JPH1130101A - ガスタービン - Google Patents

ガスタービン

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Publication number
JPH1130101A
JPH1130101A JP18362297A JP18362297A JPH1130101A JP H1130101 A JPH1130101 A JP H1130101A JP 18362297 A JP18362297 A JP 18362297A JP 18362297 A JP18362297 A JP 18362297A JP H1130101 A JPH1130101 A JP H1130101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
end wall
shroud
cooling
outer peripheral
gas turbine
Prior art date
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Pending
Application number
JP18362297A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Kitsuka
宣明 木塚
Shunichi Anzai
俊一 安斎
Kazuhiko Kawaike
和彦 川池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1130101A publication Critical patent/JPH1130101A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静翼外周側エンドウォールと動翼ケーシング側
シュラウドが一体化構造とされ、かつクローズド冷却で
あっても、一体化されたシュラウド部が有効に冷却され
るガスタービンを提供する。 【解決手段】静翼の外周側エンドウォール11bと動翼
の外周側に対向配置されているシュラウド13bとが一
体に形成されるとともに、前記外周側エンドウォールの
背面部に冷却媒体を流通させてこの外周側エンドウォー
ル部を冷却するように形成されているガスタービンにお
いて、前記外周側エンドウォール11bの背面側に、こ
の面と所定の間隙を有して複数の小孔を有するプレート
20bを設置するとともに、前記シュラウドの内部に、
その一方端が前記間隙部に連通し、かつ他方端が前記動
翼の下流側ガスパス部に連通した複数個の貫通孔40を
設け、前記エンドウォールの背面側に供給された冷却媒
体を、前記間隙部および前記貫通孔を介してガスパス部
に排出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンの改良
に係わり、特に、静翼外周側エンドウォール部と動翼ケ
ーシング側シュラウド部とが一体に形成され、かつ動翼
がクローズド冷却されるガスタービンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来一般に採用されているこの種のガス
タービンは、ガスタービンに直結された圧縮機により高
圧力に圧縮された作動流体を発生させ、そして、この作
動流体に燃料を加え燃焼させ、高温高圧の作動流体を得
てタービンを駆動するように構成されている。このター
ビンの回転エネルギーは、通常、例えばタービンに結合
されている発電機により電気エネルギーに変換される。
【0003】最近においては、ガスタービンと蒸気ター
ビンを組み合わせたコンバインドサイクルの性能および
効率向上に大きな期待が寄せられている。そのコンバイ
ンドサイクルの性能および効率向上を図るには、ガスタ
ービンの作動流体のより一層の高温高圧化が必要であ
る。ただし、この場合において、タービン高温部に使用
される冷却空気流量は無尽蔵に使用されて良いわけでは
なく、必要最小限に抑えられるのが必須条件となる。
【0004】近年、ガスタービンの性能および効率向上
を目指した冷却空気の有効利用とともにガスタービン価
格の低減を目的として、ガスタービン部材の部品点数削
減も検討されている。例えば AIAA−95−262
0 の文献にも開示されているように、静翼外周側エン
ドウォールと動翼ケーシング側シュラウドを一体化した
構造が考えられている。
【0005】すなわち、従来のほとんどのガスタービン
においては、タービン部の静翼外周側エンドウォールと
動翼ケーシング側シュラウドは如何なる段落に関わらず
それぞれ別々な部品として構成されており、それぞれに
冷却空気を供給して冷却を行ってきた。熱負荷が大き
く、設計上の制約から別々に構成する必要がある上流段
落側は別として、熱負荷が小さく比較的制約を受けない
下流段落側においては別々に構成するよりも、一体構造
として統括的に冷却を行う方が冷却空気の有効利用によ
りその総量が削減できるのと部品点数削減により価格低
減が可能となって都合がよい。
【0006】また、一体化構造とすることによって個々
の部品間に存在した隙間面積が無くなり、つまりシール
面積も減らすことができるため、貴重な冷却空気が主流
ガス中に漏れ出しタービン全体の出力が低下することも
防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように形成されて
いるガスタービン,すなわち静翼外周側エンドウォール
と動翼ケーシング側シュラウドを一体化した構造のもの
は、部品点数削減,価格低減さらに冷却空気の有効利用
など有効なものであるが、しかしクローズド冷却を考え
た場合、一体化された静翼外周側エンドウォールと動翼
ケーシング側シュラウド部の冷却が難しくこの部分が高
温になりガスタービンに悪影響を及ぼす恐れがある。
【0008】すなわち、これまで用いられてきた従来方
式のオープン冷却においては、ほとんどのガスタービン
において動翼翼部の冷却空気は動翼先端より主流ガス側
に吹き出されていたため、シュラウド部の主流ガス温度
はこの吹き出し空気により下げられ、シュラウド部を積
極的に冷却する必要は生じなかった。
【0009】しかし、今後のクローズド冷却を考えた場
合、動翼を冷却した空気は回収されるため、動翼先端か
らの吹き出しはな無くなりシュラウドを積極的に冷却す
る必要が生じてくる。
【0010】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、効率的な冷却空気の利用と部品点
数削減を目的に静翼外周側エンドウォールと動翼ケーシ
ング側シュラウドが一体化構造とされても、またこの場
合、クローズド冷却であっても、一体化されたシュラウ
ド部が有効に冷却され、ガスタービン全体の性能を下げ
たり、あるいは信頼性を損なうことのないこの種のガス
タービンを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ガス
タービンのガスパスを構成する静翼の外周側エンドウォ
ールと動翼の外周側に対向配置されているシュラウドと
が一体に形成されるとともに、前記外周側エンドウォー
ルの背面部に冷却媒体を流通させてこの外周側エンドウ
ォール部を冷却するように形成されているガスタービン
において、前記外周側エンドウォールの背面側に、この
面と所定の間隙を有して複数の小孔を有するプレートを
設置するとともに、前記シュラウドの内部に、その一方
端が前記間隙部に連通し、かつ他方端が前記動翼の下流
側ガスパス部に連通した複数個の貫通孔を設け、前記エ
ンドウォールの背面側に供給された冷却媒体を、前記間
隙部および前記貫通孔を介してガスパス部に排出するよ
うになし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0012】またこの場合、前記エンドウォールの背面
側に供給された冷却媒体は、前記プレートの複数の小孔
より静翼エンドウォール壁面に噴射されるように形成し
たものである。
【0013】また、ガスタービンのガスパスを構成する
静翼の外周側エンドウォールと動翼の外周側に対向配置
されているシュラウドとが一体に形成されるとともに、
この一体に形成されたエンドウォールが冷却媒体により
冷却されるように形成されているガスタービンにおい
て、前記一体化された外周側エンドウォールの背面側お
よび前記シュラウドの背面側に、それぞれその壁面と所
定の間隙を有して複数の小孔を有するプレートを設置す
るとともに、前記エンドウォール側の内部に、その一方
端が前記エンドウォール背面の間隙部に連通し、かつ他
方端が前記静翼ガスパスとに連通する複数個の孔を設
け、かつ前記シュラウド側の部分に、その一方端が前記
シュラウド背面の間隙部に連通し、かつ他方端がエンド
ウォール背面の前記プレート外周側に連通する複数個の
孔を設け、前記供給された冷却媒体を、前記シュラウド
背面の間隙,エンドウォールの背面の間隙およびエンド
ウォール側の貫通孔を介して前記静翼ガスパス部に排出
するようにしたものである。
【0014】またこの場合、前記冷却媒体を前記シュラ
ウド部の外周側より供給するとともに、前記シュラウド
に設けられたプレートの複数の小孔よりシュラウド壁面
に噴射するようにし、かつこの冷却媒体を前記静翼エン
ドウォール外周側に供給し、前記エンドウォールに設け
られたプレートの複数の小孔より静翼エンドウォール壁
面に噴射するように形成したものである。
【0015】また、ガスタービンのガスパスを構成する
静翼の外周側エンドウォールと動翼の外周側に対向配置
されているシュラウドとが一体に形成されるとともに、
この一体に形成されたエンドウォールが冷却媒体により
冷却されるように形成されているガスタービンにおい
て、前記静翼のエンドウォール部とシュラウド部との冷
却側には複数の小孔を有する単一の連通するプレートを
エンドウォール冷却面およびシュラウド冷却面との間に
所定の間隙を設けて設置し、この間隙と前記静翼ガスパ
スとを連通する複数個の孔を前記エンドウォール部に設
け、かつ前記間隙と前記動翼ガスパスとを連通する複数
個の孔を前記シュラウド部に設けるようにしたものであ
る。
【0016】またこの場合、冷却媒体を前記静翼の外周
側より供給し、前記プレートの複数の小孔より静翼エン
ドウォール冷却面およびシュラウド冷却面に噴射し、か
かる冷却媒体を前記エンドウォール部の複数の孔および
前記シュラウド部の複数の孔より前記ガスパスに導くよ
うにしたものである。また、前記エンドウォール部に設
けられた孔より前記シュラウド部に設けられた孔の方が
冷却媒体の流通量が多くなるように形成したものであ
る。
【0017】すなわちこのように形成されたガスタービ
ンであると、外周側エンドウォールの背面側に、間隙を
有して複数の小孔を有するプレートが設置され、かつ前
記シュラウドの内部には、その一方端が前記間隙部に連
通し、かつ他方端が前記動翼の下流側ガスパス部に連通
した複数個の貫通孔が設けられ、エンドウォールの背面
側に供給された冷却媒体にてエンドウォール部はインピ
ンジ冷却され、またエンドウォール部をインピンジ冷却
した冷却媒体の一部を複雑な機構を設けずに容易にシュ
ラウド部の冷却に用いることができ、冷却媒体が有効に
利用される。
【0018】また、シュラウド部をインピンジ冷却した
冷却媒体をエンドウォール部のインピンジ冷却に用い、
動翼より上流に位置するエンドウォール部のフィルム孔
より放出することにより冷却空気の有効利用とさらに冷
却空気のもつエネルギーで前記動翼に仕事をさせること
ができ出力の増加を図ることが可能となる。
【0019】さらに、エンドウォール部とシュラウド部
のインピンジメント冷却を同室構造とし、エンドウォー
ル部およびシュラウド部をインピンジ冷却し終えた冷却
媒体をエンドウォール部とシュラウド部にそれぞれ設け
られたフィルム孔より放出する場合に際し、シュラウド
部のフィルム孔への冷却媒体の流量配分を集中させるこ
とによってシュラウド部のフィルム冷却を容易に強化す
る事が可能で、さらには動翼先端部の冷却にも寄与する
ことができるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1にはガスタービンガスパス
部の概略が断面で示されている。1は圧縮機部後段側ガ
スパス、2は燃焼器、3はタービン部ガスパスである。
タービン部ガスパス3は、さらに圧力のエネルギーを流
速のエネルギーに変える静翼4a、4b、4cと流速の
エネルギーを回転エネルギーに変える動翼5a、5b、
5cとから成り、静翼と動翼の組み合わせで各段落が形
成されている。すなわち、上流側から静翼4aと動翼5
aで第1段落、静翼4bと動翼5bで第2段落、静翼4
cと動翼5cで第3段落を形成している。
【0021】ここで第1段落を例に取ってみると、静翼
4aの外周側と内周側にはエンドウォールと呼ばれる壁
面があり、それぞれの外周側エンドウォール11aと内
周側エンドウォール12aとでガスパスを形成してい
る。また、動翼5aについては、外周側に静止したケー
シング側シュラウド13aと回転する動翼部品の一部分
である内周側に形成されたプラットホーム14aとでガ
スパスを形成している。以下第2段落および第3段落に
おいても同様にしてガスパスが形成される。
【0022】本発明ガスタービンの静翼は、第2段落に
搭載され、静翼外周側エンドウォールと動翼ケーシング
シュラウドが一体で15bのように構成され冷却媒体
(冷却空気)により冷却されている。これは、上流段側
の第1段落では熱負荷が大きくエンドウォールとシュラ
ウドともに積極的に冷却する必要があること、また設計
上の制約条件から場合によってはエンドウォール部とシ
ュラウド部とを別々の素材で構成する必要が生じるのに
対し、下流側の第2段落では熱負荷が上流段側の第1段
落と比較してそれほど大きくなく、冷却にも余裕がある
ため、一体構造として部品点数を減らし、一体構造の利
点を生かした効率的な冷却を行うことがガスタービンの
コスト低減と性能向上に不可欠なためである。
【0023】次に、このように構成されたガスタービン
の作動原理について簡単に説明すると、圧縮機部後段側
ガスパス1から圧縮空気は矢印6のように燃焼器2に供
給され、高温高圧となった空気7はタービン部ガスパス
3に送られ、タービン動翼を回転させる。その回転エネ
ルギーで発電機を回して電気を得るが、一部は圧縮機駆
動にも用いられる。ここで、圧縮空気の一部は矢印8お
よび矢印9のように抽気されタービン高温部の冷却に使
用される。
【0024】図2には第2段落の主要断面が示されてい
る。ここで、本発明を実施した静翼外周側エンドウォー
ルと動翼ケーシングシュラウドとの一体化冷却構造15
bを詳細に説明する。一体化構造15bはエンドウォー
ル部11bとシュラウド部13bから構成される。
【0025】この構造において、エンドウォール部11
bの冷却側(背面側)にはインピンジメント冷却を行う
ためにインピンジプレート20bによりインピンジキャ
ビティ21bが形成されており、また主流ガス側表面2
2bと冷却側内表面23bとを連通する複数のフィルム
冷却孔24bおよび25bが形成されている。そして、
さらにエンドウォール部のインピンジキャビティ21b
からシュラウド部下流側端面26bへとシュラウド部1
3bを貫通する対流冷却孔27bが形成されている。
【0026】このように形成されたエンドウォールとシ
ュラウドの一体化構造15bは、次のようにして冷却さ
れる。すなわち、圧縮機から抽気された冷却空気10
は、まずエンドウォール部11bを多孔を有するインピ
ンジプレート20bによりエンドウォール部11bをイ
ンピンジメント冷却する。インピンジ冷却を終えたキャ
ビティ21b内の冷却空気は、一部はエンドウォール部
11bのフィルム冷却孔24bおよび25bから主流ガ
ス中に放出されエンドウォール主流ガス側表面22bを
フィルム冷却し、残りの冷却空気はシュラウド部13b
に設けられた対流冷却孔27bを通りシュラウド部13
bを内部より対流冷却し、シュラウド端面26bより主
流ガス中に放出される。
【0027】なお、エンドウォール部11bの最下流部
に設けられたフィルム孔25bから放出された空気はシ
ュラウド部13bをフィルム冷却するのと動翼5bの先
端部30bに吹き出し流を当てて冷却を行う。
【0028】この冷却構造15bでは、冷却空気供給系
統がエンドウォール部の1系統のみでよく、簡単な構造
とすることができる。また、冷却空気はエンドウォール
部11bを冷却した冷却空気でシュラウド部13bを冷
却しているので、冷却空気の有効利用が可能で、全体と
して冷却空気量を削減できる利点をもつ。冷却空気は、
できる限りそのポテンシャルを使いきって、すなわちガ
スタービンの場合、できる限り熱交換させて温度を上昇
させて主流ガス中に放出するのが望ましい。
【0029】本発明によって、コスト低減と冷却空気削
減を可能としたエンドウォールとシュラウドの一体化冷
却構造を持つガスタービンを提供することができ、延い
てはガスタービン全体の性能向上が可能となる。
【0030】次に図3に基づき本発明の他の実施例を説
明する。図3に示すエンドウォールとシュラウドの一体
化冷却構造15b−2は、シュラウド部13b−2を冷
却した空気でエンドウォール部11b−2を冷却する場
合である。シュラウド部13b−2の冷却側にはインピ
ンジメント冷却をするためにインピンジプレート41に
よりインピンジキャビティ42が形成される。
【0031】また、エンドウォール部11b−2にも図
2で示した実施例と同様にインピンジメント冷却を行う
ためにインピンジプレート20b−2によりインピンジ
キャビティ21b−2が形成されており、さらに主流ガ
ス側表面22bと冷却側内表面23bとを連通するフィ
ルム冷却孔24bおよび25bが形成されている。
【0032】このように構成されたエンドウォールとシ
ュラウド一体化冷却構造15b−2において、冷却空気
10はシュラウド側の冷却供給孔43から供給され、ま
ずシュラウド部13b−2をインピンジプレート41に
より内部からインピンジメント冷却する。冷却を終えた
インピンジキャビティ42内の冷却空気は、シュラウド
側内表面側とエンドウォール側内表面側とを連通する孔
44を通して矢印50の示すようにエンドウォール側へ
と導かれる。
【0033】エンドウォール側へと導かれた冷却空気
は、インピンジプレート20b−2によりエンドウォー
ル部11b−2をインピンジメント冷却し、冷却を終え
たインピンジキャビティ21b−2内の冷却空気はフィ
ルム孔24bおよび25bを通して主流ガス中に放出さ
れる。ここで、フィルム孔25bから放出される冷却空
気は図2で示した実施例と同様にシュラウド部をフィル
ム冷却するのと動翼5bの最先端部30bに吹き出し流
を当てて冷却をする。
【0034】ここで、シュラウド部主流ガス側表面45
はガスタービン運転中に回転する動翼5bの先端が次か
ら次へと横切り、その都度流れが乱され境界層が剥がさ
れるためにエンドウォール部の主流ガス側表面22bと
比較して熱伝達率が大きくなり、相対的に熱負荷が大き
い。
【0035】また、前にも述べたように今後のクローズ
ド冷却を考えた場合、従来のオープン冷却の場合と比べ
て、動翼先端からの動翼翼部冷却空気吹き出しによる主
流ガス温度の降下が期待できないため、シュラウド部1
3b−2を積極的に冷却する必要が生ずる。そこで、本
構造では、最初に冷却空気の温度が低く熱交換能力が十
分ある状態でまずシュラウド部13b−2を冷却する構
造となっている。
【0036】シュラウド部冷却後の空気はまだエンドウ
ォール部を冷却するだけの熱交換能力は十分持っている
のでエンドウォール部11b−2の冷却に用いられ、最
終的に主流ガス中に放出される。このように構成した冷
却構造で得られる利点は、エンドウォール部およびシュ
ラウド部を冷却し熱交換能力を十分使い切った冷却空気
の全てを動翼5bの上流側に放出することができ、それ
により冷却空気のもつエネルギーは動翼5bに仕事をさ
せてガスタービン全体の出力を増加させる事が可能であ
る。
【0037】したがって、本実施例によれば図2に示し
た実施例同様にコスト低減と冷却空気削減を可能とした
エンドウォールとシュラウドの一体化冷却構造をもつガ
スタービン静翼を提供でき、さらには図2に示した実施
例と比べて冷却空気を全て動翼上流に放出できるため出
力の増加が可能である。
【0038】図4にさらに他の実施例を示す。図4に示
すエンドウォールとシュラウドの一体化冷却構造15b
−3は、エンドウォール部11b−3とシュラウド部1
3b−3の冷却側を同室構造とした場合である。
【0039】エンドウォール部11b−3およびシュラ
ウド部13b−3の冷却側にはインピンジメント冷却を
行うためにインピンジプレート20b−3によりインピ
ンジキャビティ21b−3が形成されており、エンドウ
ォール部11b−3には主流ガス側表面22bと冷却側
内表面23bとを連通するフィルム冷却孔24bおよび
25bが、一方シュラウド部13b−3には同じく主流
ガス側面45と冷却側内表面46とを連通するフィルム
孔45が形成されている。
【0040】ここで、前にも述べたようにエンドウォー
ル部とシュラウド部とではシュラウド部の方が熱負荷が
大きいのと、シュラウド部は動翼の先端が横切るために
流れが乱されフィルム冷却の効果がエンドウォール部と
比較して小さい。さらにクローズド冷却の場合のシュラ
ウド部の主流ガス側温度はオープン冷却の場合と比べて
高くなる。そこで、本構造では、フィルム空気をよりシ
ュラウド部側に配分してシュラウド部のフィルム冷却を
強化する配置構造となっている。
【0041】このように構成された冷却構造において、
供給される冷却空気10はまずインピンジメント冷却に
よりエンドウォール部11b−3とシュラウド部13b
−3を内側から冷却する。冷却を終えたインピンジキャ
ビティ21b−3内の冷却空気はフィルム冷却孔24
b、25bおよび45により主流ガス側に放出される
が、特にエンドウォール部11b−3の最下流部に設け
られたフィルム冷却孔25bおよびシュラウド部13b
−3に設けられたフィルム孔45からの冷却空気吹き出
しによりこの付近のガス温度は大きく下げられ、熱負荷
の大きいシュラウド部を集中してフィルム冷却を行なう
ことが可能である。
【0042】なおこの時、これらのフィルム孔からの吹
き出し流は回転する動翼5bの先端部31bに衝突して
主流ガス中にはあまり拡散しないことが予想される。ま
たフィルム孔からの吹き出し流が動翼先端部31bに衝
突することで冷却が難しい先端部31bを冷却でき、許
容限界温度より低く保つようにして保護できることが期
待できる。
【0043】本構造では高熱負荷部に対しては、フィル
ム冷却の流量配分を多くすることにより対応しており、
熱負荷の低いエンドウォール部をインピンジ冷却した空
気を容易に熱負荷の高いシュラウド部のフィルム冷却に
供給できるという点から冷却空気を有効に使用すること
ができる。したがって、本実施例においても図2および
図3に示した実施例同様にコスト低減と冷却空気削減を
可能としたエンドウォールとシュラウドの一体化冷却構
造をもつガスタービン静翼を提供できる。
【0044】以上本発明の実施例を説明してきたが、本
発明の静翼は第2段落に関わらず、設計条件を満たすな
らば、どの段落にも適用可能であり特に制限されるもの
ではなく、さらに、冷却媒体についても空気のみならず
例えば蒸気、窒素等でも同様の効果が得られ特に制限さ
れるものでもない。また、本発明の全ての実施例におい
て、エンドウォール部をインピンジメント冷却した冷却
媒体の一部をさらに静翼翼部の冷却に用いても得られる
効果は同様であり、特に制限されるものではない。
【0045】したがって、本発明を用いればエンドウォ
ールとシュラウドとを一体化したことの利点を最大限に
生かしたガスタービンを提供することができ、延いては
ガスタービン全体のコスト低減と性能向上が可能となる
のである。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、効率的な冷却空気の利用と部品点数削減を目的に静
翼外周側エンドウォールと動翼ケーシング側シュラウド
が一体化構造で、かつクローズド冷却であっても、一体
化されたシュラウド部が有効に冷却され、ガスタービン
全体の性能を下げたり、あるいは信頼性を損なうことの
ないこの種のガスタービンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンの一実施例を示す要部断
面図である。
【図2】本発明のガスタービンの静翼外周側エンドウォ
ールと動翼ケーシング側シュラウドの一体構造の一実施
例を示す縦断側面図である。
【図3】本発明のガスタービンの静翼外周側エンドウォ
ールと動翼ケーシング側シュラウドの一体構造の他の実
施例を示す縦断側面図である。
【図4】本発明のガスタービンの静翼外周側エンドウォ
ールと動翼ケーシング側シュラウドの一体構造の他の実
施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…圧縮機後段側ガスパス、2…燃焼器、3…タービン
部ガスパス、4a…第1段静翼、4b…第2段静翼、4
c…第3段静翼、5a…第1段動翼、5b…第2段動
翼、5c…第3段動翼、6…圧縮空気、7…高温高圧空
気、8…冷却用圧縮空気、9…冷却用圧縮空気、10…
冷却用圧縮空気、11a…第1段静翼外周側エンドウォ
ール、11b,11b−2,11b−3…第2段静翼外
周側エンドウォール部、12a…第1段静翼内周側エン
ドウォール部、13a…第1段動翼外周側ケーシングシ
ュラウド、13b,13b−2,13b−3…第2段動
翼外周側ケーシングシュラウド部、14a…第1段動翼
プラットフォーム、15b,15b−2,15b−3…
エンドウォール部とシュラウド部の一体化冷却構造、2
0b,20b−2,20b−3…インピンジプレート、
21b,21b−2,21b−3…インピンジメント冷
却キャビティ、22b…エンドウォール部主流ガス側表
面、23b…エンドウォール部冷却側内表面、24b…
フィルム冷却孔、25b…フィルム冷却孔、26…シュ
ラウド部下流側端面、27b…対流冷却孔、30b…動
翼先端前縁部、31b…動翼先端部、40…シュラウド
部冷却空気、41…インピンジプレート、42…インピ
ンジメント冷却キャビティ、43…冷却供給孔、44…
冷却空気導入孔、45…シュラウド部主流ガス側表面、
46…シュラウド部冷却側内表面、50…冷却空気。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンのガスパスを構成する静翼
    の外周側エンドウォールと動翼の外周側に対向配置され
    ているシュラウドとが一体に形成されるとともに、前記
    外周側エンドウォールの背面部に冷却媒体を流通させて
    この外周側エンドウォール部を冷却するように形成され
    ているガスタービンにおいて、 前記外周側エンドウォールの背面側に、この面と所定の
    間隙を有して複数の小孔を有するプレートを設置すると
    ともに、前記シュラウドの内部に、その一方端が前記間
    隙部に連通し、かつ他方端が前記動翼の下流側ガスパス
    部に連通した複数個の貫通孔を設け、前記エンドウォー
    ルの背面側に供給された冷却媒体を、前記間隙部および
    前記貫通孔を介してガスパス部に排出するようにしたこ
    とを特徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】 前記エンドウォールの背面側に供給され
    た冷却媒体を、前記プレートの複数の小孔より静翼エン
    ドウォール壁面に噴射するように形成してなる請求項1
    記載のガスタービン。
  3. 【請求項3】 ガスタービンのガスパスを構成する静翼
    の外周側エンドウォールと動翼の外周側に対向配置され
    ているシュラウドとが一体に形成されるとともに、この
    一体に形成されたエンドウォールが冷却媒体により冷却
    されるように形成されているガスタービンにおいて、 前記一体化された外周側エンドウォールの背面側および
    前記シュラウドの背面側に、それぞれその壁面と所定の
    間隙を有して複数の小孔を有するプレートを設置すると
    ともに、前記エンドウォール側の内部に、その一方端が
    前記エンドウォール背面の間隙部に連通し、かつ他方端
    が前記静翼ガスパスとに連通する複数個の孔を設け、か
    つ前記シュラウド側の部分に、その一方端が前記シュラ
    ウド背面の間隙部に連通し、かつ他方端がエンドウォー
    ル背面の前記プレート外周側に連通する複数個の孔を設
    け、前記供給された冷却媒体を、前記シュラウド背面の
    間隙,エンドウォールの背面の間隙およびエンドウォー
    ル側の貫通孔を介して前記静翼ガスパス部に排出するよ
    うにしたことを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】 前記冷却媒体を前記シュラウド部の外周
    側より供給するとともに、前記シュラウドに設けられた
    プレートの複数の小孔よりシュラウド壁面に噴射するよ
    うにし、かつこの冷却媒体を前記静翼エンドウォール外
    周側に供給し、前記エンドウォールに設けられたプレー
    トの複数の小孔より静翼エンドウォール壁面に噴射する
    ように形成してなる請求項3記載のガスタービン。
  5. 【請求項5】 ガスタービンのガスパスを構成する静翼
    の外周側エンドウォールと動翼の外周側に対向配置され
    ているシュラウドとが一体に形成されるとともに、この
    一体に形成されたエンドウォールが冷却媒体により冷却
    されるように形成されているガスタービンにおいて、 前記静翼のエンドウォール部とシュラウド部との冷却側
    には複数の小孔を有する単一の連通するプレートをエン
    ドウォール冷却面およびシュラウド冷却面との間に所定
    の間隙を設けて設置し、この間隙と前記静翼ガスパスと
    を連通する複数個の孔を前記エンドウォール部に設け、
    かつ前記間隙と前記動翼ガスパスとを連通する複数個の
    孔を前記シュラウド部に設けるようにしたことを特徴と
    するガスタービン。
  6. 【請求項6】 冷却媒体を前記静翼の外周側より供給
    し、前記プレートの複数の小孔より静翼エンドウォール
    冷却面およびシュラウド冷却面に噴射し、かかる冷却媒
    体を前記エンドウォール部の複数の孔および前記シュラ
    ウド部の複数の孔より前記ガスパスに導くようにした請
    求項5記載のガスタービン。
  7. 【請求項7】 前記エンドウォール部に設けられた孔よ
    り前記シュラウド部に設けられた孔の方が冷却媒体の流
    通量が多くなるように形成された請求項5または6記載
    のガスタービン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336464A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Hitachi Ltd ガスタービンの静翼、及びガスタービン
JP2011241839A (ja) * 2011-09-06 2011-12-01 Hitachi Ltd ガスタービンの静翼、及びガスタービン
JP2014084866A (ja) * 2012-10-18 2014-05-12 General Electric Co <Ge> ガスタービンの熱制御装置及びその方法
CN108729953A (zh) * 2018-04-24 2018-11-02 哈尔滨工程大学 一种在端壁气膜孔上游布置新月形沙丘凸台结构的涡轮

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