JPH11305034A - 光選択フィルタおよびこれを備えた光源装置 - Google Patents

光選択フィルタおよびこれを備えた光源装置

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JPH11305034A
JPH11305034A JP11178398A JP11178398A JPH11305034A JP H11305034 A JPH11305034 A JP H11305034A JP 11178398 A JP11178398 A JP 11178398A JP 11178398 A JP11178398 A JP 11178398A JP H11305034 A JPH11305034 A JP H11305034A
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JP
Japan
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light
heat
film
heat ray
function
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Application number
JP11178398A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyawaki
浩 宮脇
Masayuki Tamai
雅之 玉井
Toru Tanihata
透 谷端
Kazuya Tsukamoto
和也 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱線を除去する機能を有し、かつ、熱の蓄積
による破損や、組立時や搬送時の衝撃による破損が生じ
にくい光選択フィルタおよびこれを備えた光源装置を提
供する。 【解決手段】 放熱機能を有するヒートシンク11の一
方の面に、可視光線を反射させ、赤外線を透過させる機
能を有する熱線反射膜12を蒸着させた構成のコールド
ミラー6を、光源からの光の光路中に配置する。そし
て、熱線透過膜12で反射された光を照明光として用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真フィル
ムのスキャニングを行う場合や、感光材料に対して焼き
付けを行う場合などに用いられる光源からの光線を、波
長別に透過、吸収、あるいは反射させる光選択フィルタ
およびこれを備えた光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真フィルムのスキャニング、あ
るいは写真印画紙などの感光材料に対して焼き付けを行
う際に用いられる光源として、ハロゲンランプが広く用
いられている。ハロゲンランプは、発光時に、焼き付け
あるいはスキャニングに必要な可視光線とともに、焼き
付けあるいはスキャニングには不要な赤外線をも放射し
ている。この赤外線は、光路中の種々の光学部品、ネガ
フィルム、および、写真印画紙などの感光材料などの温
度上昇を引き起こす原因となっている。
【0003】この赤外線による上記の各光学部品、ネガ
フィルム、および感光材料などの温度上昇を防ぐため
に、ハロゲンランプと、ハロゲンランプからの光が照射
されるネガフィルムとの間に、赤外線を透過し、可視光
線を反射する機能を有するコールドミラーを配置する構
成が従来用いられている。
【0004】図3は、従来のコールドミラー21および
その近傍の概略構成を示す断面図である。コールドミラ
ー21は、ガラス板22と、ガラス板22の表面に蒸着
された熱線透過膜23とから構成されており、接着剤2
5を介してヒートシンク24に貼付けられている。
【0005】コールドミラー21は、その法線方向が、
図示しないハロゲンランプからの光の光軸方向に対して
およそ135°の角度をなすように配置されている。そ
して、コールドミラー21によって反射され、その光軸
の方向がおよそ90°曲げられた光の進行方向の延長上
に、図示しないネガフィルムおよび感光材料などが配置
されている。
【0006】ガラス板22は、その厚みが3〜4mm程
度となるように設計されており、その耐熱温度は、およ
そ250℃程度となっている。なお、発熱量の大きいハ
ロゲンランプを用いている場合は、耐熱温度がおよそ4
50℃程度の強化ガラスを使用することもある。
【0007】熱線透過膜23は、ガラス板22における
光の入射側の面に、真空蒸着、あるいはスパッタリング
などの方法により蒸着されている。この熱線透過膜23
は、赤外線を透過させ、可視光線を反射させる機能を有
している。これにより、熱線透過膜23の表面で反射さ
れた光は、赤外線成分の光が殆ど含まれていない光とな
るので、熱線透過膜23以降の光学部品、ネガフィル
ム、および感光材料などの温度上昇を抑えることができ
る。
【0008】ヒートシンク24は、熱容量を大きくする
ために、比較的体積の大きい金属材料から構成されてお
り、熱線透過膜23を透過した赤外線により蓄積された
熱を吸収・放出する機能を有している。また、放熱作用
を促進するために、ヒートシンク24における、コール
ドミラー21が貼付けられている面の反対側に、複数の
ひだ状の放熱フィン24a…が形成されている。
【0009】接着剤25は、コールドミラー21とヒー
トシンク24との接着面同士の間隙に、全面にわたって
充填されている。なお、この接着剤25を、コールドミ
ラー21とヒートシンク24との接着面同士の間隙の外
周部にのみ形成し、内部に空気層を設けた構成とする場
合もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の図3に示すよう
な構成において、ハロゲンランプから出射する光はかな
りの高熱となっており、この熱は、ヒートシンク24の
みならず、コールドミラー21にも蓄積されることにな
る。
【0011】コールドミラー21におけるガラス板22
は、上述したように、その厚みが3〜4mm程度となる
ように設計されている。これは、厚みをなるべく薄くす
ることで、材料コストを低く抑えるという目的により、
上記のような厚みに設定されている。
【0012】このように、コールドミラー21における
ガラス板22は、その厚みが比較的薄いものであるの
で、上記のようにコールドミラー21に熱が蓄積される
と、ガラス板22が割れてしまう恐れがある。
【0013】したがって、コールドミラー21に蓄積さ
れた熱は、なるべく効率良くヒートシンク24に伝達す
ることが好ましいが、上記の構成では、コールドミラー
21に蓄積された熱は、接着剤25あるいは空気層を介
してヒートシンク24に伝達されることになる。このよ
うな接着剤25あるいは空気層は、その熱伝導の効率が
あまり良くないので、コールドミラー21からヒートシ
ンク24への熱伝達は、十分には行われない。
【0014】また、コールドミラー21は、上記のよう
に、その厚みが比較的薄いものであるので、コールドミ
ラー21とヒートシンク24とを接着する際に、作業を
慎重に行わないと、ガラス板22を破損させてしまう恐
れもある。さらに、コールドミラー21を備えた装置を
搬送する際や使用中に、この装置に衝撃が加わった場
合、この衝撃によって、コールドミラー21におけるガ
ラス板が破損する恐れもある。
【0015】また、コールドミラー21は、上記のよう
に、接着剤25によってヒートシンク24に貼付けられ
ているので、製造むらにより、コールドミラー21の面
の方向とヒートシンク24の面の方向とがずれてしまう
こともありうる。この場合、コールドミラー21によっ
て反射された可視光線が、正常にネガフィルムおよび感
光材料に到達しなくなるという問題が生じる。
【0016】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、熱線を除去する機能を有
し、かつ、熱の蓄積による破損や、組立時や搬送時の衝
撃による破損が生じにくい光選択フィルタおよびこれを
備えた光源装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の光選択フィルタは、熱を発散させ
る機能を有する放熱手段と、赤外線を透過し、可視光線
を反射させる機能を有する熱線透過膜とを備え、上記熱
線透過膜は、上記放熱手段の面上に形成されていること
を特徴としている。
【0018】従来では、赤外線を透過し、可視光線を反
射する機能を有する手段として、厚みの薄いガラス板に
熱線透過膜を蒸着した熱線透過フィルタが一般的に用い
られていた。しかしながら、上記の構成によれば、熱を
発散させる機能を有する放熱手段に、熱線透過膜が形成
されているので、1つの光学部品に、熱線除去機能と放
熱機能との2つの機能を持たせることが可能となる。よ
って、従来、熱線除去機能を有する手段と放熱機能を有
する手段との2つの構成が必要であったのが、本発明に
よって1つの構成とすることができるので、装置の構成
の簡素化を図ることができる。
【0019】また、従来の熱線透過フィルタは、厚みの
薄いガラス板から構成されているので、組立時に、この
熱線透過フィルタを破損する恐れがあった。しかしなが
ら、上記の構成によれば、厚みの薄い熱線透過フィルタ
を不要とすることができるので、製造工程の簡略化なら
びに歩留りの向上を図ることができる。また、組立時に
限らず、光選択フィルタを備えた装置を搬送中や使用中
などに、該装置に不慮に加わった衝撃による、光選択フ
ィルタの破損の恐れも低減することができる。さらに、
従来の熱線透過フィルタは、例えば光源からの熱によ
り、ガラス板が破損するという問題が生じていたが、上
記の構成によれば、このような問題は解消される。よっ
て、製品の信頼性の向上を図ることができる。
【0020】また、従来の、厚みの薄いガラス板から構
成されている熱線透過フィルタは、蓄積された熱を放出
するために、接着剤を介して放熱手段に接続されていた
が、熱線透過膜の表面が傾いて放熱手段に取付けられて
しまうという問題が生じていた。しかしながら、上記の
構成によれば、熱線透過膜は、放熱手段の面上に直に形
成されているので、このような問題は解消される。よっ
て、適切な方向に可視光線を反射させることができる光
選択フィルタを提供することができる。さらに、熱線透
過膜を透過した赤外線は、例えばガラスや接着剤などの
構成を通ることなく、直接放熱手段に達するので、光選
択フィルタの冷却効率を高くすることができる。
【0021】請求項2記載の光選択フィルタは、請求項
1記載の構成において、上記放熱手段は、金属材料から
構成されていることを特徴としている。
【0022】上記の構成によれば、金属材料は、一般的
に比較的容易に熱容量を大きくすることができ、また熱
伝導率も高いので、放熱効果の高い放熱手段を提供する
ことができる。
【0023】また、金属材料は、剛性や靭性に優れてい
るので、装置の組立時、搬送時、あるいは使用時など
に、不慮に加わった衝撃による光選択フィルタの破損の
恐れを、さらに低減することができる。
【0024】また、放熱手段における、熱線透過膜が形
成される面には、熱線透過膜の表面を平滑にするため
に、鏡面加工を施す必要があるが、放熱手段が金属材料
から構成されていれば、この鏡面加工を容易に行うこと
ができる。
【0025】また、光選択フィルタは、放熱手段の金属
材料部分をネジ止めするなどの簡単な構成により、装置
内の所定の位置に、容易に固定することが可能となる。
よって、装置の構成および製造工程の簡素化を図ること
ができる。
【0026】請求項3記載の光選択フィルタは、金属材
料からなる部材の面上に、赤外線を透過し、可視光線を
反射させる機能を有する熱線透過膜を形成してなること
を特徴としている。
【0027】上記の構成によれば、熱線透過膜は、金属
材料からなる部材の面上に形成されているので、例え
ば、従来の技術で示したように、熱線透過膜をガラス板
に形成した構成と比較して、不慮に加わった衝撃による
光選択フィルタの破損の恐れを低減することができる。
【0028】また、熱線透過膜が形成される面には、熱
線透過膜の表面を平滑にするために、鏡面加工を施す必
要があるが、熱線透過膜が形成される部材が金属材料か
らなっているので、この鏡面加工を容易に行うことがで
きる。
【0029】また、光選択フィルタは、金属材料部分を
ネジ止めするなどの簡単な構成により、装置内の所定の
位置に、容易に固定することが可能となる。よって、装
置の構成および製造工程の簡素化を図ることができる。
【0030】請求項4記載の光源装置は、請求項1、
2、または3記載の光選択フィルタと、発光時に熱を放
出する光源とを備え、上記光源から出射した光のうち、
上記光選択フィルタにおける熱線透過膜の表面で反射し
た光を照明光として用いることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、光源から出射した光
は、熱線透過膜によって赤外線と可視光線に分離され、
この赤外線が除去された可視光線を、光源装置からの照
明光として提供することができる。これにより、照明対
象となる部材の、赤外線による温度上昇を引き起こすこ
とのない光源装置を提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1および図2に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0033】本実施形態に係る光源装置は、図2に示す
ように、ランプボックスとしての筐体1を有している。
この筐体1内には、光源としてのハロゲンランプ2、リ
フレクター3、調光ユニット4、コンデンサレンズ5、
および、コールドミラー(光選択フィルタ)6が設けら
れている。調光ユニット4、コンデンサレンズ5、およ
び、コールドミラー6は、ハロゲンランプ2と筐体1外
部の所定位置に搬送されるネガフィルム7とを結ぶ光軸
上に、ハロゲンランプ2からの光の出射方向に沿ってこ
の順で設けられている。
【0034】ハロゲンランプ2は、ネガフィルム7に光
を照射してネガフィルム7に記録された原画像を感光材
料としての印画紙に焼き付けるための光源であるが、そ
の他、ネガフィルム7のスキャニング(データ取り)に
も使用されるものである。
【0035】リフレクター3は、ハロゲンランプ2から
出射される光を反射して前方(調光ユニット4方向)へ
照射すると共に集光することができるように、ハロゲン
ランプ2の周囲に凹面形状で設けられている。調光ユニ
ット4は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シア
ン)の各色の調光フィルタ4aと、赤外線を反射させる
一方、可視光線を透過させる熱線反射フィルタ4bとを
備えている。コンデンサレンズ5は、集光機能を有する
光学部材であり、入射光を平行光に変えるものである。
【0036】また、コールドミラー6は、赤外線を透過
させる一方、可視光線のみをネガフィルム7方向に反射
させるものである。なお、このコールドミラー6の詳細
については、後述する。
【0037】筐体1には、コールドミラー6からネガフ
ィルム7への光の通過部となる開口部8が形成されてい
る。そして、この開口部8の内径よりも若干大きい形状
のホコリ進入防止ガラス9が、上記開口部8を塞ぐよう
に筐体1の内面に設けられている。
【0038】筐体1とネガフィルム7との間であって、
ハロゲンランプ2とネガフィルム7とを結ぶ光軸上に
は、ネガフィルム7における露光むらを低減するため
に、ハロゲンランプ2からの光を拡散させてネガフィル
ム7に照射するミラートンネル10が設けられている。
【0039】次に、上記光源装置における、ハロゲンラ
ンプ2から出射された光が辿る経路について説明する。
【0040】ハロゲンランプ2から立体角360°で出
射された光は、リフレクター3によって前方へ反射さ
れ、集光されて調光ユニット4に入射する。調光ユニッ
ト4では、熱線反射フィルタ4bによって赤外線の一部
が取り除かれる一方、可視光線が熱線反射フィルタ4b
を透過し、調光フィルタ4aによってY(イエロー)、
M(マゼンタ)、C(シアン)の色バランスが調整され
る。
【0041】調光ユニット4から出射された光は、コン
デンサレンズ5によって平行光となり、コールドミラー
6によってネガフィルム7方向に反射される。なお、コ
ールドミラー6に到達した赤外線の一部は、コールドミ
ラー6を透過し、光路から外れる。
【0042】コールドミラー6によって反射された光
は、ホコリ進入防止ガラス9、開口部8を順に透過して
ミラートンネル10に入射する。ミラートンネル10に
入射した光は、ミラートンネル10の内部で均一に拡散
され、光度むらのない光としてミラートンネル10を出
射し、その後、ネガフィルム7に照射される。その結
果、ネガフィルム7に対して一様な光が照射され、ネガ
面における露光むらが極力低減される。
【0043】次に、上記コールドミラー6の構成につい
て説明する。図1は、上記コールドミラー6の概略構成
を示す断面図である。コールドミラー6は、ヒートシン
ク(放熱手段)11の一方の面に熱線透過膜12が蒸着
された構成となっている。
【0044】また、コールドミラー6は、熱線透過膜1
2が蒸着されている面の法線方向が、ハロゲンランプ2
からの光の光軸方向に対しておよそ135°の角度をな
すように配置されている。そして、コールドミラー6に
よって反射され、その光軸の方向がおよそ90°曲げら
れた光の進行方向の延長上に、ネガフィルム7が配置さ
れている。
【0045】熱線透過膜12は、赤外線を透過させ、可
視光線を反射させる機能を有している。これにより、熱
線透過膜12の表面で反射された光は、赤外線成分の光
が殆ど含まれていない光となるので、熱線透過膜12以
降の、例えばホコリ進入防止ガラス9やミラートンネル
10などの光学部品や、ネガフィルム7などの温度上昇
を抑えることができる。
【0046】この熱線透過膜12のように、赤外線を透
過させ、可視光線を反射させることによって、赤外線を
除去する構成は、例えば上記の熱線反射フィルタ4bの
ような、赤外線を反射させ、可視光線を透過させる構成
よりも、赤外線を除去する効果は高くなっている。
【0047】なお、熱線透過膜12は、一般的には、温
度上昇によって、光の選択特性が変化し、反射あるいは
透過させる光の波長域がシフトする。一方で、温度上昇
による光の選択特性の変化がそれぞれ異なる、複数の熱
線透過膜を多層に重ねることによって、温度上昇による
光の選択特性の変化を低減した、ノンシフトコートの熱
線透過膜も提案されている。赤外線の除去機能を重視す
るならば、熱線透過膜12として、このようなノンシフ
トコートの熱線透過膜を用いることが好ましい。
【0048】ヒートシンク11は、熱容量を大きくする
ために、比較的体積の大きい金属材料から構成されてお
り、熱線透過膜12を透過した赤外線により蓄積された
熱を吸収・放出する機能を有している。また、放熱作用
を促進するために、ヒートシンク11における、熱線透
過膜12が蒸着されている面の反対側に、複数のひだ状
の放熱フィン11a…が形成されている。また、ヒート
シンク11における、熱線透過膜12が蒸着されている
面には、鏡面加工が施されている。これにより、熱線透
過膜12の反射面を鏡面とすることができる。
【0049】ヒートシンク11における、鏡面加工を施
した面に、熱線透過膜12を蒸着させる方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapo
r Deposition) 法、ディップ法などが挙げられる。一般
的に、蒸着と呼ばれる工程は真空蒸着法によって行われ
てきたが、昨今の技術の発達によって、スパッタリング
法による成膜も広く行われるようになってきている。こ
のスパッタリング法による成膜は、膜の粒子を高密度に
配列することができ、耐熱性、耐薬品性、および耐湿性
などに優れているという特徴を有している。
【0050】なお、上記ヒートシンク11は、本実施形
態では金属材料から構成されているが、これに限定され
るものではなく、例えば、ガラスやセラミックスなどの
材料を用いても構わない。
【0051】しかしながら、例えば、ヒートシンク11
の材料としてガラスを用いた場合、コールドミラー6を
所定の位置に取り付ける際に、例えば、バネ板などを介
して固定したり、ゴム材料などを介して固定するなどの
構成が必要となる。これは、このようなガラスからなる
部材を、例えば、ネジ止めなどによって所定の位置に固
定すると、外部からの衝撃を直接ガラス部材に伝えてし
まうからである。また、上記のようなガラスからなる部
材を固定する構成に、ガラスからなる部材を取り付ける
際の作業も煩雑なものとなる。
【0052】また、ヒートシンク11の材料としてセラ
ミックスを用いた場合、金属材料を用いた場合と比較し
て、材料コストが高くなる、鏡面加工が困難になる、な
どの問題が生じる。
【0053】また、金属材料は、一般的に比較的容易に
熱容量を大きくすることができ、また熱伝導率も高いの
で、ヒートシンク11を金属材料によって形成すれば、
放熱効果を比較的高くすることができる。さらに、金属
材料は、剛性や靭性に優れているので、コールドミラー
6が、装置の組立時、搬送時、あるいは使用時などに、
不慮に加わった衝撃による破損が生じにくくなる。
【0054】以上のように、本実施形態におけるコール
ドミラー6は、ヒートシンク11における光の入射面側
に熱線透過膜12が蒸着された構成となっている。した
がって、1つの光学部品に、熱線除去機能と放熱機能と
の2つの機能を持たせることが可能となる。よって、従
来、熱線除去機能を有するコールドミラー21と放熱機
能を有するヒートシンク24との2つの構成が必要であ
ったのが、本発明によって1つの構成とすることができ
るので、装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0055】また、従来のコールドミラー21は、厚み
の薄いガラス板から構成されているので、組立時に、こ
のコールドミラー21を破損する恐れがあった。しかし
ながら、本実施形態に係るコールドミラー6において、
厚みの薄いガラス板からなる構成を必要としないので、
製造工程の簡略化ならびに歩留りの向上を図ることがで
きる。また、組立時に限らず、コールドミラー6を備え
た装置を搬送中や使用中などに、該装置に不慮に加わっ
た衝撃によって、コールドミラー6が破損する恐れも低
減することができる。さらに、従来のコールドミラー2
1は、例えば光源からの熱により、ガラス板が破損する
という問題が生じていたが、上記の構成によれば、この
ような問題は解消される。よって、製品の信頼性の向上
を図ることができる。
【0056】また、従来の、厚みの薄いガラス板から構
成されているコールドミラー21は、蓄積された熱を放
出するために、接着剤を介してヒートシンク24に接続
されていたが、コールドミラー21の表面が傾いてヒー
トシンク24に取付けられてしまうという問題が生じて
いた。しかしながら、上記の構成によれば、熱線透過膜
12は、ヒートシンク11の面上に直に形成されている
ので、このような問題は解消される。よって、適切な方
向に可視光線を反射させることができるコールドミラー
21を提供することができる。さらに、熱線透過膜12
を透過した赤外線は、例えばガラスや接着剤などの構成
を通ることなく、直接ヒートシンク11に達するので、
コールドミラー6の冷却効率を高くすることができる。
【0057】なお、本実施形態においては、コールドミ
ラー6は、金属材料からなるヒートシンク11の面上
に、熱線透過膜12を蒸着した構成となっていたが、こ
のような構成に限定されるものではない。例えば、図示
しないが、金属板(金属材料からなる部材)の面上に熱
線透過膜を蒸着した構成とすることも可能である。この
ような構成によれば、例えば、従来のように、ガラス板
に熱線透過膜を形成した構成と比較して、衝撃や熱によ
る破損を生じにくくすることができる。また、このよう
な構成の場合、上記金属板に、さらに放熱手段としての
ヒートシンクを取り付ける構成とすれば、コールドミラ
ー6を効率良く冷却することができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る光
選択フィルタは、熱を発散させる機能を有する放熱手段
と、赤外線を透過し、可視光線を反射させる機能を有す
る熱線透過膜とを備え、上記熱線透過膜は、上記放熱手
段の面上に形成されている構成である。
【0059】これにより、1つの光学部品に、熱線除去
機能と放熱機能との2つの機能を持たせることが可能と
なり、装置の構成の簡素化を図ることができるという効
果を奏する。
【0060】また、破損の恐れのある、厚みの薄い熱線
透過フィルタを不要とすることができるので、製造工程
の簡略化ならびに歩留りの向上を図ることができるとい
う効果を奏する。また、同時に、製品の信頼性の向上を
図ることができるという効果を奏する。
【0061】また、熱線透過膜は、放熱手段の面上に直
に形成されているので、熱線透過膜の表面が傾いて放熱
手段に取付けられてしまうという問題は解消される。よ
って、適切な方向に可視光線を反射させることができる
光選択フィルタを提供することができるという効果を奏
する。さらに、熱線透過膜を透過した赤外線は、例えば
ガラスや接着剤などの構成を通ることなく、直接放熱手
段に達するので、光選択フィルタの冷却効率を高くする
ことができるという効果を奏する。
【0062】請求項2の発明に係る光選択フィルタは、
上記放熱手段は、金属材料から構成されている構成であ
る。
【0063】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、金属材料は、一般的に比較的容易に熱容量を大
きくすることができ、また熱伝導率も高いので、放熱効
果の高い放熱手段を提供することができるという効果を
奏する。
【0064】また、金属材料は、剛性や靭性に優れてい
るので、装置の組立時、搬送時、あるいは使用時など
に、不慮に加わった衝撃による光選択フィルタの破損の
恐れを、さらに低減することができるという効果を奏す
る。
【0065】また、放熱手段における、熱線透過膜が形
成される面には、熱線透過膜の表面を平滑にするため
に、鏡面加工を施す必要があるが、放熱手段が金属材料
から構成されているので、この鏡面加工を容易に行うこ
とができるという効果を奏する。
【0066】また、光選択フィルタは、放熱手段の金属
材料部分をネジ止めするなどの簡単な構成により、装置
内の所定の位置に、容易に固定することが可能となり、
装置の構成および製造工程の簡素化を図ることができる
という効果を奏する。
【0067】請求項3の発明に係る光選択フィルタは、
金属材料からなる部材の面上に、赤外線を透過し、可視
光線を反射させる機能を有する熱線透過膜を形成してな
る構成である。
【0068】これにより、不慮に加わった衝撃による光
選択フィルタの破損の恐れを低減することができるとい
う効果を奏する。
【0069】また、熱線透過膜が形成される面には、熱
線透過膜の表面を平滑にするために、鏡面加工を施す必
要があるが、熱線透過膜が形成される部材が金属材料か
らなっているので、この鏡面加工を容易に行うことがで
きるという効果を奏する。
【0070】また、光選択フィルタは、金属材料部分を
ネジ止めするなどの簡単な構成により、装置内の所定の
位置に、容易に固定することが可能となるので、装置の
構成および製造工程の簡素化を図ることができるという
効果を奏する。
【0071】請求項4の発明に係る光源装置は、請求項
1、2、または3記載の光選択フィルタと、発光時に熱
を放出する光源とを備え、上記光源から出射した光のう
ち、上記光選択フィルタにおける熱線透過膜の表面で反
射した光を照明光として用いる構成である。
【0072】これにより、赤外線が除去された可視光線
を、光源装置からの照明光として提供することができ、
照明対象となる部材の、赤外線による温度上昇を引き起
こすことのない光源装置を提供することができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るコールドミラーの
構成の概略を示す断面図である。
【図2】上記コールドミラーを備えた光源装置の概略構
成を示す模式図である。
【図3】従来のコールドミラーおよびヒートシンクの概
略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 筺体 2 ハロゲンランプ(光源) 3 リフレクター 4 調光ユニット 5 コンデンサレンズ 6 コールドミラー(光選択フィルタ) 7 ネガフィルム 11 ヒートシンク(放熱手段) 12 熱線透過膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 和也 和歌山県和歌山市梅原579−1 ノーリツ 鋼機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱を発散させる機能を有する放熱手段と、 赤外線を透過し、可視光線を反射させる機能を有する熱
    線透過膜とを備え、 上記熱線透過膜は、上記放熱手段の面上に形成されてい
    ることを特徴とする光選択フィルタ。
  2. 【請求項2】上記放熱手段は、金属材料から構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の光選択フィルタ。
  3. 【請求項3】金属材料からなる部材の面上に、赤外線を
    透過し、可視光線を反射させる機能を有する熱線透過膜
    を形成してなることを特徴とする光選択フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3記載の光選択フィ
    ルタと、 発光時に熱を放出する光源とを備え、 上記光源から出射した光のうち、上記光選択フィルタに
    おける熱線透過膜の表面で反射した光を照明光として用
    いることを特徴とする光源装置。
JP11178398A 1998-04-22 1998-04-22 光選択フィルタおよびこれを備えた光源装置 Withdrawn JPH11305034A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016371A (ja) * 2008-06-30 2010-01-21 Asml Netherlands Bv 光学エレメント、このような光学エレメントを備えたリソグラフィ装置、デバイス製造方法およびそれによって製造されたデバイス
JP2015087422A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社Jvcケンウッド 画像表示装置
WO2018062302A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 日立マクセル株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置
JP2020519926A (ja) * 2017-04-19 2020-07-02 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングContinental Automotive GmbH ヘッドアップディスプレイ

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