JPH1130781A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH1130781A
JPH1130781A JP18220797A JP18220797A JPH1130781A JP H1130781 A JPH1130781 A JP H1130781A JP 18220797 A JP18220797 A JP 18220797A JP 18220797 A JP18220797 A JP 18220797A JP H1130781 A JPH1130781 A JP H1130781A
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Hisahide Wakita
尚英 脇田
Yasuhiko Yamanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示性能の向上と歩留まりの向上とを図るこ
とができる液晶表示素子およびその製造方法の提供を目
的としている。 【解決手段】 基板101と封止板113との間に液
晶が充填されて第1液晶層114を構成し、かつ上記基
板101と上記封止板113との間に存在するスペーサ
ー108により封止板113が支えられる構造の液晶表
示素子において、上記スペーサー108と、上記封止板
113とが同一組成の高分子から成るとともに両者が一
体的に形成されることによって上記第1液晶層114が
保持され、かつ上記封止板113の封止面と異なる面に
は透明電極115が形成され、さらに、この透明電極1
15、上記スペーサー108、上記封止板113および
上記第1液晶層114によって第1表示層117が構成
されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の製
造方法および液晶表示素子に関し、特に、1枚の基板上
に複数の液晶層を備えて、明るいフルカラー画像を表示
することのできる液晶表示素子およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示素子に用いられるネマチ
ック液晶には、液晶分子の配向によって種々のモードの
ものがある。すなわち、最も普及しているのは、捻れネ
マチック液晶(以下、TN液晶と略す。)であるが、そ
の他にホメオトロピック(垂直)配向、またはホモジニ
アス(水平)配向の複屈折モードやゲストホストモード
の液晶等がある。
【0003】ここで、TN液晶でカラー表示を行う場合
は、一般に、赤、緑、青の3色のマイクロカラーフィル
タを隣接する3つの画素上に設けて、加法混色により行
う。ところが、上記TN液晶においては、上記カラーフ
ィルタの透過率が低いことに加えて、一方の偏光を吸収
する偏光板を必要とするために、全体の透過率は10%
以下になってしまう。また、上記複屈折モードの液晶に
おいても、偏光板を必要とするために、やはり光の透過
率が低下する。これらの結果、TN液晶や複屈折モード
の液晶で、外光を利用する反射型液晶表示素子を作製し
た場合には、色が認識しにくい程に暗くなるという課題
を有していた。
【0004】そこで、特開昭61-238024 号公報、特開平
3-238424号公報等に示されるように、二色性色素を用い
たゲストホストモードの液晶を利用して、明るいカラー
表示を行うような技術が提案されている。このゲストホ
ストモードの液晶は、色の異なる二色性色素を用いた複
数枚の液晶パネルを重ねて、減法混色により多色表示を
行う方式であり、具体的には、それぞれ印加される電圧
に応じて青、緑、または赤の光だけを吸収する3枚の液
晶パネルを重ね、各液晶パネルがそれぞれの色の光を吸
収すれば黒色表示となり、一部の液晶パネルだけが各色
の光を吸収すれば着色表示となり、何れの液晶パネルも
吸収しなければ白色表示となるように構成されたもので
ある。
【0005】しかしながら、このように複数のパネルを
重ねて液晶表示素子を作製した場合には、画素が細かく
なると、各パネルを構成するガラス基板の厚みが画素に
比べて相対的に大きくなるので、視差が大きくなり、斜
めから見たときに色ずれが生じるという問題がある。
【0006】なお、上記ガラス基板に代えて、厚さの低
減が比較的容易なプラスチック基板を用いることによ
り、視差を低減することも考えられるが、フィルム状の
プラスチック基板でも、積層工程などの製造上の取り扱
いを考慮すると、少なくとも0.05mm以上、通常は
0.1〜0.3mm程度の厚さが必要であり、複数のパ
ネルを重ねると、やはり視差の影響を解消することは困
難である。
【0007】また、上記液晶パネルは、一般に、周囲に
シール樹脂を塗布したガラス基板を、スペーサを介して
貼り合わせた後、間に形成された空隙に液晶を注入する
ことによって製造され、手間が多くかかるために製造コ
ストが高くつくという問題点をも有していた。
【0008】そこで、このような視差による色ずれを解
消するとともに、製造コストの低減を図るべく、特開平
6-337643号公報に示されるような液晶表示素子が提案さ
れている。
【0009】この液晶表示素子は、図13に示すよう
に、ポリマー298に液晶299をマイクロカプセル状
に閉じ込めることにより、液晶299を分散支持した状
態で固形化して液晶層295〜297を形成し、これら
の液晶層295〜297と駆動電極292〜294とを
1枚のガラス基板291上に積層して構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の液晶表示素子では、液晶をカプセル化することによ
り固定しているが、この場合、カプセルの壁は、容易に
破れない程度の膜厚(0.3〜0.5μm)が必要にな
る。このため、液晶のない部分の割合が例えば30〜6
0%程度と多くなって、実効的な開口率が下がり、コン
トラストをあまり高くできないという課題を有してい
る。
【0011】なお、本発明者らは、特願平6-286324号に
て、所定の形状にパターンニングされたレジスト上に絶
縁膜と透明電極とを形成した後、上記レジストを現像液
で除去することにより空隙を形成し、この空隙にゲスト
ホスト液晶を注入することにより、ガラス基板を挟まず
に3層の液晶を積層するような液晶表示素子を提案して
いるが、この液晶表示素子では、視差による色ずれを解
消するとともに開口率をある程度増大させることは容易
にできるものの、現像液に溶出したレジストが絶縁膜に
遮られて拡散しにくいため、現像液の侵入口が小さいと
レジストが均一に除去されずに歩留まりが悪くなるおそ
れがある一方、現像液の侵入口を大きくすると、開口率
を上記液晶をカプセル化するものより大幅に大きくする
ことは困難であるという課題があった。
【0012】また、従来の液晶表示素子は、以下のよう
な表示性能の低下についての課題も有している。
【0013】一般に、1対のガラス基板または封止膜の
間に液晶が満たされて液晶層が構成される液晶表示素子
では、上記液晶層の厚さを一定に保つために、スペーサ
ーが用いられる。このスペーサーとして透明ものを用い
た場合には、必ずスペーサーが輝点になり、黒いものを
用いた場合には、必ず黒点となって画面上に表示され
る。この場合、3層構造の液晶表示素子では、各層毎に
スペーサーが存在するため、画面に対するスペーサーの
占める割合が大きくなる。したがって、従来型の3層構
造の液晶表示素子では、スペーサーの影響が極めて大き
くなる。
【0014】さらに、シアン、マゼンタ、およびイエロ
ーの3層のゲストホスト液晶層が積層されるとともに、
背面に反射膜が配置された反射型カラー液晶表示素子に
おいて、各色の吸光スペクトルを測定し、オン状態また
はオフ状態で白黒表示となるように、色素濃度と液晶層
の厚みとを設定して、液晶層を積重ねると、白も黒も、
やや色付いてしまい、とくに最も前面にある液晶層の色
味が強くなる。
【0015】本発明は上記従来の課題を考慮してなされ
たものであって、明るく、高コントラストで、反射型に
も適用可能であるうえ、視差に起因する色ずれがなく、
しかも製造上の歩留まりが高く製造コストの安い液晶表
示素子およびその製造方法の提供を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1の発明は、基板と封止板と
の間に液晶が充填されて液晶層を構成し、且つ上記基板
と上記封止板との間に存在する支持部材により封止板が
支えられる構造の表示層を有する液晶表示素子におい
て、上記支持部材と上記封止板とが同一組成の高分子か
ら成ると共に両者が一体的に形成されることによって上
記液晶層が保持され、且つ上記封止板の封止面と異なる
面には電極が形成され、更にこの電極、上記支持部材、
上記封止板及び上記液晶層によって表示層が構成される
ことを特徴とする。
【0017】このような構成であれば、支持部材で支え
られる封止板の厚みを極めて小さくすることが可能とな
る。したがって、液晶表示素子における液晶の占める割
合が多くなるので、実効的な開口率が上がり、コントラ
ストを高くすることができる。また、封止板の厚みが小
さいので、液晶表示素子を低電圧で駆動することが可能
となり、しかも、ガラス基板が不要となるので、視差の
ない明るい表示を実現できることになる。
【0018】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、封止板の厚みが0.5〜10μmであること
を特徴とする。
【0019】このように規制するのは、封止板の厚みが
余り小さいと、透明電極の形成時に変形して、皺やクラ
ックが生じる。一方、封止板の厚みが余り大きいと本発
明の効果が十分に発揮されない。したがって、封止板の
厚みは、上記の範囲に規制するのが望ましい。
【0020】尚、従来技術のプラスチック基板を貼り合
わせる方法では、プラスチック基板の製造の困難性及び
貼り合わせの作業性から考えて、10μm以下の薄い基
板を扱うのは困難であり、実際に市販されているプラス
チック基板は50μm以上である。
【0021】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、表示層が複数設けられ、且つ各表示層中の液
晶層には各々異なる色の二色性色素が含まれていること
を特徴とする。
【0022】このような構成により、液晶表示素子のカ
ラー化を容易に達成できる。
【0023】また、請求項4の発明は、請求項1の発明
において、液晶層が3層構造を成し、且つこれら3層の
液晶層のうち少なくとも基板に近い2層の液晶層が、上
記構造の表示層により保持されることを特徴とする。
【0024】このような構成とするのは、基板に近い2
層の液晶層では立体配線が必要となるため、請求項1に
記載した表示層と同様の構造でないと本発明の効果が発
揮されないのに対して、最も外側にある液晶層では立体
配線が不要となるため、必ずしも請求項1に記載した表
示層と同様の構造でなくとも本発明の効果が発揮される
からである。
【0025】また、請求項5の発明は、請求項4の発明
において、3層の液晶層には各々異なる色の二色性色素
が含まれており、且つその二色性色素がシアン、マゼン
タ、又はイエローであることを特徴とする。
【0026】このような構成により、液晶表示素子のカ
ラー化が達成される。
【0027】また、請求項6の発明は、請求項5の発明
において、基板の表面又は3層の液晶層のうち最も外方
に位置する液晶層に、反射膜が形成されていることを特
徴とする。
【0028】このように、基板の表面又は3層の液晶層
のうち最も外方に位置する液晶層に反射膜が存在すれ
ば、明るいカラー表示をできる反射型の液晶表示素子と
なる。
【0029】また、請求項7の発明は、請求項5の発明
において、各表示層中の支持部材の色が、前記各液晶層
に含まれる二色性色素と同色であることを特徴とする。
【0030】このような構成であれば、スペーサの影響
を極めて小さくすることができるので、液晶表示素子の
表示性能を格段に向上させることができる。
【0031】また、請求項8の発明は、請求項7の発明
において、支持部材が顔料を分散した感光性高分子樹脂
により作成されることを特徴とする。
【0032】このような構成であれば、支持部材の色付
けを容易に行うことができる。
【0033】また、請求項9の発明は、請求項6の発明
において、3層の液晶層の二色性色素の吸光度の割合
を、各々の液晶層の吸光度を掛け合わせたときに無彩色
になる場合の割合と比べて、素子表面側にある液晶層ほ
ど小さくなるように規制することを特徴とする。
【0034】このような構成であれば、表面側にある液
晶層ほど色味が強くなるのを抑制することができるの
で、白黒表示における色づきを抑えることが可能とな
る。
【0035】上記目的を達成するために、本発明のうち
で請求項10の発明は、基板の一方の面に高分子前駆体
と液晶との混合溶液を塗布することにより、基板上に混
合溶液の膜を形成する膜形成工程と、前記高分子前駆体
を前記膜表面で重合させて封止板を作製する封止板作製
工程と、前記基板の所定の部位に紫外線露光を行うこと
により前記高分子前駆体を前記膜中で重合さて支持部材
を作製する支持部材作製工程と、前記封止板上に電極を
作製する電極作製工程と、を含むことを特徴とする。
【0036】このような方法であれば、液晶を注入する
工程を別途設ける必要がない。したがって、液晶表示素
子の製造プロセスが簡素化し、しかも歩留りの向上が図
られるので、液晶表示素子の製造コストが飛躍的に低減
される。
【0037】また、請求項11の発明は、請求項10の
発明において、基板上に出力端子を有する駆動素子が形
成され、前記膜形成工程で上記駆動素子上にも高分子前
駆体と液晶とから成る混合溶液の膜が形成される場合、
前記支持部材作製工程における紫外線露光時に、少なく
とも、上記駆動素子の出力端子の近傍を除く領域と、基
板上に設けられた画素上にまんべんなく配した点状また
は線状パターンに対応する領域とに、紫外線露光を行っ
て前記高分子前駆体を前記膜中で重合させることを特徴
とする。
【0038】この方法により、高分子から構成され、且
つ基板から膜表面に達する柱または壁構造の支持部材を
容易に作製することができる。
【0039】また、請求項12の発明は、請求項10の
発明において、封止板作製工程において、前記混合溶液
の膜の上に、当該混合溶液と相溶しない溶媒中に前記高
分子前駆体の重合を促進する物質を溶かした溶液を塗布
して、膜表面で高分子前駆体を重合させることを特徴と
する。
【0040】このような方法であれば、高分子の膜から
成る封止板を容易に作製することができる。
【0041】また、請求項13の発明は、請求項12の
発明において、基板上に、出力端子を有する駆動素子が
形成され、前記膜形成工程で上記駆動素子上にも高分子
前駆体と液晶とから成る混合溶液の膜が形成される場
合、前記混合溶液と相溶しない溶媒中に、紫外線露光に
より前記高分子前駆体の重合を促進させる物質を溶かし
た溶液を塗布した後、前記出力端子の近傍を除く領域に
紫外線露光を行って前記高分子前駆体を前記膜中で重合
させることにより、前記出力端子の近傍を除く領域の高
分子前駆体をほぼ全て重合させた後、膜表面の高分子前
駆体を重合させることを特徴とする。
【0042】このような方法であれば、紫外線露光され
なかった部位(駆動素子の出力端子の近傍領域)には高
分子から成る膜が殆ど形成されることがない。したがっ
て、当該部位における高分子から成る膜を容易に除去す
ることができる。
【0043】また、請求項14の発明は、請求項13の
発明において、膜表面の高分子前駆体を、前記出力端子
の近傍領域を除く領域に紫外線を照射して重合させるこ
とを特徴とする。
【0044】このような方法であれば、駆動素子の出力
端子上には高分子から成る膜が全く形成されることがな
い。
【0045】また、請求項15の発明は、請求項13の
発明において、膜表面の高分子前駆体を、偏光紫外線を
照射して重合させることを特徴とする。
【0046】このような方法であれば、偏光方向に高分
子の重合度合いが異方性を持つので、高分子上の液晶を
配向させることができる。
【0047】また、請求項16の発明は、請求項12の
発明において、高分子前駆体がアクリル分子から成り、
溶媒が純水を主成分とし、且つ重合を促進する物質がア
ミンから成ることを特徴とする。
【0048】上記アミンは両親媒性があるので、液晶中
へ拡散することができる。したがって、上記の方法であ
れば、封止板の厚みを制御することが可能となる。
【0049】さらに、上記の課題を解決するために、請
求項17の発明は、支持部材を介して設けられた基板と
封止膜との間に液晶が封入された液晶表示素子の製造方
法において、上記基板上に上記支持部材を形成する工程
と、板状部材上に上記封止膜を形成する工程と、上記板
状部材上に形成された封止膜を上記基板上に形成された
支持部材に転写する転写工程と、上記基板と上記封止膜
との間に上記液晶を封入する封入工程とを有することを
特徴としている。
【0050】また、請求項18の発明は、支持部材を介
して設けられた基板と封止膜との間に液晶が封入された
液晶表示素子の製造方法において、板状部材上に上記封
止膜を形成する工程と、上記板状部材上に形成された封
止膜上に上記支持部材を形成する工程と、上記板状部材
上に形成された封止膜および上記支持部材を上記基板に
転写する転写工程と、上記基板と上記封止膜との間に上
記液晶を封入する封入工程とを有することを特徴として
いる。
【0051】これらのように、板状部材上に形成された
封止膜を基板側に転写することによって、封止膜として
のフィルム状のプラスチック基板などを単独で取り扱っ
て積層などする場合に比べて、封止膜の取り扱いが格段
に容易になるので、封止膜を非常に薄いものにすること
ができ、液晶の駆動電圧を容易に低減することができ
る。また、液晶をマイクロカプセル状に閉じ込める壁な
どを設ける必要がないので、実効的な開口率を大きくし
て、コントラストを大幅に向上させることができる。
【0052】請求項19の発明は、請求項17または請
求項18の液晶表示素子の製造方法であって、さらに、
上記板状部材に封止膜を形成する工程に先立って、上記
板状部材の表面に離形処理を施す工程を有することを特
徴としている。
【0053】これにより、転写工程において、封止膜に
作用する力を軽減できるので、封止膜に損傷を与えるこ
となく板状部材から封止膜を剥離させることが容易にで
きるので、転写工程を容易にすることができる。
【0054】請求項20または請求項21の発明は、請
求項17の液晶表示素子の製造方法であって、上記転写
工程において、上記基板上に形成された支持部材と、上
記転写される封止膜と、または上記基板と、上記転写さ
れる支持部材とを接着することを特徴としている。
【0055】これにより、やはり封止膜を板状部材から
剥離させることが容易にできるので、転写工程を容易に
することができるうえ、液晶の厚さを一定に保ち、表示
の均一性を容易に向上させることができる。
【0056】請求項22の発明は、請求項20の液晶表
示素子の製造方法であって、上記支持部材、および上記
封止膜が、エネルギ線の照射により重合性を有する材料
から成り、上記接着は、上記支持部材と上記封止膜とを
密着させた状態でエネルギ線を照射して重合させること
により行うことを特徴としている。
【0057】これにより、簡単かつ確実に支持部材と封
止膜との接着を行うことができる。しかも、封止膜に開
口部を形成するなどのためにエネルギ線の照射工程が設
けられる場合には、これと同時に上記接着を行うことが
できるので、製造工程を簡素化することができる。
【0058】請求項23の発明は、請求項17または請
求項18の液晶表示素子の製造方法であって、上記転写
工程に先立って、上記基板における液晶封入領域の周辺
部に、上記基板と上記封止膜とを接着するシール剤層を
形成し、上記シール剤層によって囲まれた領域に上記液
晶を充填した後に、上記板状部材上に形成された封止
膜、または封止膜および支持部材を転写することによ
り、上記転写工程と上記封入工程とを同時に行うことを
特徴としている。
【0059】これにより、別途液晶を封入する工程を設
ける必要がないので、製造工程を簡素化することができ
る。
【0060】請求項24の発明は、請求項17の液晶表
示素子の製造方法であって、さらに、既に転写された上
記封止膜上に新たな支持部材を形成する工程と、板状部
材上に新たな封止膜を形成する工程と、上記板状部材上
に形成された新たな封止膜を、上記封止膜上に形成され
た新たな支持部材に転写する転写工程と、上記2つの封
止膜の間に液晶を封入する封入工程とをそれぞれ少なく
とも1回行うことにより、複数の液晶封入層を形成する
ことを特徴としている。
【0061】また、請求項25の発明は、請求項18の
液晶表示素子の製造方法であって、さらに、板状部材上
に新たな封止膜を形成する工程と、上記板状部材上に形
成された新たな封止膜上に新たな支持部材を形成する工
程と、上記板状部材上に形成された新たな封止膜および
支持部材を、既に転写された上記封止膜に転写する転写
工程と、上記2つの封止膜の間に液晶を封入する封入工
程とをそれぞれ少なくとも1回行うことにより、複数の
液晶封入層を形成することを特徴としている。
【0062】これらにより、非常に薄い封止膜を用いた
複数の液晶封入層を容易に積層することができるので、
各液晶封入層に対する視差を容易に低減することができ
る。
【0063】請求項26の発明は、請求項17または請
求項18の液晶表示素子の製造方法であって、上記封止
膜が感光性材料から成るとともに、さらに、上記封止膜
の露光および現像により、上記封止膜に、その封止膜を
通して導電させる電極用の開口部を形成する工程を有す
ることを特徴としている。
【0064】これにより、例えば封止膜上に設けられた
画素電極と基板上に設けられた薄膜トランジスタとを接
続する電極を形成するための開口部を容易に形成するこ
とができる。しかも、支持部材と封止膜との接着などの
ためにエネルギ線の照射工程が設けられる場合には、こ
れと同時に上記開口部の形成を行うことができるので、
製造工程を簡素化することができる。
【0065】請求項27の発明は、請求項17または請
求項18の液晶表示素子の製造方法であって、上記転写
工程において、上記板状部材上に形成された上記封止膜
における所定の部分の転写を阻止することにより、上記
封止膜に、その封止膜を通して導電させる電極用の開口
部を形成することを特徴としている。
【0066】これにより、封止膜の転写工程で同時に上
記開口部の形成を行うことができるので、製造工程を簡
素化することができる。
【0067】請求項28の発明は、請求項27の液晶表
示素子の製造方法であって、さらに、上記板状部材に上
記封止膜を形成する工程に先立って、上記板状部材の表
面における封止膜を転写する部分だけに離形処理を施す
工程を有することを特徴としている。
【0068】これにより、容易に所定の部分の転写を阻
止して上記開口部の形成を行うことができる。
【0069】請求項29の発明は、基板と封止膜との間
に液晶が封入された液晶表示素子の製造方法において、
上記基板上に気化性を有する固形膜を形成する工程と、
上記固形膜上に上記封止膜を形成する工程と、上記固形
膜を気化させて排出することにより、上記基板と上記封
止膜との間に空隙を形成する空隙形成工程と、上記空隙
に上記液晶を封入する工程とを有することを特徴として
いる。
【0070】このように、固形膜上に封止膜を形成する
ことによって、封止膜としてのフィルム状のプラスチッ
ク基板を積層する場合などのように、封止膜を単独で取
り扱って積層する必要がないので、封止膜を非常に薄い
ものにすることができ、液晶の駆動電圧を容易に低減す
ることができる。また、液晶をマイクロカプセル状に閉
じ込める壁などを設ける必要がないので、実効的な開口
率を大きく保つことができる。
【0071】請求項30の発明は、請求項29の液晶表
示素子の製造方法であって、上記固形膜は、加熱または
減圧の少なくとも何れか一方が行われた状態で気化性を
有する材料から成ることを特徴としている。
【0072】これにより、常温や常圧での固形膜の取り
扱いが容易になるとともに、加熱や減圧を行うことによ
って、固形膜の気化および排出を速やかに行うことがで
きる。また、上記加熱をレーザービームなどの照射によ
って行う場合には、固形膜を部分的に気化させることな
どもできる。
【0073】請求項31の発明は、請求項29または請
求項30の液晶表示素子の製造方法であって、上記空隙
形成工程は、上記固形膜における所定の領域の部分を気
化させて排出することにより、上記基板と上記封止膜と
の間に上記空隙を形成するとともに、上記固形膜におけ
る残存した部分により、上記封止膜を支持する支持部材
を形成する工程であることを特徴としている。
【0074】これにより、液晶を封入するための空隙の
形成と、封止膜を支持する支持部材の形成とを同時に行
うことができ、別途支持部材を形成する工程を設ける必
要がないので、製造工程を簡素化することができる。
【0075】請求項32の発明は、請求項31の液晶表
示素子の製造方法であって、上記固形膜は、エネルギ線
の照射、またはエネルギ線の照射および加熱により気化
性を有する材料から成り、上記固形膜における所定の領
域の部分だけにエネルギ線の照射、またはエネルギ線の
照射および加熱をすることにより、上記所定の領域の固
形膜に気化性を持たせることを特徴としている。
【0076】これにより、固形膜の形成などにおける固
形膜の取り扱いが容易になるとともに、所望の領域に精
密な空隙および支持部材を形成することが容易にでき
る。
【0077】請求項33の発明は、請求項32の液晶表
示素子の製造方法であって、上記固形膜は、紫外線の照
射によりポリマーからモノマーに解重合するポジ型フォ
トレジストであることを特徴としている。
【0078】これにより、固形膜に選択的に気化性を持
たせることが容易にできる。
【0079】請求項34の発明は、請求項31の液晶表
示素子の製造方法であって、さらに、上記形成された支
持部材を安定化させる工程を有することを特徴としてい
る。
【0080】これにより、支持部材の紫外線に対する耐
性を向上させて、液晶の厚さを一定に保つことが容易に
できる。
【0081】請求項35の発明は、請求項29または請
求項30の液晶表示素子の製造方法であって、さらに、
上記固形膜を形成する工程に先立って、上記基板上に上
記封止膜を支持する支持部材を形成する工程を有するこ
とを特徴としている。
【0082】これにより、固形膜を選択的に残存させた
りする必要がないので、固形膜として、感光性などを有
するものに限らず、気化性を有する種々の材料を適用す
ることができる。
【0083】請求項36の発明は、請求項29ないし請
求項35の液晶表示素子の製造方法であって、さらに、
既に形成された封止膜上に気化性を有する新たな固形膜
を形成する工程と、上記固形膜上に新たな封止膜を形成
する工程と、上記固形膜を気化させて排出することによ
り、上記2つの封止膜の間に空隙を形成する空隙形成工
程と、上記空隙に液晶を封入する工程とをそれぞれ少な
くとも1回行うことにより、複数の液晶封入層を形成す
ることを特徴としている。
【0084】これにより、非常に薄い封止膜を用いた複
数の液晶封入層を容易に積層することができるので、各
液晶封入層に対する視差を容易に低減することができ
る。
【0085】請求項37の発明は、請求項24、もしく
は請求項25の液晶表示素子の製造方法、または請求項
31もしくは請求項35の液晶表示素子の製造方法につ
いての請求項36の液晶表示素子の製造方法であって、
上記基板と上記封止膜との間、および上記各封止膜の間
に設けられる上記支持部材を、それぞれ同一の位置に配
置して形成することを特徴としている。
【0086】これにより、積層された各液晶封入層にお
ける液晶の厚さを一定に保つことが容易にでき、表示の
均一性を向上させることができる。
【0087】請求項38の発明は、請求項37の液晶表
示素子の製造方法であって、上記支持部材を、上記封止
膜に平行な断面の形状がほぼ長方形または長円形になる
ように形成するとともに、各封止膜を挟む支持部材にお
ける上記断面形状の長手方向が互いに異なるように配置
して形成することを特徴としている。
【0088】これにより、支持部材の位置ずれに対する
許容度が大きくなるので、確実に各液晶の厚さを一定に
保つことができ、また、製造上の歩留まりを向上させ、
製造コストを低減することができる。
【0089】請求項39の発明は、請求項24、もしく
は請求項25の液晶表示素子の製造方法、または請求項
31もしくは請求項35の液晶表示素子の製造方法につ
いての請求項36の液晶表示素子の製造方法であって、
上記支持部材を、画素領域の間に、複数の画素領域にわ
たる長さに形成するとともに、各封止膜を挟む支持部材
が、その長手方向が互いに異なるように配置して形成す
ることを特徴としている。
【0090】これにより、積層された各液晶封入層にお
ける液晶の厚さを一定に保つことが容易にできるうえ、
画素領域を透過する光が支持部材によって遮られること
がないので、実効的な開口率を大きく保つことができる
とともに、支持部材の位置ずれに対する許容度が大きく
なるので、確実に各液晶の厚さを一定に保つことがで
き、また、製造上の歩留まりを向上させ、製造コストを
低減することができる。
【0091】請求項40の発明は、請求項24、請求項
25または請求項36の液晶表示素子の製造方法であっ
て、上記液晶は、それぞれ互いに異なる色の2色性色素
を含むゲストホスト液晶であることを特徴としている。
【0092】上記2色性色素としては、例えばシアン、
マゼンタ、またはイエローの減法混色の3原色の二色性
色素を用いることができ、偏光板やカラーフィルタを用
いることなく明るいカラー表示が可能で、しかも、視差
に起因する色ずれ等を解消した液晶表示素子を容易に製
造することができる。
【0093】請求項41の発明は、請求項17ないし請
求項40の液晶表示素子の製造方法であって、さらに、
上記液晶を透過した光を反射する反射膜を形成する工程
を有することを特徴としている。
【0094】これにより、外光によっても明るいカラー
表示が可能で、しかも、視差に起因する色ずれ等を解消
した液晶表示素子等を容易に製造することができる。
【0095】請求項42の発明は、基板と、上記基板に
設けられた支持部材と、板状部材上に形成され、上記支
持部材に転写されて成る封止膜と、上記基板と封止膜と
の間に封入された液晶とを備えたことを特徴としてい
る。
【0096】これにより、非常に薄い封止膜を用いて液
晶の駆動電圧を低減するとともに、実効的な開口率が大
きく高コントラストな液晶表示素子を得ることができ
る。
【0097】請求項43の発明は、基板と封止膜との間
に液晶が封入されて成る液晶表示素子であって、上記封
止膜が、上記基板上に形成された固形膜上に形成された
ものであるとともに、上記液晶が、上記固形膜を気化さ
せて排出することにより形成された空隙に封入されたも
のであることを特徴としている。
【0098】これにより、やはり、非常に薄い封止膜を
用いて液晶の駆動電圧を低減するとともに、実効的な開
口率が大きく高コントラストな液晶表示素子を得ること
ができる。
【0099】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の実施の形態を図1〜図4に基
づいて、以下に説明する。尚、図1は本発明の液晶表示
素子の平面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3
は本発明の液晶表示素子の製造工程を示す断面図、図4
は本発明の3層構造の液晶表示素子の断面図である。
【0100】図1及び図2に示すように、ホウケイ酸ガ
ラスからなる基板101上には、a−Si(アモルファ
スシリコン)から成る薄膜トランジスター(以下TFT
素子と呼ぶ) 102、103、104が形成されてい
る。TFT素子103、104は、各々本体部103
a、104aとドレイン端子(出力端子)103b、1
04bとを有している。また、TFT素子102は、ア
ルミからなり反射電極102dを兼ねるドレイン端子を
有している。この反射電極102d上には第1液晶層1
14が形成されており、この第1液晶層114は、カイ
ラル剤を微量入れてねじれピッチを4.3μmに調整し
たフッ素系のネマチック液晶(Δnが0.065)にシ
アン色の二色性色素を2重量%の割合で溶解させたゲス
トホスト液晶から構成される。上記第1液晶層114上
には封止板113(厚み:約1μm)が設けられてお
り、この封止板113によって前記第1液晶層114の
液晶が封止されることになる。また、上記封止板113
は、後述のスペーサー108…、仕切り壁109、及び
立体配線用パッド107…と同一組成の高分子(具体的
には、アクリル高分子)から成り、またこれらと一体的
に形成されている。
【0101】上記TFT素子103、104の本体部1
03a、104aの全表面上及びドレイン端子103
b、104bの一部表面上には立体配線用パッド107
…が形成されている。これら立体配線用パッド107…
間には立体配線用の開口部110、111(直径:4μ
m)が形成されており、この開口部110、111の底
部には、上記TFT素子103、104のドレイン端子
103b、104bの一部が露出する構成である。ま
た、前記基板101上には画素を取り囲む仕切り壁10
9が形成されており、上記画素内には、20μmピッチ
でまんべんなく柱状のスペーサー108…(直径:3μ
m)が形成されている。これらスペーサー108…、上
記立体配線用パッド107…、及び上記仕切り壁109
により、前記封止板113の支持部材119が構成され
る。更に、封止板113、立体配線用パッド107…、
及び開口部110、111上には、透明電極115、1
16が形成されており、この透明電極115、上記第1
液晶層114、上記支持部材119、及び上記封止板1
13により、第1表示層117が構成される。
【0102】また、図4に示すように、上記第1表示層
117上には、第1表示層117と略同一構造の第2表
示層122及び第3表示層123が設けられている。上
記第2表示層122と第1表示層117との相違点は、
第2液晶層126中の二色性色素をマゼンタに設定した
こと、及びTFT素子104上の立体配線用パッド10
7と透明電極116との表面に、立体配線用パッド12
1を設けていることであり、上記第3表示層123と第
1表示層117との相違点は、第3液晶層127中の二
色性色素をイエローに設定したこと、及び立体配線用パ
ッドを形成しないことである。
【0103】ここで、本実施の形態では封止板113の
厚みを1μmとしたが、どのような範囲であれば液晶表
示素子の性能を向上させることができるかについて、第
1表示層117を例にとって以下に考察する。
【0104】封止板113が薄いほど第1液晶層114
に印加される電圧が増すので、TFT素子の駆動電圧を
下げることができる。したがって、この点からは封止板
113をなるべく薄くするのが望ましい。しかし、封止
板113が薄過ぎると、透明電極115を形成するとき
に変形し、皺やクラックが生じる。具体的には、透明電
極115の成膜を常温で行った場合でも、封止板113
の厚みが約0.5μm未満では皺が生じることが確認さ
れた。したがって、封止板113の厚みは、0.5μm
以上に規制するのが望ましい。
【0105】一方、封止板113の厚みが大きいと、ス
ペーサー108…の密度を低くすることができるが、第
1液晶層114に印加される電圧が下がり、しかも立体
配線用の開口部110、111の直径が大きくなって開
口率(画素電極の占める割合)が下がってしまうという
問題が生じる。ここで、TFT素子102、103、1
04の耐電圧性から10V以上の駆動電圧を印加するの
は困難であり、しかも液晶のON電圧が5Vは必要であ
ることを勘案すると、第1液晶層114に印加される電
圧はTFT素子102、103、104の駆動電圧の1
/2以上は必要となる。この場合、高分子から成る封止
板113の誘電率は、液晶の誘電率と略同程度であるの
で、封止板113の厚みは、第1液晶層114の厚み以
下にしないと、TFT素子102、103、104の駆
動電圧の1/2以上の電圧を液晶に印加することができ
ない。また、第1液晶層114の厚みは、応答速度の観
点から10μm以下とするのが良い。これらのことか
ら、封止板113の厚みは10μm以下に規制するする
のが望ましい。尚、この場合、画素ピッチが100μm
程度と細かい場合でも、開口率の低下は数パーセント以
下となり影響は小さいことを確認した。
【0106】以上のことから、封止板113の厚みは、
0.5〜10μmに規制するのが望ましい。
【0107】ここで、上記構造の液晶表示素子の製造方
法を、以下に示す。
【0108】初めに、図3(a)に示すように、ホウケ
イ酸ガラスからなる基板101上に、a−Siから成る
TFT素子102、103、104を形成した。次に、
図3(b)に示すように、上記基板101上に、カイラ
ル剤を微量入れてねじれピッチを4.3μmに調整した
フッ素系のネマチック液晶(Δnが0.065)にシア
ン色の二色性色素を2重量%溶解させたゲストホスト液
晶と、住友スリーエム株式会社製の感光性アクリル樹脂
(高分子前駆体)とを2:1の割合で相溶させた混合溶
液を、ロールコーターにより塗布し、混合溶液の膜10
5(厚み:4.0μm)を形成した。上記感光性アクリ
ル樹脂は透明であり、また紫外線、熱、および触媒によ
り硬化する。
【0109】次いで、図3(c)に示すように、混合溶
液の膜105が形成された基板を、チッソ雰囲気中にお
いて、ステッパーによりマスク106を介して紫外線露
光を行い、露光部の混合溶液の膜中のアクリル樹脂を重
合させた。この重合工程において、立体配線用パッド1
07…、この立体配線用パッド107…間にある開口部
110、111、仕切り壁109、及びスペーサー10
8が形成された。尚、重合工程における重合部分は図1
において点状のハッチで示している。また、重合工程に
おいて、紫外線によりアクリル樹脂を重合をさせると、
混合溶液中のアクリル樹脂が拡散により液中を移動す
る。したがって、上記立体配線用パッド107…に囲ま
れたドレイン端子103b、104b上の混合溶液中の
アクリル樹脂は重合で消費され、しかも立体配線用パッ
ド107により樹脂の供給が阻害される(即ち、矢符B
方向に樹脂は移動しない)。したがって、開口部11
0、111中の混合溶液はネマチック液晶相となってい
る。
【0110】次に、図3(d)に示すように、前記アク
リル樹脂のアミン系活性化剤を純水とイソプロピルアル
コールの容積比10:1の混合溶媒に5重量%溶解させ
た溶液を作製した後、この溶液を混合溶液の膜105上
にスポイドで静かに垂らして、膜112を形成した。こ
の状態で180秒放置すると、混合溶液の表面でアクリ
ル樹脂が重合し、図3(e)に示すように、アクリル高
分子膜から成る封止板113が形成された。この封止板
113は、膜中で重合させた前記スペーサー108、前
記仕切り壁109、及び前記立体配線用パッド107と
同一組成であり且つ一体的に形成されている。
【0111】尚、活性化剤の溶媒として、混合溶液と相
溶しない純水を主としたことにより、2種類の溶液が分
離している状態が保持される。したがって、活性化剤は
膜の表面から供給されるので、表面から重合が進む。ま
た、イソプロピルアルコールを水に少し混ぜたのは、濡
れ性の改善の為であるが、溶媒は混合溶液と容易に相溶
しない溶媒であれば、純水に限定されることはない。
【0112】更に、上記重合工程において、開口部11
0、111の表面にも極薄い被膜が形成されたが、純水
で洗浄すると被膜は壊れた。したがって、図3(f)に
示すように、開口部110、111内にあるドレイン端
子103b、104b上に膜が残ることはない。一方、
混合溶液中のアクリル樹脂は封止板113の形成時に消
費されているので、封止板113と反射電極102dと
の間にはほぼ完全にゲストホスト液晶のみが存在する。
したがって、封止板113と反射電極102dとの間に
は、水平配向でねじれネマチック配向した第1液晶層1
14が形成される。尚、配向方向は揃っていないが、第
1液晶層114の厚みが3μmなので、約250度ねじ
れていると考えられ、また濃いシアン色が観察された。
【0113】しかる後、基板を105℃で乾燥後、スパ
ッタリング法により酸化インジウム錫(ITO)からな
る膜を、基板101を120℃に加熱した状態で形成
し、更にフォトリソグラフィ技術と塩化第2鉄によるエ
ッチング技術とでパターニングし、図1の2点鎖線で示
す透明電極115を作製した。この透明電極115は、
前記反射電極102dと対向する第2の画素電極とな
り、開口部110を介してTFT素子103のドレイン
端子103bに接続されている。尚、TFT素子102
とTFT素子103の出力電位差に液晶は応答し、電圧
印加に伴い色が薄くなるのが確認された。
【0114】以上の工程を繰り返すことにより、シア
ン、マゼンタ、イエローの3色の二色性色素を含む3層
の液晶層を、電極と高分子膜の間に挟んで積層した。こ
のようにして作製した本発明の液晶表示素子の断面図を
図4に示す。
【0115】具体的には、第2液晶層126中の二色性
色素をマゼンタ色に設定し、且つシアン色の第1液晶層
114に形成されたTFT素子104のドレイン上の立
体配線用パッド107と透明電極116との上に、立体
配線用パッド121を設けること以外は、第1液晶層1
14の作製と同じ工程で、マゼンタのゲストホスト液晶
を含むマゼンタ色の第2液晶層126を形成し、更に透
明電極125を設けた。二色性色素をイエローにしたゲ
ストホスト液晶を含む第3液晶層127についても同じ
工程で形成した。但し、第3液晶層127の形成時に
は、ITOからなる共通電極124とTFT素子104
につながる透明電極125との間で電圧を印加するの
で、立体配線は不要となる。したがって、第3液晶層1
27については、ガラスの対向基板を用いた通常の工程
で形成することも可能である。
【0116】尚、これらの液晶層114、126、12
7を各トランジスタで駆動した結果、視差のない明るい
反射カラー液晶表示がなされることを確認した。
【0117】以上のように、本発明の液晶表示素子は、
基板上に液晶と高分子前駆体を含む混合溶液を塗布して
から紫外線照射および活性化剤を用いた重合を実施し、
その上に電極を形成することにより作製されるので、従
来に比べて簡単な工程で作製でき、且つ対向ガラス基板
を用いることなく液晶層を基板上に形成し、基板と封止
板との間に液晶を封止することが可能になった。
【0118】また、所定の部分に紫外線露光を行って膜
中で高分子前駆体を重合させる工程により形成されるス
ペーサーは、表面の封止板を1.0μmと薄くしたの
で、この封止板及び対向電極を支えるために設けた。但
し、スペーサーのピッチが20μmであり、また直径が
3μmなので、画素電極上に液晶が存在する割合(実効
的な開口率)は約98%となる。したがって、従来のカ
プセルで液晶を保持する方法に比べて実効的な開口率が
格段に高くなる。また、スペーサーのピッチは50μm
以上にすると封止板が変形するので、スペーサーのピッ
チは50μm以下とするのが望ましい。
【0119】本実施の形態では、立体配線を形成する開
口部上に被膜ができないようにするため、先に膜中のア
クリル樹脂を重合させたが、膜表面を先に重合させてか
ら、所定の部分を露光して膜中の重合を行ってもよい。
但し、この場合には、立体配線の開口部上に厚い被膜が
形成されるので、後で除去する工程が必要となる。
【0120】また、混合溶液の膜表面で重合を行うため
に、本実施の形態ではアミン系の活性化剤を用いたが、
混合溶液に非相溶な溶媒に溶ける物質であれば上記と同
様の作用が発揮される。但し、アミンのように両親媒性
がある方が液晶中へ拡散して被膜の厚みを制御できるの
で、両親媒性のある物質を使用するのが望ましい。
【0121】更に、膜表面での重合を行う方法として、
表面に沿って熱風を流す方法や、活性化剤などの重合促
進剤をガス化して基板表面をガスに晒すような方法で行
っても良い。また、重合を促進する物質としては前記活
性化剤に限定するものではなく、重合開始剤や、反応に
必要で反応生成物となるモノマーなどを用いてもよい。
【0122】加えて、本実施の形態では、活性化剤の溶
液を塗布して放置することにより表面を重合させたが、
このような方法に限定するものではなく、例えば図3
(e)に示す状態で、重合開始剤などの反応促進物質を
混合溶液上に塗布し、紫外線を基板全体または、開口部
以外の部分に照射して重合させても、表面から重合させ
ることができる。この際、偏光させた紫外線を照射すれ
ば、偏光方向に高分子の重合度合いが異方性を持つこと
になるので、高分子上の液晶を配向させることができ
る。本実施の形態の場合は、アモルファス状態でねじれ
配向していたが、このようにして配向させることで、コ
ントラスト比を少し上げることができる。
【0123】また、本実施の形態では反射膜を基板上に
設けたが、このような構造に限定するものではなく、例
えば基板上の電極を透明電極とし、且つ液晶層の最も外
側表面に反射膜を形成するような構造であっても良い。
【0124】ところで、上記本発明の液晶表示素子にお
いては、各色の二色性色素の濃度は、シアン色を2%と
し、その他の色の色素濃度は、電圧印加時に黒が最も無
彩色に近づくように、濃度を調整した。具体的には、ま
ず、各色のゲストホスト液晶が充填されたセル(セルギ
ャップ:3μm)を作成し、各々の分光吸収スペクトル
を測定したデータを基に、吸光度が濃度に比例すること
を考慮して、各吸収スペクトルを足し合わせて3層を重
ねた場合の色座標を計算した。この結果、最も無彩色に
近い濃度バランスとなるのは、理論上、マゼンタが3.
0%、イエローが2.4%の割合で添加されているとき
である。しかし、実際に3層重ねたセルでは、上にある
液晶層の色味が強くなり、上記の例では、上からイエロ
ー、マゼンタ、シアンの順に存在しているので、黄緑色
っぽく見えた。そこで、イエローとマゼンタの濃度を上
記の値から0.04%の倍数で減らしたパネル16種を
作成すると、最も無彩色に近いのはイエローが2.28
%、マゼンタが2.96%の割合で添加されている場合
であった。即ち、基準となった濃度から、イエローが5
%、マゼンタが1.3%減らしたことになる。また、液
晶層の順番を変えて上記と同様の実験を行ったところ、
やはり表面側にある液晶層の色素濃度ほど基準濃度から
減らした方が無彩色に近くなることが確認できた。した
がって、液晶表示素子の表示性能を向上させるには、上
記のような調整を行うことが望ましい。尚、白の場合
は、色づきはやや目立ちにくいが、やはり同様に表面に
ある液晶層の色に色づくので、白を基準に濃度を調整す
る場合も同様の吸光度バランスとすることが望ましい。
【0125】(実施の形態2)実施の形態1で作成した
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各々
の二色性色素を含む液晶層を3層積み重ねた本発明の液
晶表示素子は、透明なアクリル樹脂によりスペーサーを
形成したが、電圧を印加しない黒表示のときに、スペー
サーが輝点として少し目立った。そこで、液晶と混ぜる
アクリル樹脂に各液晶層の二色性色素の色と同じ色の顔
料を分散したものを用いて、実施の形態1と同じ製造方
法でCMY3色の3層の液晶層を積み重ねた。
【0126】その結果、黒表示時の輝点がなくなってい
ることを確認した。また、白表示のときには、若干CM
Yの各色のスペーサーが見えるが、目立ちにくくなって
いることを確認した。更に、その他の色のときには、印
加電圧が小さくて吸収の大きい液晶層のスペーサーはほ
とんど見えなくなっていることを確認した。例えば、緑
色を表示するときには、マゼンタの液晶層は吸収が小さ
く、シアンとイエローの液晶層は吸収が大きいので、マ
ゼンタ色のスペーサーのみが見えて、その他のスペーサ
ーは見えなくなっていた。
【0127】尚、黒表示のときの輝点を減らすために、
従来の透過型液晶などでは、黒スペーサーを使うことが
あるが、このように黒スペーサーを用いた場合には、ス
ペーサーが常に黒点になる。これに対し、上記の如く色
スペーサーを用いれば、目立つスペーサーの数は平均す
るとかなり減少する。このことは、ガラス基板のパネル
を3枚重ねる構造の液晶表示素子であっても、スペーサ
ーの色を二色性色素の色と一致させておけば、同様の効
果があることは勿論である。
【0128】また、カラーフィルターを用いる加法混色
の場合は、場所によりスペーサーの色を変えるという困
難なプロセスが必要であるため、上記の如く色スペーサ
ーを用いるという技術は適用が困難であるが、積層型の
液晶パネルの場合は上記の如く適用が容易であり、しか
も、スペーサーの総数が多いので得られる効果が極めて
大きい。
【0129】(実施の形態3)まず、本発明の実施の形
態3の製造方法により製造される液晶表示素子の構造を
説明する。
【0130】図5は、液晶表示素子の1画素あたりの構
成を示す断面正面図である。
【0131】図6は、液晶表示素子の1画素あたりの構
成を示す断面平面図である。
【0132】図7は、液晶表示素子の全体の構成を示す
断面平面図である。
【0133】なお、この液晶表示素子は、例えば対角線
寸法が5cm、画素ピッチが0.3mmに形成されてい
るが、各図においては、必要に応じて拡大、縮小、およ
び模式化して描いている。
【0134】この液晶表示素子は、図5に示すように、
ガラス基板211に、それぞれシアン、マゼンタ、また
はイエローのゲストホスト液晶231・241・251
が充填された3つの液晶層230・240・250が設
けられて構成されている。
【0135】上記ガラス基板211には、図6に示すよ
うに、例えばアルミニウムから成るソースライン212
〜214、ゲートライン215、反射膜を兼ねる画素電
極232、および中継電極216・217が形成されて
いる。ガラス基板211には、さらに、これらのソース
ライン212…等に接続されたTFT(薄膜トランジス
タ)218〜220、および図7に示すように、画像表
示領域226の周辺部に配置され、ソースライン212
…、およびゲートライン215に駆動電圧を印加する駆
動回路227・228が設けられている。
【0136】また、上記液晶層230に充填されるゲス
トホスト液晶231…としては、例えばそれぞれゲスト
としてのシアン、マゼンタ、またはイエローの減法混色
の3原色の二色性色素を、ホストとしてのフッ素系p型
ネマチック液晶に溶かした混合物に、さらに、ねじれピ
ッチが4.3μmになるようにカイラル剤を添加したカ
イラルネマチック液晶が用いられる。これらのゲストホ
スト液晶231…は、アモルファス状態で約250°ね
じれた水平配向を示しており、電圧が印加されていない
状態では赤、緑、または青の光が吸収されることにより
ゲストの色が表示される一方、電圧が印加されている状
態では光の吸収量が減少して透明に近くなり、白色が表
示されるようになっている。
【0137】前記液晶層230は、より詳しくは、上記
ガラス基板211と、支持部材233によって支持され
た封止膜237との間の空隙231’に、シアンのゲス
トホスト液晶231が封入されて構成されている。上記
支持部材233の高さ、すなわちゲストホスト液晶23
1の厚さは3μmに設定される一方、封止膜237の厚
さは1μmに設定されている。
【0138】上記支持部材233は、画素電極232上
に設けられた点状スペーサ234、主として各画素電極
232の間に設けられた線状スペーサ235、およびT
FT219・220上に設けられた立体配線パッド23
6から成っている。
【0139】より詳しくは、点状スペーサ234は、6
×3μmの長方形の横断面形状に形成され、画素電極2
32上に30μmのピッチで規則的に配置されている。
すなわち、このような形状および配置により、封止膜2
37の垂れ下がりによるゲストホスト液晶231の厚さ
むらが防止されるとともに、98%程度の実効開口率が
確保されるようになっている。なお、この点状スペーサ
234の面積密度(大きさ、および配置ピッチ)は、上
記のものに限らず、封止膜237の材質および厚さに応
じて、液晶層230…の積層および実効開口率の確保が
可能なように設定すればよい。
【0140】一方、線状スペーサ235は、幅が30μ
mに形成され、ソースライン212〜214に添って配
置されるとともに、図7に示すように、画像表示領域2
26における駆動回路227側の縁部に添って配置され
ることにより、ゲストホスト液晶231の充填領域にお
ける駆動回路227側が閉じられる一方、反対側にゲス
トホスト液晶231の注入用の開口部238が形成さ
れ、ゲストホスト液晶231の注入後に樹脂239によ
って封止されている。
【0141】また、封止膜237および立体配線パッド
236には、内面に中継電極221・222が形成され
た、平均直径または中央部の直径が6μmのテーパー状
の開口部236a・236bが設けられている。
【0142】封止膜237上には、透明なITO(酸化
インジウム錫)膜から成る画素電極242が形成されて
いる。この画素電極242は、上記中継電極221、お
よびガラス基板211上の中継電極216を介してTF
T219に接続され、液晶層230・240に兼用され
るようになっている。すなわち、液晶層240に対して
画素電極として用いられるとともに、液晶層230に対
しては対向電極として用いられるようになっている。
【0143】液晶層240・250は、上記液晶層23
0と同様に、点状スペーサ244・254、線状スペー
サ245・255、および立体配線パッド246・25
6から成る支持部材243・253を介して封止膜24
7・257が支持され、封止膜237と封止膜247と
の間の空隙241’、および封止膜247と封止膜25
7との間の空隙251’に、それぞれマゼンタ、または
イエローのゲストホスト液晶241・251が封入され
て構成されている。
【0144】ただし、これらの液晶層240・250
は、以下の点が、前記液晶層230と異なっている。
【0145】点状スペーサ244は、横断面形状におけ
る長辺方向が、液晶層230・250の点状スペーサ2
34・254に対して直交する方向に形成されることに
より、各点状スペーサ234…の位置ずれに対する許容
度が大きくなるようになっている。
【0146】線状スペーサ245は、ゲートライン21
5に添って、すなわち液晶層230・250の線状スペ
ーサ235・255に対して直交する方向に配置される
とともに、画像表示領域226における駆動回路228
側の縁部に添って配置されることにより、ゲストホスト
液晶241の充填領域における駆動回路227側が閉じ
られる一方、反対側にゲストホスト液晶241の注入用
の開口部248が形成され、ゲストホスト液晶241の
注入後に樹脂249によって封止されている。すなわ
ち、上記のように配置されることにより、点状スペーサ
244と同様に位置ずれに対する許容度が大きくなるよ
うになっている。
【0147】立体配線パッド246は、封止膜237お
よび立体配線パッド236の開口部236bを塞ぐとと
もに、封止膜247および立体配線パッド246には、
平均直径または中央部の直径が14μmの開口部246
aが設けられ、その内面に中継電極223が形成されて
いる。上記開口部246aは、立体配線パッド236の
開口部236aよりも大きく形成されることにより、中
継電極222と中継電極223とが、開口部236a・
246a間の平坦部で確実に接続されるようになってい
る。
【0148】立体配線パッド256は、封止膜247お
よび立体配線パッド246の開口部246aを塞ぐ一
方、開口部は設けられていない。
【0149】封止膜247上に形成された画素電極25
2は、上記中継電極223、中継電極222、およびガ
ラス基板211上の中継電極217を介して、TFT2
20に接続されている。すなわち、前記画素電極242
および画素電極252が中継電極221等を介してTF
T219・220に接続されるようにすることにより、
各TFT219…を同一のガラス基板211に形成する
だけでよいので、製造コストの低減を図ることができ
る。
【0150】封止膜257上には、各画素に共通な共通
対向電極224、およびアクリル樹脂225a中にシリ
カから成る微粒子225bが分散された保護膜225が
形成されている。
【0151】次に、上記液晶表示素子の製造方法につい
て説明する。
【0152】(1)図8(a)に示すように、厚さ0.
3mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)から成
る板部材261に、立体配線パッド236の開口部23
6a・236bに対応する部分に、クロムから成る遮光
膜262・263を形成した後、離形剤264として、
住友スリー・エム(株)製のフッ素樹脂(RF200
0)をスピナーにより約0.3μmの厚さに塗布し、乾
燥する。
【0153】(2)図8(b)に示すように、冨士薬品
(株)製のアクリル系のネガレジストFVRをスピナー
により1.0μmの厚さに塗布した後、80℃で溶媒を
揮発させて乾燥し、封止膜237を形成する。
【0154】(3)一方、図8(c)に示すように、あ
らかじめTFT218〜220、および画素電極232
等が形成されたガラス基板211上に、上記封止膜23
7と同じFVRから成る高さ3μmの支持部材233を
フォトリソグラフィにより形成する。
【0155】(4)前記板部材261上の封止膜23
7、およびガラス基板211上の支持部材233に、そ
れぞれ、O2 アッシャーにより1分間の酸素プラズマ処
理を施すことにより、両者の接着性を向上させる。
【0156】(5)図8(d)に示すように、封止膜2
37と支持部材233とを圧力をかけて密着させた状態
で、コンタクト露光機により板部材261側から紫外線
を照射し、それぞれ重合させて、硬化させるとともに互
いに接着した後、オーブンにより150℃で1時間加熱
して、さらに硬化させる。ただし、封止膜237におけ
る板部材261上の遮光膜262・263に対応する部
分は、紫外線が遮光されるために重合されず、硬化しな
い状態に保たれる。
【0157】(6)開口部238から、図8(e)に示
すように、ガラス基板211と封止膜237との間の空
隙231’に、シアンのゲストホスト液晶231を真空
注入により注入し、開口部238を樹脂239で封口す
る。なお、このゲストホスト液晶231の注入は、以下
に延べる封止膜237の転写後や画素電極242の形成
後に行うようにしたり、封止膜247・257の転写後
にゲストホスト液晶241・251の注入と伴に行うよ
うにしたりしてもよい。
【0158】(7)図8(f)に示すように、板部材2
61を端部からゆっくり剥がして封止膜237を基板側
に転写した後、ネガレジストの現像液に浸して封止膜2
37における前記紫外線が遮光された部分に開口部23
6b・開口部236aを形成する。
【0159】(8)図8(g)に示すように、スパッタ
法により、基板温度100℃で、封止膜237上にIT
O膜を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングに
より、画素電極242、および中継電極221・222
を形成する。
【0160】以上のようにして、液晶層230が形成さ
れる。
【0161】(9)上記(1)〜(8)と同様の工程を
2回繰り返すことにより、液晶層240・250を形成
する。
【0162】ここで、(3)のフォトリソグラフィの工
程においては、それぞれ遮光パターンの異なるフォトマ
スクを用いることにより、前記のような形状および配置
の支持部材243・253が形成される。
【0163】(10)共通対向電極224上に、粒径約
3μmのシリカの微粒子225bを1%分散させたアク
リル樹脂225aをスクリーン印刷により20μmの厚
さに塗布して保護膜225を形成し、共通対向電極22
4の傷つきや、水分が共通対向電極224および封止膜
257を透過することによるゲストホスト液晶251等
の劣化を防止するとともに、散乱性を増大させて視野角
を拡大させる。すなわち、ゲストホスト液晶251は封
止膜257により封止されるため、従来のようにガラス
等の対向基板を設けなくてもよく、液晶表示素子の軽量
化や薄型化を容易に図ることができる。
【0164】上記のようにして作成した液晶表示素子に
よる表示は、以下のようにして行われる。
【0165】画素電極252には、共通対向電極224
の電位を基準にして、液晶層250に対する画像信号に
応じた電圧V3を印加し、画素電極242には、画素電
極252の電位を基準にして、液晶層240に対する画
像信号に応じた電圧V2を印加し、画素電極232に
は、画素電極242の電位を基準にして、液晶層230
に対する画像信号に応じた電圧V1を印加する。
【0166】すなわち、共通対向電極224の電位を基
準とすれば、各画素電極252・242・232に、V
3、V3+V2、およびV3+V2+V1の電圧を印加
することにより、各ゲストホスト液晶231…に独立し
た電圧を印加することができる。
【0167】また、ゲストホスト液晶231…の劣化防
止のために交流駆動を行う場合には、V1〜V3を正と
して、(±V3)、(±V3)+(±V2)、および
(±V3)+(±V2)+(±V1)の電圧を印加すれ
ばよい。
【0168】さらに、印加電圧の絶対値を小さくして駆
動回路227等の出力電圧を低く抑えるためには、互い
に隣り合う液晶層230…で印加電圧の極性を反転させ
て、(±V3)、(±V3)−(±V2)、および(±
V3)−(±V2)+(±V1)の電圧を印加すればよ
い。
【0169】なお、上記のように画素電極242…を各
液晶層230…で兼用せずに、各封止膜237…上に対
向電極と画素電極とを絶縁膜を介して設けた場合には、
それぞれの対向電極と画素電極との間にV1、V2、お
よびV3の電圧を印加するだけでよい。
【0170】ここで、カラー画像表示は減法混色により
行われるので、画像信号がRGB(赤、緑、青)の画像
データで与えられる場合には、補数演算を行ってCMY
(シアン、マゼンタ、イエロー)の画像データに変換
し、これに応じた電圧を印加すればよい。具体的には、
例えば8色表示の場合、与えられたRGBデータが
(1,0,0)であれば、その補数(0,1,1)に応
じた電圧を印加すればよい。
【0171】このようにして、V1〜V3として0〜5
ボルトの電圧を印加することにより、反射率が43%、
コントラストが12と、明るく、かつ高コントラスト
で、しかも視差による色ずれがないうえ、明るさおよび
コントラストの均一性が高いフルカラーの画像を表示す
ることができた。
【0172】なお、上記実施の形態3においては、ゲス
トホスト液晶231…、および封止膜237…の厚さ
は、それぞれ3μmおよび1μmに設定したが、これに
限らず、例えば以下のように設定すればよい。
【0173】封止膜237…は、薄すぎると、ITOの
画素電極242…を形成する際などに変形して、しわや
クラックが生じやすくなるため、封止膜237…として
上記のような材料を用いる場合には、0.5μm程度以
上にすることが好ましい。ただし、他の材料を用いる場
合には、その物性に応じて、これよりも薄くすることも
可能である。
【0174】一方、封止膜237…は、厚くとも、立体
配線パッド246の大きさに関連する開口率、および印
加する駆動電圧の観点から、以下のように設定すること
が好ましい。
【0175】すなわち、液晶層230における封止膜2
37および立体配線パッド236の開口部236a・2
36bは、その内面に中継電極221・222を確実に
形成するために、その形状をテーパー状にするととも
に、平均直径または中央部の直径を立体配線パッド23
6の高さ+封止膜237の厚さ程度以上に設定すること
が好ましく、また、液晶層240における封止膜247
および立体配線パッド246の開口部246aにおいて
は、その2倍程度の直径に設定することが好ましい。と
ころが、この直径が大きいほど、立体配線パッド236
が大きくなり、実効開口率が減少するため、表示画素ピ
ッチが100〜300μm程度とすると、上記直径は3
0〜50μm程度以下にすることが好ましい。それゆ
え、立体配線パッド236の高さ(すなわちゲストホス
ト液晶231…の厚さ)+封止膜237の厚さの合計
は、20μm程度以下に設定することが好ましい。
【0176】また、駆動電圧の印加は、ゲストホスト液
晶231…および封止膜237…の両者を挟む画素電極
232…に対して行われるため、封止膜237の方がゲ
ストホスト液晶231よりも厚いと、実際にゲストホス
ト液晶231に作用する電圧は、印加する駆動電圧の1
/2以下になり、好ましくない。それゆえ、封止膜23
7…の厚さは、ゲストホスト液晶231の厚さと同程度
以下に設定することが好ましい。
【0177】したがって、結局、封止膜237…の厚さ
は、10μm以下程度に設定することが好ましく、ま
た、実施の形態3のようにゲストホスト液晶231…の
厚さが3μmに設定されている場合には、3μm程度以
下に設定することが好ましい。
【0178】また、上記実施の形態3においては、封止
膜237…としてネガレジストを用いる例を示したが、
これに限らず、ポジレジストを用いてもよいし、さら
に、透明な材料であれば、例えば無機の誘電体膜等を板
部材261上に蒸着し、これをガラス基板211側に転
写して接着剤により支持部材233…に接着するように
してもよい。この場合、開口部236b…の形成は、支
持部材233…への接着の前、または後に、フォトリソ
グラフィおよびエッチングなどによって形成すればよ
い。
【0179】また、封止膜237が板部材261から剥
がれやすくするために、離形剤264としてのフッ素樹
脂を用いた例を示したが、例えばシランカプラーのよう
な単分子膜で板部材261に表面処理を施すようにして
もよく、また、PVA(ポリビニルアルコール)など、
水等に容易に溶ける膜を塗っておき、封止膜237を剥
がす際に水等に浸けて、PVAなどを溶かすようにして
もよい。
【0180】さらに、板部材261から封止膜237を
剥がすのではなく、板部材261を溶液に溶解させて除
去するようにしてもよい。すなわち、板部材261とし
て、例えば(株)林原製のプルランを用い、封止膜23
7と支持部材233とを接着した後(図8(d))やゲ
ストホスト液晶231を注入した後(図8(e))に、
パネル全体を純水中に浸すと、数分以内に板部材261
が溶解して封止膜237だけが残ることにより、封止膜
237のガラス基板211側への転写が行われる。この
場合には、離形処理や剥離処理が不要になるうえ、封止
膜237と支持部材233との接着力が弱くても、均一
な転写を容易に行うことができる。
【0181】また、封止膜237…の開口部236b…
は、遮光膜262・263によって紫外線を遮光して重
合を阻止した後、現像することにより形成する例を示し
たが、板部材261における開口部236b…に対応す
る部分に離形剤264を塗布しないようにしたりして、
この部分の封止膜237…がガラス基板211側に転写
されないようにしてもよい。
【0182】すなわち、より具体的には、離形剤264
を用いる場合には、一旦、離形剤264を板部材261
に塗布した後に、開口部236b…に対応する部分の離
形剤264をフォトリソグラフィなどにより除去するよ
うにしたり、また、単分子膜で板部材261に表面処理
を施す場合には、あらかじめ板部材261における開口
部236b…に対応する部分にレジストを形成し、単分
子膜で表面処理をした後に上記レジストを除去してか
ら、封止膜237…を塗布するようにすれば、封止膜2
37…を基板側に転写する際に、封止膜237…の開口
部236b…に対応する部分が板部材261に付着した
まま転写されないので、上記のような現像処理を行うこ
となく開口部236b…を形成することができる。
【0183】また、ネガレジストから成る封止膜237
と支持部材233との接着は、これらを圧力をかけて密
着させた状態で重合させることにより行う例を示した
が、別の材料から成る接着樹脂等を薄く塗布して接着す
るようにしてもよく、特に、紫外線硬化型の接着剤を溶
剤で薄めて、0.1〜0.3μm程度に薄くスピンコー
トし、紫外線照射を行うのが、接着性も高く有効であっ
た。なお、接着剤を用いた場合はもちろん、本実施の形
態3のように同種の材料を重合、接着した場合でも、厳
密に分析すれば、封止膜と支持部材の間には、分子量や
組成などの異なる接着層が形成されている。
【0184】また、上記のように封止膜237…を貼り
合わせた後にゲストホスト液晶231…を注入するもの
に限らず、封止膜237…を貼り合わせる際にゲストホ
スト液晶231…を封入するようにしてもよい。
【0185】すなわち、例えば図9に示すように、ゲス
トホスト液晶231…が容易に移動し得るようにするた
め、支持部材233…として点状スペーサ234…およ
び立体配線パッド236…だけを設け、紫外線硬化性の
シール樹脂265を画像表示領域226の周辺部に印刷
等によって塗布してから、空隙231’…の容積に相当
する量のゲストホスト液晶231…をディスペンサーで
精密に秤量して滴下し、封止膜237…が形成された板
部材261を真空中で貼り合わせるとともに、板部材2
61をプレスしてシール樹脂265をつぶした後、大気
圧に戻してから、シール樹脂265に紫外線を照射して
硬化させることにより封止膜237…を接着し、板部材
261を剥がせばよい。
【0186】この場合、封入されたゲストホスト液晶2
31…は若干の減圧状態になり、点状スペーサ234…
等と封止膜237…とが、ほぼ密着状態になるため、前
述のように線状スペーサ235…等と封止膜237とが
紫外線の照射等によって接着されていなくても、封止膜
237…を破損することなく板部材261から剥がして
転写することが比較的容易にでき、特に、前記のように
PVAを水に溶かして離形する場合などには、いっそう
容易に転写することができる。
【0187】また、支持部材233…は、ガラス基板2
11側に形成する例を示したが、封止膜237…ととも
に板部材261側に形成した後に、ガラス基板211側
に転写するようにしてもよい。
【0188】また、上記封止膜257、共通対向電極2
24、および保護膜225に代えて、以下に説明する実
施の形態4と同様に、共通対向電極224が形成された
ガラス基板271を設けるようにしてもよい。
【0189】(実施の形態4)まず、本発明の実施の形
態4の製造方法により製造される液晶表示素子の構造を
説明する。
【0190】図10は、液晶表示素子の1画素あたりの
構成を示す断面正面図である。
【0191】図11は、液晶表示素子の全体の構成を示
す断面平面図である。
【0192】なお、前記実施の形態3の液晶表示素子と
同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を
付して詳細な説明を省略する。
【0193】この液晶表示素子には、図10に示すよう
に、実施の形態3の封止膜257、共通対向電極22
4、および保護膜225に代えて、共通対向電極224
が形成されたガラス基板271が設けられている。ま
た、液晶層250の支持部材253においては、点状ス
ペーサ254と立体配線パッド256とだけが設けられ
る一方、図11に示すように、画像表示領域226の周
辺部で、液晶層240の封止膜247と上記ガラス基板
271とがシール樹脂272によって接着され、ゲスト
ホスト液晶251が封入されている。
【0194】また、この液晶表示素子の製造過程では、
後述するように排出口273a・274a(図11)が
形成された固形膜除去部273・274が設けられてい
る。
【0195】次に、上記液晶表示素子の製造方法につい
て説明する。
【0196】この実施の形態4に係る液晶表示素子の製
造方法は、本発明者らが特願平6-286324にて提案した製
造方法と同様に、ガラス基板211上に固形膜233’
…と封止膜237…とを積層した後、上記固形膜23
3’…を除去して空隙231’…を形成し、この空隙2
31’…にゲストホスト液晶231…を充填するもので
あるが、上記固形膜233’…を現像によって除去する
のではなく、気化させることにより除去する点が異な
る。
【0197】(1)まず、図12(a)に示すように、
あらかじめTFT218〜220、および画素電極23
2等が形成されたガラス基板211上に、ポリフタルア
ルデヒド(PPA)にオニウム塩であるトリフェニルス
ルホニウム ヘキサフルオロアンチモン(Ph3 +-
bF6 )を1重量%加えてシクロヘキサノンに溶解させ
たポジレジストを塗布し、80℃で溶媒を揮発させて乾
燥させ、厚さ3μmの固形膜233’を形成する。
【0198】その上に日本合成ゴム(株)製のアクリル
系のポジレジスト(例えばJSR−126)を1.0μ
mの厚さに塗布し、85℃で乾燥させて、封止膜237
を形成する。なお、この封止膜237の厚さは、上記の
ものに限らないが、前記実施の形態3で説明したよう
に、10μm以下に設定することが好ましく、さらに望
ましくは0.5〜3μmに設定するのがよい。
【0199】上記固形膜233’を構成するポリフタル
アルデヒドは、例えばHiroshi Itoand Reinhold Schwal
m,J.Electrochem.Soc.,Vol.136,No1,pp.241-245,1989に
示されるように、o−フタルアルデヒドを重合させたも
ので、下記(化1)の構造を有している。このポリフタ
ルアルデヒドは、波長が254nm、強度が5mJ/c
2 の紫外線を照射し、100℃に加熱すると、解重合
して、モノマーであるフタルアルデヒドになる性質を有
している。
【化1】
【0200】また、封止膜237を構成するアクリル系
のポジレジストは、強度が100mJ/cm2 の紫外線
のi線を照射することにより、ようやく現像液に溶ける
ようになる性質を有している。
【0201】(2)図12(b)に示すように、封止膜
237および立体配線パッド236の開口部236a・
236b、並びに固形膜除去部273の排出口273a
に対応する部分を除いて遮光膜281aが形成されたフ
ォトマスク281を介して、超高圧水銀ランプにより、
強度が100mJ/cm2 の紫外線のi線を照射する。
【0202】(3)固形膜233’および封止膜237
における、上記紫外線が照射された部分を現像液に溶解
し、図12(c)に示すように、開口部236a・23
6bを形成するとともに、幅が100μmの排出口27
3a(図11)を形成する。なお、この排出口273a
は、画像表示領域226の周辺に複数形成するようにし
て、後述する固形膜233’の除去がより速やかにでき
るようにしてもよい。
【0203】(4)図12(d)に示すように、支持部
材233(点状スペーサ234、線状スペーサ235、
および立体配線パッド236)に対応する部分に遮光膜
282aが形成されたフォトマスク282を介して、固
形膜233’における、支持部材233となる部分以外
の部分、すなわちゲストホスト液晶231が充填される
空隙231’を形成する部分に、波長が254nm、強
度が5mJ/cm2 の紫外線を照射する。これにより、
紫外線が照射された部分の固形膜233’は解重合して
モノマー化し、液状になる。なお、この場合、封止膜2
37は、上記のような強度の低い紫外線の照射に対して
は安定であるため特に変化せず、固形膜233’だけを
選択的に解重合させることが容易にできる。
【0204】(5)真空乾燥機中で、80℃に加熱する
とともに0.4気圧に減圧すると、固形膜233’にお
ける上記モノマー化した部分は気化し、1分弱で、固形
膜除去部273の排出口273aから排出される。そこ
で、図12(e)に示すように、固形膜233’におけ
る気化した部分が、ゲストホスト液晶231の封入され
る空隙231’となる一方、固形膜233’における残
った部分によって、封止膜237を支持する支持部材2
33が形成される。
【0205】ここで、上記モノマー化した部分の固形膜
233’は、通常のフォトリソグラフィが行われるよう
な開放された空間に置かれている場合には、オニウム塩
濃度にもよるが、一般に、常温から100℃程度の温度
で、常圧下で比較的速やかに気化するのに対し、上記の
ように封止膜237に覆われている場合には、常圧で
は、気化するのに例えば1時間程度かかる。そこで、上
記のように減圧処理を行うことにより、1分弱で完全に
気化させることができる。
【0206】(6)支持部材233、および封止膜23
7を180℃で1時間加熱処理し、さらに重合させて、
より高分子化させる。
【0207】(7)図12(f)に示すように、スパッ
タ法により、基板温度100℃で、封止膜237上にI
TO膜を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチング
によって、画素電極242、中継電極221・222を
形成する。なお、この画素電極242等の形成は、前記
開口部236a・236bの形成後であれば、固形膜2
33’の除去などよりも前に行ってもよい。
【0208】(8)上記(1)〜(7)と同様の工程を
繰り返すことにより、図12(g)に示すように、空隙
241’を有する液晶層240を形成する。
【0209】ここで、(2)および(4)の露光工程に
おいて、遮光パターンの異なるフォトマスクを用いるこ
とにより、前述のように支持部材243および封止膜2
47が形成されるとともに、封止膜247に排出口27
4a(図11)が形成される。
【0210】(9)さらに(1)〜(6)と同様の工程
を繰り返すことにより、液晶層250の支持部材253
である点状スペーサ254と、立体配線パッド256だ
けを形成する。
【0211】(10)画像表示領域226の周辺部に、
印刷等によってシール樹脂272を塗布し、共通対向電
極224が形成されたガラス基板271を貼り合わせ、
開口部275を有する空隙251’が設けられた液晶層
250を形成する。
【0212】(11)固形膜除去部273をスクライブ
して割断し、断面部における空隙231’の開口部27
3bから、実施の形態3と同様のシアンのゲストホスト
液晶231を真空注入により注入した後、開口部273
bを樹脂239で封口する。
【0213】(12)同様に、固形膜除去部274をス
クライブして割断し、断面部における空隙241’の開
口部274bから、マゼンタのゲストホスト液晶241
を真空注入により注入した後、開口部274bを樹脂2
49で封口する。
【0214】(13)開口部275から、イエローのゲ
ストホスト液晶251を真空注入により注入した後、開
口部275を樹脂259で封口する。
【0215】このようにして作成された液晶表示素子
に、実施の形態3と同様の電圧を印加することにより、
反射率が40%、コントラストが12と、明るく、かつ
高コントラストで、しかも視差による色ずれがないう
え、明るさおよびコントラストの均一性が高いフルカラ
ーの画像を表示することができた。
【0216】ただし、上記のようにポリフタルアルデヒ
ド(PPA)のポジレジストにオニウム塩を用いた場合
には、若干保持率が低下してフリッカーが見られたが、
実用上差し支えはない程度であった。
【0217】なお、上記実施の形態4においては、固形
膜233’として、化学増幅レジストの1種である、オ
ニウム塩を添加したPPAを用いたが、これに限るもの
ではない。
【0218】すなわち、上記PPAは、極めて高感度
で、紫外線照射によりポリマーからモノマーに解重合
し、開放された空間では、常温、常圧でも容易に気化
し、微細パターンの形成も容易なので本発明に適してい
る材料の1つであるが、これに限らず、紫外線や電子
線、X線などのエネルギ線の照射や、加熱、減圧、ま
た、加熱を伴うエネルギ線照射などの処理によって分解
や昇華などする気化しやすい材料で、かつ、その上に封
止膜237を容易に塗布等できる固形物であれば、種々
のものが適用できる。
【0219】具体的には、上記PPAの他に、PPAの
塩素や臭素置換体も、前述のHiroshi Ito and Reinhold
Schwalm,J.Electrochem.Soc.,Vol.136,No1,pp.241-24
5,1989に記載されているように、紫外線照射によってモ
ノマーに分解し、100℃に加熱することにより気化す
る性質を有し、また、ポリカーボネートや、ポリメタク
リル酸なども、同様の性質があるため、適用が可能であ
る。
【0220】また、支持部材233…は、上記のように
レジストを硬化させて形成したものに限らず、あらかじ
め安定な材料で形成するようにしてもよい。この場合に
は、固形膜233’…として、紫外線の照射等によって
気化性を持つように変化するものに限らず、例えば樟脳
などの昇華性物質なども適用することができる。
【0221】また、封止膜237…は、上記のように紫
外線を照射した後に現像によって開口部236a…を形
成するものに限らず、例えばフォトリソグラフィおよび
エッチングなどによって開口部236a…を形成し得る
ものであればよい。ただし、固形膜233’を気化させ
るための紫外線照射や加熱などの処理によっては、液化
や気化などの変化を生じない材料であることは必要であ
る。
【0222】また、上記共通対向電極224が形成され
たガラス基板271に代えて、実施の形態3と同様に、
封止膜257、共通対向電極224、および保護膜22
5を設けるようにしてもよい。
【0223】また、上記各実施の形態では、3層の液晶
層230・240・250を積層する例を示したが、2
層や4層以上でも同様の効果は得られ、また、1層設け
るだけでも装置の薄型化や製造工程の簡素化などの効果
は得られる。
【0224】また、TFT218…を備えたアクティブ
マトリクスの液晶表示素子について説明したが、パッシ
ブマトリクスの液晶表示素子に適用することも可能であ
る。
【0225】また、液晶材料としては、上記のようにゲ
ストホスト液晶に限らず、種々のものが適用可能であ
る。
【0226】また、反射型の液晶表示素子は高い光の透
過率が必要とされるので特に意義が大きいが、これに限
らず、透過型(バックライト型)の液晶表示素子にも適
用可能である。
【0227】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0228】すなわち、支持部材と封止膜とが同一組成
の高分子から成るとともに、両者を一体的に形成するこ
とにより、または封止膜を転写や、気化性を有する固形
膜上に積層することによって形成することにより、封止
膜を非常に薄いものにすることができるので、明るい表
示が可能なうえ、視差に起因する色ずれがなく、しか
も、液晶表示素子における液晶の占める割合が多くなっ
て実効的な開口率が上がるので、コントラストを高くで
き、さらに、簡単なプロセスで製造でき、しかも歩留ま
りの向上を図ることができるので、製造コストを飛躍的
に低減できる。
【0229】したがって、表示性能が飛躍的に向上した
液晶表示素子を安価に作製することができるといった優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の液晶表示素子の平面図であ
る。
【図2】 同、図1の液晶表示素子のA−A矢視断面図
である。
【図3】 同、図1の液晶表示素子の製造工程を示す断
面図である。
【図4】 同、本発明の3層構造の液晶表示素子の断面
図である。
【図5】実施の形態3の液晶表示素子の1画素あたりの
構成を示す断面正面図である。
【図6】同、液晶表示素子の1画素あたりの構成を示す
断面平面図である。
【図7】同、液晶表示素子の全体の構成を示す断面平面
図である。
【図8】同、液晶表示素子の製造工程を示す説明図であ
る。
【図9】液晶表示素子の他の例を示す断面平面図であ
る。
【図10】実施の形態4の液晶表示素子の1画素あたり
の構成を示す断面正面図である。
【図11】同、液晶表示素子の全体の構成を示す断面平
面図である。
【図12】同、液晶表示素子の製造工程を示す説明図で
ある。
【図13】従来の液晶表示素子の構成を示す断面正面図
である。
【符号の説明】
101 基板 102〜104 TFT素子 102d 反射電極 105 混合溶液の膜 107 立体配線用パッド 108 スペーサー 109 仕切り壁 110・111 開口部 113 封止板 114 第1液晶層 115・116 透明電極 117 第1表示層 119 支持部材 121 立体配線用パッド 122 第2表示層 123 第3表示層 124 共通電極 125 透明電極 126 第2液晶層 127 第3液晶層 211 ガラス基板 224 共通対向電極 225 保護膜 230・240・250 液晶層 231・241・251 ゲストホスト液晶 231’・241’・251’ 空隙 232・242・252 画素電極 233・243・253 支持部材 233’ 固形膜 234・244・254 点状スペーサ 235・245・255 線状スペーサ 236・246・256 立体配線パッド 236a・236b・246a 開口部 237・247・257 封止膜 238・248・258 開口部 261 板部材 262・263 遮光膜 264 離形剤 265 シール樹脂 271 ガラス基板 272 シール樹脂 273 固形膜除去部 273a・274a 排出口 273b・274b 開口部 274 固形膜除去部 275 開口部 281・282 フォトマスク 281a・282a 遮光膜

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と封止板との間に液晶が充填されて
    液晶層を構成し、且つ上記基板と上記封止板との間に存
    在する支持部材により封止板が支えられる構造の表示層
    を有する液晶表示素子において、 上記支持部材と上記封止板とが同一組成の高分子から成
    ると共に両者が一体的に形成されることによって上記液
    晶層が保持され、且つ上記封止板の封止面と異なる面に
    は電極が形成され、更にこの電極、上記支持部材、上記
    封止板及び上記液晶層によって表示層が構成されること
    を特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 上記封止板の厚みが0.5〜10μmで
    あることを特徴とする請求項1の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 上記表示層が複数設けられ、且つ各表示
    層中の液晶層には各々異なる色の二色性色素が含まれて
    いることを特徴とする請求項1の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 上記液晶層が3層構造を成し、且つこれ
    ら3層の液晶層のうち少なくとも基板に近い2層の液晶
    層が、上記構造の表示層により保持されることを特徴と
    する請求項1の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 上記3層の液晶層には各々異なる色の二
    色性色素が含まれており、且つその二色性色素がシア
    ン、マゼンタ、又はイエローであることを特徴とする請
    求項4の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 上記基板の表面又は3層の液晶層のうち
    最も外方に位置する液晶層に、反射膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項5の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 上記各表示層中の支持部材の色が、前記
    各液晶層に含まれる二色性色素と同色であることを特徴
    とする請求項5の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 上記支持部材が顔料を分散した感光性高
    分子樹脂により作成されることを特徴とする請求項7の
    液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 3層の液晶層の二色性色素の吸光度の割
    合を、各々の液晶層の吸光度を掛け合わせたときに無彩
    色になる場合の割合と比べて、素子表面側にある液晶層
    ほど小さくなるように規制することを特徴とする請求項
    6の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 基板の一方の面に高分子前駆体と液晶
    との混合溶液を塗布することにより、基板上に混合溶液
    の膜を形成する膜形成工程と、 前記高分子前駆体を前記膜表面で重合させて封止板を作
    製する封止板作製工程と、 前記基板の所定の部位に紫外線露光を行うことにより前
    記高分子前駆体を前記膜中で重合さて支持部材を作製す
    る支持部材作製工程と、 前記封止板上に電極を作製する電極作製工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板上に、出力端子を有する駆動
    素子が形成され、前記膜形成工程で上記駆動素子上にも
    高分子前駆体と液晶とから成る混合溶液の膜が形成され
    る場合、前記支持部材作製工程における紫外線露光時
    に、少なくとも、上記駆動素子の出力端子の近傍を除く
    領域と、基板上に設けられた画素上にまんべんなく配し
    た点状または線状パターンに対応する領域とに、紫外線
    露光を行って前記高分子前駆体を前記膜中で重合させる
    ことを特徴とする請求項10の液晶表示素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記封止板作製工程において、前記混
    合溶液の膜の上に、当該混合溶液と相溶しない溶媒中に
    前記高分子前駆体の重合を促進する物質を溶かした溶液
    を塗布して、膜表面で高分子前駆体を重合させることを
    特徴とする請求項10の液晶表示素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記基板上に、出力端子を有する駆動
    素子が形成され、前記膜形成工程で上記駆動素子上にも
    高分子前駆体と液晶とから成る混合溶液の膜が形成され
    る場合、前記混合溶液と相溶しない溶媒中に、紫外線露
    光により前記高分子前駆体の重合を促進させる物質を溶
    かした溶液を塗布した後、前記出力端子の近傍を除く領
    域に紫外線露光を行って前記高分子前駆体を前記膜中で
    重合させることにより、前記出力端子の近傍を除く領域
    の高分子前駆体をほぼ全て重合させた後、膜表面の高分
    子前駆体を重合させることを特徴とする請求項12の液
    晶表示素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 膜表面の高分子前駆体を、前記出力端
    子の近傍領域を除く領域に紫外線を照射して重合させる
    ことを特徴とする請求項13の液晶表示素子の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 膜表面の高分子前駆体を、偏光紫外線
    を照射して重合させることを特徴とする請求項13の液
    晶表示素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 高分子前駆体がアクリル分子から成
    り、溶媒が純水を主成分とし、且つ重合を促進する物質
    がアミンから成ることを特徴とする請求項12の液晶表
    示素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 支持部材を介して設けられた基板と封
    止膜との間に液晶が封入された液晶表示素子の製造方法
    において、 上記基板上に上記支持部材を形成する工程と、 板状部材上に上記封止膜を形成する工程と、 上記板状部材上に形成された封止膜を上記基板上に形成
    された支持部材に転写する転写工程と、 上記基板と上記封止膜との間に上記液晶を封入する封入
    工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 支持部材を介して設けられた基板と封
    止膜との間に液晶が封入された液晶表示素子の製造方法
    において、 板状部材上に上記封止膜を形成する工程と、 上記板状部材上に形成された封止膜上に上記支持部材を
    形成する工程と、 上記板状部材上に形成された封止膜および上記支持部材
    を上記基板に転写する転写工程と、 上記基板と上記封止膜との間に上記液晶を封入する封入
    工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項17または請求項18の液晶表
    示素子の製造方法であって、さらに、上記板状部材に封
    止膜を形成する工程に先立って、上記板状部材の表面に
    離形処理を施す工程を有することを特徴とする液晶表示
    素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項17の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記転写工程において、上記基板上に形成さ
    れた支持部材と、上記転写される封止膜とを接着するこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項18の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記転写工程において、上記基板と、上記転
    写される支持部材とを接着することを特徴とする液晶表
    示素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項20の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記支持部材、および上記封止膜が、エネル
    ギ線の照射により重合性を有する材料から成り、上記接
    着は、上記支持部材と上記封止膜とを密着させた状態で
    エネルギ線を照射して重合させることにより行うことを
    特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項17または請求項18の液晶表
    示素子の製造方法であって、上記転写工程に先立って、
    上記基板における液晶封入領域の周辺部に、上記基板と
    上記封止膜とを接着するシール剤層を形成し、上記シー
    ル剤層によって囲まれた領域に上記液晶を充填した後
    に、上記板状部材上に形成された封止膜、または封止膜
    および支持部材を転写することにより、上記転写工程と
    上記封入工程とを同時に行うことを特徴とする液晶表示
    素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項17の液晶表示素子の製造方法
    であって、さらに、 既に転写された上記封止膜上に新たな支持部材を形成す
    る工程と、 板状部材上に新たな封止膜を形成する工程と、 上記板状部材上に形成された新たな封止膜を、上記封止
    膜上に形成された新たな支持部材に転写する転写工程
    と、 上記2つの封止膜の間に液晶を封入する封入工程とをそ
    れぞれ少なくとも1回行うことにより、複数の液晶封入
    層を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項18の液晶表示素子の製造方法
    であって、さらに、板状部材上に新たな封止膜を形成す
    る工程と、 上記板状部材上に形成された新たな封止膜上に新たな支
    持部材を形成する工程と、 上記板状部材上に形成された新たな封止膜および支持部
    材を、既に転写された上記封止膜に転写する転写工程
    と、 上記2つの封止膜の間に液晶を封入する封入工程とをそ
    れぞれ少なくとも1回行うことにより、複数の液晶封入
    層を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項17または請求項18の液晶表
    示素子の製造方法であって、上記封止膜が感光性材料か
    ら成るとともに、さらに、上記封止膜の露光および現像
    により、上記封止膜に、その封止膜を通して導電させる
    電極用の開口部を形成する工程を有することを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項17または請求項18の液晶表
    示素子の製造方法であって、上記転写工程において、上
    記板状部材上に形成された上記封止膜における所定の部
    分の転写を阻止することにより、上記封止膜に、その封
    止膜を通して導電させる電極用の開口部を形成すること
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項27の液晶表示素子の製造方法
    であって、さらに、上記板状部材に上記封止膜を形成す
    る工程に先立って、上記板状部材の表面における封止膜
    を転写する部分だけに離形処理を施す工程を有すること
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 基板と封止膜との間に液晶が封入され
    た液晶表示素子の製造方法において、 上記基板上に気化性を有する固形膜を形成する工程と、 上記固形膜上に上記封止膜を形成する工程と、 上記固形膜を気化させて排出することにより、上記基板
    と上記封止膜との間に空隙を形成する空隙形成工程と、 上記空隙に上記液晶を封入する工程とを有することを特
    徴とする液晶表示素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記固形膜は、加熱または減圧の少なくとも
    何れか一方が行われた状態で気化性を有する材料から成
    ることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項29または請求項30の液晶表
    示素子の製造方法であって、上記空隙形成工程は、上記
    固形膜における所定の領域の部分を気化させて排出する
    ことにより、上記基板と上記封止膜との間に上記空隙を
    形成するとともに、上記固形膜における残存した部分に
    より、上記封止膜を支持する支持部材を形成する工程で
    あることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項31の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記固形膜は、エネルギ線の照射、またはエ
    ネルギ線の照射および加熱により気化性を有する材料か
    ら成り、上記固形膜における所定の領域の部分だけにエ
    ネルギ線の照射、またはエネルギ線の照射および加熱を
    することにより、上記所定の領域の固形膜に気化性を持
    たせることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  33. 【請求項33】 請求項32の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記固形膜は、紫外線の照射によりポリマー
    からモノマーに解重合するポジ型フォトレジストである
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  34. 【請求項34】 請求項31の液晶表示素子の製造方法
    であって、さらに、上記形成された支持部材を安定化さ
    せる工程を有することを特徴とする液晶表示素子の製造
    方法。
  35. 【請求項35】 請求項29または請求項30の液晶表
    示素子の製造方法であって、さらに、上記固形膜を形成
    する工程に先立って、上記基板上に上記封止膜を支持す
    る支持部材を形成する工程を有することを特徴とする液
    晶表示素子の製造方法。
  36. 【請求項36】 請求項29ないし請求項35の液晶表
    示素子の製造方法であって、さらに、 既に形成された封止膜上に気化性を有する新たな固形膜
    を形成する工程と、 上記固形膜上に新たな封止膜を形成する工程と、 上記固形膜を気化させて排出することにより、上記2つ
    の封止膜の間に空隙を形成する空隙形成工程と、 上記空隙に液晶を封入する工程とをそれぞれ少なくとも
    1回行うことにより、複数の液晶封入層を形成すること
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  37. 【請求項37】 請求項24、もしくは請求項25の液
    晶表示素子の製造方法、または請求項31もしくは請求
    項35の液晶表示素子の製造方法についての請求項36
    の液晶表示素子の製造方法であって、上記基板と上記封
    止膜との間、および上記各封止膜の間に設けられる上記
    支持部材を、それぞれ同一の位置に配置して形成するこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  38. 【請求項38】 請求項37の液晶表示素子の製造方法
    であって、上記支持部材を、上記封止膜に平行な断面の
    形状がほぼ長方形または長円形になるように形成すると
    ともに、各封止膜を挟む支持部材における上記断面形状
    の長手方向が互いに異なるように配置して形成すること
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  39. 【請求項39】 請求項24、もしくは請求項25の液
    晶表示素子の製造方法、または請求項31もしくは請求
    項35の液晶表示素子の製造方法についての請求項36
    の液晶表示素子の製造方法であって、上記支持部材を、
    画素領域の間に、複数の画素領域にわたる長さに形成す
    るとともに、各封止膜を挟む支持部材が、その長手方向
    が互いに異なるように配置して形成することを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  40. 【請求項40】 請求項24、請求項25または請求項
    36の液晶表示素子の製造方法であって、上記液晶は、
    それぞれ互いに異なる色の2色性色素を含むゲストホス
    ト液晶であることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  41. 【請求項41】 請求項17ないし請求項40の液晶表
    示素子の製造方法であって、さらに、上記液晶を透過し
    た光を反射する反射膜を形成する工程を有することを特
    徴とする液晶表示素子の製造方法。
  42. 【請求項42】 基板と、 上記基板に設けられた支持部材と、 板状部材上に形成され、上記支持部材に転写されて成る
    封止膜と、 上記基板と封止膜との間に封入された液晶とを備えたこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  43. 【請求項43】 基板と封止膜との間に液晶が封入され
    て成る液晶表示素子であって、 上記封止膜が、上記基板上に形成された固形膜上に形成
    されたものであるとともに、 上記液晶が、上記固形膜を気化させて排出することによ
    り形成された空隙に封入されたものであることを特徴と
    する液晶表示素子。
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