JPH11300890A - 積層シートおよびフレキシブルコンテナ - Google Patents
積層シートおよびフレキシブルコンテナInfo
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- JPH11300890A JPH11300890A JP11224198A JP11224198A JPH11300890A JP H11300890 A JPH11300890 A JP H11300890A JP 11224198 A JP11224198 A JP 11224198A JP 11224198 A JP11224198 A JP 11224198A JP H11300890 A JPH11300890 A JP H11300890A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フレキシブルコンテナの構成材料に要求
される物理的特性を満足するとともに、耐温水性および
耐水蒸気性に優れた積層シートを提供すること。 温水または水蒸気による洗浄処理によっても、所期
の物理的特性を維持することができ、当該洗浄処理後に
繰り返して使用することができるフレキシブルコンテナ
を提供すること。 【解決手段】 本発明の積層シートは、水素化ニトリル
ゴムを含有する架橋ゴムシート(2A,2B)が基布
(1)の両面に形成されてなることを特徴とする。ま
た、前記架橋ゴムシート中に、PVC、EVA、EPD
Mから選ばれた重合体が含有されていることが好まし
い。本発明のフレキシブルコンテナは、前記積層シート
が袋状に成形されてなることを特徴とする。
される物理的特性を満足するとともに、耐温水性および
耐水蒸気性に優れた積層シートを提供すること。 温水または水蒸気による洗浄処理によっても、所期
の物理的特性を維持することができ、当該洗浄処理後に
繰り返して使用することができるフレキシブルコンテナ
を提供すること。 【解決手段】 本発明の積層シートは、水素化ニトリル
ゴムを含有する架橋ゴムシート(2A,2B)が基布
(1)の両面に形成されてなることを特徴とする。ま
た、前記架橋ゴムシート中に、PVC、EVA、EPD
Mから選ばれた重合体が含有されていることが好まし
い。本発明のフレキシブルコンテナは、前記積層シート
が袋状に成形されてなることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層シートおよび
フレキシブルコンテナに関し、さらに詳しくは、基布の
両面に架橋ゴムシートが形成されてなる積層シート、お
よび当該積層シートから構成されるフレキシブルコンテ
ナに関する。
フレキシブルコンテナに関し、さらに詳しくは、基布の
両面に架橋ゴムシートが形成されてなる積層シート、お
よび当該積層シートから構成されるフレキシブルコンテ
ナに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば飲料水、食品、化学薬品などの液
状物質を充填して輸送するための容器として、フレキシ
ブルコンテナが知られている。このフレキシブルコンテ
ナは、軽量で取扱が容易であり、液状物質が充填されて
いないときには小さく折り畳んで収納することができる
など種々の利点を有している。
状物質を充填して輸送するための容器として、フレキシ
ブルコンテナが知られている。このフレキシブルコンテ
ナは、軽量で取扱が容易であり、液状物質が充填されて
いないときには小さく折り畳んで収納することができる
など種々の利点を有している。
【0003】しかして、フレキシブルコンテナには、輸
送中における種々の衝撃、例えば、急発進・急加速・急
旋回・急停止などに伴い、慣性によって流動する液状物
質による衝撃〔例えば、「ミゼットGメータ」((株)
東芝製)によって測定される80Gの輸送衝撃〕に対し
て十分に耐え得る物理的特性(柔軟性・機械的強度)が
要求される。
送中における種々の衝撃、例えば、急発進・急加速・急
旋回・急停止などに伴い、慣性によって流動する液状物
質による衝撃〔例えば、「ミゼットGメータ」((株)
東芝製)によって測定される80Gの輸送衝撃〕に対し
て十分に耐え得る物理的特性(柔軟性・機械的強度)が
要求される。
【0004】このような要求を満足するフレキシブルコ
ンテナの構成材料として、ポリエステルなどからなる基
布の両面に架橋ゴムシートを形成してなる積層シートが
知られている。また、比較的高い温度(60〜80℃程
度)の液状物質を充填することのできるフレキシブルコ
ンテナの構成材料として、塩化ビニル系樹脂、ニトリル
ブタジエンゴムおよび可塑剤を特定の割合で含有する樹
脂組成物よりなるフィルム(架橋ゴムシート)を、基布
の両面に積層してなる積層シートが紹介されている(特
開平2−137925号公報参照)。
ンテナの構成材料として、ポリエステルなどからなる基
布の両面に架橋ゴムシートを形成してなる積層シートが
知られている。また、比較的高い温度(60〜80℃程
度)の液状物質を充填することのできるフレキシブルコ
ンテナの構成材料として、塩化ビニル系樹脂、ニトリル
ブタジエンゴムおよび可塑剤を特定の割合で含有する樹
脂組成物よりなるフィルム(架橋ゴムシート)を、基布
の両面に積層してなる積層シートが紹介されている(特
開平2−137925号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に紹介されているものを含め、従来公知の積層シート
から構成されるフレキシブルコンテナは、下記のような
問題を有している。
報に紹介されているものを含め、従来公知の積層シート
から構成されるフレキシブルコンテナは、下記のような
問題を有している。
【0006】(1)フレキシブルコンテナに充填された
液状物質を排出した後、当該フレキシブルコンテナは洗
浄処理される。ここに、洗浄処理方法としては、残留す
る液状物質を完全に除去し、コンテナ内を殺菌するとい
う観点から、温水(70〜90℃)または水蒸気(10
0〜110℃)による処理が効果的である。しかしなが
ら、温水または水蒸気による洗浄処理を従来公知のフレ
キシブルコンテナに対して実施すると、これを構成する
架橋ゴムシートが劣化して柔軟性が失われるとともに、
積層シートの機械的強度が低下して輸送衝撃(前記80
Gの衝撃)に耐えられないものとなってしまう。従っ
て、従来公知の積層シートから構成されるフレキシブル
コンテナは、温水または水蒸気による洗浄処理後に再使
用することができなかった。
液状物質を排出した後、当該フレキシブルコンテナは洗
浄処理される。ここに、洗浄処理方法としては、残留す
る液状物質を完全に除去し、コンテナ内を殺菌するとい
う観点から、温水(70〜90℃)または水蒸気(10
0〜110℃)による処理が効果的である。しかしなが
ら、温水または水蒸気による洗浄処理を従来公知のフレ
キシブルコンテナに対して実施すると、これを構成する
架橋ゴムシートが劣化して柔軟性が失われるとともに、
積層シートの機械的強度が低下して輸送衝撃(前記80
Gの衝撃)に耐えられないものとなってしまう。従っ
て、従来公知の積層シートから構成されるフレキシブル
コンテナは、温水または水蒸気による洗浄処理後に再使
用することができなかった。
【0007】(2)フレキシブルコンテナに液状物質が
充填されているときには、これを構成する積層シートに
引張力が作用している。しかも、当該フレキシブルコン
テナは、車両の荷台などに搭載されて紫外線の曝露環境
下に搬送される場合がある。このため、積層シートの外
表面(架橋ゴムシートの表面)にオゾン亀裂が発生しや
すく、長時間の使用に耐えることができなかった。
充填されているときには、これを構成する積層シートに
引張力が作用している。しかも、当該フレキシブルコン
テナは、車両の荷台などに搭載されて紫外線の曝露環境
下に搬送される場合がある。このため、積層シートの外
表面(架橋ゴムシートの表面)にオゾン亀裂が発生しや
すく、長時間の使用に耐えることができなかった。
【0008】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものである。本発明の第1の目的は、フレキシブル
コンテナの構成材料に要求される物理的特性(柔軟性・
機械的強度)を満足するとともに、耐温水性および耐水
蒸気性に優れた積層シートを提供することにある。本発
明の第2の目的は、耐オゾン性に優れたフレキシブルコ
ンテナ用の積層シートを提供することにある。本発明の
第3の目的は、耐酸性および耐アルカリ性に優れたフレ
キシブルコンテナ用の積層シートを提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、温水または水蒸気による洗
浄処理によっても、所期の物理的特性を維持することが
でき、当該洗浄処理後に再使用することができるフレキ
シブルコンテナを提供することにある。本発明の第5の
目的は、屋外で曝露された状態で搬送される場合であっ
ても、外表面にオゾン亀裂を発生させないフレキシブル
コンテナを提供することにある。本発明の第6の目的
は、酸・アルカリなどの化学薬品を充填して輸送するこ
とができるフレキシブルコンテナを提供することにあ
る。本発明の第7の目的は、充填される液状物質中に人
体に有害な成分を溶出するようなことがなく、食品輸送
用として好適なフレキシブルコンテナを提供することに
ある。
れたものである。本発明の第1の目的は、フレキシブル
コンテナの構成材料に要求される物理的特性(柔軟性・
機械的強度)を満足するとともに、耐温水性および耐水
蒸気性に優れた積層シートを提供することにある。本発
明の第2の目的は、耐オゾン性に優れたフレキシブルコ
ンテナ用の積層シートを提供することにある。本発明の
第3の目的は、耐酸性および耐アルカリ性に優れたフレ
キシブルコンテナ用の積層シートを提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、温水または水蒸気による洗
浄処理によっても、所期の物理的特性を維持することが
でき、当該洗浄処理後に再使用することができるフレキ
シブルコンテナを提供することにある。本発明の第5の
目的は、屋外で曝露された状態で搬送される場合であっ
ても、外表面にオゾン亀裂を発生させないフレキシブル
コンテナを提供することにある。本発明の第6の目的
は、酸・アルカリなどの化学薬品を充填して輸送するこ
とができるフレキシブルコンテナを提供することにあ
る。本発明の第7の目的は、充填される液状物質中に人
体に有害な成分を溶出するようなことがなく、食品輸送
用として好適なフレキシブルコンテナを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の積層シートは、
水素化ニトリルゴムを含有する架橋ゴムシートが基布の
両面に形成されてなることを特徴とする。本発明の積層
シートにおいては、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレ
ンジエン共重合体(EPDM)から選ばれた少なくとも
1種の重合体が架橋ゴムシート中に含有されていること
が好ましい。本発明のフレキシブルコンテナは、前記積
層シートが袋状に成形されてなることを特徴とする。
水素化ニトリルゴムを含有する架橋ゴムシートが基布の
両面に形成されてなることを特徴とする。本発明の積層
シートにおいては、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレ
ンジエン共重合体(EPDM)から選ばれた少なくとも
1種の重合体が架橋ゴムシート中に含有されていること
が好ましい。本発明のフレキシブルコンテナは、前記積
層シートが袋状に成形されてなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <積層シート>図1は、本発明の積層シートの断面構成
の一例を模式的に示す説明図である。この積層シート
は、基布1の両面に架橋ゴムシート(2A,2B)が形
成されて構成された複合材料である。
する。 <積層シート>図1は、本発明の積層シートの断面構成
の一例を模式的に示す説明図である。この積層シート
は、基布1の両面に架橋ゴムシート(2A,2B)が形
成されて構成された複合材料である。
【0011】(1)基布:本発明の積層シートを構成す
る基布(1)としては、例えばナイロン、ポリエステ
ル、芳香族ポリエステル、ビニロン、芳香族アラミド、
ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボンクロス、塩化
ビニルなどの繊維からなる織布および不織布を使用する
ことができる。基布の引張強度としては、得られる積層
シートに良好な物理的特性を付与する観点から、50k
gf/cm以上であることが好ましい。なお、複数の基
布によって積層シートが構成されていてもよく、この場
合には、基布全体の引張強度が50kgf/cm以上で
あればよい。
る基布(1)としては、例えばナイロン、ポリエステ
ル、芳香族ポリエステル、ビニロン、芳香族アラミド、
ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボンクロス、塩化
ビニルなどの繊維からなる織布および不織布を使用する
ことができる。基布の引張強度としては、得られる積層
シートに良好な物理的特性を付与する観点から、50k
gf/cm以上であることが好ましい。なお、複数の基
布によって積層シートが構成されていてもよく、この場
合には、基布全体の引張強度が50kgf/cm以上で
あればよい。
【0012】(2)架橋ゴムシート:本発明の積層シー
トを構成する架橋ゴムシート(2A,2B)は、水素化
ニトリルゴムを必須の成分として含有する架橋ゴム組成
物からなる。
トを構成する架橋ゴムシート(2A,2B)は、水素化
ニトリルゴムを必須の成分として含有する架橋ゴム組成
物からなる。
【0013】架橋ゴムシートに含有される水素化ニトリ
ルゴムは、アクリロニトリルとブタジエンとのランダム
共重合体からなるゴム(ニトリルゴム)における共役ジ
エン単位の一部または全部が水素化されたものである。
水素化ニトリルゴムにおける水素化率は、通常80〜1
00%とされ、好ましくは85〜100%とされる。水
素化率が80%未満である場合には、これを含有する架
橋ゴムシートが、耐水蒸気性、耐温水性、耐オゾン性を
十分に満足するものとならない。
ルゴムは、アクリロニトリルとブタジエンとのランダム
共重合体からなるゴム(ニトリルゴム)における共役ジ
エン単位の一部または全部が水素化されたものである。
水素化ニトリルゴムにおける水素化率は、通常80〜1
00%とされ、好ましくは85〜100%とされる。水
素化率が80%未満である場合には、これを含有する架
橋ゴムシートが、耐水蒸気性、耐温水性、耐オゾン性を
十分に満足するものとならない。
【0014】また、水素化ニトリルゴムにおけるアクリ
ロニトリル含量(AN量)は、30〜45%であること
が好ましく、更に好ましくは34〜42%とされる。水
素化ニトリルゴムの市販品としては、「ゼットポール」
(日本ゼオン(株)製)、「テルバン」(バイエル社
製)などを挙げることができる。
ロニトリル含量(AN量)は、30〜45%であること
が好ましく、更に好ましくは34〜42%とされる。水
素化ニトリルゴムの市販品としては、「ゼットポール」
(日本ゼオン(株)製)、「テルバン」(バイエル社
製)などを挙げることができる。
【0015】水素化ニトリルゴムの架橋剤としては、硫
黄(水素化率が80〜97%の場合)、有機過酸化物
(水素化率が97〜100%の場合)を挙げることがで
きる。硫黄の配合量としては、水素化ニトリルゴム10
0重量部あたり0.1〜10重量部とされる。
黄(水素化率が80〜97%の場合)、有機過酸化物
(水素化率が97〜100%の場合)を挙げることがで
きる。硫黄の配合量としては、水素化ニトリルゴム10
0重量部あたり0.1〜10重量部とされる。
【0016】架橋剤として用いることのできる有機過酸
化物の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−p−ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、
ジアルキルパーオキサイド、ケタールパーオキサイドな
どを挙げることができる。有機過酸化物の配合量として
は、水素化ニトリルゴム100重量部あたり0.1〜1
5重量部とされる。この配合量が0.1重量部未満では
架橋が十分に行れず、15重量部を超えると十分なゴム
弾性を得ることができなくなる。
化物の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−p−ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、
ジアルキルパーオキサイド、ケタールパーオキサイドな
どを挙げることができる。有機過酸化物の配合量として
は、水素化ニトリルゴム100重量部あたり0.1〜1
5重量部とされる。この配合量が0.1重量部未満では
架橋が十分に行れず、15重量部を超えると十分なゴム
弾性を得ることができなくなる。
【0017】架橋ゴムシートを得るためにゴム組成物に
は、従来公知の配合剤を添加することができる。かかる
配合剤の具体例としては、トリアリルイソシアヌレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、多官能性メタクリレ
ートモノマー、多価アルコール(メタ)アクリレートな
どの過酸化物架橋用の架橋助剤;テトラメチルチウラム
ジサルファイド、2−メルカプトベンゾチアゾールなど
の架橋促進剤;ポリジメチルシロキサンオイル、ジフェ
ニルシランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸
誘導体、アジピン酸誘導体、トリメリット酸誘導体など
の可塑剤;潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒ
マシ油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなどの
軟化剤;金属酸化物、アミン類、脂肪酸、脂肪酸の誘導
体などの加工助剤;フェニレンジアミン類、フォスフェ
ート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジ
チオカルバメート金属塩類などの老化防止剤;酸化鉄、
酸化セシウム、水酸化カリウム、ナフテン酸鉄、ナフテ
ン酸カリウムなどの耐熱性付与剤;乾式シリカ、湿式シ
リカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、亜
鉛華、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタ
ン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アスベスト、ガラス繊維などの無
機充填剤;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロ
ン繊維、アラミド繊維などの有機補強剤;滑剤、粘着付
与剤、スコーチ防止剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、着
色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、発泡剤な
どを挙げることができる。これらの配合剤は、ゴム組成
物を調製する過程において添加することができる。
は、従来公知の配合剤を添加することができる。かかる
配合剤の具体例としては、トリアリルイソシアヌレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、多官能性メタクリレ
ートモノマー、多価アルコール(メタ)アクリレートな
どの過酸化物架橋用の架橋助剤;テトラメチルチウラム
ジサルファイド、2−メルカプトベンゾチアゾールなど
の架橋促進剤;ポリジメチルシロキサンオイル、ジフェ
ニルシランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸
誘導体、アジピン酸誘導体、トリメリット酸誘導体など
の可塑剤;潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒ
マシ油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなどの
軟化剤;金属酸化物、アミン類、脂肪酸、脂肪酸の誘導
体などの加工助剤;フェニレンジアミン類、フォスフェ
ート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジ
チオカルバメート金属塩類などの老化防止剤;酸化鉄、
酸化セシウム、水酸化カリウム、ナフテン酸鉄、ナフテ
ン酸カリウムなどの耐熱性付与剤;乾式シリカ、湿式シ
リカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、亜
鉛華、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタ
ン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アスベスト、ガラス繊維などの無
機充填剤;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロ
ン繊維、アラミド繊維などの有機補強剤;滑剤、粘着付
与剤、スコーチ防止剤、架橋促進助剤、架橋遅延剤、着
色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、発泡剤な
どを挙げることができる。これらの配合剤は、ゴム組成
物を調製する過程において添加することができる。
【0018】架橋ゴムシートを得るために使用するゴム
組成物(未架橋のゴム組成物)は、オートクレーブなど
の反応容器、ミキシングロールなどの開放型混練機、ブ
ラベンダーミキサー、バンバリーミキサーなどの密閉型
混練機、単軸押出機、二軸押出機、ファーレルミキサ
ー、ブッスコニーダーなどの連続型混練機などを用いて
調製することができ、調製温度は、例えば0〜300℃
の範囲とされる。
組成物(未架橋のゴム組成物)は、オートクレーブなど
の反応容器、ミキシングロールなどの開放型混練機、ブ
ラベンダーミキサー、バンバリーミキサーなどの密閉型
混練機、単軸押出機、二軸押出機、ファーレルミキサ
ー、ブッスコニーダーなどの連続型混練機などを用いて
調製することができ、調製温度は、例えば0〜300℃
の範囲とされる。
【0019】架橋ゴムシートには、各種のポリマー(ゴ
ムおよび樹脂)が含有されていてもよい。好ましいブレ
ンドポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロ
ピレンジエン共重合体(EPDM)を挙げることができ
る。
ムおよび樹脂)が含有されていてもよい。好ましいブレ
ンドポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロ
ピレンジエン共重合体(EPDM)を挙げることができ
る。
【0020】ポリ塩化ビニル(PVC)をブレンドする
ことにより、カレンダー加工性および架橋ゴムシートの
耐オゾン性を向上させることができる。また、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレン
ジエン共重合体(EPDM)をブレンドすることによ
り、架橋ゴムシートの耐オゾン性を向上させることがで
きる。これらのブレンドポリマーの含有割合としては、
水素化ニトリルゴムとブレンドポリマーとの重量比で、
95:5〜50:50とされる。
ことにより、カレンダー加工性および架橋ゴムシートの
耐オゾン性を向上させることができる。また、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレン
ジエン共重合体(EPDM)をブレンドすることによ
り、架橋ゴムシートの耐オゾン性を向上させることがで
きる。これらのブレンドポリマーの含有割合としては、
水素化ニトリルゴムとブレンドポリマーとの重量比で、
95:5〜50:50とされる。
【0021】架橋ゴムシートの厚さとしては、0.01
〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは
0.3〜1.0mmとされる。
〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは
0.3〜1.0mmとされる。
【0022】(3)積層シートの製造方法:本発明の積
層シートを製造する方法としては、特に限定されるもの
でないが、例えば、基布の両面に接着剤を塗布し、前記
ゴム組成物からなるシートをカレンダー加工により貼り
合わせた後、当該ゴム組成物を架橋処理する方法を挙げ
ることができる。ここに、接着剤としては、ゴム組成物
を適宜の溶剤(例えばMEK)に溶解することによって
調製することができる。また、当該接着剤はコーティン
グマシーンなどを使用して基布表面に塗布することがで
きる。ゴム組成物の架橋処理方法としても特に限定され
るものでなく、例えばプレス加硫、缶加硫(直接蒸気・
間接蒸気)等を使用して行うことができる。このように
して得られる本発明の積層シートの厚さ〔(基布の厚
さ)+(架橋ゴムシートの厚さ×2)〕としては、機械
的強度と柔軟性をバランスよく発現させる等の観点か
ら、0.1〜10mmであることが好ましく、更に好ま
しくは0.5〜1.5mmとされる。
層シートを製造する方法としては、特に限定されるもの
でないが、例えば、基布の両面に接着剤を塗布し、前記
ゴム組成物からなるシートをカレンダー加工により貼り
合わせた後、当該ゴム組成物を架橋処理する方法を挙げ
ることができる。ここに、接着剤としては、ゴム組成物
を適宜の溶剤(例えばMEK)に溶解することによって
調製することができる。また、当該接着剤はコーティン
グマシーンなどを使用して基布表面に塗布することがで
きる。ゴム組成物の架橋処理方法としても特に限定され
るものでなく、例えばプレス加硫、缶加硫(直接蒸気・
間接蒸気)等を使用して行うことができる。このように
して得られる本発明の積層シートの厚さ〔(基布の厚
さ)+(架橋ゴムシートの厚さ×2)〕としては、機械
的強度と柔軟性をバランスよく発現させる等の観点か
ら、0.1〜10mmであることが好ましく、更に好ま
しくは0.5〜1.5mmとされる。
【0023】(4)積層シートの特性:輸送衝撃(前記
80Gの衝撃)に対して十分に耐え得るフレキシブルコ
ンテナを構成するために、積層シート(これを構成する
架橋ゴムシート)には、下記〜に示すような特性が
要求される。また、積層シート同士の接合部位における
接着力は4kgf/cm以上であることが必要とされ
る。
80Gの衝撃)に対して十分に耐え得るフレキシブルコ
ンテナを構成するために、積層シート(これを構成する
架橋ゴムシート)には、下記〜に示すような特性が
要求される。また、積層シート同士の接合部位における
接着力は4kgf/cm以上であることが必要とされ
る。
【0024】 積層シートの引張強度が50kgf/
cm以上であること。 架橋ゴムシートと基布との間の接着力が2kgf/
cm以上であること。 架橋ゴムシートの引張強度(Tb )が100kgf
/cm2 以上であること。 架橋ゴムシートの伸び(Eb )が300%以上であ
ること。 架橋ゴムシートの硬度(JIS−A硬度)が40〜
80の範囲にあること。
cm以上であること。 架橋ゴムシートと基布との間の接着力が2kgf/
cm以上であること。 架橋ゴムシートの引張強度(Tb )が100kgf
/cm2 以上であること。 架橋ゴムシートの伸び(Eb )が300%以上であ
ること。 架橋ゴムシートの硬度(JIS−A硬度)が40〜
80の範囲にあること。
【0025】しかして、水素化ニトリルゴムを含有する
架橋ゴムシートを備えた本発明の積層シートは、上記の
条件をすべて満足するものである。しかも、本発明の積
層シートは、耐温水性および耐水蒸気性に優れており、
長時間にわたり温水または水蒸気と接触させた後におい
ても、好ましい特性(上記〜および接合部位におけ
る接着力の条件)を維持することができる。
架橋ゴムシートを備えた本発明の積層シートは、上記の
条件をすべて満足するものである。しかも、本発明の積
層シートは、耐温水性および耐水蒸気性に優れており、
長時間にわたり温水または水蒸気と接触させた後におい
ても、好ましい特性(上記〜および接合部位におけ
る接着力の条件)を維持することができる。
【0026】また、架橋ゴムシートに含有されている水
素化ニトリルゴムは、不飽和結合を含有しないか、その
含有量がきわめて少ないものであるため、当該架橋ゴム
シートを備えてなる本発明の積層シートは、優れた耐オ
ゾン性を有している。また、本発明の積層シートは、後
述する実施例の結果からも明らかなように、耐酸性およ
び耐アルカリ性にも優れている。さらに、架橋ゴムシー
トを得るためのゴム組成物には、カドミウムや鉛などの
人体に有害な物質を配合させる必要はないので、最終的
に得られる積層シートは、液状物質を汚染することがな
く、従って、食品輸送用のフレキシブルコンテナの構成
材料として好適に使用することができる。
素化ニトリルゴムは、不飽和結合を含有しないか、その
含有量がきわめて少ないものであるため、当該架橋ゴム
シートを備えてなる本発明の積層シートは、優れた耐オ
ゾン性を有している。また、本発明の積層シートは、後
述する実施例の結果からも明らかなように、耐酸性およ
び耐アルカリ性にも優れている。さらに、架橋ゴムシー
トを得るためのゴム組成物には、カドミウムや鉛などの
人体に有害な物質を配合させる必要はないので、最終的
に得られる積層シートは、液状物質を汚染することがな
く、従って、食品輸送用のフレキシブルコンテナの構成
材料として好適に使用することができる。
【0027】<フレキシブルコンテナ>図2は、本発明
のフレキシブルコンテナの構成の一例を示す説明図であ
って、(イ)は正面図、(ロ)は側面図である。同図に
おいて、3は本発明の積層シートから成形されたタンク
本体、4は注排口フランジ、5はホールフランジ、Pは
パッチ材である。
のフレキシブルコンテナの構成の一例を示す説明図であ
って、(イ)は正面図、(ロ)は側面図である。同図に
おいて、3は本発明の積層シートから成形されたタンク
本体、4は注排口フランジ、5はホールフランジ、Pは
パッチ材である。
【0028】本発明のフレキシブルコンテナのサイズ
は、例えば、容量が1〜20m3 、幅(W)が1000
〜5000mm、長さ(L)が2000〜8000mm
とされ、空重量は10〜100kgとされる。
は、例えば、容量が1〜20m3 、幅(W)が1000
〜5000mm、長さ(L)が2000〜8000mm
とされ、空重量は10〜100kgとされる。
【0029】図2に示した構成のフレキシブルコンテナ
は、下記(1)〜(4)のようにして製造することがで
きる。
は、下記(1)〜(4)のようにして製造することがで
きる。
【0030】(1)水素化ニトリルゴムを含有するシー
ト状のゴム組成物(未架橋又は半架橋の組成物)を基布
の両面にカレンダー加工によって貼り合わせ、幅100
0mm程度の複合シート(本発明の積層シートの形成材
料)を作製する。
ト状のゴム組成物(未架橋又は半架橋の組成物)を基布
の両面にカレンダー加工によって貼り合わせ、幅100
0mm程度の複合シート(本発明の積層シートの形成材
料)を作製する。
【0031】(2)得られた複合シートを裁断および接
合することにより、図3に示したような形状のシート体
6を作製する。ここに、複合シート同士の接合(ゴム組
成物同士の接着)操作は、接合面に、適宜の溶剤(例え
ばMEK)または接着剤(前記ゴム組成物を適宜の溶剤
に溶解しなる溶液)を塗布して行うことができる。
合することにより、図3に示したような形状のシート体
6を作製する。ここに、複合シート同士の接合(ゴム組
成物同士の接着)操作は、接合面に、適宜の溶剤(例え
ばMEK)または接着剤(前記ゴム組成物を適宜の溶剤
に溶解しなる溶液)を塗布して行うことができる。
【0032】(3)図3に示した形状のシート体6を貼
り合わせて袋状(いわゆる封筒貼り構造)に成形する。
ここに、貼り合わせ操作は、上記(2)の接合操作と同
様に、適宜の溶剤または接着剤を使用して行うことがで
きる。また、シート体の貼り合わせ部分の全部または一
部を覆うように、前記複合シートからなるパッチ材を貼
りつけることが好ましく、これにより、シート体の貼り
合わせ強度、延いては、フレキシブルコンテナの強度を
向上させることができる。
り合わせて袋状(いわゆる封筒貼り構造)に成形する。
ここに、貼り合わせ操作は、上記(2)の接合操作と同
様に、適宜の溶剤または接着剤を使用して行うことがで
きる。また、シート体の貼り合わせ部分の全部または一
部を覆うように、前記複合シートからなるパッチ材を貼
りつけることが好ましく、これにより、シート体の貼り
合わせ強度、延いては、フレキシブルコンテナの強度を
向上させることができる。
【0033】(4)このようにして得られた成形体を加
熱処理(架橋処理)する。これにより、複合シートを構
成するゴム組成物が完全に架橋されて架橋ゴムシートと
なり、本発明の積層シートからなるフレキシブルコンテ
ナが得られる。このようにして得られるフレキシブルコ
ンテナにおいて、積層シート同士の接合部位における接
着力は5kgf/cm以上となり、この結果、輸送衝撃
(前記80Gの衝撃)を受けても、当該接合部位が剥離
することはない。
熱処理(架橋処理)する。これにより、複合シートを構
成するゴム組成物が完全に架橋されて架橋ゴムシートと
なり、本発明の積層シートからなるフレキシブルコンテ
ナが得られる。このようにして得られるフレキシブルコ
ンテナにおいて、積層シート同士の接合部位における接
着力は5kgf/cm以上となり、この結果、輸送衝撃
(前記80Gの衝撃)を受けても、当該接合部位が剥離
することはない。
【0034】本発明のフレキシブルコンテナは、温水ま
たは水蒸気による洗浄処理を多数回にわたり実施して
も、輸送衝撃に耐え得る程度の物理的特性(柔軟性およ
び機械的強度)を維持することができる。具体的には、
100℃の水蒸気で20分間洗浄する操作を500回に
わたって繰返した後(水蒸気との接触時間:約170時
間)において、本発明のフレキシブルコンテナは十分な
物理的特性・耐衝撃性を発揮することができる。
たは水蒸気による洗浄処理を多数回にわたり実施して
も、輸送衝撃に耐え得る程度の物理的特性(柔軟性およ
び機械的強度)を維持することができる。具体的には、
100℃の水蒸気で20分間洗浄する操作を500回に
わたって繰返した後(水蒸気との接触時間:約170時
間)において、本発明のフレキシブルコンテナは十分な
物理的特性・耐衝撃性を発揮することができる。
【0035】また、本発明のフレキシブルコンテナは、
耐オゾン性に優れた積層シート(本発明の積層シート)
から構成されているので、屋外で曝露された状態で使用
される場合であっても、外表面(架橋ゴムシート面)に
オゾン亀裂が発生することはない。
耐オゾン性に優れた積層シート(本発明の積層シート)
から構成されているので、屋外で曝露された状態で使用
される場合であっても、外表面(架橋ゴムシート面)に
オゾン亀裂が発生することはない。
【0036】また、本発明のフレキシブルコンテナは、
耐酸性および耐アルカリ性に優れた積層シートから構成
されているので、氷酢酸、酢酸、塩酸、硝酸、過塩素
酸、リン酸、硫酸などの酸;水酸化アンモニウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリを充填して輸送することが
できる。また、本発明の積層シートは、食品用包材とし
ての適性を有する(厚生省告示第85号の材質試験およ
び溶出試験に適合する)ものであり、従って、飲料水、
食品などを充填して輸送することができる。
耐酸性および耐アルカリ性に優れた積層シートから構成
されているので、氷酢酸、酢酸、塩酸、硝酸、過塩素
酸、リン酸、硫酸などの酸;水酸化アンモニウム、水酸
化ナトリウムなどのアルカリを充填して輸送することが
できる。また、本発明の積層シートは、食品用包材とし
ての適性を有する(厚生省告示第85号の材質試験およ
び溶出試験に適合する)ものであり、従って、飲料水、
食品などを充填して輸送することができる。
【0037】本発明のフレキシブルコンテナに充填する
ことのできる液状物質としては、例えば界面活性剤、ラ
テックス、洗剤、生活用水、廃棄用水、飲食品(酒類・
ミネラルウォーター・醤油・みりん・食品中間体)など
を例示することができる。
ことのできる液状物質としては、例えば界面活性剤、ラ
テックス、洗剤、生活用水、廃棄用水、飲食品(酒類・
ミネラルウォーター・醤油・みりん・食品中間体)など
を例示することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下
において「部」は「重量部」を意味するものとする。
本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下
において「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0039】<実施例1> (1)ゴム組成物の調製:表1に示す配合処方に従っ
て、水素化ニトリルゴム(水素化率90%,AN量41
%)100部と、ステアリン酸1部と、亜鉛華5部と、
硫黄0.8部と、カーボンブラック40部と、可塑剤1
5部と、テトラメチルチウラムジサルファイド(架橋促
進剤)1部と、2−メルカプトベンゾチアゾール(架橋
促進剤)1部とからなる配合物を混練し、水素化ニトリ
ルゴムを含有するゴム組成物を調製した。
て、水素化ニトリルゴム(水素化率90%,AN量41
%)100部と、ステアリン酸1部と、亜鉛華5部と、
硫黄0.8部と、カーボンブラック40部と、可塑剤1
5部と、テトラメチルチウラムジサルファイド(架橋促
進剤)1部と、2−メルカプトベンゾチアゾール(架橋
促進剤)1部とからなる配合物を混練し、水素化ニトリ
ルゴムを含有するゴム組成物を調製した。
【0040】(2)複合シートの作製:ナイロンからな
る基布(厚さ0.5mm,幅1000mm,引張強度9
0kgf/cm)の両面に、前記ゴム組成物のMEK溶
液(固形分濃度30重量%)からなる接着剤をロールコ
ーターを用いて塗布した後、ゴム組成物からなるシート
(厚さ0.35mm)をカレンダー加工によって貼り合
わせることにより、厚さ1.2mmの複合シート(本発
明の積層シートの形成材料)を作製した。
る基布(厚さ0.5mm,幅1000mm,引張強度9
0kgf/cm)の両面に、前記ゴム組成物のMEK溶
液(固形分濃度30重量%)からなる接着剤をロールコ
ーターを用いて塗布した後、ゴム組成物からなるシート
(厚さ0.35mm)をカレンダー加工によって貼り合
わせることにより、厚さ1.2mmの複合シート(本発
明の積層シートの形成材料)を作製した。
【0041】(3)フレキシブルコンテナの製造:上記
のようにして得られた複合シートを裁断・接合して、図
3に示したような形状のシート体(6)を作製し、これ
を袋状(封筒貼り構造)に貼り合わせることにより、複
合シートからなる成形体(幅2250mm、長さ721
0mm)を作製した。ここに、複合シートの接合・貼り
合わせ操作は、前記接着剤を使用して行った。次いで、
この成形体を加硫缶に入れて150℃で2時間にわたり
加熱処理(蒸気加硫)することによってゴム組成物を架
橋させ、図2に示したような形状を有する本発明のフレ
キシブルコンテナ〔容量:9m3 ,幅(W):2200
mm,長さ(L):7000mm、空重量:59kg〕
を製造した。
のようにして得られた複合シートを裁断・接合して、図
3に示したような形状のシート体(6)を作製し、これ
を袋状(封筒貼り構造)に貼り合わせることにより、複
合シートからなる成形体(幅2250mm、長さ721
0mm)を作製した。ここに、複合シートの接合・貼り
合わせ操作は、前記接着剤を使用して行った。次いで、
この成形体を加硫缶に入れて150℃で2時間にわたり
加熱処理(蒸気加硫)することによってゴム組成物を架
橋させ、図2に示したような形状を有する本発明のフレ
キシブルコンテナ〔容量:9m3 ,幅(W):2200
mm,長さ(L):7000mm、空重量:59kg〕
を製造した。
【0042】(4)積層シートの製造:一方、前記複合
シートをプレス架橋(150℃×20分間)することに
より、本発明の積層シート(厚さ1.2mm)を製造し
た。また、積層シートを構成する架橋ゴムシートの特性
を評価するため、前記ゴム組成物をプレス架橋(150
℃×15分間)することにより、厚さ2mmの架橋ゴム
シートを作製した。
シートをプレス架橋(150℃×20分間)することに
より、本発明の積層シート(厚さ1.2mm)を製造し
た。また、積層シートを構成する架橋ゴムシートの特性
を評価するため、前記ゴム組成物をプレス架橋(150
℃×15分間)することにより、厚さ2mmの架橋ゴム
シートを作製した。
【0043】<実施例2>表1に示す配合処方に従っ
て、水素化ニトリルゴムの配合量を90部に変更し、ポ
リ塩化ビニル(PVC)を10部配合してゴム組成物を
調製したこと以外は実施例1と同様にして、複合シート
(本発明の積層シートの形成材料)を作製し、当該複合
シートを用いて本発明のフレキシブルコンテナおよび本
発明の積層シートを製造し、さらに、ゴム組成物を架橋
処理して架橋ゴムシートを作製した。
て、水素化ニトリルゴムの配合量を90部に変更し、ポ
リ塩化ビニル(PVC)を10部配合してゴム組成物を
調製したこと以外は実施例1と同様にして、複合シート
(本発明の積層シートの形成材料)を作製し、当該複合
シートを用いて本発明のフレキシブルコンテナおよび本
発明の積層シートを製造し、さらに、ゴム組成物を架橋
処理して架橋ゴムシートを作製した。
【0044】<実施例3>表1に示す配合処方に従っ
て、水素化ニトリルゴムの配合量を90部に変更し、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を10部配合し
てゴム組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て、複合シート(本発明の積層シートの形成材料)を作
製し、当該複合シートを用いて本発明のフレキシブルコ
ンテナおよび本発明の積層シートを製造し、さらに、ゴ
ム組成物を架橋処理して架橋ゴムシートを作製した。
て、水素化ニトリルゴムの配合量を90部に変更し、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を10部配合し
てゴム組成物を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て、複合シート(本発明の積層シートの形成材料)を作
製し、当該複合シートを用いて本発明のフレキシブルコ
ンテナおよび本発明の積層シートを製造し、さらに、ゴ
ム組成物を架橋処理して架橋ゴムシートを作製した。
【0045】<比較例1>表1に示す配合処方に従っ
て、水素化ニトリルゴムに代えて、ニトリルゴム(水素
化率0%,AN量41%)100部を配合したこと以外
は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、さらに、
当該ゴム組成物のトルエン溶液(固形分濃度30重量
%)からなる接着剤を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、複合シート(積層シートの形成材料)を作製
し、当該複合シートを用いて比較用のフレキシブルコン
テナおよび比較用の積層シートを製造し、架橋ゴムシー
トを作製した。
て、水素化ニトリルゴムに代えて、ニトリルゴム(水素
化率0%,AN量41%)100部を配合したこと以外
は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、さらに、
当該ゴム組成物のトルエン溶液(固形分濃度30重量
%)からなる接着剤を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、複合シート(積層シートの形成材料)を作製
し、当該複合シートを用いて比較用のフレキシブルコン
テナおよび比較用の積層シートを製造し、架橋ゴムシー
トを作製した。
【0046】
【表1】
【0047】<積層シートの評価> (1)初期物性および接着性:実施例1〜3および比較
例1で得られた積層シートの各々について、 引張強
度、 架橋ゴムシートと基布との間の接着力を測定
し、また、実施例1〜3および比較例1で得られた架橋
ゴムシートについて、 引張強度(Tb )、伸び
(Eb )、 JIS−A硬度(Hs )を測定した。ま
た、 フレキシブルコンテナの貼り合わせ部位(積層
シート同士の接合部位)における接着力を測定した。結
果を表2に示す。
例1で得られた積層シートの各々について、 引張強
度、 架橋ゴムシートと基布との間の接着力を測定
し、また、実施例1〜3および比較例1で得られた架橋
ゴムシートについて、 引張強度(Tb )、伸び
(Eb )、 JIS−A硬度(Hs )を測定した。ま
た、 フレキシブルコンテナの貼り合わせ部位(積層
シート同士の接合部位)における接着力を測定した。結
果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】(2)耐水蒸気性および耐温水性:実施例
1〜3および比較例1で得られた積層シートおよび架橋
ゴムシートの各々を下記(a)〜(c)の環境下に放置
した後、上記(1)〜と同様にして物性および接着
力の測定を行い、積層シートの耐水蒸気性および耐温水
性を評価した。結果を表3に示す。
1〜3および比較例1で得られた積層シートおよび架橋
ゴムシートの各々を下記(a)〜(c)の環境下に放置
した後、上記(1)〜と同様にして物性および接着
力の測定を行い、積層シートの耐水蒸気性および耐温水
性を評価した。結果を表3に示す。
【0050】〔放置環境条件〕 (a)110℃の水蒸気中に7日間 (b)110℃の水蒸気中に14日間 (c)60℃の温水中に120日間
【0051】
【表3】
【0052】(3)耐オゾン性:実施例1〜3および比
較例1で得られた架橋ゴムシートの各々について、JI
S K 6259に準じてオゾン劣化試験を行い、8時
間後および72時間後における表面状態(肉眼で確認で
きる亀裂の発生の有無)を観察した。ここに、オゾン濃
度は50±5pphm、試験温度は40℃とし、試験片
には20%の引張歪を作用させた。結果を表4に示す。
較例1で得られた架橋ゴムシートの各々について、JI
S K 6259に準じてオゾン劣化試験を行い、8時
間後および72時間後における表面状態(肉眼で確認で
きる亀裂の発生の有無)を観察した。ここに、オゾン濃
度は50±5pphm、試験温度は40℃とし、試験片
には20%の引張歪を作用させた。結果を表4に示す。
【0053】(4)耐酸性および耐アルカリ性:実施例
1〜3および比較例1で得られた架橋ゴムシートの各々
から耐薬品試験用の試験片(2mm×10mm×50m
m)を作製し、これらを36%の塩酸(20℃)、50
%の水酸化ナトリウム水溶液(20℃)に浸漬し、10
日間、20日間および30日間経過後における体積変化
率を測定することにより、耐酸性および耐アルカリ性を
評価した。結果を表4に示す。
1〜3および比較例1で得られた架橋ゴムシートの各々
から耐薬品試験用の試験片(2mm×10mm×50m
m)を作製し、これらを36%の塩酸(20℃)、50
%の水酸化ナトリウム水溶液(20℃)に浸漬し、10
日間、20日間および30日間経過後における体積変化
率を測定することにより、耐酸性および耐アルカリ性を
評価した。結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】(5)食品適合試験:実施例1〜3および
比較例1で得られた架橋ゴムシートの各々について、厚
生省告示85号の試験方法に基いて、材質試験(鉛・カ
ドミウム)および溶出試験(フェノール・ホルムアルデ
ヒド・亜鉛・重金属・蒸発残留物)を行ったところ、何
れの架橋ゴムシートも厚生省告示85号の基準に適合す
るものであった。
比較例1で得られた架橋ゴムシートの各々について、厚
生省告示85号の試験方法に基いて、材質試験(鉛・カ
ドミウム)および溶出試験(フェノール・ホルムアルデ
ヒド・亜鉛・重金属・蒸発残留物)を行ったところ、何
れの架橋ゴムシートも厚生省告示85号の基準に適合す
るものであった。
【0056】<フレキシブルコンテナの評価>実施例1
〜3で得られたフレキシブルコンテナの各々について、
液状物質(醤油)を充填して72時間放置し、
液状物質を排出して120℃の水蒸気で20分間洗浄す
る、というサイクルを500回にわたって繰返した。次
いで、当該フレキシブルコンテナに液状物質を充填し、
これをトラックに搭載して、一般道路(500km)を
利用して輸送した。輸送中において、急発進・急加速・
急旋回・急停止が行われたが、輸送衝撃によるコンテナ
の損傷・液漏れなどは全く認められなかった。
〜3で得られたフレキシブルコンテナの各々について、
液状物質(醤油)を充填して72時間放置し、
液状物質を排出して120℃の水蒸気で20分間洗浄す
る、というサイクルを500回にわたって繰返した。次
いで、当該フレキシブルコンテナに液状物質を充填し、
これをトラックに搭載して、一般道路(500km)を
利用して輸送した。輸送中において、急発進・急加速・
急旋回・急停止が行われたが、輸送衝撃によるコンテナ
の損傷・液漏れなどは全く認められなかった。
【0057】一方、比較例1で得られたフレキシブルコ
ンテナに対して同様の試験を試みたところ、50サイク
ル目の洗浄処理後に、積層シートを構成する架橋ゴムシ
ートが硬化して、コンテナの柔軟性(フレキシブル性)
が失われてしまい、当該試験を中止した。
ンテナに対して同様の試験を試みたところ、50サイク
ル目の洗浄処理後に、積層シートを構成する架橋ゴムシ
ートが硬化して、コンテナの柔軟性(フレキシブル性)
が失われてしまい、当該試験を中止した。
【0058】
【発明の効果】本発明の積層シートは、フレキシブルコ
ンテナの構成材料に要求される物理的特性(柔軟性・機
械的強度)を満足するとともに、耐温水性および耐水蒸
気性に優れている。また、本発明の積層シートは、耐オ
ゾン性に優れている。さらに、本発明の積層シートは、
耐酸性および耐アルカリ性に優れている。
ンテナの構成材料に要求される物理的特性(柔軟性・機
械的強度)を満足するとともに、耐温水性および耐水蒸
気性に優れている。また、本発明の積層シートは、耐オ
ゾン性に優れている。さらに、本発明の積層シートは、
耐酸性および耐アルカリ性に優れている。
【0059】本発明のフレキシブルコンテナは、温水ま
たは水蒸気による洗浄処理後においても所期の物理的特
性を維持することができ、当該洗浄処理後に再使用(繰
り返して使用)することができる。また、本発明のフレ
キシブルコンテナは、屋外で曝露された状態で搬送され
る場合であっても、外表面にオゾン亀裂を発生させるこ
とはない。また、本発明のフレキシブルコンテナによれ
ば、酸・アルカリなどを充填してこれを輸送することが
できる。さらに、本発明のフレキシブルコンテナは、食
品輸送用としても好適である。
たは水蒸気による洗浄処理後においても所期の物理的特
性を維持することができ、当該洗浄処理後に再使用(繰
り返して使用)することができる。また、本発明のフレ
キシブルコンテナは、屋外で曝露された状態で搬送され
る場合であっても、外表面にオゾン亀裂を発生させるこ
とはない。また、本発明のフレキシブルコンテナによれ
ば、酸・アルカリなどを充填してこれを輸送することが
できる。さらに、本発明のフレキシブルコンテナは、食
品輸送用としても好適である。
【図1】本発明の積層シートの断面構成の一例を模式的
に示す説明図である。
に示す説明図である。
【図2】本発明のフレキシブルコンテナの構成の一例を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図3】複合シートからなるシート体を示す説明図であ
る。
る。
1 基布 2A,2B 架橋ゴムシート 3 タンク本体 4 注排口フランジ 5 ホールフランジ 6 シート体
Claims (3)
- 【請求項1】 水素化ニトリルゴムを含有する架橋ゴム
シートが基布の両面に形成されてなることを特徴とする
フレキシブルコンテナ用の積層シート。 - 【請求項2】 ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレンジ
エン共重合体(EPDM)から選ばれた少なくとも1種
の重合体が架橋ゴムシート中に含有されていることを特
徴とする請求項1に記載の積層シート。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の積層シー
トが袋状に成形されてなることを特徴とするフレキシブ
ルコンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11224198A JPH11300890A (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 積層シートおよびフレキシブルコンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11224198A JPH11300890A (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 積層シートおよびフレキシブルコンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11300890A true JPH11300890A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14581787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11224198A Withdrawn JPH11300890A (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 積層シートおよびフレキシブルコンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11300890A (ja) |
-
1998
- 1998-04-22 JP JP11224198A patent/JPH11300890A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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