JPH11305042A - ホログラムカラーフィルタとそれを用いた透過型カラー液晶表示装置及びカラー液晶プロジェクタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ホログラムカラーフィルタから分光回折透過す
る全赤色光、緑色光、青色光の三色光を液晶表示パネル
の全てのカラー画素相当領域に集光入射させることによ
り照明光利得を向上させ明るい表示画像を観察できるよ
うにする。 【解決手段】印加電圧に応じて出射光を変調する透過型
液晶表示パネル２と、そのパネルの背面に配置された白
色照明光源８との間に配置される分光回折透過機能を備
えたホログラムカラーフィルタ１、及び透過型カラー液
晶表示装置及びカラー液晶プロジェクタ装置であって、
背面からの平行白色照明光によりホログラムカラーフィ
ルタから分光回折透過した全ての色光３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ
を液晶表示パネル２の全ての色画素相当領域４、５、６
に分光集光させる機能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムを用い
たホログラムカラーフィルタ及びそれを利用した透過型
カラー液晶表示装置及びカラー液晶プロジェクタ装置に
関し、特に、従来より明るく高コントラストな色再現の
表示を可能とし、かつ消費電力が少なく低価格な透過型
カラー液晶表示装置やカラー液晶プロジェクタ装置など
に関する。

【０００２】

【従来の技術】透過型カラー液晶表示装置はカラー液晶
表示パネルの背面に白色照明光源（バックライト、ライ
トガイド）を備え、カラー液晶表示パネル上の表示画像
を観察者に視認させるように構成されている。

【０００３】この透過型カラー液晶表示装置のカラー表
示画像の明るさは、通常は使用する白色照明光源の出力
によって決定され、表示を明るくするためには機器本体
の光源の出力を大きくする必要があり、自ずと消費電力
が増えるものである。

【０００４】また、カラーフィルタを利用したカラー液
晶表示装置において問題とされるのは、光（バックライ
ト）の利用効率の低さであり、従って明るい光源を必要
とするため、光源であるランプなどに大きな消費電力を
必要とすることになる。

【０００５】光の利用効率の低下の要因としては、カラ
ーフィルタ（および、液晶表示パネル）のブラックマト
リクスに当たった光が無駄になり、出射光量が減少する
ことや、顔料分散型カラーフィルタなどでは、各画素へ
入射する白色光のうち所望の色の光以外をカラーフィル
タで吸収してしまうことなどが挙げられる。

【０００６】上記の問題点を解決するため、従来よりホ
ログラムを分光素子として用い、その色分散機能により
入射白色光を分光する液晶表示装置用カラーフィルタ
が、特開平５−２４９３１８号公報や特開平６−３０８
３３２号公報において提案されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記提案に係るカラー
液晶表示装置のホログラムカラーフィルタは、図７に示
すように、平行白色照明光源８からθの角度で照明光３
が、該ホログラムカラーフィルタ３１に照射された際に
回折透過してそれぞれ赤色透過光３Ｒ、緑色透過光３
Ｇ、青色透過光３Ｂの三色光を分光透過させる。

【０００８】そして赤色透過光３Ｒ、緑色透過光３Ｇ、
青色透過光３Ｂは、透過型液晶表示パネル２の赤、緑、
青を１単位とするカラー表示部７の各赤色画素相当領域
４、緑色画素相当領域５、青色画素相当領域６に向かっ
て分散的に分光出射して、印加電圧に応じて出射光を変
調する液晶セルを備えた前記液晶表示パネル２によって
所定の画像光９を出射してカラー画像を表示できるもの
であり、前記ホログラムカラーフィルタ３１は透過型液
晶表示用のカラーフィルタとして機能するものである。

【０００９】しかしながら、ホログラムカラーフィルタ
３１は領域分割されており、液晶表示パネル中の隣接す
る３つの赤色画素相当領域４、緑色画素相当領域５、青
色画素相当領域６に対して１つのホログラムセルからで
きている。

【００１０】したがってホログラムセルと液晶画素とが
１：３でそれぞれ対応づけされており、１つのホログラ
ムセルに製造過程中に欠陥が生じると、それに対応した
液晶画素３つともに欠陥が写ってしまい表示画像の画質
を劣化させる原因となってしまう。

【００１１】このためホログラムカラーフィルタ３１は
無欠陥であることが必須であり、製造工程での収率を下
げてしまうために製造コストが上昇してしまい、カラー
フィルタの価格を高くしてしまうという問題点がある。

【００１２】本発明は、領域分割されていない全面にわ
たる干渉縞から構成されているホログラムカラーフィル
タに関するものであり、カラーフィルタにホログラムを
用いる事で生じる効果作用は従来技術と同じでありなが
ら、たとえ製造過程中でホログラム中に欠陥を生じても
カラーフィルタとしての機能を損なう事なく、製造過程
における収率を上げ、結果としてホログラムカラーフィ
ルタの価格を下げることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の発明は、
ホログラムを用いたカラーフィルタにおいて、前記ホロ
グラムが、照射される平行白色照明光により、ホログラ
ムより特定距離ａだけ離れた液晶表示パネル２に対して
液晶セルの配列に応じたパターンの実像を赤、緑、青の
画素相当領域分だけ色ずれして再生結像するホログラム
カラーフィルタであり、該ホログラムカラーフィルタが
領域分割されていない全面にわたる干渉縞から構成され
ていることを特徴とするホログラムカラーフィルタであ
る。

【００１４】次に本発明の第２の発明は、印加電圧に応
じて出射光を変調する透過型液晶表示パネル２とその背
面に配置された白色照明光源８との間に、上記第１の発
明のホログラムカラーフィルタが配置されていることを
特徴とする透過型カラー液晶表示装置である。

【００１５】次に本発明の第２の発明は、液晶表示パネ
ル２の白色光入射側に距離ａだけ離して、上記第１の発
明のホログラムカラーフィルタが配置され、該液晶表示
パネル２を通過した前記ホログラムカラーフィルタから
の出射光が拡大投影用の光学レンズ系によりスクリーン
上に拡大投影されることを特徴とするカラー液晶プロジ
ェクタ装置である。

【００１６】

【作用】第１の発明のホログラムカラーフィルタは、例
えば液晶表示パネル２と白色照明光８（バックライト）
との間に配置されるホログラムカラーフィルタであり、
該ホログラムカラーフィルタ１の背面側にホログラム記
録時の参照光の方向に対して共役な方向から白色平行照
明光３を照射した際に、照明光３は該ホログラムカラー
フィルタ１を回折透過して、液晶表示パネル２上にその
液晶表示パネル２の画素配列パターンの実像を再生表示
する。この際、回折と同時にホログラムカラーフィルタ
において色分散が生じるため、前記画素配列パターンの
実像は、ホログラムカラーフィルタに記録されている干
渉縞の空間周波数に応じて異なった位置に赤、緑、青の
実像をそれぞれ結像する。この赤、緑、青の結像位置の
ずれを、液晶表示パネル２の各赤色画素相当領域４、緑
色画素相当領域５、青色画素相当領域６のそれぞれの間
の距離と同じにすれば、ホログラムカラーフィルタから
出射されたすべての光は分光されて、その色に相当する
液晶画素を通過し、透過型カラー液晶表示用画素などの
ためのカラーフィルタとして機能するものである。

【００１７】この際、従来技術に係るホログラムカラー
フィルタと同様にカラーフィルタ（および、液晶表示パ
ネル）のブラックマトリクスに当たった光が無駄になる
ことが回避され、既存（染料タイプ、顔料タイプ）のカ
ラーフィルタを通過する際のバックライトの吸収損失も
回避され、表示輝度を向上させるという作用がある。

【００１８】また、白色平行照明光８はホログラムカラ
ーフィルタ１を回折透過し、それぞれ赤色光３Ｒ、緑色
光３Ｇ、青色光３Ｂの三色光に分光出射するものである
が、このホログラムカラーフィルタ１は領域分割されて
おらず、そこから出射した赤色光３Ｒは、液晶表示パネ
ル２上の各単位カラー表示部７の各色画素相当領域４、
５、６のうちの全ての赤色画素相当領域４に向かって出
射し、緑色光３Ｇは液晶表示パネル２上の各単位カラー
表示部７の各色画素相当領域４、５、６のうちの全ての
緑色画素相当領域５に向かって出射し、青色光３Ｂは、
液晶表示パネル２上の各単位カラー表示部７の各色画素
相当領域４、５、６のうちの全ての青色画素相当領域６
に向かって出射する。そのためホログラムカラーフィル
タ１上の１部分に欠陥が生じても液晶表示パネル２中の
特定の画素だけに欠陥が投影されず、カラーフィルタと
しての機能を損なう事がなく結果として製造効率（収
率）を上げ価格を下げる事が可能となる。

【００１９】また、直視型の透過型カラー液晶表示装置
としては、本発明のホログラムカラーフィルタを用いる
事で、表示輝度を上昇させ、且つ低価格な表示装置を実
現することができる。

【００２０】また、投影型のカラー液晶プロジェクタ装
置としては、本発明のホログラムカラーフィルタを用い
る事で、表示輝度を上昇させ、且つ低価格なプロジェク
タ装置を実現することができる。。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、第１の発明に係るホログラ
ムカラーフィルタの実施の形態を図面を参照して詳述す
る。図１に示すように本発明のホログラムカラーフィル
タ１は、例えば、印加電圧に応じて出射光を変調する透
過型液晶表示パネル２と、平行光３を発する白色照明光
源部８との間に配置して、カラー液晶表示用のカラーフ
ィルタとして使用される。

【００２２】液晶表示パネル２は、一般的な構造のもの
からなり、印加電圧の有無に応じて入射光を変調し白、
黒の切り替え表示をするものからなる。

【００２３】図１は本発明のホログラムカラーフィルタ
１に照明光源部８より平行白色再生光３を入射させた場
合の再生像（回折光）の光路を概略的に示す説明図であ
り、ホログラムカラーフィルタ１に白色照明光３（バッ
クライト）が特定角度θで入射すると、ホログラムカラ
ーフィルタ１で透過回折される。

【００２４】前記ホログラムカラーフィルタ１で透過回
折した光は、そこから特定距離ａだけ離れた位置に液晶
表示パネル２の画素配列パターンと同じパターンの実像
を色ずれして再生する。この実像再生位置には液晶表示
パネル２があり、前記再生された実像は、液晶表示パネ
ルに形成されている液晶セルのそれぞれ赤色画素相当領
域４、緑色画素相当領域５、青色画素相当領域６（液晶
表示パネル２に形成されたブラックマトリクスの開口部
分に相当）に対応する領域にそれぞれ赤色光３Ｒ、緑色
光３Ｇ、青色光３Ｂの実像Ｉを結像する。

【００２５】この時、前記特定距離ａの位置に結像する
赤、緑、青（それぞれ領域４、領域５、領域６）の液晶
セルの配列パターンからなる実像Ｉの一例を図２に示
す。

【００２６】なお、同図は液晶セルパターンが赤色領域
４、緑色領域５、青色領域６の順序で各色領域が縦方向
に配列している場合についてであるが、本発明はセルパ
ターンがデルタ配列或いはそれ以外の配列の場合でも適
宜に変更が可能である。

【００２７】図３は、上記第１の発明のホログラムカラ
ーフィルタを用いた第２の発明のカラー液晶表示装置の
一例を概略的に示す断面説明図であり、ホログラムカラ
ーフィルタ１は、液晶表示パネル２の光源８側に配置さ
れており、両者の間の距離は液晶表示パネル２の液晶セ
ルの配列パターン（液晶表示パネルのブラックマトリク
スの開口部分に相当）の実像Ｉ（図２参照）が結像する
距離ａとなっている。

【００２８】光源８からの白色照明光３（バックライ
ト）がホログラムカラーフィルタ１に入射すると、図１
と同様に回折透過して分光現象が起こり、回折透過した
各赤色光３Ｒ、緑色光３Ｇ、青色光３Ｂ（回折光）は液
晶表示パネル２の位置に実像Ｉを結像する。

【００２９】このようにして、各赤色光３Ｒ、緑色光３
Ｇ、青色光３Ｂは、全て液晶表示パネル２のブラックマ
トリクスに遮蔽されることなく液晶表示パネル２を通過
し、且つホログラムカラーフィルタ１の同一位置から回
折した色（波長）の異なる光は、それぞれ対応する色に
相当する全ての各赤色相当領域４、緑色相当領域５、青
色相当領域６の液晶セルを通過する。このため光量の損
失がなく、明るく高コントラストな表示を観察すること
が可能となる。

【００３０】このように、第２の発明の透過型カラー液
晶表示装置は、上記液晶表示パネル２（各単位カラー画
素部７に赤色、緑色、青色の三色によるカラーフィルタ
を備えていてもいなくてもいずれでもよい）の各画素毎
の液晶セルに備えた液晶シャッタ駆動機構による遮光動
作のオン・オフと、そのパネル２の前面に密着して赤
色、緑色、青色の各画素毎に設けた集光性マイクロレン
ズシート（例えばマイクロフレネルレンズシート若しく
はマイクロ凸レンズシート）又は光拡散板など投影スク
リーン（図示せず）と、そのパネル２の１単位のカラー
画素部７を構成する各赤色画素部４、緑色画素部５、青
色画素部６に相当する領域に向かって集光するように出
射した前記各赤色光３Ｒ、緑色光３Ｇ、青色光３Ｂとに
よる所定画像光を出射してカラー画像を表示することが
できる。

【００３１】図４は、ホログラムカラーフィルタを用い
た第３の発明のカラー液晶プロジェクタ装置の一例を概
略的に示す断面説明図であり、ホログラムカラーフィル
タ１は、液晶表示パネル２の光源８側に配置されてお
り、両者の間の距離は液晶表示パネル２の液晶セル配列
パターン（液晶表示パネル２のブラックマトリクスの開
口部分に相当）の実像Ｉが結像する距離ａとなってい
る。

【００３２】白色照明光３（バックライト）がホログラ
ムカラーフィルタ１に入射すると、図１と同様に回折透
過分光現象が起こり、液晶表示パネル２の位置に、各色
光３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ（回折光）による上記実像Ｉを結像
する。

【００３３】このようにして、各色光３Ｒ、３Ｇ、３Ｂ
は全て液晶表示パネル２のブラックマトリクスに遮蔽さ
れることなく液晶表示パネル２を通過し、且つホログラ
ムカラーフィルタ１の同一位置から回折した色（波長）
の異なる光は、それぞれ対応する全ての色相当領域４、
５、６の液晶セルを通過する。このため光量の損失がな
く、明るく高コントラストな表示を可能とする。

【００３４】液晶表示パネル２を通過した光は、その
後、拡大投影光学レンズ系１０を介して所定の映写スク
リーン（透過型若しくは反射型スクリーン）面に拡大投
影される。

【００３５】以下に第１の発明のホログラムカラーフィ
ルタ、及び第２、第３の発明に使用されるホログラムカ
ラーフィルタの作製について説明する。

【００３６】図５（ａ）〜（ｂ）に示すように、遮光マ
スク１３により形成された規則的に配列する多数の透光
部１４（拡散照明点）を備えた拡散板１１と、該拡散板
１１に対して所定の距離ａを置いて平行に配置した感光
材料１２とを用意して、拡散板１１側から所定波長のレ
ーザー光１６（照明光）を拡散板１１に対して垂直方向
に照明して、感光材料１２面に透光部１４から発散する
レーザー拡散光（物体光）１６ａを照射する。このとき
規則的に配列された透光部１４のそれぞれの離間間隔は
使用する液晶表示パネル２の赤色画素部４、緑色画素部
５、青色画素部６の３画素分離れた距離である。つまり
各色画素部が１５μｍ毎離れているとすると透光部１４
の離間間隔は４５μｍである。

【００３７】他方、それと同時に感光材料１２には前記
レーザー光１６と同一のレーザー光を用いて平行な参照
光１５を照射して、感光材料１２面にレーザー拡散光
（物体光）１６ａと参照光１５との干渉縞を露光形成
し、その後、感光材料１２を現像処理することによりホ
ログラムカラーフィルタ１が作製される。

【００３８】この場合、レーザー照射装置１７の光源に
はヘリウムネオンレーザ（６３２．８ｎｍ）やアルゴン
イオンレーザ（５１４．５ｎｍ、４８８ｎｍ、４５７．
９ｎｍ）を用いることが出来る。

【００３９】ホログラム形成用の被写体である拡散板１
１としては、例えばすりガラスを用い、感光材料１２と
しては、例えばアグファゲバルト社製のホログラム用銀
塩感光材料を用いる事ができる。

【００４０】拡散板１１及び感光材料１２の大きさは、
使用する液晶表示装置の液晶表示パネルサイズと同程度
（例えば対角３インチサイズ）とし、現像には例えばＣ
ＷＣ２現像液を用い、漂白には、例えばＰＢＱ２漂白液
を用いて現像、漂白、水洗、乾燥を行なう。

【００４１】この場合、拡散板１１と感光材料１２との
距離ｃ及びレーザー光の波長及び参照光１５の照射角度
は、最終的に第２の発明の透過型カラー液晶表示装置又
は第３の発明のカラー液晶プロジェクタにおける照明光
入射角度θ及び液晶表示パネル２とその背面側に配置さ
れるホログラムカラーフィルタ１との離間距離ａ（図１
参照）と同じにする。

【００４２】例えば拡散板１１と感光材料１２との距離
ｃは０．００１ｍｍ〜１００ｍｍの間で使用する液晶表
示装置或いは液晶プロジェクタ装置に合わせて適宜設定
し、使用するレーザー光は波長５１４．５ｎｍのアルゴ
ンイオンレーザーを用い、参照光１５の照射角度を感光
材料１２の法線に対して１０〜８５°程度に設定するも
のである。

【００４３】

【実施例】以下、第１の発明のホログラムカラーフィル
タの作製手順に係る具体的実施例を説明する。

【００４４】＜実施例１＞ホログラムカラーフィルタ
は、通常の２光束ホログラム撮影光学系により撮影記録
することにより作製できる。感光材料としては、重クロ
ム酸ゼラチンや銀塩感光材料、フォトポリマーなどが使
用でき、本実施例ではＡＧＦＡ社製ホログラム用銀塩感
光材料８Ｅ５６フィルムを用いた。

【００４５】撮影工程は、図６に示す第１ステップ、図
７に示す第２ステップのような光学系を用いた２ステッ
プの撮影工程である。これは図５に示す光学系では、距
離ａを小さくすると参照光１５の入射角度に制限をうけ
てしまうため、光学系の自由度を確保するために２ステ
ップの撮影工程としている。

【００４６】レーザー光源は、波長が５１４．５ｎｍの
アルゴンイオンレーザー１７を、何れのステップにおい
ても使用している。

【００４７】＜第１ステップ…図６参照＞第１ステップ
として、液晶表示パネル２の３画素分の距離離して配列
された開口１４を持つマスク板１３を拡散板１１（擦り
ガラス）と密着させ、この開口から発する拡散光を物体
光とするフレネルホログラムを撮影記録する。開口１４
の離間間隔は発明の実施の形態で1例として挙げた４５
μｍとし各開口の大きさは５μｍの矩形開口とした。

【００４８】この時、拡散板１１と感光材料１２との間
の距離ｂは３００ｍｍとし、参照光１５の感光材料１２
への入射角度を４５度とした。

【００４９】＜第２ステップ…図８参照＞第２ステップ
で、第１ステップで撮影記録したフレネルホログラム１
２（マスターホログラム）を第１ステップの参照光入射
角度とは共役な方向（−４５度）から照明し、マスク板
１３の実像を再生し（再生光１５ａ）、これと参照光１
６との干渉縞を感光材料３０に撮影記録する。

【００５０】この際、再生光１５ａで実像再生される像
距離は、第１ステップでの感光材料１２と拡散板１１と
の離間距離ｂである３００ｍｍ離れた位置に再生され
る。

【００５１】感光材料３０はマスターホログラム１２か
ら３１０ｍｍ離れた位置に設置している。つまりマスク
板１３の実像再生位置から１０ｍｍ離れた位置であり、
この１０ｍｍが図１におけホログラムカラーフィルタと
して再生する際の、特定距離ａに相当する。

【００５２】こうして作製されたホログラムは、マスク
の開口に応じたセル（アレイ）状に領域分割はされてお
らず、感光材料３０全面にわたる干渉縞から構成され
る。

【００５３】そのホログラムをカラーフィルタとして再
生すると、ホログラムからａ（１０ｍｍ）離れた位置
に、赤・緑・青の各色の液晶セルに相当する実像を結像
することになる。

【００５４】第１・第２ステップ共に、ホログラムの撮
影記録後、感光材料はＣＷＣ２現像液で現像し、ＰＢＱ
２漂白液で漂白を行い、水洗乾燥してホログラムを得
た。

【００５５】なお、距離ａ、ｂや、用いる感光材料、あ
るいは液晶表示パネル（パターンの形状や大きさ）など
において、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、適用する液晶表示装置やその観察距離、あるいは液
晶プロジェクタやその投影レンズの仕様値に合致させれ
ば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能
であることは言うまでもない。

【００５６】

【発明の効果】本発明によれば、次のような顕著な効果
を奏する。本発明の第１の発明のホログラムカラーフィ
ルタは、使用される液晶表示パネルの画素配列に対応し
た領域に分割されることなく、ホログラムカラーフィル
タ全面にわたって均一な干渉縞から成っているため、製
造工程中にホログラムカラーフィルタ上に欠陥が生じて
もカラーフィルタとしての機能を損なう事がほとんどな
く、結果として製造効率（収率）を上げて安価なカラー
フィルタを提供する事が可能となる。

【００５７】第１の発明のホログラムカラーフィルタを
用いた第２の発明の透過型カラー液晶表示装置及び第３
の発明のカラー液晶プロジェクタ装置は、前記安価なカ
ラーフィルタを用いているため安価であると同時に、入
射した平行白色照明光に含まれる各波長域の光が回折透
過して、正透過方向と異なるその波長に対応した規則的
な方向にそれぞれ赤色光、緑色光、青色光の三色光に分
光して、それぞれ赤色光、緑色光、青色光は、液晶表示
パネル（カラーフィルタ付き画素若しくはカラーフィル
タ無し画素の液晶表示パネル）の全ての当該色画素相当
領域に向かって入射するために明るいカラー表示画像を
観察することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明のホログラムカラーフィルタ、及び
第２の発明の透過型カラー液晶表示装置の概要側面図。

【図２】第１の発明のホログラムカラーフィルタの背面
側より平行白色照明光を照射した際に液晶表示パネル２
に形成されている液晶セルの配列パターンに対応する領
域に結像した赤、緑、青の各色光による実像Ｉの正面
図。

【図３】第１の発明のホログラムカラーフィルタを用い
た第２の発明の透過型カラー液晶表示装置の概要側面
図。

【図４】第１の発明のホログラムカラーフィルタを用い
た第３の発明のカラー液晶プロジェクタ装置の概要側面
図。

【図５】（ａ）〜（ｂ）は図１に示した第１の発明のホ
ログラムカラーフィルタの作製ツールを説明する概要側
面図。

【図６】図１に示した第１の発明のホログラムカラーフ
ィルタを作製する光学系の一例を示す構成図。

【図７】図１に示した第１の発明のホログラムカラーフ
ィルタを作製する光学系の他の例を示す構成図。

【図８】従来のホログラムカラーフィルタ、及びそれを
用いた透過型カラー液晶表示装置の概要側面図。

【符号の説明】

１…ホログラムカラーフィルタ ２…液晶表示パネル
３…平行白色照明光 ３Ｒ…回折分光透過した赤色光 ３Ｇ…回折分光透過し
た緑色光 ３Ｂ…回折分光透過した青色光 ４…赤色画素相当領域
５…緑色画素相当領域 ６…青色画素相当領域 ７…単位カラー表示画素部 ８
…白色照明光源部 ９…色光の集光する特定面積領域 １０…拡大投影用の光学レンズ系 １１…拡散板 １２
…感光材料 １３…遮光マスク １４…透光部 １５…レーザー参照
光 １６…レーザー照明光 １７…レーザー照射装置 １８
…マスク ２１…ハーフミラー ２２…反射鏡 ２３…空間フィル
タ ２４…凹面鏡 ２５、２６、２７…反射鏡 ２８…空間フィルタ ２９
…コリメートレンズ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホログラムを用いたカラーフィルタにおい
   て、 前記ホログラムが、照射される平行白色照明光により、
   ホログラムより特定距離ａだけ離れた液晶表示パネル２
   に対して液晶セルの配列に応じたパターンの実像を赤、
   緑、青の画素相当領域分だけ色ずれして再生結像するホ
   ログラムカラーフィルタであり、該ホログラムカラーフ
   ィルタが領域分割されていない全面にわたる干渉縞から
   構成されていることを特徴とするホログラムカラーフィ
   ルタ。
2. 【請求項２】印加電圧に応じて出射光を変調する透過型
   液晶表示パネル２とその背面に配置された白色照明光源
   ８との間に請求項１記載のホログラムカラーフィルタが
   配置されていることを特徴とする透過型カラー液晶表示
   装置。
3. 【請求項３】液晶表示パネル２の白色光入射側に距離ａ
   だけ離して請求項１記載のホログラムカラーフィルタが
   配置され、該液晶表示パネル２を通過した前記ホログラ
   ムカラーフィルタからの出射光が拡大投影用の光学レン
   ズ系によりスクリーン上に拡大投影されることを特徴と
   するカラー液晶プロジェクタ装置。