JPH11302613A - 意匠性粘着フィルム及びその製造方法 - Google Patents

意匠性粘着フィルム及びその製造方法

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JPH11302613A
JPH11302613A JP11674198A JP11674198A JPH11302613A JP H11302613 A JPH11302613 A JP H11302613A JP 11674198 A JP11674198 A JP 11674198A JP 11674198 A JP11674198 A JP 11674198A JP H11302613 A JPH11302613 A JP H11302613A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
pressure
film
magnetic
adhesive layer
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JP11674198A
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English (en)
Inventor
Makoto Kaga
眞 加賀
Masaya Kusumoto
雅也 楠本
Noriko Tsuruta
徳子 鶴田
Akiyuki Yoneda
彬幸 米田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の厚みを薄くすることができ、かつ簡易
な工程で効率良く生産することができる意匠性粘着フィ
ルム及びその製造方法を得る。 【解決手段】 磁力による作用で所定の模様となるよう
に配向させた磁性顔料3を含有する粘着剤層2がベース
フィルム4上に設けられていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性顔料を所定の
模様となるように配向させることによる意匠性を有する
粘着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗膜に文字やマークあるいは図柄などの
模様を形成する方法として、塗料中に粉末状の磁性材料
を混入し、これに磁石などを近づけることによって磁力
を作用させて磁性材料を配向させ、塗膜中に所望の模様
を形成する方法が知られている。特開昭63−1756
70号公報、特開平2−229875号公報及び特開平
5−329436号公報等には、このような方法が開示
されており、磁性材料を含有した流動性を有する塗膜
に、目的とする模様の大きさや形状に対応する磁石を作
用させ、塗膜内全体に均一に分散している粉末状磁性材
料のうち磁力の作用を受けた部分の磁性材料のみを配向
させ、これによって模様を形成し意匠性を付与させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような磁性材料の
配向により意匠性が付与された塗膜は、一般にベースフ
ィルム上に形成されている。このような意匠性フィルム
を特定の箇所に貼り付けて使用する場合、一般に、ベー
スフィルムの反対側の面に粘着剤層を形成し、この粘着
剤層を用いて貼り付けることが必要となる。さらに、意
匠性を高めるため、フィルム表面の光沢を得ようとする
場合には、磁性材料を含んだ塗膜の上にさらにクリヤコ
ート層を設ける必要が生じる。従って、フィルム全体と
しては、粘着剤層/ベースフィルム/磁性材料含有塗膜
/クリヤコート層の4層構造となり、フィルム全体の厚
みが著しく厚くなるという問題があった。このような厚
いフィルムを貼り付けると、被着面とフィルムの段差部
分に、塵や埃等が溜まりやすくなり、意匠性フィルムの
外観上好ましくない。また、例えば自動車の外板等に貼
り付ける場合には、ワックス塗布の際にこの段差部分に
ワックスが溜まり、外観を損ねるという不具合も生じ
た。
【0004】また、4層構造であるため、製造工程が複
雑となり、効率よく生産することができず、コストが高
くなるという問題もあった。本発明の目的は、全体の厚
みを薄くすることができ、かつ簡易な工程で効率よく生
産することができる意匠性粘着フィルム及びその製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の意匠性粘着フィ
ルムは、磁力による作用で所定の模様となるように配向
させた磁性顔料を含有する粘着剤層が、ベースフィルム
上に設けられていることを特徴としている。
【0006】本発明においては、必要に応じて、粘着剤
層の上に離型性シートが設けられてもよい。このような
離型性シートは、意匠性粘着フィルムを被着体に貼り付
ける際に剥離される。このような離型性シートが設けら
れない場合には、例えば、ベースフィルムの反対側の表
面に離型性処理を施し、この剥離性処理を施したベース
フィルム面の上に粘着剤層が重ねられるようにロール状
に巻取るなどして用いることができる。
【0007】本発明の製造方法は、上記本発明の意匠性
粘着フィルムを製造することができる方法である。第1
の製造方法は、離型性シートを用いて意匠性粘着フィル
ムを製造することができる方法であり、離型性シートの
離型面の上に、磁性顔料を分散させた液状粘着剤を塗布
し、該液状粘着剤中の磁性顔料に磁力を作用させて所望
の模様となるように磁性顔料を配向させた後乾燥して粘
着剤層を形成し、該粘着剤層の上にベースフィルムをラ
ミネートすることを特徴としている。
【0008】第2の製造方法は、離型性シートを用いず
に意匠性粘着フィルムを製造することができる方法であ
り、ベースフィルムの上に、磁性顔料を分散させた液状
粘着剤を塗布し、該液状粘着剤中の磁性顔料に磁力を作
用させて所定の模様となるように磁性顔料を配向させた
後乾燥して粘着剤層を形成することを特徴としている。
【0009】上記第1の製造方法及び第2の製造方法に
おいて、磁性顔料に対する磁力の作用は、例えば、離型
性シートまたはベースフィルムの液状粘着剤塗布面と反
対側の面に磁石を配置し、該磁石からの磁力を作用させ
ることにより行うことができる。
【0010】本発明によれば、粘着剤層中に磁性顔料を
分散させ、磁力による作用で該磁性顔料を所定の模様と
なるように配向させている。このため、従来のように磁
性顔料を含有する塗膜を設ける必要がなくなり、ベース
フィルムと粘着剤層の2層から意匠性粘着フィルムを構
成することができる。従って、従来に比べ、フィルム全
体の厚みを大幅に低減することができ、厚みの薄い意匠
性粘着フィルムとすることができる。また、粘着剤層と
ベースフィルムの2層から構成させることができるの
で、簡易な工程で効率良く生産することができる。
【0011】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。磁性顔料 本発明において用いる磁性顔料は、磁性を有し、磁力の
作用によって所定の模様となるように配向させることが
できる粒子であれば特に限定されるものではない。立体
感や深み感のある模様を形成することができる磁性顔料
としては、磁性を有する鱗片状または針状の顔料が挙げ
られる。このようなものとしては、鱗片状または針状の
金属粉末や、磁性体をコーティングした鱗片状または針
状粉末などが挙げられる。
【0012】鱗片状または針状の金属粉末としては、γ
−Fe23 、板状Fe34 、Co−FeOx 、Cr
2 、Fe4 H、Baフェライト、Co箔、Ni箔、C
o−Fe箔、Ni−Fe箔などが挙げられる。
【0013】磁性体をコーティングした鱗片状粉末とし
ては、Co、Ni、Cu−Ni、Au−Ni、Ni−C
o、Fe34 などの磁性体をコーティングした、マイ
カ、雲母、アルミフレーク粉などの金属フレーク粉末が
挙げられる。
【0014】本発明における磁性顔料の粒径としては、
5μm〜200μmが好ましく、さらに好ましくは15
μm〜50μmである。粒径が大きすぎると磁場の印加
により配向することが困難になり、また粒径が小さすぎ
ると鱗片状すなわち板状のものが得にくくなり、配向し
にくい傾向にある。また、アスペクト比としては3以上
のものが好ましく、さらに好ましくは5〜20のもので
ある。
【0015】本発明における磁性顔料は、上記のものに
限定されるものではなく、磁場の印加により配列し得る
磁性を有する顔料であれば如何なるものも使用すること
ができる。
【0016】磁性顔料の粘着剤層中への配合量として
は、粘着剤層の樹脂固形分100重量部に対し1〜60
重量部であることが好ましく、さらに好ましくは5〜4
0重量部である。磁性顔料の配合量が少ないと、意匠と
しての模様が形成されにくくなり、逆に配合量が多すぎ
ると、粘着剤層の粘着性が低下する傾向にある。しかし
ながら、本発明は上記の配合割合に限定されるものでは
なく、使用する磁性顔料に応じて適宜選択されるもので
ある。
【0017】粘着剤 粘着剤としては、一般的な粘着剤を用いることができ、
アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤などを使用する
ことができる。また、粘着剤のタイプとしては、溶剤型
粘着剤、エマルション型粘着剤、ホットメルト型粘着
剤、水溶性型粘着剤、液状硬化型粘着剤などを使用する
ことができるが、乾燥前の塗膜中で磁性顔料が配向し得
る程度の流動性を示すものが好ましく、このような観点
からは、溶剤型、エマルション型、水溶性型等の粘着剤
が好ましい。このような流動性を与える粘着剤の粘度と
しては、20℃おいて、例えば0.5〜3ポイズである
ことが好ましく、さらに好ましくは1〜2ポイズであ
る。流動性及び貯蔵安定性等の観点からは、アクリル系
粘着剤が特に好ましい。
【0018】また、粘着剤には、一般的に配合される粘
着付与剤が添加されていてもよい。このような粘着付与
剤としては、例えば、ロジン系、テルペン系、合成石油
樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などの一般
的な粘着付与剤を用いることができる。
【0019】また、本発明における粘着剤には、必要に
応じて、その他の添加剤が含まれていてもよい。例え
ば、その他の顔料、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤な
どが適宜含まれていてもよい。紫外線吸収剤としては、
例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、置換アクリロニ
トリル系またはこれらの混合系などが挙げられる。ま
た、酸化防止剤としては、燐化合物系、硫黄化合物系、
イミダゾール系、フェノール系、アミン系、キノン系、
チオプロピオン酸エステル系、有機ホスファイトエステ
ル系化合物またはこれらの混合系が挙げられる。
【0020】粘着剤の接着強度は、意匠性粘着フィルム
の用途により異なるが、粘着力(180℃引き剥がし試
験:JIS Z0237−8)で、200〜5000g
/25mm程度が好ましく、さらに好ましくは500〜
4500g/25mm、さらに好ましくは800〜40
00g/25mmである。
【0021】本発明において、粘着剤層は、上記粘着剤
を用いた液状粘着剤を塗布することにより形成すること
ができる。液状粘着剤の塗布方法は、特に限定されるも
のではないが、例えば、キスコーター、コンマダイレク
トコーター、ダイコーター、リバースコーター、ドクタ
ーコーター、スプレーコーター等により塗布することが
できる。
【0022】粘着剤層の膜厚は、特に限定されるもので
はないが、乾燥後の膜厚で10〜40μm程度が一般的
であり、さらには15〜30μm程度が一般的である。
粘着剤層の膜厚が薄すぎると、接着強度が低くなり容易
に剥がれ易くなる。また、逆に厚くなりすぎると、粘着
フィルムを剥離したときに粘着剤の凝集破壊が起こり、
被着面に粘着剤が残ってしまう等の問題を生じる場合が
ある。
【0023】磁性顔料の配向 本発明においては、上述のように液状粘着剤中に分散さ
れた磁性顔料に磁力を作用させて所定の模様となるよう
に配向させる。従って、このような磁力を作用させるた
めの磁場の印加は、液状粘着剤中の磁性顔料が配向し得
る程度に液状粘着剤が流動性を有する状態のときに行う
必要がある。磁性顔料が配向した後は、液状粘着剤を乾
燥させて非流動性の粘着剤層を形成し、磁性顔料の配向
状態を固定する。
【0024】磁場の印加は、永久磁石、電磁石などによ
り行うことができる。永久磁石としては、所望の模様パ
ターンに切断加工が可能なプラスチック磁石が好適であ
る。磁石の配置は、上述のように、離型性シートまたは
ベースフィルムの液状粘着剤塗布面と反対側の面に配置
し、磁石からの磁力を磁性顔料に作用させて配向させる
のが一般的であるが、必ずしもこれに限定されるもので
はなく、液状粘着剤塗布面側に磁石を配置して磁力を印
加させてもよい。また、両側に磁石を配置し両側から印
加してもよい。
【0025】ベースフィルム 本発明においてベースフィルムは、磁性顔料を含有する
粘着剤層を支持するフィルムである。従って、粘着剤層
と密着すればよく、特に限定されるものではない。粘着
剤層中の磁性顔料による意匠をベースフィルムを通して
観察する場合には、ベースフィルムの透明性が要求され
るので、透明な樹脂フィルムが一般的に用いられる。例
えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
や、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)
フィルムなどが用いられる。これらのベースフィルムの
粘着剤層が設けられる側の表面には、濡れ性改善などの
目的等で、コロナ放電処理や易接着処理等が施されてい
てもよい。
【0026】透明性が要求されるベースフィルムの場合
には、可視光透過率(波長360nm〜760nm)が
10〜100%であることが好ましく、さらに好ましく
は50〜100%、さらに好ましくは70〜100%で
ある。
【0027】本発明の意匠性粘着フィルムが、ガラス板
などの透明な被着体に貼り付けられ、この透明な被着体
側から観察される場合には、ベースフィルムは必ずしも
透明でなくともよい。また、このような場合、ベースフ
ィルムは粘着剤層中の磁性顔料による意匠の下地として
用いることができるので、着色剤等を含有させて、着色
することができる。
【0028】ベースフィルムの膜厚は、特に限定される
ものではないが、一般的には10〜50μm程度が好ま
しく、さらに好ましくは12〜38μm程度である。膜
厚が薄すぎると、傷つき易く、また破断し易くなるとと
もに、しわ等が生じ易くなる傾向にある。逆に、膜厚が
厚すぎると、貼り付けた後被着面との段差が大きくな
り、外観上好ましくない場合がある。
【0029】離型性シート 本発明の意匠性粘着フィルムにおいては、必要に応じ
て、粘着剤層の上に離型性シートが設けられる。このよ
うな離型性シートを設けることにより、粘着剤層を保護
することができ、粘着剤層にゴミや埃等が付着し粘着性
が低下するのを防止することができる。このような離型
性シートとしては、粘着剤保護用として一般に使用され
ているものを用いることができ特に限定されるものでは
ないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの各種合成樹
脂を用いた剥離シートや、シリコン系剥離剤を表面にコ
ートした剥離紙などを挙げることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をさ
らに詳細に説明する。図1は、本発明に従う意匠性粘着
フィルムの一実施例を示す断面図である。意匠性粘着フ
ィルム1は、ベースフィルム4上に粘着剤層2を設ける
ことにより構成されている。粘着剤層2中には、磁性顔
料3が含有されており、この磁性顔料3は所定の模様と
なるように配向している。磁性顔料3としては、例え
ば、磁性を有する鱗片状の光輝性顔料が用いられる。こ
のような光輝性顔料を所定の模様となるように配向させ
ることにより、独特の立体感及び深み感のある意匠を表
現することができる。
【0031】図2は、本発明に従う意匠性粘着フィルム
の他の実施例を示す断面図である。本実施例において
は、図1に示す実施例と同様の意匠性粘着フィルムの粘
着剤層2の上に離型性シート5が設けられている。この
ような離型性シートを設けることにより、粘着剤層2を
保護することができ、ゴミや埃等が付着するのを防止す
ることができる。図1に示す実施例の意匠性粘着フィル
ムの場合には、例えば、粘着フィルムをロール状に巻取
り保管及び搬送することができる。このような場合、一
般にベースフィルム4の粘着剤層2と接する表面に離型
性処理が施される。このような離型性処理は、粘着フィ
ルムにおいて公知の離型性処理を施すことができる。
【0032】図3は、図1及び図2に示す実施例の意匠
性粘着フィルムを被着体の表面に貼り付けた状態を示す
断面図である。図2に示す実施例の場合には、離型性シ
ート5を剥離した後貼り付ける。図3に示すように、被
着体6の被着面6aの上に、粘着剤層2が位置するよう
に重ね合わせ、意匠性粘着フィルム1を被着体6側に加
圧することにより貼り付けることができる。本実施例お
いては、ベースフィルム4としてPETフィルムなどの
透明なフィルムが用いられている。従って、粘着剤層2
中の磁性顔料3の配向による意匠は、ベースフィルム4
を通して観察することができる。
【0033】図4は、図1に示す実施例または図2に示
す実施例の意匠性粘着フィルム1を製造する工程の一例
を示す断面図である。離型性シート5の上に、磁性顔料
を分散させた液状粘着剤を塗布し、液状粘着剤が流動性
を有する状態において、離型性シート5の裏面側に磁石
7を配置し、この磁石7からの磁力を作用させて、磁性
顔料3を所定の模様となるように配向させる。この状態
で液状粘着剤を乾燥させ粘着剤層2を形成することによ
り、磁性顔料3の配向状態を粘着剤層2中で固定する。
【0034】次に、粘着剤層2の上にベースフィルムを
ラミネートして貼り合わせ、図2に示すような意匠性粘
着フィルム1とすることができる。図1に示すような、
離型性シートを有しない意匠性粘着フィルムとする場合
には、離型性シート5を剥離し、例えばロール状に巻取
る。
【0035】図5は、本発明に従う実施例の意匠性フィ
ルムを製造する工程の他の例を示す断面図である。図5
に示す製造工程では、離型性シート5の下にさらに支持
板8を設け、この支持板8の裏面側に磁石7を配置し
て、磁性顔料3を配向させている。支持板8としては、
強磁性を有しない金属板やプラスチック板等を用いるこ
とができ、例えば、アルミニウム板等を使用することが
できる。このような支持板8は、図4に示すように、離
型性シートの裏面に磁石7を配置したとき磁石7の存在
により離型性シートが撓むような場合に用いられる。
【0036】図6は、本実施例において粘着剤層中の磁
性顔料を配向させるための磁石の形状を示す平面図であ
る。図6に示す磁石7は、例えばプラスチック磁石板か
ら切り抜くことにより作製されている。このような磁石
7の上に、図4または図5に示すように磁性顔料を分散
させた液状粘着剤を配置し、液状粘着剤中の磁性顔料に
磁力を作用させる。
【0037】図7は、このような状態を示す平面図であ
る。磁石7からの磁力により、液状粘着剤層2中の磁性
顔料は、磁石7の存在する部分において磁力の印加を受
け、配向する。従って、磁石7の有する形状に対応して
磁性顔料が配向し、模様が形成される。
【0038】図8は、本発明に従う意匠性粘着フィルム
のさらに他の実施例を示す断面図である。図8に示す実
施例において、意匠性粘着フィルム11は、ベースフィ
ルム14及び粘着剤層12から構成されており、粘着剤
層12中には所定の模様となるように配向した磁性顔料
13が含有されている。図8は、この磁性顔料13を液
状粘着剤層12中で磁力を作用させて配向させるときの
状態を示している。本実施例の意匠性粘着フィルム11
は、ベースフィルム14の上に、磁性顔料13を含有し
た液状粘着剤14を塗布することにより形成される。本
実施例では、ベースフィルム14の裏面に磁石7を配置
し、この磁石7からの磁力を液状粘着剤層12中の磁性
顔料13に作用させて、磁性顔料13を所定の模様とな
るように配向させている。磁性顔料13を配向させた
後、液状粘着剤層12を乾燥して磁性顔料13の配向状
態を固定する。次に、必要に応じて、粘着剤層12の上
に離型性シートをラミネートする。
【0039】図9は、図8に示す意匠性粘着フィルム1
1をガラス板などの透明な被着体16の表面16aに貼
り付けた状態を示す断面図である。被着面16aの上に
粘着剤層12を配置し、意匠性粘着フィルム11を被着
体16側に加圧することにより意匠性粘着フィルム11
を被着体16に貼り付けることができる。被着体16は
透明であるので、被着体16を通して粘着剤層12中の
磁性顔料13による意匠を観察することができる。本実
施例の意匠性粘着フィルム11は、このように被着体側
から観察するものであるので、ベースフィルム14は透
明性を有する必要がない。従って、必要に応じて着色剤
等を含有させ着色することができる。このようなベース
フィルム14は、粘着剤層12中の磁性顔料13によっ
て表される模様の意匠上の下地とすることができるもの
である。
【0040】本実施例のような意匠性粘着フィルム11
は、例えば、ショウウインドウのガラス板や自動車のリ
ヤガラスなどのような透明な被着体に貼り付けて意匠を
表示することができるものである。
【0041】
【実施例】実施例1 〔磁性顔料を分散した液状粘着剤の調製〕感圧粘着剤
(三洋化成工業社製、商品名「ポリシック610S
A」、固形分37重量%)100重量部に、Niをコー
トしたマイカ粉(日本クリヤテック社製、商品名「Ni
コートマイカブライト50−20」)10重量部と、メ
チルエチルケトン15重量部及びトルエン15重量部を
加え、10分間攪拌した後、100メッシュでろ過し、
磁性顔料を含有した液状粘着剤を得た。
【0042】〔意匠性粘着フィルムの作製〕上下方向に
SNが分極されたタイプのプラスチック磁石を図6に示
すA文字形状に切り抜き、この磁石板を0.6mmの厚
みのアルミ板の裏面にテープで固定した。アルミ板の表
面に、離型性シートとしてPETフィルム(商品名「東
洋紡エステルフィルムE7000」、厚み25μm)を
敷き、この上に得られた上記の液状粘着剤を乾燥膜厚が
30μmとなるように、バーコーター#70で塗布し、
室温で5分乾燥した後、さらに100℃で20分間乾燥
した。
【0043】乾燥後磁石を固定したアルミ板を取り外
し、粘着剤層の面の上に、片面をコロナ処理したPET
フィルム(商品名「東洋紡エステルフィルムE510
0」、厚み25μm、片面コロナ処理品)のコロナ処理
面が重なるように載せ、ローラーで加圧してラミネート
し、意匠性粘着フィルムを得た。
【0044】〔被着体の作製〕市販の燐酸亜鉛処理鋼板
を用意し、この上に、上塗り塗料を塗布した。上塗り塗
料としては、日本ペイント社製の商品名「naxスペリ
オ411チンチングブラック」と商品名「naxスペリ
オハードナー(標準型)」を10:1の比率で混合し、
これを商品名「naxスペリオスタンダードシンナー」
で希釈し、粘度が1ポイズ/20℃となるように調製し
たものを用いた。この上塗り塗料を乾燥膜厚30μmと
なるようにスプレー塗装し、室温で10分間放置した
後、さらに60℃で20分間乾燥し、さらに室温で1週
間放置して被着体とした。
【0045】〔意匠性の評価〕実施例1で得られた意匠
性粘着フィルムの離型性シートを剥がし、上記の被着体
の塗膜の上に載せローラーで加圧し貼り付けた。意匠性
については、3m離れた所から目視にて評価した。ま
た、接着性については、JIS K6854に準拠し
て、180度剥離試験により接着力を測定した。評価結
果を表1に示す。
【0046】実施例2及び実施例3(磁性顔料の含有
量) 実施例1における液状粘着剤中の磁性顔料の含有量を5
重量部及び20重量部と変化させる以外は、上記実施例
1と同様にして液状粘着剤を調製し、これを用いて意匠
性粘着フィルムを作製し、同様に評価した。評価結果を
表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜3の意匠性粘着フィルムは、ベースフィ
ルム上に粘着剤層を設けた簡易な構造であるが、磁性顔
料による優れた意匠性を発揮することができるものであ
ることが確認された。また粘着フィルムとして十分な接
着力を有していることが確認された。
【0049】実施例4及び実施例5(粘着剤層の膜厚) 実施例1と同様の液状粘着剤を用い、液状粘着剤の塗布
量を変化させて、粘着剤層の乾燥後の膜厚を10μm及
び40μmに変化させた。得られた意匠性粘着フィルム
を、実施例1と同様に被着体の上に貼り付け、上記と同
様にして接着力を測定すると共に、接着力測定後の粘着
剤層の破壊状態を観察した。
【0050】また、市販の自動車用ワックスをフィルム
を貼り付けた被着体の上に塗り、布で拭き取った後乾燥
し、フィルムと被着体の段差部に残ったワックスを3m
離れた所から目視で評価した。以上の評価結果を表2に
示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2に結果から明らかなように、粘着剤層
の乾燥後の膜厚を10μm〜40μmに変化させても、
粘着剤層における破壊は、粘着剤層と塗膜の界面部分で
生じており、いわゆる糊残りを生じないことが確認され
た。また、ワックス除去性についても、従来の100μ
mを超える厚みのフィルムに比べると、段差部に残るワ
ックスがほとんど目立たないことが確認された。
【0053】実施例6〜8(光安定剤及び紫外線吸収剤
の添加) 実施例1の液状粘着剤中に、表3に示すように各樹脂固
形分に対し光安定剤及び紫外線吸収剤を添加し、これら
の添加効果を評価した。光安定剤としては、商品名「サ
ノールLS−765」(三共社製)を用い、紫外線吸収
剤としては商品名「チヌビン900」(チバガイギー社
製)を用いた。
【0054】耐候性試験は、サイシャインウエザオーメ
ーターを用い、1000時間後、粘着剤層の変色を目視
により評価した。評価結果を表3に示す。なお、表3に
おける%を重量%を示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3の結果から明らかなように、光安定剤
及び紫外線吸収剤を用いることにより、耐候性が向上す
ることがわかる。特に、光安定剤と紫外線吸収剤を併用
した実施例7において良好な結果が得られている。
【0057】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
によれば、意匠性粘着フィルムの全体の厚みを薄くする
ことができ、かつ簡易な工程で効率良く生産することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う意匠性粘着フィルムの一実施例を
示す断面図。
【図2】本発明に従う意匠性粘着フィルムの他の実施例
を示す断面図。
【図3】図1に示す実施例または図2に示す実施例の意
匠性粘着フィルムを被着体の上に貼り付けた状態を示す
断面図。
【図4】図1に示す実施例または図2に示す実施例を製
造する工程を示す断面図。
【図5】図1に示す実施例または図2に示す実施例を製
造する工程を示す断面図。
【図6】本発明の実施例において用いる磁石の形状を示
す平面図。
【図7】図6に示す磁石を粘着剤層の背面に配置した状
態を示す平面図。
【図8】本発明に従う意匠性粘着フィルムのさらに他の
実施例を示す断面図。
【図9】図8に示す実施例の意匠性粘着フィルムを透明
な被着体に貼り付けた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1…意匠性粘着フィルム 2…粘着剤層 3…磁性顔料 4…ベースフィルム 5…離型性シート 6…被着体 6a…被着体の被着面 7…磁石 8…支持板 11…意匠性粘着フィルム 12…粘着剤層 13…磁性顔料 14…黒色ベースフィルム 16…透明な被着体 16a…被着体の被着面
フロントページの続き (72)発明者 米田 彬幸 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁力による作用で所定の模様となるよう
    に配向させた磁性顔料を含有する粘着剤層が、ベースフ
    ィルム上に設けられていることを特徴とする意匠性粘着
    フィルム。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤層の上に離型性シートが設け
    られている請求項1に記載の意匠性粘着フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ベースフィルムが透明なフィルムで
    ある請求項1または2に記載の意匠性粘着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記磁性顔料が、磁性を有する鱗片状の
    光輝性顔料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    意匠性粘着フィルム。
  5. 【請求項5】 前記磁性顔料が、磁性体をコーティング
    したマイカ粉末または金属フレーク粉である請求項4に
    記載の意匠性粘着フィルム。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤から
    なる粘着剤層である請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の意匠性粘着フィルム。
  7. 【請求項7】 離型性シートの離型面の上に、磁性顔料
    を分散させた液状粘着剤を塗布し、該液状粘着剤中の前
    記磁性顔料に磁力を作用させて所定の模様となるように
    磁性顔料を配向させた後乾燥して粘着剤層を形成し、該
    粘着剤層の上にベースフィルムをラミネートすることを
    特徴とする意匠性粘着フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 ベースフィルムの上に、磁性顔料を分散
    させた液状粘着剤を塗布し、該液状粘着剤中の前記磁性
    顔料に磁力を作用させて所定の模様となるように磁性顔
    料を配向させた後乾燥して粘着剤層を形成することを特
    徴とする意匠性粘着フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記離型性シートまたは前記ベースフィ
    ルムの液状粘着剤塗布面と反対側の面に磁石を配置し、
    該磁石からの磁力を前記磁性顔料に作用させて配向させ
    ることを特徴とする請求項7または8に記載の意匠性粘
    着フィルムの製造方法。
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