延回路160と、図6に示すタイミング遅延回路170
に入力される。相関回路120及びレプリカ遅延回路1
60については、補正されたディジタル信号704はバ
ースト信号にトレーニング信号350が現れている期間
に限り入力される。タイミング遅延回路170について
は、バースト信号の全期間に渡って補正されたディジタ
ル信号704が入力される。
【0066】相関回路120は、補正されたディジタル
信号704と内部で生成されるトレーニング信号(35
0と同じ)との相関に基づいてインパルスレスポンスを
求める。この例では、同一の入力信号について7つのイ
ンパルスレスポンス信号711〜717が相関回路12
0で生成される。レプリカ生成回路130は、相関回路
120から出力されるインパルスレスポンス信号711
〜717と内部で生成されるトレーニング信号350B
とに基づいてトレーニング信号350の複製を各シンボ
ル毎に生成する。この複製をレプリカ信号721として
出力する。
【0067】レプリカ遅延回路160は、補正されたデ
ィジタル信号704を所定時間遅延して、レプリカ信号
721が現れるタイミングと同時にレプリカ遅延信号7
22を出力する。つまり、相関回路120及びレプリカ
生成回路130の処理に要する時間だけレプリカ遅延回
路160は信号を遅延する。加算回路140は、シンボ
ル毎にレプリカ遅延信号722とレプリカ信号721と
の差分を求め、この差分を推定誤差信号723として出
力する。
【0068】積算回路150は図3と同様に構成されて
いる。積算回路150は、加算回路140から入力され
る推定誤差信号723の自乗和を求め、その結果をトレ
ーニング信号350が現れる期間に渡って積算する。ト
レーニング信号350が終了した時に、積算の結果が推
定誤差積算信号671として積算回路150から出力さ
れる。
【0069】図6に示すように、4つの誤差検出ユニッ
ト101〜104は、それぞれ推定誤差積算信号671
〜674を出力する。4つの推定誤差積算信号671〜
674は、互いに異なるサンプリングタイミングで検出
される推定誤差である。比較回路40Bは、トレーニン
グ信号350が終了したときに、4つの推定誤差積算信
号671〜674を互いに比較して、推定誤差の自乗和
が最小になるサンプリングタイミングを識別する。その
識別結果が選択制御信号697として出力される。
【0070】選択制御信号697の値は、0,1,2,
3のいずれかになる。また、選択制御信号697の値
は、1つのバースト信号が現れている間は固定される。
タイミング遅延回路170〜173は、選択制御信号6
97の値が決定されるまでの間、信号を遅延するために
設けてある。タイミング遅延回路170〜173は、そ
れぞれ、誤差検出ユニット101〜104が出力する補
正されたディジタル信号681〜684を所定時間遅延
する。
【0071】選択回路50Bは、選択制御信号697に
応じて、4組の遅延されたディジタル信号691〜69
4のいずれか1組を選択する。そして、選択されたディ
ジタル信号698が選択回路50Bから出力される。例
えば、4つの推定誤差積算信号671〜674の中で推
定誤差積算信号671が最小であれば、タイミング遅延
回路170から出力される遅延されたディジタル信号6
91が選択されたディジタル信号698として選択回路
50Bから出力される。
【0072】選択されたディジタル信号698が適応等
化器90に入力される。選択されたディジタル信号69
8のサンプリングタイミング及び周波数偏差の補償量は
1つのバースト信号が現れている間は固定されるので、
選択されたディジタル信号698には多少の周波数偏差
が残留周波数偏差として現れる可能性がある。しかし、
この種の残留周波数偏差は適応等化器90の内部処理に
よる補正によって吸収される。
【0073】図7のレプリカ生成回路130は、図8に
示すように構成されている。図8を参照すると、このレ
プリカ生成回路130はトレーニング記憶回路201,
遅延回路211〜216,乗算回路221〜227及び
加算回路230で構成されるトランスバーサルフィルタ
である。タップ係数としてインパルスレスポンス信号7
11〜717を用いる。
【0074】トレーニング記憶回路201は、バースト
信号に含まれるトレーニング信号350(図5参照)と
同一のトレーニング信号の情報を保持するROM(読み
出し専用メモリ)である。インパルスレスポンス信号7
11〜717の入力に同期して、トレーニング記憶回路
201に保持されたトレーニング信号の情報がトレーニ
ング信号350Bとして現れる。
【0075】乗算回路221〜227は、トレーニング
記憶回路201から出力されるトレーニング信号350
Bと相関回路120から入力されるインパルスレスポン
ス信号711〜717とを乗算する。加算回路230
は、乗算回路221〜227の出力信号の総和を求め
る。シンボル毎に生成されるレプリカが、レプリカ信号
721として加算回路230から出力される。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の適応等化
器用周波数偏差補償回路によれば、シンボルレートの整
数倍でサンプリングされた複数系統の信号から各タイミ
ング毎に周波数偏差を検出し、それらの中で最も信頼度
の高い周波数を利用して、周波数偏差を補正するので、
検出誤差の大きい周波数偏差の使用を避けることができ
る。
【0077】そのため、BPSKやQPSKのような変
調方式の採用により信号の位相遷移が位相空間ダイヤグ
ラムの0を通る場合にも、サンプリングタイミングの同
期をとる前に周波数偏差を補正することができる。サン
プリングタイミングが互いに異なる複数の受信信号の電
力の比較によって信頼度の高い周波数を選択する場合に
は、簡易な構成で本発明を実現できる。また、周波数偏
差を補正した後の複数の推定誤差の比較によって信頼度
の高い周波数を選択する場合には精度の高い周波数偏差
補正が可能である。
【0078】更に、本発明の適応等化器用周波数偏差補
償回路は周波数偏差の補正だけでなくサンプリングタイ
ミングを決定するので、適応等化器のサンプリングタイ
ミング同期機能を省略できる。また、周波数偏差をトレ
ーニング信号の周期性からオープンループの制御系で検
出するので、周波数偏差検出のためのトレーニング信号
と適応等化器のためのトレーニング信号とを共通化でき
る。従って、バースト利用効率の改善が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の適応等化器用周波数偏差補
償回路の構成を示すブロック図である。
【図2】周波数偏差検出回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】積算回路の構成を示すブロック図である。
【図4】並列ディジタル信号の生成動作を示すタイムチ
ャートである。
【図5】バースト信号の構成を示すタイムチャートであ
る。
【図6】第2の実施の形態の適応等化器用周波数偏差補
償回路の構成を示すブロック図である。
【図7】誤差検出ユニットの構成を示すブロック図であ
る。
【図8】レプリカ生成回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】GMSK,オフセットQPSK変調の位相遷移
を示す位相空間ダイアグラムである。
【図10】QPSK変調の位相遷移を示す位相空間ダイ
アグラムである。
【図11】乗算回路80の構成を示すブロック図であ
る。
【図12】従来の適応等化器用周波数偏差補償回路の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 A/D変換回路 11,12 A/D変換器 15 タイミング発生回路 20 シリアル−パラレル変換回路 21,22 直列/並列変換器 30,31,32,33 周波数偏差検出回路 34,35,36,37 積算回路 40,40B 比較回路 50,50B 選択回路 60 発振回路 70 遅延回路 80 乗算回路 81,82,83,84 乗算器 85,86 加算器 90 適応等化器 101,102,103,104 誤差検出ユニット 120 相関回路 130 レプリカ生成回路 140 加算回路 150 積算回路 160 レプリカ遅延回路 170,171,172,173 タイミング遅延回路 201 トレーニング記憶回路 211,212,213,214,215,216 遅
延回路 221,222,223,224,225,226 乗
算回路 230 加算回路 311,312 遅延回路 321,322,325 乗算器 323,324,326 加算器 328 演算回路 331,332 平均化回路 340 Arctan回路 341 1/N回路 350 トレーニング信号 351 データ信号 411,412 絶対値回路 413,414 二乗回路 415,416 加算回路 417 遅延回路 600 アナログベースバンド信号 601 同相成分 602 直交成分 611,612 ディジタル信号 621,622,623,624 並列ディジタル信号 631,632,633,634 並列ディジタル信号 641,642,643,644 積算信号 651,652,653,654 周波数偏差信号 660 選択制御信号 661 選択された周波数偏差信号 662 ディジタル正弦波信号 663 遅延されたディジタル信号 664 補正されたディジタル信号 671,672,673,674 推定誤差積算信号 681,682,683,684 補正されたディジタ
ル信号 691,692,693,694 遅延されたディジタ
ル信号 697 選択制御信号 698 選択されたディジタル信号 701 周波数偏差信号 702 ディジタル正弦波信号 703 遅延されたディジタル信号 704 補正されたディジタル信号 711〜717 インパルスレスポンス信号 721 レプリカ信号 722 レプリカ遅延信号 723 推定誤差信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号のマルチパスフェージングによ
    る波形歪みを補償する等化器の前に設置され、所定数の
    シンボル毎に同じ信号が繰り返し現れるトレーニング信
    号を含むバーストフォーマットの受信信号を処理して受
    信信号の周波数偏差を補償する適応等化器用周波数偏差
    補償回路において、 受信信号を直交検波して得られるべ一スバンド信号を、
    シンボルレートの2以上の整数倍のレートで周期的にサ
    ンプリングしてアナログーディジタル変換するA/D変
    換回路と、 シンボルレートの整数倍のレートで前記A/D変換回路
    から出力されるディジタル信号を入力してシリアル−パ
    ラレル変換を行い、複数系統に分離されたシンボルレー
    トのディジタル信号を出力するシリアル−パラレル変換
    回路と、 前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数系統の
    ディジタル信号を系統毎に処理して前記ディジタル信号
    に含まれるトレーニング信号から、複数のサンプリング
    タイミングの周波数偏差を検出する複数の周波数偏差検
    出回路と、 前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数系統の
    ディジタル信号を系統毎に処理して、前記ディジタル信
    号の電力をトレーニング信号の一定期間について積算す
    る複数の積算回路と、 前記複数の積算回路がそれぞれ出力する積算された電力
    を互いに比較して、比較の結果を示す信号を出力する比
    較回路と、 前記比較回路が出力する信号に従って、前記複数の周波
    数偏差検出回路が出力する複数の周波数偏差の1つを選
    択する選択回路と、 前記選択回路が選択した周波数偏差に従って、正弦波状
    の信号を出力する発振回路と、 等化器に入力される信号の周波数偏差を、前記発振回路
    が出力する信号に応じて補正する乗算回路とを設けたこ
    とを特徴とする適応等化器用周波数偏差補償回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の適応等化器用周波数偏差
    補償回路において、 前記A/D変換回路が出力するディジタル信号を遅延し
    て前記乗算回路に入力する遅延回路を設けたことを特徴
    とする適応等化器用周波数偏差補償回路。
  3. 【請求項3】 受信信号のマルチパスフェージングによ
    る波形歪みを補償する等化器の前に設置され、所定数の
    シンボル毎に同じ信号が繰り返し現れるトレーニング信
    号を含むバーストフォーマットの受信信号を処理して受
    信信号の周波数偏差を補償する適応等化器用周波数偏差
    補償回路において、 受信信号を直交検波して得られるべ一スバンド信号を、
    シンボルレートの2以上の整数倍のレートで周期的にサ
    ンプリングしてアナログーディジタル変換するA/D変
    換回路と、 シンボルレートの整数倍のレートで前記A/D変換回路
    から出力されるディジタル信号を入力してシリアル−パ
    ラレル変換を行い、複数系統に分離されたシンボルレー
    トのディジタル信号を出力するシリアル−パラレル変換
    回路と、 前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数系統の
    ディジタル信号を系統毎に処理して前記ディジタル信号
    に含まれるトレーニング信号から、複数のサンプリング
    タイミングの周波数偏差を検出する複数の周波数偏差検
    出回路と、 前記複数の周波数偏差検出回路がそれぞれ検出した周波
    数偏差に対応する正弦波状のディジタル信号を出力する
    複数の発振回路と、 前記シリアル−パラレル変換回路が出力する複数系統の
    ディジタル信号を系統毎に遅延したディジタル信号を出
    力する複数の遅延回路と、 前記複数の遅延回路が出力する複数のディジタル信号の
    周波数偏差を、前記複数の発振回路が出力するディジタ
    ル信号に応じてそれぞれ補正する複数の乗算回路と、 前記複数の乗算回路がそれぞれ出力する周波数偏差の補
    正されたディジタル信号とトレーニング信号との相関に
    基づき、インパルスレスポンスを求める複数の相関回路
    と、 前記複数の相関回路がそれぞれ出力するインパルスレス
    ポンスとトレーニング信号とに基づいて、シンボル毎の
    レプリカを求める複数のレプリカ生成回路と、 前記相関回路及びレプリカ生成回路の処理に要する時間
    に応じて前記複数の乗算回路が出力する信号をそれぞれ
    遅延する複数のレプリカ遅延回路と、 前記複数のレプリカ遅延回路が出力する信号と、前記複
    数のレプリカ生成回路が生成するレプリカとの差を推定
    誤差として求める複数の加算回路と、 前記加算回路が出力する推定誤差の絶対値の2乗をトレ
    ーニング信号の現れる期間について積算する複数の積算
    回路と、 前記複数の積算回路がトレーニング信号の終了時にそれ
    ぞれ出力する推定誤差を互いに比較してその結果を示す
    信号を出力する比較回路と、 前記複数の乗算回路が出力する周波数偏差の補正された
    複数のディジタル信号の1つを前記比較回路が出力する
    信号に応じて選択的に出力する選択回路とを設けたこと
    を特徴とする適応等化器用周波数偏差補償回路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の適応等化器用周波数偏差
    補償回路において、前記複数の乗算回路がそれぞれ出力
    する周波数偏差の補正されたディジタル信号を前記比較
    回路が結果を出力するまで遅延して前記選択回路に入力
    する複数のタイミング遅延回路を設けたことを特徴とす
    る適応等化器用周波数偏差補償回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7333573B2 (en) 2002-08-23 2008-02-19 Hitachi Kokusai Electric Inc. Radio communication apparatus and method having automatic frequency control function
US7333828B2 (en) 2002-12-31 2008-02-19 Curitel Communications, Inc. Method for compensating output power of mobile terminal
JP2010283509A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Mitsubishi Electric Corp 光通信用送信機、光通信用受信機

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