JPH11307622A - 半導体ウェハ包装容器 - Google Patents

半導体ウェハ包装容器

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JPH11307622A
JPH11307622A JP10773698A JP10773698A JPH11307622A JP H11307622 A JPH11307622 A JP H11307622A JP 10773698 A JP10773698 A JP 10773698A JP 10773698 A JP10773698 A JP 10773698A JP H11307622 A JPH11307622 A JP H11307622A
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JP
Japan
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semiconductor wafer
packaging container
weight
parts
antioxidant
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Application number
JP10773698A
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English (en)
Inventor
Atsuhiko Hirozawa
敦彦 広沢
Haruto Akimoto
治人 秋元
Toshiji Abekawa
利治 安部川
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容器の構成材料に起因する半導体ウェハの汚染
を、格別の作業工程を必要とすることなく、更に低減す
ることのできる半導体ウェハ包装容器を提供する。 【解決手段】ポリプロピレン樹脂から成形された半導体
ウェハ包装容器の樹脂材料は、ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、ステアリン酸金属塩0.005〜
0.050重量部と、フェノール系酸化防止剤0.01
0〜0.050重量部とが添加され、更に、従来は全く
添加されていないか、その添加量が極めて少量であった
イオウ系又はリン系などの2次酸化防止剤を0.020
〜0.050重量部と前記フェノール系酸化防止剤と同
程度、添加している。更に、成形条件は成形温度が17
0〜250℃、成形機内での加熱時間が40分以内、金
型温度が30〜80℃と、成形時に樹脂材料が受ける熱
履歴を少なく抑えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の半導体ウェ
ハを破損、汚染することなく保管し、或いは半導体ウェ
ハの製造メーカーからデバイスメーカーに半導体ウェハ
を輸送する際などに使用される半導体ウェハの包装容器
に関し、更に詳しくは、同容器の構成材料に起因する半
導体ウェハの汚染を低減させることのできる半導体ウェ
ハ包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハはシリコン等の単結晶を薄
くスライスして製造されるものであり、脆性が高い上に
汚染による物性への影響が大きいため、包装時はもとよ
り、輸送中における破損や汚染を防止するための最大限
の努力が払われなければならない。かかる保管又は輸送
時に半導体ウェハを収容する半導体ウェハ包装容器は、
外部からの衝撃によるウェハの破損を防ぐと共に、容器
の内外圧力差や変形等による外気の侵入を完全に阻止す
べく、その構造に多様な改良が施されている。
【0003】ところで、半導体ウェハ包装容器には、例
えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレンやポ
リカーボネートなどの合成樹脂材料が使用されている
が、その中でも、機械的物性のバランスがよく、成形が
しやすく軽量で経済性にも優れたポリプロピレン樹脂が
多く使用されている。一般に、合成樹脂材料は、製造加
工時や使用時に熱、酸素、重金属イオン、機械的剪断力
などの作用により酸化され劣化し、物性の低下、外観不
良と共にその商品価値が著しく損なわれる。そのため、
酸化による劣化を防ぐ目的で酸化防止剤が添加され、通
常のプラスチック製品にあって、ポリプロピレン樹脂を
使用する場合には、同ポリプロピレン樹脂が100重量
部に対して低揮発性のフェノール系酸化防止剤である
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を
0.1〜1.0重量部、添加している。更に、BHTと
過酸化物分解剤であるイオウ系やリン系の2次酸化防止
剤を併用することもできる。
【0004】しかしながら、上述したように半導体ウェ
ハは非常に汚染を嫌い、例えば、洗浄後の半導体ウェハ
を収納する半導体ウェハ包装容器は、その樹脂材料の一
部成分が揮発して容器内の空気に混入するが、そのよう
な容器の構成材料に起因する有機物やイオン性不純物も
半導体ウェハの汚染原因として問題視されるようになっ
ている。そのため、かかる容器の構成材料に起因する半
導体ウェハの汚染を防ぐべく、多様な提案がなされてい
る。
【0005】例えば、ポリプロピレン樹脂に中和剤や酸
化防止剤などの各種添加剤を加え、樹脂ペレットを製造
する際に、その製造方法の選択や製造工程における樹脂
ペレット洗浄プロセス方法の変更によって、樹脂材料の
純度を高めて容器の構成材料に起因する汚染を低減させ
る方法がある。
【0006】更に、半導体ウェハ包装容器にあっては、
中和剤や滑剤などの添加剤の量を通常のプラスチック製
品よりも少なくし、特に汚染原因となっている酸化防止
剤に関しては、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し
て0.1〜0.3重量部と、上述した通常のプラスチッ
ク製品における添加量の0.1〜1.0重量部と比べ、
極めて少ない量に設定することで、汚染原因となってい
る物質自体の総量を少なくし、その揮発量を低減させて
いる。
【0007】例えば特開平8−250581号公報に
は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対してステアリ
ン酸金属塩が0.005〜0.1重量部、ハイドロタル
サイト類化合物が0.01〜0.1重量部、及び酸化防
止剤が0.01〜0.2重量部添加されている樹脂材料
を、成形温度170〜300℃、射出圧力100〜10
00Kg/cm2 、金型温度15〜80℃の成形条件
で、かつ水滴がケースに収納したウェハ表面との接触点
において、ウェハ表面に対して接触角度2〜4度をなす
ケースに射出成形した半導体ウェハ包装容器が開示され
ている。同容器は、酸化防止剤の添加量が0.01〜
0.2重量部と極めて少なく、更に、同公報には、従来
は酸化防止剤のうち2次酸化防止剤に含まれるリン又は
イオウ成分がウェハに付着した場合に汚染源となる可能
性があるため、2次酸化防止剤自体を使用せず、1次酸
化防止剤のみが使用されると記載され、同公報に記載さ
れた包装容器に係る発明にあっても、フェノール系の1
次酸化防止剤を使用することが望ましいとして、多数の
具体的な物質を例示しているが、2次酸化防止剤につい
ては何ら具体例が挙げられていない。かかるウェハ容器
は、樹脂からのHClガスの放出を抑制し、同ガスによ
るウェハの汚染を低減できるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂材
料の純度を高め、或いは樹脂の揮発性有機物を加熱によ
り予め除去しても、容器の構成材料に起因する汚染の程
度が十分に低減されるものではなく、工程数が多くなり
製造コストも増加するといった問題も生じる。また、例
えば上記特開平8−250581号公報のように各種添
加剤の添加量を少なく設定すれば、樹脂からのHClガ
スの放出が抑制される。しかしながら、容器の構成材料
に起因する汚染物質として、HClガスの他に、酸化防
止剤の反応物が確認されており、同公報の容器では依然
としてかかる酸化防止剤の反応物による汚染が十分に低
減されてないない。
【0009】しかも、近年のデバイスプロセスの微細化
に伴い、超微量の不純物でさえ半導体ウェハの汚染原因
となってしまう状況下にあっては、容器の構成材料に起
因する半導体ウェハの汚染が上述した従来方法によって
若干、低減されても、そのレベルでは不十分であり、更
なる汚染の低減が望まれている。
【0010】そこで、本発明は、容器の構成材料に起因
する半導体ウェハの汚染を、格別の作業工程を必要とす
ることなく、更に低減することのできる半導体ウェハ包
装容器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らが鋭
意検討を行ったところ、有機汚染物質である酸化防止剤
の反応物を低減するために、樹脂材料に対する熱履歴を
抑制する、すなわち、樹脂材料が最も熱量を受ける成形
時における熱量を低減することにより、半導体ウェハ包
装容器の構成材料に起因する半導体ウェハの有機汚染が
削減できることがわかった。
【0012】更に従来の半導体ウェハ包装容器では、上
述したように汚染原因となる酸化防止剤の添加量を少な
くし、特に2次酸化防止剤に関してはそれ自体が汚染原
因となるため、その添加をなくすことで、酸化防止剤に
よる汚染を低減させようとしていた。しかしながら、本
発明者らは、1次酸化防止剤によるポリマーのラジカル
連鎖を停止する作用と、2次酸化防止剤による1次酸化
防止剤の反応物である過酸化物を分解する作用といった
各酸化防止剤の機能に着目し、それらの機能を有効に利
用するための検討を行った。その結果、従来の半導体ウ
ェハ包装容器のように単に酸化防止剤の添加量を低減さ
せようとするに留まらず、更に、従来は全く添加されて
いないか、添加したとしても極く少量であった2次酸化
防止剤をフェノール系酸化防止剤と併用し、1次及び2
次酸化防止剤を最適な添加量に設定することで、酸化防
止剤による汚染が著しく低減されることがわかった。
【0013】かかる検討により得られた本件請求項1〜
5の半導体ウェハ包装容器により、上記課題が解決され
る。本件請求項1に係る発明である半導体ウェハ包装容
器は、ポリプロピレン樹脂から成形された半導体ウェハ
容器であって、前記ポリプロピレン樹脂100重量部に
対して、ステアリン酸金属塩0.005〜0.050重
量部と、フェノール系酸化防止剤0.010〜0.05
0重量部と、2次酸化防止剤0.020〜0.050重
量部とが添加されている樹脂材料を成形温度が170〜
250℃、成形機内での加熱時間が40分以内、金型温
度が30〜80℃の成形条件で成形されてなることを特
徴としている。
【0014】すなわち、本発明にあっては、従来、全く
添加されていないか、或いは添加したとしても極く少量
であった2次酸化防止剤を、フェノール系の1次酸化防
止剤とほぼ同量、添加して1次及び2次酸化防止剤を上
述したような最適な添加量に設定すると共に、成形時に
樹脂材料が受ける熱量を成形温度が170〜250℃で
加熱時間が40分以内に抑え、熱履歴を抑制することに
より、成形後の半導体ウェハ包装容器から揮発する酸化
防止剤の反応物の量が著しく低減し、それによる半導体
ウェハの汚染が効果的に防止される。
【0015】なお、2次酸化防止剤の添加量が0.02
0重量部よりも少ない場合には、1次酸化防止剤の反応
物である過酸化物が分解されず、空気中に揮発するた
め、半導体ウェハの汚染源となる。また、2次酸化防止
剤の添加量が0.050重量部を越えると、前記過酸化
物の分解に使用されなかった過剰な2次酸化防止剤自体
が汚染原因となるため、添加量は0.050重量部以下
としなければならない。更に、上記成形温度はポリプロ
ピレンの融点及び成形品の表面平滑性に鑑みて170℃
以上に規定される。
【0016】本発明に使用されるフェノール系の酸化防
止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステア
リル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノール)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−
3(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロシキ−5−t−ブチルフ
ェノール)ブタン、ブチル化ヒドロキシアニソール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、ビス〔3,3−ビス(4′−ヒドロキシ−
3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリ
コールエステル等が挙げられる。
【0017】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明にあって前記2次酸化防止剤としてイオウ系の2次酸
化防止剤0.020〜0.030重量部が添加される。
前記イオウ系の酸化防止剤としては、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルテオジプロピオネート、
ラウリルスステアリルテオジプロピオネート、ジミリス
チルチオジプロピオネート、ビス〔2−メチル−4−
(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t
−ブチルフェニル〕スルフィド等が挙げられる。なお、
イオウ系の2次酸化防止剤にあっては、添加量が0.0
30重量部を越えると、樹脂材料にイオウ臭が発生する
ため、好ましくない。
【0018】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明にあって前記2次酸化防止剤としてリン系の2次酸化
防止剤0.020〜0.050重量部が添加される。前
記リン系の酸化防止剤には、トリイソデシルフォスファ
イトや、トリノニルフェニルフォスファイト、トリ(モ
ノ&ジ混合ノニルフェニル)フォスファイト等が採用さ
れる。
【0019】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれかに係る発明にあって前記成形条件が、成形温度1
80℃以上210℃以下、成形機内での加熱時間40分
以内に規定されており、請求項5に係る発明は、請求項
1〜3のいずれかに係る発明にあって前記成形条件が、
成形温度210℃より大きく230℃以下、成形機内で
の加熱時間15分以内に規定されている。かかる成形条
件で成形された半導体ウェハ包装容器では、酸化防止剤
の反応物による汚染を、ほぼ完全に阻止することができ
る。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態を
図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本発明の
代表的な実施の形態である半導体ウェハ包装容器10の
分解斜視図である。前記半導体ウェハ包装容器10は、
容器本体1と蓋体2とを備え、前記容器本体1及び蓋体
2の内部には、多数の半導体ウェハを並列支持するウェ
ハカセット3が収納される。更に、蓋体2の裏面中央部
にはウェハリテーナ4が取り付けられている。前記容器
本体1の開口周縁にはガスケット5を取り付けて、同容
器本体1が前記蓋体2により閉塞され、クランプ部材6
の係着により、前記容器本体1及び蓋体2が密閉シール
され、外気の侵入が阻止される。
【0021】本実施例にあっては、前記容器本体1、蓋
体2及びウェハカセット3が、ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、例えばステアリン酸カルシウムなど
のステアリン酸金属塩0.005〜0.050重量部
と、フェノール系酸化防止剤0.010〜0.050重
量部と、イオウ系の2次酸化防止剤0.020〜0.0
30重量部又はリン系の2次酸化防止剤0.020〜
0.050重量部とが添加されている樹脂材料を、成形
温度が170〜250℃、成形機内での加熱時間が40
分以内、金型温度が30〜80℃の成形条件で射出成形
されている。
【0022】更に、本発明による前記半導体ウェハ包装
容器10の構成材料及び成形条件について、具体的な実
施例及び比較例を挙げて説明する。なお、以下の実施例
及び比較例による半導体ウェハ包装容器に収容された半
導体ウェハの汚染程度は以下の評価方法により評価す
る。
【0023】〔汚染程度の評価方法〕洗浄ずみの8イン
チの半導体ウェハ25枚を評価対象である半導体ウェハ
包装容器に、ウェハカセットに並列支持した状態で収容
し、気温が23℃に維持されたクリーンルームに3ヵ月
間放置する。その後、1枚の半導体ウェハを無作為に取
り出し、熱分解脱離GC−MS分析によって前記ウェハ
の表面に吸着された有機汚染物の種類及び量について分
析を行った。その結果、フェノール系酸化防止剤の反応
物である有機汚染物について測定された検出量と汚染程
度の評価を表に示す。
【0024】〔実施例1〜3,比較例1〜4〕ポリプロ
ピレン樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシ
ウム0.010重量部を添加し、更に、フェノール系酸
化防止剤であるテトラキス〔メチレン−3(3′,5′
−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタンと、2次酸化防止剤とを表1に示す分
量だけ添加した樹脂材料を、成形温度が230℃、成形
機内での加熱時間が20分、金型温度が50℃の成形条
件で成形した。実施例1及び比較例1,2は、2次酸化
防止剤としてイオウ系のビス〔2−メチル−4−(3−
n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチ
ルフェニル〕スルフィドを使用し、実施例2,3及び比
較例3,4は、2次酸化防止剤としてリン系のトリ(モ
ノ&ジ混合ノニルフェニル)フォスファイトを使用し
た。得られた各実施例及び比較例による半導体ウェハ包
装容器を上述の評価方法で評価し、その結果を表1に示
す。また、上記評価方法で得られた実施例1の分析チャ
ートを図2に、比較例1及び比較例3の分析チャートを
それぞれ図3及び図4に示す。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1の分析チャートをみると、保持時
間15.8分付近にフェノール系酸化防止剤の反応物に
よる大きなピークが現れ、エイコサンの濃度換算で約1
4ng検出された。これに対して、実施例1の分析チャ
ートでは、保持時間15.8分付近ではピークがみられ
ない。比較例1ではイオウ系の2次酸化防止剤の添加量
が0.015重量部であり、実施例1の0.025重量
部よりも添加量が多いにもかかわらず、有機汚染物の検
出量が実施例では1ng未満と著しく低減されている。
これは、従来の2次酸化防止剤の添加量が少なすぎる
と、フェノール酸化防止剤の反応物である酸化物が分解
されずに空気中に揮発するためである。これに対し、2
次酸化防止剤の添加量が適正であればフェノール系酸化
防止剤の反応物が分解され、樹脂中に安定して存在する
ために空気中に揮発することがなく、半導体ウェハを汚
染することがない。また、イオウ系の2次酸化防止剤
は、その添加量が0.030重量部を越えると樹脂材料
を成形したときにイオウ臭が発生するため、添加量は
0.030重量部以下とすることが望ましい。
【0027】また、リン系の2次酸化防止剤が0.01
5重量部、添加されている比較例3の分析チャートをみ
ると、比較例1と同様に保持時間15.8分付近にフェ
ノール系酸化防止剤の反応物による大きなピークが現
れ、エイコサンの濃度換算で約14ng検出された。リ
ン系の2次酸化防止剤の場合もイオウ系の2次酸化防止
剤と同様に、0.020重量部より少ないとフェノール
酸化防止剤の反応物である過酸化物を全て分解すること
ができず、空気中に揮発して汚染源となる。また、比較
例4に示すように、リン系の2次酸化防止剤の添加量が
0.050重量部よりも多いと、逆に2次酸化防止剤自
体が汚染原因となるため、その添加量は0.020〜
0.050重量部としなければならない。
【0028】〔実施例4〜6,比較例5,6〕ポリプロ
ピレン樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシ
ウム0.010重量部と、フェノール系酸化防止剤であ
るテトラキス〔メチレン−3(3′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タンを0.030重量部と、2次酸化防止剤であるイオ
ウ系のビス〔2−メチル−4−(3−n−アルキルチオ
プロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕スル
フィドを0.015重量部とを添加した樹脂材料を、金
型温度が50℃で、成形温度及び成形機内での加熱時間
を表2に示す成形条件で成形した。得られた各実施例及
び比較例による半導体ウェハ包装容器を上述の評価方法
で評価し、その結果を表2に示す。また、上記評価方法
で得られた実施例6の分析チャートを図5に、比較例6
の分析チャートをそれぞれ図6に示す。
【0029】
【表2】
【0030】フェノール系酸化防止剤を0.030重量
部、イオウ系の2次酸化防止剤を0.015重量部と、
それぞれ本件の範囲内に設定した場合であっても、比較
例5のように成形時間が60分と長くなると、樹脂材料
の受ける熱履歴が大きくなり、フェノール系酸化防止剤
の反応物による半導体ウェハの汚染が大きくなる。ま
た、熱履歴を少なくするほど、フェノール系酸化防止剤
の反応物による半導体ウェハの汚染が低減され、成形温
度が210℃より大きく230℃以下の高温である場合
には、樹脂加熱時間を15分以下と短くすることで、樹
脂材料の受ける総熱量を少なくし、汚染を著しく低減さ
せることができる。また、180℃以上210℃以下の
低温の場合には、樹脂加熱時間を40分程度まで長くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態である半導体ウェ
ハ包装容器の分解斜視図である。
【図2】実施例1の半導体ウェハ包装容器に収容された
半導体ウェハの汚染を評価する熱分解脱離GC−MS分
析による分析チャートである。
【図3】比較例1の半導体ウェハ包装容器に収容された
半導体ウェハの汚染を評価する熱分解脱離GC−MS分
析による分析チャートである。
【図4】比較例3の半導体ウェハ包装容器に収容された
半導体ウェハの汚染を評価する熱分解脱離GC−MS分
析による分析チャートである。
【図5】実施例7の半導体ウェハ包装容器に収容された
半導体ウェハの汚染を評価する熱分解脱離GC−MS分
析による分析チャートである。
【図6】比較例5の半導体ウェハ包装容器に収容された
半導体ウェハの汚染を評価する熱分解脱離GC−MS分
析による分析チャートである。
【符号の説明】
1 容器本体 2 蓋体 3 ウェハカセット 4 ウェハリテーナ 5 ガスケット 6 クランプ部材 10 半導体ウェハ包装容器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン樹脂から成形された半導
    体ウェハ包装容器であって、前記ポリプロピレン樹脂1
    00重量部に対して、ステアリン酸金属塩0.005〜
    0.050重量部と、フェノール系酸化防止剤0.01
    0〜0.050重量部と、2次酸化防止剤0.020〜
    0.050重量部とが添加されている樹脂材料を成形温
    度が170〜250℃、成形機内での加熱時間が40分
    以内、金型温度が30〜80℃の成形条件で成形されて
    なることを特徴とする半導体ウェハ包装容器。
  2. 【請求項2】 前記2次酸化防止剤として、イオウ系の
    2次酸化防止剤0.020〜0.030重量部が添加さ
    れてなる請求項1記載の半導体ウェハ包装容器。
  3. 【請求項3】 前記2次酸化防止剤として、リン系の2
    次酸化防止剤0.020〜0.050重量部が添加され
    てなる請求項1記載の半導体ウェハ包装容器。
  4. 【請求項4】 前記成形条件は、成形温度が180℃以
    上210℃以下、成形機内での加熱時間が40分以内で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ウェハ包装
    容器。
  5. 【請求項5】 前記成形条件は、成形温度が210℃よ
    り大きく230℃以下、成形機内での加熱時間が15分
    以内である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体ウェ
    ハ包装容器。
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JP (1) JPH11307622A (ja)

Cited By (3)

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