JPH1130545A - 溶融炉における堆積物の検出装置および検出方法 - Google Patents

溶融炉における堆積物の検出装置および検出方法

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JPH1130545A
JPH1130545A JP9184193A JP18419397A JPH1130545A JP H1130545 A JPH1130545 A JP H1130545A JP 9184193 A JP9184193 A JP 9184193A JP 18419397 A JP18419397 A JP 18419397A JP H1130545 A JPH1130545 A JP H1130545A
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JP
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melting furnace
movable electrode
detecting
electrode
melting
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JP9184193A
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Masaki Kataoka
正樹 片岡
Yoshinori Takahashi
善則 高橋
Yuji Tsuda
裕士 津田
Minoru Omori
稔 大森
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TETORO INTERNATL KK
Tsukishima Kikai Co Ltd
Original Assignee
TETORO INTERNATL KK
Tsukishima Kikai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造ながら、如何なる形式の溶
融炉であっても堆積した金属類を正確に検出することが
できる検出装置および検出方法を提供する。 【解決手段】 溶融炉の底面8に設置される固定電極9
と、昇降手段10により昇降自在とされて溶融炉内に挿
入される可動電極11と、これら固定電極9と可動電極
11との間の導通状態を検出する検出手段13と、可動
電極11の昇降位置を測定する測定手段14とを備え、
昇降手段10により可動電極11を降下させて溶融炉内
に挿入し、この可動電極11の昇降位置を測定手段14
によって測定しつつ、固定電極9と可動電極11との間
の導通状態を検出手段13によって検出して堆積物Tを
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば金属類を含
有したゴミ焼却灰等を溶融処理する溶融炉における堆積
物の検出装置および検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴミ焼却灰の発生量は年間約600万ト
ンであり、その大部分は従来埋立処分されてきたが、最
終処分地の逼迫や環境対策等から焼却灰の減容化を図る
とともに再資源として有効利用するため、かかる焼却灰
を溶融炉において溶融処理することが最近行われるよう
になってきている。ところで、このような焼却灰は様々
な成分を含有しており、その中には金属類も含まれてい
る。そして、このような金属類は、焼却灰の溶融ととも
に溶融して、焼却灰の主成分であるSi、Ca、Alの
酸化物との比重差によって溶融炉の底部に堆積物として
堆積し、焼却灰の安定した溶融を阻害する。そこで、こ
のような金属類は、通常は溶融炉底部に堆積する度に間
欠的に炉外に抜き出しするようにしているが、この抜き
出しのタイミングを適正に計って安定した溶融を図るに
は、溶融炉の底部に堆積する金属類の堆積量を正確に把
握することが重要となる。
【0003】ここで、従来このような金属類の堆積量を
検出して抜き出すには、溶融炉に供給された焼却灰の量
から堆積量を推定し、焼却灰の一定処理量ごとに炉底に
溜まった金属類を抜き出す方法や、溶融炉全体の重量を
測定して金属類の堆積量を測定し、これが所定の重量を
超えたところで金属類を抜き出す方法などが採られてい
た。また、このような溶融炉における堆積物の検出装置
としては、例えば特開平5−85487号公報に、溶融
炉内の所定高さ位置に一対の検知部材を配設したり、ま
た溶融炉の上方に一対の検知部材を昇降自在に設けた
り、あるいは溶融炉内に溶融用電極を設けるとともに上
方には検知部材を昇降自在に設けたりして、これら一対
の検知部材間の導通状態や検知部材と溶融用電極との間
の導通状態から堆積物の堆積高さを検出する手段が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
溶融炉に供給された焼却灰の量から金属類の堆積量を推
定する方法では、処理する焼却灰に含有される金属類の
割合が一定でないため、その堆積量を正確に把握するこ
とはできず、適正にタイミングを計って必要十分な量の
金属類を抜き出すことは不可能である。また、溶融炉全
体の重量を測定して金属類の堆積量を測定する方法で
は、測定のための装置が大型化してしまうとともに、溶
融炉内壁の耐火材が溶融スラグによって損傷することに
よる重量減や、溶融スラグが内壁に付着することによる
重量増などにより、溶融炉底部に堆積した金属類の量だ
けを正確に測定することは困難である。
【0005】一方、上記公報に記載された検出装置で
は、検知部材を溶融炉内に設けたり、検知部材を昇降自
在として溶融炉内に挿入することにより、その導通状態
の変化に基づいて金属類等の堆積物の堆積高さが検出さ
れる。しかしながら、このような検出装置であっても、
溶融炉内の所定高さ位置に一対の検知部材を配設したも
のでは、金属類の堆積高さがこの所定高さよりも低い場
合には、その存在すら検出することはできない。また、
昇降自在な一対の検知部材を備えたものでは、これら一
対の検知部材の先端を揃えて、しかも接触させないよう
に保持して昇降させなければならず、その構造が複雑化
するのが避けられない。さらに、昇降自在な検知部材と
溶融用電極との間の導通状態により検出を行うもので
も、金属類の堆積高さが溶融用電極の高さより低けれ
ば、検知部材が金属類の堆積高さに達してもこれを検知
することはできず、またこの溶融用電極から生じる溶融
用電力のため計測誤差が大きい上、溶融物に直接接触す
る溶融用電極を備えないプラズマ式溶融炉や酸素バーナ
ー式溶融炉には適用することすらできない。
【0006】さらにまた、このような従来の検出装置で
は、検知部材間や検知部材と溶融用電極との間の導通状
態だけを測定して金属類の堆積高さを検知する構造であ
るので、この堆積した金属類がどのような状態にあるの
かを検出することはできず、例えば溶融炉の底部側で金
属類が固化していたりしても、これを検出することはで
きないため、そのままでは堆積した金属類を円滑に抜き
出すことができなくなるおそれがある。また、浸食等に
より溶融炉の底面が掘り下げられたりしていた場合に
は、その上に金属類が堆積していても上記検出装置では
検出することはできないので、多量の金属類が堆積して
いるにも関わらず抜き出しのタイミングを逸してしまう
おそれもある。
【0007】本発明は、このような背景の下になされた
もので、比較的簡単な構造ながら、如何なる形式の溶融
炉であっても堆積した金属類を正確に検出することがで
きる検出装置および検出方法を提供することを第1の目
的とし、またこれに加えて、金属類が固化状態にあった
り、溶融炉底部が掘り下げられて多量の金属類が堆積し
ていても検出を可能とすることを第2の目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、上記第1の目的を達成するために、本発明の堆積物
の検出装置は、溶融炉の底面に設置される固定電極と、
昇降手段により昇降自在とされて上記溶融炉内に挿入さ
れる可動電極と、これら固定電極と可動電極との間の導
通状態を検出する検出手段と、上記可動電極の昇降位置
を測定する測定手段とを備えたことを特徴とし、また本
発明の堆積物の検出方法は、このような検出装置を用い
たもので、溶融炉の底面に固定電極を設置するととも
に、昇降手段により可動電極を降下させて上記溶融炉内
に挿入し、この可動電極の昇降位置を測定しつつ、上記
固定電極と可動電極との間の導通状態を検出することを
特徴とする。従って、このように固定電極が溶融炉の底
面に設けられることにより、本発明によれば、炉底に堆
積物が堆積していればその堆積高さに関わらず、これを
検出することが可能であり、また可動電極は一つでよい
ので構造が簡略であるとともに、如何なる形式の溶融炉
にも適用することができる。
【0009】さらに、このような構成に加えて、上記検
出装置においては、上記昇降手段に、上記可動電極に作
用する荷重を検知する荷重検知手段を備えることによ
り、また上記検出方法においては、上記昇降手段に、上
記可動電極に作用する荷重を検知する荷重検知手段を備
えて、この可動電極を降下させた際の該可動電極の接地
位置を検知することにより、上述の第2の目的を達成す
ることができる。すなわち、このような荷重検知手段を
昇降手段に設けて可動電極を降下させた際の接地位置を
検知することにより、溶融炉の本体を含めた炉内全体に
おける液相と固相との境界の位置が把握されるので、こ
の位置が当初の溶融炉の底面よりも高い位置にあれば、
堆積した金属類が固化しているものと判断でき、逆に当
初の底面の位置よりも低ければ、溶融炉底面が浸食され
て掘り下げられているものと判断することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の検
出装置1を備えた焼却灰溶融炉の概略を示す断面図であ
る。この焼却灰溶融炉はプラズマ式の溶融炉であって、
その溶融炉本体2は略箱形をなしており、この溶融炉本
体2の天井部3には、中央部に焼却灰の供給口4が設け
られるとともに、この供給口4の両脇には一対のプラズ
マトーチ5,5がその先端を炉内に向けて取り付けられ
ている。また、溶融炉本体2の側壁6には溶融スラグS
の出滓口7が設けられている。なお、この溶融炉本体2
の内面は耐火材で保護されている。そして、このような
溶融炉に取り付けられる上記検出装置1は、炉内底面8
の中央に設置される固定電極9と、昇降手段10により
昇降自在とされて炉内に挿入される可動電極11と、こ
れら固定電極9と可動電極11との間に電源装置12を
介して設けられる検出手段13と、上記昇降手段10に
取り付けられて可動電極11の昇降位置を測定する測定
手段14とを具備している。
【0011】上記固定電極9は、炉内底部に堆積する堆
積物Tとしての金属類と電気的に導通できる導電性材
料、例えば安価なSS400等により円柱状に形成さ
れ、その中心軸線を垂直にして図1に示すように先端が
上記底面8よりも僅かに突出するように設けられ、か
つ、この突出した先端部においてはその全面が露出させ
られて上記堆積物Tと導通可能とされている。一方、上
記可動電極11は、一般的な溶融炉の操作温度である1
200℃〜1800℃で溶融せず、また溶融スラグSに
浸食されない導電性材料により、やはり円柱状に形成さ
れている。このような導電性材料としては、例えばタン
グステンや白金、グラファイト等が挙げられるが、特に
グラファイトが好適である。そして、この可動電極11
は、上記固定電極9と同じくその中心軸線を垂直にし
て、上記出滓口7および供給口4やプラズマトーチ5,
5から離れた溶融炉本体2の側壁15側に、上記昇降手
段10により天井部3から挿入可能とされている。な
お、この可動電極11は、上記固定電極9と同じく溶融
スラグSや堆積物Tに浸漬される部分全体が露出するよ
うにされていてもよく、またその先端部(下端部)11
Aだけが露出して溶融スラグSや堆積物Tに導通可能と
されていてもよい。
【0012】また、上記昇降手段10としては、例えば
シリンダ装置やリニアアクチュエータ等の公知の昇降装
置が用いられ、このような昇降装置が溶融炉本体2の外
部に設けられて、上記可動電極11の後端部(上端部)
を保持して昇降せしめる。さらに上記測定手段14は、
上記昇降手段10による可動電極11の昇降量を電気的
に出力したり、目盛り等に表示したりするものであっ
て、例えば昇降手段10によって可動電極11が最高位
置まで上昇した状態を基準位置とし、この基準位置から
の可動電極11の降下量を昇降位置として出力するよう
になされている。なお、本実施形態では、上記昇降手段
10に、可動電極11に作用する荷重を検知する荷重検
知手段16が備えられている。この荷重検知手段16と
しては、例えばスリップクラッチやトルクリミッタ等が
用いられており、昇降手段10により可動電極11が下
降してその先端11Aが溶融炉本体2の底面8等に接地
した際に、この可動電極11に上向きに作用する荷重に
より、昇降手段10による可動電極11の保持を解いた
り、昇降手段10の動作を停止したりして、可動電極1
1がこれよりも降下しないようにされている。
【0013】さらにまた、上記固定電極9と可動電極1
1との間に設けられる電源装置12は、両電極9,11
間に電力を印加するものであって、交流電源、直流電源
のいずれでもよく、また印加の方法も定電圧、定電流の
いずれでもよいが、検出の安定性を考慮すると直流電源
で定電流方式が望ましい。また、電源容量は大きいほど
望ましいが、電圧は50V〜200V、電流は50A〜
200A程度で十分である。さらに、上記検出手段13
としては、上記電源装置12が定電圧制御の場合には電
流計が、また電源装置12が定電流制御の場合には電圧
計が用いられるが、より正確な検出を行なうには、電源
装置12がいずれの場合であっても電圧、電流の双方を
測定するのが望ましい。なお、この検出手段13により
検出された結果は、上記測定手段14により測定された
結果とともにコンピュータ等の演算手段17に入力さ
れ、可動電極11の昇降位置と電圧・電流との関係が得
られるようになされている。
【0014】次に、このような検出装置1を用いた本発
明の検出方法の一実施形態を説明する。本実施形態にお
いて溶融炉本体2に供給される廃棄物の焼却灰は、炉内
で加熱されて溶融状態のスラグSになると導電性が生じ
る。このような焼却灰の溶融状態における導電性は、焼
却灰の組成や溶融スラグSの温度などにより一概には言
えないが、食塩の飽和水溶液の導電性と略同じであり、
比電導度は0.1〜1Ω-1cm-1程度である。一方、こ
のような廃棄物焼却灰を溶融処理すると、焼却灰に含有
された金属類も溶融するが、Si、Ca、Alを主成分
とする溶融スラグSの比重は2.5〜3.5程度である
のに対し、このような金属類の溶融物の比重は6.0〜
8.0程度であり、従って金属類の溶融物は、溶融スラ
グSと重力分離して層をなすように溶融炉の底面8に堆
積し、上記堆積物Tとなる。そして、このような溶融金
属の比電導度は、溶融スラグSに対してきわめて大き
く、10000Ω-1cm-1程度であり、従ってこれら溶
融スラグSと堆積物Tとの導通状態の相違を検出するこ
とにより、溶融炉に堆積した堆積物Tを検出することが
可能となる。
【0015】すなわち、本実施形態の検出方法では、上
記実施形態の検出装置1により、溶融炉の底面8に設け
られた固定電極9と炉内に挿入される可動電極11との
間に電力を印加し、両電極9,11間の導通状態を検出
手段13により検出しながら、測定手段14により可動
電極11の昇降位置を測定しつつ、昇降手段10によっ
て可動電極11を降下させる。このとき、可動電極11
の先端11Aが溶融スラグSに浸漬されるまでは両電極
9,11間に導通はなく、従って検出手段13により検
出される電流や電圧に変動はない。ところが、可動電極
11の先端11Aが溶融スラグSに接すると、この溶融
スラグSおよび堆積物Tを介して固定電極9との間に導
通が生じ、この導通状態は、可動電極11が降下してそ
の先端11Aが堆積物Tの表面に近づくに従い抵抗が小
さくなるので、例えば電源装置12が定電流制御の場合
には可動電極11の降下に伴って電圧が小さくなる傾向
を示す。
【0016】そして、この可動電極11の先端11Aが
炉底に堆積した金属類の堆積物Tに接すると、かかる金
属類は上述のように比電導度がきわめて大きいことか
ら、抵抗は殆どなくなって電圧は最小となり、これ以降
は再び導通状態に変動は生じなくなる。また、これより
さらに可動電極11を降下させると、その先端11Aが
溶融炉本体2の底面8等に接地したところで、上記荷重
検知手段16により可動電極11の降下が停止し、その
時点での昇降位置が測定手段14により測定される。
【0017】このように、上記実施形態の検出装置1お
よびこれを用いた本実施形態の検出方法によれば、測定
手段14により測定される可動電極11の昇降位置と、
検出手段13により検出される固定電極9と可動電極1
1との間の導通状態とにより、炉内に保持される溶融ス
ラグSの高さおよび炉底に堆積する金属類堆積物Tの高
さを検出することができる。従って、この検出結果に基
づいて、円滑な焼却灰の溶融を阻害する堆積物Tの状態
を正確に把握し、これを適正なタイミングで抜き出して
炉内から取り除くことができ、これにより安定かつ効率
的な焼却灰の溶融を行うことができる。
【0018】そして、本実施形態では、上記固定電極9
が溶融炉本体2の底面8に突設されており、従って堆積
物Tの堆積量が僅かであっても、堆積物Tと固定電極9
とは導通状態となるので、可動電極11が堆積物Tに接
した際にはこれを確実に検出することが可能となり、従
来のように堆積物Tが所定高さまで堆積しないと検出で
きない場合に比べて、より正確に堆積物Tの検出を行う
ことができる。また、このように一方の固定電極9が炉
の底面8に設けられていて、他方の可動電極9だけを昇
降手段10により昇降させればよいので、従来の一対の
検知部材(電極)を昇降させてその導通状態を検出する
のに比べ、これら一対の検知部材の先端位置を正確に揃
えたり、検知部材同士が接触しないように注意を払った
りする必要がなく、さらに装置構造の簡略化を図ること
ができる。
【0019】しかも、このように一対の検知部材を昇降
させて検出を行なう場合には、両検知部材間の間隔は常
に一定となるので、例えばこれらの検知部材が溶融スラ
グSに浸漬されても、堆積物Tに達するまでは導通状態
に変化が生じることはない。ところが、これに対して本
実施形態では、可動電極11が溶融スラグSに接してか
ら堆積物Tに達するまでの間に、堆積物T表面までの距
離が小さくなるに従い両電極9,11間の抵抗も小さく
なり、これに伴い上述のように電圧が小さくなったりし
て導通状態が変化して行く。そして、この導通状態の変
化は、溶融スラグSの温度や組成によって所定の傾向を
示すので、本実施形態によれば、このような溶融スラグ
S中における電極9,11間の導通状態の変化から、溶
融スラグSの溶融状態等も把握することができるという
利点が得られる。
【0020】さらに、本実施形態の堆積物Tの検出装置
1および検出方法は、様々な形式の溶融炉に適用可能で
あり、上記実施形態のプラズマ式溶融炉や炉内に溶融用
電極を備えた抵抗加熱式溶融炉等の電気を加熱源とする
溶融炉は勿論、酸素バーナー式溶融炉のような燃料を加
熱源とする溶融炉に適用することも可能である。そし
て、特にプラズマ溶融炉や酸素バーナー式溶融炉のよう
に溶融スラグSや堆積物Tに直接電気が流されない形式
の溶融炉にあっては、溶融用電力による検出誤差が生じ
ることがないので、より正確な検出を行うことが可能と
なる。
【0021】一方、本実施形態の検出装置1では、上記
昇降手段10に荷重検知手段16が備えられており、こ
れにより本実施形態の検出方法では、可動電極11を降
下させてその先端11Aが炉の底面8等に接地した際
に、それ以上は可動電極11が降下しないとともに、こ
の接地位置が測定手段14によって測定されることとな
る。従って、本実施形態によれば、昇降手段10により
可動電極11がこの接地位置よりもさらに降下するよう
に無理な力を受けて破損したりするのを防止できるのは
勿論、測定手段14により測定されたこの接地位置が、
予め知りうる底面8の位置と同じであれば、堆積物Tと
して堆積した金属類は溶融状態にあることが確認でき
る。
【0022】すなわち、この底面8側において金属類が
溶融されずに固化した状態であれば、可動電極11の先
端11Aは底面8に達することなく、その上方で固化し
た堆積物Tに接地することとなり、従ってその位置の相
違から、金属類が溶融していないこと、およびその厚
さ、つまり堆積物Tの溶融深さを把握することが可能と
なる。従って、本実施形態によれば、堆積物Tを抜き出
す際に金属類が固化していることが確認されれば、炉内
温度を高めてこれを溶融させたり、堆積物Tの抜き出し
位置を変更したりして、円滑な抜き出しを行うことが可
能となる。一方、逆に、この測定手段14により測定さ
れた実際の可動電極11の接地位置が、当該溶融炉の当
初の底面8の位置よりも深い位置であれば、底面8が溶
融スラグSや堆積物Tにより浸食されて掘り下げられた
ものと判断することができるので、その分多く堆積した
堆積物Tを抜き出したり、また運転を停止して溶融炉本
体2の補修を行ったりと、速やかな対応を図ることがで
きる。
【0023】
【実施例】次に、実施例を挙げて説明する。本実施例に
おいては、図1に示した実施形態の溶融炉と同様の構成
を有する実験用のプラズマ式溶融炉によってゴミ焼却灰
を溶融し、その際に堆積する金属類堆積物Tを上記実施
形態の検出装置1により検出した。ただし、本実施例に
おいて、固定電極9はSS400製であって直径10mm
の円柱状であり、また可能電極11はグラファイト製の
直径50mmの円柱状であった。さらに、電源装置12は
定格出力125V、63Aの定電流制御のものを用い、
また検出手段13においては電流計および電圧計を用い
て電流、電圧双方を測定した。さらにまた、この実施例
で溶融した焼却灰の組成は表1に示す通りであり、プラ
ズマトーチ5,5によって溶融スラグSの温度を150
0℃に保持して溶融を行った。そして、電源装置12に
よって両電極9,11間に初期電圧120Vで50Aの
電流を印加した状態で、昇降手段10により可動電極1
1を基準位置から降下させ、このとき測定手段14によ
り測定された可動電極11の先端11Aの昇降位置(基
準位置からの降下距離)と、検出手段13により検出さ
れた電圧および電流との関係を演算手段17によって計
算した。この結果を図2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】図2において符号Aで示す領域は、溶融ス
ラグSよりも上方の気相の領域であって、両電極9,1
1間に導通はなく、電圧、電流とも変動はない。そし
て、可動電極11の先端11Aが基準位置から400mm
程降下して溶融スラグSの領域に達すると、電極9,1
1間に導通が生じ、定電流制御であるので電流は所定の
印加電流となる。さらにこれより可動電極11を降下さ
せると、固定電極9との間の抵抗が小さくなるのに従い
電圧も小さくなり、溶融スラグSの表面から60mm降下
したところで電圧は最小となってその後は一定値となっ
た。従って、この昇降位置で可動電極11の先端11A
は金属類の堆積物Tの領域に達したものと認められる。
そして、さらに可動電極11を降下させたところ、その
先端11Aが堆積物Tの領域に達してから60mm程下方
の位置Pで荷重検知手段16が作動し、それ以上の降下
が阻止された。これは、当該溶融炉の上記基準位置から
溶融炉本体2の底面8までの距離と一致していた。ま
た、この検出直後に溶融炉を停止して炉内を冷却し、溶
融スラグSおよび堆積物Tの厚さを調べたところ、図2
に示した結果との一致を確認することができた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
様々な形式の溶融炉に適用でき、しかも比較的簡単な装
置構造ながら、堆積物の堆積量が少なくてもこれを確実
に検出することが可能な検出装置を提供することがで
き、従ってこのような検出装置を用いた本発明の検出方
法によれば、炉底への堆積物の堆積を正確に把握して、
その抜き出しのタイミングを適正に図り、円滑かつ安定
した溶融炉の運転を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の検出装置1を備えたプ
ラズマ式溶融炉の断面図である。
【図2】 本発明の実施例により得られた検出結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 検出装置 2 溶融炉本体 8 溶融炉本体2の底面 9 固定電極 10 昇降手段 11 可動電極 12 電源装置 13 検出手段 14 測定手段 16 荷重検知手段 S 溶融スラグ T 堆積物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27B 17/00 B09B 3/00 303L (72)発明者 高橋 善則 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 津田 裕士 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 大森 稔 神奈川県横浜市港北区師岡町1140番地21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉の底面に設置される固定電極と、
    昇降手段により昇降自在とされて上記溶融炉内に挿入さ
    れる可動電極と、これら固定電極と可動電極との間の導
    通状態を検出する検出手段と、上記可動電極の昇降位置
    を測定する測定手段とを備えたことを特徴とする溶融炉
    における堆積物の検出装置。
  2. 【請求項2】 上記昇降手段に、上記可動電極に作用す
    る荷重を検知する荷重検知手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載の溶融炉における堆積物の検出装置。
  3. 【請求項3】 溶融炉の底面に固定電極を設置するとと
    もに、昇降手段により可動電極を降下させて上記溶融炉
    内に挿入し、この可動電極の昇降位置を測定しつつ、上
    記固定電極と可動電極との間の導通状態を検出すること
    を特徴とする溶融炉における堆積物の検出方法。
  4. 【請求項4】 上記昇降手段に、上記可動電極に作用す
    る荷重を検知する荷重検知手段を備えて、この可動電極
    を降下させた際の該可動電極の接地位置を検知すること
    を特徴とする請求項3に記載の溶融炉における堆積物の
    検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356709A (ja) * 2001-05-25 2002-12-13 Heraeus Electro Nite Kk スラグ層厚さ又はスラグ層厚さと溶融金属層表面レベル位置測定方法及びその測定装置
CN113847969A (zh) * 2021-09-22 2021-12-28 江苏天楹等离子体科技有限公司 一种准确测量熔融炉熔池液位的方法
WO2024097028A1 (en) * 2022-10-31 2024-05-10 Applied Materials, Inc. Methods of lithium level measurement at elevated temperature

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