JPH11302254A - 3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容される塩 - Google Patents

3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容される塩

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JPH11302254A
JPH11302254A JP13125498A JP13125498A JPH11302254A JP H11302254 A JPH11302254 A JP H11302254A JP 13125498 A JP13125498 A JP 13125498A JP 13125498 A JP13125498 A JP 13125498A JP H11302254 A JPH11302254 A JP H11302254A
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篤 佐藤
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宏司 寺川
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Tetsuji Asao
哲次 浅尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた血管内膜肥厚抑制作用を有し、例えば
経皮的冠状動脈形成術(PTCA)後の血管再狭窄の予
防・治療剤として有用な新規な3,3−ジピリジルアク
リル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を提
供する。 【解決手段】 一般式(1)で表わされる3,3−ジピ
リジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容さ
れる塩。 【化1】 [式中、R1は低級アルキル基等を示す。R2は水素原
子、低級アルキル基、アリール基を示す。また、基A
は、式(2)又は(3)を示す。] 【化2】 【化3】 【化4】 (R3は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を
示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な3,3−ジ
ピリジルアクリル酸アミド誘導体に関する。本発明は優
れた血管内膜肥厚抑制作用を示し、医薬品として有用な
化合物である。
【0002】
【従来の技術】狭心症、心筋梗塞等の病態発症は、それ
に先行して生ずる冠状動脈硬化症が大きな原因であるこ
とが知られている。動脈硬化によって生じる内腔の狭小
化や血管の弾性消失が、心筋組織への栄養及び酸素不足
をもたらし、上記病態を誘導する。血管内腔の狭小化
は、泡沫化マクロファージやコレステロールの内壁への
蓄積に加え、血管中膜平滑筋細胞の内膜への遊走、内膜
での増殖によって生じる細胞線維性内膜肥厚が、その大
きな原因であるといわれている。狭心症、心筋梗塞の治
療としては、抗血栓薬や血管拡張薬等が症状改善を主た
る目的として使用されているが、動脈硬化によって招来
される血管内腔の狭小化や弾性の消失を根本的に治療す
るには至っていないそのため、血管の狭小化をもたらし
ている内膜肥厚を防止或いは治療することの可能な医薬
品が切望されている。
【0003】近年、狭小化した血管を外科的に治療する
方法として、経皮的冠状動脈形成術(Percutaneous
Transluminal Coronary Angioplasty、以下PTC
Aという)が挙げられる。PTCAは、開胸手術をする
ことなく、大腿動脈等からバルーンカテーテルを遠隔的
に挿入してゆき、狭窄部でバルーンを膨らませ、物理的
に血管を拡張させる治療法であり、PTCA施行技術の
向上により施行直後の症状改善率は90%を越え、かつ
死亡例や心筋梗塞発作誘発等の副作用の発現も非常に少
なく、優れた治療法として評価されている。ところがP
TCA施行後同じ部位で血管が再狭窄を起こす症例が3
0〜40%程度あり、その場合再度PTCAを施行する
か血管バイパス術を行わざるを得ず、これが臨床上最大
の問題点となっている。PTCAを施行後再閉塞を起こ
し死亡した症例の部検結果では、PTCAにより血管腔
が拡大した部位は、内膜肥厚により再閉塞していること
が明らかにされている[British Heart Journal,
58,635〜643(1987)、Human Patholo
gy,20,477〜485(1989)等参照]。その
ため、PTCA後の再狭窄防止には、血管の内膜肥厚を
抑制することが有効であると考えられていた。
【0004】上述の疾病治療の可能性が予想される医薬
品について、前臨床及び臨床で有効性が検討されてきた
[American Heart Journal,122,171〜1
87(1991)]。対象となったのはヘパリン等の血
液抗凝固剤、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジ
ン、プロスタサイクリン及びその誘導体等の血小板凝集
抑制剤、トラピジル等のトロンボキサンA2阻害剤、ケタ
ンセリン等の細胞増殖抑制剤、ジルチアゼム、ニフェジ
ピン等のカルシウム拮抗剤、魚油、エイコサペンタエン
酸、ロバスタチン等の脂質低下剤、ステロイド剤等の抗
炎症剤等であるが、いずれの薬剤も実際に臨床で検討し
た結果では明らかな有用性は認められなかった。このよ
うに、血管内膜肥厚に対する有効な薬剤はないのが現状
であり、臨床で有用性の高い医薬品が強く望まれてい
る。本発明化合物である3,3−ジピリジルアクリル酸
アミド誘導体の類似化合物として、特開昭63−107
43号公報においては血小板凝集作用に基づく抗血栓剤
として有用なジフェニルエチレン誘導体が公知であり、
特開昭59−231058号公報においてはアテローム
性動脈硬化症として有用なジフェニルエチレン誘導体が
公知であるが、血管内膜肥厚抑制剤としては知られてい
なかった。また、欧州特許208999号公報において
もジフェニルエチレン誘導体が抗菌剤として開示されて
いるが、血管内膜肥厚抑制作用については記載されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は優れた
血管内膜肥厚抑制作用を有し、例えば経皮的冠状動脈形
成術(PTCA)後の血管再狭窄の予防・治療剤として
有用な新規な3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導
体又はその薬学的に許容される塩を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
表わされる3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導体
又はその薬学的に許容される塩に係る。
【0007】
【化5】
【0008】[式中、R1は低級アルキル基、置換基と
してアリール基及び/又は低級アルコキシカルボニル基
を有する低級アルキル基、アリール基、置換基として低
級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ
基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリールオキシ基又
はヘテロアリール基を有するアリール基、複素環基、置
換基として低級アルキル基又はアラルキル基を有する複
素環基、環状アルキル基を示す。R2は水素原子、低級
アルキル基、アリール基を示す。また、基Aは、式
(2)又は(3)を示す。]
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】 (R3は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を
示す。)
【0012】本発明によれば、一般式(1)で表される
3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導体が優れた血
管内膜肥厚抑制作用を有することを見出し、本発明を完
成した。
【0013】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)中、R1で示さ
れた低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、n−ヘキシル基等の直鎖状又は分枝
状の炭素数1〜6個のアルキル基が例示でき、好ましく
はメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル基であ
り、より好ましくはメチル、エチル、n−ブチル基であ
る。R1の置換基としてアリール基及び/又は低級アル
コキシカルボニル基を有する低級アルキル基のアリール
基としては、例えばフェニル、ナフチル、インダニル基
等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。低級アル
コキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、
i−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル基
等の炭素数2〜5である低級アルコキシカルボニル基が
挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル又はエトキシ
カルボニル基である。
【0014】R1の置換基としてアリール基及び/又は
低級アルコキシカルボニル基を有する低級アルキル基に
おいて、好ましいものはベンジル、フェネチル、メトキ
シカルボニルメチル、1−メトキシカルボニルエチル、
2−メトキシカルボニルエチル、1−エトキシカルボニ
ルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、1−メトキ
シカルボニル−2−フェニル−エチル、1−エトキシカ
ルボニル−2−フェニル−エチル基であり、特に好まし
くはベンジル基である。R1のアリール基、置換基とし
て低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シ
アノ基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリールオキシ
基又はヘテロアリール基を有するアリール基の、アリー
ル基としては上述のものが挙げられ、好ましくはフェニ
ル基又はインダニル基であり、より好ましくはフェニル
基である。アリール基上には1〜3個の置換基を置換で
きる。
【0015】置換基の低級アルコキシ基としては、例え
ばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキ
シ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキ
シ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状又は分枝状の炭素数
1〜6個のアルコキシ基が例示でき、好ましくはメトキ
シまたはエトキシ基である。低級アルコキシカルボニル
基としては、上述のものが挙げられ、好ましくは、メト
キシカルボニル又はエトキシカルボニル基である。ハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子が挙げられる。アラルキル基としては、例え
ばベンジル、フェネチル基等が挙げられ、好ましくはベ
ンジル基である。アリールオキシ基としては、例えばフ
ェノキシ、ナフチルオキシ基等が挙げられ、好ましくは
フェノキシ基である。ヘテロアリール基としては、例え
ばトリアゾリル、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリ
ル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、キノリル基等の窒素原子を1〜3個有し、酸素原子
又は硫黄原子を0〜1個有するヘテロアリール基が例示
でき、好ましくはトリアゾリル基である。
【0016】R1の複素環基、置換基として低級アルキ
ル基又はアラルキル基を有する複素環基の複素環基とし
ては、例えばピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、
チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサ
ゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベン
ゾチアゾリル、キノリル基等の窒素原子を1〜3個有
し、酸素又は硫黄原子を0〜1個有するヘテロアリール
基、ピロリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、
ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル基等の窒素
原子を1〜2個有する環状アミノ基が挙げられ、好まし
くはピリジル、チアゾリル、イソキサゾリル、ベンゾチ
アゾリル、キノリル又はピペリジニル基であり、より好
ましくはピリジル基である。置換基として低級アルキル
基又はアラルキル基を有してもよい複素環基の低級アル
キル基、アラルキル基としては上述のものが挙げられ、
好ましくはメチル基又はベンジル基である。
【0017】R1の環状アルキル基としては、例えばシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル基等の炭素数3〜6の環状アルキル基が例示で
き、好ましくはシクロヘキシル基である。R2の低級ア
ルキル基及びアリール基としては、上述のものが挙げら
れ、好ましくはメチル、エチル、フェニル基であり、よ
り好ましくはメチル、エチル基である。R3の低級アル
キル基又ハロゲン原子としては、上述のものが挙げら
れ、好ましくはメチル、エチル基、塩素原子であり、よ
り好ましくはメチル基である。。
【0018】一般式(1)で表される化合物において好
ましいものとしては、R1が低級アルキル基、置換基と
してフェニル基を有する低級アルキル基、フェニル基、
置換基として低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボ
ニル基、シアノ基、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニ
ルオキシ基又はトリアゾリル基を有するフェニル基、シ
クロヘキシル基、ピリジル、ベンゾチアゾリル、チアゾ
リル、イソキサゾリル、ピペリジニル又はキノリル基、
置換基として低級アルキル基又はベンジル基を有するピ
リジル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、イソキサゾリ
ル、ピペリジニル又はキノリル基であり、R2が水素原
子、低級アルキル基又はフェニル基であるか、基(A)
が式(3)である3,3−ジピリジルアクリル酸アミド
誘導体又はその薬学的に許容される塩である。更に好ま
しくは、R1がフェニル、ピリジル、又はシクロヘキシ
ル基であり、R2が水素原子又は低級アルキル基である
か、基(A)が式(3)(R3は低級アルキル基を示
す)である3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導体
又はその薬学的に許容される塩である。本発明の一般式
(1)で表わされる3,3−ジピリジルアクリル酸アミ
ド誘導体は、例えば下記のA法またはB法の反応工程式
に従い合成できる。
【0019】
【化9】 [式中、R1、R2は前記に同じ。X及びX'は、塩素原
子または臭素原子である。]
【0020】(工程i)一般式(4)で表わされる公知
のアミノ化合物と一般式(5)で表される公知のケト化
合物を適当な溶媒中、塩基の存在下に反応させることに
より、一般式(6)で表わされるアミド化合物を得る。
溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限
はなく、例えば酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホル
ム、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジオキ
サン等を例示できる。塩基としては、例えばトリエチル
アミン、ピリジン、アニリン等の有機塩基を例示でき
る。反応に際しては、一般式(4)の化合物1モルに対
し、化合物(5)を1〜3モル程度、塩基を1〜10モ
ル程度使用するのが好ましい。反応温度は0℃から室温
程度が好適であり、反応時間は通常0.5〜12時間程
度である。本工程で得られた一般式(6)で表されるア
ミド化合物は、単離又は単離されることなく次の工程に
利用することができる。
【0021】(工程ii)工程iで得られた一般式(6)
で表わされるアミド化合物を適当な溶媒中または無溶媒
で亜リン酸トリエチルと反応させることにより、一般式
(7)で表わされる化合物を得る。溶媒としては、反応
に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばトル
エン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を例示でき
る。反応に際しては、一般式(6)の化合物1モルに対
し、亜リン酸トリエチルを1〜5モル程度使用するのが
好ましい。反応温度は室温から200℃程度が好適であ
り、反応時間は1〜36時間程度で行うのが好ましい。
本工程で得られた一般式(7)で表される化合物は、単
離又は単離されることなく次の工程に利用することがで
きる。
【0022】(工程iii)工程iiで得られた一般式
(7)で表わされる化合物と一般式(8)で表わされる
公知化合物を適当な溶媒中、塩基の存在下に反応させる
ことにより、一般式(1)で表わされる本発明化合物を
得る。溶媒としては、反応に関与しないものであれば特
に制限はなく、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキ
サン、ジメトキシエタン等を例示できる。塩基として
は、例えば水素化ナトリウム、カリウム−t−ブトキシ
ド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を例示できる。反
応に際しては、一般式(8)の化合物1モルに対し、一
般式(7)の化合物を1〜3モル程度、塩基を1〜10
モル程度使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜10
0℃程度が好適であり、反応時間は0.5〜60時間程
度で行うのが好ましい。
【0023】
【化10】 [式中、R1、R2は前記に同じ。]
【0024】(工程iv)上述の一般式(7)で表される
化合物の代わりに公知化合物(9)を用い、一般式
(8)で表わされる公知化合物に上述の工程iiiと同様
の反応を行い、一般式(10)で表わされる化合物を得
る。本工程で得られた一般式(10)で表される化合物
は、単離又は単離されることなく次の工程に利用するこ
とができる。
【0025】(工程v)工程ivで得られた一般式(1
0)で表わされる化合物と一般式(4)で表わされる公
知のアミノ化合物を適当な溶媒中、必要ならば塩基の存
在下に反応させることにより、一般式(1)で表わされ
る本発明化合物を得る。溶媒としては、反応に関与しな
いものであれば特に制限はなく、例えばトルエン、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、ジオキサン、ジメトキシエタン、メタノー
ル、エタノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール
等を例示できる。塩基としては、例えば水素化ナトリウ
ム、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム等を例示できる。反応に際しては、一般式(1
0)の化合物1モルに対し、一般式(4)の化合物を1
〜5モル程度、塩基を1〜10モル程度使用するのが好
ましい。反応温度は0℃から200℃程度が好適であ
り、反応時間は0.5〜24時間程度で行うのが好まし
い。
【0026】上記反応工程式で得られる本発明化合物
(1)は通常の分離精製手段、例えば、再結晶、蒸留、
カラムクロマトグラフィ−等により容易に結晶又は油状
物として単離することができる。上記(1)で表わされ
る本発明化合物は、常法により酸と反応させて薬学的に
許容し得る塩とすることができる。酸としては、例えば
塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク
酸、マレイン酸等の有機酸を例示できる。また、本発明
化合物(1)においては、E−体及びZ−体の幾何異性
体又は置換基の立体配置による光学異性体が存在するこ
とがあるが、本発明はこれら異性体及びその混合物をも
含むものである。尚、ここで利用する一般式(4)で表
される化合物は、市販化合物および公知の方法で合成で
きる化合物であり、一般式(8)で表わされる化合物
は、例えばMonatshefte fur Chemie,119,14
27(1988)、Rec.Trav.Chim.Pays−Bas
Belg.,70,1054(1951)に記載の方法又
はそれに準じた方法で合成できる。
【0027】本発明化合物は適当な製剤用担体を用いて
通常の方法に従い、製剤組成物とすることができる。担
体としては、通常の薬剤に汎用される各種のもの、例え
ば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、
矯臭剤、界面活性剤等を使用することができる。本発明
化合物をヒトを含む哺乳動物の治療剤として使用する際
の投与単位形態は特に限定されず、治療目的に応じて適
宜選択でき、具体的には注射剤、坐剤、外用剤(軟膏
剤、貼付剤等)、エアゾール剤等の非経口剤、錠剤、被
覆錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、丸剤、懸濁
剤、乳剤等の経口剤が挙げられる。上記各種薬剤は、こ
の分野で通常知られた製剤方法により製剤化される。
【0028】錠剤、散剤、顆粒剤等の経口用固形製剤の
形態に成形するに際しては、担体として例えば乳糖、白
糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸
カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチ
ルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、ア
ラビアゴム等の賦形剤、単シロップ、ブドウ糖液、デン
プン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチ
ルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ハイドロキシプロピルセルロース、水、エタ
ノール、リン酸カリウム等の結合剤、乾燥デンプン、ア
ルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸
水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の
崩壊剤、白糖、ステアリン酸、カカオバター、水素添加
油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル
硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン
等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイ
ト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステア
リン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢
剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を
施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被
錠、フィルムコーティング錠、二重錠、多層錠等とする
ことができる。
【0029】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化
植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム
末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、
ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。カプ
セル剤は上記で例示した各種の担体と混合し、硬質ゼラ
チンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として例えばポ
リエチレングリコール、カカオ脂、ラノリン、高級アル
コール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合
成グリセライド、ウィテップゾール(登録商標ダイナマ
イトノーベル社)等に適当な吸収促進剤を添加して使用
できる。
【0030】注射剤の形態に成形するに際しては、担体
として例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、
プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等の希釈
剤、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナト
リウム等のpH調整剤及び緩衝剤、ピロ亜硫酸ナトリウ
ム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、チオ
乳酸等の安定化剤等が使用できる。尚、この場合等張性
の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖或いはグ
リセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常
の溶解補助剤、無痛化剤、局所麻酔剤等を添加してもよ
い。これらの担体を添加して、常法により皮下、筋肉
内、静脈内用注射剤を製造することができる。液体製剤
は水性又は油性の懸濁液、溶液、シロップ、エリキシル
剤であってもよく、これらは通常の添加剤を用いて常法
に従い、調製される。
【0031】軟膏剤、例えばペースト、クリーム及びゲ
ルの形態に調製する際には、通常使用される基剤、安定
剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法に
より混合、製剤化される。基剤として例えば白色ワセリ
ン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリ
エチレングリコール、シリコン、ベントナイト等を使用
できる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、
パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピ
ル等が使用できる。貼付剤を製造する場合には、通常の
支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法
により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化
学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シー
トが適当である。
【0032】上記製剤中に含有されるべき本発明化合物
の量は、剤型、投与経路、投与計画等により異なり一概
には言えず、広い範囲から適宜選択されるが、通常製剤
中に1〜70重量%程度とするのがよい。上記製剤の投
与方法は特に限定されず、製剤の形態、患者の年齢、性
別その他の条件、患者の症状の程度等に応じて、経腸投
与、経口投与、直腸投与、口腔内投与、経皮投与等の投
与方法が適宜決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸
濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与
され、坐剤の場合には直腸内投与される。注射剤の場合
には単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混
合して静脈内投与され、更に必要に応じて単独で動脈
内、筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。軟
膏剤は、皮膚、口腔内粘膜等に塗布される。本発明製剤
の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患
の状態、投与される本発明に係る化合物の種類、その他
の条件等に応じて適宜選択されるが、通常0.1〜30
0mg/kg/日程度、好ましくは0.5〜100mg/kg/
日程度の範囲となる量を目安とするのがよい。これら本
発明製剤は1日に1回又は2〜4回程度に分けて投与す
ることができる。
【0033】
【実施例】一般式(1)で表わされる本発明化合物につ
いて、実施例、試験例及び製剤例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。得られた化合物1〜26の物性値を表1〜10に
示す。表においてMeはメチル、Etはエチルを示す。
【0034】実施例1 N−フェニル−3,3−ジ(2−ピリジル)−アクリル
酸アミド(化合物1)の合成 <A法>アニリン 26.0gを塩化メチレン 500mlに
溶解させ、氷冷下で塩化ブロモアセチル 20.0gを滴
下し、滴下終了後30分間同温で攪拌した。反応終了
後、水を加えて析出した結晶をメタノ−ルで洗浄し、白
色結晶のN−フェニル−ブロモ酢酸アミド 22.1g
(収率79%)を得た。得られたN−フェニル−ブロモ
酢酸アミド 22.1gにトルエン 100ml、亜リン酸ト
リエチル 30mlを加え、110℃で7時間攪拌した。
トルエン、および過剰の亜リン酸トリエチルを減圧留去
し、無色透明の油状物質であるN−フェニル−ジエチル
ホスホノ酢酸アミド 30.1g(収率100%)を得
た。60%水素化ナトリウム 5.3gにジメトキシエタ
ン 50mlを加えて0℃とした後、得られたN−フェニ
ル−ジエチルホスホノ酢酸アミド 12.0g、ジ−2−
ピリジルケトン 8.2gをジメトキシエタン 50mlに溶
かした溶液を滴下し、滴下終了後30分間同温で攪拌し
た。その後5時間還流攪拌した。反応終了後冷却し、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル:n−ヘキサン=
2:1)で精製し白色結晶の標記化合物 9.6g(収率
72.0%)を得た。
【0035】<B法>60%水素化ナトリウム 6.5g
にジメトキシエタン 150mlを加えて0℃とした後、
ジエチルホスホノ酢酸エチル 36.5g、ジ−2−ピリ
ジルケトン 25gをジメトキシエタン 150mlに溶か
した溶液を滴下し、滴下終了後30分間同温で攪拌し
た。その後3時間還流攪拌した。反応終了後冷却し、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル:n−ヘキサン=
1:1)で精製し、橙色油状の3,3−ジ(2−ピリジ
ル)−アクリル酸エチル 37.4g(収率100%)を
得た。得られた3,3−ジ(2−ピリジル)−アクリル
酸エチル 5.0gをt−ブタノール 50mlに溶解させ、
アニリン 1.8g、カリウム−t−ブトキシド 2.4gを
加えた後、14時間還流攪拌した。反応終了後冷却し、
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル:n−ヘキサン=
2:1)で精製し白色結晶の標記化合物3.9g(収率6
5.8%)を得た。
【0036】実施例2 N−(3−ピリジル)−3,3−ジ(2−ピリジル)−
アクリル酸アミド(化合物2)の合成 実施例1のB法の反応工程中で得られた3,3−ジ(2
−ピリジル)−アクリル酸エチル 1.5gをt−ブタノ
ール 30mlに溶解させ、3−アミノピリジン0.56
g、カリウム−t−ブトキシド 1.06gを加えた後、一
晩還流攪拌した。反応終了後冷却し、水を加え酢酸エチ
ルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫
酸ナトリウムで乾燥し留去した。得られた粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メ
タノール=10:1)で精製し白色結晶の標記化合物
0.8g(収率45%)を得た。
【0037】実施例3 公知化合物を原料とし、実施例1のA法と同様にして、
化合物3〜8、10、11、14〜25を合成した。 実施例4 N−メチル−N−フェニル−3,3−ジ(2−ピリジ
ル)−アクリル酸アミド(化合物9)の合成(A法) N−メチル−アニリン 25.0gをテトラヒドロフラン
(THF)250mlに溶解させ、トリエチルアミン 3
9mlを加え、氷冷下で塩化クロロアセチル 22.3mlを
滴下し、滴下終了後60分間同温で攪拌した。反応終了
後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽
和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し酢酸エチル
を留去し、白色結晶のN−メチル−N−フェニル−クロ
ロ酢酸アミド 41.5g(収率98%)を得た。得られ
たN−メチル−N−フェニル−クロロ酢酸アミド 41.
5gに亜リン酸トリエチル 80mlを加え、110℃で2
4時間攪拌した。過剰の亜リン酸トリエチルを減圧留去
し、無色透明の油状物質であるN−メチル−N−フェニ
ル−ジエチルホスホノ酢酸アミド 72.3gを得た。得
られたN−メチル−N−フェニル−ジエチルホスホノ酢
酸アミド 8.52g、ジ−2−ピリジルケトン 8.2gを
THF 50mlに溶かして0℃とした後、カリウム−t
−ブトキシド 3.35gを加えた。その後室温として8
0分攪拌した。反応終了後冷却し、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び
飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル)で精製し薄茶色結晶の標記化合物
5.5g(収率52%)を得た。
【0038】実施例5 N−シクロヘキシル−3,3−ジ(2−ピリジル)−ア
クリル酸アミド(化合物12)の合成(A法) シクロヘキシルアミン 12.0gをTHF 150mlに溶
解させ、トリエチルアミン 20mlを加え、氷冷下で塩
化クロロアセチル 9.0mlを滴下し、滴下終了後室温と
して6時間攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチル
で抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸
ナトリウムで乾燥し留去し、薄茶色結晶のN−シクロヘ
キシル−クロロ酢酸アミド 6.7g(収率32%)を得
た。得られたN−シクロヘキシル−クロロ酢酸アミド
6.7gに亜リン酸トリエチル 33mlを加え、110℃
で5時間攪拌した。過剰の亜リン酸トリエチルを減圧留
去し、エーテル/n−ヘキサンの混合溶媒で結晶化させ
て、白色結晶のN−シクロヘキシル−ジエチルホスホノ
酢酸アミド 5.0g(収率47%)を得た。得られたN
−シクロヘキシル−ジエチルホスホノ酢酸アミド 5.0
gをジメトキシエタン 85mlに溶かして0℃とした後、
カリウム−t−ブトキシド 2.2g、ジ−2−ピリジル
ケトン 3.1gを加え、50℃とした後、3.5時間攪拌
した。反応終了後溶媒留去し、飽和塩化アンモニウム水
溶液を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和
食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し留去した。得
られた粗生成物をエーテルで結晶化し白色結晶の標記化
合物 4.7g(収率85%)を得た。
【0039】実施例6 N−{2−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−フェ
ニル}−3,3−ジ(2−ピリジル)−アクリル酸アミ
ド(化合物13)の合成(A法) 2−クロロニトロベンゼン 25.0gをジメチルホルム
アミド 100mlに溶解させ、1,2,4−トリアゾール
22.0g、炭酸カリウム 79.0gを加え、100℃で
10時間攪拌した。反応終了後、氷冷し、炭酸カリウム
をろ取した後ろ液を濃縮した。残渣に水 300mlを加
えて室温で一晩攪拌した。結晶をろ取し、黄色結晶の2
−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−ニトロベンゼ
ン 30.9g(収率100%)を得た。得られた2−
[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−ニトロベンゼン
20gを酢酸エチル 100ml中に加え、10%パラジ
ウム炭素を触媒として3気圧の水素で3時間室温で接触
還元を行った。反応終了後触媒をセライトろ過により除
き、ろ液を減圧下留去し無色透明油状の<A法>におけ
る一般式(4)の化合物である2−[1−(1,2,4−
トリアゾリル)]−アニリン 16.5g(収率98.1
%)得た。
【0040】得られた2−[1−(1,2,4−トリアゾ
リル)]−アニリン 16.5gをトルエン 160mlに溶
解させ、トリエチルアミン 17.1mlを加え、氷冷下で
塩化クロロアセチル 12.5mlを滴下し、滴下終了後室
温として1時間攪拌した。反応終了後、水を加え析出し
た結晶をろ取し、水洗後風乾し、薄灰色結晶のN−{2
−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−フェニル}−
クロロ酢酸アミド18.6g(収率79%)を得た。得ら
れたN−{2−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−
フェニル}−クロロ酢酸アミド 18.6gに亜リン酸ト
リエチル 54mlを加え、120℃で24時間攪拌し
た。反応終了後氷浴を付し、室温に戻ったところでイソ
プロピルエーテルを加えて結晶化させて、薄褐色結晶の
N−{2−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−フェ
ニル}−ジエチルホスホノ酢酸アミド 18.9g(収率
71%)を得た。N−{2−[1−(1,2,4−トリア
ゾリル)]−フェニル}−ジエチルホスホノ酢酸アミド
6.0gをTHF 100mlに溶かして0℃とした後、カ
リウム−t−ブトキシド 8.0g、ジ−2−ピリジルケ
トン 11.0gを加え、室温とした後、2時間攪拌し
た。反応終了後溶媒留去し、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食
塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し留去した。得ら
れた粗生成物をエーテルで結晶化し白色結晶の標記化合
物 8.2g(収率68%)を得た。
【0041】実施例7 1−{3,3−ジ(2−ピリジル)}−アクリル−4−
p−トルエンスルフォニル−ピペラジン(化合物26)
の合成(A法) 1−ホルミルピペラジン 12.0gをTHF 200mlに
溶解させ、トリエチルアミン 18mlを加え、0℃とし
てp−トルエンスルフォニルクロライド 20gをTHF
50mlに溶かした液を滴下した。滴下終了後、室温と
して5時間攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチル
で抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸
ナトリウムで乾燥し留去した。得られた粗生成物をエー
テル/n−ヘキサンの混合溶媒で洗浄し、白色結晶の1
−ホルミル−4−p−トルエンスルフォニル−ピペラジ
ン 22.5g(収率80%)を得た。得られた1−ホル
ミル−4−p−トルエンスルフォニル−ピペラジン 2
2.5gにメタノール 50ml、6N−塩酸 500mlを加
え、50℃に加熱し、一晩撹拌した。反応終了後冷却
し、4N−水酸化ナトリウムを加えpHを9として酢酸
エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄
後、硫酸ナトリウムで乾燥し留去した。得られた粗生成
物をエーテル/n−ヘキサンの混合溶媒で洗浄し、白色
結晶の<A法>における一般式(4)の化合物である1
−p−トルエンスルフォニル−ピペラジン 13.8g
(収率68%)を得た。
【0042】得られた1−p−トルエンスルフォニル−
ピペラジン 7.0gをTHF 140mlに溶解させ、トリ
エチルアミン 4.9mlを加え、氷冷下で塩化クロロアセ
チル2.5mlを滴下し、滴下終了後室温として一晩攪拌
した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽
出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾
燥し留去し、白色結晶の1−クロロアセチル−4−p−
トルエンスルフォニル−ピペラジン 8.0g(収率87
%)を得た。1−クロロアセチル−4−p−トルエンス
ルフォニル−ピペラジン 8.0gに亜リン酸トリエチル
26mlを加え、120℃で24時間攪拌した。過剰の亜
リン酸トリエチルを減圧留去し、無色透明の油状物質で
ある1−ジエチルホスホノアセチル−4−p−トルエン
スルフォニル−ピペラジンを得、これにジメチルホルム
アミド(DMF)90mlを加え、60%水素化ナトリウ
ム 1.1gを加えて0℃とした後、ジ−2−ピリジルケ
トン4.7gを加え、室温とした後2日間攪拌した。反応
終了後冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸
エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄
後、硫酸ナトリウムで乾燥し留去した。得られた粗生成
物を酢酸エチルで洗浄し、白色結晶の標記化合物 9.5
g(収率84%)を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】試験例1 薬理試験(ラットにおける血
管内膜肥厚抑制作用) 本発明の有効成分である化合物を用いて以下の試験を行
った。 <試験方法>13〜14週齢の雄性S.D.ラットを用い
た。エーテル麻酔下にて、右腸骨動脈から左頚動脈へ2
Fバルーンカテーテルを挿入し、バルーンを膨らませな
がら左頚動脈の内皮を剥離した。バルーンカテーテルを
除去した後、副腔内に抗生物質を滴下して縫合した。各
薬物は、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(HPMC)に懸濁し、10ml/kgの用量で内皮剥離2
時間目から1日1回経口投与した。対照群には、0.5
%HPMCを投与した。ラットは、内皮剥離14日後に
屠殺した。左頚動脈は、10%中性緩衝ホルマリンにて
固定し、6ヵ所に分割し、常法に従ってパラフィン薄切
標本を作製した。各個体6枚の薄切標本をヘマトキシリ
ン・エオジン染色した。評価は、新生内膜面積と中膜面
積を測定し、内膜/中膜の面積比として表し、薬物非投
与群と比較し、内膜肥厚抑制率(%)で比較した。結果
を表11に記す。また、比較化合物として特開昭63−
10743号公報、特開昭59−231058号公報、
欧州特許208999号およびJ.Org.Chem.,13
79(1956)より本発明化合物と最も類似している
と考えられる下記化合物(a)を用いた。
【0054】
【化11】
【0055】
【表11】
【0056】上記試験結果より、本発明に係る有効成分
である一般式(1)で表わされる化合物は、類似化合物
である比較化合物(a)に比して非常に優れた血管内膜
肥厚抑制作用を示した。
【0057】 製剤例1 錠剤 化合物1 200mg トウモロコシデンプン 50mg 微結晶セルロース 50mg ハイドロキシプロピルセルロース 15mg 乳 糖 47mg タルク 2mg ステアリン酸マグネシウム 2mg エチルセルロース 30mg 不飽和グリセリド 2mg 二酸化チタン 2mg 上記配合割合で、常法に従い、1錠当たり400mgの錠
剤を調製した。
【0058】 製剤例2 顆粒剤 化合物2 300mg 乳 糖 540mg トウモロコシデンプン 100mg ハイドロキシプロピルセルロース 50mg タルク 10mg 上記配合割合で、常法に従い、1包当たり1000mgの
顆粒剤を調製した。
【0059】 製剤例3 カプセル剤 化合物9 200mg 乳 糖 30mg トウモロコシデンプン 50mg 微結晶セルロース 10mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 上記配合割合で、常法に従い、1カプセル当たり293
mgのカプセル剤を調製した。
【0060】 製剤例4 注射剤 化合物12 100mg 塩化ナトリウム 3.5mg 注射用蒸留水 適 量 (1アンプル当たり2ml) 上記配合割合で、常法に従い、注射剤を調製した。
【0061】 製剤例5 シロップ剤 化合物15 200mg 精製白糖 60g パラヒドロキシ安息香酸エチル 5mg パラヒドロキシ安息香酸ブチル 5mg 香 料 適 量 着色料 適 量 精製水 適 量 上記配合割合で、常法に従い、シロップ剤を調製した。
【0062】 製剤例6 坐剤 化合物19 300mg ウィテップゾールW−35 1400mg (登録商標、ラウリン酸からステアリン酸までの飽和脂肪酸の モノ−、ジ−及びトリ−グリセライド混合物、ダイナマイトノーベル社製) 上記配合割合で、常法に従い、坐剤を調製した。
【0063】
【発明の効果】本発明化合物は、優れた内膜肥厚抑制作
用を示し、医薬品として有用であり、例えば経皮的冠状
動脈形成術(PTCA)後の血管再狭窄の予防又は治療
剤として有用である。また更には、動脈硬化、抹消動脈
閉塞、血管炎等の増殖性血管病変の予防又は治療剤とし
て有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 401/14 213 C07D 401/14 213 249 249 413/14 213 413/14 213 417/14 213 417/14 213

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表わされる3,3−ジピ
    リジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容さ
    れる塩。 【化1】 [式中、R1は低級アルキル基、置換基としてアリール
    基及び/又は低級アルコキシカルボニル基を有する低級
    アルキル基、アリール基、置換基として低級アルコキシ
    基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン
    原子、アラルキル基、アリールオキシ基又はヘテロアリ
    ール基を有するアリール基、複素環基、置換基として低
    級アルキル基又はアラルキル基を有する複素環基、環状
    アルキル基を示す。R2は水素原子、低級アルキル基、
    アリール基を示す。また、基Aは、式(2)又は(3)
    を示す。] 【化2】 【化3】 【化4】 (R3は水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子を
    示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)中、R1が低級アルキル
    基、置換基としてフェニル基を有する低級アルキル基、
    フェニル基、置換基として低級アルコキシ基、低級アル
    コキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子、ベンジ
    ル基、フェニルオキシ基又はトリアゾリル基を有するフ
    ェニル基、シクロヘキシル基、ピリジル、ベンゾチアゾ
    リル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピペリジニル又は
    キノリル基、置換基として低級アルキル基又はベンジル
    基を有するピリジル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、
    イソキサゾリル、ピペリジニル又はキノリル基であり、
    2が水素原子、低級アルキル基又はフェニル基である
    請求項1記載の3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘
    導体又はその薬学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、R1がフェニル、ピリ
    ジル、又はシクロヘキシル基であり、R2が水素原子又
    は低級アルキル基である請求項2記載の3,3−ジピリ
    ジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容され
    る塩。
  4. 【請求項4】 一般式(1)中、基(A)が式(3)で
    表される基である請求項1記載の3,3−ジピリジルア
    クリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 一般式(1)中、基(A)が式(3)
    (R3は低級アルキル基を示す)で表される基である請
    求項4記載の3,3−ジピリジルアクリル酸アミド誘導
    体又はその薬学的に許容される塩。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で表わされる3,3−ジピ
    リジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容さ
    れる塩を有効成分とする医薬組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で表わされる3,3−ジピ
    リジルアクリル酸アミド誘導体又はその薬学的に許容さ
    れる塩の有効量と薬学的に許容される担体を含有する血
    管内膜肥厚抑制剤。
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