JPH11302057A - 山岳トンネル構築用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法並びにその崩落判定方法 - Google Patents

山岳トンネル構築用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法並びにその崩落判定方法

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JPH11302057A
JPH11302057A JP10128321A JP12832198A JPH11302057A JP H11302057 A JPH11302057 A JP H11302057A JP 10128321 A JP10128321 A JP 10128321A JP 12832198 A JP12832198 A JP 12832198A JP H11302057 A JPH11302057 A JP H11302057A
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Kenji Saito
憲司 斎藤
Sumio Kawazoe
純雄 川添
Masashi Kawakami
正史 川上
Masatoshi Kimura
政敏 木村
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Konoike Construction Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートに急結剤を添加した後、コンク
リートの流動性を所定時間維持し、その後、急結するよ
うにすることを、低コストで実現することができるよう
にした、山岳トンネル構築用コンクリートの急結性、流
動性及び凝結時間の制御方法を提供すること。 【解決手段】 セメント、骨材及び水並びにリグニン系
高性能減水剤を適宜割合で混練したベースコンクリート
に、所定量の液体状のアルミン酸塩系急結剤を添加する
ことにより、コンクリートの急結性、流動性及び凝結時
間の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、山岳トンネル構築
用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】山岳トンネル工事においては、トンネル
の内周面にコンクリートを吹き付けることにより地山を
支持しながら掘削を行うようにしているが、このような
目的で使用される支保工用吹付けコンクリートは、コン
クリートの剥落防止及び地山の崩落防止等のため、コン
クリートの早期硬化が必要とされる。このため、一般に
は、コンクリートに、急結剤を添加するようにしてい
る。
【0003】また、吹付けコンクリートによる支保工に
代えて、トンネルの内周面にコンクリートを打設するこ
とにより覆工を行う場合において、特に、早期脱型が必
要とされるときには、コンクリートに、急結剤を添加す
るようにしている。
【0004】このように、支保工用吹付けコンクリート
及び覆工用場所打ちコンクリートのいずれの場合も、コ
ンクリートの早期硬化を目的として、急結剤を添加する
ようにしているが、この一方で、コンクリート中に急結
剤を均一に混合するため及び良好な施工性を確保するた
めに、支保工用吹付けコンクリートにおいては、急結剤
添加後、コンクリートがトンネル内周の吹付け面に付着
するまで、覆工用場所打ちコンクリートにおいては、急
結剤添加後、コンクリートが型枠内の所定の位置に達し
て締め固められるまで、コンクリートが適切な流動性を
維持する、すなわち、コンクリートの硬化反応を調整す
る必要がある。
【0005】ところで、急結剤は、セメント中のアルミ
ン酸三カルシウム(C3A)又は珪酸三カルシウム(C3
S)に促進反応を示し、これによって、コンクリートを
急速に硬化させるものであり、この急結剤には、種々の
種類のものが用いられているが、コンクリートに急結剤
を混合した後、コンクリートの流動性を所定時間維持す
るようにするためには、一般に、セメント鉱物系急結剤
及びオキシカルボン酸塩系遅延剤を混合した混和剤を用
いるようにしていた。そして、セメント鉱物系急結剤
は、粉体状をしているため、予めこのセメント鉱物系急
結剤と液体状のオキシカルボン酸塩系遅延剤とを混合
し、スラリ―状態にしてコンクリートに添加する必要が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、コンクリ
ートの流動性を所定時間維持するようにするために、粉
体状のセメント鉱物系急結剤と液体状のオキシカルボン
酸塩系遅延剤を混合し、スラリ―状態にしてコンクリー
トに添加する必要があるが、この場合、セメント鉱物系
急結剤とオキシカルボン酸塩系遅延剤とが十分に混合し
ておらず、例えば、スラリ―状の混和剤中に急結剤の粉
体ボールが混在していると、混和剤をコンクリートに添
加するためのラインが閉塞しやすくなり、施工を続行す
ることができなくなるため、セメント鉱物系急結剤とオ
キシカルボン酸塩系遅延剤の混合には、時間を要し、手
間が掛かるという問題があった。また、この混和剤は、
セメント鉱物系急結剤とオキシカルボン酸塩系遅延剤の
混合後、約3時間以内に使用しなければ、化学反応によ
って効力を失うため、作り置きができず、このため、材
料の無駄も生じやすく、また、セメント鉱物系急結剤及
びオキシカルボン酸塩系遅延剤は、いずれもその用途が
限定される受注生産品であることと相俟って、混和剤の
単価が非常に高額となり、施工コストが上昇するという
問題があった。
【0007】また、コンクリートの急結性を制御するた
めに、セメント鉱物系急結剤の添加量を増減することも
行われているが、このうち、セメント鉱物系急結剤の添
加量を増加することは、施工コストの上昇、コンクリー
トの吹付け作業時の粉塵量の増加、長期強度の減少等が
生じる問題があり、セメント鉱物系急結剤の添加量を増
加することには限界があった。
【0008】本発明は、上記従来の山岳トンネル構築用
コンクリートの有する問題点に鑑み、コンクリートに急
結剤を添加した後、コンクリートの流動性を所定時間維
持し、その後、急結するようにすることを、低コストで
実現することができるようにした、山岳トンネル構築用
コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法
を提供することを第1の目的とする。
【0009】さらに、本発明は、打設された支保工用吹
付けコンクリート又は覆工用場所打ちコンクリートの崩
落の有無を簡易に判断することができる山岳トンネル構
築用コンクリートの崩落判定方法を提供することを第2
の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本第1発明の山岳トンネル構築用コンクリート
の急結性、流動性及び凝結時間の制御方法は、セメン
ト、骨材及び水並びにリグニン系高性能減水剤を適宜割
合で混練したベースコンクリートに、所定量の液体状の
アルミン酸塩系急結剤を添加することにより、コンクリ
ートの急結性、流動性及び凝結時間の制御を行うことを
特徴とする。
【0011】この山岳トンネル構築用コンクリートの急
結性、流動性及び凝結時間の制御方法は、遅延剤を使用
することなく、コンクリートの硬化遅延作用をもたらす
リグニン系の高性能減水剤を使用するとともに、急結剤
に液体状のアルミン酸塩系急結剤を使用することによ
り、高性能減水剤の添加量を変化させることによって、
急結剤を添加した後のコンクリートの急結性、流動性及
び凝結時間の制御を行うことができる。
【0012】また、同じ目的を達成するため、本第2発
明の山岳トンネル構築用コンクリートの急結性、流動性
及び凝結時間の制御方法は、セメント、骨材及び水を適
宜割合で混練したベースコンクリートを加熱するととも
に、このベースコンクリートに、所定量の液体状のアル
ミン酸塩系急結剤を加熱して添加することにより、コン
クリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御を行うこ
とを特徴とする。
【0013】この山岳トンネル構築用コンクリートの急
結性、流動性及び凝結時間の制御方法は、ベースコンク
リートを加熱するとともに、このベースコンクリート
に、所定量の液体状のアルミン酸塩系急結剤を加熱して
添加することにより、両者の加熱温度を変化させること
によって、急結剤を添加した後のコンクリートの急結
性、流動性及び凝結時間の制御を行うことができる。
【0014】そして、本第1発明及び第2発明は、支保
工用吹付けコンクリートや覆工用場所打ちコンクリート
の急結性、流動性及び凝結時間の制御に適用することが
でき、これにより、コンクリートの吹付け又は打設によ
る支保工及び覆工の施工を高精度に、かつ、迅速に行う
ことができる。
【0015】また、上記第2の目的を達成するため、本
第3発明の山岳トンネル構築用コンクリートの崩落判定
方法は、上記の山岳トンネル構築用コンクリートの急結
性、流動性及び凝結時間の制御方法によって得たコンク
リートの針貫入抵抗値を測定し、該測定値から、打設さ
れた支保工用吹付けコンクリート又は覆工用場所打ちコ
ンクリートの崩落の有無を判断することを特徴とする。
【0016】これにより、打設された支保工用吹付けコ
ンクリート又は覆工用場所打ちコンクリートの崩落の有
無を簡易に判断することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の山岳トンネル構築
用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方
法の実施の形態を、その具体的な実施例に基づいて説明
する。
【0018】まず、本第1発明の山岳トンネル構築用コ
ンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法に
ついて説明する。
【0019】この山岳トンネル構築用コンクリートの急
結性、流動性及び凝結時間の制御方法は、セメント、骨
材及び水並びにリグニン系高性能減水剤を適宜割合で混
練したベースコンクリートに、所定量の液体状のアルミ
ン酸塩系急結剤を添加することにより、コンクリートの
急結性、流動性及び凝結時間の制御を行うようにしたも
のである。
【0020】この場合において、セメント、骨材は、特
にその種類が限定されるものではなく、一般の建材用コ
ンクリート等に用いられる材料を使用することができ
る。セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セ
メント、シリカセメント、フライアッシュセメント、ア
ルミナセメント、ジェットセメント等の水硬性セメント
を使用することができる。また、骨材としては、山砂、
海砂、川砂、砕砂等の細骨材、山砂利、海砂利、川砂
利、砕石等の粗骨材を使用することができる。
【0021】また、リグニン系高性能減水剤は、リグニ
ンスルホン酸化合物を主成分とし、その固形分濃度は、
特に限定されるものではないが、ベースコンクリートの
混錬性を考慮すると、30〜80固形分%濃度のものを
用いることが望ましい。この場合、リグニン系高性能減
水剤のコンクリートへの添加量は、後述の急結剤を添加
した後のコンクリートの流動性の要維持時間によって調
整するようにする。
【0022】また、液体状のアルミン酸塩系急結剤は、
アルミン酸化合物と炭酸塩化合物を主成分とし、その固
形分濃度は、特に限定されるものではないが、ベースコ
ンクリートへの分散性を考慮すると、30〜70固形分
%濃度のものを用いることが望ましい。この場合、アル
ミン酸塩系急結剤のコンクリートへの添加量は、特に限
定されるものではないが、コンクリートの初期強度、長
期強度、付着力及び施工性等の特性を考慮すると、セメ
ント重量に対して5〜12%程度の範囲で使用するのが
望ましい。
【0023】次に表1に示す配合割合で、水、セメント
(ポルトランドセメント)、細骨材(砂:粒径0.08
8〜5mm)、粗骨材(砕石:粒径5〜20mm)、リ
グニン系高性能減水剤を配合、混練してベースコンクリ
ート(配合1〜3)を製造し、このベースコンクリート
(配合1〜3)について、同量のアルミン酸塩系急結剤
を添加した。
【0024】
【表1】
【0025】この場合のコンクリ―トの流動性の経時的
変化を図1に示す。図1から明らかなように、リグニン
系高性能減水剤の添加量を変化させることによって、ア
ルミン酸塩系急結剤を添加した後のコンクリートの流動
性の維持時間が制御可能なことが分かる。
【0026】また、表2に、急結剤を添加後のコンクリ
ートの流動性の維持時間が10分の性状を有するコンク
リートを、セメント鉱物系急結剤とオキシカルボン酸塩
系遅延剤の組み合わせで得るようにした場合(配合A)
と、リグニン系高性能減水剤とアルミン酸塩系急結剤の
組み合わせで得るようにした場合(配合B)とについ
て、それぞれ、コンクリートに添加する混和剤の価格を
示す。表2から明らかなように、本発明に係る配合Bの
コンクリートに添加する混和剤の価格は、従来の配合A
の60%であり、経済性に優れていることが分かる。
【0027】
【表2】
【0028】次に、本第2発明の山岳トンネル構築用コ
ンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法に
ついて説明する。
【0029】この山岳トンネル構築用コンクリートの急
結性、流動性及び凝結時間の制御方法は、セメント、骨
材及び水を適宜割合で混練したベースコンクリートを加
熱するとともに、このベースコンクリートに、所定量の
液体状のアルミン酸塩系急結剤を加熱して添加すること
により、コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の
制御を行うようにしたものである。
【0030】この場合において、ベースコンクリート
は、特に限定されるものではないが、ここでは、支保工
用吹付けコンクリートとして、セメント(ポルトランド
セメント)、シリカフューム、細骨材(砂:粒径0.0
88〜5mm)、粗骨材(砕石:粒径5〜20mm)及
び水並びにリグニン系高性能減水剤を適宜割合で配合、
混練したものを用い、このベースコンクリートに、吹付
け機を用いて、液体状のアルミン酸塩系急結剤を添加、
混合するようにした。この場合、アルミン酸塩系急結剤
の添加量を、単位結合材量(セメントとシリカフューム
の合計重量)に対して7%と一定とし、ベースコンクリ
ートの温度を15、20、25及び30℃の4種類、液
体状のアルミン酸塩系急結剤の温度を25、35、45
及び55℃の4種類に変化させて製造した支保工用吹付
けコンクリートの材齢30分における若材齢圧縮強度を
測定した。なお、液体状のアルミン酸塩系急結剤は、攪
拌装置及びヒーターを備えたタンクで所定温度にまで均
一に加熱し、吹付け機に供給するようにした。
【0031】この場合の支保工用吹付けコンクリートの
材齢30分における若材齢圧縮強度を図2に示す。図2
から明らかなように、ベースコンクリートの温度が1
5、20、25及び30℃における急結剤温度と30分
圧縮強度の関係は、それぞれ図2の曲線により示され、
液体状のアルミン酸塩系急結剤の温度の上昇に伴い増加
することが分かる。また、液体状のアルミン酸塩系急結
剤の温度を約45℃以上にすることにより、各ベースコ
ンクリートの温度において、30分圧縮強度が急激に増
加し、急結性の向上に対して効果があることが分かる。
このように液体状のアルミン酸塩系急結剤を用い、ベー
スコンクリート及びアルミン酸塩系急結剤の両者を加熱
することにより、急結性の向上に対して効果があること
が確認できた。なお、同様の条件の下で別途試験を行っ
た液体状のケイ酸塩系急結剤については、ケイ酸塩系急
結剤の温度を高くしても、若材齢強度に変化はなかっ
た。
【0032】ところで、山岳トンネルの湧水箇所へ支保
工用吹付けコンクリートを施してライニングを行う場
合、吹付けコンクリートの急結性を高めることにより、
付着量を増加させ、コンクリートの流出によるロスを少
なくすることができるものとなる。そこで、図3に示す
湧水パネル試験装置を用いて、ベースコンクリート及び
アルミン酸塩系急結剤の両者を加熱することにより、急
結性を高め、湧水箇所への付着量を増加させることがで
きるかを調べた。試験は、吹付けノズルからのコンクリ
ート吐出量を18m3/hr、液体状のアルミン酸塩系
急結剤添加量を7%で一定とし、吹付けノズルと木製パ
ネル間の距離を2m、模擬湧水量を27リットル/mi
n、湧水なしの2種類とし、吹付けノズルからコンクリ
ート木製パネルへ向けて10秒間コンクリートの吹き付
けを実施した後、木製パネルに付着した吹付けコンクリ
ート重量を測定した。なお、試験に用いたベースコンク
リート及びアルミン酸塩系急結剤の温度の組み合わせ
は、図2に示す場合と同様とした。
【0033】この場合の急結剤温度と付着比(湧水パネ
ル付着量と湧水なしパネル付着量との比)の関係を図4
に示す。図4から明らかなように、ベースコンクリート
の温度が15、20、25及び30℃における急結剤温
度と付着比の関係は、それぞれ図4の曲線により示さ
れ、液体状のアルミン酸塩系急結剤の温度の上昇に伴い
付着比が増加することが分かる。また、液体状のアルミ
ン酸塩系急結剤の温度を約45℃以上にすることによ
り、各ベースコンクリートの温度において、付着比の増
加割合が増加し、急結性の向上に伴い、付着性の向上の
効果があることが分かる。このように液体状のアルミン
酸塩系急結剤を用い、ベースコンクリート及びアルミン
酸塩系急結剤の両者を加熱することにより、急結性の向
上に伴い、付着性が向上し、湧水箇所における付着量を
増加させ、吹付けコンクリートのロスを低減し、経済性
を向上することができる効果があることが確認できた。
【0034】ところで、山岳トンネル工事においては、
上記のような吹付けコンクリートを用いて、トンネルの
内周面にコンクリートを吹き付けることにより地山を支
持しながら掘削を行うようにしているが、このような目
的で使用される支保工用吹付けコンクリートは、コンク
リートの剥落防止及び地山の崩落防止等のため、地山に
十分に固定されている必要がある。このような山岳トン
ネルの主たる支保部材である吹付けコンクリートは、吹
付け時には粘性により、その後は強度発現に伴う付着力
により地山に固定されるが、従来、吹付けコンクリート
の表面から、吹付けコンクリートが地山に十分付着し、
また固定されているかどうかを判定する適当な方法がな
かった。
【0035】そこで、吹付けコンクリートの表面から、
吹付けコンクリートが地山に十分付着し、また固定され
ているかどうかを判定するために、吹付けコンクリート
の表面から針を貫入させ、そのときに生じる針貫入抵抗
値から、吹付けコンクリートの状態を推定するようにし
た。
【0036】より具体的には、針供試体用型枠(15c
m×15cm×53cm)に、同一配合のべースコンク
リートに対して急結剤の量を種々に変化させた吹付けコ
ンクリートを吹き付け、針供試体に直径4.6mmの針
を25mm貫入させ、そのときに生じる針貫入抵抗値を
測定し、また、これと同時に、材齢30分以内の針供試
体の圧縮強度を求め、この結果から針供試体圧縮強度と
針貫入抵抗値の関係を得るようにした。図5に、同一配
合のべースコンクリートに対して急結剤の量を種々に変
化させた吹付けコンクリートを吹き付けた場合の材齢3
0分の吹付けコンクリートからなる針供試体による針供
試体圧縮強度と針貫入抵抗値の関係を示す。
【0037】次に、同一配合のべースコンクリートに対
して急結剤の量を種々に変化させた吹付けコンクリート
を、トンネル天端へ厚さ約20cmとなるように吹き付
け、材齢30分以内でのトンネル天端からの吹付けコン
クリートの崩落の有無を測定するようにした。ところ
で、一般に、吹付けコンクリートのトンネル天端からの
崩落は、30分以内に生ずるのが一般的であるので、こ
れらの結果から、崩落限界値を材齢30分以内における
針供試体圧縮強度から求めることができる。すなわち、
図6に、同一配合のべースコンクリートに対して急結剤
の量を種々に変化させた吹付けコンクリートを、トンネ
ル天端へ厚さ約20cmとなるように吹き付けた場合
に、崩落を生じた配合と材齢30分での針供試体圧縮強
度の関係を示す。図6において、崩落したものを白丸に
より示すようにしている。図6から求めた崩落限界値
は、針供試体圧縮強度0.22N/mm2となる。
【0038】さらに、材齢30分における針供試体圧縮
強度と針貫入抵抗値の関係から崩落限界となる針貫入抵
抗値を推定し、施工時の安全管理として針貫入抵抗値を
用いることができるようにした。ここでは、上記のとお
り、針供試体用型枠に吹き付けた吹付けコンクリートに
材齢30分以内で直径4.6mmの針を25mm貫入さ
せ、そのときに生じる針貫入抵抗値を測定し、その値が
崩落限界値以上であれば吹付けコンクリートが崩落する
おれれがなく、一方、崩落限界値以下であれば崩落する
おそれがあると判定でき、施工を安全に進めることがで
きるものとなる。具体的には、図7に示す、同一配合の
べースコンクリートに対して急結剤の量を種々に変化さ
せた吹付けコンクリートを吹き付けた場合の材齢30分
の吹付けコンクリートからなる針供試体による針供試体
圧縮強度と針貫入抵抗値の関係(図5と同一)から、崩
落限界の針貫入抵抗値を求めると、12.4kgとな
る。すなわち、材齢30分以内での針貫入抵抗値が1
2.4kg以上であれば吹付けコンクリートが崩落する
おれれがなく、一方、これ以下であれば崩落するおそれ
があると判断する。
【0039】
【発明の効果】本第1発明の山岳トンネル構築用コンク
リートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法によれ
ば、遅延剤を使用することなく、コンクリートの硬化遅
延作用をもたらすリグニン系の高性能減水剤を使用する
とともに、急結剤に液体状のアルミン酸塩系急結剤を使
用することにより、高性能減水剤の添加量を変化させる
ことによって、急結剤を添加した後のコンクリートの急
結性、流動性及び凝結時間の制御を行うことができる。
【0040】また、本第2発明の山岳トンネル構築用コ
ンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法に
よれば、ベースコンクリートを加熱するとともに、この
ベースコンクリートに、所定量の液体状のアルミン酸塩
系液体急結剤を加熱して添加することにより、両者の加
熱温度を変化させることによって、急結剤を添加した後
のコンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御を
行うことができる。
【0041】そして、本第1発明及び第2発明の山岳ト
ンネル構築用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時
間の制御方法は、従来のセメント鉱物系急結剤及びオキ
シカルボン酸塩系遅延剤を混合した混和剤を用いた場合
のように、混和剤の混合に時間を要することがなく、ま
た、高価な混和剤を無駄に廃棄することがなくなるとと
もに、液体状のアルミン酸塩系液体急結剤を使用するよ
うにしているため、ベースコンクリートとの混合性に優
れ、均一に混合することができることと相俟って、コン
クリートに急結剤を添加した後、コンクリートの流動性
を所定時間維持し、その後、急結するようにすること
を、低コストで、かつ、高精度に実現することができ
る。また、急結剤の添加量を増加させることなく、コン
クリートの流動性及び急結性を制御することができるた
め、経済的で、かつ、粉塵の少ない山岳トンネル構築用
のコンクリートを製造することができる。
【0042】また、本第1発明及び第2発明は、支保工
用吹付けコンクリートや覆工用場所打ちコンクリートの
急結性、流動性及び凝結時間の制御に適用することがで
き、これにより、コンクリートの吹付け又は打設による
支保工及び覆工の施工を高精度に、かつ、迅速に行うこ
とができ、コンクリートの剥落防止及び地山の崩落防止
を実現することができるとともに、支保工の施工の場合
には、粉塵の発生を少なくすることができ、また、覆工
の施工の場合には、早期の脱型が可能となり、施工効率
を向上することができる。
【0043】また、本第3発明の山岳トンネル構築用コ
ンクリートの崩落判定方法によれば、コンクリートの針
貫入抵抗値を測定し、この測定値から、打設された支保
工用吹付けコンクリート又は覆工用場所打ちコンクリー
トの崩落の有無を判断することにより、打設された支保
工用吹付けコンクリート又は覆工用場所打ちコンクリー
トの崩落の有無を簡易に判断することができ、山岳トン
ネル構築用コンクリートの打設工事の安全性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リグニン系高性能減水剤の添加量を変化させる
ことによるコンクリ―トの流動性の経時的変化を示すグ
ラフ図である。
【図2】ベースコンクリートと液体状のアルミン酸塩系
急結剤の温度を変化させて製造した支保工用吹付けコン
クリートの材齢30分における圧縮強度を示すグラフ図
である。
【図3】湧水パネル試験装置を示す外観斜視図である。
【図4】ベースコンクリートと液体状のアルミン酸塩系
急結剤の温度を変化させて製造した支保工用吹付けコン
クリートの湧水パネル付着量と湧水なしパネル付着量と
の比を示すグラフ図である。
【図5】同一配合のべースコンクリートに対して急結剤
の量を種々に変化させた吹付けコンクリートを吹き付け
た場合の材齢30分の吹付けコンクリートからなる針供
試体による針供試体圧縮強度と針貫入抵抗値の関係を示
すグラフ図である。
【図6】同一配合のべースコンクリートに対して急結剤
の量を種々に変化させた吹付けコンクリートをトンネル
天端に吹き付けた場合に、崩落を生じた配合と材齢30
分での針供試体圧縮強度の関係を示すグラフ図である。
【図7】同一配合のべースコンクリートに対して急結剤
の量を種々に変化させた吹付けコンクリートを吹き付け
た場合の材齢30分の吹付けコンクリートからなる針供
試体による針供試体圧縮強度と針貫入抵抗値の関係を示
すグラフ図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、骨材及び水並びにリグニン系
    高性能減水剤を適宜割合で混練したベースコンクリート
    に、所定量の液体状のアルミン酸塩系急結剤を添加する
    ことにより、コンクリートの急結性、流動性及び凝結時
    間の制御を行うことを特徴とする山岳トンネル構築用コ
    ンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方法。
  2. 【請求項2】 セメント、骨材及び水を適宜割合で混練
    したベースコンクリートを加熱するとともに、このベー
    スコンクリートに、所定量の液体状のアルミン酸塩系急
    結剤を加熱して添加することにより、コンクリートの急
    結性、流動性及び凝結時間の制御を行うことを特徴とす
    る山岳トンネル構築用コンクリートの急結性、流動性及
    び凝結時間の制御方法。
  3. 【請求項3】 コンクリートが、支保工用吹付けコンク
    リートである請求項1又は2記載の山岳トンネル構築用
    コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方
    法。
  4. 【請求項4】 コンクリートが、覆工用場所打ちコンク
    リートである請求項1又は2記載の山岳トンネル構築用
    コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の山岳トンネル構築
    用コンクリートの急結性、流動性及び凝結時間の制御方
    法によって得たコンクリートの針貫入抵抗値を測定し、
    該測定値から、打設された支保工用吹付けコンクリート
    又は覆工用場所打ちコンクリートの崩落の有無を判断す
    ることを特徴とする山岳トンネル構築用コンクリートの
    崩落判定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321957A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Denki Kagaku Kogyo Kk 急硬性セメントコンクリート及びトンネル覆工工法
JP2013517164A (ja) * 2010-01-21 2013-05-16 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 熱回収を用いるコンクリート吹付け法

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